JP4348203B2 - ゴム状ラテックス含有発泡スチレン系樹脂成形品及びその製造方法 - Google Patents

ゴム状ラテックス含有発泡スチレン系樹脂成形品及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ゴム状ラテックス含有発泡スチレン系樹脂成形品及びその製造方法に関する。
従来、発泡スチレン系樹脂成形品は優れた断熱性と緩衝特性を有している反面、その特徴である低密度(軽量)のため成形品表面が脆い、機械的強度が低い等の欠点があり、外部からの摩擦や衝撃により容易に擦傷又は破壊される。また、静電気が発生し易く埃が付着しやすい。さらに、油等の汚れや一度使用した後の汚れは発泡体表面に染み込むため水洗浄では除去できない。また、成形品を水中に浸漬すると含水し易い。その結果、発泡倍率が制限されたり、一回使用したら廃棄若しくは限定使用となっている。従ってこれらの欠点を解決してその用途を拡大することが望まれている。
これらの欠点を克服する技術として、発泡性樹脂粒子の分子量、分子量分布、組成、樹脂粒子径等の最適化が図られている。例えば、発泡性スチレン系樹脂を合成する際に、スチレンと共重合可能なモノマー例えばアクリロニトリル、メタクリル酸メチル、ブタジエン、アクリル酸ブチル等を共重合させたり、ポリエチレン又はポリプロピレン等のオレフィン類を共重合させる方法がある。
しかし、共重合化によって、耐熱性、耐溶剤性、成形加工性は改善されても高発泡化、緩衝特性の改良には限界がある。また、コスト高の要因にもなる。
さらに、押出機にてポリスチレンと相溶性のあるスチレン・ブタジエンゴムを混合・押出してペレット状にし、懸濁重合により発泡性スチレン系樹脂粒子を製造することも実施されているが、前記と同様、高発泡化、緩衝特性の改良には限界がある。
また、成形体と樹脂シートの成形品を貼り合わせたり、プラスチックシートと一体成形する技術も提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3)。しかし、これらの方法は工数が増えコスト高となる。
特開平7ー40358号公報 特開平9―280594号公報 特開2003―39471号公報
本発明は、機械的強度、耐衝撃性、可とう性、平滑性、耐汚染性、耐吸水性、耐溶剤性等に優れる発泡スチレン系樹脂成形品及びその製造方法を提供することを目的とする。
発明者らは、上記問題点を鑑み鋭意研究を行った結果、発泡スチレン系樹脂成形品にゴム状ラテックスを含ませることにより、従来の発泡スチレン系樹脂成形品が有する優れた断熱性と緩衝特性を損なうことなく、高発泡化も可能で機械的強度、耐衝撃性、耐溶剤性、耐熱性等を付与することができることを見出し本発明に至った。
本発明によれば、以下の発泡スチレン系樹脂成形品等が提供される。
1.表面にゴム状ラテックスからなるゴム層を有し、前記ゴム状ラテックスは濡れ性向上剤、チキソトロピー性付与剤、染料、顔料、抗菌剤又は鮮度保持剤を含むことができることを特徴とする発泡性スチレン系樹脂粒子。
2.ゴム状ラテックスと発泡性スチレン系樹脂粒子を混合し、前記発泡性スチレン系樹脂粒子の表面をゴム状ラテックスで被覆することを特徴とする1記載の発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
3.表面にゴム状ラテックスからなるゴム層を有し、前記ゴム状ラテックスは濡れ性向上剤、チキソトロピー性付与剤、染料、顔料、抗菌剤又は鮮度保持剤を含むことができることを特徴とする予備発泡スチレン系樹脂粒子。
4.発泡性スチレン系樹脂粒子とゴム状ラテックスを混合し、予備発泡することを特徴とする3記載の予備発泡スチレン系樹脂粒子の製造方法。
5.1記載の発泡性スチレン系樹脂粒子を予備発泡することを特徴とする3記載の予備発泡スチレン系樹脂粒子の製造方法。
.ゴム状ラテックスからなるゴム層を表面に有し、前記ゴム状ラテックスは濡れ性向上剤、チキソトロピー性付与剤、染料、顔料、抗菌剤又は鮮度保持剤を含むことができることを特徴とする発泡スチレン系樹脂成形品。
