JP2000312474A - 電源装置 - Google Patents

電源装置

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JP2000312474A
JP2000312474A JP11116996A JP11699699A JP2000312474A JP 2000312474 A JP2000312474 A JP 2000312474A JP 11116996 A JP11116996 A JP 11116996A JP 11699699 A JP11699699 A JP 11699699A JP 2000312474 A JP2000312474 A JP 2000312474A
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信義 長潟
Masaaki Kuranuki
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Abstract

(57)【要約】 【課題】広範囲な出力電圧の制御特性及び高い変換効率
と低ノイズ特性を有する圧電トランスを使用した電源装
置を提供する。 【解決手段】フルブリッジ回路を構成する一方の2つの
スイッチング手段3、6の接続点と他方の2つのスイッ
チング手段9、12の接続点との間に接続した第1のイ
ンダクタンス素子14と圧電トランス16の一対の入力
電極16、16bとの直列接続体と、圧電トランス16
の一対の出力電極16c、16d間に接続した整流平滑
手段27、28と、直流出力電圧が所定の電圧になるよ
うに圧電トランスの共振周波数近傍のスイッチング周波
数でそれぞれ交互にオンオフする2組のスイッチング手
段3、6及びスイッチング手段9、12のオンオフの位
相差を可変する制御手段30とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、民生機器や産業機
器に使用される直流安定化電源装置に関し、特に圧電ト
ランスを使用した電源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、圧電トランスを使用した電源装置
は、出力電圧の制御方法として、圧電トランス自体が持
っている急峻なバンドパスフィルター特性を利用してい
る。すなわち、圧電トランス固有の共振周波数近傍でス
イッチング周波数を変化させることによって、出力電圧
の制御を行っている。この従来の圧電トランスを使用し
た電源装置について図9ないし図11を参照しつつ説明
する。図9は、従来の圧電トランスを使用した電源装置
の回路図である。
【0003】図9において、電池もしくは商用交流電源
を整流平滑した直流電源101から直流電圧が供給され
る。直流電源101にスイッチング手段である2つのM
OSFET103、106の直列接続体が並列に接続さ
れている。2つのMOSFET103、106は、それ
ぞれ並列に接続された内蔵寄生ダイオード104、10
7を有している。2つのMOSFET103、106の
ゲート端子には、それぞれ制御回路130の出力する出
力信号T、UによりMOSFET103、106をオン
オフする駆動回路102、105が接続されている。M
OSFET106のドレイン端子にインダクタ114を
介して圧電トランス116の一方の入力電極116aが
接続され、他方の入力電極116bはソース端子に接続
されている。圧電トランス116の入力電極116a、
116b間にコンデンサ115が接続されている。イン
ダクタ114とコンデンサ115と圧電トランス116
の入力容量で共振回路117が構成されている。
【0004】圧電トランス116は、一対の入力電極1
16a、116bと一対の出力電極116c、116d
とを有しており、入力電極116a、116b間に印加
された電圧が変圧されて出力電極116c、116d間
に出力される。圧電トランス116の出力電極116
c、116d間に整流回路127が接続されている。整
流回路127は、全波整流ブリッジ回路を構成するよう
に接続されたダイオード120、121、122、12
3を有している。整流回路127にインダクタンス12
4とコンデンサ125との直列接続体で構成した平滑回
路128が並列に接続されている。平滑回路128は、
整流回路127から出力される脈流電圧を平滑して直流
出力電圧Voutとして負荷126に供給する。負荷1
26には、直流出力電圧Voutが印加され電力が消費
される。
【0005】制御回路130は、直流出力電圧Vout
を検出してその電圧が所定の電圧となるように、出力信
号T及び出力信号Uのスイッチング周波数fを変化させ
る。図10の(a)及び(b)は、スイッチング周波数
fに対する圧電トランスの電圧増幅度γと、圧電トラン
スの効率ηの変化をそれぞれ示すグラフである。図10
の(a)に示すように、スイッチング周波数fを変化す
ることにより圧電トランスの電圧増幅度γが変化するこ
とを利用して、直流出力電圧Voutを制御できる。図
10の(b)に示すように、従来の電源装置では、圧電
トランスの共振周波数fo近傍においては圧電トランス
の効率ηは良いが、共振周波数foから離れると効率η
が急激に低下してしまうという問題がある。図10の
(a)に示すように、圧電トランスの共振周波数foの
2倍と1/2倍近傍にも共振点が存在するため、この共
振点では圧電トランスの電圧増幅度γが再び増加する。
従って、スイッチング周波数fの可変幅を制限する必要
があり、結果的に直流出力電圧Voutを広範囲に安定
に制御できないという問題もある。
【0006】これらの問題を解決するために、従来の圧
電トランスを用いた電源装置では、圧電トランスの共振
周波数foの近傍にスイッチング周波数fを固定したま
まで、2つのMOSFET103、106のオン時間比
率δを可変する方法もある。すなわち、制御回路130
では、直流出力電圧Voutを検出してその電圧が所定
の電圧になるように、制御信号Tと制御信号Uのオン時
間比率δをそれぞれ変化させる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このオン時間
比率を変化させて出力電圧を制御する方法においても、
図11を参照して以下に説明するように、出力電圧の制
御範囲に限界がある。図11の(a)は、制御回路13
0の出力信号Tの電圧波形であり、(b)は出力信号U
の電圧波形である。図11の(f)は、圧電トランス1
16の入力電極への印加される電圧Vrの電圧波形であ
り、(g)は、共振回路117に流れる電流Ilの電流
波形である。図11の(h)は、MOSFET103と
ダイオード104に流れるスイッチング電流Is1の電
流波形であり、(i)はMOSFET106とダイオー
ド107に流れるスイッチング電流Is2の電流波形で
ある。ここで、図中に実線で示す波形は、制御回路13
0の出力信号Tと出力信号Uのオン時間比率δが0.5
から0.25の広い場合を示している。図中に点線で示
す波形は、前記制御回路130の出力信号T、Uのそれ
ぞれのオン時間比率δが0.2の狭い場合を示してい
る。
【0008】図11の(h)に示すように、出力信号
T、Uのオン時間比率が0.2の場合の点線で示す電流
波形では、MOSFET103のターンオン時に急峻な
スパイク状のスイッチング電流Is1が流れている。こ
れは、MOSFET103のターンオン直前におけるM
OSFET106とダイオード107を流れる電流、す
なわち共振回路117に流れる電流Ilの位相がオン時
間比率δにより変化しているためである。すなわち、M
OSFET103のターンオンの直前でMOSFET1
06をオフしても、寄生ダイオード107が導通状態に
なっていると、MOSFET103のターンオン時に寄
生ダイオード107のリカバリー電流が発生する。この
リカバリー電流により急峻なスパイク状のスイッチング
電流Is1が流れてしまう。オン時間比率δによる出力
電圧の制御の範囲は、オン時間比率δが0.5から0.
