JP4346012B2 - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機ELと略すことがある。)素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、有機EL層は、有機化合物の薄層から構成されており、外気の影響、特に水分に非常に弱いため、有機EL層自体を外気に触れさせない封止構造が必要である。一般に行われている封止方法としては、不活性ガスに満たされたグローブボックス内で製造を行うことを前提として、封止基材上にシール材を塗布し、有機EL層を形成した基板を貼りあわせることにより行われるものであり、この封止方法については、様々な提案がなされている。
【0003】
例えば、有機EL層を水分から保護する封止方法として、上記シール材中に乾燥剤を含有させることにより、外部から封止された内部へ透過する水分を吸収する方法が提案されている(特許文献1参照)。しかしながら、一般的に用いられるシール材において、シール材中に含有される揮発成分の一部が、有機EL層の劣化の原因となることもあり、上記の方法においては、シール材が内部に露出していることから、このシール材により有機EL層が劣化する恐れがあった。
【0004】
また、例えばシール材の内側に、乾燥剤を含有する樹脂を配置し、封止する方法が提案されている(特許文献2参照)。しかしながら、この方法においては、上記樹脂の形成にフォトリソグラフィー法を用いることが困難であり、上記樹脂を基板に固定化する方法や、用いられる材料等が限定され、さらに微細加工が難しい等の問題があった。
【0005】
さらに、例えば基板と封止基材とを封止するシール材の一部に、開口部を設けることにより封止基材と基材とを貼りあわせる際に密閉構造となり、内圧により生じる気泡を抑え、上記気泡が有機EL層に悪影響を及ぼすことを防止する方法が提案されている(特許文献3参照)。しかしながら、この方法においても、封止された内部にシール材が露出していることから、シール材の揮発成分の一部により有機EL層が劣化してしまう場合もあった。
【0006】
また、シール材の内側および外側に隔壁を形成し、基板と封止基材とを封止する方法も提案されている(特許文献4参照)。しかしながら、この方法においては、矩形の枠構造であるため、封止基材の貼りあわせの際に密閉構造となり、内圧により気泡が生じることがあり、この気泡によりシール不良やシール幅が狭くなり、本来のシール機能を達成できずに、有機EL層に悪影響を及ぼす可能性があった。また、シール材が内部に入り込まないように隔壁が形成されていないことから、このシール材の揮発成分の一部により有機EL層が劣化してしまう場合もあった。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−173766号公報
【特許文献2】
特開2000−208252号公報
【特許文献3】
特開2001−284043号公報
【特許文献4】
特開2002−280169号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、有機EL層がシール材等の影響を受けることなく、封止の際に内圧により発生する気泡を低減させることが可能な有機EL素子および有機EL素子の製造方法の提供が望まれている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、基板と、上記基板上に形成された第1電極層と、上記第1電極層上に形成され、かつ少なくとも発光層を有する有機エレクトロルミネッセンス層と、上記有機エレクトロルミネッセンス層を挟むように上記有機エレクトロルミネッセンス層上に形成された第2電極層と、上記基板と対向するように形成され、かつ上記基板と封止するための密着部を有する封止基材と、上記封止基材における密着部の外周部に形成され、かつ上記基板および上記封止基材を封止するシール材とを有する有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
上記シール材の内周に沿って、かつ上記密着部の内周部に形成された保護層を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子を提供する。
【0010】
本発明によれば、上記保護層が、上記シール材の内側に形成されることから、上記シール材により封止された空間に、上記シール材が露出しない。これにより、シール材中に含有される揮発成分の一部により、有機EL層等が劣化することを防ぐことができ、高品質な有機EL素子とすることができるのである。
【0011】
上記発明においては、上記保護層および上記シール材の一部に、上記シール材により封止された空間と、外部とが連通する開口部を有することが好ましい。これにより、基板と封止基材とをシール材により封止する際に、内圧の影響を抑えることができ、製造環境内のガス成分が開口部から外部に抜けることができ、この気泡の影響を受けることのない高品質な有機EL素子とすることができるからである。
【0012】
また、本発明においては、上記シール材の外周に沿って形成された第2保護層を有していてもよい。この第2保護層が形成されていることにより、上記封止基材の密着部を保護層および第2保護層により支えることができ、基板と封止基材とを安定かつ平行に保つことが可能となるからである。
【0013】
上記発明においては、上記第2保護層が、所定の間隔をおいて形成されていることが好ましい。これにより、基板と透明基材とを貼りあわせる際に、余剰な上記シール材を第2保護層間の隙間から外部へ排出することができ、シール材が封止された内部へ侵入することを防ぐことが可能となるからである。
【0014】
また、本発明は、基板上に第1電極層を形成する第1電極層形成工程と、
上記第1電極層上に少なくとも発光層を有する有機エレクトロルミネッセンス層を形成する有機エレクトロルミネッセンス層形成工程と、
上記有機エレクトロルミネッセンス層を挟むように上記有機エレクトロルミネッセンス層上に第2電極層を形成する第2電極層形成工程と、
