JP4349052B2 - ディスプレイ用フレネルレンズの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明はディスプレイ装置を構成するフレネルレンズの製造方法に係り、特に反射防止膜が製膜されたディスプレイ用フレネルレンズの製造方法に関する。
通常の透過型スクリーンはフレネルレンズ及びレンチキュラーレンズの2枚のスクリーンを重ねて配置した構成を有している。フレネルレンズを断面視すると、フレネルレンズの光出射面(レンチキュラーレンズに対向する面)は、同心円の円弧の一部を構成する複数のフレネルレンズ面と各フレネルレンズ面間に配置されるライズ面とが交互に繰り返された形状を呈している。透過型スクリーンの背面側に配置された投射装置から映像光をフレネルレンズに入射させると、その映像光は、フレネルレンズの光入射面で屈折し、その後フレネルレンズ面で再度屈折し、平行光か又は所定位置に焦点を結ぶ収束光に換えられた状態で光出射面から出射される。
しかしながら、映像光が光出射面のフレネルレンズ面から出射される場合に、一部の映像光がフレネルレンズ面で反射してフレネルレンズ内に閉じ込められ、光入射面で再度反射され、最終的に不要光として光出射面のライズ面から出射されるときがある。このときスクリーン上にはゴースト像が映し出され、スクリーン上の映像のコントラストも著しく低下する。
そのような問題を解決するため、光出射面のライズ面に光拡散層又は光吸収層を設ける技術が知られている(例えば特許文献1,2参照)。ライズ面に光拡散層を設けた場合には、不要光の全光束はほとんど減衰されることなく光拡散層を通過するからゴースト像は目立たなくなるが、映像のコントラストはあまり改善されない。一方、ライズ面に光吸収層を設けた場合には、不要光を十分に吸収させるためにカーボン粒子・黒色インクなどの光吸収剤を5〜10μm程度の厚さで塗布しなければならないが、近年ではスクリーン上の映像を微細化するために各フレネルレンズ面のピッチを小さくする(例えば100μmとする)という傾向があり、超微細なピッチでフレネルレンズ面を形成したフレネルレンズでは光吸収剤の厚さの分だけフレネルレンズ面が遮られ、フレネルレンズ面の光透過率が低下してスクリーン上の映像が暗くなる。
このような状況において、特許文献3に記載の技術では塗布技術によりフレネルレンズ面の面上に反射防止膜を製膜してフレネルレンズ面の光透過率を向上させ、映像光がフレネルレンズ面で反射して不要光としてライズ面から出射されるのを防止している。
特開昭50−123448号公報 特開昭52−143847号公報 特開2002−169225号公報
しかしながら、特許文献3に記載の技術のように、塗布技術で反射防止膜を製膜する場合には、反射防止膜に塗布ムラができて膜厚を均一にすることができず、光透過率が高くて高度な反射防止機能を具備した反射防止膜をフレネルレンズの表面に製膜することはできない。
本発明の目的は、全光線透過率が高くて高度な反射防止機能を具備したディスプレイ用フレネルレンズの製造方法を提供することである。
上記課題を解決するため請求項1に記載の発明は、
大気圧又はその近傍の圧力下、互いに対向する電極で構成される放電空間に薄膜形成ガスを含有するガスを供給し、前記互いに対向する電極に第1の高周波電界および第2の高周波電界を印加して、前記放電空間に高周波電界を印加することにより前記ガスを励起させ、励起した前記ガスに基材を晒すことにより前記基材の少なくとも一方の面上に反射防止膜が形成されディスプレイ用フレネルレンズの製造方法であって、
前記高周波電界が前記第1の高周波電界および前記第2の高周波電界を重畳したものであり、前記第1の高周波電界の周波数ω1より前記第2の高周波電界の周波数ω2が高く、前記第1の高周波電界の強さV1、前記第2の高周波電界の強さV2及び放電開始電界の強さIVとの関係がV1≧IV>V2又はV1>IV≧V2を満たし、前記第2の高周波電界の出力密度が1W/cm2以上であることを特徴としている。
請求項2に記載の発明は請求項1に記載のディスプレイ用フレネルレンズの製造方法において、
前記互いに対向する電極は、第1電極と第2電極とで構成されることを特徴としている。
請求項3に記載の発明は請求項1又は2に記載のディスプレイ用フレネルレンズの製造方法において、
前記第2の高周波電界の出力密度が50W/cm2以下であることを特徴としている。
請求項4に記載の発明は請求項3に記載のディスプレイ用フレネルレンズの製造方法において、
前記第2の高周波電界の出力密度が20W/cm2以下であることを特徴としている。
請求項5に記載の発明は請求項1〜4のいずれか一項に記載のディスプレイ用フレネルレンズの製造方法において、
前記第1の高周波電界の出力密度が1W/cm2以上であることを特徴としている。
請求項6に記載の発明は請求項1〜のいずれか一項に記載のディスプレイ用フレネルレンズの製造方法において、
前記第1の高周波電界の出力密度が50W/cm2以下であることを特徴としている。
請求項7に記載の発明は請求項1〜6のいずれか一項に記載のディスプレイ用フレネルレンズの製造方法において、
前記第1の高周波電界及び前記第2の高周波電界がサイン波であることを特徴としている。
請求項8に記載の発明は請求項2〜7のいずれか一項に記載のディスプレイ用フレネルレンズの製造方法において、
前記第1の高周波電界を前記第1電極に印加し、前記第2の高周波電界を前記第2電極に印加することを特徴としている。
請求項9に記載の発明は請求項1〜8のいずれか一項に記載のディスプレイ用フレネルレンズの製造方法において、
前記放電空間に供給される全ガス量の90〜99.9体積%が放電ガスであることを特徴としている。
請求項10に記載の発明は請求項9に記載のディスプレイ用フレネルレンズの製造方法において、
前記放電ガスが50〜100体積%の窒素ガスを含有することを特徴としている。
請求項11に記載の発明は請求項9又は10に記載のディスプレイ用フレネルレンズの製造方法において、
前記放電ガスが50体積%未満の希ガスを含有することを特徴としている。
請求項12に記載の発明は請求項1〜11のいずれか一項に記載のディスプレイ用フレネルレンズの製造方法において、
前記薄膜形成ガスが、有機金属化合物、ハロゲン化金属、金属水素化合物から選ばれる少なくとも一つを含有することを特徴としている。
請求項13に記載の発明は請求項12に記載のディスプレイ用フレネルレンズの製造方法において、
前記有機金属化合物が、有機珪素化合物、有機チタン化合物、有機錫化合物、有機亜鉛化合物、有機インジウム化合物及び有機アルミニウム化合物から選ばれる少なくとも一つの化合物を含有することを特徴としている。
請求項14に記載の発明は請求項1〜13のいずれか一項に記載のディスプレイ用フレネルレンズの製造方法において、
前記基材の厚みが1mm以上であることを特徴としている。

以下、本発明を詳述する。
本発明において、プラズマ放電処理は、大気圧又はその近傍の圧力下で行われるが、「大気圧又はその近傍の圧力」とは20kPa〜110kPa程度であり、本発明に記載の良好な効果を得るためには、93kPa〜104kPaが好ましい。
本発明において、対向電極間(放電空間)に供給するガスは、少なくとも、電界により励起する放電ガスと、そのエネルギーを受け取ってプラズマ状態あるいは励起状態になり薄膜を形成する薄膜形成ガスを含んでいる。
しかしながら、本発明では、ヘリウムやアルゴン等の希ガスの放電ガスでは、薄膜を形成する際の生産コストが放電ガスのコストに依存するところが多く、また環境的な見地からも代替の放電ガスの使用を本発明者らは検討していた。その代替の放電ガスとして、空気、酸素、窒素、二酸化炭素、水素等を検討した結果、これらのガスであっても同様に高密度プラズマを発生できる条件を求め、且つ薄膜形成性に優れ、形成した薄膜が緻密且つ均一となる条件及び方法を検討した結果、本発明に至ったものである。
本発明における放電条件は、放電空間に、前記第1の高周波電界と第2の高周波電界とを重畳し、前記第1の高周波電界の周波数ω1より前記第2の高周波電界の周波数ω2が高く、且つ、前記第1の高周波電界の強さV1、前記第2の高周波電界の強さV2および放電開始電界の強さIVとの関係が、V1≧IV>V2又はV1>IV≧V2を満たし、前記第2の高周波電界の出力密度が、1W/cm2以上である。
高周波とは、少なくとも0.5kHzの周波数を有するものを言う。
重畳する高周波電界が、ともにサイン波である場合、第1の高周波電界の周波数ω1と該周波数ω1より高い第2の高周波電界の周波数ω2とを重ね合わせた成分となり、その波形は周波数ω1のサイン波上に、それより高い周波数ω2のサイン波が重なった鋸歯状の波形となる。
