JP2016056271A - ゴム状ラテックスとメラミンシアヌレートを含有する発泡ポリスチレン系樹脂成形品及びその製造方法 - Google Patents

ゴム状ラテックスとメラミンシアヌレートを含有する発泡ポリスチレン系樹脂成形品及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】発泡性、機械的強度、硬度、帯電防止性、耐熱性、難燃性にすぐれ、軋み音の発生しない新規な発泡ポリスチレン系樹脂成形品及びその製造方法を提供する。【選択手段】ゴム及びメラミンシアヌレートをその表面に有する発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。【選択図】なし

Description

本発明は、ゴム状ラテックスとメラミンシアヌレートを含有する発泡ポリスチレン系樹脂成形品及びその製造方法に関する。
発泡ポリスチレン系樹脂成形品は独立気泡を有しているためすぐれた断熱性と緩衝特性を有している反面、低密度(軽量)のため成形品表面が脆い、機械的強度が低い等の欠点がある。また、ポリスチレン基材が可燃性であるうえ、気泡中の空気や残留する可燃性の発泡剤のため着火源が存在すると燃焼し易いという欠点がある。さらに、スチレン系樹脂成形品は、静電気が発生し易いために埃が付着し易く、また、成形品を摩擦すると不快な軋み音が発生する。従って、これらの欠点を解決してその用途を拡大することが望まれている。
これらの欠点を克服する試みとして、本発明者は、表面にゴム状ラテックスを有する発泡性スチレン系樹脂粒子を提案した(特許文献1)が、成形品表面の硬さや機械的強度は向上したものの、難燃性の効果は得られていない。また、本発明者は、ゴム状ラテックスのバインダー機能を活用し無機化合物を含ませることを提案したが(特許文献2)、燃焼性は低減されたものの高発泡性には効果が得られていない。
従来から行われている難燃性を付与するための公知の方法としては、臭素又は塩素を含む有機ハロゲン化合物を単独で、又は有機過酸化物との混合物として発泡性ポリスチレン樹脂粒子の合成中に含浸させる方法や、スチレン系樹脂と共に押出機にて練り込ませ、次いで発泡剤を注入しシート又はボードにする方法等がある(特許文献3)。しかしこれらの方法は、燃焼ガスとして有毒なハロゲン化合物が発生し、健康被害や環境汚染の原因となる。また、これらの成形品にはハロゲン化合物が含まれておりリサイクルが難しく、廃棄物として燃焼させるには高温燃焼ができる特殊な焼却炉が必要となり、高価な設備投資、莫大なランニングコストを負担しなければならない。
さらに、アンチモン化合物等の難燃剤をポリフェニレンエーテルとポリスチレンに共存させ押出発泡させる方法(例えば、特許文献4)や臭素化ポリスチレンを使用する方法(例えば、特許文献5)、臭素化ジフェニル化合物と酸化アンチモンを混合する方法(例えば、特許文献6)、難燃剤として有機リン系の添加剤を含有させる方法(例えば、特許文献7、特許文献8)が提案されているが、これらの材料はいずれも高価であり、健康被害や環境汚染に繋がる要素を含んでいる。
静電防止には、親水基がアニオン又はカチオンを含む界面活性剤又はノニオン界面活性剤等を含浸させる方法又は成形品に塗布する方法が一般に知られている技術である。しかしこの方法では、界面活性剤が成形品表面から剥離し易く、継続的に静電気を低減させる効果が低い。
発泡ポリスチレン系樹脂成形品の摩擦時に発生する軋み音の防止に、成形品の滑り性向上を狙って高級脂肪酸の金属塩等の石鹸を滑剤として発泡性ポリスチレン樹脂粒子に含浸させる方法、又は発泡ポリスチレン樹脂成形品の表面に付着させる方法が行われているが、その効果は充分ではない。また発泡ポリスチレン樹脂成形品の表面に不織布やプラスチックシートを貼り付ける方法が採られているが、工程が増え加工費高騰の原因になっている。
特開2005−220174号公報 特開2007−31462号公報 特開2010―275528号公報 特開平8−30210号公報 特開平9−29877号公報 特開平9−31275号公報 国際公開第99/28382号 特開2004−59929号公報
発泡ポリスチレン系樹脂成形品は、表面が柔らかく脆く機械的強度が低い。また、燃えやすく、静電気を帯び易く、摩擦すると耐え難い軋み音を発生する。
本発明は、発泡性、機械的強度、硬度、帯電防止性、耐熱性、難燃性にすぐれ、軋み音の発生しない新規な発泡ポリスチレン系樹脂成形品及びその製造方法を提供することを目的とする。
