JP4344516B2 - 液圧式打撃ハンマの工具の軸受面潤滑装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は液圧式打撃装置の工具とその打撃装置との間の軸受面潤滑装置に関するものである。本装置は供給ポンプと、軸受面間のスペースに通じている少なくとも1つの潤滑剤供給用の通路とを含む。
【0002】
【従来の技術】
液圧式打撃ハンマは工具を含み、工具はこれに打撃を加える打撃機構の作用を受けて、長手方向に前後運動する。かかる工具は継続的に大きな負荷を受けている。とりわけ、エキスカベータ等の適切な基部に取り付けられたブームとともに打撃ハンマが動作しまたは回転する時には、極端に大きな横からの力が加工刃の運動範囲に生成される。このような力は、他方、非常に高い表面圧を軸受面に生じ、これによって軸受は損傷しがちになる。さらに、工具端部の打撃ピストンが打ち込みを行うと、操作する工具材質に応じて工具は素早く前方に動き、あるいは基部が硬ければ工具面はほとんど静止したまま却って激しく振動する。
【0003】
典型的には、工具は、長い軸受ブッシュ、あるいは一定の距離をおいて配置された2つの別々の軸受ブッシュによって、実装される。一組の軸受、すなわち互いに対して摺動する2つの軸受面は、内側軸受面の役割を果たす工具の外面と、これに対応して外側軸受面の役割を果たす軸受ブッシュの内面とで構成されている。なかには、軸受ブッシュを別途有することなく、打撃ハンマのフレームだけで外側軸受面として使用される方式もある。これらの方式では、軸受の材料は以下のように異なっている。すなわち、工具の材質は通常焼入れ焼戻し鋼であり、軸受ブッシュの材質は炭化焼入れ鋼または青銅系材料である。
【0004】
打撃ハンマの潤滑剤としてはグリースまたは油のいずれを使用してもよい。その目的は摺動面間に潤滑剤を供給して金属対金属の接触を防止し、同時に摺動面間の表面圧を均一にすることである。特に、金属対金属が一点で接触し、あるいは線状に接触するのは問題であり、非常に大きな磨耗を生じて場合によっては軸受面のエッジ近くにクラックを生じかねないことが分かっている。一般的に、潤滑の目的とするところは、軸受面の磨耗を防止し金属部品同士を緊締することであると言える。
【0005】
良好な潤滑効果を得るには、軸受面のうち高い表面圧を有すると分かっている領域に潤滑剤を充当することが、とりわけ重要である。液圧式打撃ハンマでは、その領域とは、軸受の軸方向における、軸受の上方および下方エッジである。これは、軸受面が既に磨耗しているために工具が本来の位置に比べて軸受の中心線より傾斜した位置にある場合には、さらに重要となる。
【0006】
軸受の潤滑を達成し全体的に潤滑を確実なものにするため、ますます、従来行われていた手動式の潤滑から自動式の潤滑への置換への努力がなされている。連続式自動潤滑には、打撃ハンマの上部からそのフレーム構造を通って下部フレームへ達し、さらに潤滑すべき軸受面に通じる通路が設けられている。潤滑剤はこの通路を通って、別途、工具の軸受面に供給される。下部フレーム、すなわち打撃ハンマのうち工具まわりのフレーム部には、潤滑剤の注入通路から軸受面まで、複数の別々の分岐通路が設けられていて、これによって潤滑剤が様々な軸受面に供給されている。しかしこの方式では、潤滑用の所望の対象に確実に給油することができない。潤滑剤の流れは、潤滑剤の乾燥およびこれによる通路の部分的なまたは完全なつまりによって阻害され、また潤滑剤の粘度、作動中の打撃ハンマの急激な加速、潤滑する軸受のきつさ、作動中の打撃ハンマの位置、粉塵および湿気によっても阻害されるからである。実際上、潤滑剤は最も絞りのかけられていない経路に沿って流れると言えるため、潤滑剤が最も短く最も幅広の経路を押し進めば、それだけで、より遠くに配置されている潤滑対象や狭小な軸受開口は潤滑されないままになってしまう。
【0007】
【特許文献1】
欧州特許出願公開第525498号明細書。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
