JP4337358B2 - 積層用中間配線部材、配線板及びそれらの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、積層用中間配線部材とその製造方法、配線板及び半導体パッケージ用基板とそれらの製造方法、並びに、多層配線板及び半導体パッケージ用多層基板とそれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の電子部品の高密度実装化に伴い、配線板の配線密度の向上が求められるようになってきている。また、配線板に搭載する半導体パッケージにおいても同様の要求が高まっている。一般に半導体パッケージの場合、入出力端子をパッケージの周辺に一列配置するタイプと、周辺だけでなく内部まで多列に配置するタイプがある。前者は、QFP(Quad Flat Package)が代表的である。これを多端子化する場合は、端子ピッチを縮小することが必要であるが、0.5mmピッチ以下の領域では、配線板との接続に高度な技術が必要になる。後者のアレイタイプは比較的大きなピッチで端子配列が可能なため、多ピン化に適している。従来、アレイタイプは接続ピンを有するPGA(Pin Grid Array)が一般的であるが、配線板との接続は挿入型となり、表面実装には適していない。このため、表面実装可能なBGA(Ball Grid Array)と称するパッケージが開発されている。
【0003】
一方、電子機器の小型化に伴って、パッケージサイズの更なる小型化の要求が強くなってきた。この小型化に対応するものとして、半導体チップとほぼ同等サイズの、いわゆるチップサイズパッケージ(CSP;Chip Size Package)が提案されている。これは、半導体チップの周辺部でなく、実装領域内に外部配線基板との接続部即ち外部接続端子を有するパッケージである。具体例としては、バンプ付きポリイミドフィルムを半導体チップの表面に接着し、チップと金リード線により電気的接続を図った後、エポキシ樹脂などをポッティングして封止したもの(例えば、非特許文献1を参照)や、仮基板上に半導体チップ及び外部配線基板との接続部に相当する位置に金属バンプを形成し、半導体チップをフェースダウンボンディング後、仮基板上でトランスファーモールドしたもの(例えば、非特許文献2を参照)などがある。
【0004】
これらの半導体パッケージは、何れも、接続端子と半導体チップとの接続のために、スルーホール、バイアホールを用いている。スルーホール、バイアホールは基材の接続端子となる箇所に予めドリルやレーザなどで穴を設け、はんだや導電ペーストを充填したり、スルーホールめっき、穴埋めめっきなどをして接続端子を設ける方法が一般的であるが、この方法では穴の小径化に限界があり、多ピン化になるほどコストUPとなる。
そこで、予め金属箔上に導電性突起をめっき法又は印刷法又はエッチング法によって設けておき、後から基材となる樹脂を埋め込んだのち又は同時に、金属箔又は配線部材を接続する方法が提案されている。これらの工法において接続信頼性を向上するために導電性突起頭部に導電性樹脂や金めっき、はんだめっき等を施す方法も提案されている。また、本発明者らは、金属箔をエッチングして形成したバンプを樹脂で埋め込み、層間接続用の配線に利用した半導体パッケージを開発した(例えば、特許文献1を参照)。これに使用されるパッケージ基板の樹脂を、半硬化状態(Bステージ状態)にすれば、この基板の導電性突起面と金属箔又は配線部材とを合わせて加圧・加熱処理することで容易に層間接続された配線部材を製造することが出来る。しかしながら、この方法では導電性突起と金属箔又は配線部材との接続はただ突き当てられているだけで周りの樹脂の接着力で接続が保たれているため長期信頼性に不安がある。信頼性を向上するために導電性樹脂を絶縁樹脂から露出した状態の導電性突起頭部に塗布した後、接続する方法もあるが接合面に凹凸が出来るため、密着が不均一になったり、張りは合わせた状態での平坦度が悪くなったりする。これらを改善するには加熱加圧時に流動性が高い樹脂を使う必要があり樹脂の選択に大きな制約が出てくる。また流動性が高いと、ズレやすく厚みも不均一になりやすい。
