JP4338820B2 - 電源装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、民生機器や産業機器に使用される直流安定化電源装置に関し、特に圧電トランスを使用した電源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、圧電トランスを使用した電源装置は、出力電圧の制御方法として、圧電トランス自体が持っている急峻なバンドパスフィルター特性を利用している。すなわち、圧電トランス固有の共振周波数近傍でスイッチング周波数を変化させることによって、出力電圧の制御を行っている。
この従来の圧電トランスを使用した電源装置について図9ないし図11を参照しつつ説明する。図9は、従来の圧電トランスを使用した電源装置の回路図である。
【0003】
図9において、電池もしくは商用交流電源を整流平滑した直流電源101から直流電圧が供給される。直流電源101にスイッチング手段である2つのMOSFET103、106の直列接続体が並列に接続されている。2つのMOSFET103、106は、それぞれ並列に接続された内蔵寄生ダイオード104、107を有している。
2つのMOSFET103、106のゲート端子には、それぞれ制御回路130の出力する出力信号T、UによりMOSFET103、106をオンオフする駆動回路102、105が接続されている。MOSFET106のドレイン端子にインダクタ114を介して圧電トランス116の一方の入力電極116aが接続され、他方の入力電極116bはソース端子に接続されている。圧電トランス116の入力電極116a、116b間にコンデンサ115が接続されている。インダクタ114とコンデンサ115と圧電トランス116の入力容量で共振回路117が構成されている。
【0004】
圧電トランス116は、一対の入力電極116a、116bと一対の出力電極116c、116dとを有しており、入力電極116a、116b間に印加された電圧が変圧されて出力電極116c、116d間に出力される。圧電トランス116の出力電極116c、116d間に整流回路127が接続されている。
整流回路127は、全波整流ブリッジ回路を構成するように接続されたダイオード120、121、122、123を有している。整流回路127にインダクタンス124とコンデンサ125との直列接続体で構成した平滑回路128が並列に接続されている。平滑回路128は、整流回路127から出力される脈流電圧を平滑して直流出力電圧Voutとして負荷126に供給する。負荷126には、直流出力電圧Voutが印加され電力が消費される。
【0005】
制御回路130は、直流出力電圧Voutを検出してその電圧が所定の電圧となるように、出力信号T及び出力信号Uのスイッチング周波数fを変化させる。
図10の(a)及び(b)は、スイッチング周波数fに対する圧電トランスの電圧増幅度γと、圧電トランスの効率ηの変化をそれぞれ示すグラフである。図10の(a)に示すように、スイッチング周波数fを変化することにより圧電トランスの電圧増幅度γが変化することを利用して、直流出力電圧Voutを制御できる。
図10の(b)に示すように、従来の電源装置では、圧電トランスの共振周波数fo近傍においては圧電トランスの効率ηは良いが、共振周波数foから離れると効率ηが急激に低下してしまうという問題がある。図10の(a)に示すように、圧電トランスの共振周波数foの2倍と1/2倍近傍にも共振点が存在するため、この共振点では圧電トランスの電圧増幅度γが再び増加する。従って、スイッチング周波数fの可変幅を制限する必要があり、結果的に直流出力電圧Voutを広範囲に安定に制御できないという問題もある。
【0006】
これらの問題を解決するために、従来の圧電トランスを用いた電源装置では、圧電トランスの共振周波数foの近傍にスイッチング周波数fを固定したままで、2つのMOSFET103、106のオン時間比率δを可変する方法もある。すなわち、制御回路130では、直流出力電圧Voutを検出してその電圧が所定の電圧になるように、制御信号Tと制御信号Uのオン時間比率δをそれぞれ変化させる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このオン時間比率を変化させて出力電圧を制御する方法においても、図11を参照して以下に説明するように、出力電圧の制御範囲に限界がある。
図11の(a)は、制御回路130の出力信号Tの電圧波形であり、(b)は出力信号Uの電圧波形である。図11の(f)は、圧電トランス116の入力電極への印加される電圧Vrの電圧波形であり、(g)は、共振回路117に流れる電流Ilの電流波形である。図11の(h)は、MOSFET103とダイオード104に流れるスイッチング電流Is1の電流波形であり、(i)はMOSFET106とダイオード107に流れるスイッチング電流Is2の電流波形である。ここで、図中に実線で示す波形は、制御回路130の出力信号Tと出力信号Uのオン時間比率δが0.5から0.25の広い場合を示している。図中に点線で示す波形は、前記制御回路130の出力信号T、Uのそれぞれのオン時間比率δが0.2の狭い場合を示している。
【0008】
図11の(h)に示すように、出力信号T、Uのオン時間比率が0.2の場合の点線で示す電流波形では、MOSFET103のターンオン時に急峻なスパイク状のスイッチング電流Is1が流れている。これは、MOSFET103のターンオン直前におけるMOSFET106とダイオード107を流れる電流、すなわち共振回路117に流れる電流Ilの位相がオン時間比率δにより変化しているためである。すなわち、MOSFET103のターンオンの直前でMOSFET106をオフしても、寄生ダイオード107が導通状態になっていると、MOSFET103のターンオン時に寄生ダイオード107のリカバリー電流が発生する。このリカバリー電流により急峻なスパイク状のスイッチング電流Is1が流れてしまう。