欧州特許出願公開公報0525498号が開示する方式によれば、潤滑剤供給通路と軸受に通じる複数の分岐通路との分岐点には、調整可能な絞り要素が設けられている。これは、潤滑剤の流れの制御を目的とするものである。しかし実際上問題なのは、本来、潤滑剤は軸受面に対して期待した通りに所定の温度で流れるべきところ、調整可能な絞り要素が設けられていないと、例えば温度変化、粉塵および潤滑剤の乾燥によって、長い作動期間のうちには、上述と同様の問題が生じてしまうことである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、打撃ハンマの工具の軸受面への潤滑剤供給装置を提供することを目的とする。本装置によって潤滑剤の供給は可能な限り期待通りに実行可能である。本発明による装置は、以下の事項を特徴とする。すなわち、本装置は潤滑剤供給用の少なくとも2つの別個の通路を軸受面間に別々に含み、これらの通路は、工具の軸方向に互いに一定の距離をおいた少なくとも2つの地点に配置されている。2つの通路それぞれにおいて、個別の投入ポンプが潤滑剤供給ポンプの役割を果たし、投入ポンプはこれらに供給される媒質の圧力によって作動する。この加圧媒質は投入ポンプの作動シリンダに供給される。これら投入ポンプは2つの通路を通して軸受面間のスペースへ一定量の潤滑剤を断続的に供給する。投入ポンプの作動シリンダの圧力が減少すると、それら作動シリンダのピストンは休止位置に戻り、同時に、次回に加圧媒質が作動シリンダに供給される時に軸受面間に新しく供給される一回分の潤滑剤で充填される。
【0010】
本発明の本質的な思想は、各々投入ポンプを備えた2つの別個の供給通路を通して打撃ハンマの軸受面に潤滑剤を供給することである。投入ポンプは一定量の潤滑剤を適切な間隔で供給通路を通して軸受点に供給する。軸受点には供給通路からの分岐通路が通じている。このようにして潤滑剤を制御し、軸受の前端部から後端部まで均一に供給することが可能であり、これは、すきままたは潤滑剤の乾燥などの他の性質によって別の側面で通路システムの状態に悪影響を及ぼしているか否かに拘わらず、可能である。本発明の好ましい実施例によれば、独立した潤滑剤供給ポンプと、それに続く2つの並列した投入ポンプとを使用し、これら2つの投入ポンプによって潤滑剤をその供給通路に供給する。本発明の好ましい第2の実施例によれば、供給ポンプは打撃ハンマの作動液によって作動するポンプであり、加圧された作動液が打撃装置に供給されるたびに潤滑剤を供給する。そして打撃装置の作動が停止すると、初期位置へ戻る。本発明の好ましい第3の実施例の本質的な思想は、加圧された潤滑剤が投入ポンプに供給されると投入ポンプは周期的に作動して一端から潤滑剤を供給し、加圧された潤滑剤の供給が停止されると初期位置に戻ることであり、投入ポンプは同時に潤滑剤で満たされる。本発明の好ましい第4の実施例によれば、2つの並列した投入ポンプは潤滑剤の供給に用い、これら投入ポンプは打撃装置の圧力によって作動し、加圧された作動液が打撃装置に供給されると潤滑剤を供給し、打撃装置が作動を停止すると初期位置に戻り、同時に潤滑剤で満たされる。
【0011】
本発明の利点は、簡便で信頼性の高いポンプを使用して打撃ハンマを期待通りに作動させ、同時に、工具と打撃ハンマとの間の動作範囲において信頼性の高い軸受面の潤滑を達成することである。また本発明の他の利点は、既存の打撃ハンマにも、わずかな改変を加えるだけで簡単に適用可能な点である。さらに本発明の好ましい実施例の利点は、潤滑を行うために、壊れやすい高価なポンプ構造を必要としなくとも、打撃ハンマの作動期間が開始されるたびに、毎回潤滑が実行できることである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
