JP6155074B2 - 有害微生物の繁殖抑制可能な発泡ポリスチレン系成形品及びその製造方法 - Google Patents

有害微生物の繁殖抑制可能な発泡ポリスチレン系成形品及びその製造方法 Download PDF

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本発明は、ゴム及び/又はエチレン酢酸ビニル共重合体樹脂に抗菌剤、防カビ剤及び/又は防藻剤を含有する発泡ポリスチレン成形品及びその製造方法に関する。
発泡ポリスチレン樹脂からなる発泡成形品は、独立気泡を有しているため優れた断熱性と緩衝特性を有し、家電、水産、農業、建材、自動車等様々な分野に使用されている。
発泡ポリスチレン樹脂の最大の用途は容器類で、さらに容器の中でも最大用途は水産関係である。鮮魚、水産加工品の輸送用・保管用に膨大な発泡ポリスチレン成形品が使用されている。近年流通システムの発展で鮮魚や加工品の鮮度は格段に保持されているが、発泡ポリスチレン成形品の菌、カビ等の対策は万全ではない。現在、無機化合物(銀、銅系)を使用して抗菌、防カビ対策をした発泡ポリスチレン成形品はあるが、無機物系のためポリスチレンとは相容性がなく剥離し易く、短期的(約18時間以内)には効果はあるが長期に渡る効果が期待できない。このためどうしても低温保管、低温輸送システムに依存せざるを得ない。しかし低温システムの保管中でも菌、カビの増殖は進み腐敗は確実に進んでいくのが現状である。
発泡ポリスチレン成形品に長期に渡る抗菌、防カビ効果があれば、低温システムと合わせてさらなる食品の安全が期待できる。さらに、菌、カビの繁殖を抑制できる温度範囲が広がるため冷却用の氷の削減が可能となり流通経費の削減も合わせて期待できる。
建材関係の材料にも、発泡ポリスチレン成形品は、壁断熱材、天井断熱材、床断熱材、浴場断熱材等として、非常に多く使用されている。近年、建物の高気密化に伴い建物の中と外の温度差が拡大したため結露し易くなってきている。このため適度な湿度となりカビやダニが発生し易くなりアレルギー等の健康被害や建物の腐食等の問題が発生している。この対策として結露対策等を中心とした工法がなされているが、根本的な建材自身による防カビ対策は万全ではない。
家庭用エアコン、工業用エアコンのドレンパン(水を受ける皿)には、断熱性に優れ、軽量で加工のし易さ、コスト等から発泡ポリスチレン成形品が使用されている。エアコンの冷房運転時に冷却コイルに暖かい空気が触れると、空気中の水分が結露しドレンパンに水が溜まる。この溜まった水に空気中の雑菌、カビが侵入繁殖し寒天状のスライムができ、漏水、異臭、不衛生等の問題が発生している。これらの問題を解決するため防カビ入りの塗料の塗布、防カビ剤入のプラスチックフイルムの貼合わせ、防カビ剤入のプラスチックシートとの一体成形等の改善策があるが、成形性の複雑化、作業性の悪化等によりどうしてもコスト高になる。また、防カビ剤や抗菌剤をプラスチックの表面に均一に分散させることは困難であり、充分な性能を発揮させるためには多量の防カビ剤、抗菌剤を使用せざる得なくなり、結局コスト高になる。
最近、安全性を詠った無農薬・短期間での収穫等、多くの長所を持つ植物工場が注目されている。その代表として水耕栽培は、栽培槽、定植パネル、培養液タンク等で構成され、培養液を循環させて農産物を栽培する方式であり、植物工場の多くはこの方式を採用している。養液栽培装置には、軽量で加工がし易いことから発泡ポリスチレン成形品が多用されており、定植パネルのように、植物の茎や根が接触する部分にも使用されている。定植パネルは、培養液に浮かした状態又は培養液面より数センチの空間を隔てて設置されており、パネル面や内部に菌が付着又は侵入等がおこり、藻の発生、病原菌の発生の原因になっている。これらを防ぐために現状では銀ゼオライト等を混合した塗料等を塗布し対策しているが、一定の効果は見られるものの効果は少なく又価格も高く、さらに短期間で交換せざるを得ない。