上記基板と封止するための密着部を有する封止基材の、上記密着部の外周部にシール材を形成するシール材形成工程と、
上記封止基材を、上記基板と対向するように配置し、上記シール材により上記基板および上記封止基材を封止する封止工程と、
を有する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、
上記シール材形成工程前に、上記シール材の内側、かつ上記密着部の内周部に保護層を形成する保護層形成工程を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法を提供する。
【0015】
本発明によれば、上記保護層形成工程により保護層を形成することにより、上記封止工程において、上記基板および上記封止基材を封止する際に、上記シール材が、封止された内部に侵入することを防ぐことができ、シール材の揮発成分の一部等により有機EL層等が劣化することを防止することができるのである。
【0016】
また、上記発明においては、上記封止工程前の、上記シール材の膜厚が、上記保護層の膜厚より厚いことが好ましい。これにより、上記封止工程において、封止基材および基板とシール材とを密着させることができ、より良好に封止することができるからである。
【0017】
またさらに本発明においては、上記各工程が、不活性ガスが充填された環境で行われることが好ましい。これにより、上記シール材により封止された内部に、製造時に酸素や水蒸気が入ることを防ぐことができ、より高品質な有機EL素子とすることが可能となるからである。
【0018】
また、上記各工程が、真空環境で行われてもよい。これにより、上記シール材により封止された内部に、製造時に酸素や水蒸気が入ることを防ぐことができ、より高品質な有機EL素子とすることが可能となるからである。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明は、有機EL層がシール材等の影響を受けることなく、封止の際における気泡の発生を低減させることが可能な有機EL素子および有機EL素子の製造方法に関するものである。以下、それぞれについてわけて説明する。
【0020】
A.有機EL素子
まず、本発明の有機EL素子について説明する。本発明の有機EL素子は、基板と、上記基板上に形成された第1電極層と、上記第1電極層上に形成され、かつ少なくとも発光層を有する有機エレクトロルミネッセンス層と、上記有機エレクトロルミネッセンス層を挟むように上記有機エレクトロルミネッセンス層上に形成された第2電極層と、上記基板と対向するように形成され、かつ上記基板と封止するための密着部を有する封止基材と、上記封止基材における密着部の外周部に形成され、かつ上記基板および上記封止基材を封止するシール材とを有する有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
上記シール材の内周に沿って形成された保護層を有することを特徴とするものである。
【0021】
本発明の有機EL素子は、例えば図1に示すように、基板1と、その基板1上に形成された第1電極層2と、その第1電極層2上に形成された有機EL層3と、その有機EL層3上に形成された第2電極層4と、基板1と対向するように形成され、かつ上記基板1と封止するための密着部aを有する封止基材5と、その封止基材5の密着部aの外周部に形成され、かつ封止基材5と上記基板1とを封止するシール材6と、そのシール材6が封止された空間7と面しないように、または面する面積が小さくなるように、シール材7の内側に形成された保護層8とを有するものである。
【0022】
本発明によれば、シール材により封止された空間と、シール材との間に保護層が形成されていることから、シール材が封止された空間と面しない、または面する面積が小さい。これにより、シール材に含有される揮発成分の一部等によって、有機EL層が劣化等することを防ぐことができ、高品質な有機EL素子とすることができるのである。
【0023】
また、この際、例えば図2に示すように、基板1上に形成された保護層8および上記シール材6は、全面を封止するものであってもよいが、例えば図3に示すように、基板1上に形成された上記保護層8および上記シール材6の一部に、シール材6により封止された内部の空間と、外部とが連通する開口部bを有するものであってもよい。これにより、基板と封止基材とをシール材により封止する際に、内圧が高くなること等によって有機EL層に悪影響を及ぼすことを防ぐことができ、より高品質な有機EL素子とすることができるからである。
【0024】
以下、本発明の有機EL素子の各構成について説明する。
【0025】
1.保護層
まず、本発明に用いられる保護層について説明する。本発明に用いられる保護層は、後述するシール材の内周に沿って、かつ後述する封止基材の密着部の内周部に形成された部材である。本発明において、この保護層は、上記シール材により封止された空間に、シール材が面しない、または面する面積を小さくすることが可能であり、また後述する有機EL層と接触しないように形成されるものであれば、その形状等は特に限定されるものではない。
【0026】
ここで、後述する封止基材の密着部とは、例えば封止基材の端部等、基板と封止基材とをシール材により封止する際の、封止基材側の接合部分をいうこととし、その内周部とは、上記密着部における、封止される空間側の部分をいうこととする。
【0027】
本発明に用いられる保護層は、例えば図2に示すように、シール材6が全面を封止するように形成されている場合には、その内周に沿って形成される保護層8も全周に形成される。また、例えば図3に示すように、シール材6の一部に、封止された空間の内部と、外部とが連通する開口部bを有する場合には、保護層8も開口部bを有するように形成されることが好ましい。これにより、後述する基板と封止基材とをシール材により封止する際に、封止された空間の内圧が高くなることを防ぐことができるからである。
【0028】