本発明において、放電開始電界の強さとは、実際の薄膜形成方法に使用される放電空間(電極の構成など)および反応条件(ガス条件など)において放電を起こすことの出来る最低電界強度のことを指す。放電開始電界強度は、放電空間に供給されるガス種や電極の誘電体種または電極間距離などによって多少変動するが、同じ放電空間においては、放電ガスの放電開始電界強度に支配される。
上記で述べたような高周波電界を放電空間に印加することによって、薄膜形成可能な放電を起こし、高品位な薄膜形成に必要な高密度プラズマを発生することが出来ると推定される。
ここで重要なのは、このような高周波電界が対向する電極に印加され、すなわち、同じ放電空間に印加されることである。前述の特開平11−16696号公報のように、印加電極を2つ併置し、離間した異なる放電空間それぞれに、異なる高周波電界を印加する方法では、本発明の薄膜形成は達成出来ない。
上記でサイン波等の連続波の重畳について説明したが、これに限られるものではなく、両方パルス波であっても、一方が連続波でもう一方がパルス波であってもかまわない。また、更に第3の電界を有していてもよい。
上記本発明の高周波電界を、同一放電空間に印加する具体的な方法としては、対向電極を構成する第1電極に周波数ω1であって電界強度V1である第1の高周波電界を印加する第1電源を接続し、第2電極に周波数ω2であって電界強度V2である第2の高周波電界を印加する第2電源を接続した大気圧プラズマ放電処理装置を用いることである。
上記の大気圧プラズマ放電処理装置には、対向電極間に、放電ガスと薄膜形成ガスとを供給するガス供給手段を備える。更に、電極の温度を制御する電極温度制御手段を有することが好ましい。
また、第1電極、第1電源またはそれらの間の何れかには第1フィルタを、また第2電極、第2電源またはそれらの間の何れかには第2フィルタを接続することが好ましく、第1フィルタは第1電源から第1電極への第1の高周波電界の電流を通過しやすくし、第2の高周波電界の電流をアースして、第2電源から第1電源への第2の高周波電界の電流を通過しにくくする。また、第2フィルタはその逆で、第2電源から第2電極への第2の高周波電界の電流を通過しやすくし、第1の高周波電界の電流をアースして、第1電源から第2電源への第1の高周波電界の電流を通過しにくくする機能が備わっているものを使用する。ここで、通過しにくいとは、好ましくは、電流の20%以下、より好ましくは10%以下しか通さないことをいう。逆に通過しやすいとは、好ましくは電流の80%以上、より好ましくは90%以上を通すことをいう。
更に、本発明の大気圧プラズマ放電処理装置の第1電源は、第2電源より高い高周波電界強度を印加出来る能力を有していることが好ましい。
ここで、本発明でいう高周波電界強度(印加電界強度)と放電開始電界強度は、下記の方法で測定されたものをいう。
高周波電界強度V1及びV2(単位:kV/mm)の測定方法:
各電極部に高周波電圧プローブ(P6015A)を設置し、該高周波電圧プローブの出力信号をオシロスコープ(Tektronix社製、TDS3012B)に接続し、電界強度を測定する。
放電開始電界強度IV(単位:kV/mm)の測定方法:
電極間に放電ガスを供給し、この電極間の電界強度を増大させていき、放電が始まる電界強度を放電開始電界強度IVと定義する。測定器は上記高周波電界強度測定と同じである。
なお、上記測定に使用する高周波電圧プローブとオシロスコープの位置関係については、後述の図6に示してある。
本発明で規定する放電条件をとることにより、例え窒素ガスのように放電開始電界強度が高い放電ガスでも、放電を開始し、高密度で安定なプラズマ状態を維持出来、高性能な薄膜形成を行うことが出来るのである。
上記の測定により放電ガスを窒素ガスとした場合、その放電開始電界強度IV(1/2Vp-p)は3.7kV/mm程度であり、従って、上記の関係において、第1の高周波電界強度を、V1≧3.7kV/mmとして印加することによって窒素ガスを励起し、プラズマ状態にすることが出来る。
ここで、第1電源の周波数としては、200kHz以下が好ましく用いることが出来る。またこの電界波形としては、連続波でもパルス波でもよい。下限は1kHz程度が望ましい。
一方、第2電源の周波数としては、800kHz以上が好ましく用いられる。この第2電源の周波数が高い程、プラズマ密度が高くなり、緻密で良質な薄膜が得られる。上限は200MHz程度が望ましい。
このような2つの電源から高周波電界を印加することは、第1の高周波電界によって高い放電開始電界強度を有する放電ガスの放電を開始するのに必要であり、また第2の高周波電界の高い周波数および高い出力密度によりプラズマ密度を高くして緻密で良質な薄膜を形成することが本発明の重要な点である。
また、第1の高周波電界の出力密度を高くすることで、放電の均一性を維持したまま、第2の高周波電界の出力密度を向上させることができる。これにより、更なる均一高密度プラズマが生成でき、更なる製膜速度の向上と、膜質の向上が両立出来る。
本発明に用いられる大気圧プラズマ放電処理装置において、前記第1フィルタは、第1電源から第1電極への第1の高周波電界の電流を通過しやすくし、第2の高周波電界の電流をアースして、第2電源から第1電源への第2の高周波電界の電流を通過しにくくする。また、第2フィルタはその逆で、第2電源から第2電極への第2の高周波電界の電流を通過しやすくし、第1の高周波電界の電流をアースして、第1電源から第2電源への第1の高周波電界の電流を通過しにくくする。本発明において、かかる性質のあるフィルタであれば制限無く使用出来る。
例えば、第1フィルタとしては、第2電源の周波数に応じて数10pF〜数万pFのコンデンサ、もしくは数μH程度のコイルを用いることが出来る。第2フィルタとしては、第1電源の周波数に応じて10μH以上のコイルを用い、これらのコイルまたはコンデンサを介してアース接地することでフィルタとして使用出来る。
本発明に用いられる大気圧プラズマ放電処理装置は、上述のように、対向電極の間で放電させ、前記対向電極間に導入したガスをプラズマ状態とし、前記対向電極間に静置あるいは電極間を移送される基材を該プラズマ状態のガスに晒すことによって、該基材の上に薄膜を形成させるものである。また他の方式として、大気圧プラズマ放電処理装置は、上記同様の対向電極間で放電させ、該対向電極間に導入したガスを励起しまたはプラズマ状態とし、該対向電極外にジェット状に励起またはプラズマ状態のガスを吹き出し、該対向電極の近傍にある基材(静置していても移送されていてもよい)を晒すことによって該基材の上に薄膜を形成させるジェット方式の装置がある。
請求項1〜14に記載の発明によれば、特殊な放電条件のもとで、励起したガスに基材を晒して基材上に反射防止膜が形成されたため、塗布技術で反射防止膜を基材上に形成した場合と異なり、塗布ムラができて反射防止膜の膜厚が均一でないなどの問題がなく、全光線透過率が高くて高度な反射防止機能を具備したフレネルレンズとすることができる。
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための最良の形態について説明する。ただし、発明の範囲は図示例に限定されない。
図1はディスプレイ装置のスクリーン構造を概略的に示す断面図である。
ディスプレイ装置のスクリーンは前面板1、レンチキュラーレンズ2及びフレネルレンズ3から構成された構造となっている。前面板1はディスプレイ装置の前側(ディスプレイ装置の視聴者側)に配置されるようになっており、前面板1の後側にレンチキュラーレンズ2が配置されており、レンチキュラーレンズ2の後側にフレネルレンズ3が配置されている。
図1中拡大図に示す通り、フレネルレンズ3は、基材4の前後両面上に反射防止膜6を製膜した構成を有している。本発明に係るディスプレイ用フレネルレンズとしてのフレネルレンズ3は公知のディスプレイ装置すべてのフレネルレンズとして適用可能であって、例えばプロジェクションディスプレイなどのフレネルレンズとして適用されるものである。
基材4としては、薄膜をその表面に形成できるフレネルレンズであれば特に限定はない。基材4が静置状態でも移送状態でもプラズマ状態の混合ガスに晒され、均一の反射防止膜6が形成されるものであれば基材4の形態または材質には制限はない。材質的には、ガラス、樹脂、陶器、金属、非金属等様々のものを使用出来る。