特開2003−292868号公報 特開2007−262871号公報 特開2006−265296号公報 特開2003−147942号公報 特開平8−233303号公報 特開2008−116083号公報
上述したように、発泡ポリスチレン成形品は様々な分野に使用されていて、中でも水産関係、農業関係、建材関係では、発泡ポリスチレン系成形品は、非常に多く使用されており、菌、カビ、藻等の発生も多く解決が望まれている。本発明は、上記の欠点を克服した発泡ポリスチレン成形品及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は上記問題点を鑑み鋭意研究を行った結果、ゴム及び又はエチレン酢酸ビニル共重合体樹脂に、抗菌剤、防カビ剤及び/又は防藻剤(以下、単に抗菌剤等ともいう)を混合して、発泡ポリスチレン系成形品に付着させることにより、成形品における抗菌剤等の分散性、又は抗菌剤等との密着性が著しく改善され、長期間に渡り抗菌性、防カビ性、防藻性能に優れることを発見し、本発明に至った。また、発泡ポリスチレン系成形品に、抗菌剤等を含むゴム及び又はエチレン酢酸ビニル共重合樹脂を混合しても、従来の発泡ポリスチレン系成形品が持つ優れた断熱性と緩衝特性を損なうことなく、抗菌、防カビ、防藻効果を長期間付与できることを見いだし本発明に至った。
本発明によれば、以下の発泡ポリスチレン系成形品等が提供される。
1.カビ剤及び防藻剤から選択される1以上を含有するゴムを表面、内部又はその両方に有する発泡ポリスチレン系成形品。
2.カビ剤及び防藻剤から選択される1以上を含有するゴムラテックスで表面を被覆して、乾燥する発泡ポリスチレン系成形品の製造方法。
3.カビ剤及び防藻剤から選択される1以上を含有するゴムを表面に有する発泡性ポリスチレン系粒子。
4.カビ剤及び防藻剤から選択される1以上を含有するゴムラテックスと、発泡性ポリスチレン系粒子を混合して、前記発泡性ポリスチレン系粒子の表面前記ゴムラテックスを被覆して乾燥する発泡性ポリスチレン系粒子の製造方法。
5.カビ剤及び防藻剤から選択される1以上を含有するゴムを表面に有する予備発泡スチレン系樹脂粒子。
6.記載の発泡性ポリスチレン系粒子を予備発泡し、次いで成形する発泡ポリスチレン系成形品の製造方法。
7.記載の発泡性ポリスチレン系粒子を、発泡用押出機により押し出す発泡ポリスチレン系成形品の製造方法。
8.前記発泡ポリスチレン系成形品の表面に、さらに防カビ剤及び防藻剤から選択される1以上を含有するゴムラテックスを付着させて乾燥させる6又は7記載の発泡ポリスチレン系成形品の製造方法。
9.カビ剤及び防藻剤から選択される1以上を含有するゴムを表面に有する樹脂ペレット。
10.記載の樹脂ペレットを用いて成形する発泡ポリスチレン系成形品の製造方法。
発泡性樹脂粒子、予備発泡粒子、成形品に付着するゴム又はエチレン酢酸ビニル共重合体は、乾燥した状態又は液状又は乳化状のラテックス若しくはエマルジョンの状態で付着していてもよい。
本発明によれば、抗菌、防カビ及び/又は防藻性を有する発泡ポリスチレン系成形品、及びその製造方法を提供できる。
比較例1(A)、参考例2(B),実施例1(C),参考例1(D)で得られた成形体の、抗菌、防カビ及び防藻の評価結果を示す写真である。
以下、本発明の発泡ポリスチレン系成形品及びその製造方法について詳細に説明する。
本発明の発泡ポリスチレン系成形品は、抗菌剤、防カビ剤及び防藻剤から選択される1以上(以下、単に抗菌剤等ともいう)を含有するゴム及び/又はエチレン酢酸ビニル共重合体(以下、単に混合物ともいう)を、内部及び/又は表面に含有する。当該混合物は、被覆層を形成していてもよく、被覆層は、不連続層又は連続層とすることができる。抗菌剤等は、ゴム及び/又はエチレン酢酸ビニル共重合樹脂に分散し、ゴム及び/又はエチレン酢酸ビニル共重合樹脂により強く成形品に付着している。