オン時間比率δによる出力電圧の制御の範囲は、オン時間比率δが0.5から0.2程度が限界である。これよりオン時間比率を小さくすると、このスパイク状のスイッチング電流によりMOSFET103と106のスイッチング損失が急激に増加し効率が低下すると同時に、スイッチングノイズも増加してしまう。
【0009】
このように、従来の圧電トランスを使用した電源装置においては、広範囲な入力電圧の変化と、広範囲な負荷電流の変化に対する出力電圧の安定性が確保できないという問題がある。さらに、オン時間比率を変化させる出力電圧の制御では、オン時間比率の小さい高入力電圧で軽負荷電流時に変換効率の向上及び低ノイズ化ができないという問題がある。
【0010】
本発明は、広範囲な入力電圧と負荷電流に対する出力電圧の制御特性を確保すると共に、変換効率を向上させノイズの発生も防止した圧電トランスを使用した電源装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る電源装置は、直流電源の両端子間に接続され、制御手段から与えられる制御信号によりそれぞれオンオフする第1のスイッチング手段と第2のスイッチング手段の第1の直列接続体、第1の直列接続体に並列に接続され、制御手段から与えられる制御信号によりそれぞれオンオフする第3のスイッチング手段と第4のスイッチング手段の第2の直列接続体、少なくとも一対の入力電極と一対の出力電極を有する圧電トランス、第1直列接続体の各スイッチング手段の接続点と、第2の直列接続体の各スイッチング手段の接続点との間に接続した、インダクタと圧電トランスの一対の入力電極との第3の直列接続体を有している。圧電トランスの一対の出力電極間に接続された整流平滑手段、及び第1及び第2のスイッチング手段を所定の時間比率で交互にオンオフし、第3及び第4のスイッチング手段を前記第1及び第2のスイッチング手段と同一のスイッチング周波数かつ同一時間比率で交互にオンオフするそれぞれの制御信号を作成する制御信号作成手段と、整流平滑手段の直流出力電圧に応じて、前記直流出力電圧が所定の電圧になるよう前記第1及び第2のスイッチング手段をオンオフする位相と、前記第3及び第4のスイッチング手段をオンオフする位相とを変化させる制御信号付与手段とを有する制御手段を備えている。整流平滑手段は、圧電トランスの出力電極にそれぞれ並列に接続されたソース端子が互いに接続された第1のN型MOSFETと第2のN型MOSFETとの第1の直列回路、及びソース端子が互いに接続された第1のP型MOSFETと第2のP型MOSFETとの第2の直列回路と、第1のN型MOSFETと前記第1のP型MOSFETのゲート端子を前記圧電トランスの出力電極の一方に接続し、前記第2のP型MOSFETと第2のN型MOSFETのゲート端子を圧電トランスの出力電極の他方に接続し、第1及び第2の直列回路の各MOSFETのソース端子間にそれぞれ並列に接続されたダイオード及び平滑回路とを有している。
【0012】
この構成の電源装置によれば、第1及び第2の直列接続体の各スイッチング手段をオンオフするスイッチング周波数と時間比率とを一定にして位相差を変化させて出力電圧を制御している。これにより、圧電トランスの入力電極に印加する電圧をほぼゼロになるまで正弦波状の電圧波形を維持した状態で変化させることができる。また、圧電トランスの変換効率の高い共振周波数の近傍にスイッチング周波数を固定して出力電圧の制御ができる。その結果、広い範囲の出力電圧の制御が高い効率で実施でき、かつノイズの発生を防止できる。
【0013】
本発明の他の観点による電源装置は、上記構成の電源装置の前記第1のスイッチング手段または前記第2のスイッチング手段の一方に並列に接続した第2のインダクタと第1のコンデンサとの直列接続接続体、前記第3のスイッチング手段または前記第4のスイッチング手段の一方に並列に接続した第3のインダクタと第2のコンデンサとの直列接続体を有している。
【0014】
この構成の電源装置によれば、第1及び第2の直列接続体の各スイッチング手段をオンオフする位相差を小さくした場合に、スイッチング手段の寄生容量に蓄積された電荷の放電が十分にできないために生じるスパイク状の電流の発生を防止できる。従って、このスパイク状の電流によるノイズの発生やスイッチング損失及び圧電トランスの圧電振動による圧電素子の異常発熱や破壊を防止するとともに安定性の優れた電源装置が実現できる。
【0015】
本発明のさらに他の観点による電源装置は、上記2つの構成の電源装置において、前記圧電トランスの出力電極間に、ソース端子が互いに接続された第1のN型MOSFETと第2のN型MOSFETとの第1の直列回路と、ソース端子が互いに接続された第1のP型MOSFETと第2のP型MOSFETとの第2の直列回路とが接続されている。また、前記第1のN型MOSFETと前記第1のP型MOSFETのゲート端子とを前記圧電トランスの出力電極の一方に接続し、前記第2のP型MOSFETと前記第2のN型MOSFETのゲート端子とを前記圧電トランスの出力電極の他方に接続している。さらに、前記第1及び第2の直列回路の各MOSFETのソース端子間にそれぞれ接続されたダイオードを有している。
【0016】
この構成の電源装置によれば、上記2つの構成の電源装置の効果に加え、同期整流回路構成による整流損失の大幅な低減ができる。さらに、低出力電圧での出力電圧の歪みによるMOSFETの寄生ダイオードのリカバリー電流の発生を防止できる。従って、このリカバリー電流によるノイズの発生が防止できる。その結果、高い効率で低ノイズの圧電トランスを用いた電源装置が実現できる。
【0017】