メラミンシアヌレートは優れた難燃剤として知られている。そこで本発明者は、上記問題点に鑑み、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子中にメラミンシアヌレートを含有させることができれば燃焼性に効果があると考え、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子中にメラミンシアヌレートを含浸させようと試みたが、悉く失敗した。原因は、メラミンシアヌレートが、メラミンとシアヌル酸とが強固に水素結合で結びついており水やスチレンモノマーに不溶であり、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造過程でメラミンシアヌレートを添加しても水とスチレンモノマーとの懸濁系に何ら関与しないためであった。また、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の表面にメラミンシアヌレートを被覆しようと試みたが、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子とメラミンシアヌレートとを単に混合するだけでは効果が無かった。
以上の知見に基き、本発明者は、さらに鋭意研究を行った結果、発泡ポリスチレン系樹脂成形品にゴム状ラテックスとメラミンシアヌレートを含ませることにより、従来の発泡ポリスチレン系樹脂成形品が有するすぐれた断熱性と緩衝特性を損なうことなく、機械的強度、硬度、帯電防止性、耐熱性、難燃性を付与できることを見いだし本発明に至った。即ち、本発明者は、ゴム状ラテックスはメラミンシアヌレートとの相溶性が良く、かつ、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子又は発泡ポリスチレン系樹脂成形品との間で密着性が著しく良いことを発見し、本発明に至った。
本発明によれば、以下の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子等が提供される。
1.ゴムと、メラミンシアヌレートをその表面に有する発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
2.前記ゴムが、合成ゴム、アクリル酸エステル共重合体、アクリルゴム、ワックス又はこれらの2種以上の混合物である、1に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
3.ゴム状ラテックスにメラミンシアヌレートを混合してゴム状ラテックス混合物を調製し、次いで、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に前記ゴム状ラテックス混合物を被覆することを含む、1又は2に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
4.前記ゴム状ラテックスにエチルアルコールを混合して、前記ゴム状ラテックス混合物を調製する、3に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
5.前記ゴム状ラテックスが、合成ゴムラテックス、アクリル酸エステル共重合体エマルジョン、アクリルゴムエマルジョン、ワックスエマルジョン又はこれらの2種以上の混合物である、3又は4に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
6.ゴムと、メラミンシアヌレートをその表面に有する予備発泡ポリスチレン系樹脂粒子。
7.前記ゴムが、合成ゴム、アクリル酸エステル共重合体、アクリルゴム、ワックス又はこれらの2種以上の混合物である、6に記載の予備発泡ポリスチレン系樹脂粒子。
8.1又は2に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を予備発泡させることを含む予備発泡ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
9.ゴムと、メラミンシアヌレートをその表面に有する発泡ポリスチレン系樹脂成形品。
10.前記ゴムが合成ゴム、アクリル酸エステル共重合体、アクリルゴム、ワックス又はこれらの2種以上の混合物である、9に記載の発泡ポリスチレン系樹脂成形品。
11.1又は2に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を発泡させることを含む発泡ポリスチレン系樹脂成形品の製造方法。
12.前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を予備発泡させ、次いで、加熱成形する、11に記載の発泡ポリスチレン系樹脂成形品の製造方法。
13.1又は2に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を押し出し機で押出して発泡させることを含む発泡ポリスチレン系樹脂成形品の製造方法。
14.発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を予備発泡させ、次いで、加熱成形して、発泡ポリスチレン系樹脂成形品を形成し、ゴム状ラテックスにメラミンシアヌレートを混合してゴム状ラテックス混合物を調製し、前記発泡ポリスチレン系樹脂成形品に前記ゴム状ラテックス混合物を被覆することを含む9又は10に記載の発泡ポリスチレン系樹脂成形品の製造方法。
15.前記ゴム状ラテックスが、合成ゴムラテックス、アクリル酸エステル共重合体エマルジョン、アクリルゴムエマルジョン、ワックスエマルジョン又はこれらの2種以上の混合物である、14に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂成形品の製造方法。