図1は打撃装置1を示し、これに作動液ポンプ2が作動液を供給する。打撃装置への作動液の供給およびこれによる打撃装置の作動は、制御バルブ3によって制御される。また打撃装置1は工具4を含み、これは軸方向の軸受に、打撃装置に対して摺動する形式で取り付けられ、打撃装置の下端には公知の形式の軸受5および6が設けられている。工具4と軸受5および6との嵌合、ならびに軸受の実装は、当業者に一般的によく知られている方式で行ってよく、したがってここでは詳細には説明しない。また打撃装置1は打撃ピストン7を含み、これは公知の方式で前後運動するものであり、これが工具4の上端部に打撃を加えると、工具の打撃動作が行われる。
【0014】
図1はさらに供給ポンプ9を示し、これは打撃装置の作動液供給通路に接続された供給シリンダ10と作動シリンダ11とを含む。また供給ポンプ9は、作動シリンダ11内に、供給ピストン12とその戻りスプリング13とを含む。さらに供給ポンプ9はチェックバルブ14を含み、これによって潤滑剤タンク15は供給シリンダ10と通じることとなる。供給シリンダ10からはさらに、通路16が2つの投入ポンプ17および18に通じていて、これら投入ポンプは、それぞれの供給通路19および20を通して軸受5および6に接続されていて、潤滑剤を軸受5および6と工具の軸受面4との間に供給し、それらの潤滑を行う。
【0015】
制御バルブ3が使用位置にある場合は、加圧された作動液が作動液ポンプ2から通路2aを通って打撃装置1に流入可能である。この結果打撃ピストン7は、公知の打撃機構によって往復打撃動作を開始する。この打撃機構は当業者にとってよく知られているものとしてよいため、ここでは別段の説明を要しない。打撃装置から排出された作動液は作動液タンク21に還流する。同時に、加圧された作動液は供給ポンプ9の作動シリンダ11に流入し、戻りスプリング13に抗して供給ピストン12を前方に押す。供給ピストン12が供給シリンダ10に向かって前方に押されると、供給ピストン12は供給シリンダ10内の潤滑剤に圧力を生成する。チェックバルブ14は潤滑剤が潤滑剤タンク15に流れ戻るのを防止しているため、潤滑剤は供給シリンダ10から投入ポンプ17および18に向かって通路16を通って流れることとなる。潤滑剤の圧力によって、他方、投入ポンプ17および18は潤滑剤を通路19および20を通して軸受5および6に供給することとなり、潤滑剤はそれら軸受の軸受面と工具の軸受面4との間の開口に供給される。投入ポンプによって供給される潤滑剤の分量は常に一定に決められているため、打撃装置が作動を開始するたびに一定量の潤滑剤が両方の軸受面に対して供給される。そして打撃装置が停止すると、通路2a内の圧力は減少し、供給ピストン12は戻りスプリング13によって元の位置に戻る。供給ピストン12の戻り動作中、負圧が供給シリンダ10に生成され、これによって、注油バルブ17および18に対して前方に供給されこれらを通じて打撃装置の軸受面に供給されていたのと同一量の潤滑剤が潤滑剤タンク15からチェックバルブ14を通じて供給シリンダ10に流れ込む。注油バルブ17および18の動作は図2(A)および(B)に詳細に示す。上述のように、打撃装置1の軸受5および6の軸受面と、工具の軸受面4とは、打撃装置が作動を開始するたびに、所定量の潤滑剤の供給を受ける。そして打撃装置が停止すると、供給ポンプはその休止位置に戻り、新しい潤滑剤が供給シリンダ10に流れ、打撃装置が次に作動を開始する時には、新たな1回分の潤滑剤を供給可能な状態となる。
【0016】
図1はまた、長期にわたる苛酷な作業、すなわち打撃装置の開始から停止までの期間が長く、そのため潤滑作業の間隔が長くなってしまう作業を強いられる場合に有用な他の実施例も示している。同図は接続要素2bを概略的に示していて、これは現状では休止位置にあって閉止している。また接続要素2bは独立した制御ユニット2dに制御回線または制御ケーブル2cを介して接続されている。制御ユニット2dはタイマーで作動させてよく、タイマーによって一定の時間の経過後に接続要素2bの開放機能および閉止機能が実行される。接続要素2bが、望ましくは打撃装置の作動液用の排出通路によって、作動液供給通路2aへの接続を閉止し作動液タンク21への接続を開放すると、供給ポンプ9のピストン12はその休止位置へ戻ることができ、これによって潤滑剤で充填される。