また、本発明に係る電源装置は、直流電源の両端子間に接続され、制御回路から与えられる制御信号によりそれぞれオンオフする第1のスイッチング手段と第2のスイッチング手段との第1の直列接続体、第1の直列接続体に並列に接続され、制御回路から与えられる制御信号によりそれぞれオンオフする第3のスイッチング手段と第4のスイッチング手段との第2の直列接続体、少なくとも一対の入力電極と一対の出力電極を有する圧電トランス、第1の直列接続体の各スイッチング手段の接続点と、第2の直列接続体の各スイッチング手段の接続点との間に接続された、第1のインダクタと圧電トランスの一対の入力電極との第3の直列接続体を有している。圧電トランスの一対の出力電極間に接続した整流平滑手段、及び第1及び第2のスイッチング手段を交互にオンオフし、第3及び第4のスイッチング手段を前記第1及び第2のスイッチング手段と同一のスイッチング周波数でかつ180度の位相差で交互にオンオフするそれぞれの制御信号を作成する制御信号作成手段と、整流平滑手段の直流出力電圧に応じて、直流出力電圧が所定の電圧になるよう前記第1のスイッチング手段と第2のスイッチング手段のオンオフの時間比率と、第3のスイッチング手段と第4のスイッチング手段のオンオフの時間比率を同一の時間比率で変化させて制御信号を付与する制御信号付与手段とを有する制御手段を備え、整流平滑手段は、前記圧電トランスの出力電極間にそれぞれ並列に接続された、ソース端子が互いに接続された第1及び第2のN型MOSFETの第1の直列回路及びソース端子が互いに接続された第1及び第2のP型MOSFETの第2の直列回路と、第1のN型MOSFETと第1のP型MOSFETのゲート端子が前記圧電トランスの出力電極の一方に接続され、第2のP型MOSFETと前記第2のN型MOSFETのゲート端子が圧電トランスの出力電極の他方に接続され、第1及び第2の直列回路の各MOSFETのソース端子間に接続されたダイオードと平滑回路とを有している。
【0018】
この構成の電源装置によれば、第1及び第2の直列接続体の各スイッチング手段をオンオフする位相を180度ずらせ、同一のスイッチング周波数かつオン時間比率を同一に保ちながらオン時間を変化させる。これにより、圧電トランスの入力電極に印加する電圧をほぼゼロとなるまで正弦波状のまま固定したスイッチング周波数で変化させることができる。従って、変換効率の良好な圧電トランスの共振周波数近傍に固定したスイッチング周波数で広い範囲の出力電圧の制御ができる。その結果、広い範囲の出力電圧の安定した制御特性を有する変換効率の高い電源装置を実現できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の電源装置の好適な実施例について図1ないし図8を参照しつつ説明する。
【0020】
《実施例1》
本発明の実施例1の電源装置について図1及び図2を参照しつつ説明する。図1は、本発明の実施例1の電源装置の回路図である。
図1において、電池もしくは商用交流電源を整流平滑した直流電源1から直流電圧が供給される。直流電源1にスイッチング手段であるMOSFET3のソース端子とMOSFET6のドレイン端子とを接続した第1の直列接続体が接続されている。さらに、MOSFET9のソース端子とMOSFET12のドレイン端子とを接続した第2の直列接続体が直流電源1に接続されている。各MOSFET3、6、9、12は、それぞれ並列に接続されたダイオード4、7、10、13を有している。
【0021】
各MOSFET3、6、9、12のゲート端子にはそれぞれのMOSFETをオンオフする駆動回路2、5、8、11が接続されている。各駆動回路2、5、8、11にはそれぞれ制御信号D、C、B、Aが制御回路30から与えられる。このように4つのMOSFET3、6、9、12は直流電源1にHブリッジ構成で接続され、それぞれ制御回路30の出力信号D、C、B、Aによりオンオフする。
【0022】
第1の直列接続体の各MOSFET3、6の接続点と第2の直列接続体の各MOSFET9、12の接続点との間に、インダクタ14と圧電トランス16の入力電極16a、16bに並列に接続されたコンデンサ15とを直列に接続した第3の直列接続体が接続されている。インダクタ14とコンデンサ15と圧電トランス16の入力容量とで共振回路17を構成している。
圧電トランス16は、入力電極16a、16bと出力電極16c、16dとを有し、入力電極16a、16bに印加された電圧が変圧されて出力電極16c、16dから出力される。
【0023】
圧電トランス16の出力電極16c、16dには4つのダイオード20、21、22、23をブリッジ接続した整流回路27が接続されている。整流回路27にはインダクタ24とコンデンサ25を直列に接続した平滑回路28が接続されている。
平滑回路28は、整流回路27で全波整流された脈流電圧波形を平滑にして直流出力電圧Voutとして負荷26に供給する。負荷26には直流出力電圧Voutが印加され、電力を消費する。
制御回路30は、直流出力電圧Voutを検出してその電圧が所定の電圧となるように、制御信号A、Bと制御信号C、Dとの位相差を変化させてそれぞれ駆動回路11、8、5、2に出力する。
【0024】
以上のように構成された実施例1の電源装置の動作について図2を参照しつつ以下に説明する。
図2の(a)は、制御回路30の制御信号Aの信号波形であり、(b)は、制御回路30の制御信号Bの信号波形である。図2の(c)は、制御回路30の制御信号Cの信号波形であり、(d)は、制御回路30の制御信号Dの信号波形である。図2の(e)は、共振回路17に印加される電圧Viの電圧波形であり、(f)は、圧電トランス16の入力電極16a、16bに印加される電圧Vrの電圧波形であり、(g)は、共振回路17に流れる電流Ilの電流波形である。
【0025】
図2の(a)及び(b)において、制御信号Aと制御信号Bは、所定のオン時間比率で交互にオンオフするように設定されている。図2の(c)及び(d)において、制御信号Cと制御信号Dは、制御信号A、Bと同じオン時間比率かつ位相差を持って交互にオンオフするように設定されている。
図2の(c)ないし(g)において、実線で示す波形は、軽負荷または高入力電圧時のそれぞれの波形で、制御回路30の制御信号A、Bと制御信号C、Dとの位相差を小さい位相差Eとすることで出力電圧を低く制御している。また、点線で示す波形は、重負荷または低入力電圧時のそれぞれの波形で、制御回路30の制御信号A、Bと制御信号C、Dとの位相差を大きい位相差Fとすることで出力電圧を高く制御している。
【0026】