16.前記ゴム状ラテックスにさらにエチルアルコールを混合して、前記ゴム状ラテックス混合物を調製する、11〜15のいずれかに記載の発泡性ポリスチレン系樹脂成形品の製造方法。
本発明によれば、発泡性、機械的強度、硬度、帯電防止性、耐熱性、難燃性にすぐれ、軋み音の発生しない新規な発泡ポリスチレン系樹脂成形品及びその製造方法を提供できる。
以下、本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、発泡ポリスチレン系樹脂成形品及びそれらの製造方法について詳細に説明する。
[発泡性ポリスチレン系樹脂粒子]
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、ゴムと、メラミンシアヌレートをその表面に有するものである。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を用いることにより、これを発泡させて得られる発泡スチレン系樹脂成形品を、発泡性、機械的強度、硬度、帯電防止性、耐熱性、難燃性にすぐれ、軋み音の発生しないものとすることができる。
発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の表面に存在するゴムは、ゴム層を形成していてもよく、ゴム層は連続層とすることができる。メラミンシアヌレートは、ゴム状ラテックスが形成するゴム層により、強固に発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の表面に被覆される。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の一態様は、ゴム層をその表面に有する発泡性ポリスチレン系樹脂粒子であって、前記ゴム層がメラミンシアヌレートを含むものである。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、例えば、90%重量以上、95重量%以上、98重量%以上、100重量%が、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、ゴム、メラミンシアヌレート、及び任意に、ブロッキング防止剤、成形サイクル短縮剤、濡れ性向上剤からなってもよい。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子において、ゴム又はゴム層は、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の表面の一部又は全部を被覆する。ゴム又はゴム層は発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の表面のほぼ全部を被覆することが好ましい。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、メラミンシアヌレートをその表面に有するか、又はゴム層がメラミンシアヌレートを含むことが好ましい。
本発明で使用する発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、ポリスチレンの粒子、又は、スチレンと共重合可能なモノマーとの共重合体の粒子である。また、複数の種類の樹脂粒子の混合物であってもよい。本発明において「粒子」とは、単に微細な粒であることを意味し、その形状は特に限定されず、球形状やそれ以外の形状のものも含まれる。
スチレンと共重合可能なモノマーとしては、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン誘導体又はその置換体、メタクリル酸メチル等のメタクリル酸アルキルエステル、アクリロニトリル、ブタジエン、アクリル酸ブチル、エチレン及びプロピレン等のオレフィン等が挙げられる。スチレンと共重合可能なモノマーの使用量は、共重合体を構成するモノマーの総量に対して50質量%未満が好ましいが目的によってはこの限りではない。
発泡性ポリスチレン系樹脂粒子には発泡剤が含浸される。発泡剤としては、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素が挙げられる。発泡剤を含浸させる方法としては、懸濁重合法又は押出発泡法があり既に公知の技術である。
発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、市販のものを適宜選択して使用することができるが、公知の技術により製造してもよい。
本発明におけるゴムは、合成ゴム、アクリル酸エステル共重合体、アクリルゴム、ワックス又はこれらの2種以上の混合物である。これらは、それぞれ、合成ゴムラテックス、アクリル酸エステル共重合体エマルジョン、アクリルゴムエマルジョン、ワックスエマルジョンから得られる。