.1記載の発泡性スチレン系樹脂粒子を予備発泡、成形又は3記載の予備発泡スチレン系樹脂粒子を成形させて得られることを特徴とする6記載の発泡スチレン系樹脂成形品。
.表面にゴム状ラテックスを塗布して得られることを特徴とする記載の発泡スチレン系樹脂成形品。
.前記ゴム状ラテックスが、合成ゴムラテックス及び/又はアクリル酸エステル共重合体エマルジョンであることを特徴とする6〜のいずれか一に記載の発泡スチレン系樹脂成形品。
尚、上記1,3,6において、ゴム状ラテックスは乾燥されたものも含む。通常、発泡性樹脂粒子の場合は、ゴム状ラテックスは液状又は乳化状であり、予備発泡粒子の場合は、発泡直後はゴム状ラテックスは液状又はやや乾燥した状態であるが乾燥工程を経て固化され、成形品の場合は、乾燥により固化した状態である。本明細書においてゴム状ラテックスを同様の意味で使用する場合がある。
本発明によれば、機械的強度、耐衝撃性、可とう性、平滑性、耐汚染性、耐吸水性等に優れる発泡スチレン系樹脂成形品及びその製造方法を提供できる。
以下、本発明の発泡スチレン系樹脂成形品及びその製造方法について詳細に説明する。
本発明の発泡スチレン系樹脂成形品は、ゴム状ラテックスを内部及び/又は表面に有する。ゴム状ラテックスはゴム層を形成していてもよく、ゴム層は連続層とすることができる。
本発明の発泡スチレン系樹脂成形品自体は特に限定されず、発泡性スチレン系樹脂粒子を所望の倍数に予備発泡した後、加熱発泡成形して得られる成形品、又はスチレン系樹脂を押出発泡により成形したものであってよい。
本発明で使用する発泡性スチレン系樹脂粒子は、ポリスチレン又はスチレンとこれと共重合可能なモノマーとの共重合体である。スチレンと共重合可能なモノマーとしては、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン誘導体又はその置換体、メタクリル酸メチル等のメタクリル酸アルキルエステル、アクリロニトリル、ブタジエン、アクリル酸ブチル及びエチレン、プロピレン等のオレフィンがあり、その使用量はモノマーの総量に対し50質量%未満が好ましいが目的によってはこの限りではない。また、これらの混合物も含まれる。
発泡剤としては、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素がある。発泡剤をスチレン系樹脂に含浸させる方法としては、懸濁重合法又は押出発泡法があり既に公知の技術である。
本発明で使用するゴム状ラテックスには、合成ゴムラテックス及びアクリル酸エステル共重合体エマルジョンが含まれる。合成ゴムラテックスには、変性アクリロニトリル・ブタジエン共重合体、変性アクリル酸エステル・ブタジエン共重合体、変性スチレン・ブタジエン共重合体、変性メタクリル酸エステル・ブタジエン共重合体等が含まれる。これらのゴム状ラテックスは単独で使用してもよいが目的に応じて混合して使用しても差し支えない。上記のゴム状ラテックスは変性されていてもよく、例えば、接着性や耐熱性向上を目的にカルボキシル基変性やアルコキシシリル基変性等が挙げられる。また、エマルジョンに使用される乳化剤はアニオン、ノニオン、又はソープフリータイプいずれでも構わない。
本発明における発泡性スチレン系樹脂粒子へのゴム状ラテックスの被覆方法として、ゴム状ラテックスをリボンブレンダー、Vブレンダー等のブレンダーやヘンシェルミキサー、レディゲミキサー等のミキサーにて混合する方法等が採用できる。ゴム状ラテックスは前記混合方法により各粒子表面に均一に被覆することが好ましい。また、その混合比率は、発泡性スチレン系樹脂粒子100質量部に対し、好ましくは0.1〜15質量部であり、特性及び生産性の面から最適な配合は、0.5〜5質量部である。上記方法でゴム状ラテックスを被覆した樹脂粒子は発泡剤が逸散しない範囲内でゴム状ラテックス中の水分を除去させることが望ましい。
