JP4876409B2 - 二次電池用電解液およびそれを用いた二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、電気化学デバイスの電解液用に用いられる添加物、二次電池用電解液およびそれを用いた二次電池に関するものである。
負極に炭素材料またはリチウム金属を用い、正極にリチウム含有複合酸化物を用いた非水電解液リチウムイオンまたはリチウム二次電池は、高いエネルギー密度を実現できることから携帯電話、ノートパソコン用などの電源として注目されている。この二次電池においては、一般的に電極の表面には表面膜、保護膜、SEIまたは皮膜と呼ばれる膜が生成することが知られている。この表面膜は、充放電効率、サイクル寿命、安全性に大きな影響を及ぼすことから電極の高性能化には表面膜の制御が不可欠であることが知られている。つまり負極材料として炭素材料を用いたとき、その不可逆容量の低減が必要であり、リチウム金属負極においては充放電効率の低下とデンドライト生成による安全性の問題を解決する必要がある。
これらの課題を解決する手法として様々な手法が提案されてきている。例えば、リチウム金属を負極材料として用いた場合、その表面に、化学反応を利用してフッ化リチウム等からなる皮膜層を設けることによってデンドライトの生成を抑制することが提案されている。
特許文献1には、フッ化水素酸を含有する電解液にリチウム負極を曝し、負極をフッ化水素酸と反応させることによりその表面をフッ化リチウムの膜で覆う技術が開示されている。フッ化水素酸は、LiPF6および微量の水の反応により生成する。一方、リチウム負極表面には、空気中での自然酸化により水酸化リチウムや酸化リチウムの表面膜が形成されている。これらが反応することにより、負極表面にフッ化リチウムの表面膜が生成するのである。しかしながら、このフッ化リチウム膜は、電極界面と液との反応を利用して形成されるものであり、副反応成分が表面膜中に混入しやすく、均一な膜が得られにくい場合があった。また、水酸化リチウムや酸化リチウムの表面膜が均一に形成されていない場合や一部リチウムがむきだしになっている部分が存在する場合もあり、これらの場合には均一な薄膜の形成ができないばかりか、水やフッ化水素等とリチウムが反応することによる安全性の問題が生じていた。また、反応が不十分であった場合には、フッ化物以外の不要な化合物成分が残り、イオン伝導性の低下を招く等の悪影響が考えられる。更に、このような界面での化学反応を利用してフッ化物層を形成する方法では、利用できるフッ化物や電解液の選択幅が限定され、安定な表面膜を歩留まり良く形成することが困難な場合があった。
特許文献2では、アルゴンとフッ化水素の混合ガスとアルミニウム−リチウム合金とを反応させ、負極表面にフッ化リチウムの表面膜を得ている。しかしながら、リチウム金属表面にあらかじめ表面膜が存在する場合、特に複数種の化合物が存在する場合には反応が不均一になり易く、フッ化リチウムの膜を均一に形成することが困難な場合があった。この場合、十分なサイクル特性を有するリチウム二次電池を得ることが困難となる。
特許文献3には、均一な結晶構造すなわち(100)結晶面が優先的に配向しているリチウムシートの表面に、岩塩型結晶構造を持つ物質を主成分とする表面皮膜構造を形成する技術が開示されている。こうすることにより、均一な析出溶解反応すなわち電池の充放電を行うことができ、リチウム金属のデンドライト析出を抑え、電池のサイクル寿命が向上できるとされている。表面膜に用いる物質としては、リチウムのハロゲン化物を有していることが好ましく、LiCl、LiBr及びLiIからなる群より選ばれた少なくとも一種と、LiFとの固溶体を用いることが好ましいと述べられている。具体的には、LiCl、LiBr及びLiIからなる群より選ばれた少なくとも一種と、LiFとの固溶体皮膜を形成するために、押圧処理(圧延)により作成した(100)結晶面が優先的に配向しているリチウムシートを、(1)塩素分子もしくは塩素イオン、(2)臭素分子もしくは臭素イオン、(3)ヨウ素分子もしくはヨウ素イオンのうち、(1)〜(3)からなる群から選択された少なくとも一種とフッ素分子もしくはフッ素イオンを含有している電解液に浸すことにより非水電解質電池用負極を作成している。この技術の場合、圧延のリチウム金属シートを用いており、リチウムシートが大気中に曝され易いため表面に水分などに由来する皮膜が形成され易く、活性点の存在が不均一となり、目的とした安定な表面膜を作ることが困難な場合があり、この場合、デンドライトの抑制効果は必ずしも充分に得られなかった。
また、リチウムイオンを吸蔵、放出し得る黒鉛やハードカーボン等の炭素材料を負極として用いた場合、容量および充放電効率の向上に係る技術が報告されている。
特許文献4では、アルミニウムで炭素材料を被覆した負極が提案されている。これにより、リチウムイオンと溶媒和した溶媒分子の炭素表面での還元分解が抑制され、サイクル寿命の劣化を抑えられるとされている。ただし、アルミニウムが微量の水と反応してしまうため、サイクルを繰り返すと急速に容量が低下する場合があった。
また、特許文献5では、炭素材料の表面にリチウムイオン伝導性固体電解質の薄膜を被覆した負極が提示されている。これにより、炭素材料を使用した際に生じる溶媒の分解を抑制し、特に炭酸プロピレンを使用できるリチウムイオン二次電池を提供できるとしている。しかしながら、リチウムイオンの挿入、脱離時の応力変化により固体電解質中に生じるクラックが特性劣化を導く場合があった。また、固体電解質の結晶欠陥等の不均一性により、負極表面において均一な反応が得られずサイクル寿命の劣化につながる場合があった。
また、特許文献6では、負極がグラファイトを含む材料からなり、電解液として環状カーボネート及び鎖状カーボネートを主成分とし、且つ前記電解液中に0.1質量%以上4質量%以下の環式モノスルホン酸エステルである1,3−プロパンスルトン及び/又は1,4−ブタンスルトンを含んだ二次電池が開示されている。ここで、1,3−プロパンスルトンや1,4−ブタンスルトンは、炭素材料表面での不働態皮膜形成に寄与し、天然黒鉛や人造黒鉛などの活性で高結晶化した炭素材料を不働態皮膜で被覆し、電池の正常な反応を損なうことなく電解液の分解を抑制する効果を有するものと考えられている。環式モノスルホン酸エステルの他に特許文献7及び8では鎖状のジスルホン酸エステルを用いても同様な効果が得られると報告されている。しかしながら、特許文献6の環式モノスルホン酸エステル、または特許文献7及び特許文献8の鎖状のジスルホン酸エステルは負極上での皮膜形成が主に起こり、例えば正極上に皮膜を形成することが困難な場合があった。また、特許文献9及び10にはスルホニル基を2個有する環式スルホン酸エステルの製造方法、非特許文献1〜4には鎖状ジスルホン酸エステルの製造方法が開示されている。
特許文献11では芳香族化合物を電解液溶媒に添加することによって、電解液溶媒の酸化を防ぐことで二次電池の長期にわたる充放電を繰り返した際の容量劣化を抑制している。これは、前記芳香族化合物を優先的に酸化分解させることにより、溶媒の分解を防ぐ技術である。しかしながら、この添加剤を用いた場合、正極表面が被覆されないためにサイクル特性の改善効果は十分とはいえない場合があった。