合成ゴムラテックスとしては、変性アクリロニトリル・ブタジエン共重合体、変性アクリル酸エステル・ブタジエン共重合体、変性スチレン・ブタジエン共重合体、変性メタクリル酸エステル・ブタジエン共重合体等のラテックスが挙げられる。変性は、例えば、接着性や耐熱性向上を目的にカルボキシル基変性やアルコキシシリル基変性等が挙げられる。
また、エマルジョンに使用される乳化剤は、アニオン、ノニオン又はソープフリータイプのいずれでも構わない。
本発明で使用するメラミンシアヌレートとは、メラミンがシアヌル酸と水素結合で強固に結びついている塩であり、水や有機溶剤に不溶である。使用する結晶の粒度は5ミクロン以下が好ましいが、25ミクロン以下でもよい。この塩は耐熱性を有するが、300℃以上に加熱すると分解して窒素等の不活性ガスを発生し、難燃性を示す。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、任意に、ブロッキング防止剤、成形サイクル短縮剤、濡れ性向上剤から選択される1種又は2種以上を含んでいてもよい。これらの任意成分については、本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法に関して後述する。
[発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法]
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法は、ゴム状ラテックスにメラミンシアヌレートを混合してゴム状ラテックス混合物を調製し、次いで、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子にゴム状ラテックス混合物を被覆することを含むものである。
本発明によれば、メラミンシアヌレートをゴム状ラテックスに混合し、そのラテックスのバインダー特性を活用して、メラミンシアヌレートを発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の表面に有効に付着させることができる。
ゴム状ラテックス混合物は、例えば、30℃以下の室温にて、ゴム状ラテックスにメラミンシアヌレートを添加し、一般的に使用されるスクリュウを備えた撹拌槽等で、混合することにより調製することができる。
メラミンシアヌレートの混合比率は、例えば、ゴム状ラテックス100質量部に対し、0.1〜50質量部である。特性及び生産性の面から、メラミンシアヌレートの混合比率は、ゴム状ラテックス100質量部に対し、5〜20質量部である。
ゴム状ラテックス混合物には、本発明の効果を増大するために、目的に応じて改質剤を添加することができる。
例えば、ゴム状ラテックスにメラミンシアヌレートを混合する際、ラテックスへの相溶性を高めるため、改質剤として、少量のエチルアルコールを添加してもよい。エチルアルコールの添加量は、例えば、ゴム状ラテックス100質量部に対し、10質量部程度である。
メラミンシアヌレートは比重が小さく嵩高い物質であるため、エチルアルコールを添加、混合することによりゴム状ラテックスへのなじみ性が向上し、ゴム状ラテックスに良く混合することができる。これにより、ゴム状ラテックス混合物を調製する際の混合時間を短縮することができ、生産性が向上する。
エチルアルコールは、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子にゴム状ラテックス混合物を被覆し、乾燥した後は、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子上には殆ど残留しない。従って、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を用いて製造される発泡ポリスチレン系樹脂成形品にもエチルアルコールは殆ど含まれない。
また、ゴム状ラテックス混合物と、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子との密着性を高めるために、ジイソオクチルスルホコハク酸ナトリウム等の濡れ性向上剤等を適宜加えることができる。濡れ性向上剤の添加量は、例えば、ゴム状ラテックス100質量部に対し、10質量部程度である。
製造方法において使用する他の材料は、本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子について説明したとおりである。
発泡性ポリスチレン系樹脂粒子にゴム状ラテックス混合物を被覆する方法としては、例えば、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子とゴム状ラテックス混合物とを、リボンブレンダー、ブレンダー等のブレンダーや、ヘンシェルミキサー、レデイゲミキサー、コンクリートミキサー等のミキサーにて混合する方法が挙げられる。
ゴム状ラテックス混合物は、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の各粒子の表面に均一に被覆されることが好ましいが、この点で、ヘンシェルミキサー等を用いた高速回転による混合方法がより好ましい。