さらに本発明においては、例えば図4に示すように、シール材8が上記開口部bを有する場合において、シール材6の内側、およびシール材6の開口部bの端部に保護層8が形成されていることが好ましい。これにより、開口部bからシール材6によって封止された空間内にシール材8が侵入することを防ぐことが可能となるからである。なお、上記開口部は、シール材により基板と封止基材とを封止した後、保護層等により塞がれる。
【0029】
このような保護層を形成する材料としては、シール材により封止された空間内において、有機EL層の劣化等を起こさない材料であり、保護層の硬化後に揮発成分等を有しない材料であることが好ましい。具体的には、感光性ポリイミド樹脂、アクリル系樹脂等の光硬化型樹脂や熱硬化型樹脂、またはガラス等の無機材料が挙げられる。
【0030】
また本発明においては、上記保護層中に乾燥剤等が含有されていてもよい。これにより、外部から封止された空間内部へ透過する水分等を除去することができることから、有機EL層等の劣化をより防止することができ、高品質な有機EL素子とすることができるからである。
【0031】
また、上記保護層の膜厚は、1μm〜1000μmの範囲内、中でも1μm〜500μmの範囲内であることが好ましい。膜厚が上記範囲内であることにより、基板と封止基材との間のスペーサとしても用いることが可能となるからである。
【0032】
2.シール材
次に、本発明に用いられるシール材について説明する。本発明に用いられるシール材は、後述する基板および封止基材を封止するものであり、かつ後述する封止基材の密着部の外周部に形成されるものである。本発明において、上述した保護層が形成されていることから、シール材は、このシール材により封止された空間に面しない、または面する面積が小さい。
【0033】
ここで、上記封止基材の密着部の外周部とは、上述した密着部における、封止される空間と反対側の部分をいうこととする。
【0034】
本発明においては、基板および封止基材を封止することが可能であれば、そのシール材の形状等は特に限定されるものではなく、上述したように、例えば図2に示すように、全周を封止するように形成されるものであってもよく、また図3に示すように、シール材6の一部に開口部bを有するものであってもよいが、本発明においては、封止された空間内の圧力が高くなること等を防止することが可能であることから、開口部を有するものであることが好ましい。
【0035】
このようなシール材を形成する材料としては、エステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、メラミンアクリレート、アクリル樹脂アクリレート等の各種アクリレート、ウレタンポリエステル等の樹脂を用いたラジカル系シール材や、エポキシ、ビニルエーテル等の樹脂を用いたカチオン系シール材、チオール・エン付加型樹脂系シール材等の光硬化型樹脂、または熱硬化型樹脂を用いることができる。
【0036】
また、本発明においては、封止後のシール材の膜厚が上述した保護層の膜厚とほぼ等しくなることが好ましい。上記保護層より膜厚が極端に厚い場合には、シール材が封止された空間と面する面積が大きいことから好ましくなく、また上記保護層より膜厚が薄い場合には、上記基板と封止基材とを安定に密着させることが困難となるからである。
【0037】
3.封止基材
次に、本発明に用いられる封止基材について説明する。本発明に用いられる封止基材は、後述する基板と対向するように配置されるものであり、さらにその基板と封止させるための密着部を有するものである。
【0038】
上記密着部とは、例えば封止基材の端部等、基板と封止基材とをシール材により封止する際の、封止基材側の接合部分をいうこととし、例えば図1に示すような、封止基材5におけるaで示される部分をいうこととする。
【0039】
本発明において用いられる封止基材は、気密状態を維持し、かつ所定の強度を有するものであれば、その光透過性等は特に限定されるものではないが、光が封止基材側から導出される場合には、光透過性を有する材料が用いられる。
【0040】
上記封止基材に用いられる材料としては、例えばソーダ石灰ガラス、アルカリガラス、鉛アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸ガラス、シリカガラス等のガラス板等の無機材料、またはフィルム上に成形が可能な樹脂基板等を用いることができる。このような樹脂基板に用いられる樹脂としては、有機EL素子に影響を与える揮発成分を含まない耐溶媒性、耐熱性の比較的高い高分子材料が好ましく、具体的には、フッ素系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエステル、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルサルフォン、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、液晶性ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリミクロイキシレンジメチレンテレフタレート、ポリオキシメチレン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアクリレート、アクリロニトリル−スチレン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、シリコーン樹脂、非晶質ポリオレフィン等が挙げられ、これらを1種、または2種以上の共重合体として用いてもよい。
【0041】
また、その形状についても、特に限定されるものではなく、平板状であってもよく、また例えば図1に示すように、乾燥剤を配置するために凹状に形成されたものであってもよい。また、本発明に用いられる封止基材の厚さは、その有機EL素子の用途等に応じて適宜選択されるものであるが、通常0.1μm〜2mm程度のものが用いられる。
【0042】
また、本発明においては、この封止基材上に、必要に応じて、水分酸素等のガスを遮断するガスバリア性を有する層等を形成してもよい。