特許文献12では電解液中に窒素含有不飽和環式化合物を添加することによって高電圧正極を用いた場合のサイクル特性を向上させる技術が記載されている。しかしながら窒素含有不飽和環式化合物は負極の充放電効率を向上させるものの、正極の充放電効率を向上させるものではなかった。
従来から、活物質等の電極を構成する物質の電解液中への溶出を防ぐために、電解液表面に皮膜を形成する技術が検討されてきた。例えば、正極活物質としてMnスピネルを用いた二次電池においては正極から溶出したMnが負極上に析出する場合がある。このため、電解液中に添加物を添加することにより、活物質の電解液中への溶出を防ぐことが試みられており例えば、非特許文献5では正極活物質としてMnスピネル、電解質としてリチウム−ビス(オキサラト)ボレート(以下LiBOB)を用いた場合に、55℃、一ヶ月保存での負極上へのMn析出量を調べると、電解質としてLiPF6を用いた場合よりもMn析出が大幅に抑えられ、負極表面のSEIの抵抗上昇の抑制効果が確認されている。また、特許文献13および14にはLiBOBの製法が示されている。
特開平7−302617号公報 特開平8−250108号公報 特開平11−288706号公報 特開平5−234583号公報 特開平5−275077号公報 特開2000−3724号公報 特開2000−133304号公報 米国特許第6436582号明細書 特公平5−44946号公報 米国特許第4950768号明細書 J. Am. Pham. Assoc.,第l26巻,第485−493頁、1937年 G. Schroeter, Lieb, Ann, Der Chemie,第418巻,第161−257頁、1919年 Biol. Aktiv. Soedin., pp64−69(1968). Armyanskii Khimicheskii Zhurnal,21,pp393−396(1968). 特開2003−7334号公報 特開2003−115324号公報 第12回 Internatinal Meeting on Lithium Batteries、Abs.51(2004). ドイツ特許公報:DE−19829030C01 特表2002−519352号公報
上記従来技術は、次のような共通する課題を有していた。電極表面に生成する表面膜は、その性質によって充放電効率、サイクル寿命、安全性に深く関わっているが、上記従来技術は主に負極上に安定した皮膜を形成するものであり、負極と正極の両極に皮膜を形成する技術は開示されていなかった。
また、従来の正極に皮膜を形成する技術では、膜の制御を長期にわたって行える手法はまだ存在していなかった。このため、初期使用時にはデンドライトの抑制効果が一定程度得られるものの、繰り返し使用していると、表面膜が劣化して保護膜としての機能が低下する場合があった。これは、リチウムを含有する正極活物質の層は、リチウムを吸蔵・放出することにより体積変化する一方、その表面上に形成された皮膜は体積変化がほとんどないため、これらの層およびこれらの界面に内部応力が発生することが原因と考えられる。このような内部応力が発生することにより表面膜の一部が破損し、デンドライトの抑制機能が低下するものと考えられる。この結果、電解液の分解が起こり、高放電容量及び優れたサイクル特性を保つことが困難であった。
特に、正極活物質として高い作動電圧が期待できるスピネル構造を有するリチウムマンガン複合酸化物を用いた場合、電解液中の水素イオン濃度の上昇などに起因するマンガン溶出が起こっていた。この結果、電極表面での電解液の分解が起こり、サイクル特性劣化や保存時の抵抗上昇を加速させるなどの原因となっていた。
このような二次電池において電解質(支持塩)としてLiBOBを用いると、電解液の分解やリチウムマンガン複合酸化物を用いた場合に正極からのMnの溶出を抑制して、抵抗上昇を抑えることが可能となる。しかし、LiBOBを使った場合には他の電解質と比べてガス発生が大きくなる欠点を有していた。この傾向はLiBOBの添加量が増えるほど顕著となり、ガス発生に起因する電池の破損等が頻繁に起こり長期安定的に電池を使用することが困難であった。そこで、本発明者は鋭意検討を行い一般式(1)と(2)の化合物を電解液中へ添加することにより、電極上へこれらの化合物の安定した混合皮膜を形成し、活物質の電解液中への溶出や電解液の分解を抑制するとともに、これらの化合物の相乗作用により一般式(2)の化合物に起因するガス発生を効果的に抑制することができることを発見した。
すなわち、本発明は非プロトン性溶媒と、一般式(1)と(2)の化合物を有する二次電池用電解液を用いることにより、正極表面上へ安定した均一な皮膜を形成し、電解液中へのマンガンなどの正極活物質の溶出を抑制すると共に電解液の分解を防止し、放電容量及びサイクル特性に優れた二次電池を得ることを目的とするものである。
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を有する。すなわち、本発明は少なくとも非プロトン性溶媒と、0.1質量%以上5質量%以下の下記一般式(1)で示される化合物と、0.05質量%以上1.5質量%以下の下記一般式(A1)〜(A7)から選ばれる化合物とを含む二次電池用電解液に関する。
Figure 0004876409
(但し、上記一般式(1)において、R1およびR4は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、メトキシ基、フッ素原子、−CF 3 、−CHO、−SO 2 CH 3 、−SCH 2 CH 3 から選ばれる原子または基を示す。R2およびR3は、それぞれ独立して、メチル基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピル基、プロポキシ基、−OCH 2 CH 2 Cl、−OCH 2 CF 3 、−OCH 2 CH 2 OSO 2 CH 2 SO 2 Cl、−OCF 2 CF 3 、−NH 2 、−OC 6 5 、−NHCONH 2 、−OH、−Cl、−OCH 2 CH 2 OH、から選ばれる原子または基を示す。
Figure 0004876409
更に本発明は、前記二次電池用電解液が、さらに1,3−プロパンスルトン(1,3−PS)、α−トリフルオロメチル−γ−スルトン、β−トリフルオロメチル−γ−スルトン、γ−トリフルオロメチル−γ−スルトン、α−メチル−γ−スルトン、α,β−ジ(トリフルオロメチル)−γ−スルトン、α,α−ジ(トリフルオロメチル)−γ−スルトン、α−ウンデカフルオロペンチル−γ−スルトン、α−ヘプタフルオロプロピル−γ−スルトン、及び1,4−ブタンスルトン(1,4−BS)からなる群から選択された少なくとも一種の物質0.5質量%以上5.0質量%以下、含むことが好ましい。
本発明はさらに、前記二次電池用電解液が、さらに0.1質量%以上5.0質量%以下の下記一般式(4)で示されるスルホニル基を2個有する環式スルホン酸エステルを含むことが好ましい。
Figure 0004876409
(但し、上記一般式(4)において、Qは酸素原子、または単結合、A3は、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、−C(CH 3 2 、カルボニル基、スルフィニル基、−CF 2 −、−(CF 2 2 −、−CH 2 CF 2 CH 2 −、−CH 2 OCH 2 OCH 2 −、−CF 2 OCF 2 OCF 2 −、−CH 2 OCF 2 OCH 2 、から選ばれる基を示す。B3は、メチレン基、−CH(CH 3 )−、−C(CH 3 2 −、−CF 2 −、から選ばれる基を示す。)。