2程度が限界である。これよりオン時間比率を小さくす
ると、このスパイク状のスイッチング電流によりMOS
FET103と106のスイッチング損失が急激に増加
し効率が低下すると同時に、スイッチングノイズも増加
してしまう。
【0009】このように、従来の圧電トランスを使用し
た電源装置においては、広範囲な入力電圧の変化と、広
範囲な負荷電流の変化に対する出力電圧の安定性が確保
できないという問題がある。さらに、オン時間比率を変
化させる出力電圧の制御では、オン時間比率の小さい高
入力電圧で軽負荷電流時に変換効率の向上及び低ノイズ
化ができないという問題がある。
【0010】本発明は、広範囲な入力電圧と負荷電流に
対する出力電圧の制御特性を確保すると共に、変換効率
を向上させノイズの発生も防止した圧電トランスを使用
した電源装置を提供することを目的とする。
【0011】
【発明を解決するための手段】本発明の電源装置は、直
流電源の両端子間にそれぞれ接続され、制御手段から与
えられる制御信号によりオンオフする第1のスイッチン
グ手段と第2のスイッチング手段との第1の直列接続体
及び前記制御回路から与えられる制御信号によりオンオ
フする第3のスイッチング手段と第4のスイッチング手
段との第2の直列接続体を有する。さらに、圧電トラン
スの一対の入力電極の一方が前記第1の直列接続体の各
スイッチング手段の接続点にインダクタを介して接続さ
れ、他方が前記第2の直列接続体の各スイッチング手段
の接続点に接続されている。制御手段は、前記第1及び
第2のスイッチング手段を交互に所定の時間比率でオン
オフし、前記第3及び第4のスイッチング手段を前記第
1及び第2のスイッチング手段と同一のスイッチング周
波数かつ同一の時間比率で交互にオンオフする制御信号
を作成する制御信号作成手段と、前記圧電トランスの一
対の出力電極間に接続された整流平滑手段の出力する直
流出力電圧が所定の電圧になるよう前記第1及び第2の
スイッチング手段に与える制御信号の位相と、前記第3
及び第4のスイッチング手段に与える制御信号の位相を
変化させる制御信号付与手段を備えている。
【0012】この構成の電源装置によれば、第1及び第
2の直列接続体の各スイッチング手段をオンオフするス
イッチング周波数と時間比率とを一定にして位相差を変
化させて出力電圧を制御している。これにより、圧電ト
ランスの入力電極に印加する電圧をほぼゼロになるまで
正弦波状の電圧波形を維持した状態で変化させることが
できる。また、圧電トランスの変換効率の高い共振周波
数の近傍にスイッチング周波数を固定して出力電圧の制
御ができる。その結果、広い範囲の出力電圧の制御が高
い効率で実施でき、かつノイズの発生を防止できる。
【0013】本発明の他の観点による電源装置は、上記
構成の電源装置の前記第1のスイッチング手段または前
記第2のスイッチング手段の一方に並列に接続した第2
のインダクタと第1のコンデンサとの直列接続接続体、
前記第3のスイッチング手段または前記第4のスイッチ
ング手段の一方に並列に接続した第3のインダクタと第
2のコンデンサとの直列接続体を有している。
【0014】この構成の電源装置によれば、第1及び第
2の直列接続体の各スイッチング手段をオンオフする位
相差を小さくした場合に、スイッチング手段の寄生容量
に蓄積された電荷の放電が十分にできないために生じる
スパイク状の電流の発生を防止できる。従って、このス
パイク状の電流によるノイズの発生やスイッチング損失
及び圧電トランスの圧電振動による圧電素子の異常発熱
や破壊を防止するとともに安定性の優れた電源装置が実
現できる。
【0015】本発明のさらに他の観点による電源装置
は、上記2つの構成の電源装置において、前記圧電トラ
ンスの出力電極間に、ソース端子が互いに接続された第
1のN型MOSFETと第2のN型MOSFETとの第
1の直列回路と、ソース端子が互いに接続された第1の
P型MOSFETと第2のP型MOSFETとの第2の
直列回路とが接続されている。また、前記第1のN型M
OSFETと前記第1のP型MOSFETのゲート端子
とを前記圧電トランスの出力電極の一方に接続し、前記
第2のP型MOSFETと前記第2のN型MOSFET
のゲート端子とを前記圧電トランスの出力電極の他方に
接続している。さらに、前記第1及び第2の直列回路の
各MOSFETのソース端子間にそれぞれ接続されたダ
イオードを有している。
【0016】この構成の電源装置によれば、上記2つの
構成の電源装置の効果に加え、同期整流回路構成による
整流損失の大幅な低減ができる。さらに、低出力電圧で
の出力電圧の歪みによるMOSFETの寄生ダイオード
のリカバリー電流の発生を防止できる。従って、このリ
カバリー電流によるノイズの発生が防止できる。その結
果、高い効率で低ノイズの圧電トランスを用いた電源装
置が実現できる。
【0017】本発明のさらに他の観点による電源装置
は、直流電源の両端子間にそれぞれ接続され、制御手段
から与えられる制御信号によりオンオフする第1のスイ
ッチング手段と第2のスイッチング手段との第1の直列
接続体、及び制御手段から与えられる制御信号によりオ
ンオフする第3のスイッチング手段と第4のスイッチン
グ手段との第2の直列接続体を有している。さらに、圧
電トランスの一方の入力電極は、インダクタを介して前
記第1の直列接続体の各スイッチング手段の接続点に接
続され、他方の入力電極は前記第2の直列接続体の各ス
イッチング手段の接続点に接続されている。制御回路
は、前記第1及び第2のスイッチング手段を交互にオン
オフし、前記第3及び第4のスイッチング手段を前記第
1及び第2のスイッチング手段と同一のスイッチング周
波数かつ180度の位相差で交互にオンオフするそれぞ
れの制御信号を作成する制御信号作成手段と、前記圧電
トランスの一対の出力電極間に接続された整流平滑手段
の出力する直流出力電圧に応じて、前記直流出力電圧が
所定の電圧になるように前記第1及び第2のスイッチン
グ手段と前記第3及び第4のスイッチング手段のオン時
間比率を同一のオン時間比率で変化させた制御信号を付
与する制御信号付与手段を備えている。
【0018】この構成の電源装置によれば、第1及び第
2の直列接続体の各スイッチング手段をオンオフする位
相を180度ずらせ、同一のスイッチング周波数かつオ
ン時間比率を同一に保ちながらオン時間を変化させる。
これにより、圧電トランスの入力電極に印加する電圧を
ほぼゼロとなるまで正弦波状のまま固定したスイッチン
グ周波数で変化させることができる。従って、変換効率
の良好な圧電トランスの共振周波数近傍に固定したスイ
ッチング周波数で広い範囲の出力電圧の制御ができる。
