JP4340986B2 - 床下及び室内の換気システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、家屋の床下及び床下から室内の湿度等の除去を兼ねた換気システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般の住宅などの木造建築家屋では床下からの湿度が屋内に達し、押し入れなどの通常閉鎖している部分にカビが生えるなどの問題が生じている。この他、床下に湿度が滞留すると、シロアリの発生による家屋への食害やカマドウマ等の不快害虫の棲息による不衛生等の問題が生じている。
これらの問題点を解決するために、押し入れ内に置くための除湿剤や、床下に吸湿性の石などを敷き詰めることなどが行われているが、前記除湿剤は一定期間毎に新しいものと交換しなければならず、また床下に敷き詰める吸湿材は材質によっては、一度吸収した湿度を放出するものもあるため、床下の湿度を一定に保つのには良いが除湿するには不向きのものもある。
また更に、床下内に種々のものを置くことは床下内の通気性を阻害することになるため好ましくない。
上記の他に、近年、シロアリ等の防除の目的で、床下全面をコンクリートで固めることも行われているが、施工方法によっては床下に水が溜るなどの問題も生じている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来の課題を解決するためのもので、床下内の湿分、アンモニア等の不快臭の除去及び床下からの室内の湿分等を除去でききるシステムを提供せんとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の床下及び室内の換気システムは、住宅等の建築物の床下に、複数個の吸気口と1個の排気口を有する吸排気装置を配置し、該吸排気装置の吸気口と排気口に所要の長さのダクトを接続し、吸気ダクトの先端開口を床下の所定の位置及び/又は床板裏面に向けて設置し、排気ダクトの先端開口を床下外に向けて設置して排気することを特徴とするものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明における吸排気装置は、家屋の床下に配置されることから、偏平状の円柱体又は多角形の角柱体で側周面に吸気口と排気口を設けた形とするとよい。角柱体としては、特に限定されないが、六角形、八角形などが好ましい。六角形の場合には、五つの側辺に吸気口を設け、残りの一つの側辺に排気口を設ける。排気口は通常1とするが必要ならば2個以上としてもよい。
このように吸排気装置は、複数個の吸気口から吸気ができ、排気口から排気できるものであればよい。例えば、装置の内部中央に回転羽根を備え、モーターによって羽根が回転して吸排気が行われる形式のものなどが使用できる。回転羽根の形としては、スクリュー型でも、2枚の平行円盤の間に多数の羽根を設けた水車型のものでもよい。
【0006】
吸排気装置に接続されるダクトは、特に限定されないが、床下への設置作業や設置位置の変更などが容易であるなどの理由で、蛇腹状のフレキシブル・ダクトが好ましい。ダクトは、金属製、プラスチック製のいずれであってもよい。
家屋の土台は、通常、上に建てられる家屋の部屋の間取りに合わせてコンクリートで仕切り形状に作られるため、家屋の外側となる土台の側面に通気用の開口(床下換気孔)が開けられていても、十分に床下内を空気が流通しないことが多い。このことから、本発明では吸排気装置を好ましくは床下中央部に配置して、床上の各部屋に対応して作られたコンクリートの土台の囲みの中へダクトの先端を引き込んで吸気を行う。通常の住宅では、土台の区画は居間、寝室、キッチン、客間、及び風呂場やトイレなどの部分の5区画程度であることから吸気ダクトの数は5個程度とするのが好ましい。
【0007】
吸気ダクトの先端開口部には、必要に応じて除塵フィルタを装着する。除塵フィルタは、特に限定されないが、ダクトの先端に着脱自在な形式のものが好ましい。フィルタとしては、織布、不織布、ガラスウールなどが使用でき、これらはダクトの開口面に装着できる枠体内に保持される。
吸気ダクトの先端は、床下内の適当な箇所に位置するように設けるが、床上の部屋の種類に応じてダクトの先端を床板裏面に向けて配置して直接室内の空気を吸引する形に設ける。
排気ダクトは通常1個とし、その先端は床下換気孔に向けて設置される。排気ダクトの先端は、必要ならば床下換気孔に装着できる形としてもよい。
【0008】