ヘンシェルミキサーは、リボンブレンダー等の他の方法と比較して、混合時間を短縮することができ、生産性を向上することができる。高速回転により発生し得る摩擦熱が材料に伝わることにより、各材料の密着性を高めるとともに、ゴム状ラテックスの水分が蒸発しやすいという利点もある。
本発明における発泡性ポリスチレン系樹脂粒子とゴム状ラテックス混合物の混合比率は、例えば、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子100質量部に対し、ゴム状ラテックス混合物が0.05〜30質量部である。
特性及び生産性の面から、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子100質量部に対し、ゴム状ラテックス混合物が0.1〜10質量部であることが好ましい。
以上の方法でゴム状ラテックス混合物を被覆した発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、発泡剤が逸散しないことを条件として、ゴム状ラテックス混合物中の水分を乾燥除去することが好ましい。乾燥方法、条件は、適宜決定することができる。
また、ステアリン酸亜鉛等のブロッキング防止剤を、例えば、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子100質量部に対し、0.01〜0.3質量部加えてもよい。
その他、アシルトリグリセライド等の成形サイクル短縮剤を、例えば、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子100質量部に対し、0.005〜1.0質量部加えてもよい。
[予備発泡ポリスチレン系樹脂粒子]
本発明の予備発泡ポリスチレン系樹脂粒子は、ゴムとメラミンシアヌレートとをその表面に有するものである。
本発明の予備発泡ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法は、既に説明した本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を予備発泡させることを含むものである。予備発泡の方法は、特に限定されず、従来既知の方法を採用することができる。
使用する各材料は、本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子について説明したとおりである。
[発泡ポリスチレン系樹脂粒子成形品]
本発明の発泡ポリスチレン系樹脂成形品は、ゴムとメラミンシアヌレートをその表面に有するものである。
本発明の発泡ポリスチレン系樹脂成形品は、表面がゴムで被覆され、ゴムにメラミンシアヌレートが分散して付着している。
本発明の発泡ポリスチレン系樹脂成形品は、発泡性、機械的強度、硬度、帯電防止性、耐熱性、難燃性にすぐれ、軋み音の発生しないものである。
本発明の発泡ポリスチレン系樹脂成形品は、その表面の殆どがゴムで被覆されていることが好ましい。
また、メラミンシアヌレートが成形品表面と成形品の内部に分散していることが好ましい。
本発明の発泡ポリスチレン系樹脂成形品の一態様は、ゴム層をその表面に有する発泡ポリスチレン系樹脂成形品であって、前記ゴム層がメラミンシアヌレートを含むものである。
本発明の発泡ポリスチレン系樹脂成形品は、例えば、90%重量以上、95重量%以上、98重量%以上、100重量%が、ポリスチレン系樹脂、ゴム、メラミンシアヌレート、及び任意に、ブロッキング防止剤、成形サイクル短縮剤、濡れ性向上剤からなってもよい。
本発明の発泡ポリスチレン系樹脂成形品は、メラミンシアヌレートをその表面に有するか、又はゴム層がメラミンシアヌレートを含むことが好ましい。
使用する各材料は、本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子について説明したとおりである。
[発泡ポリスチレン系樹脂成形品の製造方法]
本発明の発泡ポリスチレン系樹脂成形品の製造方法は、既に説明した本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を発泡させることを含むものである。
具体的には、本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を予備発泡させ、次いで、予備発泡した樹脂粒子を所定の型に入れて加熱成形することにより、所定の形状を有する発泡ポリスチレン系樹脂成形品を製造することができる。
あるいは、本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を押出機にて発泡押し出しすることにより、シート形状又は所定の形状を有する発泡ポリスチレン系樹脂成形品を製造することができる。
あるいは、本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を押出機にて押し出しながら発泡剤を圧入することにより、シート形状又は所定の形状を有する発泡ポリスチレン系樹脂成形品を製造することができる。
