JP4345643B2 - 二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、二次電池に関するものである。
負極に炭素材料またはリチウム金属を用い、正極にリチウム含有複合酸化物を用いた非水電解液リチウムイオンまたはリチウム二次電池は、高いエネルギー密度を実現できることから携帯電話、ノートパソコン用などの電源として注目されている。この二次電池においては、一般的に電極の表面には表面膜、保護膜、SEIまたは皮膜と呼ばれる膜が生成することが知られている。この表面膜は、充放電効率、サイクル寿命、安全性に大きな影響を及ぼすことから電極の高性能化には表面膜の制御が不可欠であることが知られている。つまり負極材料として炭素材料を用いたとき、その不可逆容量の低減が必要であり、リチウム金属負極においては充放電効率の低下とデンドライト生成による安全性の問題を解決する必要がある。
これらの課題を解決する手法として様々な手法が提案されてきている。例えば、リチウム金属を負極材料として用いた場合、その表面に、化学反応を利用してフッ化リチウム等からなる皮膜層を設けることによってデンドライトの生成を抑制することが提案されている。
特許文献1には、フッ化水素酸を含有する電解液にリチウム負極を曝し、負極をフッ化水素酸と反応させることによりその表面をフッ化リチウムの膜で覆う技術が開示されている。フッ化水素酸は、LiPF6および微量の水の反応により生成する。一方、リチウム負極表面には、空気中での自然酸化により水酸化リチウムや酸化リチウムの表面膜が形成されている。これらが反応することにより、負極表面にフッ化リチウムの表面膜が生成するのである。しかしながら、このフッ化リチウム膜は、電極界面と液との反応を利用して形成されるものであり、副反応成分が表面膜中に混入しやすく、均一な膜が得られにくい場合があった。また、水酸化リチウムや酸化リチウムの表面膜が均一に形成されていない場合や一部リチウムがむきだしになっている部分が存在する場合もあり、これらの場合には均一な薄膜の形成ができないばかりか、水やフッ化水素等とリチウムが反応することによる安全性の問題が生じていた。また、反応が不十分であった場合には、フッ化物以外の不要な化合物成分が残り、イオン伝導性の低下を招く等の悪影響が考えられる。更に、このような界面での化学反応を利用してフッ化物層を形成する方法では、利用できるフッ化物や電解液の選択幅が限定され、安定な表面膜を歩留まり良く形成することが困難な場合があった。
特許文献2では、アルゴンとフッ化水素の混合ガスとアルミニウム−リチウム合金とを反応させ、負極表面にフッ化リチウムの表面膜を得ている。しかしながら、リチウム金属表面にあらかじめ表面膜が存在する場合、特に複数種の化合物が存在する場合には反応が不均一になり易く、フッ化リチウムの膜を均一に形成することが困難な場合があった。この場合、十分なサイクル特性を有するリチウム二次電池を得ることが困難となる。
特許文献3には、均一な結晶構造すなわち(100)結晶面が優先的に配向しているリチウムシートの表面に、岩塩型結晶構造を持つ物質を主成分とする表面皮膜構造を形成する技術が開示されている。こうすることにより、均一な析出溶解反応すなわち電池の充放電を行うことができ、リチウム金属のデンドライト析出を抑え、電池のサイクル寿命が向上できるとされている。表面膜に用いる物質としては、リチウムのハロゲン化物を有していることが好ましく、LiCl、LiBr及びLiIからなる群より選ばれた少なくとも一種と、LiFとの固溶体を用いることが好ましいと述べられている。具体的には、LiCl、LiBr及びLiIからなる群より選ばれた少なくとも一種と、LiFとの固溶体皮膜を形成するために、押圧処理(圧延)により作成した(100)結晶面が優先的に配向しているリチウムシートを、塩素分子もしくは塩素イオン、臭素分子もしくは臭素イオン、ヨウ素分子もしくはヨウ素イオンのうち少なくとも一種とフッ素分子もしくはフッ素イオンを含有している電解液に浸すことにより非水電解質電池用負極を作成している。この技術の場合、圧延のリチウム金属シートを用いており、リチウムシートが大気中に曝され易いため表面に水分などに由来する皮膜が形成され易く、活性点の存在が不均一となり、目的とした安定な表面膜を作ることが困難な場合があり、この場合、デントライトの抑制効果は必ずしも充分に得られなかった。
また、リチウムイオンを吸蔵、放出し得る黒鉛やハードカーボン等の炭素材料を負極として用いた場合、容量および充放電効率の向上に係る技術が報告されている。
特許文献4では、アルミニウムで炭素材料を被覆した負極が提案されている。これにより、リチウムイオンと溶媒和した溶媒分子の炭素表面での還元分解が抑制され、サイクル寿命の劣化を抑えられるとされている。ただし、アルミニウムが微量の水と反応してしまうため、サイクルを繰り返すと急速に容量が低下する場合があった。
また、特許文献5では、炭素材料の表面にリチウムイオン伝導性固体電解質の薄膜を被覆した負極が提示されている。これにより、炭素材料を使用した際に生じる溶媒の分解を抑制し、特に炭酸プロピレンを使用できるリチウムイオン二次電池を提供できるとしている。しかしながら、リチウムイオンの挿入、脱離時の応力変化により固体電解質中に生じるクラックが特性劣化を導く場合があった。また、固体電解質の結晶欠陥等の不均一性により、負極表面において均一な反応が得られずサイクル寿命の劣化につながる場合があった。
また、特許文献6では、負極がグラファイトを含む材料からなり、電解液として環状カーボネート及び鎖状カーボネートを主成分とし、且つ前記電解液中に0.1質量%以上4質量%以下の環式モノスルホン酸エステルである1,3−プロパンスルトン及び/又は1,4−ブタンスルトンを含んだ二次電池が開示されている。ここで、1,3−プロパンスルトンや1,4−ブタンスルトンは、炭素材料表面での不働態皮膜形成に寄与し、天然黒鉛や人造黒鉛などの活性で高結晶化した炭素材料を不働態皮膜で被覆し、電池の正常な反応を損なうことなく電解液の分解を抑制する効果を有するものと考えられている。環式モノスルホン酸エステルの他に特許文献7及び8では鎖状のジスルホン酸エステルを用いても同様な効果が得られると報告されている。しかしながら、特許文献6の環式モノスルホン酸エステル、または特許文献7及び特許文献8の鎖状のジスルホン酸エステルは負極上での皮膜形成が主に起こり、例えば正極上に皮膜を形成することが困難な場合があった。
また、特許文献9及び10にはスルホニル基を2個有する環式スルホン酸エステルの製造方法、非特許文献1〜4には鎖状ジスルホン酸エステルの製造方法が開示されている。
特許文献11では芳香族化合物を電解液溶媒に添加することによって、電解液溶媒の酸化を防ぐことで二次電池の長期にわたる充放電を繰り返した際の容量劣化を抑制している。これは、前記芳香族化合物を優先的に酸化分解させることにより、溶媒の分解を防ぐ技術である。しかしながら、この添加剤を用いた場合、正極表面が被覆されないためにサイクル特性の改善効果は十分とはいえない場合があった。
特許文献12では電解液中に窒素含有不飽和環状化合物を添加することによって高電圧正極を用いた場合のサイクル特性を向上させる技術が記載されている。しかしながら窒素含有不飽和環状化合物は負極の充放電効率を向上させるものの、正極の充放電効率を向上させるものではなかった。
また、前述のリチウム金属や炭素材料を負極として用いた場合の他に、シリコンと銅の固溶体を二次電池用の電極として用いた例が、例えば特許文献13に報告されている。この文献によれば、シリコンのみを用いた電極であるとアルカリ金属等を吸蔵・放出すると体積が4倍程度まで膨張・収縮し、この体積膨張が大きくなると活物質が微粉化したり、集電体との密着性が失われれたり、また電極表面が酸化するため、銅などを用いて固溶化することでアルカリ金属等の吸蔵量を減少させ、活物質の微粉化や集電体からの脱離が生じないように活物質の体積膨張及び収縮を制御できるとしている。さらに、特許文献14には、リチウムと合金化する金属とリチウムと合金化しない金属とからなる合金薄膜を集電体上に設けた負極が報告されている。
特開平7−302617号公報 特開平8−250108号公報 特開平11−288706号公報 特開平5−234583号公報 特開平5−275077号公報 特開2000−3724号公報 特開2000−133304号公報 米国特許第6436582号明細書 特公平5−44946号公報 米国特許第4950768号明細書 特開2003−7334号公報 特開2003−115324号公報 特開2002−075350号公報 特開2002−373647号公報 J. Am. Pham. Assoc.,第l26巻,第485−493頁、1937年 G. Schroeter, Lieb, Ann, Der Chemie,第418巻,第161−257頁、1919年 Biol. Aktiv. Soedin., pp64−69(1968). Armyanskii Khimicheskii Zhurnal,21,pp393−396(1968).