基材4を樹脂から構成する場合にはその材質として、透明性、屈折率、分散などの光学特性、さらには耐衝撃性、耐熱性、耐久性などの諸物性の点から、ポリオレフィン系(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、シクロポリオレフィン系、ポリエステル系(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリアミド系(ナイロン−6、ナイロン−6,6等)、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール、アクリル、セルロース系(トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、セロファン等)等、或いはこれらの有機高分子の共重合体等からなるものをあげることができる。
反射防止膜6は、フレネルレンズ3の前側又は後側から基材4に向かう入射光が反射するのを防止する機能を有する膜であって、単層から形成されたものであるか又は屈折率が互いに異なる複数の層が積層されて形成されたものである。「反射防止膜6」というのは、大気圧又はその近傍の圧力下で、放電空間に薄膜形成ガスを含有するガスG(図2参照)が供給されかつ放電空間に高周波電界が印加されることによりガスGを励起させ、該励起したガスGに基材4が晒されることにより、基材4上に製膜されたものである。
なお、フレネルレンズ3では基材4の前後両面に反射防止膜6が製膜されているが、フレネルレンズ3は、基材4の前後両面のうち、少なくとも一方の面に反射防止膜6を製膜した構成であってもよい。またフレネルレンズ3では、基材4の反射防止膜6上に汚れ防止用の防汚膜(図示略)が製膜されていてもよい。防汚膜の一例として、フッ素原子を有する有機基を有する有機金属化合物を含む防汚膜を挙げることができる。
次に、図2〜図5を参照しながらフレネルレンズ3の基材4上に反射防止膜6を形成する大気圧プラズマ放電処理装置10について説明する。
図2に示す通り、大気圧プラズマ放電処理装置10は平板状でかつ長尺なステージ電極11を有している。第1電極としてのステージ電極11の上方には下方が開放したプラズマ放電容器12が配されている。プラズマ放電容器12の内部であってステージ電極11の上方には複数本の角筒型電極13が配されている。
図2及び図3に示す通り、第2電極としての各角筒型電極13とステージ電極11は所定の間隔をあけた状態で互いに対向配置されており、大気圧プラズマ放電処理装置10ではステージ電極11と各筒型電極13とで対向電極が構成されている。ステージ電極11には駆動機構(図示略)が連結されており、ステージ電極11は当該駆動機構の作用で往復移動可能となっている(図2及び図3中矢印参照)。
図4に示す通り、ステージ電極11は平板状でかつ長尺な金属質母材11aを誘電体11bで被覆した構造を有している。図5に示す通り、角筒型電極13は角筒型の金属質母材13aを誘電体13bで被覆した構造を有している。ステージ電極11及び各角筒型電極13の詳細はさらに後述する。
なお、ステージ電極11及び各角筒型電極13の内部はいずれも中空となっており、大気圧プラズマ放電処理装置10では、ステージ電極11及び各角筒型電極13の中空部に温度調節用の媒体(水やシリコンなど)を循環させてステージ電極11及び各角筒型電極13を温度制御するような構成となっている。
図1に示す通り、プラズマ放電容器12の上方にはガスGをプラズマ放電容器12内に供給する3つのガス供給口14,14,14が設けられており、プラズマ放電容器12の内部であって各角筒型電極13の上方には、プラズマ放電容器12内に供給されたGの流速を均一化するメッシュ15が設けられている。大気圧プラズマ放電処理装置10では、各ガス供給口14からプラズマ放電容器12内にガスGを供給し、さらにメッシュ15を介してステージ電極11と各角筒型電極13とのあいだの放電空間16にガスGを供給するようになっている。
ステージ電極11には第1電源17が接続されており、第1電源17はステージ電極11と各角筒型電極13とのあいだの放電空間16に周波数ω1、電界強度V1、電流I1の第1の高周波電界をかけるようになっている。一方、各角筒型電極13には第2電源18が接続されており、第2電源18はステージ電極11と各角筒型電極13とのあいだの放電空間16に周波数ω2、電界強度V2、電流I2の第2の高周波電界をかけるようになっている。
ステージ電極11と第1電源17との間には第1フィルタ19が設置されており、第1フィルタ19は第1電源17からステージ電極11への電流を通過しやすくし、第2電源18からの電流をアースして、第2電源18から第1電源17への電流を通過しにくくするように設計されている。また、各角筒型電極13と第2電源18との間には第2フィルタ20が設置されており、第2フィルタ20は、第2電源18から各角筒型電極13への電流を通過しやすくし、第1電源17からの電流をアースして、第1電源17から第2電源18への電流を通過しにくくするように設計されている。
第1電源17は第2電源18より高い高周波電界強度(V1>V2)を印加することが好ましい。また、第1電源17と第2電源18とで周波数はω1<ω2となる能力を有している。
また、第1電源17と第2電源18とで電流はI1<I2となることが好ましい。第1の高周波電界の電流I1は、好ましくは0.3mA/cm2〜20mA/cm2、さらに好ましくは1.0mA/cm2〜20mA/cm2である。また、第2の高周波電界の電流I2は、好ましくは10mA/cm2〜100mA/cm2、さらに好ましくは20mA/cm2〜100mA/cm2である。
なお、大気圧プラズマ放電処理装置10では、第1フィルタ19を介してステージ電極11に各角筒型電極13を接続しかつ第2フィルタ20を介してステージ電極11に第2電源18を接続してもよい。
ステージ電極11及び各角筒型電極13は、それぞれ導電性の金属質母材11a,13aの上に誘電体11b,13bとしてのセラミックスを溶射後、無機化合物の封孔材料を用いて封孔処理したものである。セラミックス誘電体は片肉で1mm程度被覆あればよい。溶射に用いるセラミックス材としては、アルミナ・窒化珪素等が好ましく用いられるが、この中でもアルミナが加工し易いので、特に好ましく用いられる。また、誘電体11b,13bの層が、ライニングにより無機材料を設けたライニング処理誘電体であってもよい。
導電性の金属質母材11a,13aとしては、チタン金属またはチタン合金、銀、白金、ステンレススティール、アルミニウム、鉄等の金属等や、鉄とセラミックスとの複合材料またはアルミニウムとセラミックスとの複合材料を挙げることが出来るが、後述の理由からはチタン金属またはチタン合金が特に好ましい。
互いに対向するステージ電極11および角筒型電極13の電極間距離は、電極の一方に誘電体を設けた場合、該誘電体表面ともう一方の電極の導電性の金属質母材表面との最短距離のことを言う。双方の電極に誘電体を設けた場合、誘電体表面同士の距離の最短距離のことを言う。電極間距離は、導電性の金属質母材に設けた誘電体の厚さ、印加電界強度の大きさ、プラズマを利用する目的等を考慮して決定されるが、いずれの場合も均一な放電を行う観点から0.1〜20mmが好ましく、特に好ましくは0.5〜2mmである。
導電性の金属質母材11a,13a及び誘電体11b,13bについての詳細については後述する。
プラズマ放電容器12はパイレックス(R)ガラス製の処理容器等が好ましく用いられるが、ステージ電極11又は角筒型電極13との絶縁がとれれば金属製を用いることも可能である。例えば、アルミニウムまたは、ステンレススティールのフレームの内面にポリイミド樹脂等を張り付けても良く、該金属フレームにセラミックス溶射を行い絶縁性をとってもよい。
大気圧プラズマ放電処理装置10に設置する第1電源17(高周波電源)としては、
印加電源記号 メーカー 周波数 製品名
A1 神鋼電機 3kHz SPG3−4500
A2 神鋼電機 5kHz SPG5−4500
A3 春日電機 15kHz AGI−023
A4 神鋼電機 50kHz SPG50−4500
A5 ハイデン研究所 100kHz* PHF−6k
A6 パール工業 200kHz CF−2000−200k
A7 パール工業 400kHz CF−2000−400k
等の市販のものを挙げることが出来、何れも使用することが出来る。
また、第2電源18(高周波電源)としては、
印加電源記号 メーカー 周波数 製品名
B1 パール工業 800kHz CF−2000−800k
B2 パール工業 2MHz CF−2000−2M
B3 パール工業 13.56MHz CF−5000−13M
B4 パール工業 27MHz CF−2000−27M
B5 パール工業 150MHz CF−2000−150M
