JP4344700B2 - フェンダーのための支持担体を有する車両 - Google Patents

Description

本発明は、例えば特許文献１に記載されているような、車両のフェンダーのための支持担体を有する車両に関する。

ＤＥ ４１８３３９２ Ａ１

本発明の課題は、特に車両シリーズ（車両構造シリーズ）の範囲のバージョンにて車両の様々な外観形成ができる限り低い開発コストと製造コストで達成されるやり方を示すことにある。

この課題は、請求項１及び請求項３の特徴構成によって解決される。
この際、発明の骨子となる考えは、フェンダーの固定のために少なくとも２つの異なった連結範囲を有するようにフェンダーのための支持担体を形成することである。それゆえに、表面上少なくともフェンダー及び／又はボンネット（フロントフード、エンジンフード）の範囲において異なる２種以上の車両バージョンにとって、統一のとれた保護担体を用いることができる。これによって、車両ボディーの粗構造における記号論理学・ロジスチックが簡単になり大きな個数の支持担体の製造が廉価となるので、製造コストの低下に関連したパーツの多様性の削減がもたらされる。

統一のとれた保護担体の夫々異なった連結範囲での個々の車両バージョンのフェンダーの固定によって、車両バージョンにとって、ボンネットとフェンダーの間で異なった継ぎ合わせの移行具合がもたらされ、それは、フェンダーとボンネットの異なった外形と共に車両の外観形成に影響を与える。

本発明は、とりわけ車両シリーズの範囲内の「派生形」（例えばボディ形状〔リムジン、クーペ、ファストバック〈ハッチバック〉、組み合わせ構造、カブリオーレ、ロードスター等〕で異なる）において大きな利点を伴って用いられ得る。それゆえ本発明で、「車両ファミリー」の範囲内の派生形を様々な外観形成で製造することが、特に可能である。更なる使用分野は例えば、ごく僅かなコスト投入で変更されるべき車両のモデルチェンジである。

本発明の好適な展開によれば、支持担体は階段状に段をつけられている。支持担体の個々の段は、その長手方向進展にわたって、フェンダー及び／又はボンネットの所望輪郭に対応する様々な幅及び／又は高さを有し得る。これによって継ぎ目推移が３つの空間方向全てで影響を与えられ得る。

好ましくは、支持担体の個々の連結範囲は水平に延びる。水平面からの僅かな逸脱はたいてい、前部範囲で通常僅かに昇り勾配となる車両輪郭によってもたらされる。個々の車両バージョンのフェンダーのために２つ以上の重なり合った連結範囲を形成することによって、フェンダーとボンネットの間の継ぎ目を様々な高さで延在させること、そしてそれによって前部範囲での車両高さを少なくとも視覚的に様々な高さで出現させることが可能である。同様に、車両横方向での継ぎ目位置のバリエーション／変化は車両幅の視覚的な印象に影響を与える。それで例えば車両シリーズのスポーツバージョンの場合にフェンダーの継ぎ目を、そのリムジンの場合よりも低く及び／又は広く外側に位置させることができる。

分離継ぎ目の高さ位置及び幅位置の上記バリエーションの他に、当然ながら分離継ぎ目の延び具合は、統一のとれた支持担体の場合に、適切に構成されたフェンダーとボンネットを用いることで、影響を与えられ得る。

本発明は好ましくは車両のフロント範囲において適用される。この理由から特許請求の範囲の文言の言語表現的な単純化のためにフェンダーとボンネットに限られている。しかしながら原則的に特許請求の範囲の文言に、後方側壁範囲のために多数の連結範囲を備え統一のとれた支持担体のため適切に構成されたリア範囲を有する（その際、側壁範囲の上端部分がそのような車両のテールゲート／トランクリッドに直接境を接している）車両と同じように、車両のリア範囲のための支持担体も含まれる。

本発明の考えられ得る実施例を図面に示し、以下に詳細に説明する。
図１及び図３はそれぞれ、進行方向ＦＲを背にして見て、車両前部構造１の一部を示し、それは側方を第１フェンダー１０（図１において斜線をつけて示す）や第２フェンダー２０（図３において斜線をつけて示す）で覆われている。その際、異なって構成されたフェンダー１０と２０はそれぞれ、統一のとれた支持担体２を備え統一のとれた車両前部構造１を覆っている。各支持担体２は上下フランジ３，４で支え構造５に積み上げられている。支え構造５はとりわけ、図１や図３で部分的に切り取られて示されたスプリングストラットホルダ６を有する。