【0043】
4.基板
次に、本発明に用いられる基板について説明する。本発明に用いられる基板は、上記シール材により上記封止基材と封止されるものである。本発明においては、後述する第1電極層が強度を有する場合には、第1電極層が基板を兼ねるものであってもよいが、通常は、強度を有する基板の表面に第1電極層が形成されるものである。
【0044】
本発明において用いられる基板は、気密状態を維持し、かつ所定の強度を有するものであり、かつ第1電極層を形成可能であれば、特に限定されるものではない。本発明に用いられる基板においては、有機EL層で発光された光がいずれの方向に取り出されるかにより光透過性が必要か否かが決定される。一般的には、基板側に有機EL層からの光が導出されることが好ましい点から、基板は透明な材料で形成されることが好ましい。
【0045】
なお、本発明において用いられる基板の材料については、上述した封止基材と同様のものを用いることが可能であるので、ここでの説明は省略する。
【0046】
5.第1電極層および第2電極層
次に、本発明に用いられる第1電極層および第2電極層について説明する。本発明に用いられる第1電極層は、上記基板上に形成される電極であり、また第2電極層は、後述する有機EL層を挟んで第1電極層と対向して形成されるものである。第1電極層および第2電極層は、どちらか一方が陽極、もう片方が陰極となり、これらの電極のどちらかが透明または半透明とされる。
【0047】
例えば基板側から光が導出される場合には、第1電極層が透明または半透明であることが要求され、上述したように封止基材側から光が導出される場合は、第2電極層に光透過性が要求されることになる。
【0048】
上記第1電極層および第2電極層は、いずれが陽極であってもよいが、通常は第1電極層が陽極として形成され、第2電極層が陰極として形成される。このような陽極としては、正孔が注入しやすいように、仕事関数の大きい導電性材料が好ましく、具体的には、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム、金のような仕事関数の大きな金属、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリアルキルチオフェン誘導体、ポリシラン誘導体のような導電性高分子等を挙げることができる。
【0049】
一方、電極層が陰極として形成される場合には、電荷が注入しやすいように、仕事関数の小さな導電性材料であることが好ましく、例えばMgAg等のマグネシウム合金、AlLi、AlCa、AlMg等のアルミニウム合金、Li、Caをはじめとするアルカリ金属類およびアルカリ土類金属類、それらアルカリ金属類およびアルカリ土類金属類の合金等が挙げられる。上記どちらの電極においても、抵抗が小さいものであることが好ましく、一般には金属材料が用いられるが、本発明においては有機化合物または無機化合物を用いてもよい。
【0050】
6.有機EL層
次に、本発明に用いられる有機EL層について説明する。本発明においては、上述したような第1電極層と第2電極層との間に有機EL層が形成される。
【0051】
本発明でいう有機EL層とは、少なくとも発光層を含む1層もしくは複数層の有機層から形成されるものである。すなわち、有機EL層とは、少なくとも発光層を含む層であり、その層構成が有機層1層以上の層をいう。通常、塗布による湿式法で有機EL層を形成する場合は、溶媒との関係で多数の層を積層することが困難であることから、1層もしくは2層の有機層で形成される場合が多いが、有機材料を工夫したり、真空蒸着法を組み合わせたりすることにより、さらに多数層とすることも可能である。
【0052】
発光層以外に有機EL層内に形成される有機層としては、正孔注入層や電子注入層といった電荷注入層を挙げることができる。さらに、その他の有機層としては、発光層に正孔を輸送する正孔輸送層、発光層に電子を輸送する電子輸送層といった電荷輸送層を挙げることができるが、通常これらは上記電荷注入層に電荷輸送の機能を付与することにより、電荷注入層と一体化されて形成される場合が多い。その他、EL層内に形成される有機層としては、キャリアブロック層のような正孔あるいは電子の突き抜けを防止し、再結合効率を高めるための層等を挙げることができる。
【0053】
本発明における有機EL層に必須である発光層に用いられる発光材料としては、例えば以下のものを挙げることができる。
【0054】
色素系発光材料としては、シクロペンタジエン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、トリフェニルアミン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピラゾロキノリン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、シロール誘導体、チオフェン環化合物、ピリジン環化合物、ペリノン誘導体、ペリレン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、トリフマニルアミン誘導体、オキサジアゾールダイマー、ピラゾリンダイマーなどを挙げることができる。
【0055】
また、金属錯体系発光材料としては、アルミキノリノール錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯体、ベンゾオキサゾール亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチル亜鉛錯体、ポルフィリン亜鉛錯体、ユーロピウム錯体等、中心金属に、Al、Zn、Be等、またはTb、Eu、Dy等の希土類金属を有し、配位子にオキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、フェニルベンゾイミダゾール、キノリン構造等を有する金属錯体等を挙げることができる。
【0056】
