JP4344695B2 - アウタロータ型多極発電機用ステータ及びその組立方法 - Google Patents

アウタロータ型多極発電機用ステータ及びその組立方法 Download PDF

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Description

【発明の分野】
本発明は、複数のコイルが、ステータコアの外周に設けられた多数の突極にボビンを介して巻装され、ステータコアの半径方向に沿って各コイルの内方側で前記ボビンに設けられる複数の嵌合孔に、導電性金属から成る複数の接続端子がそれぞれ嵌入、固定され、各接続端子の一端側に外部導線が接続されるとともに各接続端子の他端側に前記コイルから延びる口出し線がヒュージング接続されるアウタロータ型多極発電機用ステータの改良、ならびにアウタロータ型多極発電機用ステータの組立方法の改良に関する。
【背景技術】
【0001】
ところで、コイルから延びる口出し線を接続端子にヒュージング接続する際には、接続端子が備えるコイル接続用端子部を電極で両側から挟む必要があり、従来の接続端子は、たとえば下記特許文献1で開示されるように、嵌合孔に嵌入、固定される外部導線接続用端子部と、該外部導線接続用端子部に直角に連なる連結板部と、該連結板部に連設されるコイル接続用端子部とから成り、ボビンとの干渉を避けて電極を作動せしめるために、コイル接続用端子部を、口出し線のヒュージング接続前には連結板部の他端に直角に連なる状態とし、口出し線のヒュージング接続後には連結板部上に重なるべく折曲げるようにしている。
【特許文献1】
特開平11−150906号公報
【発明の開示】
【0002】
ところが上記従来のステータでは、接続端子の外部導線接続用端子部を嵌合孔に仮挿入した状態でコイルの口出し線をコイル接続用端子部にヒュージング接続し、その後で、外部導線接続用端子部を嵌合孔に嵌合、固定し、さらにコイル接続用端子部を連結板部上に重なるように折曲げている。
【0003】
このように口出し線のヒュージング接続後にコイル接続用端子部を折り曲げることに起因して、コイルからコイル接続用端子部への接続部までの間で口出し線に撓みが生じ、いわゆる遊離線が生じてしまう。
【0004】
また接続端子の嵌合孔への仮挿入時に接続端子に口出し線を絡げる工程と、ヒュージング接続後に口出し線の接続端子からの突出部分を切除して接続用端子部を折り曲げる工程とを、接続端子へのヒュージング接続のためのヒュージングマシンとは異なる場所で行なう必要があるので、場所の移動が必要となり、ステータの組付け作業工程の時間が長くなってしまう。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、接続端子にヒュージング接続した後の口出し線に弛みが生じないようにするとともに、接続端子のボビンへのセットならびに接続端子へのヒュージング接続を同一箇所で行い得るようにしてステータの組付け作業を能率的に行い得るようにしたアウタロータ型多極発電機用ステータ及びその組立方法を提供することを目的とする。
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、複数のコイルが、ステータコアの外周に設けられた多数の突極にボビンを介して巻装され、ステータコアの半径方向に沿って各コイルの内方側で前記ボビンに設けられる複数の嵌合孔に、導電性金属から成る複数の接続端子がそれぞれ嵌入、固定され、各接続端子の一端側に外部導線が接続されるとともに各接続端子の他端側に前記コイルから延びる口出し線がヒュージング接続されるアウタロータ型多極発電機用ステータにおいて、前記各接続端子は、外部導線に接続される一端側を嵌合孔から突出せしめて該嵌合孔に嵌入、固定される外部導線接続用端子部と、該外部導線接続用端子部の他端に一端が直角に連なってステータの半径方向内方側に延びる平板状の連結板部と、該連結板部の他端部との間に前記口出し線を挟んでヒュージング接続することを可能として前記連結板部に連設される挟持板部とから成り、前記ボビンには、前記連結板部の他端側を一端に臨ませるとともにヒュージング接続用の一対の電極の一方を通すことを可能として両端を開放した溝または貫通孔が設けられ、前記連結板部は、ステータの半径方向内方側に向かうにつれて幅を狭くした台形状に形成されることを第1の特徴とする。
【0007】