等の市販のものを挙げることが出来、何れも好ましく使用出来る。
なお、上記電源のうち、*印はハイデン研究所インパルス高周波電源(連続モードで100kHz)である。それ以外は連続サイン波のみ印加可能な高周波電源である。
本発明においては、このような電界を印加して、均一で安定な放電状態を保つことが出来るステージ電極11及び角筒型電極13を大気圧プラズマ放電処理装置10に採用することが好ましい。
本発明において、ステージ電極11及び角筒型電極13間に印加する電力は、各角筒型電極13(第2の高周波電界)に1W/cm2以上の電力(出力密度)を供給し、放電ガスを励起してプラズマを発生させ、エネルギーを薄膜形成ガスに与え、薄膜を形成する。第2電極18に供給する電力の上限値としては、好ましくは50W/cm2、より好ましくは20W/cm2である。下限値は、好ましくは1.2W/cm2である。なお、放電面積(cm2)は、各角筒型電極13において放電が起こる範囲の面積の総和を指す。
また、第1電極17(第1の高周波電界)にも、1W/cm2以上の電力(出力密度)を供給することにより、第2の高周波電界の均一性を維持したまま、出力密度を向上させることが出来る。これにより、更なる均一高密度プラズマを生成出来、更なる製膜速度の向上と膜質の向上が両立出来る。好ましくは5W/cm2以上である。第1電極17に供給する電力の上限値は、好ましくは50W/cm2である。
ここで高周波電界の波形としては、特に限定されない。連続モードと呼ばれる連続サイン波状の連続発振モードと、パルスモードと呼ばれるON/OFFを断続的に行う断続発振モード等があり、そのどちらを採用してもよいが、少なくとも角筒型電極13側(第2の高周波電界)は連続サイン波の方がより緻密で良質な膜が得られるので好ましい。
このような大気圧プラズマによる薄膜形成法に使用するステージ電極11及び各角筒型電極13は、構造的にも、性能的にも過酷な条件に耐えられるものでなければならない。このようなステージ電極11及び各角筒型電極13としては、金属質母材11a,13a上に誘電体11b,13bを被覆したものであることが好ましい。
本発明に使用するステージ電極11及び各角筒型電極13においては、様々な金属質母材11a,13aと誘電体11b,13bとの間に特性が合うものが好ましく、その一つの特性として、金属質母材11a,13aと誘電体11b,13bとの線熱膨張係数の差が10×10-6/℃以下となる組み合わせのものである。好ましくは8×10-6/℃以下、更に好ましくは5×10-6/℃以下、更に好ましくは2×10-6/℃以下である。なお、線熱膨張係数とは、周知の材料特有の物性値である。
線熱膨張係数の差が、この範囲にある導電性の金属質母材11a,13aと誘電体11b,13bとの組み合わせとしては、
1:金属質母材11a,13aが純チタンまたはチタン合金で、誘電体11b,13bがセラミックス溶射被膜
2:金属質母材11a,13aが純チタンまたはチタン合金で、誘電体11b,13bがガラスライニング
3:金属質母材11a,13aがステンレススティールで、誘電体11b,13bがセラミックス溶射被膜
4:金属質母材11a,13aがステンレススティールで、誘電体11b,13bがガラスライニング
5:金属質母材11a,13aがセラミックスおよび鉄の複合材料で、誘電体11b,13bがセラミックス溶射被膜
6:金属質母材11a,13aがセラミックスおよび鉄の複合材料で、誘電体11b,13bがガラスライニング
7:金属質母材11a,13aがセラミックスおよびアルミの複合材料で、誘電体11b,13bがセラミックス溶射皮膜
8:金属質母材11a,13aがセラミックスおよびアルミの複合材料で、誘電体11b,13bがガラスライニング
等がある。線熱膨張係数の差という観点では、上記1項または2項および5〜8
項が好ましく、特に1項が好ましい。
本発明において、金属質母材11a,13aは、上記の特性からはチタンまたはチタン合金が特に有用である。金属質母材11a,13aをチタンまたはチタン合金とすることにより、誘電体11b,13bを上記とすることにより、使用中のステージ電極11及び各角筒型電極13の劣化、特にひび割れ、剥がれ、脱落等がなく、過酷な条件での長時間の使用に耐えることが出来る。
本発明に有用なステージ電極11及び各角筒型電極13の金属質母材11a,13aは、チタンを70質量%以上含有するチタン合金またはチタン金属である。本発明において、チタン合金またはチタン金属中のチタンの含有量は、70質量%以上であれば、問題なく使用出来るが、好ましくは80質量%以上のチタンを含有しているものが好ましい。本発明に有用なチタン合金またはチタン金属は、工業用純チタン、耐食性チタン、高力チタン等として一般に使用されているものを用いることが出来る。工業用純チタンとしては、TIA、TIB、TIC、TID等を挙げることが出来、何れも鉄原子、炭素原子、窒素原子、酸素原子、水素原子等を極僅か含有しているもので、チタンの含有量としては、99質量%以上を有している。耐食性チタン合金としては、T15PBを好ましく用いることが出来、上記含有原子の他に鉛を含有しており、チタン含有量としては、98質量%以上である。また、チタン合金としては、鉛を除く上記の原子の他に、アルミニウムを含有し、その他バナジウムや錫を含有しているT64、T325、T525、TA3等を好ましく用いることが出来、これらのチタン含有量としては、85質量%以上を含有しているものである。これらのチタン合金またはチタン金属はステンレススティール、例えばAISI316に比べて、熱膨張係数が1/2程度小さく、金属質母材11a,13aとしてチタン合金またはチタン金属の上に施された後述の誘電体11b,13bとの組み合わせがよく、高温、長時間での使用に耐えることが出来る。
一方、誘電体11b,13bの求められる特性としては、具体的には、比誘電率が6〜45の無機化合物であることが好ましく、また、このような誘電体11b,13bとしては、アルミナ、窒化珪素等のセラミックス、あるいは、ケイ酸塩系ガラス、ホウ酸塩系ガラス等のガラスライニング材等がある。この中では、後述のセラミックスを溶射したものやガラスライニングにより設けたものが好ましい。特にアルミナを溶射して設けた誘電体11b,13bが好ましい。
または、上述のような大電力に耐える仕様の一つとして、誘電体11b,13bの空隙率が10体積%以下、好ましくは8体積%以下であることで、好ましくは0体積%を越えて5体積%以下である。なお、誘電体11b,13bの空隙率は、BET吸着法や水銀ポロシメーターにより測定することが出来る。後述の実施例においては、島津製作所製の水銀ポロシメーターにより金属質母材11a,13aに被覆された誘電体11b,13bの破片を用い、空隙率を測定する。誘電体11b,13bが、低い空隙率を有することにより、高耐久性が達成される。このような空隙を有しつつも空隙率が低い誘電体11b,13bとしては、後述の大気プラズマ溶射法等による高密度、高密着のセラミックス溶射被膜等を挙げることが出来る。更に空隙率を下げるためには、封孔処理を行うことが好ましい。
上記、大気プラズマ溶射法は、セラミックス等の微粉末、ワイヤ等をプラズマ熱源中に投入し、溶融または半溶融状態の微粒子として被覆対象の金属質母材11a,13aに吹き付け、皮膜を形成させる技術である。プラズマ熱源とは、分子ガスを高温にし、原子に解離させ、更にエネルギーを与えて電子を放出させた高温のプラズマガスである。このプラズマガスの噴射速度は大きく、従来のアーク溶射やフレーム溶射に比べて、溶射材料が高速で金属質母材11a,13aに衝突するため、密着強度が高く、高密度な被膜を得ることが出来る。詳しくは、特開2000−301655号に記載の高温被曝部材に熱遮蔽皮膜を形成する溶射方法を参照することが出来る。この方法により、上記のような被覆する誘電体11b,13b(セラミック溶射膜)の空隙率にすることが出来る。
また、大電力に耐える別の好ましい仕様としては、誘電体11b,13bの厚みが0.5〜2mmであることである。この膜厚変動は、5%以下であることが望ましく、好ましくは3%以下、更に好ましくは1%以下である。
誘電体11b,13bの空隙率をより低減させるためには、上記のようにセラミックス等の溶射膜に、更に、無機化合物で封孔処理を行うことが好ましい。前記無機化合物としては、金属酸化物が好ましく、この中では特に酸化ケイ素(SiOx)を主成分として含有するものが好ましい。
封孔処理の無機化合物は、ゾルゲル反応により硬化して形成したものであることが好ましい。封孔処理の無機化合物が金属酸化物を主成分とするものである場合には、金属アルコキシド等を封孔液として前記セラミック溶射膜上に塗布し、ゾルゲル反応により硬化する。無機化合物がシリカを主成分とするものの場合には、アルコキシシランを封孔液として用いることが好ましい。