さらに、高分子系発光材料としては、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体、ポリビニルカルバゾール、ポリフルオレノン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリキノキサリン誘導体、およびそれらの共重合体等を挙げることができる。
【0057】
上記発光層中には、発光効率の向上、発光波長を変化させる等の目的でドーピング剤を添加してもよい。このようなドーピング剤としては、例えば、ペリレン誘導体、クマリン誘導体、ルブレン誘導体、キナクリドン誘導体、スクアリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、スチリル色素、テトラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、デカシクレン、フェノキサゾン、キノキサリン誘導体、カルバゾール誘導体、フルオレン誘導体等を挙げることができる。
【0058】
上記正孔注入層の形成材料としては、発光層の発光材料に例示した化合物の他、フェニルアミン系、スターバースト型アミン系、フタロシアニン系、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化アルミニウムなどの酸化物、アモルファスカーボン、ポリアニリン、ポリチオフェンなどの誘導体等を挙げることができる。
【0059】
また、上記電子注入層の形成材料としては、発光層の発光材料に例示した化合物の他、アルミニウム、フッ化リチウム、ストロンチウム、酸化マグネシウム、フッ化マグネシウム、フッ化ストロンチウム、フッ化カルシウム、フッ化バリウム、酸化アルミニウム、酸化ストロンチウム、カルシウム、ポリメチルメタクリレートポリスチレンスルホン酸ナトリウム、リチウム、セシウム、フッ化セシウム等のようにアルカリ金属類、およびアルカリ金属類のハロゲン化物、アルカリ金属の有機錯体等を挙げることができる。
【0060】
また、本発明においては、上記電極層との間に、電極から有機EL層の電荷の供給を止める絶縁層が設けられていてもよく、この絶縁層が形成された部分は、発光しないものとすることができる。この絶縁層に用いられる材料としては、感光性ポリイミド樹脂、アクリル系樹脂等の光硬化型樹脂、または熱硬化型樹脂、および無機材料等を用いることができる。
【0061】
また、本発明においては、異なる色を発光する発光層を組み合わせることが可能であり、このような場合には、発光層間に隔壁を形成してもよい。このような隔壁を形成する材料としては、感光性ポリイミド樹脂、アクリル系樹脂等の光硬化型樹脂、または熱硬化型樹脂、および無機材料等を用いることができる。
【0062】
また、本発明に用いられる有機EL層は、上述した層の他に、電極層との間に光触媒を含有する光触媒含有層等を有するものであってもよい。
【0063】
7.有機EL素子
次に、本発明の有機EL素子について説明する。本発明の有機EL素子は、上述したように、基板と、上記基板上に形成された第1電極層と、上記第1電極層上に形成され、かつ少なくとも発光層を有する有機エレクトロルミネッセンス層と、上記有機エレクトロルミネッセンス層を挟むように上記有機エレクトロルミネッセンス層上に形成された第2電極層と、上記基板と対向するように形成され、かつ上記基板と封止するための密着部を有する封止基材と、上記封止基材における密着部の外周部に形成され、かつ上記基板および上記封止基材を封止するシール材とを有する有機エレクトロルミネッセンス素子であって、上記シール材が、上記シール材により封止された空間に面しないように、または面する面積が小さくなるように、上記シール材の内周に沿って形成された保護層を有するものであれば、特に限定されるものではない。
【0064】
本発明においては、例えば図5に示すように、基板1と、その基板1上に形成された第1電極層2と、その第1電極層2上に形成された有機EL層3と、その有機EL層3上に形成された第2電極層4と、基板1と対向するように形成され、かつ上記基板1と封止するための密着部aを有する封止基材5と、その封止基材5の密着部aの外周部に形成され、かつ封止基材5と上記基板1とを封止するシール材6と、そのシール材6が封止された空間7と面しないように、または面する面積が小さくなるように、シール材7の内側に形成された保護層8とを有するものであり、かつ上記シール材6の外周に、第2保護層9が形成されたもの等であってもよい。これにより、封止基材5を保護層8および第2保護層9により支えることができ、基板1と封止基材5とを安定かつ平行に保つことが可能となる。
【0065】
このような第2保護層は、例えば図6に示すように、保護層8が内周に形成されたシール材6の全ての外周に沿って形成されるものであってもよいが、本発明においては、例えば図7に示すように、第2保護層9が上記シール材6の外周に、間隔をおいて形成されるものであることが好ましい。これにより、基板と封止基材とを貼りあわせる際に、余剰なシール材を第2保護層間の隙間から外部へ排出することができ、シール材が封止された内部へ侵入することを防ぐことが可能となるからである。このような第2保護層の膜厚は上述した保護層と同一であることが好ましい。
【0066】
ここで、本発明の有機EL素子においては、上記シール材により封止される部分の基板上に第1電極層が形成されているものであってもよく、また、上述した部材以外にも、例えば、第2電極層上に形成される保護層や、スペーサ等、必要に応じて種々の部材を形成されたものであってもよい。
【0067】
B.有機EL素子の製造方法
次に、本発明の有機EL素子の製造方法について説明する。本発明の有機EL素子の製造方法は、基板上に第1電極層を形成する第1電極層形成工程と、
上記第1電極層上に少なくとも発光層を有する有機エレクトロルミネッセンス層を形成する有機エレクトロルミネッセンス層形成工程と、
上記有機エレクトロルミネッセンス層を挟むように上記有機エレクトロルミネッセンス層上に第2電極層を形成する第2電極層形成工程と、