本発明はさらに、電解質としてリチウム塩を含むことが好ましい。
本発明はさらに、前記リチウム塩が、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiSbF6、LiClO4、LiAlCl4及びLiN(Ck2k+1SO2)(Cm2m+1SO2)(k,mはそれぞれ独立して1又は2である)からなる群より選ばれた少なくとも1種のリチウム塩であることが好ましい。
本発明はさらに、前記非プロトン性溶媒が、環状カーボネート類、鎖状カーボネート類、脂肪族カルボン酸エステル類、γ−ラクトン類、環状エーテル類、鎖状エーテル類及びこれらのフッ化誘導体からなる群より選ばれた少なくとも1種の有機溶媒であることが好ましい。
本発明はさらに、正極と、負極と、前記二次電池用電解液とを備えた二次電池に関するものである。
本発明はさらに、前記正極が、正極活物質としてリチウムを吸蔵、放出できるリチウム含有複合酸化物を有することが好ましい。
本発明はさらに、前記リチウム含有複合酸化物が、スピネル構造を有するリチウムマンガン複合酸化物であることが好ましい。
本発明はさらに、前記負極が、負極活物質として炭素を有することが好ましい。
本発明はさらに、ラミネート外装体により覆われていることが好ましい。
本明細書において、「ポリフルオロアルキレン基」、「ポリフルオロアルキル基」、「ポリフルオロアルコキシ基」はそれぞれ対応するアルキレン基、アルキル基、アルコキシ基の炭素原子に結合した水素原子が全てフッ素原子により置換されたものを表し、「フルオロアルキレン基」、「フルオロアルキル基」、「フルオロアルコキシ基」はそれぞれ対応するアルキレン基、アルキル基、アルコキシ基の炭素原子に結合した水素原子の一部がフッ素原子により置換されたものを表す。
また、「置換フルオロアルキレン基」、「置換フルオロアルキル基」、「置換フルオロアルコキシ基」における「置換」とは炭素原子に結合した水素原子の少なくとも1つがフッ素以外の原子又は官能基に置換されていることを表す。そのフッ素以外の原子又は官能基としては、例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、水酸基などとすることができる。これらの官能基中に炭素原子が含まれる場合、この炭素原子は「置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキル基」等の記載における「炭素数1〜5」の数には含まれないものとする。
また、「置換環状炭化水素」の置換基としては例えばハロゲン原子とすることができる。また、置換中に炭素原子が含まれる場合、この炭素原子は「置換もしくは無置換の炭素数4〜20の環状炭化水素」等の記載における「炭素数4〜20」の数には含まれないものとする。
本発明によれば、非プロトン性溶媒に一般式(1)で示される化合物と一般式(2)で示される化合物が含まれる二次電池用電解液を用いることにより、充放電効率に優れ、サイクル特性が良好で、容量維持率が高く、保存における抵抗上昇の抑制が可能な優れたリチウム二次電池を得ることができる。
(二次電池用電解液)
本発明によれば、非プロトン性溶媒に、少なくとも一般式(1)で表されるスルホニル基を有する化合物と、一般式(2)で表される化合物とが含まれる電解液を適用することによって、一般式(1)と(2)の化合物の相乗効果により、これらの化合物をそれぞれ単独で電解液に添加した場合よりも優れた充放電効率、抵抗上昇抑制効果、ガス発生抑制効果、サイクル特性を有する二次電池用電解液とすることができる。
すなわち、一般式(1)の化合物は、スルホニル基を二つ有しておりLUMOが小さく、還元され易い。例えば、化合物No.7のLUMOは半経験的分子軌道計算によると−0.86eVと小さい。
一方、一般式(2)で表される化合物は、酸化反応及び還元反応を受けやすい化合物である。例えば化合物No.27(LiBOB)のLUMOは−1.21eV、HOMOは−5.71eVである。
このように一般式(1)、(2)の化合物は環状カーボネートや鎖状カーボネートからなる非プロトン性溶媒(例えば、エチレンカーボネートにおけるLUMOは1.2eV、HOMOは−11.8eV)よりもLUMOが小さく、溶媒よりも先に還元皮膜が負極上に形成されるものと考えられる。また、特に一般式(2)の化合物は溶媒よりもHOMOが大きいので正極表面での酸化反応皮膜を形成しやすいものと考えられる。この結果、電極上には溶媒よりも優先的に上記一般式(1)と(2)の化合物の混合皮膜が形成される。
また、一般的には一般式(2)の化合物は一般式(1)の化合物よりも低いLUMOを有するため、LUMOから見ると一般式(1)の化合物に比べて一般式(2)の化合物の方がより電極(正極、負極)上に還元皮膜を形成しやすく有利とも考えられる。しかし、一般式(2)の化合物は一般式(1)の化合物等他の添加物よりもガスを発生しやすく、電解液中へ一般式(2)の化合物のみを添加するとガス発生に起因する電池の破損等が起こり、安定的に電池を使用することが困難となる。
そこで、一般式(1)と(2)の化合物を電解液中に添加することにより、この両化合物の相乗作用により一般式(2)の化合物に起因するガス発生が抑制できると共に、電極上にこれらの化合物のより安定した皮膜を形成することができる。この結果、充放電効率に優れ、サイクル特性が良好で、容量維持率が高く、保存における抵抗上昇の抑制が可能な優れたリチウム二次電池とすることができる。
(二次電池)
図1に本発明に係る電池の一例について概略構造を示す。正極集電体11と、リチウムイオンを吸蔵、放出し得る正極活物質を含有する層12と、リチウムイオンを吸蔵、放出する負極活物質を含有する層13と、負極集電体14と、電解液15、およびこれを含むセパレータ16から構成されている。ここで、一般式(1)で表される鎖状のジスルホン酸化合物(鎖状のジスルホン酸エステル)及び一般式(2)で示される化合物は電解液15に含まれる。
(集電体)
正極集電体11としてはアルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、チタンまたはこれらの合金などを用いることができ、負極集電体14としては銅、ステンレス鋼、ニッケル、チタンまたはこれらの合金を用いることができる。
(セパレータ)
セパレータ16としては、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン、フッ素樹脂等の多孔性フィルムが好ましく用いられる。
(正極)
正極活物質としては、好適には通常用いられるリチウム含有複合酸化物が用いられ、具体的にはLiMO2(MはMn,Fe,Coより選ばれ、一部をMg,Al,Tiなどその他カチオンで置換してもよい)やLiMn24などのスピネル構造を有するリチウムマンガン複合酸化物材料を用いることができる。これらの正極活物質は高い作動電圧を有するため電解液の分解が起こりやすく特に、LiMn24などのスピネル構造を有するリチウムマンガン複合酸化物を正極活物質として用いた場合、これに加えて電解液の水素イオン濃度の上昇などに起因する電解液中へのマンガン溶出が起こっていた。この結果、放電容量やサイクル特性が大幅に低下していた。このため、本発明の一般式(1)、(2)の化合物を電解液中に添加することにより、電極(正極、負極)上に皮膜を形成して正極活物質の溶出および電解液の分解を効果的に抑制することができる。