抗菌剤等は、抗菌剤、防カビ剤又は防藻剤でもよく、これら2以上の複合剤でもよい。
また、ゴムと、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂は、いずれかを用いてもよく、共に混合して用いてもよい。
成形品の表面を当該混合物で被覆するとき、表面のほとんどが当該混合物で被覆されることが好ましい。
本発明で用いる発泡スチレン系樹脂成形品自体は特に限定されず、発泡性スチレン系粒子を所望の倍数に予備発泡した後、加熱発泡成形して得られる成形品、又はスチレン系樹脂を押出発泡により成形したものであってよい。
発泡ポリスチレン系樹脂は、ポリスチレン又はスチレンと共重合可能なモノマーとの共重合体からなる。スチレンと共重合できるモノマーとしては、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン誘導体又はその置換体、メタクリル酸メチル等のメタクリル酸アルキルエステル、アクリロニトリル、ブタジエン、アクリル酸ブチル及びエチレン、プロピレン等のオレフィンがあり、その使用量はモノマーの総量に対し50質量%未満が好ましいが目的によってはこの限りではない。また、ポリスチレン系樹脂は、これらの混合物から構成されてもよい。
抗菌剤等は、銀系抗菌剤、カルシュウム系セラミックス、非晶質リン酸カルシュウム、ヨード系防カビ剤、イミダゾール系防カビ剤、チアベンダゾール系防カビ剤を例示できる。抗菌性能、防カビ性能又は防藻性能を発揮すれば特に制限することなく使用できるが、好ましくは非流出系薬剤のみの複合剤で2−ピリジノチオール−1−オキシドナトリウム塩、N,N−ジメチル−N’−フェニル−(N’−フルオロジクロロメチル−チオ)−スルファミド、2−N−オクチル−4−イソチオアゾリン−3−オン等が顕著な効果を示す。これらの薬剤は単独でも混合されてもいても構わない。
抗菌剤等の成形品への付着量は、例えば、混合物を含む成形品全体に対し0.0005〜5質量%であり、好ましくは0.001〜2質量%である。
本発明の成形品は、ゴムラテックス又はエチレン酢酸ビニル共重合樹脂エマルジョンに、抗菌剤等を混合して原料混合物を作製し、その原料混合物を用いて付着させて適時乾燥して製造できる。
成形品の製法自体は特に限定されず、例えば、成形品の表面を原料混合物で塗布して製造してもよいし、成形品を成形する際に用いる材料(粒子、ペレット等)を原料混合物で塗布して、その塗布した材料から成形品を製造してもよい。前者の場合は、成形品の表面に当該混合物が存在し、後者の場合は、成形品の表面と内部に存在する。
本発明で使用するゴムラテックスには、合成ゴムラテックス、アクリル酸エステル共重合体エマルジョン及びワックスエマルジョンが含まれる。合成ゴムラテックスには、変性アクリロニトリル・ブタジエン共重合体、変性アクリル酸エステル・ブタジエン共重合体、変性スチレン・ブタジエン共重合体、変性メタクリル酸エステル・ブタジエン共重合体等が含まれる。これらのゴムラテックスは単独で使用してもよいが目的に応じて混合して使用しても差し支えない。上記のゴムラテックスは変性されていてもよく、例えば、接着性や耐熱性向上を目的にカルボキシル基変性やアルコキシシリル基変性等が挙げられる。
ゴムラテックスは目的に応じて選択することもできる。特性の異なるゴムラテックスの組み合わせが効果的な場合も多い。例えば、スチレン・ブタジエン共重合体は成形品に曲げ強度を付与し、さらにアクリロニトリル・ブタジエン共重合体ラテックスは耐熱性又は耐溶剤性を付与する。
エチレン酢酸ビニル共重合樹脂は、酢酸ビニルの含有量により特性が変わるが、本発明で使用する共重合樹脂はその含有量に制限されるものではないが、酢酸ビニルの含有量が1〜50%の一般的な共重合樹脂で構わない。
