JP4337959B2 - インクジェット印字方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、白紙の輪転用紙にインクジェットシステムにて印字を行うインクジェット印字方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット印字方法にて用紙に印字を行う場合、用紙上に設けたマークをインクジェット印字装置のセンサにて読み取り、このマーク読み取り信号に基づいてプリントヘッドにてインクジェット印字するようにしているのが一般的であった。
【0003】
しかしながら上記従来の技術では、インクジェット印字を行おうとする用紙には予め印字用のマークを別の印刷工程にて印刷しておかなければならないため、1つ余分な工程が必要となるという問題がある。
【0004】
これに対し、白紙の用紙にインクジェット印字を行う手段として、輪転用紙の走行に従って基準となるCUE信号(印字開始信号)をプリントヘッドに与え、このCUE信号に基づいて印字を行うようにした印字方法がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
用紙の走行に従って基準のCUE信号を出力し、これに基づいてプリントヘッドにて印字する従来の印字方法では、CUE信号の発生制御において、用紙走行量を基に設定された任意のCUE信号を作成しているが、1度印字処理を停止、または中断した場合、用紙走行に対してページ長単位でのCUE信号発生制御は行われていない。
【0006】
このため、1度中断してから印字を再スタートさせると、インライン加工であってもカッタ、横ミシン装置、折り装置等の加工側とのタイミングのずれが生じてしまうという問題がある。
【0007】
本発明は上記のことにかんがみなされたもので、インクジェットの印字を停止、または中断した状態から印字を再スタートしたときに、この再スタートした印字が、輪転用紙の走行に対してページ長の整数倍の余白発生後に再び行われるようにして再開された印字が加工側とのタイミングのずれをなくした間隔で行われるようにしたインクジェット印字方法を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係るインクジェット印字方法は、用紙走行装置にて走行される用紙上に、CUE信号に基づいて1ページ毎にプリントヘッドにて繰り返し印字するようにしたインクジェット印字方法において、用紙の走行に同期して作用するエンコーダあるいはチェンジギヤ式カムの一方にて用紙の走行信号を取り、この走行信号から1ページ毎の仮想ページCUE信号を出力し、この仮想CUE信号に従ってCUE信号を出力して印字を行い、上記仮想ページCUE信号は印字の停止あるいは中断後にも継続して出力し、印字の再スタート時にはこの仮想ページCUE信号に従って印字を行うようにした。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図中1はインクジェット印字機、2はカッタ装置であり、インクジェット印字機1のプリントヘッド3にて用紙4に所定の天地寸法のページ毎に所定の印字が行われ、カッタ装置2では上記天地寸法のページ毎に切断されるようになっている。
【0010】
インクジェット印字機1には原動機にて駆動される用紙走行装置5を備えており、この用紙走行装置5の回転がエンコーダ6にて検出されるようになっている。エンコーダ6はパルス信号(TACH信号)と、このパルス信号の整数倍のパルス信号(Z相)が出力されるものである。
【0011】
インクジェット印字機1には仮想ページ長管理制御装置7が設けてある。この仮想ページ長管理制御装置7は上記エンコーダ6からのTACH信号とZ相信号を受けて、所定の天地寸法毎に仮想ページCUE信号を出力するようになっている。このCUE信号はオペレータによる印字開始信号の入力により起動され、1度CUE信号が出力された以降は、オペレータの印字装置の操作により、印字停止、印字再スタートとは関係なく、常にエンコーダ6からのTACH信号を受けて内部回路で上記仮想ページCUE信号が発生されるようになっている。
【0012】
また、上記仮想ページ長管理制御装置7は上記したように、インクジェット印字機1の用紙送り装置5の駆動中にあっては、印字のON,OFFに関係なく仮想CUE信号が出力されるが、印字停止操作に伴って用紙送り装置5も停止した場合には、この仮想ページCUE信号の出力も停止される。しかし、この仮想ページ長管理制御装置7では、用紙送り停止時における仮想ページCUE信号間のTACH信号を記憶しており、再スタートしたときにこの記憶されたTACH信号により、仮想ページCUE信号間隔は印字が連続して行われる部分と同じになるようになっている。
【0013】
次に、用紙送り装置5が連続運転している場合で印字を途中で停止したときの実施例を示す。