ここでゾルゲル反応の促進には、エネルギー処理を用いることが好ましい。エネルギー処理としては、熱硬化(好ましくは200℃以下)や、紫外線照射などがある。更に封孔処理の仕方として、封孔液を希釈し、コーティングと硬化を逐次で数回繰り返すと、よりいっそう無機質化が向上し、劣化の無い緻密なステージ電極11及び角筒型電極13が出来る。
本発明に係る誘電体11b,13bで被覆したステージ電極11及び角筒型電極13の金属アルコキシド等を封孔液として、セラミックス溶射膜にコーティングした後、ゾルゲル反応で硬化する封孔処理を行う場合、硬化した後の金属酸化物の含有量は60モル%以上であることが好ましい。封孔液の金属アルコキシドとしてアルコキシシランを用いた場合には、硬化後のSiOx(xは2以下)含有量が60モル%以上であることが好ましい。硬化後のSiOx含有量は、XPS(X線光電子分光法)により誘電体11b,13bの層の断層を分析することにより測定する。
本発明の薄膜形成方法に係るステージ電極11においては、ステージ電極11の少なくとも基材4と接する側のJIS B 0601で規定される表面粗さの最大高さ(Rmax)が10μm以下になるように調整することが、本発明に記載の効果を得る観点から好ましいが、更に好ましくは、表面粗さの最大値が8μm以下であり、特に好ましくは、7μm以下に調整することである。このようにステージ電極11の誘電体11b表面を研磨仕上げする等の方法により、誘電体11bの厚み及びステージ電極11,角筒型電極13間のギャップを一定に保つことが出来、放電状態を安定化出来ること、更に熱収縮差や残留応力による歪やひび割れを無くし、且つ、高精度で、耐久性を大きく向上させることが出来る。誘電体11b表面の研磨仕上げは、少なくとも基材4と接する側の誘電体11bにおいて行われることが好ましい。更にJIS B 0601で規定される中心線平均表面粗さ(Ra)は0.5μm以下が好ましく、更に好ましくは0.1μm以下である。
本発明に使用する誘電体11b,13bで被覆したステージ電極11及び各角筒型電極13において、大電力に耐える他の好ましい仕様としては、耐熱温度が100℃以上であることである。更に好ましくは120℃以上、特に好ましくは150℃以上である。また上限は500℃である。なお、耐熱温度とは、大気圧プラズマ処理で用いられる電圧において絶縁破壊が発生せず、正常に放電出来る状態において耐えられる最も高い温度のことを指す。このような耐熱温度は、上記のセラミックス溶射や、泡混入量の異なる層状のガラスライニングで設けた誘電体11b,13bを適用したり、上記金属質母材11a,13aと誘電体11b,13bの線熱膨張係数の差の範囲内の材料を適宜選択する手段を適宜組み合わせることによって達成可能である。
次に、放電空間16に供給する「ガスG」について説明する。
放電空間16に供給するガスGは、少なくとも放電ガスおよび薄膜形成ガスを含有する。放電ガスと薄膜形成ガスは混合して供給してもよいし、別々に供給してもかまわない。
「放電ガス」とは、薄膜形成可能なグロー放電を起こすことの出来るガスである。放電ガスとしては、窒素、希ガス、空気、水素ガス、酸素などがあり、これらを単独で放電ガスとして用いても、混合して用いてもかまわない。本発明において、放電ガスとして好ましいのは窒素である。放電ガスの50〜100体積%が窒素ガスであることが好ましい。このとき、放電ガスとして窒素以外の放電ガスとしては、希ガスを50体積%未満含有することが好ましい。また、放電ガスの量は、放電空間に供給する全ガス量に対し、90〜99.9体積%含有することが好ましい。
「薄膜形成ガス」とは、それ自身が励起して活性となり、基材4上に化学的に堆積して薄膜を形成する原料のことである。
次に、本発明に使用する薄膜を形成するために放電空間16に供給するガスGについて説明する。基本的に放電ガスと薄膜形成ガスであるが、更に、添加ガスを加えることもある。放電空間16に供給する全ガス量中、放電ガスを90〜99.9体積%含有することが好ましい。
本発明に使用する薄膜形成ガスとしては、有機金属化合物、ハロゲン金属化合物、金属水素化合物等を挙げることが出来る。
本発明に有用な有機金属化合物は下記一般式(I)で示すものが好ましい。
1 xMR2 y3 z … (I)
式(I)中、Mは金属、R1はアルキル基、R2はアルコキシ基、R3はβ−ジケトン錯体基、β−ケトカルボン酸エステル錯体基、β−ケトカルボン酸錯体基及びケトオキシ基(ケトオキシ錯体基)から選ばれる基であり、金属Mの価数をmとした場合、x+y+z=mであり、x=0〜m、またはx=0〜m−1であり、y=0〜m、z=0〜mで、何れも0または正の整数である。R1のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等を挙げることが出来る。R2のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、3,3,3−トリフルオロプロポキシ基等を挙げることが出来る。またアルキル基の水素原子をフッ素原子に置換したものでもよい。R3のβ−ジケトン錯体基、β−ケトカルボン酸エステル錯体基、β−ケトカルボン酸錯体基及びケトオキシ基(ケトオキシ錯体基)から選ばれる基としては、β−ジケトン錯体基として、例えば、2,4−ペンタンジオン(アセチルアセトンあるいはアセトアセトンともいう)、1,1,1,5,5,5−ヘキサメチル−2,4−ペンタンジオン、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオン、1,1,1−トリフルオロ−2,4−ペンタンジオン等を挙げることが出来、β−ケトカルボン酸エステル錯体基として、例えば、アセト酢酸メチルエステル、アセト酢酸エチルエステル、アセト酢酸プロピルエステル、トリメチルアセト酢酸エチル、トリフルオロアセト酢酸メチル等を挙げることが出来、β−ケトカルボン酸として、例えば、アセト酢酸、トリメチルアセト酢酸等を挙げることが出来、またケトオキシとして、例えば、アセトオキシ基(またはアセトキシ基)、プロピオニルオキシ基、ブチリロキシ基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基等を挙げることが出来る。これらの基の炭素原子数は、上記例有機金属示化合物を含んで、18以下が好ましい。また例示にもあるように直鎖または分岐のもの、また水素原子をフッ素原子に置換したものでもよい。
本発明において取り扱いの問題から、爆発の危険性の少ない有機金属化合物が好ましく、分子内に少なくとも一つ以上の酸素を有する有機金属化合物が好ましい。このようなものとしてR2のアルコキシ基を少なくとも一つを含有する有機金属化合物、またR3のβ−ジケトン錯体基、β−ケトカルボン酸エステル錯体基、β−ケトカルボン酸錯体基及びケトオキシ基(ケトオキシ錯体基)から選ばれる基を少なくとも一つ有する金属化合物が好ましい。
なお、具体的な有機金属化合物については後述する。
本発明において、放電空間16に供給するガスGには、放電ガス、薄膜形成ガスの他に、薄膜を形成する反応を促進する添加ガスを混合してもよい。添加ガスとしては、酸素、オゾン、過酸化水素、二酸化炭素、一酸化炭素、水素、アンモニア等を挙げることが出来るが、酸素、一酸素化炭素及び水素が好ましく、これらから選択される成分を混合させるのが好ましい。その含有量はガス全量に対して0.01〜5体積%含有させることが好ましく、それによって反応促進され、且つ、緻密で良質な薄膜を形成することが出来る。
上記形成された酸化物または複合化合物の薄膜の膜厚は、0.1〜1000nmの範囲が好ましい。
本発明において、薄膜形成ガスに使用する有機金属化合物、ハロゲン化金属、金属水素化合物の金属として、Li、Be、B、Na、Mg、Al、Si、K、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Cd、In、Ir、Sn、Sb、Cs、Ba、La、Hf、Ta、W、Tl、Pb、Bi、Ce、Pr、Nd、Pm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu等を挙げることが出来る。
本発明の薄膜形成方法で、上記のような有機金属化合物、ハロゲン金属化合物、金属水素化合物等の金属化合物を放電ガスと共に使用することにより様々な高機能性の薄膜を得ることが出来る。本発明の薄膜の例を以下に示すが、本発明はこれに限られるものではない。