上記従来技術は、次のような共通する課題を有していた。
電極表面に生成する表面膜は、その性質によって充放電効率、サイクル寿命、安全性に深く関わっているが、その膜の制御を長期にわたって行える手法はまだ存在していない。例えば、リチウムからなる層の上にリチウムハロゲン化物またはガラス状酸化物からなる表面膜を形成した場合、初期使用時にはデントライトの抑制効果が一定程度得られるものの、繰り返し使用していると、表面膜が劣化して保護膜としての機能が低下する場合があった。これは、リチウムからなる層は、リチウムを吸蔵・放出することにより体積変化する一方、その上部に位置するリチウムハロゲン化物等からなる被膜は体積変化がほとんどないため、これらの層およびこれらの界面に内部応力が発生することが原因と考えられる。このような内部応力が発生することにより、特にリチウムハロゲン化物等からなる表面膜の一部が破損し、デンドライトの抑制機能が低下するものと考えられる。
黒鉛等の炭素材料を負極に用いた場合、溶媒分子またはアニオンの分解による電荷が不可逆容量成分として現れ、初回充放電効率の低下を導く場合があった。また、このとき生じた膜の組成、結晶状態、安定性等がその後の効率、サイクル寿命に大きな影響を及ぼす。このように、二次電池用電極に皮膜を形成して、充放電効率、サイクル寿命の改善などを図った研究が行われているが、一般的には未だ十分な電池特性が得られていない。
またシリコン等を負極の活物質として用いる場合、銅などと固溶体を形成して用いても体積の膨張収縮を効果的に抑制することは限界があり、更なる改善が望まれていた。
ここで、リチウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属を吸蔵・放出する金属または半金属、例えば元素M(MはSi、Sn、Al、Pb、Ag、Ge及びSbから選ばれた元素)を少なくとも1種以上含む金属または半金属を負極活物質として用いることは、非晶質炭素等の炭素材料を負極活物質として用いた場合よりも高容量化が図れることから、小型・軽量電池を実現する手法として期待されている。しかし、上記のような金属または半金属は充放電に伴う体積膨張・収縮が大きく、得られる電池のサイクル特性が充分ではないことが課題として挙げられる。すなわち、その体積の膨張・収縮による応力によって表面に形成されているSEIにクラック等が入ってしまう場合があった。SEIにクラック等が入ると、電解液の溶媒が負極活物質中に入り込んで分解されガスが発生したり、酸素が入り込んで負極活物質の酸化劣化が起こることがある。したがって、このような金属または半金属を負極活物質として用いた系において、未だ充分な電池特性が得られていない。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、負極活物質として、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を吸蔵・放出する、元素M(MはSi、Sn、Al、Pb、Ag、Ge及びSbから選ばれた元素)を少なくとも1種以上含む金属または半金属を用いた二次電池の電解液中に、鎖状のジスルホン酸エステルを添加することによって電極表面に安定した皮膜を形成し溶媒分子の分解を防止するものである。また、その結果、サイクル特性や充放電効率に優れた二次電池を得ることを目的とするものである。
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を有する。すなわち、本発明は、
正極と、負極と、電解液とを少なくとも備えた二次電池において、
前記負極が、負極活物質として、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を吸蔵・放出する、元素M(MはSi、Sn、Al、Pb、Ag、Ge及びSbから選ばれた元素)を少なくとも1種以上含む金属または半金属を含有し、かつ、
前記電解液は、少なくとも電解質が溶解された非プロトン性溶媒と、下記一般式(1)で示される化合物とを含むことを特徴とする二次電池である。
Figure 0004345643
(但し、上記一般式(1)において、R1およびR4は、それぞれ独立して、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜5のフルオロアルキル基、炭素数1〜5のポリフルオロアルキル基、−SO21(X1は置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキル基)、−SY1(Y1は置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキル基)、−COZ(Zは水素原子、または置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキル基)、及びハロゲン原子、から選ばれる原子または基を示す。R2およびR3は、それぞれ独立して、置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルコキシ基、置換もしくは無置換のフェノキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜5のフルオロアルキル基、炭素数1〜5のポリフルオロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜5のフルオロアルコキシ基、炭素数1〜5のポリフルオロアルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子、−NX23(X2及びX3は、それぞれ独立して、水素原子、または置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキル基)、及び−NY2CONY34(Y2〜Y4は、それぞれ独立して、水素原子、または置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキル基)、から選ばれる原子または基を示す。)
本明細書において、「ポリフルオロアルキレン基」、「ポリフルオロアルキル基」、「ポリフルオロアルコキシ基」はそれぞれ対応するアルキレン基、アルキル基、アルコキシ基の炭素原子に結合した水素原子が全てフッ素原子により置換されたものを表し、「フルオロアルキレン基」、「フルオロアルキル基」、「フルオロアルコキシ基」はそれぞれ対応するアルキレン基、アルキル基、アルコキシ基の炭素原子に結合した水素原子の一部がフッ素原子により置換されたものを表す。
また、「置換フルオロアルキレン基」、「置換フルオロアルキル基」、「置換フルオロアルコキシ基」における「置換」とは炭素原子に結合した水素原子の少なくとも1つがフッ素以外の原子又は官能基に置換されていることを表す。そのフッ素以外の原子又は官能基としては、例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、水酸基、または炭素数1〜5のアルコキシ基、もしくはこれをハロゲン原子もしくは水酸基等で置換した基、もしくはこれらの基中に−SO2−を導入した基(例えば、−OSO2CH2SO2Cl)などとすることができる。この官能基中に炭素原子が含まれる場合、この炭素原子は「置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキル基」等の記載における「炭素数1〜5」の数には含まれないものとする。
本発明によれば、非プロトン性溶媒に本発明による鎖状のジスルホン化合物が含まれる二次電池用電解液を用いることにより、負極活物質として、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を吸蔵・放出する、元素M(MはSi、Sn、Al、Pb、Ag、Ge及びSbから選ばれた元素)を少なくとも1種以上含む金属または半金属を用いた場合でも、得られた二次電池は充放電効率に優れ、サイクル特性が良好で、容量維持率が高く、保存における抵抗上昇の抑制が可能な優れたリチウム二次電池を得ることができる。
(本発明による電池構成の説明)
図1に本発明に係る電池の一例について概略構造を示す。正極集電体11と、リチウムイオンを吸蔵、放出し得る正極活物質を含有する層12と、リチウムイオンを吸蔵、放出する負極活物質を含有する層13と、負極集電体14と、電解液15、およびこれを含むセパレータ16から構成されている。ここで、一般式(1)で表される鎖状のジスルホン酸化合物(鎖状のジスルホン酸エステル)は電解液15に含まれる。
(集電体)
正極集電体11としてはアルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、チタンまたはこれらの合金などを用いることができ、負極集電体14としては銅、ステンレス鋼、ニッケル、チタンまたはこれらの合金を用いることができる。
(セパレータ)
セパレータ16としては、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン、フッ素樹脂等の多孔性フィルムが好ましく用いられる。
(正極)
正極活物質としては通常用いられるリチウム含有複合酸化物が用いられ、具体的にはLiMO2(MはMn,Fe,Coより選ばれ、一部をMg,Al,Tiなどその他カチオンで置換してもよい)、LiMn24などの材料を用いることができる。選択された正極活物質を用い、カーボンブラック等の導電性物質、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)等の結着剤とともにN−メチル−2−ピロリドン(NMP)等の溶剤中に分散混練し、これをアルミニウム箔等の基体上に塗布するなどの方法により正極となる層12を得ることができる。
(負極)