このような請求項1記載の発明の構成によれば、ヒュージング接続用の一対の電極の一方が溝または貫通孔を通るので、ボビンに接続端子を嵌合、固定した状態で連結板部の他端部および挟持板部間にコイルからの口出し線を挟んでヒュージング接続することが可能であり、ヒュージング接続後に接続端子の一部を折り曲げる操作は不要である。したがってコイルから接続端子への接続部までの間で口出し線に撓みが生じることはなく、いわゆる遊離線が生じてしまうことはないので、口出し線に絶縁チューブを被せる等の処理を施す必要がない。またヒュージング接続用の一対の電極を太くすることができるので、大電流を流すことによってヒュージング接続時間を短縮することもでき、組付け作業能率をより一層向上することができる。
【0008】
しかも前記連結板部は、ステータの半径方向内方側に向かうにつれて幅を狭くした台形状に形成されるので、隣接する接続端子間の絶縁間距離を確保しつつ複数の接続端子をステータの周方向に沿って近接配置することが可能であり、ステータの小型化に寄与することができる。
【0009】
さらに本発明は、上記第1の特徴を有するアウタロータ型多極発電機用ステータの組立方法であって、前記接続端子の前記ボビンへの組付けならびに該接続端子への前記口出し線のヒュージング接続を行なうにあたっては、前記外部導線接続用端子部を前記連結板部が前記ボビンに当接するまで前記嵌合孔に嵌合して前記各接続端子を前記ボビンに固定する工程と、前記口出し線を前記連結板部および前記挟持板部間に挟むようにして前記挟持板部に絡げる工程と、一対の電極のうちの一方の電極を前記溝または前記貫通孔に挿入するようにして、該一対の電極で前記連結板部および前記挟持板部を挟圧しつつヒュージング接続する工程と、前記口出し線のうち前記接続端子から突出した不要部分を切除する工程とを順次実行することを第の特徴とする。
【0010】
このような第の特徴の方法によれば、ボビンに接続端子を嵌合、固定した状態で連結板部および挟持板部間にコイルからの口出し線を挟んでヒュージング接続することにより、ヒュージング接続後に接続端子の一部を折り曲げる操作が不要となり、コイルから接続端子への接続部までの間で口出し線に撓みが生じることはなく、いわゆる遊離線が生じてしまうことはないので、口出し線に絶縁チューブを被せる等の処理を施す必要がない。またヒュージング接続用のヒュージングマシンへのボビンのセット状態で、該ボビンへの接続端子の固定、ならびにヒュージング後に口出し線のうち不要部分を切除する作業を行なうことができ、ステータの組付け作業能率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1〜図7は本発明の第1実施例を示すものであり、図1はアウタロータ型多極発電機の縦断面図、図2はステータの正面図、図3は図2の3−3線断面図、図4は複数の突極への巻線展開図、図5は接続端子の斜視図、図6は接続端子のステータへの組付けならびに接続端子への口出し線の接続を説明するための断面図、図7は他の接続端子の斜視図、図8および図9は本発明の第2実施例を示すものであり、図8は第1実施例の図2に対応したステータの正面図、図9は第1実施例の図6に対応した断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0013】
先ず図1〜図7を参照しつつ本発明の第1実施例について説明すると、図1において、このアウタロータ型多極発電機は、たとえばエンジン発電機として用いられるものであり、エンジン本体6に中空の支持部7を介して取付けられるステータ8と、該ステータ8を覆うロータ9とを備え、前記支持部7を回転自在に貫通してステータ8と同軸に配置されるクランクシャフト10の端部にロータ9が固定される。また支持部7には、ステータ8およびロータ9を覆うケーシング13が固定的に支持される。
【0014】
ロータ9は、ステータ8を同軸に覆う有底円筒状のロータヨーク14の内周に複数のマグネット15…が固着されて成るものであり、ロータヨーク14の閉塞端中央部が前記クランクシャフト10の端部に同軸に固着される。
【0015】
ロータヨーク14は、アウミニウム等の軽合金によりダイカスト成形されて円盤状に形成される端壁部材16と、たとえば軟鋼によってステータ8を同軸に覆う円筒状に形成されて前記端壁部材16の外周部に一端が固着されるとともに内周に複数のマグネット15…が固着される円筒部材17とで構成され、端壁部材16の中心部がクランクシャフト10に同軸に固定される。
【0016】
