JP4346771B2 - ロール起動装置 - Google Patents

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  • Constituent Portions Of Griding Lathes, Driving, Sensing And Control (AREA)
  • Grinding Of Cylindrical And Plane Surfaces (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロール研削盤において、研削対象のロールを回転駆動する主軸台の運転を開始するときに起動トルクを加えるロール起動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図4は、圧延機のロールを研削するロール研削盤を示す。
【0003】
図1において、10は砥石台であり、11は、心押台、12は主軸台を示す。砥石台10は、往復台13の上をX軸方向に移動可能なように設けられている。砥石台10には、砥石14がロール15の軸方向に対して直角に向き合うように設けられており、図示しないインフィード機構により、砥石14がロール15に対して前後(X軸方向)に移動し、ロール15に切り込みを与えることができるようになっている。往復台13は、サーボモータによりボールねじを駆動してZ軸方向に送られるもので、ボールねじや送り運動を案内するガイドレールは、伸縮自在な入れ子状の摺動面カバー17によって被覆されており、その摺動面が保護されている。
【0004】
一方、心押台11は、ロール15の軸方向と平行なZ軸方向に延びるラック16に沿ってピニオン・ラック機構を利用してZ軸方向に移動することができるようになっている。
【0005】
主軸台12は、ロール15に駆動トルクを伝える面板20と、図示しないモータの駆動トルクを面板20へ伝達するベルト伝動機構などが内蔵されている。
【0006】
このようなロール研削盤では、心押台11と主軸台12の間には、ロール15を支持する一対の受台18a、18bが配置されており、ロール15はその両端の肩の部分で、それぞれ受台18a、18bによって回転可能に支持されている。 この受台18は、ロールの端部が滑りながら回転できるように支持する受金を備えている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
研削対象のロール15は重量物であり、したがって、ロール15の回転を開始される際のイナーシャが非常に大きい上に、受台18a、18bの受金との間の静止摩擦力に抗して、静止状態から回転起動を行なわなければならないため、研削中にロール15に伝えるトルクに較べて非常に大きな起動トルクを必要とする。このため、従来の主軸台12では、大きな起動トルクをカバーできる大容量のモータを必要としたり、起動用の高トルクを発生するモータと起動トルクを面板20に伝達する歯車伝動機構を別途設けている。
【0008】
そこで、本発明の目的は、前記従来技術の有する問題点を解消し、大容量のモータや伝動機構を必要とすることなく、円滑にかつ確実にロールを起動できるようにした簡易なロール起動装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、本発明は、主軸台と心押し台との間で心出したロールを回転起動するロール起動装置において、前記主軸台の面盤に駆動モータのトルクを伝えるプーリに、連続する歯が外周部に形成された回転板を設け、前記回転板の歯に係脱可能に係合する係合部をピストンロッドの先端部に有し起動トルクを前記回転板に加える起動用シリンダを揺動可能に主軸台に設けるとともに、前記係合部と回転板の歯を係合させるため前記起動用シリンダを揺動させる揺動シリンダを設けたことを特徴とするものである。
【0010】
本発明によれば、起動時には、揺動用シリンダが起動用シリンダを回動させ、起動用シリンダのピストンロッドの係合部を回転板の歯に係合させる。この状態で起動用シリンダがピストンロッドを引き込みあるいは押し出して大きな起動トルクを回転板に加えることで、回転板および面板を回転させ、慣性力および受台との静止摩擦力に抗してロールを回転させる。回転板が所定の角度回転したところで、起動用シリンダの係合部は、回転板の歯から離脱するが、ロールはそのまま慣性力により回転を持続するので、起動用シリンダによる起動から所定のタイミングをとって駆動モータを始動すれば、研削加工のためのロール回転駆動に円滑に移行することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明によるロール起動装置の一実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。
【0012】
図1は、本発明によるロール起動装置が適用されるロール研削盤の主軸台12の側面図である。21は、主軸台12の駆動源である駆動モータである。この駆動モータ21の回転動力は、次のようなベルト伝動機構から面板20に伝達される。
【0013】