本発明では、負極が含有する負極活物質として、リチウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属を吸蔵・放出する、元素M(MはSi、Sn、Al、Pb、Ag、Ge及びSbから選ばれた元素)を少なくとも1種以上含む金属または半金属を用いる。上記金属または半金属としては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属と合金化可能な金属または半金属を用いることができ、その金属または半金属に含まれる元素Mは、1種でも2種以上でも良い。元素Mを2種以上含む場合、それらの元素は、それぞれ金属または半金属の状態で含んでいても良く、合金の状態で含んでいても良い。中でも、Si、Sn及びAlから選ばれた元素を含む金属または半金属を用いることが好ましく、Si及びSnの少なくとも一方を含む金属または半金属を用いることがより好ましい。
上記のような金属または半金属を負極活物質として用いることは、非晶質炭素等の炭素材料を負極活物質として用いた場合よりも高容量化が図れることから、小型・軽量電池を実現する手法として期待されている。しかし、上記のような金属または半金属は充放電に伴う体積膨張・収縮が大きく、得られる電池のサイクル特性が充分ではなかった。本発明のように、後述の一般式(1)の添加剤を併用することで、その体積の膨張・収縮による応力によって表面に形成されているSEIにクラック等が入っても、速やかに皮膜が形成されるため電解液の溶媒の消費が抑制されると考えられる。すなわち、これにより溶媒分解によるガス発生を防ぐことができる。また、皮膜が形成されることによって表面への酸素供給も遮断されるため、活物質の酸化による劣化も抑制されると考えられる。その結果、本発明の電池は、上記のような金属または半金属を負極活物質として用いた場合でも、良好なサイクル特性が得られていると考えられる。
本発明では、負極が含有する負極活物質中に、上記の金属または半金属に含まれる元素Mの他に、アルカリ金属またはアルカリ土類金属と合金化しない元素Xを含むこともできる。これらの元素Xは、負極活物質の充放電に伴う体積変化の抑制や導電性の向上に効果があり、このような構成の負極活物質とした場合でも上記と同様の効果も得られる。元素Xとしては、例えば、Fe、Ni、Cu及びTiから選ばれた元素が挙げられる。これらの元素Xは、アルカリ金属またはアルカリ土類金属と合金化しない状態であれば、存在する状態は問わない。負極活物質中に含まれる元素Xは、1種でも良く、2種以上でも良い。負極活物質中に2種以上の元素Xを含む場合、それらの元素は、それぞれ金属や金属化合物の状態で含んでいても良く、合金や合金化合物の状態で含んでいても良い。さらに、上記の元素Mを含む金属または半金属と合金化されている状態でも良い。
上記元素Xを含む負極活物質の場合、上記元素Mと元素Xとの比率が、原子数比で元素M:元素X=19:1〜1:9であることが好ましい。元素Xが多すぎると、充放電に関与する金属または半金属の割合が少なくなることから、負極の体積エネルギー密度や重量エネルギー密度が小さくなる傾向が見られ、元素Xが少なすぎると、元素Xを添加したことによる効果、すなわち負極活物質の充放電に伴う体積変化の抑制や導電性の向上効果が小さくなる傾向が見られる。より好ましくは原子数比で元素M:元素X=14:1〜3:7であり、さらに好ましくは元素M:元素X=9:1〜5:5である。
本発明の負極活物質は、上記の他にリチウム金属、リチウム合金等の、リチウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属を吸蔵・放出する材料を含むことができる。
以上のような中から選択された負極活物質の粒子を用い、カーボンブラック等の導電性物質(導電性付与材)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)等の結着剤とともにN−メチル−2−ピロリドン(NMP)等の溶剤中に分散混練し、これを銅箔等の基体上に塗布するなどの方法により負極となる層13を得ることができる。複数の粒子を分散させる際には、メカニカルミリング等の方法によりあらかじめ混合したものを使用することもできる。
また、選択された負極活物質を、融液冷却方式、液体急冷方式、アトマイズ方式、真空蒸着方式、スパッタリング方式、プラズマCVD方式、光CVD方式、熱CVD方式、ゾルーゲル方式、などの適宜な方式により基体上に成膜して負極となる層13を得ることもできる。
(電解液)
電解液15は電解質、非プロトン性溶媒と添加剤とを少なくとも有する。
(電解質)
電解質は、リチウム二次電池の場合にはリチウム塩を用い、これを非プロトン性溶媒中に溶解させる。リチウム塩としては、リチウムイミド塩、LiPF6、LiAsF6、LiAlCl4、LiClO4、LiBF4、LiSbF6などがあげられる。リチウムイミド塩としては、LiN(Ck2k+1SO2)(Cm2m+1SO2)(k,mは、それぞれ独立して1又は2)があげられる。この中でも特にLiPF6、LiBF4が好ましい。これらは単独で、又は複数種を組み合わせて用いることができる。これらのリチウム塩を含むことで高エネルギー密度を達成することができる。
(非プロトン性溶媒)
また、非プロトン性電解液としては、環状カーボネート類、鎖状カーボネート類、脂肪族カルボン酸エステル類、γ−ラクトン類、環状エーテル類、鎖状エーテル類およびこれらのフッ化誘導体の有機溶媒から選ばれた少なくとも1種類の有機溶媒を用いる。より具体的には、
環状カーボネート類:プロピレンカーボネート(以下、PCと略記。)、エチレンカーボネート(以下、ECと略記。)、ブチレンカーボネート(BC)、およびこれらの誘導体
鎖状カーボネート類:ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(以下、DECと略記。)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジプロピルカーボネート(DPC)、およびこれらの誘導体
脂肪族カルボン酸エステル類:ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸エチル、およびこれらの誘導体
γ−ラクトン類:γ−ブチロラクトン、およびこれらの誘導体
環状エーテル類:テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、およびこれらの誘導体
鎖状エーテル類:1,2−ジエトキシエタン(DEE)、エトキシメトキシエタン(EME)、ジエチルエーテル、およびこれらの誘導体
その他:ジメチルスルホキシド、1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、プロピオニトリル、ニトロメタン、エチルモノグライム、リン酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、メチルスルホラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、アニソール、N−メチルピロリドン、フッ素化カルボン酸エステル
これらを一種又は二種以上を混合して使用することができる。
(添加剤)
添加剤としては、一般式(1)で示した鎖状のジスルホン酸エステルを用いる。
Figure 0004345643
(但し、上記一般式(1)において、R1およびR4は、それぞれ独立して、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜5のフルオロアルキル基、炭素数1〜5のポリフルオロアルキル基、−SO21(X1は置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキル基)、−SY1(Y1は置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキル基)、−COZ(Zは水素原子、または置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキル基)、及びハロゲン原子、から選ばれる原子または基を示す。R2およびR3は、それぞれ独立して、置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルコキシ基、置換もしくは無置換のフェノキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜5のフルオロアルキル基、炭素数1〜5のポリフルオロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜5のフルオロアルコキシ基、炭素数1〜5のポリフルオロアルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子、−NX23(X2及びX3は、それぞれ独立して、水素原子、または置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキル基)、及び−NY2CONY34(Y2〜Y4は、それぞれ独立して、水素原子、または置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキル基)、から選ばれる原子または基を示す。)
一般式(1)によって示される化合物は、非環式化合物であり合成時に環化反応を伴わず、例えば非特許文献1〜4を用いて合成が可能である。また、特許文献9に示される環式ジスルホン酸エステルの合成の副生成物として得ることもできる。このように、一般式(1)で示される化合物は合成の工程が容易であるため、安価な電解液を提供できる利点がある。
前記一般式(1)のR1およびR4の好ましい分子構造としては、電極上でおこる反応性皮膜の形成の容易性、化合物の安定性、取り扱いの容易性、溶媒への溶解性、化合物の合成の容易性、価格などの観点から、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、ハロゲン原子、及び−SO21(X1は置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキル基)から選ばれる原子又は基が好ましく、それぞれ独立して水素原子又は無置換の炭素数1〜5のアルキル基がより好ましく、水素原子又はメチル基がさらに好ましい。R1およびR4の特に好ましい形態としては、R1およびR4が水素原子の場合である。R1とR4が水素原子であると、二つのスルホニル基で挟まれたメチレン部位が活性化し、電極上での反応皮膜を形成しやすくなるためである。