【0014】
図2において、aはエンコーダ6からのZ相信号で、このZ相信号の間隔はエンコーダ6の固有のもので、等間隔に出力される。bはオペレータによる印字操作スイッチのON/OFF操作信号である。cは仮想ページCUE信号、dはインクジェット印字機1におけるCUE信号である。
【0015】
オペレータにより印字操作スイッチをONにすると、この印字操作信号bとZ相信号aの双方が入力したことにより、仮想ページ長管理制御装置7がカウントを開始し、所定の天地寸法、例えば12インチ毎に仮想ページCUE信号cを出力する。インクジェット印字機1ではこの仮想ページCUE信号cを受信し、プリントヘッド3にてこの仮想ページCUE信号cの入力間隔で印字が行われる。
【0016】
この印字途中で印字操作スイッチをOFFにしても、仮想ページCUE信号cは等間隔で連続して出力を行うが、上記印字操作スイッチがOFFになっている間のCUE信号d′は出力されない。従ってこの間にわたって印字はされない。
【0017】
この状態から再び印字操作スイッチをONにすると、このON信号bの入力後の最初の仮想ページCUE信号cの信号によりCUE信号dの出力が再開されて印字が再開される。
【0018】
従ってインクジェット印字の途中で、これをOFFとしたときに、OFF直前のCUE信号とON直後の最初のCUE信号による用紙の印字間隔(空白の間隔)は仮想ページCUE信号にて制御されて1ページの天地寸法の整数倍となる。
【0019】
次に、印字操作スイッチをON,OFFすると共に、インクジェット印字機1の用紙走行装置5をこれと連動してON,OFFするようにした場合の実施例を示す。
【0020】
図3において、印字操作スイッチを用紙の走行途中で、例えばある仮想ページCUE信号cからL1の位置でOFFにすると、これと同時に用紙走行装置5も停止してZ相信号もOFFとなる。従って仮想ページCUE信号cもOFFとなる。しかし、このとき、仮想ページ長管理制御装置7では、OFFになるまでのTACH信号が積算されており、そのレベルhで停止する。そして印字操作スイッチを再度ONにすると、これと同時に用紙走行装置5が作動し、エンコーダ6が作動してTACH信号を出力するから、仮想ページCUE信号cが出力される。
【0021】
このとき仮想ページCUE信号cはレベルhになっているので、次の仮想ページCUE信号cはL−L1のタイミングで出力される。
【0022】
従って停止する直前の仮想ページCUE信号から再スタート後の最初の仮想ページCUE信号の間隔は他の間隔Lと同じになる。このことから、印字再スタート後の用紙の印字間隔は停止前と同じになる。
【0023】
上記実施の形態ではエンコーダ6のZ相信号を仮想ページ長管理制御装置7に入力するようにした例を示したが、このZ相信号に替えて、用紙走行装置5にインクジェット印字ページ長の1周期カムを設け、この1周期カムをセンサで取り込み、これのタイミングで仮想ページCUE信号を出力するようにしてもよい。
【0024】
【発明の効果】
本発明によれば、予め印字用マークを別工程にて印刷しない白紙の用紙への印字において、走行する用紙に対して印字を停止、あるいは中断してからこの印字を再スタートさせたときに、この印字の停止、中断により繰り出される無印字部分の天地方向長さは仮想CUE信号の出力間隔と同じになり、印字の停止、中断後に印字を再スタートしたときの印字間隔のタイミングのズレがなくなり、印字した用紙を用紙の走行方向下流にて行われる1ページ毎の切断処理における損紙をなくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カッタ装置を備えたインクジェット印字機を示す概略的な構成説明図である。
【図2】印字操作スイッチのON,OFF操作による各信号のタイミングを示す図である。
【図3】印字操作スイッチのON,OFF操作による各信号のタイミングを示す図である。
【符号の説明】
1…インクジェット印字機、2…カッタ装置、3…プリントヘッド、4…用紙、5…用紙走行装置、6…エンコーダ、7…仮想ページ長管理制御装置。
Claims (1)
- 用紙走行装置にて走行される用紙上に、CUE信号に基づいて1ページ毎にプリントヘッドにて繰り返し印字するようにしたインクジェット印字方法において、
用紙の走行に同期して作用するエンコーダあるいはチェンジギヤ式カムの一方にて用紙の走行信号を取り、この走行信号から1ページ毎の仮想ページCUE信号を出力し、この仮想CUE信号に従ってCUE信号を出力して印字を行い、上記仮想ページCUE信号は印字の停止あるいは中断後にも継続して出力し、印字の再スタート時にはこの仮想ページCUE信号に従って印字を行うようにしたことを特徴とするインクジェット印字方法。
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