駆動モータ21の出力軸に取り付けられたプーリ22と、回転軸23のプーリ24には、ベルト25が巻き掛けられている。図2に示すように、回転軸23と平行に主軸26が配置され、回転軸23に取り付けられたプーリ27と、主軸26と一体のプーリ28には、ベルト29が巻き掛けられている。したがって、駆動モータ22の駆動トルクは、二段に設けられたベルト伝動機構を介して主軸26に伝えられる。図1に示す面板20は、プーリ28と一体的に取り付けられるようになっている。この面板20の中央部には、図示しない心押台とで研削対象のロールの心出しをするためのワークセンタ30が取り付けられている。面板20からロールへのトルク伝達は、ケレー31を介して行われる。
【0014】
図2において、参照符号32は、本発明によるロール起動装置を構成する起動用シリンダで、34は、プーリ28と同軸に取り付けられている回転板である。この回転板34には、その外周部に連続する波形状の歯が形成されている。起動用シリンダ32は、回転板34と平行な(主軸26の軸方向と直角)方向に配置され、クレビス33およびピン35を介して揺動自在に主軸台に対して支持されている。この起動用シリンダ32のピストンロッド36は、回転板34の直上まで延びるようになっていて、このピストンロッド36の先端部には、前記回転板34の歯に係脱可能に係合する係合部37が取り付けられている。この係合部37の直線運動は、起動用シリンダ32の軸方向に延びるガイドバー38に沿って摺動するスライドブロック39により案内される。
【0015】
前記回転板34の歯は、山の部分40と谷の部分41からなり、谷の部分41は、円柱状の係合部37が周方向から円滑に嵌まり合い、また、周方向に離脱できるように湾曲している。
【0016】
このような起動用シリンダ32の下方には、係合部37と回転板34の歯を係合させるために、起動用シリンダ32を揺動させる揺動シリンダ42が配置されている。この揺動シリンダ42のピストンロッド43の先端部は、起動用シリンダ32と連結部材44を介してピン連結されている。
【0017】
本実施の形態によるロール起動装置は、以上のように構成されるものであり、次に、その作用並びに効果について説明する。
図2は、起動前のおける起動用シリンダ32と揺動シリンダ42の位置を示している。この起動前では、揺動シリンダ42のピストンロッド43は延びた状態にあり、これにより、起動用シリンダ32は、水平な姿勢で支持されている。
そこで、揺動シリンダ42のピストンロッド43が後退し、起動用シリンダ32をピン35を中心に図において時計回りに回動させる。これにより、図3に示すように、起動用シリンダ32のピストンロッド36の先端に設けられた係合部37は、回転板34のいずれかの歯の谷41に係合する。この回転板34との係合状態において、起動用シリンダ32を作動させて、そのピストンロッド36を後退させると、起動用シリンダ32は、回転板34といっしょに係合部37を周方向に非常に大きな力で引っ張るので、回転板34に大きな起動トルクを作用させることになる。これにより、図1において、面板20と図示しないロールはその大きな慣性力および受台との間に生じる静止摩擦力に抗して回転を開始するに到る。
【0018】
起動用シリンダ32のピストンロッド36が1ストローク分引き込まれ、回転板34が所定の角度回転したところで、起動用シリンダ32の係合部37は、回転板34の歯から離脱するが、面板20およびロールはそのまま慣性力により回転を持続する。
【0019】
こうしてロールが回転を開始してから、所定のタイミング遅れで駆動モータ21が始動される。このときには、面板20およびロールはすでに回転を始めているので、駆動モータ22には起動時に大きな負荷がかかることもなく、駆動モータ22からベルト伝動機構を介して伝わる駆動トルクでロールが回転し、円滑に研削加工に移行することができる。
【0020】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、主軸台の面盤に駆動モータのトルクを伝えるプーリに、連続する歯が外周部に形成された回転板を設け、前記回転板の歯に係脱可能に係合する係合部をピストンロッドの先端部に有し起動トルクを前記回転板に加える起動用シリンダを揺動可能に主軸台に設けるとともに、前記係合部と回転板の歯を係合させるため前記起動用シリンダを揺動させる揺動シリンダを設けているので、大容量のモータや伝動機構を必要とすることなく、円滑にかつ確実にロールを起動できるようにした簡易なロール起動装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるロール起動装置が適用されるロール研削盤の主軸台を示す側面図。
【図2】本発明によるロール起動装置の一実施形態を示す図1におけるII-II線矢視図。
【図3】本発明によるロール起動装置の作用を示す正面図。
【図4】従来のロール研削盤を示す斜視図。
【符号の説明】
12 主軸台
20 面板
21 駆動モータ
23 回転軸
25 ベルト
26 主軸
28 プーリ
29 ベルト
30 ワークセンタ
32 起動用シリンダ
34 回転板
37 係合部
42 揺動シリンダ

Claims (1)

  1. 主軸台と心押し台との間で心出したロールを回転起動するロール起動装置において、
    前記主軸台の面盤に駆動モータのトルクを伝えるプーリに、連続する歯が外周部に形成された回転板を設け、前記回転板の歯に係脱可能に係合する係合部をピストンロッドの先端部に有し起動トルクを前記回転板に加える起動用シリンダを揺動可能に主軸台に設けるとともに、前記係合部と回転板の歯を係合させるため前記起動用シリンダを揺動させる揺動シリンダを設けたことを特徴とするロール起動装置。
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