その結果、広い範囲の出力電圧の安定した制御特性を有
する変換効率の高い電源装置を実現できる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の電源装置の好適な
実施例について図1ないし図8を参照しつつ説明する。
【0020】《実施例1》本発明の実施例1の電源装置
について図1及び図2を参照しつつ説明する。図1は、
本発明の実施例1の電源装置の回路図である。図1にお
いて、電池もしくは商用交流電源を整流平滑した直流電
源1から直流電圧が供給される。直流電源1にスイッチ
ング手段であるMOSFET3のソース端子とMOSF
ET6のドレイン端子とを接続した第1の直列接続体が
接続されている。さらに、MOSFET9のソース端子
とMOSFET12のドレイン端子とを接続した第2の
直列接続体が直流電源1に接続されている。各MOSF
ET3、6、9、12は、それぞれ並列に接続されたダ
イオード4、7、10、13を有している。
【0021】各MOSFET3、6、9、12のゲート
端子にはそれぞれのMOSFETをオンオフする駆動回
路2、5、8、11が接続されている。各駆動回路2、
5、8、11にはそれぞれ制御信号D、C、B、Aが制
御回路30から与えられる。このように4つのMOSF
ET3、6、9、12は直流電源1にHブリッジ構成で
接続され、それぞれ制御回路30の出力信号D、C、
B、Aによりオンオフする。
【0022】第1の直列接続体の各MOSFET3、6
の接続点と第2の直列接続体の各MOSFET9、12
の接続点との間に、インダクタ14と圧電トランス16
の入力電極16a、16bに並列に接続されたコンデン
サ15とを直列に接続した第3の直列接続体が接続され
ている。インダクタ14とコンデンサ15と圧電トラン
ス16の入力容量とで共振回路17を構成している。圧
電トランス16は、入力電極16a、16bと出力電極
16c、16dとを有し、入力電極16a、16bに印
加された電圧が変圧されて出力電極16c、16dから
出力される。
【0023】圧電トランス16の出力電極16c、16
dには4つのダイオード20、21、22、23をブリ
ッジ接続した整流回路27が接続されている。整流回路
27にはインダクタ24とコンデンサ25を直列に接続
した平滑回路28が接続されている。平滑回路28は、
整流回路27で全波整流された脈流電圧波形を平滑にし
て直流出力電圧Voutとして負荷26に供給する。負
荷26には直流出力電圧Voutが印加され、電力を消
費する。制御回路30は、直流出力電圧Voutを検出
してその電圧が所定の電圧となるように、制御信号A、
Bと制御信号C、Dとの位相差を変化させてそれぞれ駆
動回路11、8、5、2に出力する。
【0024】以上のように構成された実施例1の電源装
置の動作について図2を参照しつつ以下に説明する。図
2の(a)は、制御回路30の制御信号Aの信号波形で
あり、(b)は、制御回路30の制御信号Bの信号波形
である。図2の(c)は、制御回路30の制御信号Cの
信号波形であり、(d)は、制御回路30の制御信号D
の信号波形である。図2の(e)は、共振回路17に印
加される電圧Viの電圧波形であり、(f)は、圧電ト
ランス16の入力電極16a、16bに印加される電圧
Vrの電圧波形であり、(g)は、共振回路17に流れ
る電流Ilの電流波形である。
【0025】図2の(a)及び(b)において、制御信
号Aと制御信号Bは、所定のオン時間比率で交互にオン
オフするように設定されている。図2の(c)及び
(d)において、制御信号Cと制御信号Dは、制御信号
A、Bと同じオン時間比率かつ位相差を持って交互にオ
ンオフするように設定されている。図2の(c)ないし
(g)において、実線で示す波形は、軽負荷または高入
力電圧時のそれぞれの波形で、制御回路30の制御信号
A、Bと制御信号C、Dとの位相差を小さい位相差Eと
することで出力電圧を低く制御している。また、点線で
示す波形は、重負荷または低入力電圧時のそれぞれの波
形で、制御回路30の制御信号A、Bと制御信号C、D
との位相差を大きい位相差Fとすることで出力電圧を高
く制御している。
【0026】図2の(e)に示すように、直流電源1か
らの入力電流を、Hブリッジを構成する各MOSFET
3、6、9、12でオンオフすることにより、共振回路
17の両端には正と負が交互に発生するパルス状の電圧
が印加される。すなわち、t0においてMOSFET1
2がオン、MOSFET9がオフ、MOSFET3がオ
ン、MOSFET6がオフとなると、入力電圧Vinは
MOSFET3、MOSFET12を通じて共振回路1
7に印加される。次に、t1になると、MOSFET1
2がオフ、MOSFET9がオン、MOSFET6がオ
フ、MOSFET3がオンとなり、共振回路17の両端
の電圧は0となる。
【0027】次いで、t2においてMOSFET12が
オフ、MOSFET9がオン、MOSFET6がオン、
MOSFET3がオフとなると、入力電圧VinはMO
SFET6、MOSFET9を通じて共振回路17に逆
方向に印加される。次いで、t3において、MOSFE
T12がオン、MOSFET9がオフ、MOSFET6
がオン、MOSFET3がオフとなると、共振回路17
の両端の電圧は0となる。この動作を繰り返すことによ
り共振回路17の両端には図2の(e)に示すパルス状
の電圧が印可される。
【0028】制御回路30の制御信号A、B、C、Dの
スイッチング周波数は、共振回路17の共振周波数fr
に近い周波数に設定されているため、共振回路17を流
れる電流Ilの電流波形は図2の(g)に示す正弦波状
の電流波形となる。従って、図2の(f)に示すよう
に、圧電トランス16の入力電極16a、16bには正
弦波状の電圧波形の電圧Vrが印加される。共振回路1
7の共振周波数frは、インダクタ14のインダクタン
ス値をL、圧電トランス16の入力容量値をCp、コン
デンサ15の容量値をCとすると、式(1)で表され
る。
【0029】
【数1】
【0030】図2の(c)ないし(g)に位相差EとF
で示すように、制御回路30の制御信号A、Bと制御信
号C、Dの位相差が変化すると、共振回路17に印加さ
れるパルス状の電圧の印加時間幅が変化する。制御信号
A、Bと制御信号C、Dの位相差が少ない位相差Eでは
前記パルス状の電圧の印加時間幅が狭くなる。これによ
り、共振回路17に電圧が印加される時間が減少し、圧
電トランス16の入力電極16a、16bに印加される
正弦波状の電圧は減少する。逆に、制御信号A、Bと制
御信号C、Dの位相差が大きく位相差Fとなると、前記