端壁部材16には、放射状に延びる複数の翼18…が相互間に吸気孔19…を形成するようにして一体に設けられる。したがってロータ9の回転に応じてケーシング13内に冷却風が流通することになり、ロータ9に冷却ファンを取りつけるようにしたものと比べて、部品点数の低減および組立作業能率の向上を図ることができる。しかも冷却風を生じさせるための専用スペースをロータ9以外に確保することを不要とし、クランクシャフト10の長さを比較的大きく設定することを不要として、ロータ9の支持剛性低下を回避することができるとともに発電機全体の軸方向長さを小さく設定することができる。また吸気孔19…によってロータ9の重量を適正化しつつ、ステータ8を流過する冷却風をロータ9の回転に応じて各翼18…により確実に生じさせて効率の低下を回避することができる。
【0017】
図2および図3を併せて参照して、ステータ8は、リング状である複数枚のコア板21,21…を積層して成るステータコア22を備えるものであり、該ステータコア22の外周には、該ステータコア22の軸線に直交する平面内で略T字状となる複数個たとえば24個の突極23,23…が相互間に等間隔をあけて突設される。
【0018】
ステータコア22の大部分は合成樹脂製のボビン24で被覆されており、該ボビン24は、各突極23,23…の先端ならびにステータコア22の両端面の一部および内周面を露出してステータコア22を被覆するように一体的にインジェクション成形される。
【0019】
ステータコア22の周方向に等間隔をあけた4箇所でステータコア22の内周部には挿通孔25…が設けられており、各挿通孔25…に挿通されたボルト26…を支持部7に螺合して締めつけることにより、ステータコア22が支持部7に同軸に固着される。
【0020】
各突極23,23…に対応する部分でボビン24には、7個ずつのU相用メインコイル28U…、V相用メインコイル28V…およびW相用メインコイル28W…と、一対のDC用コイル29,29と、単一のサブコイル30とが巻装される。
【0021】
図4を併せて参照して、各突極23,23…のうちの1つを1番として図2の反時計方向に24番までの番号を各突極23,23…に付して説明すると、U相用メインコイル28U…は、直列に接続されつつ1番、4番、7番、10番、13番、19番および22番の突極23…に対応する部分でボビン24に巻装され、V相用メインコイル28V…は、直列に接続されつつ2番、5番、11番、14番、17番、20番および23番の突極23…に対応する部分でボビン24に巻装され、W相用メインコイル28W…は、直列に接続されつつ3番、6番、12番、15番、18番、21番および24番の突極23…に対応する部分でボビン24に巻装され、DC用コイル29,29は直列に接続されつつ8番および9番の突極23…に対応する部分でボビン24に巻装され、さらにサブコイル30は16番の突極23に対応する部分でボビン24に巻装される。
【0022】
ところで、6番、12番、18番および14番の突極23,23…に対応する部分でステータコア22の内周には、ステータコア22の半径方向内方に突出する突部22a…が一体に突設されており、各突部22a…に挿通孔25…が設けられる。
【0023】
またステータコア22における前記端壁部材16側の一端寄り内周はボビン24で覆われるものであるが、ボビン24の一端側で前記各突部22a…間の内周から半径方向内方に張り出す4つの張出部24a…がボビン24に一体に設けられる。
【0024】
各張出部24a…には、ボビン24の中心からの距離を同一とした位置でボビン24の周方向に等間隔をあけて配置される複数たとえば3個の嵌合孔31…がそれぞれ設けられており、各嵌合孔31…は、ボビン24の半径方向と直交する方向に長い矩形状の横断面形状を有するように形成される。すなわち各嵌合孔31…は、ステータコア22の半径方向に沿って各コイル28U…,28V…,28W…,29,29,30の内方側でボビン24に設けられている。
【0025】
2番〜4番の突極23…に対応する張出部24aに設けられた嵌合孔31…には接続端子32…がそれぞれ嵌合固定される。また直列に接続された7つのU相用メインコイル28U…のうち1番の突極23…に対応する部分でボビン24に巻装されたメインコイル28Uからの口出し線33、直列に接続された7つのV相用メインコイル28V…のうち2番の突極23…に対応する部分でボビン24に巻装されたメインコイル28Vからの口出し線33、ならびに直列に接続された7つのW相用メインコイル28W…のうち3番の突極23…に対応する部分でボビン24に巻装されたメインコイル28Wからの口出し線33が、前記各接続端子32…にヒュージング接続される。
【0026】