また、R2およびR3において、化合物の安定性、化合物の合成の容易性、溶媒への溶解性、価格などの観点から、それぞれ独立して、置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルコキシ基、置換もしくは無置換のフェノキシ基、水酸基、ハロゲン原子、及び−NX23(X2及びX3は、それぞれ独立して、水素原子、または置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキル基)、から選ばれる原子又は基が好ましく、それぞれ独立して、置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキル基、あるいは置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルコキシ基がより好ましく、さらに好ましくはR2とR3のどちらか一方または両方が置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルコキシ基である。また、同様の理由から、上記置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキル基としてはメチル基又はエチル基が良く、上記置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルコキシ基としてはメトキシ基又はエトキシ基が良い。
一般式(1)の化合物は、スルホニル基を二つ有しておりLUMOが小さく、電解液中の溶媒分子、モノスルホン酸エステルよりもLUMOが小さい値を持つので還元され易い。例えば下記表1に示す化合物No.1のLUMOは半経験的分子軌道計算によると−0.86eVと小さい。そのため環状カーボネートや鎖状カーボネートからなる溶媒(LUMO:約1.2eV)より先に化合物No.1の還元皮膜が負極に形成され溶媒分子の分解を抑制する役割を担うと考えられる。溶媒分子の分解を抑制するため高抵抗性の溶媒分子の分解皮膜が負極上に形成されにくくなるため抵抗上昇の抑制やサイクル特性の向上が期待できる。また、炭素原子に電子吸引性のスルホニル基が二つ結合した形になっており、炭素原子の活性化よって電極上で皮膜が形成され易いことも考えられる。更に、活性メチレンが脱プロトン化することで生じるカルボアニオンはLiを配位したり、正極上で反応し皮膜を形成したりすることも考えられる。
以下に一般式(1)の具体例を示すが、本発明は特にこれらに限定されるものではない。
Figure 0004345643
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一般式(1)で表される化合物は、特に限定されないが電解液中に0.1質量%以上5.0質量%以下含まれることが好ましい。0.1質量%未満では電極表面での電気化学反応による皮膜形成に十分効果が発揮されない場合がある。また、5.0質量%を越えると溶解しにくくなるだけでなく電解液の粘性を大きくしてしまう場合がある。本発明においてより好ましくは、0.5質量%〜3.0質量%の範囲で添加するとより十分な皮膜効果が得られる。
一般式(1)に示す化合物は、単独或いは2種類以上を組み合わせて用いてもよい。2種類以上を組み合わせて用いる場合、特に限定されないが電極との皮膜形成の容易性の観点から少なくとも一つは活性メチレン基を有する化合物(すなわちR1及びR4が水素の化合物)が含まれることが有効である。具体的組み合わせとしては、前記化合物No.1(活性メチレン基を有する化合物)と化合物No.5の化合物である。
電解液に一般式(1)の化合物を2種類以上添加させる場合、電解液に占める割合は特に限定されないが前述と同様な理由により、2種類合わせて0.1質量%以上5.0質量%以下が好ましい。また、一般式(1)の化合物を2種類以上添加する場合、一般式(1)の化合物の全質量に対する各化合物の比率としては特に限定されるものではないが、最も少ない化合物の割合が5質量%、最も多い化合物の割合が95質量%とすることが好ましい。
更に、一般式(1)の化合物を含む電解液中に、環式モノスルホン酸エステル、スルホニル基を2個有する環式スルホン酸エステル、アルカンスルホン酸無水物、スルホレン化合物の内、少なくとも一種が含まれる電解液を用いるこことも有効である。
環式モノスルホン酸エステルとしては下記一般式(2)で示される化合物があげられる。
Figure 0004345643
(但し、上記一般式(2)において、nは0以上2以下の整数である。また、R5〜R10は、それぞれ独立して、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜12のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜6のフルオロアルキル基、及び炭素数1〜6のポリフルオロアルキル基、から選ばれる原子または基を示す。)
上記一般式(2)で示される化合物おいて、化合物の安定性、化合物の合成の容易性、溶媒への溶解性、価格などの観点から、nは0または1が好ましく、R5〜R10は、それぞれ独立して、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜12のアルキル基、及び炭素数1〜5のポリフルオロアルキル基、から選ばれる原子又は基が好ましく、それぞれ独立して、水素原子、または炭素数1〜5のポリフルオロアルキル基がより好ましい。さらに好ましくは、R5〜R10の全てが水素原子、またはR5〜R10の1つもしくは2つが炭素数1〜5のポリフルオロアルキル基で他が水素原子である。上記の炭素数1〜5のポリフルオロアルキル基としては、トリフルオロメチル基が好ましい。
具体的には、1,3−プロパンスルトン(1,3−PS)、α−トリフルオロメチル−γ−スルトン、β−トリフルオロメチル−γ−スルトン、γ−トリフルオロメチル−γ−スルトン、α−メチル−γ−スルトン、α,β−ジ(トリフルオロメチル)−γ−スルトン、α,α−ジ(トリフルオロメチル)−γ−スルトン、α−ウンデカフルオロペンチル−γ−スルトン、α−ヘプタフルオロプロピル−γ−スルトン、1,4−ブタンスルトン(1,4−BS)などがあげられる。
中でも1,3−プロパンスルトン(1,3−PS)はリチウムイオン二次電池の負極上での分解皮膜を形成すると考えられている。1,3−PSのLUMOは0.07eVであり、本発明の化合物No.1のそれ(−0.86eV)よりも大きい。例えば本発明の化合物No.1と1,3−PSとを電解液に添加し、充電した場合、先ず化合物No.1の物質が負極に皮膜を形成し、次に1,3−PSが皮膜を形成することが考えられる。充電初期には負極表面のある部分と化合物No.1が主に反応するが、化合物No.1と反応しなかった部分(溶媒分子と反応する可能性がある部分)での充電が進行して1,3−PSと反応し、結果として化合物No.1と1,3−PSとの複合皮膜が形成され、更なる抵抗上昇の抑制効果、電池の膨れ抑制などが期待できる。
一般式(2)の化合物を電解液に添加する場合、その電解液中の含量は特に限定されるものではないが、電解液中に0.5質量%以上10.0質量%以下含まれることが好ましい。0.5質量%未満では電極表面での電気化学反応による皮膜形成に十分効果が発揮されない場合がある。10.0質量%を越えると電解液の粘性を大きくしてしまう場合がある。また、一般式(1)及び一般式(2)の化合物中の一般式(2)の比率としては、それぞれ一般式(1)の化合物と一般式(2)の化合物を合わせた全質量に対して10〜90質量%が好ましい。
スルホニル基を2個有する環式スルホン酸エステルとしては下記一般式(3)で示される化合物があげられる。
Figure 0004345643
(但し、上記一般式(3)において、Qは酸素原子、メチレン基または単結合、Aは、置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキレン基、カルボニル基、スルフィニル基、炭素数1〜5のポリフルオロアルキレン基、置換もしくは無置換の炭素数1〜5のフルオロアルキレン基、置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキレン基におけるC−C結合の少なくとも一箇所がC−O−C結合となった基、炭素数1〜5のポリフルオロアルキレン基におけるC−C結合の少なくとも一箇所がC−O−C結合となった基、及び置換もしくは無置換の炭素数1〜5のフルオロアルキレン基におけるC−C結合の少なくとも一箇所がC−O−C結合となった基、から選ばれる基を示す。Bは置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキレン基、炭素数1〜5のポリフルオロアルキレン基、及び置換もしくは無置換の炭素数1〜5のフルオロアルキレン基、から選ばれる基を示す。)
上記一般式(3)で示される化合物おいて、化合物の安定性、化合物の合成の容易性、溶媒への溶解性、価格などの観点から、Aは、置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキレン基、炭素数1〜5のポリフルオロアルキレン基、置換もしくは無置換の炭素数1〜5のフルオロアルキレン基、置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキレン基におけるC−C結合の少なくとも一箇所がC−O−C結合となった基、炭素数1〜5のポリフルオロアルキレン基におけるC−C結合の少なくとも一箇所がC−O−C結合となった基、及び置換もしくは無置換の炭素数1〜5のフルオロアルキレン基におけるC−C結合の少なくとも一箇所がC−O−C結合となった基、から選ばれる基が好ましい。置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキレン基、炭素数1〜5のポリフルオロアルキレン基、および置換もしくは無置換の炭素数1〜5のフルオロアルキレン基、から選ばれる基がより好ましく、置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキレン基がさらに好ましく、メチレン基、エチレン基又は2,2−プロパンジイル基が特に好ましい。上記の炭素数1〜5のフルオロアルキレン基は、メチレン基とジフルオロメチレン基を含むことが好ましく、メチレン基とジフルオロメチレン基とで構成されていることがより好ましい。