また、本発明の発泡ポリスチレン系樹脂成形品の製造方法の一態様は、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を予備発泡させ、次いで、加熱成形して、発泡ポリスチレン系樹脂成形品を形成し、ゴム状ラテックスにメラミンシアヌレートを混合してゴム状ラテックス混合物を調製し、前記発泡ポリスチレン系樹脂成形品に前記ゴム状ラテックス混合物を被覆することを含むものである。
発泡ポリスチレン系樹脂成形品にゴム状ラテックス混合物を被覆する方法としては、例えば、刷毛での塗布、スプレーガンによる吹きつけ、ゴム状ラテックス混合物への成形品の浸漬等の方法が挙げられる。被覆後、室温〜80℃で乾燥することにより、ゴム状ラテックス混合物中の水分を除去することができる。被覆したゴム状ラテックス混合物の膜厚は、乾燥前で通常0.1〜100μmであり、好ましくは5〜70μmである。
本発明の発泡ポリスチレン系樹脂成形品の製造方法においては、ゴム状ラテックスにメラミンシアヌレートを混合し、さらにエチルアルコールを混合して、ゴム状ラテックス混合物を調製することが好ましい。
製造方法において使用する各材料は、本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子について説明したとおりである。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例で使用した各材料は次の通りである。
(1)発泡性ポリスチレン系樹脂粒子
発泡性ポリスチレン樹脂粒子(JSP製、商品名:スチロダイア(登録商標))(以下、「EPS」とも言う。)
(2)ゴム状ラテックス
変性アクリロニトリル・ブタジエン共重合体ラテックス(日本ゼオン製、商品名:Nipol(登録商標)SX1503A、濃度42%)(以下、「AN・B」とも言う。)
変性アクリル酸エステル・ブタジエン共重合体ラテックス(日本ゼオン製、商品名:Nipol(登録商標)SX1105A、濃度45%)(以下、「ST・B」とも言う。)
微カルボキシ変性スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス(日本エイアンドエル製、商品名:ナルスター(登録商標)SR−107、濃度48%)(以下、「CST・B」とも言う。)
ワックスエマルジョン(日本精蝋製、商品名:EMUSTAR(登録商標)−0135、濃度40%)(以下、「W・E」とも言う。)
(3)メラミンシアヌレート
メラミンシアヌレート(日産化学製、商品名:メラミンシアヌレート/MC)
実施例1
変性アクリロニトリル・ブタジエン共重合体ラテックス1kgに対し、メラミンシアヌレート100g、エチルアルコール50gを、H羽根を備えた2Lのフラスコに入れ、25℃にて200rpmで10分間撹拌して、ゴム状ラテックス混合物を調製した。
次いで、発泡性ポリスチレン樹脂粒子10kg(100質量部)に対して、上記のゴム状ラテックス混合物50g(0.5質量部)を添加し、小型ヘンシェルミキサーで1分間混合し、次いでステアリン酸亜鉛10g(0.1質量部)を添加し、さらに1分間混合した。混合後の発泡性ポリスチレン樹脂粒子は乾いており、ゴム状ラテックス混合物が被覆されていた。
この樹脂粒子を予備発泡機(日立化成テクノプラント製HBP−500)にて嵩発泡倍数51倍(密度19.6kg/m)に予備発泡し、得られた予備発泡粒子を16時間室温にて熟成した。
次いで、熟成後の予備発泡粒子を用い、寸法300mm(長さ)×50mm(幅)×20mm(厚み)の平板状の成形品6個取りの金型を取り付けた成形機(ダイセン工業製VS−500)にて、スチーム圧0.07MPaで成形を行い、嵩発泡倍数50倍(密度20.0kg/m)の成形品を12枚得た。この成形品は内部及び表面にゴム、メラミンシアヌレートを含んでいた。
実施例2
実施例1における変性アクリルニトリル・ブタジエン共重合体ラテックスの代わりに変性アクリル酸エステル・ブタジエン共重合体ラテックス1kgを使用したことを除いては、実施例1と同様にして嵩発泡倍数50倍(密度20.0kg/m)の成形品を12枚得た。
実施例3
実施例1において、変性アクリロニトリル・ブタジエン共重合体ラテックスの代わりに微カルボキシ変性スチレン・ブタジエン共重合体ラテックスを1kg使用したことを除いては、実施例1と同様にして嵩発泡倍数50倍(密度20.0kg/m)の成形品を12枚得た。
実施例4
実施例1において、変性アクリロニトリル・ブタジエン共重合体ラテックスの代わりにワックスエマルジョン1kgを使用したことを除いては、実施例1と同様に嵩発泡倍数50倍(密度20.0kg/m)の成形品を12枚得た。
実施例5
実施例1のゴム状ラテックス混合物を調製する際、メラミンシアヌレート100gを200gに増量したことを除いては、実施例1と同様にして嵩発泡倍数50倍(密度20.0kg/m)の成形品を12枚得た。
実施例6
実施例1のゴム状ラテックス混合物を調製する際、メラミンシアヌレート100gを50gに減量したことを除いては、実施例1と同様にして嵩発泡倍数50倍(密度20.0kg/m)の成形品を12枚得た。
実施例7