また20番〜22番の突極23…に対応する張出部24aに設けられた嵌合孔31…には接続端子34…が嵌合固定される。しかも直列に接続された7つのU相用メインコイル28U…のうち22番の突極23…に対応する部分でボビン24に巻装されたメインコイル28Uからの口出し線35、直列に接続された7つのV相用メインコイル28V…のうち23番の突極23…に対応する部分でボビン24に巻装されたメインコイル28Uからの口出し線35、ならびに直列に接続された7つのW相用メインコイル28W…のうち24番の突極23…に対応する部分でボビン24に巻装されたメインコイル28Wからの口出し線35が、前記接続端子34に共通にヒュージング接続される。
【0027】
すなわち直列に接続された7つずつのU相用、V相用およびW相用メインコイル28U…,28V…,28W…の一端は接続端子32…に個別に接続され、U相用、V相用およびW相用メインコイル28U…,28V…,28W…の他端は中性点となるべく接続端子34に共通に接続されることになる。
【0028】
しかも直列に接続された7つずつのU相用、V相用およびW相用メインコイル28U…,28V…,28W…の一端および他端がステータコア22の周方向に隣接した位置に配置され、3つの接続端子32…および単一の接続端子34も、前記U相用、V相用およびW相用メインコイル28U…,28V…,28W…の一端および他端にそれぞれ対応した位置に配置されるので、U相用、V相用およびW相用メインコイル28U…,28V…,28W…からの口出し線33…、35…を比較的短くすることが可能であり、遊離線が生じることを防止することが可能であり、遊離線による電気的特性の劣化が生じることを極力防止することができる。
【0029】
また8番〜10番の突極23…に対応する張出部24aに設けられた嵌合孔31…のうち、8番および9番の突極23…に対応する嵌合孔31…には接続端子36…が嵌合、固定され、直列に接続されつつ8番および9番の突極23…に対応する部分でボビン24に巻装されたDCコイル29,29の両端からの口出し線37,38が前記各接続端子36…にそれぞれヒュージング接続される。
【0030】
しかも一対のDCコイル29,29に対応した近接位置に接続端子36…が配置されるので、口出し線37,38を比較的短くすることが可能であり、遊離線が生じることを防止することが可能であり、遊離線による電気的特性の劣化が生じることを極力防止することができる。
【0031】
さらに14番〜16番の突極23…に対応する張出部24aに設けられた嵌合孔31…のうち、15番および16番の突極23…に対応する嵌合孔31…には接続端子39…が嵌合、固定され、16番の突極23に対応する部分でボビン24に巻装されたサブコイル30の両端からの口出し線40,41が接続端子39…にそれぞれヒュージング接続される。
【0032】
しかもサブコイル30に対応した近接位置に接続端子39…が配置されるので、口出し線40,41を比較的短くすることが可能であり、遊離線が生じることを防止することが可能であり、遊離線による電気的特性の劣化が生じることを極力防止することができる。図5において、接続端子32は、一端側を嵌合孔31から突出せしめて該嵌合孔31に嵌入、固定される外部導線接続用端子部32aと、該外部導線接続用端子部32aの他端に一端が直角に連なってステータ8の半径方向内方側に延びる平板状の連結板部32bと、該連結板部32bの他端部との間に前記口出し線33を挟んでヒュージング接続することを可能として連結板部32bに連設される挟持板部32cとを一体に有して導電性金属から成るものである。
【0033】
外部導線接続用端子部32aは、嵌合孔31に嵌入すべく平板状に形成されるものであり、連結板部32bを図6で示すようにボビン24に当接させるまで嵌合孔31に嵌入したときに、嵌合孔31から一端が突出するような長さに設定される。しかも外部導線接続用端子部32aの両側には、嵌合孔31の両側内面に食込んで外部導線接続用端子部32aが嵌合孔31から離脱することを阻止するための爪42,42が一対ずつ設けられる。連結板部32bは、外部導線接続用端子部32aが嵌合孔31に嵌入されたときにボビン24における端壁部材16側の一端面に当接してステータ8の半径方向内方に延びるようにして、外部導線接続用端子部32aの他端に直角に連設されるものであり、ステータ8の半径方向内方側に向かうにつれて幅を狭くした台形状に形成される。
【0034】
挟持板部32cは、外部導線接続用端子部32aの他端部から連結板部32bの一端部にかけての幅方向中央部を切り起こして形成されるものであり、口出し線33を連結板部32bの他端部との間に挟み得るように形成される。
【0035】
しかもボビン24における各張出部24a…の内周には、前記連結板部32bの他端側を一端に臨ませるとともにヒュージング接続用の一対の電極44,45の一方45を通すことを可能として両端を開放した溝43…が設けられる。
【0036】
