JP2000026649A - 防藻性発泡性樹脂粒子及びその成形体 - Google Patents

防藻性発泡性樹脂粒子及びその成形体

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JP2000026649A
JP2000026649A JP10199916A JP19991698A JP2000026649A JP 2000026649 A JP2000026649 A JP 2000026649A JP 10199916 A JP10199916 A JP 10199916A JP 19991698 A JP19991698 A JP 19991698A JP 2000026649 A JP2000026649 A JP 2000026649A
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Naoki Nakayama
直樹 中山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】防藻剤をを使用して、発泡性樹脂粒子に防藻剤
を担持または含有させることにより、防藻効果の優れた
防藻性発泡樹脂粒子を提供する事にある。 【解決手段】 本発明は、発泡性樹脂粒子に、分子式
(C5 4NOS)nXで表わされ、Xは、亜鉛、ナトリ
ウムまたは銅の何れからなる防藻剤を発泡性樹脂粒子に
担持または含有させ、その添加量は、抗菌剤を粒子表面
に担持させる場合は、0.01〜5.0重量部を少なく
とも1種類の硬化油0.01〜2.0重量部によって、
被覆または担持させた防藻性発泡樹脂粒子に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術】本発明は、水耕栽培等に使用され
る定植板や育苗トレイにおいて、藻の発生が防止できる
新規な発泡性樹脂粒子及びその成型品を提供するもので
ある。また、水耕栽培に限らず従来において、藻の発生
が生じ、衛生的に極めて好ましくなかった分野、また美
観を損なっていた分野においても同様に、防藻性の効果
が得られるものである。なお、防藻の他に、黴等の細菌
の発生を押さえる防黴の効果も同様に得られる。
【0002】
【従来技術】水耕栽培において、野菜などの苗を支持す
るのに使用される定植板は、軽量で使いやすい発泡スチ
レン系の成型品が用いられる場合が多い。これらの定植
板は、水面上に浮いた状態で使用されるが、水耕栽培用
の水には、植物における各種の栄養素が添加されている
事から、この水と接触している部分には、通常の水に比
較して多くの藻が発生し易くなる。これらの藻等の発生
は、極めて非衛生的であり、所望の植物の苗等の発育を
阻害する虞もある事から、定期的にこれらを洗浄して除
去をしなければならず、多大な労力が必要であった。こ
れらを防ぐ目的で、定植板に防黴剤を塗布する試みもさ
れたが、防藻効果の点で不十分なものであり、さらに、
それらは、水との接触で脱落等が生じ、さらに、効果が
不十分なために定植板の洗浄が必要となり、その時に脱
落してしまい継続した効果を得る事ができなかった。
【0003】また、従来防黴剤と称されているものは数
多くあるが、これらの藻類には、十分な効果を示さない
場合がある。特に、無機系の防黴剤においては、細菌に
対しては良好な効果を示すものの、藻類にはその効果は
ほとんど見られないのである。また、有機系の防黴剤の
中には、これらの藻及びかび類に対しても十分な効果を
示すものもある。しかし、これらの防黴剤は、農薬系の
もの等であり人体に対しても有害な場合が多いものであ
った。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これら従来
技術に鑑みてなされたものであり、防藻性に優れ、藻類
の発生しやすい環境下でも、充分な防藻効果得ることが
できる成形体を得ることができる防藻性発泡性樹脂粒子
を得ることにあり、また、得られた、成形体は、効果の
持続性を有し、成形体の洗浄等によっても防藻効果の低
下の少ないものであることを課題とする。
【0005】さらに、本発明の防藻性発泡粒子は、通常
の発泡粒子と比較しても、ブロッキング、融着性、発泡
倍率等の成形性も遜色のないものでることを課題とす
る。またさらに、十分な防藻効果に加えて、人体に対し
てまた地球環境に対して安全性の高い発泡体を得ること
ができるものであることを課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、分子式(C5
4NOS)nXで表わされ、Xは、亜鉛、ナトリウムま