エチレン酢酸ビニル共重合樹脂エマルジョンとその成分と製法については、特許公報4439234、特願2011−153250明細書、特願2011−153550明細書、特願2011−256057明細書、特願2012−201863明細書に記載されている。
エマルジョンの乳化剤として、アニオン、ノニオン、又はソープフリータイプいずれも用いることができる。
上記原料混合物(又は混合物)には、難燃性を付与するために、ポリ硼酸塩を含有させてもよい。
ポリ硼酸塩として、例えば、硼酸イオン重合体のアルカリ金属塩が挙げられ、その水溶液が好適に使用される。アルカリ金属としてナトリウムやカリウムが挙げられるが、水溶性の観点からナトリウム塩が好ましい。ポリ硼酸塩に含まれるホウ素はホウ素10%を含み(好ましくは約20%)、不燃効果と中性子線遮蔽効果を有する。
また、ラテックス又はエマルジョンには目的に応じて改質剤を添加することができる。改質剤として、例えば、ラテックス又はエマルジョンとスチレン系樹脂粒子又は発泡樹脂成形品との密着性を改良するための濡れ性向上剤、均一な塗布面を得るためのチキソトロピー性付与剤、成形品の着色のための染料又は顔料、鮮度保持のための鮮度保持剤、導電性を付与するための導電剤等がある。改質剤含有混合物は、改質目的に応じて、発泡性樹脂粒子又は予備発泡粒子に被覆するか、成形品表面に被覆するか等を選択することができる。
原料混合物を成形品に塗布し、被覆層を成形品表面に形成する方法として、刷毛での塗布、スプレーガンによる吹きつけ、又は原料混合物への成形品の浸漬等が挙げられる。塗布後、室温〜80℃で乾燥することで原料混合物中の液体を放出できる。このときの乾燥後の膜厚は、効果を奏する限り特に限定されないが、約0.1mm以上である。厚みは厚い程、例えば抗菌、防カビ、防藻の効果が高まるが、コストの点から、通常は、1mm以下、好ましくは0.5mm以下である。
また、原料混合物を乾燥させてフィルムとして、このフィルムを成形体に付着又は被覆させてもよい。
発泡ポリスチレン系成形品は、原料混合物又は混合物で被覆した発泡性ポリスチレン粒子又は被覆ポリスチレン粒子を用いて製造できる。例えば、これらの被覆発泡性ポリスチレン粒子を予備発泡し次いで型に注入し加熱成形する、被覆発泡性ポリスチレン粒子を押出機にて発泡押し出しし、発泡シート又は発泡成形品を製造する、又は、被覆ポリスチレン粒子を押出機にて押し出し中に発泡剤を圧入し発泡シート又は発泡成形品を製造する。予備発泡粒子も表面に原料混合物又は混合物を有する。
発泡剤としては、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素がある。発泡剤をスチレン系樹脂に含浸させる方法としては、懸濁重合法又は押出発泡法等の公知の技術を用いることができる。
発泡性ポリスチレン系粒子又はポリスチレン粒子に、原料混合物を被覆する具体的な方法として、粒子と原料混合物を、リボンブレンダー、Vブレンダー等のブレンダーやヘンシェルミキサー、レデイゲミキサー、コンクリートミキサー等のミキサーにて混合する。原料混合物を、前記混合方法により各粒子表面に均一に被覆することが好ましい。原料混合物を被覆した樹脂粒子は発泡剤が逸散しない範囲内で原料混合物中の水分を除去させることが望ましい。
原料混合物の混合比率は、例えば、発泡性ポリスチレン系粒子100質量部に対し0.1〜30質量部であり、特性及び生産性の面から最適な配合は0.1〜15質量部である。この際、密着性を向上させるため、ジイソオクチルスルホコハク酸ナトリウム等の濡れ性向上剤等を0.01部程度、適宜加えても差し支え無い。
ゴムラテックスを用いて予備発泡をするとき、スチームにより加熱されることにより水分が除去されて、ラテックス中のゴム成分が発泡性スチレン系樹脂粒子に効果的に被覆し、ゴムで被覆された予備発泡スチレン系樹脂粒子が得られる。