パルス状の電圧の印加時間幅が広くなる。これにより、
共振回路17に電圧が印加される時間が増加し、圧電ト
ランス16の入力電極16a、16bに印加される正弦
波状の電圧は増加する。圧電トランス16の入力電極1
6a、16bに印加された電圧は、変圧されて出力電極
16c、16dから出力され、この正弦波状の出力電圧
が整流回路27に印加される。整流回路27で全波整流
された脈流電圧が、前記平滑回路28により平滑された
直流出力電圧Voutとなって負荷26に供給される。
【0031】直流出力電圧Voutは、圧電トランスの
入力電極16a、16bに印加される入力電圧をVr、
入力電極16a、16bから出力電極16c、16dへ
の変圧比をnとすると式(2)で表される。
【0032】
【数2】
【0033】すなわち、MOSFET3とMOSFET
12またはMOSFET6とMOSFET9がオンとな
り、共振回路17に入力電圧Vinが印加され、直流電
源1より共振電流Ilが供給される。これにより、圧電
トランス16の入力電極16a、16b間に入力電圧V
rが印加され、変圧されて出力電極16c、16d間に
式(2)に示す電圧Voutが出力される。
【0034】圧電トランス16は、負荷26の変化によ
る出力電流の変動よっても、大きく変圧比nが変化す
る。従って、出力電圧を所定の電圧に制御するには、非
常に広範囲に圧電トランス16の入力電極16a、16
bに印加される入力電圧Vrを可変する必要がある。制
御回路30の制御信号A、Bと制御信号C、Dとの位相
差をゼロにすることで、入力電圧Vrをほぼゼロとなる
まで正弦波状の電圧波形の状態を保ったままで変化させ
ることができる。従って、制御信号A、Bと制御信号
C、Dとの位相差を変化させることにより、広範囲な出
力電圧の制御を固定したスイッチング周波数で実現でき
る。共振回路17の共振周波数frの設定は、圧電トラ
ンス16の変換効率が高くなる圧電トランス16の共振
周波数fp付近に設定する。さらに、スイッチング周波
数fの設定は、前記共振回路17の共振周波数frより
高い周波数になるように設定する。これにより、スイッ
チング手段である各MOSFET3、6、9、12のゼ
ロクロススイッチングが達成できる。
【0035】《実施例2》本発明の実施例2の電源装置
について図3及び図4を参照しつつ説明する。図3は、
実施例2の電源装置の回路図である。実施例2の電源装
置は実施例1の電源装置に2つのインダクタとコンデン
サとの直列接続体を追加したものである。実施例1と同
一部分には同一参照符号を付して重複する説明は省略す
る。図3において、実施例2の電源装置は、MOSFE
T6のソース端子とドレイン端子間に インダクタ40
とコンデンサ41との直列接続体が接続されている。同
様に、MOSFET12のソース端子とドレイン端子間
にインダクタ42とコンデンサ43との直列接続体が接
続されている。
【0036】以下、実施例2の電源装置の動作について
図4を参照しつつ説明する。図4の(a)は、制御回路
30の制御信号Aの電圧波形であり、(b)は制御回路
30の制御信号Bの電圧波形である。図4の(c)は、
制御回路30の制御信号Cの電圧波形であり、(d)は
制御回路30の制御信号Dの電圧波形である。図4の
(e)は、共振回路17に印加される電圧Viの電圧波
形であり、(g)は共振回路17に流れる電流Ilの電
流波形である。図4の(j)は実施例2の電源装置のイ
ンダクタ40に流れる電流I40の電流波形であり、
(k)はMOSFET6に流れる電流I6の電流波形で
あり、(l)はMOSFET6に印加される電圧V6の
電圧波形である。
【0037】図4の(a)ないし(d)に示す制御信号
の波形は、軽負荷で且つ高入力電圧時において、制御回
路30の制御信号A、Bと制御信号C、Dの位相差を非
常に小さくして出力電圧を制御している状態を示してい
る。図4の(e)、(k)及び(l)において、実線で
示す波形はインダクタ40とコンデンサ41の直列接続
体がMOSFET6に、インダクタ42とコンデンサ4
3の直列接続体がMOSFET12にそれぞれ接続され
た実施例2の電源装置における波形を示す。また、点線
で示す波形は上記インダクタンス40、42とコンデン
サ41、43からなる2つの直列接続体をそれぞれMO
SFET6、12に接続してない実施例1の電源装置に
おける波形を示している。
【0038】実施例1の電源装置においては、制御回路
30の制御信号A、Bと制御信号C、Dの位相差を小さ
くしていくと、圧電トランス16の入力電極16a、1
6b間に印加される入力電圧Vrは減少する。従って、
共振回路17に流れる電流Ilも小さくなり、たとえ
ば、MOSFET6のターンオン直前のMOSFET3
を流れる電流も少なくなる。その結果、MOSFET3
がオフとなるとMOSFET3及びMOSFET6のそ
れぞれの寄生容量に蓄積された電荷の放電電流(MOS
FET6のソ−ス端子からドレイン端子に流れる逆電流
成分)が減少する。寄生容量に蓄積された電荷の放電電
流が減少することにより、この電荷が十分放電されず、
MOSFET6の両端の電圧(ソース端子とドレイン端
子との間の電圧)がゼロにならない。この状態でMOS
FET6がオンすることにより、前記寄生容量の電荷が
急速に放電される。これにより図4の(k)に点線で示
すように、MOSFET6にスパイク状の大きな電流が
流れる。
【0039】同様に、それぞれのMOSFET3、9、
12の両端の電圧がゼロにならない状態で、それぞれの
MOSFET3、9、12がオンすることで、前記寄生
容量の電荷を放電することによるスパイク状の電流が流
れる。このスパイク状の電流は大きなノイズの発生と、
スイッチング損失の増加を伴い、ノイズの増加と変換効
率の低下を発生させる。さらに、前記スパイク状の電流
が圧電トランスに流れる共振電流を歪ませることで、圧
電トランスに不用な圧電振動を発生させ、圧電素子の異
常発熱や破壊につながるおそれがある。
【0040】これに対し、実施例2の電源装置では、M
OSFET6及びMOSFET12のそれぞれのソース
端子とドレイン端子間にインダクタ40とコンデンサ4
1との直列接続体、及びインダクタ42とコンデンサ4
3との直列接続体がそれぞれ接続されている。従って、
制御回路30の制御信号A、Bと制御信号C、Dの位相
差に関係なく、コンデンサ41及びコンデンサ43のそ
れぞれの電荷の充放電電流が常にインダクタ40及びイ
ンダクタ42を経由して流れている。たとえば、MOS
FET3のオフにより、MOSFET3及びMOSFE
T6の寄生容量に蓄積された電荷の放電による電流がM