また張出部24aに嵌合、固定された3つの接続端子32…の外部導線用端子部32a…は張出部24aから支持部7側に突出しており、それらの外部導線用端子部32a…に外部導線46…を個別に接続するためのカプラ47が、ボビン24の他端側から該ボビン24の内周部に挿脱可能に弾発嵌合される。
【0037】
このような接続端子32のボビン24への組付けならびに該接続端子32への口出し線33のヒュージング接続を行なうにあたっては、外部導線接続用端子部32aを連結板部32bがボビン24に当接するまで嵌合孔31に嵌合して接続端子32をボビン24に固定する工程と、口出し線33を連結板部32bおよび挟持板部32c間に挟むようにして挟持板部32cに絡げる工程と、一方の電極45を溝43に挿入するようにして一対の電極44,45で連結板部32bおよび挟持板部32cを挟圧しつつヒュージング接続する工程と、口出し線33のうち接続端子32から突出した不要部分を切除する工程とを順次実行する。
【0038】
他の接続端子36,39も上述の接続端子32と同様に形成されており、接続端子36,39のボビン24への組付けおよび該接続端子36,39への口出し線37,38;40,41のヒュージング接続も、接続端子32のボビン24への組付けならびに接続端子32への口出し線33のヒュージング接続と同様に実行され、さらに図示しない外部導線との接続も上述の接続端子32および外部導線46…の接続と同様である。
【0039】
図7において、接続端子34は、一端側を3つの嵌合孔31…からそれぞれ突出せしめて各嵌合孔31…に嵌入、固定される3つの外部導線接続用端子部34a…と、それらの外部導線接続用端子部34a…の他端に一端が共通にかつ直角に連なってステータ8の半径方向内方側に延びる平板状の連結板部34bと、該連結板部34bの他端部との間に前記口出し線35…を挟んでヒュージング接続することを可能として連結板部34bに連設される3つの挟持板部34c…とを一体に有して導電性金属から成るものである。
【0040】
外部導線接続用端子部34aは、嵌合孔31に嵌入すべく平板状に形成されるものであり、連結板部34bをボビン24に当接させるまで嵌合孔31に嵌入したときに、嵌合孔31から一端が突出するような長さに設定される。しかも外部導線接続用端子部34a…の両側には、嵌合孔31の両側内面に食込んで外部導線接続用端子部34aが嵌合孔31から離脱することを阻止するための爪46,46が一対ずつ設けられる。
【0041】
このような接続端子34のボビン24への組付けならびに該接続端子34への口出し線35のヒュージング接続も、接続端子32のボビン24への組付けならびに接続端子32への口出し線33のヒュージング接続と同様に実行され、さらに図示しない外部導線との接続も上述の接続端子32および外部導線46…の接続と同様である。
【0042】
次にこの第1実施例の作用について説明すると、7個ずつのU相用メインコイル28U…、V相用メインコイル28V…およびW相用メインコイル28W…と、一対のDC用コイル29,29と、単一のサブコイル30とが、ステータコア22の外周に設けられた多数の突極23…にボビン24を介して巻装されており、ステータコア22の半径方向に沿って各コイル28U…,28V…,28W…,29,29,30の内方側でボビン24には複数の嵌合孔31…が設けられ、導電性金属から成る複数の接続端子32…,34,36…,39が前記嵌合孔31…にそれぞれ嵌入、固定され、各接続端子32…,34,36…,39の一端側に外部導線46…が接続されるとともに各接続端子32…,34,36…,39の他端側に前記コイル28U…,28V…,28W…,29,29,30から延びる口出し線33…,35…,37,38,40,41がヒュージング接続されることで、各コイル28U…,28V…,28W…,29,29,30が外部導線46…に接続されることになる。
【0043】
このようなステータ8において、接続端子32は、外部導線46に接続される一端側を嵌合孔31から突出せしめて該嵌合孔31に嵌入、固定される外部導線接続用端子部32aと、該外部導線接続用端子部32aの他端に一端が直角に連なってステータ8の半径方向内方側に延びる平板状の連結板部32bと、該連結板部32bの他端部との間に口出し線33を挟んでヒュージング接続することを可能として連結板部32bに連設される挟持板部32cとから成り、ボビン24の内周には、連結板部32bの他端側を一端に臨ませるとともにヒュージング接続用の一対の電極44,45の一方45を通すことを可能として両端を開放した溝43が設けられている。
【0044】