また、同様の理由から、Bは炭素数1〜5のアルキレン基が好ましく、メチレン基、1,1−エタンジイル基、または2,2−プロパンジイル基がより好ましい。
これらのスルホニル基を2個有する環式スルホン酸エステルは、特許文献9に開示されているものを含むものである。一般式(3)に示す具体的化合物を以下に列挙するがこれらに限定されるものではない。
Figure 0004345643
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これらの化合物は本発明の一般式(1)の化合物と同準位のLUMOを有し、且つスルホニル基を二つ以上有するため、例えば化合物No.1と化合物No.21(MMDS)の物質とを電解液に添加すると、充電初期に高イオン伝導性の複合皮膜が形成され易い。MMDSは環式の化合物であり開環することで負極と反応し皮膜を形成しやすい化合物であると考えられる。
MMDSが負極上でかなり選択的に皮膜形成に寄与するとすれば、化合物No.1の物質は負極上での皮膜形成確率が相対的に減少するが、逆に正極上での反応確率が高くなり正極上での皮膜形成が達成される。その結果、正極上での溶媒分解抑制も期待できる。
一般式(3)の化合物を電解液に添加する場合、一般式(3)の化合物の電解液中の含量は特に限定されるものではないが、電解液中に0.5質量%以上10.0質量%以下含まれることが好ましい。0.5質量%未満では電極表面での電気化学反応による皮膜形成に十分効果が発揮されない場合がある。10.0質量%を越えると電解液の粘性を大きくしてしまう場合がある。一般式(1)と一般式(3)中の、一般式(3)の化合物の比率としては、一般式(1)及び一般式(3)の化合物の全質量の10〜90質量%が好ましい。また、これに加えて一般式(2)の化合物を用いる場合には、一般式(1)、一般式(2)及び一般式(3)の化合物の全質量の10〜90質量%が好ましい。
本発明では、場合によっては前記電解液中にビニレンカーボネート(VC)及びその誘導体の少なくとも一種を添加することができる。ビニレンカーボネート(VC)及びその誘導体の少なくとも一種を添加することで更にサイクル特性の改善を図ることができる。VCのLUMOは0.09eVであり一般式(1)の化合物よりも還元反応を受けにくい、初期の充放電で還元反応を受けて消費することなく長期に渡って電解液に存在すると考えられる。そのため、充放電サイクル時に徐々に消費されることでサイクル特性向上に寄与することができる。前記ビニレンカーボネート及びその誘導体の少なくとも一種を電解液の添加剤として使用する場合には、電解液中に0.05質量%〜3.0質量%含ませることで効果が得られる。
一般式(1)の化合物とVC、一般式(1)の化合物とそれ以外の添加剤と更にVCを電解液に添加する場合、VCの電解液全体に占める割合は特に限定されるものではないが0.5質量%〜10.0質量%が好ましい。0.5質量%未満では電極表面での電気化学反応による皮膜形成に十分効果が発揮されない場合がある。10.0質量%を越えると電解液の粘性を大きくしてしまう場合がある。
本発明の電解液は、一般式(1)で表される化合物を電解液にあらかじめ添加・溶解することによりもたらされる。この電解液に適宜その他の添加材料(環式モノスルホン酸エステル、スルホニル基を2個有する環式スルホン酸エステル、スルホラン、アルカンスルホン酸無水物、スルホレン化合物あるいはビニレンカーボネート化合物)を加えることにより、所望の電解液を得ることができる。
本発明に係る二次電池の形状としては、特に制限はないが、例えば、円筒型、角型、コイン型、ラミネート型などがあげられる。この中でラミネート型とは合成樹脂と金属箔との積層体からなる可撓性フィルム等よりなる外装体によって封口された形状を有するものであり、円筒型、角型、コイン型等の電池缶よりなる外装体に封入したものと比して内圧の上昇による影響を受けやすく、従って電極と電解液との界面との化学反応の制御がより重要となる。本発明による一般式(1)で表される鎖状のジスルホン化合物を含有する二次電池であれば、ラミネート型の電池であっても抵抗上昇の抑制や電池の膨れ(ガス発生及び内圧の上昇)を抑制することが可能である。従って、自動車用途など大型のリチウムイオン二次電池においても、安全性や長期信頼性を確保することが可能となる。
本発明に係るリチウム二次電池は、乾燥空気または不活性ガス雰囲気において、負極13および正極12を、セパレータ16を介して積層、あるいは積層したものを捲回した後に、外装体に挿入し、一般式(1)で表される化合物を含む電解液を含浸させた後、電池外装体を封止することで得られる。封止前または封止後に、電池を充電することにより、前記電極上の皮膜を形成させることで本発明の効果を得ることが可能である。
また、本発明の一般式(1)で示される鎖状ジスルホン酸エステルはリチウム二次電池に限らず、他の電気化学デバイス用電解液の添加剤としても使用することもできる。他の電気化学デバイスとしては、例えば有機ラジカル電池、キャパシタ、色素増感型湿式太陽電池が挙げられる。
(電池の作製)
表1または2に記載の正極活物質および導電性付与剤を乾式混合し、バインダーであるPVDFを溶解させたN−メチル−2−ピロリドン(NMP)中に均一に分散させスラリーを作製した。導電性付与剤としてはカーボンブラックを用いた。そのスラリーを正極集電体となるアルミ金属箔(角型、円筒型の場合には20μm、ラミネート型の場合には25μm)上に塗布後、NMPを蒸発させることにより正極シートとした。正極中の固形分比率は正極活物質:導電性付与剤:PVDF=80:10:10(質量%)とした。
一方、負極活物質としては表1または2に記載のものとした。負極活物質を粒子状とする場合、負極活物質:PVDF:導電性付与材=90:9:1(質量%)の比率となるように乾式混合したものをNMPに分散させ、負極集電体となる銅箔(角型、円筒型の場合には10μm、ラミネート型の場合には20μm)上に塗布して作製した。また負極活物質を膜状とする場合、真空蒸着方式、スパッタリング方式、及びCVD方式から適宜選択し負極活物質を成膜した。これら負極の膜厚は正極との容量比によって設定するものであり(以下A/Cバランスと記載)、ここでAは負極の単位表面積あたりの容量、Cは正極の単位表面積あたりの容量)、このA/Cバランスが1以上1.7以下となるように正極と負極の塗布量を決定した。
電解液は、表1または2に記載の溶媒、電解質として1mol/LのLiPF6、及び表1または2に記載の添加剤を溶解したものを用いた。なお添加剤の欄の括弧内の数字は電解液内における添加剤の質量%を示す。
その後、負極と正極とをポリエチレンからなるセパレータを介して積層し、角型二次電池(実施例1〜29並びに比較例1及び2)、円筒型二次電池(実施例43〜48及び比較例6)、及びアルミニウムラミネートフィルム型二次電池(実施例30〜42及び比較例3〜5)を作製した。アルミニウムラミネートフィルム型二次電池の場合、用いたラミネートフィルムはポリプロピレン樹脂(封着層、厚み70μm)、ポリエチレンテレフタレート(20μm)、アルミニウム(50μm)、ポリエチレンテレフタレート(20μm)の順に積層した構造を有する。これを所定の大きさに2枚切り出し、その一部分に上記の積層電極体の大きさに合った底面部分と側面部分とを有する凹部を形成し、これらを対向させて上記の積層電極体を包み込み、周囲を熱融着させてフィルム外装電池を作製した。最後の1辺を熱融着封口する前に電解液を積層電極体に含浸させた。
(電池の評価)
上記プロセスによって作製した電池は、温度20℃において、充電レート1.0C、放電レート1.0C、充電終止電圧4.2V、放電終止電圧3.0V、として充放電サイクル試験を行った。その結果は表3及び4に示した。なお、400サイクル後の容量維持率(%)とは400サイクル試験後の放電容量(mAh)を、10サイクル試験後の放電容量(mAh)で割った値に100をかけたものである。400サイクル後の抵抗維持率とは、サイクル試験前の抵抗を1としたときの、400サイクル試験後の抵抗を相対値で示したものである。
(実施例1)
負極活物質を含有する層は、負極活物質としてSiをCVD法によって成膜して作製した。正極活物質を含有する層に含まれる正極活物質にはLiCoO2を用いた。電解液には、EC/DEC/EMC=30/50/20(体積比)中に、電解質として1mol/LのLiPF6、及び添加剤として化合物No.1を0.5質量%含むものを用いた。電池の外装体にはアルミ製の角型容器を用いた。正極と負極の容量比A/Cバランスは1.05とした。
(実施例2)
負極活物質を含有する層は、負極活物質としてSnを蒸着によって成膜して作製した。それ以外の条件は実施例1と同じとした。
(実施例3)
負極活物質を含有する層は、負極活物質としてAlをスパッタによって成膜して作製した。それ以外の条件は実施例1と同じとした。
(実施例4)
負極活物質を含有する層は、負極活物質として平均粒径10μmのPbを用いて作製した。それ以外の条件は実施例1と同じとした。
(実施例5)
負極活物質を含有する層は、負極活物質として平均粒径10μmのAgを用いて作製した。それ以外の条件は実施例1と同じとした。
(実施例6)
負極活物質を含有する層は、負極活物質としてGeをスパッタによって成膜して作製した。それ以外の条件は実施例1と同じとした。
(実施例7)
負極活物質を含有する層は、負極活物質としてSbを蒸着によって成膜して作製した。それ以外の条件は実施例1と同じとした。
(実施例8)
負極活物質を含有する層は、負極活物質としてSiとAlとの2つのスパッタ源を使用し同時に成膜して作製した(Si原子数:Al原子数=5:5)。それ以外の条件は実施例1と同じとした。
(実施例9)