これに対応して、接続ユニットが作動液供給通路2aへの接続を再び開放すると、潤滑剤は既に述べたように打撃装置に供給される。制御ユニット2dは電気式または液圧式に制御してもよく、その場合、基部の制御キャビンからリモートコントローラによって制御してもよいし、無線リモートコントロールシステムによって制御してもよい。これと同様に、制御ユニットの傍らでユーザが手動により自然に制御ユニットを始動させてもよい。接続要素2bが供給ポンプ9を作動液供給通路2aに接続しているデフォルトの状態では、打撃装置が再始動するたびに潤滑機能が実行されることとなる。一定の用途に使用する場合には、制御ユニット付きの接続要素2bは省略してもよく、作動液供給通路2aから供給ポンプ9への接続は、点線2’で示すように、直接開放しておいてもよい。
【0017】
図2(A)および(B)は、本発明による装置にとって適切な投入ポンプの動作を示す概要図である。図2(A)は図1に示す供給ポンプ9が加圧された潤滑剤を供給ポンプへ供給する時の投入ポンプの動作を示す。図2(B)は打撃装置の作動が停止され供給ポンプ9の供給ピストン12がその休止位置に戻った状態を示す。図2(A)および(B)は同じバルブの異なる動作状態を示し、すべての部位の参照符号は図2(A)についてのみ示す。
【0018】
図2(A)の場合、加圧された潤滑剤は投入ポンプ17へ供給通路16を通って流れる。加圧された潤滑剤は投入ポンプ17の作動シリンダ22内で作用して、作動ピストン23を矢印で示す前方に押す。同時に、作動ピストン23内の突出部24が補助ピストン25内の通路26を塞ぐ。戻りスプリング27は作動ピストン23および補助ピストン25に抗力を及ぼす役目を果たすものである。作動ピストン23と補助ピストン25との間には潤滑剤スペース28が設けられていて、このスペースに対して潤滑剤通路16からチェックバルブ29を介した接続がなされている。加圧された潤滑剤が作動ピストン23を押し、補助ピストン25が前方に動くと、これらピストンの断面積の差によって、圧力差すなわち通路16に対する負圧が潤滑剤スペース28に生成される。これによって、潤滑剤は圧力差の作用で潤滑剤スペース28にチェックバルブ29を通って流れ込む。同時に、潤滑剤は補助ピストン25の反対側に配置された供給スペース30から、通路19を通って、さらに軸受面に流れ込む。作動ピストン23および補助ピストン25は、補助ピストン25がストッパに当たるまで、矢印で示す前方に動く。ストッパは例えば調整ネジとしてよく、またはショルダーなどの固定止め具としてよい。ピストンの移動長さによって、通路19を通過する潤滑剤の分量が決定される。仮に、常にその移動長さが同一であれば、供給される潤滑剤の分量はどの供給時でも一定となる。
【0019】
図2(B)の場合、図1に示す供給ポンプ9の供給ピストン12は戻り動作を行っている。これによって通路16からの圧力は消失している。この場合、戻りスプリング27はピストン25および23を矢印で示す方向に押し、初期位置に押し戻す。これらピストンの断面積の大きさが異なるため、この場合、潤滑剤スペース28に圧力が生成され、これによって作動ピストン23が補助ピストン25から引き離され、潤滑剤スペース28内の潤滑剤は通路26を通って供給スペース30に排出されることとなる。これは補助ピストン25が再び休止位置に戻るまで、継続される。そして休止位置に戻ると、補助ピストン25は、供給シリンダ10に、次の動作ストロークで軸受面間に供給される潤滑剤の新たな1回分を充填する。チェックバルブ29は潤滑剤が潤滑剤スペース28から潤滑剤通路16へ流れ戻るのを防止する。図1に示す供給ポンプ9の供給ピストン12が再び加圧された潤滑剤を潤滑剤通路16を通して供給すると、投入ポンプ17は図2(A)の状態に戻り、既に述べたのと同様に、打撃装置の始動と停止との間、作動サイクルが継続する。第2の投入ポンプ18も投入ポンプ17と同様に動作する。調節ネジなどの適切な調節可能な止め具、あるいはその他の公知の制御構体を使用することによって、所望の分量の潤滑剤を各地点に供給可能である。これは無論、対象によって異なる方法で投入ポンプを寸法決めすることによっても実行可能であるが、打撃装置の特性、磨耗の程度および作動状態に応じて独立した制御を行えば、潤滑剤の供給は、より良好に制御可能となる。