上記基板と封止するための密着部を有する封止基材の、上記密着部の外周部にシール材を形成するシール材形成工程と、
上記封止基材を、上記基板と対向するように配置し、上記シール材により上記基板および上記封止基材を封止する封止工程と、
を有する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、
上記シール材形成工程前に、上記シール材が、上記シール材により封止された空間に面しないように、または面する面積が小さくなるように、上記シール材の内側、かつ上記密着部の内周部に保護層を形成する保護層形成工程を有することを特徴とする方法である。
【0068】
本発明によれば、上記保護層形成工程により保護層を形成することにより、上記封止工程において、上記基板および上記封止基材を封止する際に、上記シール材が、封止された内部に侵入することを防ぐことができ、シール材の揮発成分の一部等により有機EL層等が劣化することを防止することができるのである。
【0069】
ここで、本発明における上記各工程は、例えばグローブボックス内等の、不活性ガスが充填された環境で行われること、または、真空環境で行われることが好ましい。これにより、製造された有機EL素子中に、酸素や水蒸気等が含有されることを防止することができ、高品質な有機EL素子とすることができるからである。ここで、不活性ガスが充填された環境とは、酸素濃度および水分濃度を制御した環境、例えば窒素雰囲気等が挙げられる。
【0070】
以下、本発明の有機EL素子について説明する。
【0071】
1.第1電極層形成工程
まず、本発明における第1電極層形成工程について説明する。本発明における第1電極層形成工程は、基板上に、第1電極層を形成する工程である。本発明における第1電極層は、陽極であっても陰極であってもよく、その光透過性等は、例えば基板側から光が導出される場合には、第1電極層が透明または半透明であることが要求される等、その有機EL素子の構造により適宜選択されるものである。
【0072】
このような第1電極層は、基板上に、例えば真空スパッタリング、真空蒸着といった方法や、塗工液を塗布することにより形成する方法等により形成され、その製造方法は特に限定されるものではない。
【0073】
なお、本発明の有機EL素子の製造方法における第1電極層および基板等については、上述した「A.有機EL素子」で説明したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0074】
2.有機EL層形成工程
次に、本発明における有機EL層形成工程について説明する。本発明における有機EL層形成工程は、上記第1電極層上に少なくとも発光層を有する有機EL層を形成する工程である。
【0075】
本発明における有機EL層の形成工程は、一般的に有機EL層を形成する方法により行うことが可能であり、塗布法や塗布法と真空蒸着法との組み合わせによる方法等を用いることができる。通常、塗布による湿式法で有機EL層を形成する場合は、溶媒との関係で多数の層を積層することが困難であることから、1層もしくは2層の有機層で形成される場合が多いが、有機材料を工夫したり、真空蒸着法を組み合わせたりすることにより、さらに多数層とすることも可能であり、これらの方法はその有機EL層の構成により適宜選択されるものである。
【0076】
ここで、本発明の有機EL層については、上述した「A.有機EL素子」で説明したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0077】
3.第2電極層形成工程
次に、本発明における第2電極層形成工程について説明する。本発明における第2電極層形成工程は、上記有機EL層形成工程で形成された有機EL層上に第2電極層を形成する工程である。本工程において第2電極層は、上記有機EL層を挟んで第1電極層と対向して形成され、上記第1電極層と第2電極層とは、どちらか一方が陽極、もう片方が陰極とされることから、上記第1電極層形成工程で形成された第1電極層と反対の電極が形成されることとなる。また、第2電極層の光透過性等についても、有機EL素子の構造により適宜選択されるものであり、本発明により製造される有機EL素子において、封止基材側から光が導出される場合は、第2電極層に光透過性が要求されることになる。
【0078】
このような第2電極層は、上述した第1電極層と同様に形成することができ、また第2電極層の材料等は、上述した「A.有機EL素子」で説明したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0079】
4.保護層形成工程
次に、本発明における保護層形成工程について説明する。本発明においては、有機EL素子の製造方法において、上記シール材が、上記シール材により封止される空間に面しないように、または面する面積が小さくなるように、シール材の内側に保護層を形成する保護層形成工程を有することを特徴とするものである。この保護層形成工程は、後述するシール材が形成される位置の内側に保護層を形成することが可能であれば、その方法等は特に限定されるものではなく、封止基材上に形成してもよく、また基板上に形成してもよい。
【0080】
このような保護層の形成は、従来より行われている方法により行うことができ、例えばインクジェット法、ディスペンサー法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、およびスクリーン印刷法等を用いてもよい。
【0081】
また、上記保護層は、封止基材および基板を封止する際に、内圧が高くなり、有機EL層に影響を及ぼさないために、一部開口部を有することが好ましい。
【0082】
なお、本発明の有機EL素子の製造方法における封止基材およびシール材については、上述した「A.有機EL素子」で説明したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0083】
5.シール材形成工程