負極活物質を含有する層は、負極活物質として平均粒径10μmのSiと平均粒径10μmのSnとをメカニカルミリングで混合した粒子を用いて作製した(Si原子数:Sn原子数=5:5)。それ以外の条件は実施例1と同じとした。
(実施例10)
負極活物質を含有する層は、負極活物質としてSiとLiとの2つの蒸着源を使用し同時蒸着によって成膜して作製した(Si原子数:Li原子数=5:5)。それ以外の条件は実施例1と同じとした。
(実施例11)
添加剤は化合物No.2を用いた。それ以外の条件は実施例1と同じとした。
(実施例12)
添加剤は化合物No.3を用いた。それ以外の条件は実施例1と同じとした。
(実施例13)
添加剤は化合物No.4を用いた。それ以外の条件は実施例1と同じとした。
(実施例14)
添加剤は化合物No.6を用いた。それ以外の条件は実施例1と同じとした。
(実施例15)
添加剤は化合物No.9を用いた。それ以外の条件は実施例1と同じとした。
(実施例16)
添加剤は化合物No.10を用いた。それ以外の条件は実施例1と同じとした。
(実施例17)
添加剤は化合物No.15を用いた。それ以外の条件は実施例1と同じとした。
(実施例18)
添加剤は化合物No.16を用いた。それ以外の条件は実施例1と同じとした。
(実施例19)
添加剤は化合物No.19を用いた。それ以外の条件は実施例1と同じとした。
(比較例1)
負極活物質を含有する層は、負極活物質としてSiを蒸着によって成膜して作製した。また、電解液には添加剤を使用しなかった。それ以外の条件は実施例1と同じとした。
(実施例20)
負極活物質を含有する層は、負極活物質としてSiをCVD法によって成膜して作製した。正極活物質を含有する層に含まれる正極活物質にはLiMnO2を用いた。電解液には、PC/EC/DEC=20/20/60(体積比)中に、電解質として1mol/LのLiPF6、及び添加剤として化合物No.1を0.5質量%含むものを用いた。電池の外装体にはアルミ製の角型容器を用いた。正極と負極の容量比A/Cバランスは1.05とした。
(実施例21)
負極活物質を含有する層は、負極活物質としてSnを蒸着によって成膜して作製した。それ以外の条件は実施例20と同じとした。
(実施例22)
負極活物質を含有する層は、負極活物質としてAlをスパッタによって成膜して作製した。それ以外の条件は実施例20と同じとした。
(実施例23)
負極活物質を含有する層は、負極活物質として平均粒径10μmのPbを用いて作製した。それ以外の条件は実施例20と同じとした。
(実施例24)
負極活物質を含有する層は、負極活物質として平均粒径10μmのAgを用いて作製した。それ以外の条件は実施例20と同じとした。
(実施例25)
負極活物質を含有する層は、負極活物質としてGeをスパッタによって成膜して作製した。それ以外の条件は実施例20と同じとした。
(実施例26)
負極活物質を含有する層は、負極活物質としてSbを蒸着によって成膜して作製した。それ以外の条件は実施例20と同じとした。
(実施例27)
負極活物質を含有する層は、負極活物質としてSiとAlとの2つのスパッタ源を使用し同時に成膜して作製した(Si原子数:Al原子数=5:5)。それ以外の条件は実施例20と同じとした。
(実施例28)
負極活物質を含有する層は、負極活物質として平均粒径10μmのSiと平均粒径10μmのSnとをメカニカルミリングで混合した粒子を用いて作製した(Si原子数:Sn原子数=5:5)。それ以外の条件は実施例20と同じとした。
(実施例29)
負極活物質を含有する層は、負極活物質としてSiとLiとの2つの蒸着源を使用し同時蒸着によって成膜して作製した(Si原子数:Li原子数=5:5)。それ以外の条件は実施例20と同じとした。
(比較例2)
負極活物質を含有する層は、負極活物質としてSiを蒸着によって成膜して作製した。また、電解液には添加剤を使用しなかった。それ以外の条件は実施例20と同じとした。
(実施例30)
負極活物質を含有する層は、負極活物質としてSiと元素Xに相当するFeとの2つ蒸着源を使用し同時蒸着によって成膜して作製した(Si原子数:Fe原子数=19:1)。正極活物質を含有する層に含まれる正極活物質にはLiCoO2を用いた。電解液には、EC/DEC/EMC=30/50/20(体積比)中に、電解質として1mol/LのLiPF6、及び添加剤として化合物No.1を0.5質量%含むものを用いた。電池の外装体にはアルミニウム箔をラミネートでコーティングした部材で容器を作製し用いた。正極と負極の容量比A/Cバランスは1.05とした。
(実施例31)
負極活物質を含有する層は、負極活物質としてSnと元素Xに相当するCuとの2つのスパッタ源を使用し同時に成膜して作製した(Sn原子数:Cu原子数=3:7)。それ以外の条件は実施例30と同じとした。
(実施例32)
負極活物質を含有する層は、負極活物質として平均粒径10μmのSi−Al合金粒子と平均粒径10μmの元素Xに相当するNi粒子とをメカニカルミリングで混合した粒子を用いて作製した(Si原子数:Al原子数:Ni原子数=10:9:1)。それ以外の条件は実施例30と同じとした。
(実施例33)
負極活物質を含有する層は、負極活物質として平均粒径10μmのSi−Sn合金粒子と平均粒径10μmの元素Xに相当するTi粒子とをメカニカルミリングで混合した粒子を用いて作製した(Si原子数:Sn原子数:Ti原子数=5:5:90)。それ以外の条件は実施例30と同じとした。
(実施例34)
負極活物質を含有する層は、負極活物質として平均粒径10μmのSi−Li合金粒子と平均粒径10μmの元素Xに相当するFe粒子とをメカニカルミリングで混合した粒子を用いて作製した(Si原子数:Li原子数:Fe原子数=9:4:1)。それ以外の条件は実施例30と同じとした。
(比較例3)
負極活物質を含有する層は、負極活物質としてSiと元素Xに相当するFeとの2つ蒸着源を使用し同時蒸着によって成膜して作製した(Si原子数:Fe原子数=19:1)。また、電解液には添加剤を使用しなかった。それ以外の条件は実施例30と同じとした。
(実施例35)
負極活物質を含有する層は、負極活物質としてSiを蒸着によって成膜して作製した。正極活物質を含有する層に含まれる正極活物質にはLiMn24を用いた。電解液には、PC/EC/DEC=20/20/60(体積比)中に、電解質として1mol/LのLiPF6、及び添加剤として化合物No.1を0.5質量%含むものを用いた。電池の外装体にはアルミニウム箔をラミネートでコーティングした部材で容器を作製し用いた。正極と負極の容量比A/Cバランスは1.05とした。
(実施例36)
負極活物質を含有する層は、負極活物質としてSnを蒸着によって成膜して作製した。それ以外の条件は実施例35と同じとした。
(実施例37)
負極活物質を含有する層は、負極活物質としてSiと元素Xに相当するFeとの2つのスパッタ源を使用し同時に成膜して作製した(Si原子数:Fe原子数=7:3)。それ以外の条件は実施例35と同じとした。
(実施例38)
負極活物質を含有する層は、負極活物質としてSiを蒸着によって成膜して作製した。また、添加剤は、化合物No.1を0.5質量%、及び1,3−PSを3質量%用いた。それ以外の条件は実施例35と同じとした。
(実施例39)
負極活物質を含有する層は、負極活物質としてSnを蒸着によって成膜して作製した。また、添加剤は、化合物No.1を0.5質量%、及び1,3−PSを3質量%用いた。それ以外の条件は実施例35と同じとした。
(実施例40)
負極活物質を含有する層は、負極活物質としてSiと元素Xに相当するFeとの2つのスパッタ源を使用し同時に成膜して作製した(Si原子数:Fe原子数=7:3)。また、添加剤は、化合物No.1を0.5質量%、及び1,3−PSを3質量%用いた。それ以外の条件は実施例35と同じとした。
(実施例41)
負極活物質を含有する層は、負極活物質としてSiと元素Xに相当するFeとの2つのスパッタ源を使用し同時に成膜して作製した(Si原子数:Fe原子数=7:3)。また、添加剤は、化合物No.1を0.5質量%、1,3−PSを3質量%、及びVCを1質量%用いた。それ以外の条件は実施例35と同じとした。
(実施例42)
負極活物質を含有する層は、負極活物質としてSiと元素Xに相当するFeとの2つのスパッタ源を使用し同時に成膜して作製した(Si原子数:Fe原子数=7:3)。また、添加剤は、化合物No.1を0.5質量%、及びMMDSを0.5質量%用いた。それ以外の条件は実施例35と同じとした。
(比較例4)
負極活物質を含有する層は、負極活物質としてSiと元素Xに相当するFeとの2つのスパッタ源を使用し同時に成膜して作製した(Si原子数:Fe原子数=7:3)。また、電解液には添加剤を使用しなかった。それ以外の条件は実施例35と同じとした。
(比較例5)
負極活物質を含有する層は、負極活物質としてSiと元素Xに相当するFeとの2つのスパッタ源を使用し同時に成膜して作製した(Si原子数:Fe原子数=7:3)。また、電解液には、添加剤は1,3−PSを3質量%用いた。それ以外の条件は実施例35と同じとした。
(実施例43)
負極活物質を含有する層は、負極活物質としてSiと元素Xに相当するFeとの2つのスパッタ源を使用し同時に成膜して作製した(Si原子数:Fe原子数=7:3)。正極活物質を含有する層に含まれる正極活物質にはLiCoO2を用いた。電解液には、EC/DEC/EMC=30/50/20(体積比)中に、電解質として1mol/LのLiPF6、及び添加剤として化合物No.1を0.01質量%含むものを用いた。電池の外装体には18650円筒型容器を用いた。正極と負極の容量比A/Cバランスは1.05とした。
(実施例44)
添加剤は、化合物No.1を0.1質量%用いた。それ以外の条件は実施例43と同じとした。
(実施例45)
添加剤は、化合物No.1を0.75質量%用いた。それ以外の条件は実施例43と同じとした。
(実施例46)
添加剤は、化合物No.1を3質量%用いた。それ以外の条件は実施例43と同じとした。
(実施例47)
添加剤は、化合物No.1を5質量%用いた。それ以外の条件は実施例43と同じとした。
(実施例48)