【0005】
【非特許文献1】
NIKKEI MATERIALS & TECHNOLOGY 94.4,No.140,p18-19
【非特許文献2】
Smallest Flip-Chip-Like Package CSP; The Second VLSI Packaging Workshop of Japan,p46-50,1994
【特許文献1】
特開2002−043467号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
予め金属箔上に導電性突起を形成し、後から基材となる樹脂を埋め込む層間接続部材において、本発明は層間接続の信頼性を向上させる構造及び製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の問題を解決するために、本発明者らは、導電性突起頭部に導電性樹脂を塗布した状態で樹脂に埋め込まれた状態であって、絶縁樹脂表面にほとんど導電性樹脂が出ていない状態でかつほとんど凹んでもいない状態の層間接続部材とその製造法を考案した。
【0008】
すなわち、本発明は、下記の積層用中間配線部材、それを用いた配線板、及びそれらの製造方法を提供するものである。
(1)(1)導電体層及び導電体層の片面に突出する複数の導電性突起を有する配線部材、(2)配線部材の導電性突起の先端面上に塗布された導電性樹脂、及び、(3)配線部材の導電性突起を有する面側で、導電性樹脂の先端面を露出させて導電性突起及び導電性樹脂を埋め込んでいる絶縁樹脂を有する積層用中間配線部材であって、導電性樹脂及び絶縁樹脂が、流動性はないが完全な硬化状態に至る前の半硬化状態にあり、絶縁樹脂表面と絶縁樹脂表面に露出した導電性樹脂の露出面が、平坦な平坦化面を形成している積層用中間配線部材A。
(2)配線部材が、導電体層が少なくとも第3金属の層からなり、導電性突起が導電体層上の第2金属の層と第2金属の層上の第1金属の層の2層からなるもの、又は、配線部材が、導電体層が少なくとも第3金属の層と、第3金属の層上の第2金属の層とからなり、導電性突起が導電体層の第2金属の層上の第1金属からなるものである(1)に記載の積層用中間配線部材A。
【0009】
(3)第1金属と第2金属とが、互いにエッチング条件の異なる金属であり、第2金属と第3金属とが、互いにエッチング条件の異なる金属である(2)に記載の積層用中間配線部材A。
(4)絶縁樹脂が、導電体層に接する第1絶縁樹脂からなるコア層と、導電体層上の第2絶縁樹脂からなる表面層との少なくとも2層からなり、半硬化状態にある第1絶縁樹脂が、半硬化状態にある第2絶縁樹脂よりも固いものである(1)〜(3)のいずれかに記載の積層用中間配線部材A。
(5)絶縁樹脂表面に露出した導電性樹脂の露出面の面積が、導電性突起の先端面の面積より小さい(1)〜(4)のいずれかに記載の積層用中間配線部材A。
【0010】
(6)(1)導電体層及び導電体層の片面に突出する複数の導電性突起を有する配線部材、(2)配線部材の導電性突起を有する面側で、導電性突起を埋め込んでいる絶縁樹脂であって、表面が導電性突起の先端面を底とする凹部を有する以外は平坦化された平坦化絶縁樹脂面を形成している絶縁樹脂、及び、(3)導電性突起の先端面上に塗布された導電性樹脂を有する積層用中間配線部材であって、導電性樹脂及び絶縁樹脂が、流動性はないが完全な硬化状態に至る前の半硬化状態にある積層用中間配線部材B。
(7)配線部材が、導電体層が第3金属からなり、導電性突起が導電体層上の第2金属の層と第2金属の層上の第1金属の層の2層からなるもの、又は、配線部材が、導電体層が第3金属の層と、第3金属の層上の第2金属の層とからなり、導電性突起が導電体層の第2金属の層上の第1金属からなるものである(6)に記載の積層用中間配線部材B。
【0011】
(8)第1金属と第2金属とが、互いにエッチング条件の異なる金属であり、第2金属と第3金属とが、互いにエッチング条件の異なる金属である(7)に記載の積層用中間配線部材B。