図2の(e)に示すように、直流電源1からの入力電流を、Hブリッジを構成する各MOSFET3、6、9、12でオンオフすることにより、共振回路17の両端には正と負が交互に発生するパルス状の電圧が印加される。
すなわち、t0においてMOSFET12がオン、MOSFET9がオフ、MOSFET3がオン、MOSFET6がオフとなると、入力電圧VinはMOSFET3、MOSFET12を通じて共振回路17に印加される。次に、t1になると、MOSFET12がオフ、MOSFET9がオン、MOSFET6がオフ、MOSFET3がオンとなり、共振回路17の両端の電圧は0となる。
【0027】
次いで、t2においてMOSFET12がオフ、MOSFET9がオン、MOSFET6がオン、MOSFET3がオフとなると、入力電圧VinはMOSFET6、MOSFET9を通じて共振回路17に逆方向に印加される。次いで、t3において、MOSFET12がオン、MOSFET9がオフ、MOSFET6がオン、MOSFET3がオフとなると、共振回路17の両端の電圧は0となる。
この動作を繰り返すことにより共振回路17の両端には図2の(e)に示すパルス状の電圧が印可される。
【0028】
制御回路30の制御信号A、B、C、Dのスイッチング周波数は、共振回路17の共振周波数frに近い周波数に設定されているため、共振回路17を流れる電流Ilの電流波形は図2の(g)に示す正弦波状の電流波形となる。従って、図2の(f)に示すように、圧電トランス16の入力電極16a、16bには正弦波状の電圧波形の電圧Vrが印加される。
共振回路17の共振周波数frは、インダクタ14のインダクタンス値をL、圧電トランス16の入力容量値をCp、コンデンサ15の容量値をCとすると、式(1)で表される。
【0029】
【数1】
Figure 0004338820
【0030】
図2の(c)ないし(g)に位相差EとFで示すように、制御回路30の制御信号A、Bと制御信号C、Dの位相差が変化すると、共振回路17に印加されるパルス状の電圧の印加時間幅が変化する。制御信号A、Bと制御信号C、Dの位相差が少ない位相差Eでは前記パルス状の電圧の印加時間幅が狭くなる。これにより、共振回路17に電圧が印加される時間が減少し、圧電トランス16の入力電極16a、16bに印加される正弦波状の電圧は減少する。逆に、制御信号A、Bと制御信号C、Dの位相差が大きく位相差Fとなると、前記パルス状の電圧の印加時間幅が広くなる。これにより、共振回路17に電圧が印加される時間が増加し、圧電トランス16の入力電極16a、16bに印加される正弦波状の電圧は増加する。
圧電トランス16の入力電極16a、16bに印加された電圧は、変圧されて出力電極16c、16dから出力され、この正弦波状の出力電圧が整流回路27に印加される。整流回路27で全波整流された脈流電圧が、前記平滑回路28により平滑された直流出力電圧Voutとなって負荷26に供給される。
【0031】
直流出力電圧Voutは、圧電トランスの入力電極16a、16bに印加される入力電圧をVr、入力電極16a、16bから出力電極16c、16dへの変圧比をnとすると式(2)で表される。
【0032】
【数2】
Figure 0004338820
【0033】
すなわち、MOSFET3とMOSFET12またはMOSFET6とMOSFET9がオンとなり、共振回路17に入力電圧Vinが印加され、直流電源1より共振電流Ilが供給される。これにより、圧電トランス16の入力電極16a、16b間に入力電圧Vrが印加され、変圧されて出力電極16c、16d間に式(2)に示す電圧Voutが出力される。
【0034】
圧電トランス16は、負荷26の変化による出力電流の変動よっても、大きく変圧比nが変化する。従って、出力電圧を所定の電圧に制御するには、非常に広範囲に圧電トランス16の入力電極16a、16bに印加される入力電圧Vrを可変する必要がある。
制御回路30の制御信号A、Bと制御信号C、Dとの位相差をゼロにすることで、入力電圧Vrをほぼゼロとなるまで正弦波状の電圧波形の状態を保ったままで変化させることができる。従って、制御信号A、Bと制御信号C、Dとの位相差を変化させることにより、広範囲な出力電圧の制御を固定したスイッチング周波数で実現できる。
共振回路17の共振周波数frの設定は、圧電トランス16の変換効率が高くなる圧電トランス16の共振周波数fp付近に設定する。さらに、スイッチング周波数fの設定は、前記共振回路17の共振周波数frより高い周波数になるように設定する。これにより、スイッチング手段である各MOSFET3、6、9、12のゼロクロススイッチングが達成できる。
【0035】
《実施例2》
本発明の実施例2の電源装置について図3及び図4を参照しつつ説明する。
図3は、実施例2の電源装置の回路図である。実施例2の電源装置は実施例1の電源装置に2つのインダクタとコンデンサとの直列接続体を追加したものである。実施例1と同一部分には同一参照符号を付して重複する説明は省略する。
図3において、実施例2の電源装置は、MOSFET6のソース端子とドレイン端子間に インダクタ40とコンデンサ41との直列接続体が接続されている。同様に、MOSFET12のソース端子とドレイン端子間にインダクタ42とコンデンサ43との直列接続体が接続されている。
【0036】
以下、実施例2の電源装置の動作について図4を参照しつつ説明する。
図4の(a)は、制御回路30の制御信号Aの電圧波形であり、(b)は制御回路30の制御信号Bの電圧波形である。図4の(c)は、制御回路30の制御信号Cの電圧波形であり、(d)は制御回路30の制御信号Dの電圧波形である。図4の(e)は、共振回路17に印加される電圧Viの電圧波形であり、(g)は共振回路17に流れる電流Ilの電流波形である。図4の(j)は実施例2の電源装置のインダクタ40に流れる電流I40の電流波形であり、(k)はMOSFET6に流れる電流I6の電流波形であり、(l)はMOSFET6に印加される電圧V6の電圧波形である。
【0037】