添加剤は、化合物No.1を8質量%用いた。それ以外の条件は実施例43と同じとした。
(比較例6)
電解液には添加剤を使用しなかった。それ以外の条件は実施例43と同じとした。
Figure 0004345643
Figure 0004345643
Figure 0004345643
Figure 0004345643
(一般式(1)で示される化合物による効果の検証)
実施例1〜10における容量維持率は、比較例1の容量維持率より大きく上回っている。これは、化合物No.1によって、負極活物質としてアルカリ金属またはアルカリ土類金属を吸蔵・放出する、元素M(MはSi、Sn、Al、Pb、Ag、Ge及びSbから選ばれた元素)を少なくとも1種以上含む金属または半金属を用いた電池の場合、負極表面に存在する表面膜の安定化と、その膜の高いイオン伝導性によって、不可逆反応が抑制されたためなどが理由として考えられる。また、実施例11〜19においても同様の傾向が見られ、一般式(1)で示される化合物による効果が確認された。正極活物質としてLiMnO2を用いた実施例20〜29の容量維持率も、化合物No.1を含まない比較例2の容量維持率より大きく上回っており、実施例1と同様の効果があることが確認された。
実施例30〜34は、比較例3と比べてサイクル時における容量維持率が高いことがわかる。この結果から、上記金属または半金属とアルカリ金属またはアルカリ土類金属と合金化しない元素Xとを負極活物質として用いた電池の場合にも、実施例1と同様の効果があることが確認された。
さらに実施例1で作製した電池について、400サイクル試験後の負極表面をX線光電子分光法(XPS)を用いて調べたところ、硫黄原子に基づく164eV付近にピークを有する物質が存在することを確認した。添加剤の入っていない系では164eV付近にピークを有する物質は存在しておらず、1,3−PSのみを用いた系では164eV付近にピークを有する物質が存在していたが、そのピーク強度は弱かった。したがって、化合物No.1に由来する皮膜が優先的に形成されたものと考えられる。
(環式スルホン酸エステルを添加した効果の検証)
実施例35〜37におけるサイクル試験後の容量維持率は、比較例4に比較して上回っており、1,3−PSを添加した実施例38〜40におけるサイクル試験後の容量維持率は、実施例35〜37よりもさらに向上している。また、MMDSを添加した実施例42においても同様の傾向が見られた。これは、1,3−PSやMMDSのような環式スルホン酸エステルの添加により負極表面に存在する皮膜のさらなる安定化と、その膜のさらなる高いイオン伝導性によって、さらに不可逆反応が抑制されたためなどが理由として考えられる。ただし、比較例5のように添加剤として1,3−PSを単独で用いた場合は、容量維持率の向上効果はそれほど大きくない。
(VC添加による効果の検証)
実施例41に示した電池は、実施例40比較して、サイクル試験後の容量維持率が更に向上していること、すなわち電解液にVCを更に添加することでサイクル特性が改善していることが確認された。この理由についても、上記の1,3−PSを添加した際の理由と同様と考えられる。
(添加剤の電解液に占める濃度変化による効果の検証)
実施例43〜48から、400サイクル後の容量維持率は、化合物No.1の濃度が0.1質量%未満および5.0質量%を越える濃度で低下する傾向が見られた。また、抵抗上昇率は上昇する傾向が見られた。この結果より、電解液中における一般式(1)で示される化合物の濃度は0.1質量%以上5.0質量%以下が好ましいことが確認された。
本発明に係る二次電池の概略構成図である。
符号の説明
11 正極集電体
12 正極活物質を含有する層
13 負極活物質を含有する層
14 負極集電体
15 非水電解質溶液
16 多孔質セパレータ

Claims (15)

  1. 正極と、負極と、電解液とを少なくとも備えた二次電池において、
    前記負極が、負極活物質として、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を吸蔵・放出す
    る、元素M(MはSi、Sn、Al、Pb、Ag、Ge及びSbから選ばれた元素)を少
    なくとも1種以上含む金属または半金属を含有し、かつ、
    前記電解液は、少なくとも電解質が溶解された非プロトン性溶媒と、下記一般式(1)
    で示される化合物の少なくとも1種とを含み、
    Figure 0004345643
    (但し、上記一般式(1)において、R1およびR4は、それぞれ独立して、水素原子、置
    換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜5のア
    ルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜5のフルオロアルキル基、炭素数1〜5の
    ポリフルオロアルキル基、−SO21(X1は置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアル
    キル基)、−SY1(Y1は置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキル基)、−COZ
    (Zは水素原子、または置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキル基)、及びハロゲ
    ン原子、から選ばれる原子または基を示す。R2およびR3は、それぞれ独立して、置換も
    しくは無置換の炭素数1〜5のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルコ
    キシ基、置換もしくは無置換のフェノキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜5のフル
    オロアルキル基、炭素数1〜5のポリフルオロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数
    1〜5のフルオロアルコキシ基、炭素数1〜5のポリフルオロアルコキシ基、水酸基、ハ
    ロゲン原子、−NX23(X2及びX3は、それぞれ独立して、水素原子、または置換もし
    くは無置換の炭素数1〜5のアルキル基)、及び−NY2CONY34(Y2〜Y4は、そ
    れぞれ独立して、水素原子、または置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキル基)、から選ばれる原子または基を示す。)
    一般式(1)で表される化合物が、R 1 およびR 4 が共にフッ素原子である場合、R
    びR の少なくと一方が水酸基又はハロゲン原子である場合を除いた化合物から選択され
    る化合物であることを特徴とする二次電池。
  2. 前記負極に含まれる負極活物質中に、アルカリ金属またはアルカリ土類金属と合金化し
    ない元素Xをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
  3. 前記元素Xが、Fe、Ni、Cu及びTiから選ばれた少なくとも1種の元素であるこ
    とを特徴とする請求項2記載の二次電池。
  4. 前記元素Mと前記元素Xとの比率が、原子数比で元素M:元素X=19:1〜1:9で
    あることを特徴とする請求項2または3記載の二次電池。
  5. 正極と、負極と、電解液とを少なくとも備えた二次電池において、
    前記負極が、負極活物質として、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を吸蔵・放出す
    る、元素M(MはSi、Sn、Al、Pb、Ag、Ge及びSbから選ばれた元素)を少
    なくとも1種以上含む金属または半金属を含有し、かつ、
    前記電解液は、少なくとも電解質が溶解された非プロトン性溶媒と、下記一般式(1)
    で示される化合物の少なくとも1種と
    Figure 0004345643
    (但し、上記一般式(1)において、R1およびR4は、それぞれ独立して、水素原子、置
    換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜5のア
    ルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜5のフルオロアルキル基、炭素数1〜5の
    ポリフルオロアルキル基、−SO21(X1は置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアル
    キル基)、−SY1(Y1は置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキル基)、−COZ
    (Zは水素原子、または置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキル基)、及びハロゲ
    ン原子、から選ばれる原子または基を示す。R2およびR3は、それぞれ独立して、置換も
    しくは無置換の炭素数1〜5のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルコ
    キシ基、置換もしくは無置換のフェノキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜5のフル
    オロアルキル基、炭素数1〜5のポリフルオロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数
    1〜5のフルオロアルコキシ基、炭素数1〜5のポリフルオロアルコキシ基、水酸基、ハ
    ロゲン原子、−NX23(X2及びX3は、それぞれ独立して、水素原子、または置換もし
    くは無置換の炭素数1〜5のアルキル基)、及び−NY2CONY34(Y2〜Y4は、そ
    れぞれ独立して、水素原子、または置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキル基)、