選択された正極活物質を用い、カーボンブラック等の導電性物質、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)等の結着剤とともにN−メチル−2−ピロリドン(NMP)等の溶剤中に分散混練し、これをアルミニウム箔等の基体上に塗布するなどの方法により正極となる層12を得ることができる。
(負極)
負極活物質は炭素材料などのリチウムを吸蔵、放出できる材料により構成されている。炭素材料としては、リチウムを吸蔵する黒鉛、非晶質炭素、ダイヤモンド状炭素、フラーレン、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーンなど、あるいはこれらの複合物を用いることができる。また、炭素材料はカーボンとポリビニリデンフルオライド(PVDF)等の結着剤を混合し、NMP等の溶剤中に分散混錬し、これを銅箔等の基体上に塗布するなどの方法や、蒸着法、CVD法、スパッタリング法などの方法により負極となる層13を得ることができる。
負極活物質として炭素材料以外にリチウム金属、シリコンなどを用いることも可能である。リチウム金属を用いる場合、融液冷却方式、液体急冷方式、アトマイズ方式、真空蒸着方式、スパッタリング方式、プラズマCVD方式、光CVD方式、熱CVD方式、ゾルーゲル方式、などの適宜な方式により負極となる層13を得ることができる。
(電解液)
電解液15は電解質、非プロトン性溶媒と添加剤とを少なくとも有する。
(電解質)
電解質は、リチウム二次電池の場合にはリチウム塩を用い、これを非プロトン性溶媒中に溶解させる。リチウム塩としては、リチウムイミド塩、LiPF6、LiAsF6、LiAlCl4、LiClO4、LiBF4、LiSbF6などがあげられる。この中でも特にLiPF6、LiBF4が好ましい。リチウムイミド塩としてはLiN(Ck2k+1SO2)(Cm2m+1SO2)(k,mはそれぞれ独立して1又は2である)が挙げられる。これらは単独で、又は複数種を組み合わせて用いることができる。これらのリチウム塩を含むことで高エネルギー密度を達成することができる。
(非プロトン性溶媒)
また、非プロトン性電解液としては、環状カーボネート類、鎖状カーボネート類、脂肪族カルボン酸エステル類、γ−ラクトン類、環状エーテル類、鎖状エーテル類およびこれらのフッ化誘導体の有機溶媒から選ばれた少なくとも1種類の有機溶媒を用いる。より具体的には、
環状カーボネート類:プロピレンカーボネート(以下、PCと略記。)、エチレンカーボネート(以下、ECと略記。)、ブチレンカーボネート(BC)、およびこれらの誘導体
鎖状カーボネート類:ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(以下、DECと略記。)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジプロピルカーボネート(DPC)、およびこれらの誘導体
脂肪族カルボン酸エステル類:ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸エチル、およびこれらの誘導体
γ−ラクトン類:γ−ブチロラクトン、およびこれらの誘導体
環状エーテル類:テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、およびこれらの誘導体
鎖状エーテル類:1,2−ジエトキシエタン(DEE)、エトキシメトキシエタン(EME)、ジエチルエーテル、およびこれらの誘導体
その他:ジメチルスルホキシド、1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、プロピオニトリル、ニトロメタン、エチルモノグライム、リン酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、メチルスルホラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、アニソール、N−メチルピロリドン、フッ素化カルボン酸エステル
これらを一種又は二種以上を混合して使用することができる。
(添加剤)
添加剤としては、一般式(1)で示したジスルホン酸エステルと一般式(2)で示す化合物を用いる。
Figure 0004876409
(但し、上記一般式(1)において、R1およびR4は、それぞれ独立して、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜5のフルオロアルキル基、炭素数1〜5のポリフルオロアルキル基、−SO21(X1は置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキル基)、−SY1(Y1は置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキル基)、−COZ(Zは水素原子、または置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキル基)、及びハロゲン原子、から選ばれる原子または基を示す。R2およびR3は、それぞれ独立して、置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルコキシ基、置換もしくは無置換のフェノキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜5のフルオロアルキル基、炭素数1〜5のポリフルオロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜5のフルオロアルコキシ基、炭素数1〜5のポリフルオロアルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子、−NX23(X2及びX3は、それぞれ独立して、水素原子、または置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキル基)、及び−NY2CONY34(Y2〜Y4は、それぞれ独立して、水素原子、または置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキル基)、から選ばれる原子または基を示す。
Figure 0004876409
(但し、上記一般式(2)において、
Zはハロゲン原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のポリフルオロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数4〜20の環状炭化水素、又はXR5(ここでXは酸素原子、硫黄原子又はNR6を表し、R6は水素原子又は置換もしくは無置換の炭素数1〜10のアルキル基を表す。R5は置換もしくは無置換の炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のポリフルオロアルキル基又は置換もしくは無置換の炭素数4〜20の環状炭化水素を表す。)を表す。