図4の(a)ないし(d)に示す制御信号の波形は、軽負荷で且つ高入力電圧時において、制御回路30の制御信号A、Bと制御信号C、Dの位相差を非常に小さくして出力電圧を制御している状態を示している。図4の(e)、(k)及び(l)において、実線で示す波形はインダクタ40とコンデンサ41の直列接続体がMOSFET6に、インダクタ42とコンデンサ43の直列接続体がMOSFET12にそれぞれ接続された実施例2の電源装置における波形を示す。また、点線で示す波形は上記インダクタンス40、42とコンデンサ41、43からなる2つの直列接続体をそれぞれMOSFET6、12に接続してない実施例1の電源装置における波形を示している。
【0038】
実施例1の電源装置においては、制御回路30の制御信号A、Bと制御信号C、Dの位相差を小さくしていくと、圧電トランス16の入力電極16a、16b間に印加される入力電圧Vrは減少する。従って、共振回路17に流れる電流Ilも小さくなり、たとえば、MOSFET6のターンオン直前のMOSFET3を流れる電流も少なくなる。その結果、MOSFET3がオフとなるとMOSFET3及びMOSFET6のそれぞれの寄生容量に蓄積された電荷の放電電流(MOSFET6のソ−ス端子からドレイン端子に流れる逆電流成分)が減少する。寄生容量に蓄積された電荷の放電電流が減少することにより、この電荷が十分放電されず、MOSFET6の両端の電圧(ソース端子とドレイン端子との間の電圧)がゼロにならない。この状態でMOSFET6がオンすることにより、前記寄生容量の電荷が急速に放電される。これにより図4の(k)に点線で示すように、MOSFET6にスパイク状の大きな電流が流れる。
【0039】
同様に、それぞれのMOSFET3、9、12の両端の電圧がゼロにならない状態で、それぞれのMOSFET3、9、12がオンすることで、前記寄生容量の電荷を放電することによるスパイク状の電流が流れる。
このスパイク状の電流は大きなノイズの発生と、スイッチング損失の増加を伴い、ノイズの増加と変換効率の低下を発生させる。さらに、前記スパイク状の電流が圧電トランスに流れる共振電流を歪ませることで、圧電トランスに不用な圧電振動を発生させ、圧電素子の異常発熱や破壊につながるおそれがある。
【0040】
これに対し、実施例2の電源装置では、MOSFET6及びMOSFET12のそれぞれのソース端子とドレイン端子間にインダクタ40とコンデンサ41との直列接続体、及びインダクタ42とコンデンサ43との直列接続体がそれぞれ接続されている。従って、制御回路30の制御信号A、Bと制御信号C、Dの位相差に関係なく、コンデンサ41及びコンデンサ43のそれぞれの電荷の充放電電流が常にインダクタ40及びインダクタ42を経由して流れている。たとえば、MOSFET3のオフにより、MOSFET3及びMOSFET6の寄生容量に蓄積された電荷の放電による電流がMOSFET6のソ−スからドレインに流れる逆電流となる。従って、MOSFET6のソースとドレイン間の電圧を確実にゼロにすることができる。
同様に、各MOSFET3、9、12がオンする時も、それぞれのソースとドレイン間の電圧を確実にゼロにすることができる。
【0041】
その結果、制御回路30の出力信号の位相差がゼロとなり共振回路17に電流が流れない場合でも、インダクタ40とインダクタ42に流れる電流で、各MOSFET3、6、9、12がオンする時、それぞれのソースとドレイン間の電圧を確実にゼロにすることができる。従って、位相差の広い可変範囲で常にゼロクロススイッチングが実現されスパイク状の電流発生が防止できる。
なお、上記実施例2の電源装置においては、インダクタとコンデンサの直列接続体をそれぞれMOSFET6及びMOSFET12に接続した例について説明した。しかし、インダクタとコンデンサとの直列接続体をそれぞれMOSFET3及びMOSFET9に接続しても同様の効果が得られる。
【0042】
《実施例3》
本発明の実施例3の電源装置について図5及び図6を参照しつつ説明する。図5は、実施例3の電源装置の回路図であり、図6は実施例3の電源装置の各部における動作波形図である。実施例3の電源装置は、実施例1の電源装置と整流回路27の構成が異なるものである。従って、実施例1と同一部分については同一参照符号を付して重複した説明は省略する。
【0043】
実施例3の電源装置の整流回路は、2つのP型MOSFET50、52及び2つのN型MOSFET51、53とで構成したブリッジ回路となっている。すなわち、P型MOSFET50とP型MOSFET52及びN型MOSFET51とN型MOSFET53は、それぞれソース端子を接続した直列回路55、56を構成している。P型MOSFET50、52の各ソース端子は平滑回路28のインダクタ24に、N型MOSFET51、53の各ソース端子は平滑回路28の接地側にそれぞれ接続されている。
【0044】
P型MOSFET50とN型MOSFET51のゲート端子は、P型MOSFET52及びN型MOSFET53のドレイン端子の接続点に接続されている。P型MOSFET52及びN型MOSFET53のゲート端子は、P型MOSFET50及びN型MOSFET51のドレイン端子の接続点に接続されている。一方、前記各直列回路55、56は、圧電トランス16の出力電極16c、16d間に並列に接続されている前。ダイオード54は、前記各直列回路55、56のPチャンネル型MOSFET50、52及びNチャンネル型MOSFET51、53の各ソース端子間に並列に接続されている。
【0045】
以上のように構成された実施例3の電源装置の動作について図6を参照しつつ説明する。なお、出力電圧を制御する動作については実施例1の電源装置の動作と同様なので説明を省略する。
図6の(m)は圧電トランス16の出力電極16c、16d間に発生する電圧V16の波形であり、(n)は圧電トランス16の出力電極16c、16dから直列回路55、56の各MOSFETのドレイン端子に流れる電流I16の電流波形である。図6の(s)は直列回路55のN型MOSFET51を流れる電流I51の電流波形であり、(t)は前記直列回路55のP型MOSFET50を流れる電流I50の電流波形である。図6の(u)はダイオード54に流れる電流I54の電流波形である。