OSFET6のソ−スからドレインに流れる逆電流とな
る。従って、MOSFET6のソースとドレイン間の電
圧を確実にゼロにすることができる。同様に、各MOS
FET3、9、12がオンする時も、それぞれのソース
とドレイン間の電圧を確実にゼロにすることができる。
【0041】その結果、制御回路30の出力信号の位相
差がゼロとなり共振回路17に電流が流れない場合で
も、インダクタ40とインダクタ42に流れる電流で、
各MOSFET3、6、9、12がオンする時、それぞ
れのソースとドレイン間の電圧を確実にゼロにすること
ができる。従って、位相差の広い可変範囲で常にゼロク
ロススイッチングが実現されスパイク状の電流発生が防
止できる。なお、上記実施例2の電源装置においては、
インダクタとコンデンサの直列接続体をそれぞれMOS
FET6及びMOSFET12に接続した例について説
明した。しかし、インダクタとコンデンサとの直列接続
体をそれぞれMOSFET3及びMOSFET9に接続
しても同様の効果が得られる。
【0042】《実施例3》本発明の実施例3の電源装置
について図5及び図6を参照しつつ説明する。図5は、
実施例3の電源装置の回路図であり、図6は実施例3の
電源装置の各部における動作波形図である。実施例3の
電源装置は、実施例1の電源装置と整流回路27の構成
が異なるものである。従って、実施例1と同一部分につ
いては同一参照符号を付して重複した説明は省略する。
【0043】実施例3の電源装置の整流回路は、2つの
P型MOSFET50、52及び2つのN型MOSFE
T51、53とで構成したブリッジ回路となっている。
すなわち、P型MOSFET50とP型MOSFET5
2及びN型MOSFET51とN型MOSFET53
は、それぞれソース端子を接続した直列回路55、56
を構成している。P型MOSFET50、52の各ソー
ス端子は平滑回路28のインダクタ24に、N型MOS
FET51、53の各ソース端子は平滑回路28の接地
側にそれぞれ接続されている。
【0044】P型MOSFET50とN型MOSFET
51のゲート端子は、P型MOSFET52及びN型M
OSFET53のドレイン端子の接続点に接続されてい
る。P型MOSFET52及びN型MOSFET53の
ゲート端子は、P型MOSFET50及びN型MOSF
ET51のドレイン端子の接続点に接続されている。一
方、前記各直列回路55、56は、圧電トランス16の
出力電極16c、16d間に並列に接続されている前。
ダイオード54は、前記各直列回路55、56のPチャ
ンネル型MOSFET50、52及びNチャンネル型M
OSFET51、53の各ソース端子間に並列に接続さ
れている。
【0045】以上のように構成された実施例3の電源装
置の動作について図6を参照しつつ説明する。なお、出
力電圧を制御する動作については実施例1の電源装置の
動作と同様なので説明を省略する。図6の(m)は圧電
トランス16の出力電極16c、16d間に発生する電
圧V16の波形であり、(n)は圧電トランス16の出
力電極16c、16dから直列回路55、56の各MO
SFETのドレイン端子に流れる電流I16の電流波形
である。図6の(s)は直列回路55のN型MOSFE
T51を流れる電流I51の電流波形であり、(t)は
前記直列回路55のP型MOSFET50を流れる電流
I50の電流波形である。図6の(u)はダイオード5
4に流れる電流I54の電流波形である。ここで、図6
の(s)及び(t)において、実線で示す波形はダイオ
ード54が接続されている実施例3の電源装置の電流波
形を示し、点線で示す波形はダイオード54を接続しな
いときの電流波形を示している。
【0046】実施例3の電源装置における直列回路5
5、56は、実施例1の電源装置における整流回路27
を構成するダイオードをMOSFETに置き換えたもの
で、いわゆる同期整流回路を構成している。この同期整
流回路では、圧電トランス16の出力電極16c、16
d間の電圧V16により、それぞれの各型MOSFET
50、51、52、53が駆動され交互にオンオフす
る。図5に示すように、圧電トランス16の出力電圧V
16が図中に矢印で示す電圧の場合、N型MOSFET
51とP型MOSFET52のゲート端子の電圧がそれ
ぞれの各型MOSFET51、52をオンする方向に印
加され、各型MOSFET51、52がともにオンす
る。従って、出力電極16dからの電流I16は、P型
MOSFET52、インダクタ24、コンデンサ25、
N型MOSFET51を経由して流れる。
【0047】一方、N型MOSFET53とP型MOS
FET50のゲート端子の電圧がそれぞれの各型MOS
FET50、53をオフする方向に印加され、各型MO
SFET50、53が共にオフする。同時に、各型MO
SFET50、53のそれぞれのドレイン端子とソース
端子との間に印加される電圧もそれぞれの各型MOSF
ET50、53の寄生ダイオードをオフする方向に印加
され、各型MOSFET50、53は完全に遮断され
る。逆に、圧電トランス16の出力電圧V16が、図5
に示す矢印と逆方向の電圧の場合、N型MOSFET5
3とP型MOSFET50がともにオンする。従って、
出力電極16cからの電流I16は、P型MOSFET
50、インダクタ24、コンデンサ25、N型MOSF
ET53を経由して流れる。一方、N型MOSFET5
1とP型MOSFET52は完全に遮断される。以上の
動作により、直列回路55、56で構成される整流回路
は、圧電トランス16の出力電圧V16を整流する動作
を行う。
【0048】通常、圧電トランスは出力インピーダンス
が高いため、出力電圧の低い領域で大きな電流を取り出
すと出力電圧は低下して電圧波形が歪んでしまう。ま
た、平滑回路28の構成を図5に示すようなチョークイ
ンプット整流方式の回路とした場合、圧電トランス16
の出力電流I16はほぼ一定の電流となる。従って、図
6の(m)に示すように、正弦波状の出力電圧V16
が、圧電トランス16の出力電圧の低い領域ではほとん
ど零となり、電圧波形が歪んでいわゆるクロストーク歪
みが発生する。
【0049】この出力電圧V16の波形歪みは、直列回
路55、56で構成される同期整流回路において、すべ
てのP型とN型のMOSFET50、51、52、53
を同時にオフする。これにより、各型MOSFETのそ
れぞれの図示しない寄生ダイオードが導通状態となり、
インダクタ24の電流を出力に還流する。その後、出力
電圧の上昇により、再び直列回路55、56のいずれか
のP型とN型MOSFETがオンとなる時に、図6の
(s)及び(t)に点線に示すような、図示しない寄生