本発明の換気システムは、吸排気装置を終日稼働させる連続使用としてもよいが、タイマーなどによって必要時間のみ作動させてもよく、更にパソコンなどのコンピュータ制御によって、室内又は床下内の湿度等に応じて作動するようにしてもよい。
【0009】
【実施例】
以下に本発明の一実施例を図面にしたがって説明するが、本発明の趣旨はもとよりこれに限定されるものではない。
【0010】
図1は、本発明の実施状態を示す模式図で、家屋10の床下12に吸排気装置1が設置され、この吸排気装置1に接続された吸気ダクト2と排気ダクト3の配置状態を示す。図に示すように、床上の部屋11が押し入れや物置き部屋の場合には、その床下に設ける吸気ダクト2の口は床板裏面に向けて配置し、その他の吸気ダクト2は単に床下内に開口する状態で配置してある。排気ダクト3の先端開口部は床下外に位置させる。なお、図中の4はスペースファンを示す。
【0011】
スペースファン4は、吸排気装置1、吸気ダクト2及び排気ダクト3とは別個に床下内に適当数配置され、電動モータでファンを回転させて床下内の空気を循環又は移動させるのに使用される。スペースファン4の運転・停止等の作動は吸排気装置と同様に行うとよい。
【0012】
図2は家屋の床下を示す平面模式図で、吸排気装置1、吸気ダクト2及び排気ダクト3の配置状態と、スペースファン4の設置位置を示す。
図からわかるように、吸排気装置1は床下のほぼ中央位置に配置され、各吸気ダクト2の先端開口は土台13で囲まれた各部屋の床下内に配置される。排気ダクト3の先端は、本実施例の場合には、床下換気孔14とは別に土台13を貫通して床下外に突出させている。スペースファン4は、上記したように、吸排気装置1、吸気ダクト2及び排気ダクト3とは別個に床下内に適当数配置される。
【0013】
図3は吸気ダクト2の配置状態を示す図である。図に示すように、先端に除塵フィルタ5が装着されていて、床板裏面に向けて先端開口を上向きとしたものと単に床下内に開口するものの例を示す。
【0014】
【発明の効果】
本発明は上記のように、吸排気装置に接続された吸気ダクト及び排気ダクトを使用して床下内の空気及び床下から室内の空気を強制排気するため、床下及び室内の湿度等を調整することができる。従来のエアコンは室内の空気を調整して温度・湿度を調整するため、床下内の湿度が部屋内に上昇してきて、押し入れや物置部屋などのように通常閉め切りの部屋ではかえって湿度が上昇する場合もみられたが、本発明装置を作動させることによって居間等の通常の居室は勿論のこと物置部屋等においても上記従来の欠点を完全に除去できる。
更に、近年プレハブ等の新建材を使用する建物では、床板が木板でないため床板裏面に結露を生じる場合があるが、本発明によればこれらの問題も解決でき、家屋の寿命を数倍伸ばすことができるなど多くの利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す側面模式図である。
【図2】本発明の一実施例を示す平面模式図である。
【図3】吸気ダクトの配置状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 吸排気装置
2 吸気ダクト
3 排気ダクト
4 スペースファン
5 除塵フィルタ

Claims (5)

  1. 宅の床下に、複数個の吸気口と1個の排気口を有する吸排気装置と床下内の空気を循環又は移動させる電動のスペースファンとを備えてなり、床下のほぼ中央部に該吸排気装置を配置し、該吸排気装置の吸気口と排気口に所要の長さのダクトを接続し、吸気ダクトの先端開口を床上の各部屋に対応して作られたコンクリートの土台の各囲みの中に位置させ、押し入れまたは物置部屋の位置には先端開口を床板裏面に向けて設置し、排気ダクトの先端開口を床下外に向けて設置し、該スペースファンを前記コンクリートの土台の各囲みの中に配置したことを特徴とする床下及び室内の換気システム。
  2. 吸排気装置が、内部中央に吸排気用の回転羽根等の吸排気手段を備えた円柱状又は多角形の角柱状で側周面に吸気口と排気口を設けた偏平形状体であることを特徴とする請求項1記載の換気システム。
  3. 吸排気装置の吸気口が5個であることを特徴とする請求項1又は2記載の換気システム。
  4. 吸気ダクトの先端開口面に除塵フィルタを装着したことを特徴とする請求項1記載の換気システム。
  5. 吸排気装置及びスペースファンの作動・停止が電気制御によって自動制御されることを特徴とする請求項1記載の換気システム。
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