nは0〜4の整数を表す。
1及びA2はそれぞれ独立に酸素原子、硫黄原子か又は、A1がNR7でA2がNR8(ここでR7とR8はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のポリフルオロアルキル基又は置換もしくは無置換の炭素数4〜20の環状炭化水素を表す。また、R7とR8は互いに結合して環構造を形成しても良い。)を表す。
Lは、メチレン基又は単結合を表す。
Mはホウ素又はリンを表す。
1及びB2はそれぞれ独立にカルボニル基、置換もしくは無置換のアルキレン基又はポリフルオロアルキレン基を表す。
mは1〜3の整数を表す(ただし、Mがホウ素のとき2m+n=4、Mがリンのとき2m+n=6である))。
一般式(1)によって示される化合物は、非環式化合物であり合成時に環化反応を伴わず、例えば非特許文献1〜4の製造方法を用いて合成が可能である。また、特許文献9に示されるスルホニル基を2個有する環式スルホン酸エステルの合成の副生成物として得ることもできる。このように、一般式(1)で示される化合物は合成の工程が容易であるため、安価な電解液を提供できる利点がある。
前記一般式(1)のR1およびR4の好ましい分子構造としては、電極上でおこる反応性皮膜の形成の容易性、化合物の安定性、取り扱いの容易性、溶媒への溶解性、化合物の合成の容易性、価格などの観点から、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、ハロゲン原子、及び−SO21(X1は置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキル基)から選ばれる原子又は基が好ましく、それぞれ独立して水素原子又は無置換の炭素数1〜5のアルキル基がより好ましく、水素原子又はメチル基がさらに好ましい。R1およびR4の特に好ましい形態としては、R1およびR4が水素原子の場合である。R1とR4が水素原子であると、二つのスルホニル基で挟まれたメチレン部位が活性化し、電極上での反応皮膜を形成しやすくなるためである。
また、R2およびR3において、化合物の安定性、化合物の合成の容易性、溶媒への溶解性、価格などの観点から、それぞれ独立して、置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルコキシ基、置換もしくは無置換のフェノキシ基、水酸基、ハロゲン原子、及び−NX23(X2及びX3は、それぞれ独立して、水素原子、または置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキル基)、から選ばれる原子又は基が好ましく、それぞれ独立して、置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキル基、あるいは置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルコキシ基がより好ましく、さらに好ましくはR2とR3のどちらか一方または両方が置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルコキシ基である。また、同様の理由から、上記置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキル基としてはメチル基又はエチル基が良く、上記置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルコキシ基としてはメトキシ基又はエトキシ基が良い。
一般式(1)の化合物は、LUMOが小さい値を持つので還元され易い。そのため環状カーボネートや鎖状カーボネートからなる溶媒(LUMO:約1.2eV)より先に化合物No.7の還元皮膜が負極に形成され溶媒分子の分解を抑制する役割を担うと考えられる。
一方、一般式式(2)に示す化合物は酸化反応及び還元反応を受けやすい化合物である。例えば化合物No.27(Li−BOB)のLUMOは−1.21eV、HOMOは−5.71eVである。溶媒としてよく用いられているエチレンカーボネートにおけるLUMOは1.2eV、HOMOは−11.8eVであり、充放電に溶媒より先に還元、酸化反応を受ける。特に、HOMOが大きく酸化反応による正極上への皮膜形成が容易であると考えられる。
以上の説明によれば、溶媒分子よりも先に一般式(1)と一般式(2)の化合物の分解による皮膜が形成される。これら2つの化合物を併用して用いることにより、一般式(1)と(2)の化合物との相互作用により電池内のガス発生を抑制すると共に、電極上へ一般式(1)と一般式(2)のより安定した混合皮膜を形成できる。
以下に一般式(1)で表される代表例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0004876409
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一般式(1)で表される化合物は、例えば、非特許文献1,2などを参照して製造することができる。また、特許文献9に示される環式ジスルホン酸エステルの合成の副産物として得ることもできる。
一般式(1)で表される化合物は、電解液中に0.1質量%以上5質量%以下含まれることが好ましく、0.5質量%以上2質量%以下含まれることがより好ましい。一般式(1)の化合物がこれらの濃度範囲で電解液中に含まれることによって、電極表面での電気化学反応による皮膜形成に十分効果が発揮されると共に、電解液の粘性を使用に好適な範囲に保つことができる。一般式(1)で表される化合物は単独で、又は複数種を組み合わせて用いることができる。
また、以下に一般式(2)で表される化合物の代表例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0004876409
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一般式(2)で表される化合物は、例えば特許文献13および14の他に、特開2001−256983号公報、特開2001−110450号公報等を参照して製造することができる。
一方、一般式(2)で表される化合物は、電解液中に0.05質量%以上1.5質量%以下含まれることが好ましく、0.1質量%以上1質量%以下含まれることがより好ましい。一般式(2)の化合物がこれらの濃度範囲で電解液中に含まれることによって、電極表面での電気化学反応による皮膜形成に十分効果が発揮されると共に、ガスの発生が起こらず安全上好ましい。一般式(2)で表される化合物は単独で、又は複数種を組み合わせて用いることができる。
一般式(1)および一般式(2)で表される化合物を含む電解液に、さらに環式モノスルホン酸エステル、スルホニル基を2個有する環式スルホン酸エステル、アルカンスルホン酸無水物、スルホレン化合物の内、少なくとも一種が含まれる電解液を用いることも有効である。
環式モノスルホン酸エステルとしては下記一般式(3)で示される化合物があげられる。