ここで、図6の(s)及び(t)において、実線で示す波形はダイオード54が接続されている実施例3の電源装置の電流波形を示し、点線で示す波形はダイオード54を接続しないときの電流波形を示している。
【0046】
実施例3の電源装置における直列回路55、56は、実施例1の電源装置における整流回路27を構成するダイオードをMOSFETに置き換えたもので、いわゆる同期整流回路を構成している。この同期整流回路では、圧電トランス16の出力電極16c、16d間の電圧V16により、それぞれの各型MOSFET50、51、52、53が駆動され交互にオンオフする。図5に示すように、圧電トランス16の出力電圧V16が図中に矢印で示す電圧の場合、N型MOSFET51とP型MOSFET52のゲート端子の電圧がそれぞれの各型MOSFET51、52をオンする方向に印加され、各型MOSFET51、52がともにオンする。従って、出力電極16dからの電流I16は、P型MOSFET52、インダクタ24、コンデンサ25、N型MOSFET51を経由して流れる。
【0047】
一方、N型MOSFET53とP型MOSFET50のゲート端子の電圧がそれぞれの各型MOSFET50、53をオフする方向に印加され、各型MOSFET50、53が共にオフする。同時に、各型MOSFET50、53のそれぞれのドレイン端子とソース端子との間に印加される電圧もそれぞれの各型MOSFET50、53の寄生ダイオードをオフする方向に印加され、各型MOSFET50、53は完全に遮断される。
逆に、圧電トランス16の出力電圧V16が、図5に示す矢印と逆方向の電圧の場合、N型MOSFET53とP型MOSFET50がともにオンする。従って、出力電極16cからの電流I16は、P型MOSFET50、インダクタ24、コンデンサ25、N型MOSFET53を経由して流れる。一方、N型MOSFET51とP型MOSFET52は完全に遮断される。
以上の動作により、直列回路55、56で構成される整流回路は、圧電トランス16の出力電圧V16を整流する動作を行う。
【0048】
通常、圧電トランスは出力インピーダンスが高いため、出力電圧の低い領域で大きな電流を取り出すと出力電圧は低下して電圧波形が歪んでしまう。また、平滑回路28の構成を図5に示すようなチョークインプット整流方式の回路とした場合、圧電トランス16の出力電流I16はほぼ一定の電流となる。従って、図6の(m)に示すように、正弦波状の出力電圧V16が、圧電トランス16の出力電圧の低い領域ではほとんど零となり、電圧波形が歪んでいわゆるクロストーク歪みが発生する。
【0049】
この出力電圧V16の波形歪みは、直列回路55、56で構成される同期整流回路において、すべてのP型とN型のMOSFET50、51、52、53を同時にオフする。これにより、各型MOSFETのそれぞれの図示しない寄生ダイオードが導通状態となり、インダクタ24の電流を出力に還流する。
その後、出力電圧の上昇により、再び直列回路55、56のいずれかのP型とN型MOSFETがオンとなる時に、図6の(s)及び(t)に点線に示すような、図示しない寄生ダイオードによる大きなリカバリー電流によるスパイク状の電流が流れてしまう。
【0050】
ところが、この実施例3の電源装置では、ダイオード54を同期整流回路に並列に接続している。これにより、直列回路55、56で構成される同期整流回路のすべてのP型とN型のMOSFETが同時にオフしても、ダイオード54が導通してインダクタ24の電流を短絡する。従って、P型とN型MOSFETの図示しない寄生ダイオードが導通することはなく、出力電圧の上昇で再び直列回路55、56を構成するいずれかのP型とN型MOSFETが導通する時でも大きなリカバリー電流の発生が抑制できる。
実施例3の電源装置によれば、直列回路55、56で構成される同期整流回路により、整流損失は大幅に低減されると共に、リカバリー電流の発生も抑制できる。その結果、高い効率で低ノイズの電源装置が実現できる。
【0051】
《実施例4》
本発明の実施例4の電源装置について図7及び図8を参照しつつ説明する。図7は、実施例4の電源装置の回路図であり、図8は図7の電源装置の各部における動作波形図である。なお、実施例4の電源装置は、実施例1の電源装置の制御回路30を制御回路35に置き換えたもので、実施例1の電源装置と同一部分には同一参照符号を付して重複した説明は省略する。
図7において、実施例4の電源装置の制御回路35は、直流出力電圧Voutを検出して、出力電圧が所定の電圧になるように、制御信号G、Hと制御信号K、Lの位相を絶えず180度ずらし、各スイッチング手段のオン時間比率を同一比率に保ちつつ変化させた制御信号を各スイッチング手段の駆動回路に供給する。
制御信号Gは駆動回路11に供給され、MOSFET12をオンオフし、制御信号Hは駆動回路8に供給され、MOSFET9をオンオフする。制御信号Kは駆動回路5に供給され、MOSFET6をオンオフし、制御信号Lは駆動回路2に供給され、MOSFET3をオンオフする。
【0052】
この実施例4の電源装置の動作について図8を参照しつつ説明する。図8の(a)は制御回路35の制御信号Gの電圧波形であり、(b)は制御回路35の制御信号Hの電圧波形である。図8の(c)は制御回路35の制御信号Kの電圧波形であり、(d)は制御回路35の制御信号Lの電圧波形である。図8の(e)は共振回路17に印加される電圧Viの電圧波形であり、(f)は圧電トランス16の入力電極16a、16bの間に印加される電圧Vrの電圧波形である。図8の(g)は共振回路17に流れる電流Ilの電流波形である。
【0053】
図8の(a)ないし(g)において、図中に実線で示す波形は軽負荷または高入力電圧時の波形であり、点線で示す波形は重負荷または高入力電圧時の波形である。
制御信号Gと制御信号Hは、交互にオンオフするように設定され、それぞれ同一比率でオン時間比率を変化させる。制御信号Kと制御信号Lは、交互にオンオフするように設定され、それぞれ同一比率でオン時間比率を変化させる。