たは銅より選択される金属塩であり、nがその金属塩に
対応する自然数である防藻剤が含有されてなることを特
徴とする防藻性発泡性樹脂粒子に関するものである。
【0007】また、本発明は、揮発性発泡剤を3〜15
重量%含有してなる発泡性樹脂粒子の表面が、発泡性樹
脂粒子100重量部に対して、0.01〜3.0重量部
の防藻剤及び少なくとも1種類の0.01〜2.0重量
部の硬化油よって被覆されていることを特徴とする防藻
性発泡性樹脂粒子に関するものである。
【0008】またさらに、揮発性発泡剤を3〜15重量
%含有してなる発泡性樹脂粒子の内部に、発泡性樹脂粒
子100重量部に対して、防藻剤0.5〜10重量部が
ほぼ均一に含有されていることを特徴とする防藻性発泡
性樹脂粒子に関するものである。さらに、上記の防藻性
発泡性樹脂粒子を予備発泡し、その後発泡成形した合成
樹脂発泡体であることを特徴とする防藻性合成樹脂成形
体に関するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に使用される防藻剤は、分
子式(C54NOS)nXで表わされ、Xは、亜鉛、ナ
トリウムまたは銅のいずれかの金属塩よりなるものであ
り、nはXにより決定される自然数である。水への溶解
度、及び有機溶媒の溶解度が低いものである。したっが
て、本発明の防藻性発泡性樹脂粒子及びその成形体を水
中に放置しても、防藻剤が水中に溶出することがなく効
果の持続性に優れている。さらに、防藻性発泡性樹脂粒
子及びその成形体自体を浸食したりする虞がないもので
ある。
【0010】好ましくは、分子式C108222Zn
よりなる、ビス(2−ピリジルチオー1−オキサイド)
亜鉛塩を主成分とするものである。ビス(2−ピリジル
チオー1−オキサイド)亜鉛塩は、古くからふけとり用
のシャンプーに使用されている他、パーソナルケア等に
も使われ米国環境庁(EPA)にも認可されている安全
性の高い物質である。また、最近において、船底防汚剤
として長年使用されてきた酸化トリブチル錫やその誘導
体が、残留毒性や環境ホルモンへの影響から使用規制ま
たは禁止に至っているが、これらの物質に替わってビス
(2−ピリジルチオー1−オキサイド)亜鉛塩が使用さ
れてきている。この事実からも分かるように、地球環境
にとっても安全性が高い物質なのである。
【0011】分子式(C54NOS)nXで表わされる
防藻剤は、通常粉状になっているが、これを単に発泡性
樹脂粒子とブレンドし、発泡性樹脂粒子表面に付着させ
て、予備発泡及び発泡したとしてもその多くは脱落して
しまい、その効果を十分に発揮する事はできない可能性
がある。この粉状の分子式(C54NOS)nXで表わ
される防藻剤を発泡性樹脂粒子に強固に付着させ、かつ
発泡時にも脱落せず、さらには発泡品となった後にも良
好な防藻性能を持続させるため次のような対応をとるこ
とが好ましい。
【0012】発泡性樹脂粒子表面に防藻剤を担持させる
場合には、防藻剤を発泡性樹脂粒子表面に付着させるた
めのバインダー剤を併用することが好ましい。このバイ
ンダー剤としては、発泡性樹脂粒子表面に防藻剤を固定
できるものであれば如何なるものも使用することができ
るが、予備発泡時に発泡性樹脂粒子同士がブロッキング
を起こさず、成形時に発泡性樹脂粒子間の融着不良等を
起こさないものとして、硬化油を使用することができ
る。
【0013】硬化油は、通常融点が60℃〜90℃の範
囲にあるものが好ましく使用できるが、これは、硬化油
と分子式(C54NOS)nXで表わされる防藻剤とを
発泡性樹脂粒子にブレンドし、発泡すると、発泡時の熱
(通常は100℃以上)で硬化油が溶け出し、これが防
藻剤をしっかりと発泡粒子表面上に固定する事が分かっ
た。さらに、成型品となった場合でも、この硬化油が防
藻剤のバインダーとなって脱落を防止する他、一部は防
藻剤の表面を薄く被覆して保護する作用があり、より長
時間に渡って防藻の効果を持続させるものである。
【0014】本発明において使用される硬化油とは、不
飽和結合を有する天然油に水素添加したもので、硬化し
た椰子油、パーム核油、ニシン油、タラ肝油、鯨油、パ
ーム油、綿実油、オリーブ油、落花生油、大豆油、アマ
ニ油等の硬化植物油、硬化動物油等である。特に融点が
60℃〜90℃の範囲にあるものが好ましく、粉体状に
したときに粒度が細かく、防藻剤とブレンドしたときに
混ざりやすくなるものがよく、例えば100メッシュ以
下の微細粒径のものが好ましい。硬化油の添加量として
は、発泡性樹脂粒子100重量部に対して、0.01〜
2.0重量部が好ましく、特に好ましくは0.1〜1.