ダイオードによる大きなリカバリー電流によるスパイク
状の電流が流れてしまう。
【0050】ところが、この実施例3の電源装置では、
ダイオード54を同期整流回路に並列に接続している。
これにより、直列回路55、56で構成される同期整流
回路のすべてのP型とN型のMOSFETが同時にオフ
しても、ダイオード54が導通してインダクタ24の電
流を短絡する。従って、P型とN型MOSFETの図示
しない寄生ダイオードが導通することはなく、出力電圧
の上昇で再び直列回路55、56を構成するいずれかの
P型とN型MOSFETが導通する時でも大きなリカバ
リー電流の発生が抑制できる。実施例3の電源装置によ
れば、直列回路55、56で構成される同期整流回路に
より、整流損失は大幅に低減されると共に、リカバリー
電流の発生も抑制できる。その結果、高い効率で低ノイ
ズの電源装置が実現できる。
【0051】《実施例4》本発明の実施例4の電源装置
について図7及び図8を参照しつつ説明する。図7は、
実施例4の電源装置の回路図であり、図8は図7の電源
装置の各部における動作波形図である。なお、実施例4
の電源装置は、実施例1の電源装置の制御回路30を制
御回路35に置き換えたもので、実施例1の電源装置と
同一部分には同一参照符号を付して重複した説明は省略
する。図7において、実施例4の電源装置の制御回路3
5は、直流出力電圧Voutを検出して、出力電圧が所
定の電圧になるように、制御信号G、Hと制御信号K、
Lの位相を絶えず180度ずらし、各スイッチング手段
のオン時間比率を同一比率に保ちつつ変化させた制御信
号を各スイッチング手段の駆動回路に供給する。制御信
号Gは駆動回路11に供給され、MOSFET12をオ
ンオフし、制御信号Hは駆動回路8に供給され、MOS
FET9をオンオフする。制御信号Kは駆動回路5に供
給され、MOSFET6をオンオフし、制御信号Lは駆
動回路2に供給され、MOSFET3をオンオフする。
【0052】この実施例4の電源装置の動作について図
8を参照しつつ説明する。図8の(a)は制御回路35
の制御信号Gの電圧波形であり、(b)は制御回路35
の制御信号Hの電圧波形である。図8の(c)は制御回
路35の制御信号Kの電圧波形であり、(d)は制御回
路35の制御信号Lの電圧波形である。図8の(e)は
共振回路17に印加される電圧Viの電圧波形であり、
(f)は圧電トランス16の入力電極16a、16bの
間に印加される電圧Vrの電圧波形である。図8の
(g)は共振回路17に流れる電流Ilの電流波形であ
る。
【0053】図8の(a)ないし(g)において、図中
に実線で示す波形は軽負荷または高入力電圧時の波形で
あり、点線で示す波形は重負荷または高入力電圧時の波
形である。制御信号Gと制御信号Hは、交互にオンオフ
するように設定され、それぞれ同一比率でオン時間比率
を変化させる。制御信号Kと制御信号Lは、交互にオン
オフするように設定され、それぞれ同一比率でオン時間
比率を変化させる。制御回路35の制御信号G、Hと制
御信号K、Lとのオン時間比率をTON1/Tで示すよ
うに小さくすると、図中に実線で示すように圧電トラン
ス16の入力電極16a、16b間に印加される入力電
圧Vrは低くなる。制御回路35の制御信号G、Hと制
御信号K、Lのオン時間時間比率をTON2/Tで示す
ように大きくすると、図中に点線で示すように圧電トラ
ンス16の入力電極16a、16b間に印加される入力
電圧Vrは高くなる。
【0054】実施例4の電源装置の実施例1の電源装置
と異なる動作は、制御回路35の制御信号G、Hと制御
信号K、Lのオン時間比率をそれぞれ同一比率で変化さ
せることで出力電圧Voutを制御する点にある。しか
し、MOSFET3、6、9、12のオンオフによって
共振回路17の両端に印加される電圧Viの電圧波形
は、結果的に図8の(e)に示すように、実施例1の電
源装置における図2の(e)と同一となることから同様
にオン時間比率を同一比率で変化させても出力電圧が制
御できることがわかる。
【0055】また、この実施例4の電源装置において、
実施例2の電源装置と同様にインダクタ40とコンデン
サ41の直列接続体をMOSFET3またはMOSFE
T6の両端に接続し、MOSFET3とMOSFET6
のオンオフにより前記直列接続体に電流を発生させる。
同様に、インダクタ42とコンデンサ43の直列接続体
をMOSFET9またはMOSFET12の両端に接続
し、MOSFET9とMOSFET12のオンオフによ
り前記直列接続体に電流を発生させる。これにより、実
施例2の電源装置と同様の効果が得られる。
【0056】また、この実施例4の電源装置において、
実施例3の電源装置と同様に整流回路を、P型MOSF
ET50、52とN型MOSFET51、53により構
成される同期整流回路とし、その出力端にダイオード5
4を並列に接続した構成とする。これにより、実施例3
の電源装置と同様の効果が得られる。。
【0057】なお、実施例1ないし実施例4の電源装置
において、圧電トランス16の一対の入力電極16a、
16b間にコンデンサ15を接続しているが、圧電トラ
ンス16の入力容量Cpだけで共振回路17の共振周波
数frが達成できれば、コンデンサ15は省略すること
ができる。また、実施例1及び実施例4の電源装置にお
いて、スイッチング手段であるMOSFET3、6、
9、12のそれぞれに並列に接続されているダイオード
4、7、10、13は、各MOSFET3、6、9、1
2にそれぞれ寄生的に内蔵されている寄生ダイオードを
利用すれば省略することができる。また、実施例1ない
し実施例4の電源装置において、スイッチング手段をM
OSFETとして説明したが、バイポーラトランジスタ
やIGBT等の他のスイッチング手段に置き換えても同
様の効果が得られる。
【0058】
【発明の効果】以上実施例で説明したことから明らかな
ように、本発明は以下の効果を有する。すなわち、本発
明の電源装置によれば、広範囲な印加電圧の変化に対し
て圧電トランスを固定した周波数の正弦波電圧で駆動す
ることができる。従って、圧電トランスによる損失を低
減できるとともに、すべての出力電圧の制御範囲におい
て、スイッチング素子をゼロクロススイッチングの動作
で駆動できる。その結果、高い変換効率とスイッチング
ノイズの発生を抑制した電源装置を提供できる。さら
に、整流回路を同期整流方式の整流回路とすることによ
り、同期整流スイッチング素子の寄生ダイオード導通時
のリカバリー電流発生を防止できる。その結果、整流損
失を低減し、かつ整流回路のノイズの発生を抑制した電