制御回路35の制御信号G、Hと制御信号K、Lとのオン時間比率をTON1/Tで示すように小さくすると、図中に実線で示すように圧電トランス16の入力電極16a、16b間に印加される入力電圧Vrは低くなる。制御回路35の制御信号G、Hと制御信号K、Lのオン時間時間比率をTON2/Tで示すように大きくすると、図中に点線で示すように圧電トランス16の入力電極16a、16b間に印加される入力電圧Vrは高くなる。
【0054】
実施例4の電源装置の実施例1の電源装置と異なる動作は、制御回路35の制御信号G、Hと制御信号K、Lのオン時間比率をそれぞれ同一比率で変化させることで出力電圧Voutを制御する点にある。しかし、MOSFET3、6、9、12のオンオフによって共振回路17の両端に印加される電圧Viの電圧波形は、結果的に図8の(e)に示すように、実施例1の電源装置における図2の(e)と同一となることから同様にオン時間比率を同一比率で変化させても出力電圧が制御できることがわかる。
【0055】
また、この実施例4の電源装置において、実施例2の電源装置と同様にインダクタ40とコンデンサ41の直列接続体をMOSFET3またはMOSFET6の両端に接続し、MOSFET3とMOSFET6のオンオフにより前記直列接続体に電流を発生させる。同様に、インダクタ42とコンデンサ43の直列接続体をMOSFET9またはMOSFET12の両端に接続し、MOSFET9とMOSFET12のオンオフにより前記直列接続体に電流を発生させる。これにより、実施例2の電源装置と同様の効果が得られる。
【0056】
また、この実施例4の電源装置において、実施例3の電源装置と同様に整流回路を、P型MOSFET50、52とN型MOSFET51、53により構成される同期整流回路とし、その出力端にダイオード54を並列に接続した構成とする。これにより、実施例3の電源装置と同様の効果が得られる。。
【0057】
なお、実施例1ないし実施例4の電源装置において、圧電トランス16の一対の入力電極16a、16b間にコンデンサ15を接続しているが、圧電トランス16の入力容量Cpだけで共振回路17の共振周波数frが達成できれば、コンデンサ15は省略することができる。
また、実施例1及び実施例4の電源装置において、スイッチング手段であるMOSFET3、6、9、12のそれぞれに並列に接続されているダイオード4、7、10、13は、各MOSFET3、6、9、12にそれぞれ寄生的に内蔵されている寄生ダイオードを利用すれば省略することができる。
また、実施例1ないし実施例4の電源装置において、スイッチング手段をMOSFETとして説明したが、バイポーラトランジスタやIGBT等の他のスイッチング手段に置き換えても同様の効果が得られる。
【0058】
【発明の効果】
以上実施例で説明したことから明らかなように、本発明は以下の効果を有する。すなわち、本発明の電源装置によれば、広範囲な印加電圧の変化に対して圧電トランスを固定した周波数の正弦波電圧で駆動することができる。従って、圧電トランスによる損失を低減できるとともに、すべての出力電圧の制御範囲において、スイッチング素子をゼロクロススイッチングの動作で駆動できる。その結果、高い変換効率とスイッチングノイズの発生を抑制した電源装置を提供できる。さらに、整流回路を同期整流方式の整流回路とすることにより、同期整流スイッチング素子の寄生ダイオード導通時のリカバリー電流発生を防止できる。その結果、整流損失を低減し、かつ整流回路のノイズの発生を抑制した電源装置を提供できるという有利な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の電源装置の回路図。
【図2】本発明の実施例1の電源装置の各部の動作波形図で、
(a)、(b)、(c)及び(d)はそれぞれ制御回路30の制御信号A、B、C、Dの電圧波形、
(e)は共振回路17に印加される電圧Viの電圧波形、
(f)は圧電トランス16の入力電極に印加される電圧Vrの電圧波形、
(g)は共振回路17を流れる電流Ilの電流波形。
【図3】本発明の実施例2の電源装置の回路図。
【図4】本発明の実施例2の電源装置における各部の動作波形図で、
(a)、(b)、(c)及び(d)はそれぞれ制御回路30の制御信号A、B、C、Dの電圧波形、
(e)は共振回路17に印加される電圧Viの電圧波形、
(g)は共振回路17を流れる電流Ilの電流波形、
(j)はインダクタ40を流れる電流I40の電流波形、
(k)はMOSFET6のソースとドレイン間に流れる電流I6の電流波形、
(l)はMOSFET6のソースとドレイン間に印加される電圧V6の電圧波形。
【図5】本発明の実施例3の電源装置の回路図。
【図6】本発明の実施例3の電源装置における各部の動作波形図で、
(m)は圧電トランス16の出力電極間に発生する電圧V16の電圧波形、
(n)は圧電トランス16の出力電極から同期整流回路に流れる電流I16の電流波形、
(s)はN型MOSFET51のソースとドレイン間に流れる電流I51の電流波形、
(t)はP型MOSFET50のソースとドレイン間に流れる電流I50の電流波形、
(u)はダイオード54に流れる電流I54の電流波形。
【図7】本発明の実施例4の電源装置の回路図。
【図8】本発明の実施例4の電源装置における各部の動作波形図で、
(a)、(b)、(c)及び(d)はそれぞれ制御回路35の制御信号G、H、K、Lの電圧波形、
(e)は共振回路17に印加される電圧Viの電圧波形、
(f)は圧電トランス16の入力電極に印加される電圧Vrの電圧波形、
(g)は共振回路17を流れる電流Ilの電流波形。
【図9】従来の電源装置の回路図。
【図10】従来の圧電トランス16の周波数特性を示すグラフで、
(a)は電圧増幅度の周波数特性を示し、
(b)は変換効率の周波数特性を示す。
【図11】従来の電源装置における各部の動作波形図で、
(a)及び(b)は制御回路130の出力信号T及び出力信号Uの電圧波形、
(f)は圧電トランス116の入力電極に印加される電圧Vrの電圧波形、