本発明では、抗菌剤等を含有するゴムラテックス及び又はエチレン酢酸ビニル共重合体エマルジョンを用いて、そのラテックス又はエマルジョンのバインダー特性を活用して、粒子、ペレットや成形品に、抗菌剤等を効果的に付着させることができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
実施例で使用した材料は以下の通りである。
(1)発泡性ポリスチレン系粒子
発泡性ポリスチレン粒子(JSP(株)製、商品名:スチロダイヤ)
(2)ポリ硼酸塩―エチレン酢酸ビニル共重合樹エマルジョン
ポリ硼酸ナトリウム―エチレン酢酸ビニル共重合樹脂エマルジョン
((株)トラストライフ、商品名:FB−EVAエマルジョン)
ポリ硼酸ナトリウム―エチレン酢酸ビニル共重合樹脂エマルジョン
((株)トラストライフ、商品名:FB−EVA−Bエマルジョン)
ポリ硼酸ナトリウム―エチレン酢酸ビニル共重合樹脂エマルジョン
((株)トラストライフ、商品名:FB−EVA−Wエマルジョン)
(3)抗菌剤、防カビ剤及び防藻剤
抗菌、防カビ及び防藻非流出系薬剤の複合剤(株式会社ニッショー化学)
(4)ゴムラテックス
カルボキシ変性スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス(日本エイアンドエル社 ナルスターSR−107 51%濃度)
実施例1
発泡性ポリスチレン粒子10kg(100質量部)と、カルボキシ変性スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス(ゴムラテックス)50g(0.5質量部)に抗菌、防カビ及び防藻非流出系薬剤の複合剤20g(0.2質量部)を混合した混合ラテックスを、コンクリートミキサーでエアーを吹き込みながら10分間混合した。得られた発泡性ポリスチレン粒子は、表面が乾き、複合剤を含む混合ラテックスで被覆されていた。これを予備発泡機(日立化成テクノプラント製HBP−500)にて嵩発泡倍数が51倍(密度19.6kg/m)に予備発泡し、予備発泡粒子を16時間室温にて熟成した。次いで、当該予備発泡粒子を、寸法300mm(長さ)×50mm(幅)×20mm(厚み)の平板状の成形品6個取りの金型を取り付けた成形機(ダイセン工業製 VS−500)にて、スチーム圧0.07Mpaで成形を行い、それぞれ50倍(密度20.0kg/m)の成形品を12枚得た。この成形品は内部及び表面に、複合剤を含んでいた。
参考例1
複合剤を含むゴムラテックスを用いる代わりに、発泡性ポリスチレン粒子10kg(100質量部)に対し、ポリ硼酸ナトリウム―エチレン酢酸ビニル共重合樹脂エマルジョン1kg(10質量部)に複合剤20g(0.2質量部)を混合したエマルジョンを用いた他は、実施例1と同様にして、成形品を12枚得た。この成形品は内部及び表面に、複合剤を含んでいた。
参考例2
複合剤を含むゴム又はエチレン酢酸ビニル共重合樹脂で表面が被覆されていない発泡性ポリスチレン粒子を用いた他は、実施例1と同様にして、成形品を12枚得た。この成形品の質量は5.89gであった。成形品の裏表に、ポリ硼酸ナトリウム−エチレン酢酸ビニル共重合樹脂エマルジョン1kgに複合剤2g(0.2%)を混合したものを、約1mm塗布して乾燥させた。乾燥後は約0.7〜0.8mmの厚みとなった。
比較例1
複合剤を含むゴム又はエチレン酢酸ビニル共重合樹脂で表面が被覆されていない発泡性ポリスチレン粒子を用いた他は、実施例1と同様にして、成形品を、製造した。
評価例1
実施例1、参考例1,2及び比較例1で得た発泡ポリスチレン成形品について、抗菌、防カビ及び防藻性の特性を評価した。比較例1の成形体を検体A、参考例2の成形体を検体B、実施例1の成形体を検体C、参考例1の成形体を検体Dとした。
検体に、以下の試験菌液を付着させ、以下の条件で培養した。
(1)培養条件