(9)絶縁樹脂が、導電体層に接する第1絶縁樹脂からなるコア層と、導電体層上の第2絶縁樹脂からなる表面層との少なくとも2層からなり、半硬化状態にある第1絶縁樹脂が、半硬化状態にある第2絶縁樹脂よりも固いものである(6)〜(8)のいずれかに記載の積層用中間配線部材B。
【0012】
(10)(1)〜(5)のいずれかに記載の積層用中間配線部材Aの平坦化面上に又は(6)〜(9)のいずれかに記載の積層用中間配線部材Bの平坦絶縁樹脂面上に、加熱加圧によって接着した導電体回路を形成し、半硬化状態の絶縁樹脂及び半硬化状態の導電性樹脂を硬化させ、導電体層を部分エッチングにより回路形成することにより得られる配線板。
(11)半導体パッケージ用基板として用いられる(10)に記載の配線板。
【0013】
(12)導電体層及び導電体層の片面に突出する複数の導電性突起を有する配線部材の導電性突起の先端面に導電性樹脂を塗布する導電性樹脂塗布工程、塗布した導電性樹脂を流動性はなくなるが完全な硬化状態に至る前の、半硬化状態まで乾燥する導電性樹脂乾燥工程、硬化前の流動状のワニス状態にある絶縁樹脂を、配線部材の導電性突起を有する面上に、印刷により、導電性突起及び半硬化状態の導電性樹脂が絶縁樹脂に埋め込まれる厚みに塗布する絶縁樹脂印刷工程、印刷した絶縁樹脂を流動性はなくなるが完全な硬化状態に至る前の、半硬化状態まで乾燥する絶縁樹脂乾燥工程、及び、半硬化状態の絶縁樹脂を研磨し、半硬化状態の導電性樹脂を露出させ、かつ、導電性樹脂の露出面を含む絶縁樹脂の表面を平坦化する研磨工程を有する(1)に記載の積層用中間配線部材Aの製造方法。
(13)配線部材を、第1金属からなる第1金属層、第2金属からなる第2金属層及び第3金属からなる第3金属層の少なくとも3層をこの順で有する多層金属箔を用い、第1金属層を部分的に第2金属層が露出するまで除去することにより、第2金属層及び第3金属層からなる導電体層及び第1金属からなる複数の導電性突起を形成することにより作製するか、又は、該多層金属箔を用い、第1金属層及び第2金属層を部分的に第3金属層が露出するまで除去すること陰より、第3金属層からなる導電体層及び第2金属の層と第2金属の層上の第3金属の層とからなる複数の導電性突起を形成することにより作製する(12)に記載の積層用中間配線部材Aの製造方法。
【0014】
(14)第1金属と第2金属とが、互いにエッチング条件の異なる金属であり、第2金属と第3金属とが、互いにエッチング条件の異なる金属であり、第1金属層の部分的な除去をエッチングにより行なうか、又は、第1金属層及び第2金属層の部分的な除去を、互いに異なるエッチング条件下で順次エッチングして行なう(14)に記載の積層用中間配線部材Aの製造方法。
(15)絶縁樹脂印刷工程において、絶縁樹脂として第1絶縁樹脂及び第2絶縁樹脂の少なくとも2種類の絶縁樹脂を用い、第1絶縁樹脂を導電体層上に印刷してコア層を形成し、その後第2絶縁樹脂を印刷して表面層を形成し、半硬化状態にある第1絶縁樹脂が、半硬化状態にある第2絶縁樹脂よりも固いものである(12)〜(14)のいずれかに記載の積層用中間配線部材Aの製造方法。
【0015】
(16)導電体層及び導電体層の片面に突出する複数の導電性突起を有する配線部材の、導電性突起を有する面上に、硬化前の流動状のワニス状態にある絶縁樹脂を、印刷により、導電性突起が絶縁樹脂に埋め込まれる厚みに塗布する絶縁樹脂印刷工程、印刷した絶縁樹脂を流動性はなくなるが完全な硬化状態に至る前の、半硬化状態まで乾燥する絶縁樹脂乾燥工程、半硬化状態の絶縁樹脂を研磨することにより、導電性突起の先端面を露出させ、かつ、半硬化状態の絶縁樹脂表面を平坦化して平坦化絶縁樹脂面を形成する研磨工程、露出した導電性突起を露出した先端面からエッチングしてハーフエッチングするハーフエッチング工程、ハーフエッチングされた導電性突起の先端面に導電性樹脂を塗布する導電性樹脂塗布工程、及び、塗布された導電性樹脂を、流動性はなくなるが完全な硬化状態に至る前の、半硬化状態まで乾燥する導電性樹脂乾燥工程を有する(6)に記載の積層用中間配線部材Bの製造方法。