電極膜:Au、Al、Ag、Ti、Ti、Pt、Mo、Mo−Si
誘電体保護膜:SiO2、SiO、Si34、Al23、Al23、Y23
透明導電膜:In23、SnO2
エレクトロクロミック膜:WO3、IrO2、MoO3、V25
蛍光膜:ZnS、ZnS+ZnSe、ZnS+CdS
磁気記録膜:Fe−Ni、Fe−Si−Al、γ−Fe23、Co、Fe34、Cr、SiO2、AlO3
超導電膜:Nb、Nb−Ge、NbN
太陽電池膜:a−Si、Si
反射膜:Ag、Al、Au、Cu
選択性吸収膜:ZrC−Zr
選択性透過膜:In23、SnO2
反射防止膜:SiO2、TiO2、SnO2
シャドーマスク:Cr
耐摩耗性膜:Cr、Ta、Pt、TiC、TiN
耐食性膜:Al、Zn、Cd、Ta、Ti、Cr
耐熱膜:W、Ta、Ti
潤滑膜:MoS2
装飾膜:Cr、Al、Ag、Au、TiC、Cu
尚、上記窒化物の窒化度、酸化物の酸化度、硫化物の硫化度、炭化物の炭化度はあくまでも一例であり、金属との組成比は適宜変化して良い。また、薄膜には、上記金属化合物以外に、炭素化合物、窒素化合物、水素化合物等の不純物が含有されてもよい。
本発明において、特に好ましい金属化合物の金属は、上記のうちSi(珪素)、Ti(チタン)、Sn(錫)、Zn(亜鉛)、In(インジウム)及びAl(アルミニウム)であり、これらの金属と結合する金属化合物のうち、上記一般式(I)で示した有機金属化合物が好ましい。有機金属化合物の例示については後述する。
次に、フレネルレンズ3の製造方法について説明する。
基材4上に反射防止膜6を形成する場合には大気圧プラズマ放電処理装置10を用いて基材4上に反射防止膜6を形成するが、大気圧プラズマ放電処理装置10の作用と併せて基材4上に反射防止膜6を形成する方法について詳しく説明すると、まず、基材4をステージ電極11上に配置・固定させ、ステージ電極11を図2中左右方向に往復移動させる。これと同期して、大気圧又はその近傍の圧力下で各ガス供給口14からステージ電極11と各角筒型電極13とのあいだの放電空間16にガスGを供給するとともに、第1電源17から放電空間16に周波数ω1、電界強度V1、電流I1の第1の高周波電界をかけ、第2電源18から放電空間16に周波数ω2、電界強度V2、電流I2の第2の高周波電界をかける。
このとき、第1の高周波電界と第2の高周波電界とが互いに重畳するが、これら高周波電界に関して、第1の高周波電界の周波数ω1より第2の高周波電界の周波数ω2が高く、第1の高周波電界の強さV1、前記第2の高周波電界の強さV2及び放電開始電界の強さIVとの関係がV1≧IV>V2又はV1>IV≧V2を満たし、かつ、第2の高周波電界の出力密度が1W/cm2以上となるように、第1電源17及び第2電源18からそれぞれ放電空間16に高周波電界を印加する。
この状態において、放電空間16に供給されたガスGが励起して、励起したガスGにステージ電極11上の基材4が晒され、基材4上に薄膜が製膜・形成される。
ここで大気圧プラズマ放電処理装置10は上記の動作をおこなうことで基材4上に薄膜を形成するようになっており、所望の屈折率を有する単層の反射防止膜6を形成するか、又は薄膜形成ガスの材料を適宜変更することで屈折率が互いに異なる複数の層を積層した反射防止膜6を形成するようになっている。
薄膜を形成するための薄膜形成ガスは、適切な屈折率を得ることの出来る化合物であれば制限はないが、高屈折率層を形成する薄膜形成ガスとしてはチタン化合物を好ましく用いることができ、低屈折率層を形成する薄膜形成ガスとしては珪素化合物、フッ素化合物、あるいは珪素化合物とフッ素化合物の混合物を好ましく用いることが出来る。これらの化合物の屈折率を調節するために、何れかの層の形成用の薄膜形成ガスとして2種以上混合して使用してもよい。
高屈折率層を形成する薄膜形成ガスに使用するチタン化合物としては、有機チタン化合物、チタン水素化合物、ハロゲン化チタン等があり、有機チタン化合物としては、例えば、トリエトキシチタン、トリメトキシチタン、トリイソプロポキシチタン、トリブトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、メチルジメトキシチタン、エチルトリエトキシチタン、メチルトリイソプロポキシチタン、トリエチルチタン、トリイソプロピルチタン、トリブチルチタン、テトラエチルチタン、テトライソプロピルチタン、テトラブチルチタン、テトラジメチルアミノチタン、ジメチルチタンジ(2,4−ペンタンジオナート)、エチルチタントリ(2,4−ペンタンジオナート)、チタントリス(2,4−ペンタンジオナート)、チタントリス(アセトメチルアセタート)、トリアセトキシチタン、ジプロポキシプロピオニルオキシチタン等、ジブチリロキシチタン、チタン水素化合物としてはモノチタン水素化合物、ジチタン水素化合物等、ハロゲン化チタンとしては、トリクロロチタン、テトラクロロチタン等を挙げることが出来る。またこれらの薄膜形成ガスを2種以上同時に混合して使用することも出来る。
低屈折率層を形成する薄膜形成ガスに使用する珪素化合物としては、有機珪素化合物、珪素水素化合物、ハロゲン化珪素化合物等を挙げることが出来、有機珪素化合物としては、例えば、テトラエチルシラン、テトラメチルシラン、テトライソプロピルシラン、テトラブチルシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルシランジ(2,4−ペンタンジオナート)、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン等、珪素水素化合物としては、テトラ水素化シラン、ヘキサ水素化ジシラン等、ハロゲン化珪素化合物としては、テトラクロロシラン、メチルトリクロロシラン、ジエチルジクロロシラン等を挙げることが出来る。また、前記フッ素化合物を使用することが出来る。これらの薄膜形成ガスを2種以上同時に混合して使用することも出来る。また、屈折率の微調整にこれら錫化合物、チタン化合物、珪素化合物を適宜2種以上同時に混合して使用してもよい。
上記の有機チタン化合物または有機珪素化合物は、取り扱い上の観点から金属水素化合物、アルコキシ金属が好ましく、腐食性、有害ガスの発生がなく、工程上の汚れなども少ないことから、アルコキシ金属が好ましく用いられる。また、上記の有機錫化合物、有機チタン化合物または有機珪素化合物を放電空間16(ステージ電極11と各角筒型電極13との間)に導入するには、両者は常温常圧で、気体、液体、固体何れの状態であっても構わない。気体の場合は、そのまま放電空間16に導入出来るが、液体、固体の場合は、加熱、減圧、超音波照射等の手段により気化させて使用される。有機錫化合物、有機チタン化合物または有機珪素化合物を加熱により気化して用いる場合、テトラエトキシ金属、テトライソプロポキシ金属などの常温で液体で、沸点が200℃以下である金属アルコキシドが薄膜の形成に好適に用いられる。上記アルコキシ金属は、溶媒によって希釈して使用されても良く、この場合、希ガス中へ気化器等により気化して混合ガスに使用すればよい。溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、n−ヘキサンなどの有機溶媒及びこれらの混合溶媒が使用出来る。
薄膜形成ガスについて、放電プラズマ処理により基材4上に均一な薄膜を形成する観点から、全ガスG中の含有率は、0.01〜10体積%で有することが好ましいが、更に好ましくは、0.01〜1体積%である。
大気圧プラズマ放電処理装置10を用いて基材4の一方の面上に反射防止膜6を製膜したら、上記と同様の操作を繰り返して、基材4の他方の面上に反射防止膜6を製膜してフレネルレンズ3が製造される。ただし、大気圧プラズマ放電処理装置10を用いた反射防止膜6の製造手法を基材4の片面にのみ施して基材4の片面にのみ反射防止膜6を製膜するようにしてもよい。
以上の本実施形態では、大気圧プラズマ放電処理装置10により、特殊な放電条件のもとで、励起したガスGに基材4が晒されて基材4上に反射防止膜6が形成されるため、フレネルレンズ3は、塗布技術で反射防止膜6を基材4上に形成した場合と異なり、塗布ムラができて反射防止膜6の膜厚が均一でないなどの問題がなく、全光線透過率が高くて高度な反射防止機能を具備することができる。
なお、上記実施形態では図2に示す大気圧プラズマ放電処理装置10で基材4上に反射防止膜6を形成したが、図2に示す大気圧プラズマ放電処理装置10に代えて、図6に示すジェット方式の大気圧プラズマ放電処理装置30で基材4上に反射防止膜6を形成してもよい。