Figure 0004876409
(但し、上記一般式(3)において、kは0以上2以下の整数である。また、R9〜R14は、それぞれ独立して水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜12のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜6のフルオロアルキル基、及び炭素数1〜6のポリフルオロアルキル基、から選ばれる原子または基を示す。)。
上記一般式(3)で示される化合物おいて、化合物の安定性、化合物の合成の容易性、溶媒への溶解性、価格などの観点から、nは0または1が好ましく、R9〜R14は、それぞれ独立して、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜12のアルキル基、及び炭素数1〜5のポリフルオロアルキル基、から選ばれる原子又は基が好ましく、それぞれ独立して、水素原子、または炭素数1〜5のポリフルオロアルキル基がより好ましい。さらに好ましくは、R9〜R14の全てが水素原子、またはR9〜R14の1つもしくは2つが炭素数1〜5のポリフルオロアルキル基で他が水素原子である。上記の炭素数1〜5のポリフルオロアルキル基としては、トリフルオロメチル基が好ましい。
具体的には、1,3−プロパンスルトン(1,3−PS)、α−トリフルオロメチル−γ−スルトン、β−トリフルオロメチル−γ−スルトン、γ−トリフルオロメチル−γ−スルトン、α−メチル−γ−スルトン、α,β−ジ(トリフルオロメチル)−γ−スルトン、α,α−ジ(トリフルオロメチル)−γ−スルトン、α−ウンデカフルオロペンチル−γ−スルトン、α−ヘプタフルオロプロピル−γ−スルトン、1,4−ブタンスルトン(1,4−BS)などがあげられる。
中でも1,3−プロパンスルトン(1,3−PS)はリチウムイオン二次電池の負極上での分解皮膜を形成すると考えられている。1,3−PSのLUMOは0.07eVであり、本発明の一般式(1)の化合物である化合物No.7のLUMO(−0.86eV)や一般式(2)の化合物No.27のLUMO(−1.21eV)よりも大きい。このため、例えば、本発明の化合物No.7と化合物No.27と1,3−PSとを電解液に添加し、充電した場合、先ず化合物No.7や化合物No.27の物質が負極に皮膜を形成し、次に1,3−PSが皮膜を形成することが考えられる。充電初期には負極表面のある部分と化合物No.7やNo.27が主に反応するが、化合物No.7やNo.27と反応しなかった部分(溶媒分子と反応する可能性がある部分)での充電が進行して1,3−PSと反応し、結果として化合物No.7と化合物No.27と1,3−PSとの複合皮膜が形成され、更なる抵抗上昇の抑制効果、電池の膨れ抑制などが期待できる。
一般式(3)の化合物を電解液に添加する場合、その電解液中の含量は特に限定されるものではないが、電解液中に0.5質量%以上5.0質量%以下含まれることが好ましい。0.5質量%未満では電極表面での電気化学反応による皮膜形成に十分効果が発揮されない場合がある。5.0質量%を越えると電解液の粘性を大きくしてしまう場合がある。また、一般式(1)、一般式(2)及び一般式(3)中の化合物中の一般式(3)の比率としては、一般式(1)、一般式(2)及び一般式(3)中の化合物を合わせた全質量に対して10〜90質量%が好ましい。
スルホニル基を2個有する環式スルホン酸エステルとしては下記一般式(4)で示される化合物があげられる。
Figure 0004876409
(但し、上記一般式(4)において、Qは酸素原子、メチレン基または単結合、A3は、置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキレン基、カルボニル基、スルフィニル基、炭素数1〜5のポリフルオロアルキレン基、置換もしくは無置換の炭素数1〜5のフルオロアルキレン基、置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキレン基におけるC−C結合の少なくとも一箇所がC−O−C結合となった基、炭素数1〜5のポリフルオロアルキレン基におけるC−C結合の少なくとも一箇所がC−O−C結合となった基、及び置換もしくは無置換の炭素数1〜5のフルオロアルキレン基におけるC−C結合の少なくとも一箇所がC−O−C結合となった基、から選ばれる基を示す。B3は、置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキレン基、炭素数1〜5のポリフルオロアルキレン基、及び置換もしくは無置換の炭素数1〜5のフルオロアルキレン基から選ばれる基を示す。)。
上記一般式(4)で示される化合物おいて、化合物の安定性、化合物の合成の容易性、溶媒への溶解性、価格などの観点から、Aは、置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキレン基、炭素数1〜5のポリフルオロアルキレン基、置換もしくは無置換の炭素数1〜5のフルオロアルキレン基、置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキレン基におけるC−C結合の少なくとも一箇所がC−O−C結合となった基、炭素数1〜5のポリフルオロアルキレン基におけるC−C結合の少なくとも一箇所がC−O−C結合となった基、及び置換もしくは無置換の炭素数1〜5のフルオロアルキレン基におけるC−C結合の少なくとも一箇所がC−O−C結合となった基、から選ばれる基が好ましい。置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキレン基、炭素数1〜5のポリフルオロアルキレン基、および置換もしくは無置換の炭素数1〜5のフルオロアルキレン基、から選ばれる基がより好ましく、置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキレン基がさらに好ましく、メチレン基、エチレン基又は2,2−プロパンジイル基が特に好ましい。上記の炭素数1〜5のフルオロアルキレン基は、メチレン基とジフルオロメチレン基を含むことが好ましく、メチレン基とジフルオロメチレン基とで構成されていることがより好ましい。
また、同様の理由から、Bは炭素数1〜5のアルキレン基が好ましく、メチレン基、1,1−エタンジイル基、または2,2−プロパンジイル基がより好ましい。
これらのスルホニル基を2個有する環式スルホン酸エステルは、特許文献10に開示されているものである。一般式(4)に示す具体的化合物を下記に列挙するがこれらに限定されるものではない。
Figure 0004876409
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これらの一般式(4)の化合物は本発明の一般式(1)の化合物と同準位のLUMOを有し、且つスルホニル基を二つ以上有するため例えば、化合物No.7、化合物No.27の物質と化合物No.36(MMDS)の物質とを電解液に添加すると、充電初期に高イオン伝導性の複合皮膜が形成され易い。MMDSは環状の化合物であり開環することで負極と反応し皮膜を形成しやすい化合物であると考えられる。