さらに、発泡性スチレン系樹脂粒子にゴム状ラテックスを被覆させる方法として、予備発泡機を使用できる。この方法では、発泡性スチレン系樹脂粒子を、上記混合比率でゴム状ラテックスと共に撹拌装置が備わっている予備発泡機に投入する。予備発泡と同時に効果的に被覆することができる。この場合、ゴム状ラテックスがスチームにより加熱されることにより、乳化破壊を引き起こし水分が除去されて、ラテックス中のゴム成分のみが発泡性スチレン系樹脂粒子に効果的に被覆し、ゴム状ラテックスで被覆された予備発泡スチレン系樹脂粒子が得られる。
上記のゴム状ラテックスで被覆された発泡性スチレン系樹脂粒子を予備発泡、成形して、又は予備発泡スチレン系樹脂粒子を成形して、ゴム状ラテックスを含む発泡スチレン系樹脂成形品を得ることができる。また、発泡スチレン系樹脂成形品は、成形品を形成した後に、表面をゴム状ラテックスで被覆してもよい。
発泡スチレン系樹脂成形品にゴム状ラテックスを塗布しゴム層を成形品表面に形成する方法として、刷毛での塗布、スプレーガンによる吹き付け、又はゴム状ラテックスへの成形品の浸漬等何れの方法でも可能である。塗布後、室温〜80℃で乾燥することでラテックス中の水分を放出できる。成形品とゴム層の密着性を確保するためには成形品の材質に応じたラテックスの選択が重要である。
このときの膜厚は、乾燥前で通常0.1〜100μm、好ましくは5〜70μmである。
このように、本発明の成形品は、ゴム状ラテックスを被覆した発泡性スチレン系樹脂粒子を予備発泡、成形して得られる成形品、予備発泡中にゴム状ラテックスを混合被覆した予備発泡粒子を成形して得られる成形品、又は何も混合被覆しない通常のスチレン系樹脂の成形品又は上記の製造過程においてゴム状ラテックスを混合した成形品にゴム状ラテックスを塗布して得られる成形品であり、いずれにおいてもゴムの特徴が発現できる。使用するゴム状ラテックスは目的に応じて選択をすれば良い。特性の異なるゴム状ラテックスの組み合わせが効果的な場合も多い。例えば、スチレン・ブタジエン共重合体で成形品に曲げ強度を付与し、さらにアクリロニトリル・ブタジエン共重合体ラテックスで耐熱性又は耐溶剤性を付与する。これにより用途拡大が図れる。
また、使用するゴム状ラテックスには目的に応じて以下の改質剤を添加することができる。改質剤はゴム状ラテックスとスチレン系樹脂粒子又は発泡樹脂成形品との密着性を改良するための濡れ性向上剤、均一な塗布面を得るためのチキソトロピー性付与剤、ゴム状ラテックスのバインダー機能を生かしての成形品の着色のための染料又は顔料、抗菌性付与のための抗菌剤、鮮度保持のための鮮度保持剤である。改質剤含有ラテックスは、改質目的に応じて、発泡性樹脂粒子又は予備発泡粒子に被覆するか、成形品表面に被覆するか等を選択することができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
尚、実施例で使用した発泡性スチレン系樹脂粒子等は以下の通りである。
(1)発泡性スチレン系樹脂粒子
発泡性ポリスチレン樹脂粒子(日立化成工業製 商品名:ハイビーズ SSB−TX−7)(EPS)
アクリロニトリル変性発泡性スチレン系樹脂粒子(日立化成工業製 商品名:ハイビーズGR)(GR)
メタクリル酸メチル変性発泡性スチレン系樹脂粒子(日立化成工業製 商品名:ハイビーズAF)(AF)
(2)ゴム状ラテックス
変性アクリロニトリル・ブタジエン共重合体ラテックス(日本ゼオン製 商品名:Nipol SX1503 42%濃度)(AN・B)
変性アクリル酸エステル・ブタジエン共重合体ラテックス(日立化成工業製 商品名:BEラテックス 45%濃度)(AR・B)
変性スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス(日本ゼオン製 商品名:Nipol SX1105 45%濃度)(ST・B)
アクリル酸エステル共重合体エマルジョン(日本ゼオン製 商品名:Nipol SX1706 48%濃度)(AE)