0重量部である。0.01重量部未満であると、発泡性
樹脂粒子表面に防藻剤を保持させるためのバインダー剤
としての効果が不十分であり、2.0重量部を越えて
も、効果の向上は図れず、コストの上昇につながるだけ
である。
【0015】硬化油は単独で使用してもよいが、複数の
硬化油を混合して使用しても差し支えない。防藻剤の発
泡性樹脂粒子表面への付着力を向上させるために上記硬
化油とともに脂肪酸エステル、フタル酸エステル、流動
パラフィンまたはシリコーンオイルから選択される1種
類以上を併用しても良い。本発明で使用することができ
る脂肪酸エステルとしては、アジピン酸ジイソブチル、
アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジブチ
ル、セバシン酸ジオクチル等が挙げられる。またフタル
酸エステルとしては、フタル酸ジ−n−ブチル、フタル
酸ジ−2−オクチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシ
ル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ブチルベンジル等
が挙げられる。
【0016】これらの脂肪酸エステル、フタル酸エステ
ル、流動パラフィン及びシリコーンオイル等の添加量
は、発泡性樹脂粒子100重量部に対して、0.01〜
1.0重量部が好ましく、特に好ましくは0.05〜
0.5重量部である。0.01重量部未満であると、防
藻剤の微粉末を粒子表面につなぎ止めておく作用が弱
く、離脱が生じ易いとともに成形品とした場合の融着性
は向上しない。また、1.0重量部を越えると、樹脂粒
子全体にべとつきが生じて粒子の流動性が著しく低下す
ることより、粒子を予備発泡機に送粒することが困難と
なり、工程上問題となってくる。さらに、1.0重量部
を越えて添加したとしても、融着の向上は変わらず、逆
にコストの上昇につながるものである。
【0017】本発明による発泡性樹脂粒子への防藻剤の
被覆方法としては、例えば、発泡性樹脂粒子と、防藻剤
及び硬化油とともに、脂肪酸エステル、フタル酸エステ
ル、流動パラフィン又はシリコーンオイルのいずれか1
種以上をブレンドすることにより行うことができる。こ
の場合、硬化油及び防藻剤は、通常常温では粉体である
ので、これらの粉体物のブレンドに先立ち、液状の脂肪
酸エステル、フタル酸エステル、流動パラフィン、又は
シリコーンオイルのいずれか1種以上を発泡性樹脂粒子
にブレンドしておき、その後、防藻剤及び硬化油を添加
するのが好ましい。なお、これらのブレンドに際して
は、ヘンシェルミキサー等の混合機を用いて均一にブレ
ンドすることができる。
【0018】また、易揮発性溶媒に硬化油及び防藻剤を
分散させ、さらにこれに脂肪酸エステル、フタル酸エス
テル等を溶解させたあと、発泡性樹脂粒子を該溶媒中に
投入して、被覆させ、その後乾燥させることにより製造
することもできる。さらに、このような被覆に際して
は、通常使用されている帯電防止剤、ブロッキング防止
剤、酸化防止剤、紫外線防止剤等を同時にブレンドして
おいてもよいし、被覆の前後にブレンドしてもよい。
【0019】このようにして得られた防藻剤、硬化油、
及び脂肪酸エステル、フタル酸エステル、流動パラフィ
ン又はシリコーンオイルのいずれか1種以上により被覆
された発泡性樹脂粒子は、100℃前後の水蒸気等によ
り、所定の発泡倍率まで予備発泡されるが、硬化油の融
点が通常50〜90℃の範囲であるために、予備発泡時
に硬化油は融解し、脂肪酸エステル等とともに、無機系
防藻剤が発泡性樹脂粒子表面より離脱するのを防ぐ働き
をする。さらに、予備発泡された発泡性樹脂粒子が冷却
され、室温付近にまで達すると硬化油は、脂肪酸エステ