ここで図6を参照しながらジェット方式の大気圧プラズマ放電処理装置30について説明する。ただし、以下の大気圧プラズマ放電処理装置30の説明では、大気圧プラズマ放電処理装置10の説明で既に説明済みの構成要素には大気圧プラズマ放電処理装置10と同様の符号を付してその構成要素の詳細な説明を省略している。
図6に示す通り、大気圧プラズマ放電処理装置30では2本の角筒型電極13が所定の間隔をあけた状態で対向配置されている。一方の角筒型電極13(第1電極)には第1電源17が接続されており、他方の角筒型電極13(第2電極)には第2電源18が接続されている。
上記一方の角筒型電極13と第1電源17との間には第1フィルタ19が設置されている。第1フィルタ19は、第1電源17から上記一方の角筒型電極13への電流を通過しやすくし、第2電源18からの電流をアースして、第2電源18から第1電源17への電流が通過しにくくなるように設計されている。
他方の角筒型電極13と第2電源18との間には第2フィルタ20が設置されている。第2フィルタ20は、第2電源18から上記他方の角筒型電極13への電流を通過しやすくし、第1電源17からの電流をアースして、第1電源17から第2電源18への電流を通過しにくくするように設計されている。
なお、大気圧プラズマ放電処理装置30では、図6に示す通りに高周波電圧プローブ31,32及びオシロスコープ33,34を設置すれば、高周波電界強度V1、V2(印加電界強度)と放電開始電界強度との測定をおこなうことができる。
このような構成を備える大気圧プラズマ放電処理装置30で基材4上に薄膜を形成する場合には、各角筒型電極13間の放電空間35に、図示略のガス供給手段からガスGを導入し、各角筒型電極13から高周波電界を印加して放電を発生させ、ガスGをプラズマ状態にしながら各角筒型電極13の下側(紙面下側)にジェット状に吹き出させて、各角筒型電極13下面と基材4とで作る処理空間をプラズマ状態のガスG°で満たし、処理位置36付近で基材4をプラズマ状態のガスG°に晒し、基材4上に薄膜を形成させる。この場合にも、上記と同様に、所望の屈折率を有する単層の反射防止膜6を形成するか、又は薄膜形成ガスの材料を適宜変更することで屈折率が互いに異なる複数の層を積層した反射防止膜6を形成する。
薄膜の形成中は、電極温度調節手段(図示略)から媒体が配管を通って各角筒型電極13を加熱または冷却する。プラズマ放電処理の際の基材4の温度によっては、得られる薄膜の物性や組成等は変化することがあり、これに対して適宜制御することが望ましい。温度調節の媒体としては、蒸留水、油等の絶縁性材料が好ましく用いられる。プラズマ放電処理の際、幅手方向あるいは長手方向での基材4の温度ムラが出来るだけ生じないように各角筒型電極13の内部の温度を均等に調節することが望まれる。
なお、複数台のジェット方式の大気圧プラズマ放電処理装置30を直列に並べて各大気圧プラズマ放電処理装置30から互いに異なる薄膜形成ガスをジェット噴射させ、高屈折率層と低屈折率層とを交互に積層した4層の反射防止膜6を形成するようにしてもよい。
〔電極の作製〕
次のようにステージ電極及び角筒型電極を作製した。中空のジャケットのチタン合金T64製のステージ電極及び角筒型電極を以下のように作製した。ステージ電極と角筒型電極との互いに対向する面に大気プラズマ法により高密度、高密着性のアルミナ溶射膜を被覆した。その後、テトラメトキシシランを酢酸エチルで希釈した溶液を塗布乾燥後、紫外線照射により硬化させ封孔処理を行った。このようにして被覆した誘電体表面を研磨し、平滑にして、Rmaxが5μmとなるように加工した。最終的な誘電体の空隙率は5体積%であった。この時の誘電体層のSiOX含有率は75mol%であった。また、最終的な誘電体の膜厚は、1mm(膜厚変動±1%以内)、誘電体の比誘電率は10であった。更に導電性の金属質母材と誘電体の線熱膨張係数の差は、1.6×10-6/℃であり、また耐熱温度は250℃であった。
〔大気圧プラズマ放電処理装置〕
図2に示した大気圧プラズマ放電処理装置を使用し、角筒型電極と基材の表面との距離が1mmとなるように、上記で作製したステージ電極と角筒型電極とを間隙をあけタ状態で平行に対向させ、表1に示す第1電界及び第2電界を設置した。尚、電源A5は、連続モード100kHzで使用した(以下の実施例においても同様)。また、試料No.16は、第1電界に直流パルス電源を用い、ON/OFFの繰り返し周波数を10kHzとした。両電極は65℃になるように調節保温した。なお、何れもフィルタはステージ電極及び角筒型電極からの電流が逆流しないようなものを設置した。
〔酸化チタン製薄膜の作製〕
市販のPMMA(ポリメタクリル酸メチル)板(基材)上に下記組成の混合ガスを用い、表1に示す電界をステージ電極及び各角筒型電極間に印加し、放電を行って薄膜を形成し、試料1〜16を作製した。なお、この系での放電開始電界強度は4.5kV/mmであった。
〈混合ガス組成〉
放電ガス:窒素 97.9体積%
薄膜形成ガス:テトライソプロポキシチタン 0.1体積%
添加ガス:水素 2.0体積%
〔評価〕
〈放電状態〉
対向電極間(ステージ電極及び角筒型電極間)で放電の状況を下記のランクに分けた。
○:安定した放電が起こっている
△:放電はしているがやや不安定
×:全く放電が起こらない。
〈屈折率〉
各試料1〜16につき分光光度計U−4000型(日立製作所製)を用いて、5度正反射の条件で反射スペクトルの測定を行った。測定は基材の大気圧プラズマ処理で薄膜を形成していない面を粗面化処理した後、黒色スプレーを用いて光吸収処理を行い基材の裏面の光の反射を防止して、400〜700nmの波長の反射スペクトルを測定し、該スペクトルのλ/4値より光学膜厚を算出し、それをもとに屈折率を算出した。なお、屈折率が低いということは、層の構造に緻密さに欠けて孔が多数あり、測定時に孔に空気が入ることによる現象や、放電空間で生じたパーティクルが膜中にとり込まれる場合があり不良な膜である。
上記試料No.1〜16について、放電状態の観察と屈折率の測定を行い、結果を表1に示した。
Figure 0004349052
(結果)
ステージ電極及び各角筒型電極から印加した第1及び第2の高周波電界の周波数(ω1、ω2)の関係、第1及び第2の高周波電界の強さ(V1、V2)と放電ガスの放電開始電界の強さ(IV)との関係および第2の高周波電界の出力密度が、本発明の関係にある試料No.1〜10については、放電状況もよく、緻密な薄膜(屈折率の大きさによって判断出来る)が形成された。これに対して、本発明の関係以外の高周波電界の試料11〜16では、放電は良好であっても薄膜を形成する能力が不足し、孔が多く緻密な薄膜が得られなかったり(屈折率が小さい)、または、放電が起こらず薄膜の形成が出来なかった。
表2に示した第1電界及び第2電界に変更し、また表2に示した第1フィルタ及び第2フィルタを設置した以外は実施例1と同様に行い、試料17〜23を作製した。
試料No.17〜23について上記評価を行い、結果を表2に示した。
Figure 0004349052
(結果)
大気圧プラズマ放電処理装置を用い、表2に示したようにフィルタを設置し、薄膜の形成を行った試料17〜20は、放電は正常に行われ、薄膜も正常に形成された。これに対して、試料21では、第1電界と第2電界の周波数に対し、フィルタの組み合わせを適性化してないため、放電が発生せず、薄膜の形成が出来なかった。試料22及び23は、通常の大気圧放電プラズマ薄膜形成装置で、対向電極が印加電極とアース電極としたもの(フィルタは使用しない)で、試料22では、その印加電極に通常使用するより高周波印加電源から印加したが、放電せず、薄膜の形成が出来ず、また試料23では印加電源が、より低周波のものを用いて印加したが、放電はするものの、良好な薄膜の形成が出来なかった。
基材としてPMMA製フレネルレンズを用い、装置として図2と同様の大気圧プラズマ放電処理装置を用いた。用いたフレネルレンズの形状は図1に示すものと同様のものであって、その高さは0.1〜70μmであった。フレネルレンズのライズ角はレンズの光軸に対して5°であった。ステージ電極上に基材を設置して反射防止膜を製膜した。具体的にはステージ電極を往復させ、基材の上に高屈折率層を形成し、続いて、高屈折率層の上に低屈折率層を積層して形成し、更に続いて、低屈折率層の上に高屈折率層を積層して形成し、更に続いて高屈折率層の上に低屈折率層を積層して形成し、基材/高屈折率層/低屈折率層/高屈折率層/低屈折率層の反射防止膜付きフレネルレンズ(試料No.24〜27)を作製した。
〔反射防止膜付きフレネルレンズの作製〕