カルボキシ変性スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス(日本エイアンドエル社製 商品名:ナルスターSR−107 51%濃度)(CST・B
(3)改質剤
青色染料(マジックインキ本舗製 商品名:補充用インキ)
赤色染料(マジックインキ本舗製 商品名:補充用インキ)
石英へんがん(会田工業所製 商品名:電気石(200メッシュスルー))
ジイソオクチルスルホコハク酸ナトリウム(和光純薬工業社製 商品名:エーロゾル0T)
実施例1
発泡性ポリスチレン樹脂粒子10kgに対し変性アクリロニトリル・ブタジエン共重合体ラテックス200g(2質量部)をVブレンダーで10分間混合した。このラテックスを被覆した発泡性ポリスチレン樹脂粒子を予備発泡機(日立化成テクノプラント製 HBP−500)にて嵩発泡倍数がそれぞれ51、61、71倍(密度19.6、16.4、14.1kg/m)に予備発泡し、この発泡粒子を16時間室温にて熟成した。次いで予備発泡粒子を寸法300mm(長)×50mm(幅)×20mm(厚み)の平板状の成形品6個取りの金型を取り付けた成形機(ダイセン工業製 VS―300)にてスチーム圧0.08Mpaで成形を行い、それぞれ50、60、70倍(密度20.0、16.7、14.3kg/m)の成形品を各6枚得た。サンプル名をそれぞれA、B、Cとした。
実施例2
発泡性ポリスチレン樹脂粒子5kgを予備発泡機に投入する際に、変性アクリル酸エステル・ブタジエン共重合体ラテックス150g(3質量部)を同時に投入し予備発泡中に混合し、61倍(密度16.4kg/m)に発泡した。実施例1と同様にして16時間の熟成後、同一成形機にて60倍(密度16.7kg/m)の成形品6枚を得た。この試験体をDとした。
実施例3
発泡性ポリスチレン樹脂粒子を嵩倍数61倍に予備発泡し、16時間熟成した後、同一成形機で60倍(密度16.7kg/m)の成形品を作製した。この成形板の300mm×50mmの両面に、刷毛とベーカーアプリケーター(井元製作所製 商品名:BAP−04)を用いて、変性スチレン・ブタジエン共重合体ラテックスの層厚がそれぞれ25、50ミクロンになるように塗布した。次いでこの試験体を60℃の乾燥室で2時間放置し乾燥した。25ミクロンの厚みの試験体をE(密度17.8kg/m)、50ミクロンの厚みの試験体をF(密度19.0kg/m)とした。Eの塗布前と乾燥後の質量差は0.35g、Fの質量差は0.71gであった。
実施例4
アクリロニトリル変性発泡性スチレン系樹脂粒子6kgと変性アクリル酸エステル・ブタジエン共重合体ラテックス180g(3質量部)を予備発泡機内で混合し、51倍(密度19.6kg/m)に発泡、16時間熟成した。実施例1と同一成形機で50倍(密度20.0kg/m)の成形板6枚を得た。この試験体をGとした。
実施例5
実施例4において、アクリロニトリル変性発泡性スチレン系樹脂粒子の代わりにメタクリル酸メチル変性発泡性スチレン系樹脂粒子を使用した以外は実施例4と同様にして50倍(密度20.0kg/m)の成形板6枚を得た。この試験体をHとした。
実施例6
実施例3で作製した61倍の予備発泡粒子を用いて、寸法400mm(縦)×330mm(横)×180mm(深さ)、肉厚25mmの容器6個取りの金型を取り付けた成形機(ダイセン工業製 DAIYA−CVS1300L2)にてスチーム圧0.065mPaで成形し成形品6個を得た(倍数60倍)(密度16.7kg/m)。質量は1個あたり145gであった。6個の各成形品の底部に直径0.5mmの針金で3カ所穴を開け貫通させ、それぞれの容器に水を2L入れ全ての穴から水が滲み出ることを確認した。この6個の成形品から水を除き乾燥させた後、成形品内側の底部に変性アクリロニトリル・ブタジエン共重合体ラテックスを刷毛とベーカーアプリケーターを用いて25ミクロンの厚みになるように塗布し、60℃の乾燥室で2時間乾燥した。塗布前と乾燥後の6個の質量差の平均値は1.6gであった。この6個の試験体をIとした。