培地 無機塩寒天培地
培養容器 温度・湿度サーモスタット付きサーキュレーター
培養温度 28〜30℃
培養湿度 85%R・H以上
培養期間 28日間
(2)試験菌
試験菌 表1に示す真菌、71菌
試験菌液 6℃±4℃、30日以内保存ストックカルチャー純培養菌使用
評価方法は以下の通りである。結果を表2に示す。
1 全く菌が発育しない
2 10%以下の発育
3 10〜30%以下の発育
4 30〜60%以下の発育
5 60%以上の完全発育
本試験は、培養条件により、加速的にかび等が発育し易い環境にした。この環境を通常の期間に換算すると、7日間が約3ケ月、14日間が約1年間、21日間が約2年間、28日間が約3年〜5年に相当する。これらの試験結果から通常の生活環境の中で検体Bは約6ヶ月から1年、検体C,Dは共に約3〜5年の防カビ等の効果があると予測される。
評価例2
実施例1、参考例1,2及び比較例1で得た発泡ポリスチレン成形品について、以下の特性を以下の方法で評価した。結果を表3に示す。尚、表中で、G.R.はゴムラテックスを、PB−EV−Eはポリ硼酸ナトリウム−エチレン酢酸ビニルエマルジョンを示す。
(1)曲げ強度
JIS−A−9511、JIS−K−7220に準じて測定した。
(2)静電気
デジタル静電気測定機(MODEL2050 ヒューグレエレクトニクス(株)社製)を用いて測定した。
(3)耐熱性
300(長さ)×50(幅)×20(厚み)mmの成形品をニクロム熱線により、長さ方向で3等分し、99×50×20mmの成形板を試験片とした。ノギスで、試験片の長さ、幅、厚み及び長さと幅方向の対角線の寸法を測定した。
恒温器(藤本科学会社製 形式DEN400)の中に試験片3個を同時に入れ80±2℃で5時間静置した後、取り出しそれぞれの寸法を測定した。
別の試験片3個は90±2℃で2時間静置後、それぞれの寸法を測定した。
厚み方向には変化が無かったので、長さと幅方向の対角線の寸法を乗し、さらに元寸法の乗したもので除した値(n=3の平均値)を収縮率とした。
本発明の発泡ポリスチレン系成形品は、抗菌性、防カビ性及び防藻性に優れる。合わせて、本発明の発泡スチレン樹脂成形品は、断熱性、静電気発生低減、耐熱性、機械的強度に優れる。これらの特性から、様々な用途、例えば野菜容器、海産物容器、構造部材、断熱材、梱包材、緩衝材等に用いることができる。具体的には、鮮魚容器、魚加工容器、食品容器、住宅用建材、盛り土用ブロック、自動車用フロアスペーサー、バンパー等の自動車部品、エアコン部品、農水産物容器等に使用できる。

Claims (8)

  1. 防カビ剤及び防藻剤から選択される1以上を含有するゴムを表面に有する発泡性ポリスチレン系粒子。
  2. 防カビ剤及び防藻剤から選択される1以上を含有するゴムラテックスと、発泡性ポリスチレン系粒子を混合して、前記発泡性ポリスチレン系粒子の表面に前記ゴムラテックスを被覆して乾燥する発泡性ポリスチレン系粒子の製造方法。
  3. 防カビ剤及び防藻剤から選択される1以上を含有するゴムを表面に有する予備発泡スチレン系樹脂粒子。
  4. 請求項記載の発泡性ポリスチレン系粒子を予備発泡し、次いで成形する発泡ポリスチレン系成形品の製造方法。
  5. 請求項記載の発泡性ポリスチレン系粒子を、発泡用押出機により押し出す発泡ポリスチレン系成形品の製造方法。
  6. 前記発泡ポリスチレン系成形品の表面に、さらに防カビ剤及び防藻剤から選択される1以上を含有するゴムラテックスを付着させて乾燥させる請求項又は記載の発泡ポリスチレン系成形品の製造方法。
  7. 防カビ剤及び防藻剤から選択される1以上を含有するゴムを表面に有する樹脂ペレット。
  8. 請求項記載の樹脂ペレットを用いて成形する発泡ポリスチレン系成形品の製造方法。
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