源装置を提供できるという有利な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の電源装置の回路図。
【図2】本発明の実施例1の電源装置の各部の動作波形
図で、(a)、(b)、(c)及び(d)はそれぞれ制
御回路30の制御信号A、B、C、Dの電圧波形、
(e)は共振回路17に印加される電圧Viの電圧波
形、(f)は圧電トランス16の入力電極に印加される
電圧Vrの電圧波形、(g)は共振回路17を流れる電
流Ilの電流波形。
【図3】本発明の実施例2の電源装置の回路図。
【図4】本発明の実施例2の電源装置における各部の動
作波形図で、(a)、(b)、(c)及び(d)はそれ
ぞれ制御回路30の制御信号A、B、C、Dの電圧波
形、(e)は共振回路17に印加される電圧Viの電圧
波形、(g)は共振回路17を流れる電流Ilの電流波
形、(j)はインダクタ40を流れる電流I40の電流
波形、(k)はMOSFET6のソースとドレイン間に
流れる電流I6の電流波形、(l)はMOSFET6の
ソースとドレイン間に印加される電圧V6の電圧波形。
【図5】本発明の実施例3の電源装置の回路図。
【図6】本発明の実施例3の電源装置における各部の動
作波形図で、(m)は圧電トランス16の出力電極間に
発生する電圧V16の電圧波形、(n)は圧電トランス
16の出力電極から同期整流回路に流れる電流I16の
電流波形、(s)はN型MOSFET51のソースとド
レイン間に流れる電流I51の電流波形、(t)はP型
MOSFET50のソースとドレイン間に流れる電流I
50の電流波形、(u)はダイオード54に流れる電流
I54の電流波形。
【図7】本発明の実施例4の電源装置の回路図。
【図8】本発明の実施例4の電源装置における各部の動
作波形図で、(a)、(b)、(c)及び(d)はそれ
ぞれ制御回路35の制御信号G、H、K、Lの電圧波
形、(e)は共振回路17に印加される電圧Viの電圧
波形、(f)は圧電トランス16の入力電極に印加され
る電圧Vrの電圧波形、(g)は共振回路17を流れる
電流Ilの電流波形。
【図9】従来の電源装置の回路図。
【図10】従来の圧電トランス16の周波数特性を示す
グラフで、(a)は電圧増幅度の周波数特性を示し、
(b)は変換効率の周波数特性を示す。
【図11】従来の電源装置における各部の動作波形図
で、(a)及び(b)は制御回路130の出力信号T及
び出力信号Uの電圧波形、(f)は圧電トランス116
の入力電極に印加される電圧Vrの電圧波形、(g)は
共振回路117に流れる電流Ilの電流波形、(h)及
び(i)はそれぞれMOSFET103及びMOSFE
T106を流れる電流Is1及びIs2の電流波形。
【符号の説明】
1 直流電源 2、5、8、 11 駆動回路 3、6、9、12 MOSFET 4、7、10、13 寄生ダイオード 14、24、40、42 インダクタ 15、25、41、43 コンデンサ 16 圧電トランス 16a、16b 入力電極 16c、16d 出力電極 17 共振回路 20、21、22、23 整流ダイオード 26 負荷 27 整流回路 28 平滑回路 30、35 制御回路 50、52 P型MOSFET 51、53 N型MOSFET 54 ダイオード 55、56 直列回路
フロントページの続き Fターム(参考) 5H007 AA01 AA03 CA02 CB05 CB09 CC03 CC09 DA03 DB01 FA14 5H730 AA02 AA14 AA20 BB27 BB61 BB86 DD04 DD16 EE04 EE19 EE48 XX03

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直流電源の両端子間にに接続され、制御
    手段から与えられる制御信号によりそれぞれオンオフす
    る第1のスイッチング手段と第2のスイッチング手段と
    の第1の直列接続体、前記第1の直列接続体に並列に接
    続され、制御手段から与えられる制御信号によりそれぞ
    れオンオフする第3のスイッチング手段と第4のスイッ
    チング手段との第2の直列接続体、 少なくとも一対の入力電極と一対の出力電極とを有する
    圧電トランス、 前記第1の直列接続体の各スイッチング手段の接続点
    と、前記第2の直列接続体の各スイッチング手段の接続
    点との間に接続されたインダクタと前記圧電トランスの
    一対の入力電極との第3の直列接続体、前記圧電トラン
    スの一対の出力電極間に接続された整流平滑手段、及び 前記第1及び第2のスイッチング手段を所定の時間比率
    で交互にオンオフし、かつ前記第3及び第4のスイッチ
    ング手段を前記第1及び第2のスイッチング手段と同一
    のスイッチング周波数かつ同一の時間比率で交互にオン
    オフするそれぞれの制御信号を作成する制御信号作成手
    段と、前記整流平滑手段の直流出力電圧に応じて、前記
    直流出力電圧が所定の電圧になるよう前記第1及び第2
    のスイッチング手段に与える制御信号の位相と、前記第
    3及び第4のスイッチング手段に与える制御信号の位相
    とを変化させる制御信号付与手段とを有する制御手段を
    備えることを特徴とする電源装置。
  2. 【請求項2】 直流電源の両端子間に接続され、制御手
    段から与えられる制御信号によりそれぞれオンオフする
    第1のスイッチング手段と第2のスイッチング手段との
    第1の直列接続体、 前記第1の直列接続体に並列に接続され、制御手段から
    与えられる制御信号によりそれぞれオンオフする第3の
    スイッチング手段と第4のスイッチング手段との第2の
    直列接続体、 少なくとも一対の入力電極と一対の出力電極を有する圧
    電トランス、前記第1の直列接続体の各スイッチング手
    段の接続点と、前記第2の直列接続体の各スイッチング
    手段の接続点との間に接続された第1のインダクタと前
    記圧電トランスの一対の入力電極との第3の直列接続
    体、 前記第1のスイッチング手段または第2のスイッチング
    手段の一方に並列に接続された第2のインダクタと第1
    のコンデンサの直列接続体、 前記第3のスイッチング手段または第4のスイッチング
    手段の一方に並列に接続された第3のインダクタと第2
    のコンデンサの直列接続体、 前記圧電トランスの一対の出力電極間に接続された整流
    平滑手段、及び前記第1及び第2のスイッチング手段を
    所定の時間比率で交互にオンオフし、前記第3及び第4
    のスイッチング手段を前記第1及び第2のスイッチング