【0016】
(17)配線部材を、第1金属からなる第1金属層、第2金属からなる第2金属層及び第3金属からなる第3金属層の少なくとも3層をこの順で有する多層金属箔を用い、第1金属層を部分的に第2金属層が露出するまで除去することにより、第2金属層及び第3金属層からなる導電体層及び第1金属からなる複数の導電性突起を形成することにより作製するか、又は、該多層金属箔を用い、第1金属層及び第2金属層を部分的に第3金属層が露出するまで除去することにより、第3金属層からなる導電体層及び第2金属の層と第2金属の層上の第1金属の層とからなる複数の導電性突起を形成することにより作製する(16)に記載の積層用中間配線部材Bの製造方法。
(18)第1金属と第2金属とが、互いにエッチング条件の異なる金属であり、第2金属と第3金属とが、互いにエッチング条件の異なる金属であり、第1金属層の部分的な除去をエッチングにより行なうか、又は、第1金属層及び第2金属層の部分的な除去を、互いに異なるエッチング条件下で順次エッチングして行なう(17)に記載の積層用中間配線部材Bの製造方法。
【0017】
(19)絶縁樹脂印刷工程において、絶縁樹脂として第1絶縁樹脂及び第2絶縁樹脂の少なくとも2種類の絶縁樹脂を用い、第1絶縁樹脂を導電体層上に印刷してコア層を形成し、その後第2絶縁樹脂を印刷して表面層を形成し、半硬化状態にある第1絶縁樹脂が、半硬化状態にある第2絶縁樹脂よりも固いものである(16)〜(18)のいずれかに記載の積層用中間配線部材Bの製造方法。
(20)(1)〜(5)のいずれかに記載の積層用中間配線部材Aの平坦化面上に又は(6)〜(9)のいずれかに記載の積層用中間配線部材Bの平坦化絶縁樹脂面上に、加熱加圧によって接着した導電体回路を形成し、半硬化状態の絶縁樹脂及び半硬化状態の導電性樹脂を硬化させ、導電体層を部分エッチングにより回路形成することを含む配線板の製造方法。
(21)配線板が半導体パッケージ用基板である(20)に記載の配線板の製造方法。
【0018】
(22)(1)〜(5)のいずれかに記載の積層用中間配線部材Aの平坦化面上に、金属箔を戴置し、圧力及び熱を加えることで金属箔と積層用中間配線部材Aとを接着しかつ半硬化状態の絶縁樹脂及び半硬化状態の導電性樹脂を硬化する工程と、積層用中間配線部材Aの導電体層と接着した金属箔とを各々部分エッチングにより回路形成する工程を有する配線板の製造方法。
(23)配線板が半導体パッケージ用基板である(22)に記載の配線板の製造方法。
(24)(6)〜(9)のいずれかに記載の積層用中間配線部材Bの平坦化絶縁樹脂面上に、金属箔を戴置し、圧力及び熱を加えることで金属箔と積層用中間配線部材Bとを接着しかつ半硬化状態の絶縁樹脂及び半硬化状態の導電性樹脂を硬化する工程と、積層用中間配線部材Bの導電体層と接着した金属箔とを各々部分エッチングにより回路形成する工程を有する配線板の製造方法。
(25)配線板が半導体パッケージ用基板である(24)に記載の配線板の製造方法。
【0019】
(26)(1)〜(5)のいずれかに記載の積層用中間配線部材Aの平坦化面に、金属箔を戴置し圧力及び熱を加えることで金属箔と積層用中間配線部材Aとを接着しかつ半硬化状態の絶縁樹脂及び半硬化状態の導電性樹脂を硬化する工程、積層用中間配線部材Aの導電体層及び/又は接着した金属箔を部分エッチングして回路形成して配線部材Cを作製する工程、別の(1)〜(5)のいずれかに記載の積層用中間配線部材A′と配線部材Cとを、積層用中間配線部材A′の平坦化面と配線部材Cの回路とが接触するように積層し、圧力及び熱を加えることで配線部材Cと積層用中間配線部材A′とを接着しかつ積層用中間配線部材A′の半硬化状態の絶縁樹脂及び半硬化状態の導電性樹脂を硬化する工程、積層用中間配線部材A′の導電体層と、接着した配線部材Cの回路形成されていない導電体層又は金属箔とを、部分エッチングにより回路形成する工程を有する多層配線板の製造方法。