実施例1において、発泡性ポリスチレン樹脂粒子10kg(100質量部)とゴム状ラテックス混合物50g(0.5質量部)の混合方法においてヘンシェルミキサーの代わりにコンクリートミキサーでエアーを吹き込みながら10分間混合した。混合後、発泡性ポリスチレン樹脂粒子は乾いていた。実施例1と同様にして嵩発泡倍数50倍(密度20.0kg/m)の成形品を12枚得た。
実施例8
表面にゴム状ラテックス混合物を被覆しておらず、ステアリン酸亜鉛0.1質量部のみを混合した発泡性ポリスチレン樹脂粒子を用いて、実施例1と同様に、予備発泡、成形を行い、嵩発泡倍数50倍(密度20.6kg/m)の成形品を12枚得た。この成形品1枚の質量は6.03gであった。
得られた成形品を、実施例1で調製したメラミンシアヌレートを含有するゴム状ラテックス混合物中に浸漬した後、余分に付着しているゴム状ラテックス混合物を除去し、60℃の乾燥室で2時間乾燥させた。乾燥後の成形品の質量は6.18gであった。
実施例9
実施例1で調製したゴム状ラテックス混合物が被覆された発泡性ポリスチレン樹脂粒子100質量部に対し、タルク1質量部をヘンシェルミキサーで1分間混合し、吐出口径5mmの丸ダイを取り付けた40φのL/D24の発泡用押出機(田辺プラスチック社製)にて、ダイ温度120℃で発泡倍数15倍(66.7kg/m)の白色の直径50mmの丸棒へと押し出した。押し出し中に異臭等は発生しなかった。
比較例1
発泡性ポリスチレン樹脂粒子100質量部に対して0.1質量部のステアリン酸亜鉛のみを混合したものを用いて、実施例1と同様に、予備発泡、成形を行い、嵩発泡倍数50倍(密度20.0kg/m)の成形品を12枚得た。
比較例2
ヘンシェルミキサー内に発泡性ポリスチレン樹脂粒子10kg(100質量部)と変性アクリロニトリル・ブタジエン共重合体ラテックス50g(0.5質量部)、ステアリン酸亜鉛10g(0.1質量部)のみを添加し1分間混合した。以下実施例1と同様にして嵩発泡倍数50倍(密度20.0kg/m)の成形品を12枚得た。
比較例3
実施例1において、ゴム状ラテックスとエチルアルコールを使用しないで、発泡性ポリスチレン樹脂粒子10kgに対しメラミンシアヌレート10gとステアリン酸亜鉛10gを小型ヘンシェルミキサーで2分間混合した。メラミンシアヌレートとステアリン酸亜鉛は、発泡性ポリスチレン樹脂粒子との密着性が悪く、飛散し易かった。その後、実施例1と同様に、予備発泡、成形を行い、嵩発泡倍数50倍(密度20.0kg/m)の成形品を12枚得た。
実施例1〜9及び比較例1〜3で得られた発泡性ポリスチレン樹脂粒子及び発泡ポリスチレン樹脂成形品について、各特性を以下の通りに評価した。結果を表1に示す。
(1)曲げ強度
成形品の曲げ強度[N/cm]を、JIS−A−9511、JIS−K−7220に準じて測定した。
(2)表面硬度
成形品の表面硬度は、吉田精機製ポリスチレンフォームテスターPFT−2のセンサーを成形品表面に押圧し、その指示値で示した。硬度の数値が小さいほど硬くて好ましいことを意味する。硬度の最小値は20、最大値は80である。
(3)帯電防止性
デジタル式静電気測定器(MODEL2050、ヒューグルエレクトロニクス製)を用いて、成形品の帯電量[V]を測定した。
(4)発泡性
発泡性ポリスチレン樹脂粒子を100℃の沸騰水に5分間浸し、発泡直後と24時間後の発泡倍数[倍(ml/g)]を測定した。
(5)軋み音
同じ実施例又は比較例で得られた成形品同士を摩擦し、その際に発生する軋み音を聞いて評価した。評価は、◎:軋み音無し、○:音はするが不快ではない、×:不快音とした。
(7)耐熱性
耐熱性は、成形品を80℃及び90℃に保持した後の寸法の変化(収縮率)により評価した。
成形品をニクロム熱線により長さ方向において3等分して、99mm×50mm×20mmの試験片とし、長辺(99mm)、短辺(50mm)、厚み(20mm)、及び、長辺と短辺により形成される面の対角線の寸法をノギスで測定した。試験片3個を恒温器(藤本科学会社製、形式:DEN400)中に同時に入れ、80±2℃で5時間静置した後、取り出して、それぞれの寸法を測定した。厚みは寸法変化が無かったため、長辺と短辺による形成される面の二本の対角線の寸法を乗し、この積をさらに、加温前の二本の対角線の元の寸法を乗した積で除した値(n=3の平均値)を収縮率[%]とした(表1中、「80℃収縮率」)。
同様に、別の試験片3個を90±2℃で2時間静置した後、寸法を測定して収縮率[%]を算出した(表1中、「90℃収縮率」)。
収縮率の数値が100%に近いほど、試験片の収縮が少ないこと、即ち、耐熱性にすぐれることを意味する。
(8)難燃性
成形品の難燃性をJIS−A−9511に基づき評価した。着火源を試験体から離してから3秒以内に試験体の火が消えるものを「自消性」とし、3秒以内に試験体の火が消えないものを「燃焼性」とした。
Figure 2016056271
表1中、成形品材料として使用した各材料の混合量は、成形品の基材である発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の混合量を100質量部としたときの各材料の質量部で示す。