実施例7
実施例1において、変性アクリロニトリル・ブタジエン共重合体ラテックスの代わりに、変性スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス200g(2質量部)に青色染料5gを加え、よく混合したものを使用する以外は、実施例1と同様にして61倍(密度16.4kg/m)に予備発泡し、次いで16時間熟成し60倍(密度16.7kg/m)の青色の美粧な成形品を得た。この試験体をJとした。
実施例8
実施例3において、変性スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス100gに赤色染料2gを加えてよく混合したものを、成形板の300mm×50mmの両面に、刷毛とベーカーアプリケーターを用いて50ミクロンに塗布した以外は、実施例3と同様にして成形品を作製した。この赤色の試験体をK(密度19.0kg/m)とした。Kの塗布前と乾燥後の質量差は0.72gであった。
実施例9
実施例2において作製した変性アクリル酸エステル・ブタジエン共重合体を含む成形品の300mm×50mmの片面に、刷毛とベーカーアプリケーターを用いて、変性アクリロニトリル・ブタジエン共重合体ラテックスを、層厚が25ミクロンになるように塗布し、この試験体をLとした。次いでこの試験体を60℃の乾燥室で2時間放置し乾燥した。この成形品の塗布前と乾燥後の質量差は0.18gであった。
実施例10
実施例1と同じ発泡性スチレン系樹脂粒子4kgとアクリル酸エステル共重合体エマルジョン200g(5質量部)を、予備発泡機に投入し、76倍(密度13.2kg/m)に発泡させた。この発泡粒子を16時間熟成させ実施例1と同一成形機、金型で成形した6個の試験体をMとした。この成形品は75倍(密度13.3kg/m)であった。
また、実施例6と同一成形機、金型、成形条件で容器6個(密度13.3kg/m)を得た。この容器の質量は1個当たり115gであった。この試験体をNとした。これらの容器には収縮、変形は無かった。
実施例11
実施例3で作製した61倍の予備発泡粒子を用いて、実施例6と同一条件で成形し6個の成形品(密度16.7kg/m)を得た。質量は1個あたり145gであった。このうち3個の成形品の底面及び内側の4側面にそれぞれカルボキシ変性スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス40gに鮮度保持剤である微粒子の石英へんがん20gを混合したものを刷毛とベーカーアプリケーターを用いて25ミクロンの厚みになるよう塗布した。これらの成形品を60℃の乾燥室で2時間乾燥した。塗布前と乾燥後の3個の平均の質量差は、10.1gであった。サンプル名をO(密度17.3kg/m)とした。
比較例1
実施例1において、変性アクリロニトリル・ブタジエン共重合体ラテックスを混合しない以外は実施例1と同一条件で予備発泡、成形して、それぞれ50、60、70倍の発泡ポリスチレン成形品(密度20.0、16.7、14.3kg/m)を各6枚得た。これらをQ、R、Sとした。
比較例2
実施例4において、変性アクリル酸エステル・ブタジエン共重合体ラテックスを使用しない以外は実施例4と同様にして予備発泡、成形した(密度20.0kg/m)。これをTとした。
比較例3
実施例5において、変性アクリル酸エステル・ブタジエン共重合体ラテックスを使用しない以外は実施例4と同様にして予備発泡、成形した(密度20.0kg/m)。これをUとした。
比較例4
実施例6において用いた予備発泡樹脂粒子を、実施例6と同様にして成形した発泡ポリスチレンの容器6個(密度16.7kg/m)をVとした。
比較例5
実施例10において、アクリル酸エステル共重合体エマルジョンを使用しない以外は実施例10と同様にして予備発泡、成形した。平板の6個の試験体をW、容器の6個の試験体をXとした。これら試験体は、75倍(密度13.3kg/m)であった。またXの質量の平均は116gであった。これらの容器には収縮、変形が観察された。