したがってヒュージング接続用の一対の電極44,45の一方が溝43を通るので、ボビン24に接続端子32を嵌合、固定した状態で連結板部32bの他端部および挟持板部32c間にコイル28U…,28V…,28W…から延びる口出し線33…を挟んでヒュージング接続することが可能であり、ヒュージング接続後に接続端子32の一部を折り曲げる操作は不要である。この結果、コイル28U…,28V…,28W…から接続端子32…への接続部までの間で口出し線33…に撓みが生じることはなく、いわゆる遊離線が生じてしまうことはないので、口出し線33…に絶縁チューブを被せる等の処理を施す必要がない。またヒュージング接続用の一対の電極44,45を太くすることができるので、大電流を流すことによってヒュージング接続時間を短縮することもでき、組付け作業能率をより一層向上することができる。
【0045】
しかも接続端子32のボビン24への組付けならびに該接続端子32への口出し線33のヒュージング接続を行なうにあたっては、外部導線接続用端子部32aを連結板部32bがボビン24に当接するまで嵌合孔31に嵌合して接続端子32をボビン24に固定する工程と、口出し線33を連結板部32bおよび挟持板部32c間に挟むようにして挟持板部32cに絡げる工程と、一方の電極45を溝43に挿入するようにして一対の電極44,45で連結板部32bおよび挟持板部32cを挟圧しつつヒュージング接続する工程と、口出し線33のうち接続端子32から突出した不要部分を切除する工程とを順次実行するようにしているので、ヒュージング接続用のヒュージングマシンへのボビン24のセット状態で、該ボビン24への接続端子32の固定、ならびにヒュージング後に口出し線33のうち不要部分を切除する作業を行なうことができ、ステータ8の組付け作業能率を向上することができる。
【0046】
また連結板部32bは、ステータ8の半径方向内方側に向かうにつれて幅を狭くした台形状に形成されており、隣接する接続端子32…間の絶縁間距離を確保しつつ複数の接続端子32…をステータ8の周方向に沿って近接配置することが可能であり、ステータ8の小型化に寄与することができる。
【0047】
また接続端子36,39も上述の接続端子32と同様に形成されており、接続端子32と同様の効果を得ることができる。
【0048】
さらに接続端子34は、一端側を3つの嵌合孔31…からそれぞれ突出せしめて各嵌合孔31…に嵌入、固定される3つの外部導線接続用端子部34a…と、それらの外部導線接続用端子部34a…の他端に一端が共通にかつ直角に連なってステータ8の半径方向内方側に延びる平板状の連結板部34bと、該連結板部34bの他端部との間に前記口出し線35…を挟んでヒュージング接続することを可能として連結板部34bに連設される3つの挟持板部34c…とを一体に有するものであり、ボビン24の内周には、連結板部34bの他端側を一端に臨ませるとともにヒュージング接続用の一対の電極44,45の一方45を通すことを可能として両端を開放した溝43が設けられている。
【0049】
したがって上述の接続端子32と同様に、コイル28U…,28V…,28W…から延びる口出し線35…のヒュージング接続後に接続端子34の一部を折り曲げる操作は不要であり、コイル28U…,28V…,28W…から接続端子34への接続部までの間で口出し線35…に撓みが生じることはなく、遊離線が生じてしまうことはないので口出し線35…に絶縁チューブを被せる等の処理を施す必要がない。またヒュージング接続用のヒュージングマシンへのボビン24のセット状態で、該ボビン24への接続端子34の固定、ならびにヒュージング後に口出し線35のうち不要部分を切除する作業を行なうことができ、ステータ8の組付け作業能率を向上することができる。
【0050】
図8および図9は本発明の第2実施例を示すものであり、第1実施例に対応する部分には同一の参照符号を付す。
【0051】
ボビン24′の一端側には、ステータコア22が備える各突部22a…間の内周から半径方向内方に張り出す4つの張出部24a′…が一体に設けられ、各張出部24a′…には、ボビン24の中心からの距離を同一とした位置でボビン24の周方向に等間隔をあけて配置される複数たとえば3個の嵌合孔31…がそれぞれ設けられる。しかも各嵌合孔31…には、接続端子32…,36…,39…がそれぞれ備える外部導線接続用端子部32a…と、接続端子34が備える3つの外部導線接続用端子部34a…とが嵌入、固定される。
【0052】
またボビン24′における各張出部24a′…には、前記接続端子32…,36…,39…の連結板部32b…を一端に臨ませるとともにヒュージング接続用の一対の電極44′,45′の一方45′を通すことを可能として両端を開放した貫通孔48…が各接続端子32…,36…,39…毎に設けられるとともに、接続端子34の連結板部34bを一端に臨ませるとともにヒュージング接続用の一対の電極44′,45′の一方45′を通すことを可能として両端を開放した3つの貫通孔48…が接続端子34に対応して設けられる。