次に、本発明のシール材形成工程について説明する。本発明におけるシール材形成工程は、上記基板と封止するための密着部を有する封止基材の、その密着部の外周部にシール材を形成する工程である。ここで、封止基材の密着部とは、例えば封止基材の端部等、基板と封止基材とをシール材により封止する際の、封止基材側の接合部分をいうこととし、その外周部とは、上述した密着部における、封止される空間と反対側の部分をいうこととする。
【0084】
ここで、本工程においては、封止基材における密着部の外周部に対応する位置にシール材を形成するものであれば、封止基材上に形成してもよく、また基板上に形成してもよい。
【0085】
このようなシール材の形成方法としては、従来より行われている方法により形成することができ、例えばインクジェット法、ディスペンサー法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、およびスクリーン印刷法等を用いてもよい。
【0086】
本工程において形成される上記シール材の膜厚としては、上述した保護層の膜厚を1とした際に、1〜100の範囲内、中でも1〜10の範囲内とすることが好ましく、上述した保護層形成工程により形成される保護層より厚いものであることが好ましい。これは、例えば図8に示すように、基板1および封止基材5を封止する前に、シール材6の膜厚が保護層8の膜厚より厚いことにより(図8(a))、後述する封止工程において、基板1および封止基材5における密着部aに、シール材6が濡れ広がることができるからである(図8(b))。またこの際、上記保護層8が形成されていることにより、シール材6が封止される空間内に濡れ広がることを防止することができるのである。また、上記値より低い場合には、基板および封止基材間に濡れ広がることができず、安定して基板および封止基材を封止することが困難となり、さらに上記値より高い場合には、保護層より内側の空間へシール材が侵入する可能性があるからである。
【0087】
また、上記シール材は、封止基材および基板を封止する際に、内圧が高くなり、シール不良や気泡の発生により、有機EL層に影響を及ぼさないために、密着部の外周部における一部に開口部を有することが好ましい。
【0088】
なお、本発明の有機EL素子の製造方法における封止基材およびシール材については、上述した「A.有機EL素子」で説明したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0089】
6.封止工程
次に、本発明における封止工程について説明する。本発明における封止工程は、上記封止基材を、上記基板と対向するように配置し、上記シール材により上記基板および上記封止基材を封止工程である。
【0090】
本工程においては、酸素濃度および水分濃度を制御した環境下、例えば窒素雰囲気下等で、上記基板および上記封止基材を対向させて配置し、密着させてシール材を硬化させることにより封止することが必要である。これにより、封止された空間内に酸素や水分が含有されて有機EL層が劣化することを防ぐことができ、有機EL層を安定に保つことが可能となるからである。
【0091】
また、上述したように、上記シール材および保護層が開口部を有する場合には、本工程において封止基材と基板とを貼りあわせる際に、開口部から環境下のガスが抜け、内圧の影響を受けにくくなる。これにより、シール材により完全に封止が行われ、有機EL層に影響を与えることを防ぐことができ、高品質な有機EL素子とすることができる。またこの場合、上記開口部は、基板および封止基材を封止後、保護層等の材料により封止される。
【0092】
ここで、本工程における上記有機EL層と封止基板との間隙等については、上述した「A.有機EL素子」で説明したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0093】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0094】
【実施例】
以下に実施例および比較例を示し、本発明をさらに説明する。
【0095】
[実施例]
25mm角ガラス基板上に、第1電極層として透明電極(ITO)を形成し、前記基板上にスピンコータを用い、正孔注入層としてポリスチレンスルフォネイト/ポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェン(PSS/PEDOT)を膜厚100nmとなるように成膜した。次に、スピンコータを用いてポリビニルカルバゾールとクマリン誘導体とからなる発光材料のキシレン溶液を塗布し、膜厚100nmとなるように成膜した。続いて、上記有機EL層上に第2電極層を形成した。
【0096】
次に、凹状の無アルカリガラス封止基板の凹部を上面として、全面にスピンコータを用いてポジ型感光性材料(東京応化工業(株)製、商品名:OFPR−800/800cP)を膜厚15μmとなるように成膜した。前記感光性樹脂層を露光および現像し、現像後250℃で30分間加熱処理を行うことにより、幅300μmの保護層を一部開口部を設けて形成した。次に、上記保護層の外周に、UV硬化型のエポキシ系樹脂のシール材を、高さ60μm、幅500μmとなるようにディスペンサー法により形成した。
【0097】
次に、上記有機EL層が形成された基板と、上記封止基板とを上記シール材により封止することにより、有機EL素子を得た。
【0098】
上記有機EL素子に電圧印加することにより、ダークスポットのない発光が確認された。
【0099】
[比較例]
25mm角ガラス基板上に、第1電極層として透明電極(ITO)を形成し、前記基板上にスピンコータを用いて正孔注入層としてポリスチレンスルフォネイト/ポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェン(PSS/PEDOT)を膜厚100nmとなるように成膜した。次に、スピンコータを用いてポリビニルカルバゾールとクマリン誘導体とからなる発光材料のキシレン溶液を塗布し、膜厚100nmとなるように成膜した。続いて、上記有機EL層上に第2電極層を形成した。