MMDSは負極上での皮膜形成に寄与し、化合物No.7との複合皮膜が負極上で形成されるものと考えられる。その結果、一般式(2)の化合物の酸化分解による正極上での皮膜生成確率が選択的に増えて正極皮膜の生成確率も向上する。
一般式(4)の化合物を電解液に添加する場合、一般式(4)の化合物の電解液中の含量は特に限定されるものではないが、電解液中に0.1質量%以上5.0質量%以下含まれることが好ましい。0.5質量%未満では電極表面での電気化学反応による皮膜形成に十分効果が発揮されない場合がある。5.0質量%を越えると電解液の粘性を大きくしてしまう場合がある。尚、一般式(1)、一般式(2)および一般式(4)を全部合わせた中の、一般式(4)の化合物の比率としては、一般式(1)、一般式(2)及び一般式(4)の化合物の全質量の10〜90質量%が好ましい。
本発明に係る二次電池の形状としては、特に制限はないが、例えば、円筒型、角型、コイン型、ラミネート型などがあげられる。この中でラミネート型とは合成樹脂と金属箔との積層体からなる可撓性フィルム等よりなる外装体によって封口された形状を有するものであり、円筒型、角型、コイン型等の電池缶よりなる外装体に封入したものと比して内圧の上昇による影響を受けやすく、従って電極と電解液との界面との化学反応の制御がより重要となる。本発明による一般式(1)で表される鎖状のジスルホン化合物を含有する二次電池であれば、ラミネート型の電池であっても抵抗上昇の抑制や電池の膨れ(ガス発生及び内圧の上昇)を抑制することが可能である。従って、自動車用途など大型のリチウムイオン二次電池においても、安全性や長期信頼性を確保することが可能となる。
本発明に係るリチウム二次電池は、乾燥空気または不活性ガス雰囲気において、負極13および正極12を、セパレータ16を介して積層、あるいは積層したものを捲回した後に、外装体に挿入し、一般式(1)及び一般式(2)で表される化合物を含む電解液を含浸させた後、電池外装体を封止することで得られる。封止前または封止後に、電池を充電することにより、前記電極上の皮膜を形成させることで本発明の効果を得ることが可能である。
(電池の作製)
表1〜3に記載の正極活物質および導電性付与剤を乾式混合し、バインダーであるPVDFを溶解させたN−メチル−2−ピロリドン(NMP)中に均一に分散させスラリーを作製した。導電性付与剤としてはカーボンブラックを用いた。そのスラリーを正極集電体となるアルミ金属箔(円筒型の場合には20μm、ラミネート型の場合には25μm)上に塗布後、NMPを蒸発させることにより正極シートとした。正極中の固形分比率は正極活物質:導電性付与剤:PVDF=80:10:10(質量%)とした。
一方、負極活物質が炭素材料よりなる場合、カーボン:PVDF=90:10(質量%)の比率となるように混合しNMPに分散させ、負極集電体14となる銅箔(コイン型、円筒型の場合には10μm、ラミネート型の場合には20μm)上に塗布して作製した。
電解質溶液15は、表1〜3に記載の溶媒、電解質として1mol/LのLiPF6、表1〜3に記載の添加剤を溶解したものを用いた。
その後、負極と正極とをポリエチレンからなるセパレータ16を介して積層し、円筒型二次電池(実施例1〜10、比較例1〜14)、アルミニウムラミネートフィルム型二次電池(実施例11〜15、比較例15〜20)を作製した。アルミニウムラミネートフィルム型二次電池の場合、用いたラミネートフィルムはポリプロピレン樹脂(封着層、厚み70μm)、ポリエチレンテレフタレート(20μm)、アルミニウム(50μm)、ポリエチレンテレフタレート(20μm)の順に積層した構造を有する。これを所定の大きさに2枚切り出し、その一部分に上記の積層電極体の大きさに合った底面部分と側面部分とを有する凹部を形成し、これらを対向させて上記の積層電極体を包み込み、周囲を熱融着させてフィルム外装電池を作製した。最後の1辺を熱融着封口する前に電解液を積層電極体に含浸させた。
(充放電サイクル試験)
充電レート1C、放電レート1Cで、充電終止電圧4.2V、放電終止電圧2.5Vとした。容量維持率(%)は700サイクル後の放電容量(mAh)を、10サイクル目の放電容量(mAh)で割った値である。
(保存特性試験)
放電深度50%(55℃)での84日間保存後の抵抗上昇率(初期(保存開始時)の抵抗値を1とした場合の保存後の抵抗値の比:充放電条件は上記充放電サイクル試験と同様)によって、保存特性の測定を行った。
(負極Mn析出量)
充放電サイクル試験後の電池を解体し、負極から銅箔集電体を取り出し更に、負極集電体に付着した負極材を剥がし取って得られた黒色粉末を均一に混合させて分析試料とした。試料50mgを石英るつぼに秤り取り、バーナー及び電気炉で加熱灰化し、灰化物を硝酸及び少量の塩酸で加熱溶解させ、更に希硝酸を加えて所定の容積とした。この溶液についてICP発光分光分析法(シーケンシャル型ICP発光分光分析装置SPS3000:エスアイアイ・ナノテクノロジー社)にて、Mnを測定し、試料中のMn含有量を求めた。この測定結果より、試料1g中のMn含有量を算出した。
Figure 0004876409
Figure 0004876409
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表1〜3中の「電解液中の添加剤の種類及び組成」欄記載の「No.」は化合物No.を表す。
また、サイクル試験および保存試験で得られた結果を下記表4〜表6に示す。保存特性における抵抗上昇率は、初期を1とした場合の相対値である。
Figure 0004876409
Figure 0004876409
Figure 0004876409
(円筒型に次電池における一般式(1)の化合物と一般式(2)の化合物の添加による効果)
実施例1〜9及び10における容量維持率をそれぞれ、比較例1〜13及び14と比較すると、実施例1〜9及び実施例10においてはサイクル特性の大幅な改善、保存特性の大幅な抑制が確認された。なお、本実施例1〜9及び実施例10に示した電池について、サイクル後の負極表面及び正極表面をX線光電子分光法(XPS)とエネルギー分散型X線分析(EDX)を用いて調べたところ、LiF,LiCO3などの存在が示された。また、XPS分析で硫黄スペクトルのピーク分割を行った結果、正極及び負極の両方で164eV付近にピークを有する物質が存在することを確認した。比較例では正極、負極の両方に164eV付近にピークを有する物質は存在しておらず、本実施例においては本発明の一般式(1)と一般式(2)との複合皮膜が電極上に形成されたものと考えられる。更に、実施例1〜10及び比較例1〜14の充放電サイクル試験後の負極成分のICP発光分析を行い、負極上へのMnの析出量を評価した。実施例1〜10の負極上のMn析出量は、比較例1〜14と比べて、大きく減少していることが判明した。
(ラミネートフィルム型電池の評価)