【0020】
図3は本発明による装置の第2の実施例の概要図である。原則として、この実施例は、図1に示したものと大部分同様である。したがって、同様の要素は同一の名称および参照番号で示す。図1の実施例との本質的な相違点は、図4(A)および(B)に示すように、別個の供給ポンプ9が使用されていず、投入ポンプ17’および18’がそれら自身のチェックバルブ29’によって直接に潤滑剤タンク15に接続されていることである。また、投入ポンプ17’および18’は、図4(A)および(B)に詳細に示す方法により、打撃装置の作動液によって接続される。その他の点では、図3に示す実施例は、図1に示すものと同様であり、それらについては図1の説明を参照されたい。図3はまた、以下の方式を示している。すなわち2つの別個の軸受5および6に代えて、1つの連続した軸受5’を採用していて、これはその長さ全体にわたる軸受面を有する。この場合でも潤滑剤は、通路19および20を通して軸受面の下端部および上端部に供給される。図1の方式と同様に、図3の方式でも、制御ユニット付きの別個の接続要素を使用してよく、これによって補助的な潤滑を長期にわたる苛酷な作業期間中、実行する。また、図3の方式でも制御ユニット2d付きの接続要素2bは省略し、点線2’で示すように、作動液供給通路2aからの接続を常時開放しておいてもよい。
【0021】
図4(A)および(B)は図3に示す実施例の投入ポンプ17’および18’の動作を示す概要図である。これらの図は投入ポンプ17’の概要を示し、その構造および動作は実質的に図2(A)および(B)に示す投入ポンプ17と同様である。したがって、同様の部位は同一の名称および参照番号で示す。図3に示す投入ポンプ17’ならびに投入ポンプ18’は、図2(A)および(B)に示す投入ポンプ17と以下の点でのみ異なる。すなわち図3のポンプには作動ピストンの動力が与えられ、通路システムが接続されている点である。図4(A)および(B)は同じバルブの異なる動作状態を示し、すべての部位の参照符号は図4(A)についてのみ示す。
【0022】
図4(A)および(B)に示すように、投入ポンプ17’の作動シリンダ22は作動液供給通路2aに直接に接続され、通路2aは打撃装置に通じている。これに対応して、潤滑剤スペース28はチェックバルブ29’を介して潤滑剤タンク15に直接接続されている。打撃装置に通じる作動液供給通路2aに圧力が生じると、作動ピストン23および補助ピストン25は図2(A)について説明したのと同様に、矢印方向に押される。これにより、潤滑剤スペース28に生成された負圧によって吸収された潤滑剤が、チェックバルブ29’を介して潤滑剤タンク15から通路16を通して流れる。同時に潤滑剤は通路19を通って、図2(A)について説明したのと同様に軸受面に流れ込む。その他の点では、図4(A)に示す投入ポンプ17’は図2(A)について説明したのと同様に動作する。打撃装置の作動液供給通路2a内の圧力が減少すると、作動ピストン23および補助ピストン25は図2(B)について説明したのと同様に休止位置に戻り、潤滑剤は潤滑剤スペース28から供給シリンダ30へ流れ込む。図4(A)および(B)に示す作動サイクルは、打撃装置が始動しまたは停止するたびに繰り返される。図3に示す投入ポンプ18’の構造および動作は、図4(A)および(B)に示す投入ポンプ17’と同様にするのが最も好ましい。
【0023】
当業者にとってみれば、技術の進歩に伴って、本発明の基本的な思想を複数の方法で実現可能であることは、明白である。また本発明の実施例も、上述の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲内で改変可能である。
【0024】