ル等とともに発泡性樹脂粒子表面を覆う皮膜を形成し、
防藻剤はこの皮膜中に保持され、発泡性樹脂粒子表面に
保持される。
【0020】また、硬化油はブロッキング防止剤として
使用されるものであり、ブロッキング防止効果はもちろ
ん保持されており、成形時の粒子間の融着性も向上す
る。一方、防藻剤を発泡性樹脂粒子に含有させる場合
は、基材樹脂と防藻剤を押出機でブレンドしたのちに発
泡性樹脂粒子とする方法がある。
【0021】発泡性樹脂粒子は、一般的に発泡剤を樹脂
粒子に含浸させる事により製造されるが、本発明で利用
可能な製造方法としては、次の方法で行うことができ
る。基材樹脂を所定の添加剤とともに押出機に投入し粒
子製品を押出成形する過程において、押出機内部の基材
樹脂が溶融混合されている系内に、発泡剤を添加し、溶
融混合された樹脂と共に押出成形し、その後ペレット化
することにより発泡性樹脂粒子を得る方法である(以
下、これを方法Aとする)。
【0022】また、別の方法は、押出成形により作られ
たペレット状の基材樹脂粒子(押出ペレット)が分散さ
れた水性懸濁液の系内に、発泡剤を添加し、該樹脂粒子
(押出ペレット)に含浸させて発泡性樹脂粒子を得る方
法である(以下、これを方法Bとする)。
【0023】防藻剤を、ほぼ均一に発泡性樹脂粒子中に
含有させる為には、基本的に上記方法A、Bのいずれに
おいても可能である。例えば、方法A、B何れの場合で
も、基材樹脂が溶融混合されている系内に、基材樹脂1
00重量部に対して、防藻剤を0.5〜10重量部添加
したのちにペレット化を行えばよい。さらに好ましい添
加量としては、1〜5重量部である。防藻剤の添加量が
0.5重量部未満であると防藻剤の効果を充分に得るこ
とができなく、10重量部以上添加しても防黴効果の増
加を得ることができないばかりか、発泡性樹脂粒子とし
ての物性低下、発泡不良の原因となる虞がある。防藻剤
を添加する場合、予め基材樹脂と防藻剤とをブレンドし
たマスターバッチ(ペレット)を作成しておき、これを
基材樹脂に添加してもよい。この方法を利用することに
より、基材樹脂への防藻剤の分散を容易に行うことが可
能となる。
【0024】以上のように防藻剤を、発泡性樹脂粒子に
被覆するか、含有させるかにより本発明の防藻性発泡性
樹脂粒子を得ることができる。発泡性樹脂粒子に含有さ
せた場合は、防藻剤の添加量が被覆するものより多くな
る傾向にあるが、得られた発泡成形体を二次加工した
時、成形面(スキン面)でも、裁断面でも、変わらない
防藻効果を得ることが可能となる。
【0025】本発明で使用する発泡性樹脂粒子の基材樹
脂としては、スチレン系樹脂、オレフィン系樹脂、ま
た、それぞれの樹脂の単量体の単独重合体に限らず、他
の単量体との共重合体が含まれる。例えば、スチレン系
単量体には、単独のスチレンの他に、α−メチルスチレ
ン、エチルスチレン、p−クロロスチレン等の置換スチ
レンが含まれる。また、共重合体の相手方の単量体に
は、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、ブチ
ルメタクリレート、ブチルアクリレート等の(メタ)ア
クリレート、並びに、アクリロニトリル、ビニルトルエ
ン、ビニルカルバゾール等のビニル系単量体などが挙げ
られる。これらは単独で用いてもよく、2種以上のもの
を併用してもよい。またさらに、スチレン系樹脂として
は、スチレンーイソプレン共重合体、スチレンーブタジ
エン共重合体及びその水素添加物及びそれらの樹脂、ポ
リフェニレンエーテル等と上記のスチレン単量体との重
合体、ブレンド樹脂が含まれる。オレフィン系樹脂であ
るポリプロピレンやポリエチレン等の場合も同様に、他
の樹脂との共重合体やブレンド樹脂も含まれる。