図２及び図４は、第１フェンダー１０（図２において太線で示す）や第２フェンダー２０（図３において太線で示す）を備えた図１や図３の車両前部構造１を断面で示す。その際、境を接するボンネット１１，２１は鎖線で概略的に示している。フェンダー１０とボンネット１１並びにフェンダー２０とボンネット２１からなる適当なペアリングを備えた車両前部構造１は、同一のフロアアセンブリに基づく例えばリムジンやクーペのような異なる車両バージョンに分類される。この際、両方の車両タイプにとって統一のとれた支持担体２にもかかわらず三方の空間方向全てにおいて異なった継ぎ目の延び具合が達成される。車両バージョン「リムジン」にはフェンダー１０とボンネット１１が高めに構成された形状が相応しい一方、バージョン「クーペ」は低めに付けられたフェンダー２０並びに対応して合わせられたボンネット２１を有する。継ぎ目１２，２２は高さ方向にも横方向にもずれて延在する。またフェンダー１０，２０におけるホイールアーチ１３，２３は両方の車両バージョンで異なった高さで延在する。

統一のとれた支持担体２は階段状に段をつけられ、基本的に水平に延びる連結範囲１４，２４を備えている。これら連結範囲１４，２４は側方にずれて互いに重なり合い、その際、上側の連結範囲１４はその進行方向と反対側の後方範囲において車両中央の方向に僅かに内側に入り込んでいる。連結範囲１４，２４に、フェンダー１０，２０の対応する連結フランジ１５，２５が付け足されている。支持担体２の連結範囲１４，２４は、斜めに延びる側面７を介して互いにつながっている。

当然ながら、支持担体２はまた、示された階段形状からずれた形態を有することもできる。３つ以上の連結範囲を備えることも可能である。上記の実施例の場合、連結範囲１４，２４は基本的に互いに平行な水平面に延在する一方、両方の連結範囲の面が当然ながら互いに傾いて延在することも可能である。

高く付け足されたフェンダーを備え、部分的に切断された車両前部構造の斜視図である。 高く付け足されたフェンダーを備え、図１の車両前部構造を通る垂直断面図である。 低く付け足されたフェンダーを備え、部分的に切断された車両前部構造の斜視図である。 低く付け足されたフェンダーを備え、図３の車両前部構造を通る垂直断面図である。

符号の説明

２ 支持担体
１０ フェンダー
１１ ボンネット
１２ 継ぎ目
１３ ホイールアーチ
１４ 連結範囲
１５ 連結フランジ

Claims (3)

1. 車両フェンダー（１０，２０）のための支持担体（２）を有する車両であって、上記支持担体（２）が上下フランジ（３，４）で支え構造（５）に積上げられており、少なくとも２つの互いにずれた連結範囲（１４，２４）を備え、そこに少なくとも２つの異なるフェンダー（１０，２０）の上端領域が取り付け可能であり、当該フェンダーが、フェンダー（１０，２０）に直接境を接するそれぞれ異なったボンネット（１１，２１）を備えた複数の車両バージョンに割り当てられている、前記車両において、
   連結範囲（１４，２４）が階段状に段をつけられていること、
   上記連結範囲（１４，２４）が支持担体（２）と支え構造（５）の閉じたプロフィールから形成されていること、及び、
   或る車両バージョンでフェンダー（２０）の連結が、他の車両バージョンよりも、低く且つ広めに外側に位置させるように、連結範囲（１４，２４）が互いに車両の高さ方向及び幅方向にずれていること
   を特徴とする車両。
2. 連結範囲（１４，２４）がほぼ水平に延びることを特徴とする請求項１に記載の車両。
3. 個々の車両バージョンがフェンダー（１０，２０）とボンネット（１１，２１）の間で継ぎ目の延び具合が異なっており、
   −車両バージョン「リムジン」ではフェンダー（１０）とボンネット（１１）が高めの構造形態をし、
   −車両バージョン「クーペ」では低めに付けられたフェンダー（２０）及び対応して合わせられたボンネット（２１）となる、
   ことを特徴とする請求項１または２に記載の車両。

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