実施例11〜15及び比較例15〜20のラミネート型電池を用い、室温(25℃)において、2Aの定電流及び定電圧で、終止電圧4.3Vまで5時間充電し、次に2Aの定電流下、終止電圧2.5Vまで放電した後、発生したガスを抜いてこのときの電池の体積を測定した。ガスを抜いた後、1週間放置した後、再び室温において充電及び放電を1回ずつ行った。このときの充電電流及び放電電流は一定(2A)であり、この際の放電容量を初期容量とした。尚、放電側のカットオフ電位は2.5V、充電側のカットオフ電位は4.3Vとした。その後、2Aの定電流定電圧で4.2Vまで2.5時間の充電後、放電深度50%まで放電した後、55℃で84日間放置した。放置後に室温において再度定電流で放電操作を行い、続いて同じく定電流で充電、放電をもう一度繰り返し、このときの放電容量を回復容量とした。ここで、(容量回復率)=(回復容量)/(初期容量)とした。同時に電池の体積を測定し、前記ガス抜き直後の体積との差をセル体積変化量とした。
また、実施例11〜15、比較例15〜20のラミネート型電池については抵抗上昇率と700サイクル後の容量維持率を測定した。
(ラミネートフィルム型電池での一般式(1)の化合物と一般式(2)の化合物との添加による効果)
実施例11〜15における保存後の容量回復率及び700サイクル後の容量維持率は、比較例15〜20と比べ大きく改善されている。また、保存後の抵抗上昇率は、比較例15〜20と比べ大きく抑制されている。これらの結果は、本発明の一般式(1)および一般式(2)に示す化合物を電解液中に添加させることで、無添加系や従来の添加系と比較してイオン導電性が高く、保存時の安定性の高い皮膜が形成されたためであると考えられる。また、実施例14および実施例15示すように一般式(1)と一般式(2)の化合物とが含まれる電解液に一般式(3)または一般式(4)で示される化合物を更に添加することで前記特性が更に改善されていることが分かる。
保存後のラミネート外装セルの体積変化量については、本実施例11〜15のセルの体積変化量は、比較例15〜20に対して小さくなっている。これは一般式(1)や一般式(2)の分解皮膜が電極上に形成され電解液の分解によるガス発生が抑制できたためと考えられる。また、実施例14および実施例15示すように一般式(1)と一般式(2)の化合物とが含まれる電解液に一般式(3)または一般式(4)で示される化合物を更に添加することで前記セル体積変化量が更に抑制されていることが分かる。これは一般式(1)と一般式(2)で示す化合物と、一般式(3)または一般式(4)で示す化合物が分解することによってできる複合効果により複合皮膜が電極(正極、負極)上に形成され電解液の分解によるガス発生が大きく抑制できたためと考えられる。
本発明に係る二次電池の概略構成図である。
符号の説明
11 正極集電体
12 正極活物質を含有する層
13 負極活物質を含有する層
14 負極集電体
15 非水電解質溶液
16 多孔質セパレータ

Claims (11)

  1. 少なくとも非プロトン性溶媒と、0.1質量%以上5質量%以下の下記一般式(1)で示される化合物と、0.05質量%以上1.5質量%以下の下記一般式(A1)〜(A7)から選ばれる化合物とを含む二次電池用電解液。
    Figure 0004876409
    (但し、上記一般式(1)において、R1およびR4は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、メトキシ基、フッ素原子、−CF 3 、−CHO、−SO 2 CH 3 、−SCH 2 CH 3 から選ばれる原子または基を示す。R2およびR3は、それぞれ独立して、メチル基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピル基、プロポキシ基、−OCH 2 CH 2 Cl、−OCH 2 CF 3 、−OCH 2 CH 2 OSO 2 CH 2 SO 2 Cl、−OCF 2 CF 3 、−NH 2 、−OC 6 5 、−NHCONH 2 、−OH、−Cl、−OCH 2 CH 2 OH、から選ばれる原子または基を示す。
    Figure 0004876409
  2. 前記二次電池用電解液が、さらに1,3−プロパンスルトン(1,3−PS)、α−トリフルオロメチル−γ−スルトン、β−トリフルオロメチル−γ−スルトン、γ−トリフルオロメチル−γ−スルトン、α−メチル−γ−スルトン、α,β−ジ(トリフルオロメチル)−γ−スルトン、α,α−ジ(トリフルオロメチル)−γ−スルトン、α−ウンデカフルオロペンチル−γ−スルトン、α−ヘプタフルオロプロピル−γ−スルトン、及び1,4−ブタンスルトン(1,4−BS)からなる群から選択された少なくとも一種の物質0.5質量%以上5.0質量%以下、含むことを特徴とする請求項1に記載の二次電池用電解液。
  3. 前記二次電池用電解液が、さらに0.1質量%以上5.0質量%以下の下記一般式(4)で示されるスルホニル基を2個有する環式スルホン酸エステルを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の二次電池用電解液。
    Figure 0004876409
    (但し、上記一般式(4)において、Qは酸素原子、または単結合、A3は、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、−C(CH 3 2 、カルボニル基、スルフィニル基、−CF 2 −、−(CF 2 2 −、−CH 2 CF 2 CH 2 −、−CH 2 OCH 2 OCH 2 −、−CF 2 OCF 2 OCF 2 −、−CH 2 OCF 2 OCH 2 、から選ばれる基を示す。B3は、メチレン基、−CH(CH 3 )−、−C(CH 3 2 −、−CF 2 −、から選ばれる基を示す。)
  4. 電解質としてリチウム塩を含むことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の二次電池用電解液。
  5. 前記リチウム塩が、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiSbF6、LiClO4、LiAlCl4及びLiN(Ck2k+1SO2)(Cm2m+1SO2)(k,mはそれぞれ独立して1又は2である)からなる群より選ばれた少なくとも1種のリチウム塩であることを特徴とする請求項4に記載の二次電池用電解液。
  6. 前記非プロトン性溶媒が、環状カーボネート類、鎖状カーボネート類、脂肪族カルボン酸エステル類、γ−ラクトン類、環状エーテル類、鎖状エーテル類及びこれらのフッ化誘導体からなる群より選ばれた少なくとも1種の有機溶媒であることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の二次電池用電解液。
  7. 正極と、負極と、二次電池用電解液とを備えた二次電池において、該二次電池用電解液が請求項1から6の何れか1項に記載の二次電池用電解液であることを特徴とする二次電池。
  8. 前記正極が、正極活物質としてリチウムを吸蔵、放出できるリチウム含有複合酸化物を有することを特徴とする請求項7に記載の二次電池。
  9. 前記リチウム含有複合酸化物が、スピネル構造を有するリチウムマンガン複合酸化物であることを特徴とする請求項8に記載の二次電池。
  10. 前記負極が、負極活物質として炭素を有することを特徴とする請求項7から9の何れか1項に記載の二次電池。
  11. ラミネート外装体により覆われていることを特徴とする請求項7から10の何れか1項に記載の二次電池。
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