(g)は共振回路117に流れる電流Ilの電流波形、
(h)及び(i)はそれぞれMOSFET103及びMOSFET106を流れる電流Is1及びIs2の電流波形。
【符号の説明】
1 直流電源
2、5、8、 11 駆動回路
3、6、9、12 MOSFET
4、7、10、13 寄生ダイオード
14、24、40、42 インダクタ
15、25、41、43 コンデンサ
16 圧電トランス
16a、16b 入力電極
16c、16d 出力電極
17 共振回路
20、21、22、23 整流ダイオード
26 負荷
27 整流回路
28 平滑回路
30、35 制御回路
50、52 P型MOSFET
51、53 N型MOSFET
54 ダイオード
55、56 直列回路

Claims (5)

  1. 直流電源の両端子間に接続され、制御手段から与えられる制御信号によりそれぞれオンオフする第1のスイッチング手段と第2のスイッチング手段の第1の直列接続体、
    前記第1の直列接続体に並列に接続され、制御手段から与えられる制御信号によりそれぞれオンオフする第3のスイッチング手段と第4のスイッチング手段の第2の直列接続体、
    少なくとも一対の入力電極と一対の出力電極を有する圧電トランス、前記第1直列接続体の各スイッチング手段の接続点と、前記第2の直列接続体の各スイッチング手段の接続点との間に接続した、インダクタと前記圧電トランスの一対の入力電極との第3の直列接続体、
    前記圧電トランスの一対の出力電極間に接続された整流平滑手段、及び
    前記第1及び第2のスイッチング手段を所定の時間比率で交互にオンオフし、前記第3及び第4のスイッチング手段を前記第1及び第2のスイッチング手段と同一のスイッチング周波数かつ同一時間比率で交互にオンオフするそれぞれの制御信号を作成する制御信号作成手段と、前記整流平滑手段の直流出力電圧に応じて、前記直流出力電圧が所定の電圧になるよう前記第1及び第2のスイッチング手段をオンオフする位相と、前記第3及び第4のスイッチング手段をオンオフする位相とを変化させる制御信号付与手段とを有する制御手段を備え、
    前記整流平滑手段は、
    前記圧電トランスの出力電極にそれぞれ並列に接続されたソース端子が互いに接続された第1のN型MOSFETと第2のN型MOSFETとの第1の直列回路、及びソース端子が互いに接続された第1のP型MOSFETと第2のP型MOSFETとの第2の直列回路と、
    前記第1のN型MOSFETと前記第1のP型MOSFETのゲート端子を前記圧電トランスの出力電極の一方に接続し、前記第2のP型MOSFETと前記第2のN型MOSFETのゲート端子を前記圧電トランスの出力電極の他方に接続し、
    前記第1及び第2の直列回路の各MOSFETのソース端子間にそれぞれ並列に接続されたダイオード及び平滑回路とを有する、ことを特徴とする電源装置。
  2. 前記交互に所定の時間比率でオンオフするスイッチング手段のスイッチング周波数は、前記圧電トランスの共振周波数の近傍で、且つ前記第3の直列接続体の共振周波数よりも高い値に設定する、ことを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
  3. 直流電源の両端子間に接続され、制御回路から与えられる制御信号によりそれぞれオンオフする第1のスイッチング手段と第2のスイッチング手段との第1の直列接続体、
    前記第1の直列接続体に並列に接続され、制御回路から与えられる制御信号によりそれぞれオンオフする第3のスイッチング手段と第4のスイッチング手段との第2の直列接続体、
    少なくとも一対の入力電極と一対の出力電極を有する圧電トランス、前記第1の直列接続体の各スイッチング手段の接続点と、前記第2の直列接続体の各スイッチング手段の接続点との間に接続された、第1のインダクタと前記圧電トランスの一対の入力電極との第3の直列接続体、
    前記圧電トランスの一対の出力電極間に接続した整流平滑手段、及び
    前記第1及び第2のスイッチング手段を交互にオンオフし、前記第3及び第4のスイッチング手段を前記第1及び第2のスイッチング手段と同一のスイッチング周波数でかつ180度の位相差で交互にオンオフするそれぞれの制御信号を作成する制御信号作成手段と、前記整流平滑手段の直流出力電圧に応じて、前記直流出力電圧が所定の電圧になるよう前記第1のスイッチング手段と第2のスイッチング手段のオンオフの時間比率と、前記第3のスイッチング手段と第4のスイッチング手段のオンオフの時間比率を同一の時間比率で変化させて制御信号を付与する制御信号付与手段とを有する制御手段を備え、
    前記整流平滑手段は、前記圧電トランスの出力電極間にそれぞれ並列に接続された、ソース端子が互いに接続された第1及び第2のN型MOSFETの第1の直列回路及びソース端子が互いに接続された第1及び第2のP型MOSFETの第2の直列回路と、
    前記第1のN型MOSFETと前記第1のP型MOSFETのゲート端子が前記圧電トランスの出力電極の一方に接続され、前記第2のP型MOSFETと前記第2のN型MOSFETのゲート端子が前記圧電トランスの出力電極の他方に接続され、
    前記第1及び第2の直列回路の各MOSFETのソース端子間に接続されたダイオードと平滑回路とを有する、ことを特徴とする電源装置。
  4. 前記各スイッチング手段のスイッチング周波数は、前記圧電トランスの共振周波数の近傍で、且つ前記第3の直列接続体の共振周波数よりも高い値に設定されている、ことを特徴とする請求項3記載の電源装置。
  5. 前記第1のスイッチング手段または第2のスイッチング手段の一方に並列に接続した第2のインダクタと第1のコンデンサの直列回路、及び前記第3スイッチング手段または第4のスイッチング手段の一方に並列に接続した第3のインダクタと第2のコンデンサの直列回路を有する、ことを特徴とする請求項3または4に記載の電源装置。
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