【0053】
而して、一方の電極45′を貫通孔48に挿入するようにして一対の電極44′,45′で、各接続端子32…,36…,39…の連結板部32b…および挟持板部32c…を挟圧しつつヒュージング接続することで、各接続端子32…,36…,39…に口出し線33…,37,38,40,41がヒュージング接続され、また接続端子34の連結板部34bおよび挟持板部34c…を挟圧しつつヒュージング接続することで、接続端子34に3つの口出し線35…が接続されることになる。
【0054】
この第2実施例によれば、上記第1実施例と同様の効果を奏した上に、接続端子32…,36…,39…,34の連結板部32b…、34bの全てがボビン24′上に載ることになり、各接続端子32…,36…,39…,34のボビン24′への取付状態が安定化する。
【0055】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。

Claims (2)

  1. 複数のコイル(28U,28V,28W,29,30)が、ステータコア(22)の外周に設けられた多数の突極(23)にボビン(24,24′)を介して巻装され、ステータコア(22)の半径方向に沿って各コイル(28U,28V,28W,29,30)の内方側で前記ボビン(24,24′)に設けられる複数の嵌合孔(31)に、導電性金属から成る複数の接続端子(32,34,36,39)がそれぞれ嵌入、固定され、各接続端子(32,34,36,39)の一端側に外部導線(46)が接続されるとともに各接続端子(32,34,36,39)の他端側に前記コイル(28U,28V,28W,29,30)から延びる口出し線(33,35,37,38,40,41)がヒュージング接続されるアウタロータ型多極発電機用ステータにおいて、
    前記各接続端子(32,34,36,39)は、外部導線(46)に接続される一端側を嵌合孔(31)から突出せしめて該嵌合孔(31)に嵌入、固定される外部導線接続用端子部(32a,34a)と、該外部導線接続用端子部(32a,34a)の他端に一端が直角に連なってステータ(8)の半径方向内方側に延びる平板状の連結板部(32b,34b)と、該連結板部(32b,34b)の他端部との間に前記口出し線(33,35,37,38,40,41)を挟んでヒュージング接続することを可能として前記連結板部(32b,34b)に連設される挟持板部(32c,34c)とから成り、前記ボビン(24、24′)には、前記連結板部(32b,34b)の他端側を一端に臨ませるとともにヒュージング接続用の一対の電極(44,45;44′,45′)の一方を通すことを可能として両端を開放した溝(43)または貫通孔(48)が設けられ、前記連結板部(32b)は、ステータ(8)の半径方向内方側に向かうにつれて幅を狭くした台形状に形成されることを特徴とするアウタロータ型多極発電機用ステータ。
  2. 記請求項1に記載のアウタロータ型多極発電機用ステータの組立方法であって、
    前記接続端子(32,34,36,39)の前記ボビン(24)への組付けならびに該接続端子(32,34,36,39)への前記口出し線(33,35,37,38,40,41)のヒュージング接続を行なうにあたっては、前記外部導線接続用端子部(32a,34a)を前記連結板部(32b,34b)が前記ボビン(24,24′)に当接するまで前記嵌合孔(31)に嵌合して前記各接続端子(32,34,36,39)を前記ボビン(24,24′)に固定する工程と、前記口出し線(33,35,37,38,40,41)を前記連結板部(32b,34b)および前記挟持板部(32c,34c)間に挟むようにして前記挟持板部(32c,34c)に絡げる工程と、一対の電極(44,45;44′,45′)のうちの一方の電極(45,45′)を前記溝(43)または前記貫通孔(48)に挿入するようにして、該一対の電極(44,45;44′,45′)で前記連結板部(32b,34b)および前記挟持板部(32c,34c)を挟圧しつつヒュージング接続する工程と、前記口出し線(33,35,37,38,40,41)のうち前記接続端子(32,34,36,39)から突出した不要部分を切除する工程とを順次実行することを特徴とする、アウタロータ型多極発電機用ステータの組立方法。
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