    手段と同一のスイッチング周波数かつ同一の時間比率で
    交互にオンオフするそれぞれの制御信号を作成する制御
    信号作成手段と、前記整流平滑手段の直流出力電圧に応
    じて、前記直流出力電圧が所定の電圧になるよう前記第
    1及び第2のスイッチング手段に与える制御信号の位相
    と、前記第3及び第4のスイッチング手段に与える制御
    信号の位相とを変化させる制御信号付与手段とを有する
    制御手段を備えることを特徴とする電源装置。
  3. 【請求項3】 直流電源の両端子間に接続され、制御手
    段から与えられる制御信号によりそれぞれオンオフする
    第1のスイッチング手段と第2のスイッチング手段の第
    1の直列接続体、 前記第1の直列接続体に並列に接続され、制御手段から
    与えられる制御信号によりそれぞれオンオフする第3の
    スイッチング手段と第4のスイッチング手段の第2の直
    列接続体、 少なくとも一対の入力電極と一対の出力電極を有する圧
    電トランス、 前記第1直列接続体の各スイッチング手段の接続点と、
    前記第2の直列接続体の各スイッチング手段の接続点と
    の間に接続した、インダクタと前記圧電トランスの一対
    の入力電極との第3の直列接続体、 前記圧電トランスの一対の出力電極間に接続された整流
    平滑手段、及び前記第1及び第2のスイッチング手段を
    所定の時間比率で交互にオンオフし、前記第3及び第4
    のスイッチング手段を前記第1及び第2のスイッチング
    手段と同一のスイッチング周波数かつ同一時間比率で交
    互にオンオフするそれぞれの制御信号を作成する制御信
    号作成手段と、前記整流平滑手段の直流出力電圧に応じ
    て、前記直流出力電圧が所定の電圧になるよう前記第1
    及び第2のスイッチング手段をオンオフする位相と、前
    記第3及び第4のスイッチング手段をオンオフする位相
    とを変化させる制御信号付与手段とを有する制御手段を
    備え、 前記整流平滑手段は、前記圧電トランスの出力電極にそ
    れぞれ並列に接続されたソース端子が互いに接続された
    第1のN型MOSFETと第2のN型MOSFETとの
    第1の直列回路、及びソース端子が互いに接続された第
    1のP型MOSFETと第2のP型MOSFETとの第
    2の直列回路、 前記第1のN型MOSFETと前記第1のP型MOSF
    ETのゲート端子を前記圧電トランスの出力電極の一方
    に接続し、前記第2のP型MOSFETと前記第2のN
    型MOSFETのゲート端子を前記圧電トランスの出力
    電極の他方に接続し、 前記第1及び第2の直列回路の各MOSFETのソース
    端子間にそれぞれ並列に接続されたダイオード及び平滑
    回路を有することを特徴とする電源装置。
  4. 【請求項4】 前記交互に所定の時間比率でオンオフす
    るスイッチング手段のスイッチング周波数は、前記圧電
    トランスの共振周波数の近傍で、且つ前記第3の直列接
    続体の共振周波数よりも高い値に設定することを特徴と
    する請求項1、2または3に記載の電源装置。
  5. 【請求項5】 直流電源の両端子間に接続され、制御回
    路から与えられる制御信号によりそれぞれオンオフする
    第1のスイッチング手段と第2のスイッチング手段との
    第1の直列接続体、 前記第1の直列接続体に並列に接続され、制御回路から
    与えられる制御信号によりそれぞれオンオフする第3の
    スイッチング手段と第4のスイッチング手段との第2の
    直列接続体、 少なくとも一対の入力電極と一対の出力電極を有する圧
    電トランス、 前記第1の直列接続体の各スイッチング手段の接続点
    と、前記第2の直列接続体の各スイッチング手段の接続
    点との間に接続された、第1のインダクタと前記圧電ト
    ランスの一対の入力電極との第3の直列接続体、 前記圧電トランスの一対の出力電極間に接続した整流平
    滑手段、及び前記第1及び第2のスイッチング手段を交
    互にオンオフし、前記第3及び第4のスイッチング手段
    を前記第1及び第2のスイッチング手段と同一のスイッ
    チング周波数でかつ180度の位相差で交互にオンオフ
    するそれぞれの制御信号を作成する制御信号作成手段
    と、前記整流平滑手段の直流出力電圧に応じて、前記直
    流出力電圧が所定の電圧になるよう前記第1のスイッチ
    ング手段と第2のスイッチング手段のオンオフの時間比
    率と、前記第3のスイッチング手段と第4のスイッチン
    グ手段のオンオフの時間比率を同一の時間比率で変化さ
    せて制御信号を付与する制御信号付与手段とを有する制
    御手段を備えることを特徴とする電源装置。
  6. 【請求項6】 前記各スイッチング手段のスイッチング
    周波数は、前記圧電トランスの共振周波数の近傍で、且
    つ前記第3の直列接続体の共振周波数よりも高い値に設
    定されていることを特徴とする請求項5記載の電源装
    置。
  7. 【請求項7】 前記第1のスイッチング手段または第2
    のスイッチング手段の一方に並列に接続した第2のイン
    ダクタと第1のコンデンサの直列回路、及び前記第3ス
    イッチング手段または第4のスイッチング手段の一方に
    並列に接続した第3のインダクタと第2のコンデンサの
    直列回路を有することを特徴とする請求項5または6に
    記載の電源装置。
  8. 【請求項8】 前記整流平滑手段は、前記圧電トランス
    の出力電極間にそれぞれ並列に接続された、ソース端子
    が互いに接続された第1及び第2のN型MOSFETの
    第1の直列回路及びソース端子が互いに接続された第1
    及び第2のP型MOSFETの第2の直列回路、前記第
    1のN型MOSFETと前記第1のP型MOSFETの
    ゲート端子が前記圧電トランスの出力電極の一方に接続
    され、前記第2のP型MOSFETと前記第2のN型M
    OSFETのゲート端子が前記圧電トランスの出力電極
    の他方に接続され、 前記第1及び第2の直列回路の各MOSFETのソース
    端子間に接続されたダイオードと平滑回路とを有するこ
    とを特徴とする請求項5、6または7に記載の電源装
    置。
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