【0026】また、これらのポリスチレン系樹脂やポリ
オレフィン系樹脂を他の樹脂等と共に押出機等に投入し
て、発泡剤を押出機の中で混合含浸し後ペレット状にし
たり、ペレット状にした後に発泡剤を含浸させたペレッ
ト状発泡性樹脂粒子も本発明の発泡性樹脂粒子である。
資源の再利用を考慮して、発泡剤が含浸された発泡性樹
脂粒子(粒径の不足等でオフグレードに成った物や発泡
力の低下してしまった発泡性樹脂粒子)や、成形品の粉
砕片を単独または、前記の樹脂共に押出機に投入して、
上記の方法により本発明の発泡性樹脂粒子を得ても良
い。これらの発泡性樹脂粒子等を使用する場合は、通常
の発泡剤の含有量を確保するために、発泡剤の添加量を
考慮する必要がある。
【0027】
【実施例】以下に本発明を実施例により詳細に説明する
が、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではな
い。
【0028】実施例1 発泡性樹脂粒子として、粒径が1.0〜1.2mmの発
泡ポリスチレン粒子コープランKS(アキレス(株)製)
を用い、表1に示されるような添加量の防藻剤等を約1
50メッシュの微粉状の硬化油とともにヘンシェルミキ
サーによってブレンドした。
【0029】
【表1】
【0030】ZPT: ビス(2−ピリジルチオー1−
オキサイド)亜鉛塩 TBZ:チアベンダゾール(有機窒素硫黄化合物の防か
び剤) 銀系防黴剤:銀イオンがゼオライトに担持された無機の
防黴剤
【0031】得られた各発泡性樹脂粒子を101℃の水
蒸気により、嵩倍率60倍にまで予備発泡を行った。得
られた予備発泡粒子は、室温にて24時間熟成させた
後、各予備発泡粒子を、自動成型機の成形型内に投入し
て、圧力(ゲージ圧)0.7kg/cm2にて10秒間
加熱成形後、金型を水冷及び放冷して成形品を取り出
し、幅300mm×長さ300mm×厚み50mmの各
成形品を得た。この成形品より幅30mm×長さ30m
m×厚み5mmの検体を作成し、検体表面部が成形面
(スキン面)となるよにした。
【0032】各成形品の防黴性及び防藻性の試験を下記
の試験方法基づいて行いそれぞれの評価結果を表2及び
表3に示す。
【0033】 (防黴試験方法) 供試黴類:Aspergillus niger IFO6341 Penicillium citinus IFO6352 Rhizopus oryzae IFO31005 Cladosporium cladosporiodides IFO6348 claetomium globosum IFO6347 胞子懸濁液の調整:ポテトデキストロース寒天培地に各
供試黴を接種し25℃で2週間培養。スルフォコハク酸
ジオクチルナトリウム0.005%、麦芽抽出物0.2
%水溶液50mlを培養物に加え、胞子を懸濁させ、液
を回収。5種類の回収液を混合し胞子懸濁液とする。 試験方法:減菌したペトリ皿に2%寒天液を注入し固化
させ、その上に減菌したガラス板を置く。(寒天はペト
リ皿の乾燥防止のため) 各検体(30mm×30mm×5mm)をガラス板上に
置き、胞子懸濁液0.1mlを各成形品に塗布。25℃
で4週間培養し、1週間ごとの黴の成育状態を各成形品
の表裏面で観察する。この評価結果を表2に示す。各評
価は(表、裏)として示した。
【0034】(判定基準) 3:試験サンプルの接種した部分に菌糸の発育が認めら
れない 2:試験サンプルの接種した部分に菌糸の発育が全面積
の1/3を越えない 1:試験サンプルの接種した部分に菌糸の発育が全面積
の1/3を越える
【0035】
【表2】
【0036】 供試藻類懸濁液の調整: 緑藻類:継代培養液を減菌生理食塩水で1×105ce
lls/mlに調整し、Detmerゲル状培地(0.