比較例6
実施例11において、カルボキシ変性スチレン・ブタジエン共重合体ラテックスと石英へんがんを使用しない以外は実施例11と同様にして作製した3個の容器(密度16.7kg/m)をYとした。
実施例1〜12、及び比較例1〜6で得た発泡スチレン系樹脂成形品の評価結果を表1に示す。尚、表1における特性評価の方法は下記のとおりである。
(1)表面硬度
成形品の表面硬度は、吉田精機製ポリスチレンフォームテスターPFT−2のセンサを成形品表面に押圧し、その成形品側の指示値で示した。硬度は数値が低いほど硬く、最低値は20、最大値が80である。
(2)曲げ強度
JIS−A−9511に準じて測定した。
(3)耐ガソリン、耐トルエン性
ASTM−D−543−56に準じて測定した。
評価は○:変化無し、△:一部膨潤、×:溶解とした。
(4)吸水率
JIS−A−9511のA類に準じて測定した。
(5)水漏れ
成形品容器に水20L及び赤インク10mLを入れ24時間放置した。漏れ、滲みを目視で観察した。結果は、漏れ又は滲みが発生した場合は、その数を分子とし試験した総数を分母とする分数で示した。
(6)野菜の鮮度試験
実施例11及び比較例6において作製した容器に、収穫直後のほうれん草200gを入れ発泡スチレン樹脂製の蓋をして、室温で2日間放置し、その鮮度(萎れ状態)を目視で観察した。野菜を冷蔵庫に保管したものを標準とし、冷蔵庫に保管したものと同等のものを○、やや萎びれているものを△、萎びれているものを×とした。
本発明の発泡スチレン系樹脂成形品は、機械的強度、耐衝撃性、可とう性、平滑性、耐汚染性、耐吸水性、耐溶剤性等に優れ、様々な用途、例えば、構造部材、断熱材、梱包材、緩衝材、工芸品等、具体的には自動車用フロアスペーサー、ドレンパン、容器、フロート、住宅用建材、浴室部材、棺、車載用デッキボード等に好適に使用できる。

Claims (9)

  1. 表面にゴム状ラテックスからなるゴム層を有し、前記ゴム状ラテックスは濡れ性向上剤、チキソトロピー性付与剤、染料、顔料、抗菌剤又は鮮度保持剤を含むことができることを特徴とする発泡性スチレン系樹脂粒子。
  2. ゴム状ラテックスと発泡性スチレン系樹脂粒子を混合し、前記発泡性スチレン系樹脂粒子の表面をゴム状ラテックスで被覆することを特徴とする請求項1記載の発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
  3. 表面にゴム状ラテックスからなるゴム層を有し、前記ゴム状ラテックスは濡れ性向上剤、チキソトロピー性付与剤、染料、顔料、抗菌剤又は鮮度保持剤を含むことができることを特徴とする予備発泡スチレン系樹脂粒子。
  4. 発泡性スチレン系樹脂粒子とゴム状ラテックスを混合し、予備発泡することを特徴とする請求項3記載の予備発泡スチレン系樹脂粒子の製造方法。
  5. 請求項1記載の発泡性スチレン系樹脂粒子を予備発泡することを特徴とする請求項3記載の予備発泡スチレン系樹脂粒子の製造方法。
  6. ゴム状ラテックスからなるゴム層を表面に有し、前記ゴム状ラテックスは濡れ性向上剤、チキソトロピー性付与剤、染料、顔料、抗菌剤又は鮮度保持剤を含むことができることを特徴とする発泡スチレン系樹脂成形品。
  7. 請求項1記載の発泡性スチレン系樹脂粒子を予備発泡、成形又は請求項3記載の予備発泡スチレン系樹脂粒子を成形させて得られることを特徴とする請求項6記載の発泡スチレン系樹脂成形品。
  8. 表面にゴム状ラテックスを塗布して得られることを特徴とする請求項6記載の発泡スチレン系樹脂成形品。
  9. 前記ゴム状ラテックスが、合成ゴムラテックス及び/又はアクリル酸エステル共重合体エマルジョンであることを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項記載の発泡スチレン系樹脂成形品。
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