プラズマ放電中、ステージ電極及び各角筒型電極が65℃になるように調節保温して次のように薄膜の形成を行った。各層の製膜におけるそれぞれの第1電界及び第2電界については表3に示したものと同じものを用いた。圧力は103kPaとし、下記の混合ガスをそれぞれの放電空間及びプラズマ放電容器内部へ導入し、上記PMMA製基材の上に高屈折率層、低屈折率層、高屈折率層、低屈折率層の順にプラズマ放電薄膜形成を行い、4層積層の反射防止膜付きフレネルレンズを作製し、試料24〜27とした。
《高屈折率層混合ガス組成物》
放電ガス:窒素 99.4体積%
薄膜形成ガス:テトライソプロポキシチタン 0.1体積%
(リンテック社製気化器にてアルゴンガスに混合して気化)
添加ガス:酸素ガス 0.5体積%
《高屈折率層条件》
出力密度:ステージ電極側 1W/cm2
:角筒型電極側 5W/cm2
《低屈折率層混合ガス組成物》
放電ガス:窒素 98.9体積%
薄膜形成ガス:テトラエトキシシラン 0.1体積%
(リンテック社製気化器にてアルゴンガスに混合して気化)
添加ガス:酸素ガス 1体積%
《低屈折率層条件》
出力密度:ステージ電極側 1W/cm2
:角筒型電極側 3W/cm2
(真空蒸着による反射防止膜の作製)
真空蒸着装置は、予熱室と第一蒸着室と第二蒸着室を独立して備えた連続型真空蒸着装置を使用した。前記PMMA製フレネルレンズを支持具に装着し予熱室に投入し真空雰囲気で所定時間加熱した後、内部に設けられた搬送装置により外気に触れることなく既に真空状態になっている第一蒸着室に搬送し、この第一蒸着室内で以下のようにして反射防止膜を成膜した。
先ずこの蒸着に適した温度まで加熱されたPMMA製フレネルレンズ上に真空蒸着法(真空度2×10-5Torr)により、PMMA製フレネルレンズに酸素イオンビームを照射するイオンビームアシスト法にて二酸化チタンからなる層、真空蒸着法にて二酸化ケイ素からなる層、さらにイオンビームアシスト法にて二酸化チタンからなる層、真空蒸着法にて二酸化ケイ素からなる層よりなる4層積層の反射防止膜付きフレネルレンズを作製し、試料28とした。
(塗布による反射防止膜の作製)
下記のように作製した塗布液を上記PMMA製フレネルレンズ上に塗布し、反射防止膜付きのフレネルレンズの作製を行なった。具体的には、反射防止処理用粒子として平均粒径が0.04μmのシリカ粒子を使用し、拡散層形成用粒子として平均粒径が6μmの酸化チタン粒子を使用し、バインダとしてアクリル樹脂および溶剤として酢酸エチルを混合して塗布液を得た。塗布液の粘度は1ポイズであった。この塗付液を出射側のフレネルレンズ面およびライズ面の全面にスピンコーティング法によって塗付した(回転速度:1500回転/分)。次いで、このフレネルレンズシートを65℃の水酸化ナトリウム水溶液中に浸した後、洗浄した。これにより、反射防止膜付きフレネルレンズを作製し、試料29とした。
試料24〜29について、下記評価を行い、その結果を表3に示した。
〔評価〕
(全光線透過率)
ASTM D−1003に従って可視光線の入射光量に対する全透過光量を測定した。
(反射防止膜付きフレネルレンズの外観)
黒色スプレーを用いて光吸収処理を行い反射防止膜付きフレネルレンズの裏面の光の反射を防止して、外光の照度を300ルクス(lx)として反射防止膜付きフレネルレンズの表面の色ムラの有無を目視にて評価した。
Figure 0004349052
(結果)
本発明の方法により、屈折率層を4層積層して形成した反射防止膜付きフレネルレンズ(試料24及び25)は、高い全光線透過率のものが得られた。なお、全ての装置での放電状態は正常であった。これに対して、本発明以外の方法で電界を印加した試料26は、放電状態はよかったが、全光線透過率が本発明より劣っていた。また、試料27は放電せず薄膜は得られなかった。蒸着により製膜した反射防止膜付きフレネルレンズ(試料28)は、全光線透過率が本発明より劣っていた。また、外観評価で色ムラが確認された。塗布により製膜した反射防止膜付きフレネルレンズ(試料29)は、均一に塗布されなかった。
ディスプレイ装置のスクリーン構造を概略的に示す断面図である。 大気圧プラズマ放電処理装置の概略構成を示す断面図である。 ステージ電極と各角筒型電極との配置関係を示す斜視図である。 ステージ電極を示す斜視図である。 角筒型電極を示す斜視図である。 図2の大気圧プラズマ放電処理装置の変形例を示す断面図である。
符号の説明
1 前面板
2 レンチキュラーレンズ
3 フレネルレンズ(ディスプレイ用フレネルレンズ)
4 基材
6 反射防止膜
10,30 大気圧プラズマ放電処理装置
11 ステージ電極(第1電極)
12 プラズマ放電容器
13 角筒型電極(第2電極)
14 ガス供給口
15 メッシュ
16 放電空間
17 第1電源
18 第2電源
19 第1フィルタ
20 第2フィルタ

Claims (14)

  1. 大気圧又はその近傍の圧力下、互いに対向する電極で構成される放電空間に薄膜形成ガスを含有するガスを供給し、前記互いに対向する電極に第1の高周波電界および第2の高周波電界を印加して、前記放電空間に高周波電界を印加することにより前記ガスを励起させ、励起した前記ガスに基材を晒すことにより前記基材の少なくとも一方の面上に反射防止膜が形成されディスプレイ用フレネルレンズの製造方法であって、
    前記高周波電界が前記第1の高周波電界および前記第2の高周波電界を重畳したものであり、前記第1の高周波電界の周波数ω1より前記第2の高周波電界の周波数ω2が高く、前記第1の高周波電界の強さV1、前記第2の高周波電界の強さV2及び放電開始電界の強さIVとの関係がV1≧IV>V2又はV1>IV≧V2を満たし、前記第2の高周波電界の出力密度が1W/cm2以上であることを特徴とするディスプレイ用フレネルレンズの製造方法
  2. 前記互いに対向する電極は、第1電極と第2電極とで構成されることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ用フレネルレンズの製造方法
  3. 前記第2の高周波電界の出力密度が50W/cm2以下であることを特徴とする請求項
    1又は2に記載のディスプレイ用フレネルレンズの製造方法
  4. 前記第2の高周波電界の出力密度が20W/cm2以下であることを特徴とする請求項
    3に記載のディスプレイ用フレネルレンズの製造方法
  5. 前記第1の高周波電界の出力密度が1W/cm2以上であることを特徴とする請求項1
    〜4のいずれか一項に記載のディスプレイ用フレネルレンズの製造方法
  6. 前記第1の高周波電界の出力密度が50W/cm2以下であることを特徴とする請求項
    1〜のいずれか一項に記載のディスプレイ用フレネルレンズの製造方法
  7. 前記第1の高周波電界及び前記第2の高周波電界がサイン波であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のディスプレイ用フレネルレンズの製造方法
  8. 前記第1の高周波電界を前記第1電極に印加し、前記第2の高周波電界を前記第2電極に印加することを特徴とする請求項2〜7のいずれか一項に記載のディスプレイ用フレネルレンズの製造方法
  9. 前記放電空間に供給される全ガス量の90〜99.9体積%が放電ガスであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のディスプレイ用フレネルレンズの製造方法
  10. 前記放電ガスが50〜100体積%の窒素ガスを含有することを特徴とする請求項9に記載のディスプレイ用フレネルレンズの製造方法
  11. 前記放電ガスが50体積%未満の希ガスを含有することを特徴とする請求項9又は10に記載のディスプレイ用フレネルレンズの製造方法
  12. 前記薄膜形成ガスが、有機金属化合物、ハロゲン化金属、金属水素化合物から選ばれる少なくとも一つを含有することを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載のディスプレイ用フレネルレンズの製造方法
  13. 前記有機金属化合物が、有機珪素化合物、有機チタン化合物、有機錫化合物、有機亜鉛化合物、有機インジウム化合物及び有機アルミニウム化合物から選ばれる少なくとも一つの化合物を含有することを特徴とする請求項12に記載のディスプレイ用フレネルレンズの製造方法。
  14. 前記基材の厚みが1mm以上であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載のディスプレイ用フレネルレンズの製造方法
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