3%寒天含有)に1:10の割合で混ぜる。 藍藻類:継代培養液中の糸状の藍藻をホモジナイザーで
分散させ、減菌生理食塩水で藻の最適密度(OD)を4
40nmにおける吸光度で0.4±0.1に調整し、D
etmerゲル状培地(0.3%寒天含有)に1:10
の割合で混ぜる。 Detmerゲル状培地: Ca(NO32・4H2O 1.0g KCL 0.25g MgSO4・7H2O 0.25g FeCl3・6H2O 0.1g KH2PO4 0.25g 蒸留水 1000ml 寒天末 2.0% pH 7.0 試験方法:各成形体を、パーミキュライトベッド(減菌
容器にバーミキュウライトを敷き減菌水をひたひたにな
るまで注ぐ)の上に置く。供試藻類混合懸濁液を成形体
表面に接種して2週間培養後、再度、供試藻類混合懸濁
液を接種して更に2週間培養 ※培養容器 植物用インキュウベーター (培養温度2
5±1℃、培養照度2000lux)
【0037】
【表3】
【0038】 (判定基準)++:試験片上全面に藻の生育が認められる + :試験片上全面に藻の生育が認められるが弱い − :試験片上全面に藻の生育が認められない
【0039】実施例2 基材樹脂、防藻剤または防黴剤を表4に示されるないよ
うにてブレンドし、押し出し成形機内に投入し、成形機
内でそれらを加熱溶融し、スクリューにより、混練り
し、出口(ダイス部を)付近を水冷してストランドの形
態に押し出し成形する。次に、得られたストランドをロ
ータリー式ペレタイザイーにおいて切断して、ペレット
形態のポリスチレン系樹脂粒子(一部は発泡ポリスチレ
ン樹脂粒子)を作る。
【0040】
【表4】
【0041】樹脂A:ポリスチレン樹脂 樹脂B:発泡ポリスチレン樹脂(発泡剤が含浸されたオ
フグレード粒子)粒子径が0.5mm以下、2.0mm
以上のもの 樹脂C:ポリフェニレンエーテル樹脂 樹脂D:耐衝撃性ポリスチレン樹脂 ZPT:ビス(2−ピリジルチオ−1−オキサイド)亜
鉛塩 TBZ:チアベンダゾール(有機窒素硫黄化合物の防黴
剤) 銀系防黴剤:銀イオンがゼオライトに担持された無機系
防黴剤
【0042】以上より得られたペレットに、下記の方法
にて発泡剤を含浸した。(No.14は、既に発泡剤が
含浸されているので含浸は実施せず) 5リットルのオートクレープ中に、得られたペレット形
状のポリスチレン系樹脂粒子1500gr、イオン交換
水2500gr、揮発性発泡剤としてn−ペンタン10
0〜220gr、分散剤としてリン酸三カルシウム15
gr、分散助剤としてアルキルベンゼンスルホン酸ナト
リウム0.15grをそれぞれ添加した後、2時間かけ
て120℃まで昇温し、同温度で4時間含浸を行い、室
温まで冷却してポリスチレン系発泡性樹脂粒子を得た。
【0043】ここで得られた発泡性樹脂粒子は、水と分
離後乾燥され、ブロッキング防止剤のステアリン酸亜鉛
を該粒子100重量部あたり、0.1重量部、融着促進
剤の硬化ヒマシ油を0.2重量部加え、ミキサーにてド
ライブレンドして、室温で5日熟成した。熟成した各発
泡性樹脂粒子は、水蒸気により嵩倍率40倍に予備発泡
され、室温で1日熟成した後、自動成型機の成形型内に
充填し、発泡成形を常法に従って行い、発泡成型品を作
った。発泡成形時の蒸気圧力は、基材樹脂の種類によっ
て変更する必要があるため、一定値ではないが、ゲージ