    から選ばれる原子または基を示す。)
    下記一般式(2)で示される環式モノスルホン酸エステルの少なくとも1種を含むこと
    を特徴とする二次電池。
    Figure 0004345643
    (但し、上記一般式(2)において、nは0以上2以下の整数である。また、R5〜R10
    は、それぞれ独立して、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜12のアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数1〜6のフルオロアルキル基、及び炭素数1〜6のポリフル
    オロアルキル基、から選ばれる原子または基を示す。)
  6. 正極と、負極と、電解液とを少なくとも備えた二次電池において、
    前記負極が、負極活物質として、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を吸蔵・放出す
    る、元素M(MはSi、Sn、Al、Pb、Ag、Ge及びSbから選ばれた元素)を少
    なくとも1種以上含む金属または半金属を含有し、かつ、
    前記電解液は、少なくとも電解質が溶解された非プロトン性溶媒と、下記一般式(1)
    で示される化合物の少なくとも1種と
    Figure 0004345643
    (但し、上記一般式(1)において、R1およびR4は、それぞれ独立して、水素原子、置
    換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜5のア
    ルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜5のフルオロアルキル基、炭素数1〜5の
    ポリフルオロアルキル基、−SO21(X1は置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアル
    キル基)、−SY1(Y1は置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキル基)、−COZ
    (Zは水素原子、または置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキル基)、及びハロゲ
    ン原子、から選ばれる原子または基を示す。R2およびR3は、それぞれ独立して、置換も
    しくは無置換の炭素数1〜5のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルコ
    キシ基、置換もしくは無置換のフェノキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜5のフル
    オロアルキル基、炭素数1〜5のポリフルオロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数
    1〜5のフルオロアルコキシ基、炭素数1〜5のポリフルオロアルコキシ基、水酸基、ハ
    ロゲン原子、−NX23(X2及びX3は、それぞれ独立して、水素原子、または置換もし
    くは無置換の炭素数1〜5のアルキル基)、及び−NY2CONY34(Y2〜Y4は、そ
    れぞれ独立して、水素原子、または置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキル基)、
    から選ばれる原子または基を示す。)
    下記一般式(3)で示されるスルホニル基を2個有する環式スルホン酸エステルの少な
    くとも1種を含むことを特徴とする二次電池。
    Figure 0004345643
    (但し、上記一般式(3)において、Qは酸素原子、メチレン基または単結合、Aは、置
    換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキレン基、カルボニル基、スルフィニル基、炭素
    数1〜5のポリフルオロアルキレン基、置換もしくは無置換の炭素数1〜5のフルオロア
    ルキレン基、置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキレン基におけるC−C結合の少
    なくとも一箇所がC−O−C結合となった基、炭素数1〜5のポリフルオロアルキレン基
    におけるC−C結合の少なくとも一箇所がC−O−C結合となった基、及び置換もしくは
    無置換の炭素数1〜5のフルオロアルキレン基におけるC−C結合の少なくとも一箇所が
    C−O−C結合となった基、から選ばれる基を示す。Bは置換もしくは無置換の炭素数1
    〜5のアルキレン基、炭素数1〜5のポリフルオロアルキレン基、及び置換もしくは無置
    換の炭素数1〜5のフルオロアルキレン基、から選ばれる基を示す。)
  7. 正極と、負極と、電解液とを少なくとも備えた二次電池において、
    前記負極が、負極活物質として、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を吸蔵・放出す
    る、元素M(MはSi、Sn、Al、Pb、Ag、Ge及びSbから選ばれた元素)を少
    なくとも1種以上含む金属または半金属を含有し、かつ、
    前記電解液は、少なくとも電解質が溶解された非プロトン性溶媒と、下記一般式(1)
    で示される化合物の少なくとも1種と
    Figure 0004345643
    (但し、上記一般式(1)において、R1およびR4は、それぞれ独立して、水素原子、置
    換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜5のア
    ルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜5のフルオロアルキル基、炭素数1〜5の
    ポリフルオロアルキル基、−SO21(X1は置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアル
    キル基)、−SY1(Y1は置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキル基)、−COZ
    (Zは水素原子、または置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキル基)、及びハロゲ
    ン原子、から選ばれる原子または基を示す。R2およびR3は、それぞれ独立して、置換も
    しくは無置換の炭素数1〜5のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルコ
    キシ基、置換もしくは無置換のフェノキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜5のフル
    オロアルキル基、炭素数1〜5のポリフルオロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数
    1〜5のフルオロアルコキシ基、炭素数1〜5のポリフルオロアルコキシ基、水酸基、ハ
    ロゲン原子、−NX23(X2及びX3は、それぞれ独立して、水素原子、または置換もし
    くは無置換の炭素数1〜5のアルキル基)、及び−NY2CONY34(Y2〜Y4は、そ
    れぞれ独立して、水素原子、または置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキル基)、
    から選ばれる原子または基を示す。)
    ビニレンカーボネート及びその誘導体の少なくとも1種を含むことを特徴とする二次電
    池。
  8. 前記負極に含まれる負極活物質中に、アルカリ金属またはアルカリ土類金属と合金化し
    ない元素Xをさらに含むことを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載の二次電
    池。
  9. 前記元素Xが、Fe、Ni、Cu及びTiから選ばれた少なくとも1種の元素であるこ
    とを特徴とする請求項記載の二次電池。
  10. 前記元素Mと前記元素Xとの比率が、原子数比で元素M:元素X=19:1〜1:9で
    あることを特徴とする請求項または記載の二次電池。
  11. 前記一般式(1)で示される化合物が、前記電解液中に、前記電解液全体の質量に対し
    て0.1〜5.0質量%含まれることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の
    二次電池。
  12. 前記電解質が、リチウム塩を含むことを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載
    の二次電池。
  13. 前記リチウム塩が、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiSbF6、LiClO4
    、LiAlCl4、及びLiN(Ck2k+1SO2)(Cm2m+1SO2)(k,mは、それ
    ぞれ独立して1又は2)からなる群より選ばれた少なくとも1種のリチウム塩であること
    を特徴とする請求項12に記載の二次電池。
  14. 前記非プロトン性溶媒が、環状カーボネート類、鎖状カーボネート類、脂肪族カルボン
    酸エステル類、γ−ラクトン類、環状エーテル類、鎖状エーテル類及びこれらのフッ化誘
    導体からなる群より選ばれた少なくとも1種の有機溶媒であることを特徴とする請求項1
    乃至13のいずれかに記載の二次電池。
  15. ラミネート外装体により覆われていることを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに
    記載の二次電池。
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