【0100】
続いて、凹状の無アルカリガラス封止基板の凹部を上面として、その外周部に、UV硬化型のエポキシ系樹脂のシール材を高さ300μm、幅3mmとなるようにディスペンサー法により形成した。
【0101】
上記有機EL層が形成された基板と、上記封止基板とを上記シール材により封止し、封止された内部にシール材が入り込んでいる有機EL素子を得た。
【0102】
上記有機EL素子に電圧印加することにより、ダークスポットが観察された。
【0103】
【発明の効果】
本発明によれば、上記保護層が、上記シール材の内側に形成されることから、上記シール材により封止された空間に、上記シール材が面しない、または面する面積が小さくなる。これにより、シール材中に含有される一部の揮発成分により、有機EL層等が劣化することを防ぐことができ、高品質な有機EL素子とすることができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機EL素子の一例を示す概略断面図である。
【図2】本発明の有機EL素子における保護層およびシール材の形状の一例を示す概略断面図である。
【図3】本発明の有機EL素子における保護層およびシール材の形状の他の例を示す概略断面図である。
【図4】本発明の有機EL素子における保護層およびシール材の形状の他の例を示す概略断面図である。
【図5】本発明の有機EL素子の他の例を示す概略断面図である。
【図6】本発明の有機EL素子における保護層およびシール材の形状の他の例を示す概略断面図である。
【図7】本発明の有機EL素子における保護層およびシール材の形状の他の例を示す概略断面図である。
【図8】本発明の有機EL素子における基板および封止基材の封止方法の他の例を示す工程図である。
【符号の説明】
1 … 基板
2 … 第1電極層
3 … 有機EL層
4 … 第2電極層
5 … 封止基材
6 … シール材
7 … 封止された空間
8 … 保護層
9 … 第2保護層

Claims (7)

  1. 基板と、前記基板上に形成された第1電極層と、前記第1電極層上に形成され、かつ少なくとも発光層を有する有機エレクトロルミネッセンス層と、前記有機エレクトロルミネッセンス層を挟むように前記有機エレクトロルミネッセンス層上に形成された第2電極層と、前記基板と対向するように形成され、かつ前記基板と封止するための密着部を有する封止基材と、前記封止基材における密着部の外周部に形成され、かつ前記基板および前記封止基材を封止するシール材とを有する有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
    前記シール材の内周に沿って、かつ前記密着部の内周部に形成された保護層を有し、
    前記保護層は、保護層の硬化後に揮発成分を有しない材料からなるものであり、
    前記保護層および前記シール材の一部に、前記シール材により封止された空間と、外部とが連通する開口部を有し、
    前記シール材の前記開口部の端部に前記保護層が形成され、
    前記開口部が前記保護層の材料で塞がれていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 前記シール材の外周に沿って形成された第2保護層を有することを特徴とする請求項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 前記第2保護層が、所定の間隔をおいて形成されていることを特徴とする請求項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 基板上に第1電極層を形成する第1電極層形成工程と、
    前記第1電極層上に少なくとも発光層を有する有機エレクトロルミネッセンス層を形成する有機エレクトロルミネッセンス層形成工程と、
    前記有機エレクトロルミネッセンス層を挟むように前記有機エレクトロルミネッセンス層上に第2電極層を形成する第2電極層形成工程と、
    前記基板と封止するための密着部を有する封止基材の、前記密着部の外周部にシール材を形成するシール材形成工程と、
    前記封止基材を、前記基板と対向するように配置し、前記シール材により前記基板および前記封止基材を封止する封止工程と、
    を有する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、前記シール材形成工程前に、前記シール材の内側、かつ前記密着部の内周部に保護層を形成する保護層形成工程を有し、
    前記シール材形成工程では、前記シール材の一部に、前記シール材により封止された空間と、外部とが連通する開口部を有するように、前記シール材を形成し、
    前記保護層形成工程では、前記保護層の一部に、前記シール材により封止された空間と、外部とが連通する開口部を有するように、前記保護層を形成し、かつ、前記シール材の前記開口部の端部にも前記保護層を形成し、
    前記保護層の材料が、保護層の硬化後に揮発成分を有しない材料であり、
    前記封止工程後に、前記開口部を前記保護層の材料で塞ぐ工程を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  5. 前記封止工程前の、前記シール材の膜厚が、前記保護層の膜厚より厚いことを特徴とする請求項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  6. 前記各工程が、不活性ガスが充填された環境で行われることを特徴とする請求項4または請求項5に記載のエレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  7. 前記各工程が、真空環境で行われることを特徴とする請求項4または請求項5に記載のエレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
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