本発明の発泡スチレン系樹脂成形品は、ゴム状ラテックスのみを使用した比較例2と比べて、曲げ強度を維持し、かつ、表面硬度、帯電防止性、耐熱性、難燃性においてすぐれた結果が得られた。
本発明の発泡スチレン系樹脂成形品は、発泡性、機械的強度、硬度、帯電防止性、耐熱性、難燃性にバランス良くすぐれた結果が得られ、軋み音も発生しなかった。
本発明の発泡スチレン系樹脂成形品は、発泡性、機械的強度、硬度、帯電防止性、耐熱性、難燃性等にすぐれている。これらの特性を利用して様々な用途、例えば、構造部材、断熱材、梱包材、緩衝材等に用いることができる。具体的には、住宅用建材、盛り土用ブロック、自動車用フロアスペーサーやバンパー等の自動車部品、野菜容器、海産物容器等に好適に使用できる。

Claims (16)

  1. ゴムと、メラミンシアヌレートをその表面に有する発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
  2. 前記ゴムが、合成ゴム、アクリル酸エステル共重合体、アクリルゴム、ワックス又はこれらの2種以上の混合物である、請求項1に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
  3. ゴム状ラテックスにメラミンシアヌレートを混合してゴム状ラテックス混合物を調製し、次いで、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に前記ゴム状ラテックス混合物を被覆することを含む、請求項1又は2に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
  4. 前記ゴム状ラテックスにエチルアルコールを混合して、前記ゴム状ラテックス混合物を調製する、請求項3に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
  5. 前記ゴム状ラテックスが、合成ゴムラテックス、アクリル酸エステル共重合体エマルジョン、アクリルゴムエマルジョン、ワックスエマルジョン又はこれらの2種以上の混合物である、請求項3又は4に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
  6. ゴムと、メラミンシアヌレートをその表面に有する予備発泡ポリスチレン系樹脂粒子。
  7. 前記ゴムが、合成ゴム、アクリル酸エステル共重合体、アクリルゴム、ワックス又はこれらの2種以上の混合物である、請求項6に記載の予備発泡ポリスチレン系樹脂粒子。
  8. 請求項1又は2に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を予備発泡させることを含む予備発泡ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
  9. ゴムと、メラミンシアヌレートをその表面に有する発泡ポリスチレン系樹脂成形品。
  10. 前記ゴムが合成ゴム、アクリル酸エステル共重合体、アクリルゴム、ワックス又はこれらの2種以上の混合物である、請求項9に記載の発泡ポリスチレン系樹脂成形品。
  11. 請求項1又は2に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を発泡させることを含む発泡ポリスチレン系樹脂成形品の製造方法。
  12. 前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を予備発泡させ、次いで、加熱成形する、請求項11に記載の発泡ポリスチレン系樹脂成形品の製造方法。
  13. 請求項1又は2に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を押し出し機で押出して発泡させることを含む発泡ポリスチレン系樹脂成形品の製造方法。
  14. 発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を予備発泡させ、次いで、加熱成形して、発泡ポリスチレン系樹脂成形品を形成し、ゴム状ラテックスにメラミンシアヌレートを混合してゴム状ラテックス混合物を調製し、前記発泡ポリスチレン系樹脂成形品に前記ゴム状ラテックス混合物を被覆することを含む請求項9又は10に記載の発泡ポリスチレン系樹脂成形品の製造方法。
  15. 前記ゴム状ラテックスが、合成ゴムラテックス、アクリル酸エステル共重合体エマルジョン、アクリルゴムエマルジョン、ワックスエマルジョン又はこれらの2種以上の混合物である、請求項14に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂成形品の製造方法。
  16. 前記ゴム状ラテックスにさらにエチルアルコールを混合して、前記ゴム状ラテックス混合物を調製する、請求項11〜15のいずれかに記載の発泡性ポリスチレン系樹脂成形品の製造方法。
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