上述の実施例を逸脱して、線形の打撃動作を行う供給ポンプと、これに対応した投入ポンプとを含めてもよい。このように、他の種類の供給ポンプおよび投入ポンプであっても、以下のように動作する限り、利用してよい。すなわち、これらポンプは、加圧された液体または潤滑剤が供給された時に1回の供給動作を行い、1回分の潤滑剤を、工具の軸受面と、潤滑すべき対象とに供給するように動作し、打撃装置作動液供給通路に生成される圧力が減少すると、休止位置に戻って次の加圧期間を待機するように動作すればよい。
【0025】
投入ポンプ17および18ならびに供給ポンプ9、あるいは投入ポンプ17’および18’は、1つの統一体に統合可能であり、打撃装置への潤滑剤の供給を目的とするすべてのポンプを打撃装置に簡単に取り付け可能な統一体としてよい。これと同様に、潤滑剤タンク15も、ポンプの統一体に直接取り付け可能なものとしてよい。なぜなら、供給するのに必要な潤滑剤の分量は、全体でも少量であり、したがって廃棄可能な一般的に市販されている潤滑剤カートリッジを使用可能だからである。このように本発明による装置は、しばしば、旧式の打撃装置にも簡便に導入可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による装置の概要図である。
【図2】図1に示す本発明の実施例における適切な投入ポンプの概要図である。
【図3】本発明による装置の第2の実施例の概要図である。
【図4】図3に示す本発明の実施例における適切な投入ポンプの概要図である。
【符号の説明】
4 軸受面
5、5’、6 軸受
9 供給ポンプ
15 潤滑剤タンク
17、17’18、18’ 投入ポンプ
19、20 供給通路
Claims (4)
- 液圧式打撃装置の工具と該打撃装置との間にあって、軸受面間のスペースに通じていて工具の軸方向に互いに一定の距離をおいた少なくとも2つの位置に配置され該軸受面間に潤滑剤を別々に供給する少なくとも2つの別個の通路を含む軸受面潤滑装置において、該装置は、前記2つの通路それぞれに個別の投入ポンプが潤滑剤供給ポンプの役割を果たし、該投入ポンプはこれらに供給される媒質の圧力によって作動し、加圧媒質が該投入ポンプの作動シリンダに供給されている時には、該投入ポンプは一定量の潤滑剤を断続的に前記2つの通路を通して軸受面間のスペースへ供給し、該投入ポンプの作動シリンダの圧力が減少すると、該ポンプのピストンは休止位置に戻り、同時に、次回に加圧媒質が該作動シリンダに供給される時に軸受面間に新しく供給される一回分の潤滑剤で充填され、該装置は供給ピストンを有する別個の供給ポンプを含み、該供給ピストンは、打撃装置の作動液供給通路における作動液の圧力の作用によって該供給ポンプ内の供給シリンダに向かって押され、該圧力が減少すると休止位置に戻り、前記供給シリンダは潤滑剤タンクにチェックバルブを介して接続され、前記投入ポンプに潤滑剤通路を介して接続され、前記供給ポンプの供給ピストンが供給シリンダに向かって押されると潤滑剤の圧力によって投入ポンプの供給動作が行われ、前記供給ポンプの供給ピストンがその休止位置に戻ると、前記潤滑剤タンクから前記供給シリンダへチェックバルブを介して潤滑剤が流れることを特徴とする軸受面潤滑装置。
- 請求項1に記載の装置において、前記投入ポンプによって供給される潤滑剤の分量は調節可能であることを特徴とする軸受面潤滑装置。
- 請求項1または2に記載の装置において、潤滑剤を供給するために必要なすべてのポンプは、1つの統合された統一体として構成されることを特徴とする軸受面潤滑装置。
- 請求項1ないし3のいずれかに記載の装置において、該装置は別個の接続要素を含み、前記供給ポンプまたは投入ポンプは、該要素によって、前記打撃装置の作動液供給通路または作動液タンクに通じる通路に接続可能であり、潤滑剤は、打撃装置の作動中に、前記接続要素を制御することによって軸受面に供給可能であることを特徴とする軸受面潤滑装置。
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