圧力で0.6kg/cm2〜1.3kg/cm2 の範囲
とした。また、加熱の時間は10〜20秒間とした。幅
300mm×長さ300mm×厚さ50mmの各成形体
を得た。実施例1と同様にし各成形品の防黴性及び防藻
性の試験を下記の試験方法基づいて行いそれぞれの評価
結果を表5及び表6に示す。
【0044】
【表5】
【0045】25℃で4週間培養し、1週間ごとの黴の
成育状態を各成形品の表裏面で観察する。この評価結果
を表2に示す。各評価は(表、裏)として示した。 (判定基準) 3:試験サンプルの接種した部分に菌糸の発育が認めら
れない 2:試験サンプルの接種した部分に菌糸の発育が全面積
の1/3を越えない 1:試験サンプルの接種した部分に菌糸の発育が全面積
の1/3を越える
【0046】
【表6】
【0047】 (判定基準)++:試験片上全面に藻の生育が認められる + :試験片上全面に藻の生育が認められるが弱い − :試験片上全面に藻の生育が認められない
【0048】以上の実施例のように本発明のNo1,
2,8、13〜18については、防黴性効果及び防藻効
果についても顕著な効果を得ることができた。また、N
o8については、硬化ヒマシ油を使用していないため
に、他の例に比較して成形品になるまでに、防藻剤の多
少の欠落が生じているために、同じ添加量であるにも係
わらず他の本発明の実施例と比較して、防黴、防藻性が
多少劣る。また、TBZ、銀系防黴剤の場合は、防黴性
に関しては問題ないが、防藻性に関してはあまり効果が
ないものであるが、本発明の防藻性発泡性樹脂粒子は、
防藻、防黴の両面で効果を有するものであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A01N 43/78 A01N 43/78 Z 59/16 59/16 A // A01G 31/00 609 A01G 31/00 609

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分子式(C54NOS)nXで表わされ、
    Xは、亜鉛、ナトリウムまたは銅より選択される金属塩
    であり、nがその金属塩に対応する自然数である防藻剤
    が含有されてなることを特徴とする防藻性発泡性樹脂粒
    子。
  2. 【請求項2】揮発性発泡剤を3〜15重量%含有してな
    る発泡性樹脂粒子の表面が、発泡性樹脂粒子100重量
    部に対して、0.01〜3.0重量部の防藻剤及び少な
    くとも1種類の0.01〜2.0重量部の硬化油よって
    被覆されていることを特徴とする請求項1記載の防藻性
    発泡性樹脂粒子。
  3. 【請求項3】揮発性発泡剤を3〜15重量%含有してな
    る発泡性樹脂粒子の内部に、発泡性樹脂粒子100重量
    部に対して、防藻剤0.5〜10重量部がほぼ均一に含
    有されていることを特徴とする請求項1記載の防藻性発
    泡性樹脂粒子。
  4. 【請求項4】請求項1、2、または3記載の防藻性発泡
    性樹脂粒子を予備発泡し、その後発泡成形した合成樹脂
    発泡体であることを特徴とする防藻性合成樹脂成形体。
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