(27)多層配線板が半導体パッケージ用多層基板である(26)に記載の製造方法。
【0020】
(28)(6)〜(9)のいずれかに記載の積層用中間配線部材Bの平坦化絶縁樹脂面に、金属箔を戴置し圧力及び熱を加えることで金属箔と積層用中間配線部材Bとを接着しかつ半硬化状態の絶縁樹脂及び半硬化状態の導電性樹脂を硬化する工程、積層用中間配線部材Bの導電体層及び/又は接着した金属箔を部分エッチングして回路形成して配線部材Dを作製する工程、別の(6)〜(9)のいずれかに記載の積層用中間配線部材B′と配線部材Dとを、積層用中間配線部材B′の平坦化絶縁樹脂面と配線部材Dの回路とが接触するように積層し、圧力及び熱を加えることで配線部材Dと積層用中間配線部材B′とを接着しかつ積層用中間配線部材B′の半硬化状態の絶縁樹脂及び半硬化状態の導電性樹脂を硬化する工程、積層用中間配線部材B′の導電体層と、接着した配線部材Dの回路形成されていない導電体層又は金属箔とを、部分エッチングにより回路形成する工程を有する多層配線板の製造方法。
(29)多層配線板が半導体パッケージ用多層基板である(28)に記載の製造方法。
【0021】
(30)第1金属からなる第1金属層、第2金属からなる第2金属層及び第3金属からなる第3金属層の少なくとも3層をこの順で有し、第1金属と第2金属とが互いにエッチング条件の異なる金属であり、第2金属と第3金属とが互いにエッチング条件の異なる金属である多層金属箔を用意し、第1金属層を第2金属層が露出するまで部分的にエッチングすることにより、第2金属層の露出面上に第1金属からなる複数の導電性突起を形成し、あるいは、第1金属層及び第2金属層をこの順で第3金属層が露出するまで各々部分的にエッチングすることにより、第3金属層の露出面上に第1金属の層及び第2金属の層の2層からなる複数の導電性突起を形成する導電性突起形成工程、第2金属層の露出面上又は第3金属層の露出面上に、硬化前の流動状のワニス状態にある絶縁樹脂を、印刷により、導電性突起が絶縁樹脂に埋め込まれる厚みに塗布する印刷工程、印刷した絶縁樹脂を、半硬化状態に乾燥又は又は完全な硬化状態に乾燥又は硬化させる乾燥又は硬化工程、半硬化状態又は硬化した絶縁樹脂を研磨することにより、絶縁樹脂表面に導電性突起の先端面を露出させ、かつ絶縁樹脂表面を平坦化する研磨工程、エッチングされていない第2金属層及び第3金属層又はエッチングされていない第3金属層を部分エッチングして回路を形成することにより回路面を形成して配線部材Eを作製する工程、配線部材Eと(1)〜(5)のいずれかに記載の積層用中間配線部材Aとを、配線部材Eの回路面と積層用中間配線部材Aの平坦化面とが接するように積層し、圧力及び熱を加えることで配線部材Eと積層用中間配線部材Aとを接着しかつ半硬化状態の絶縁樹脂及び半硬化状態の導電性樹脂を硬化する工程、及び、積層用中間配線部材Aの導電体層を部分エッチングして回路形成する工程を有する多層配線板の製造方法。
(31)多層配線板が半導体パッケージ用多層基板である(30)に記載の製造方法。
【0022】
(32)第1金属からなる第1金属層、第2金属からなる第2金属層及び第3金属からなる第3金属層の少なくとも3層をこの順で有し、第1金属と第2金属とが互いにエッチング条件の異なる金属であり、第2金属と第3金属とが互いにエッチング条件の異なる金属である多層金属箔を用意し、第1金属層を第2金属層が露出するまで部分的にエッチングすることにより、第2金属層の露出面上に第1金属からなる複数の導電性突起を形成し、あるいは、第1金属層及び第2金属層をこの順で第3金属層が露出するまで各々部分的にエッチングすることにより、第3金属層の露出面上に第1金属の層及び第2金属の層の2層からなる複数の導電性突起を形成する導電性突起形成工程、第2金属層の露出面上又は第3金属層の露出面上に、硬化前の流動状のワニス状態にある絶縁樹脂を、印刷により、導電性突起が絶縁樹脂に埋め込まれる厚みに塗布する印刷工程、印刷した絶縁樹脂を、半硬化状態に乾燥又は又は完全な硬化状態に乾燥又は硬化させる乾燥又は硬化工程、半硬化状態又は硬化した絶縁樹脂を研磨することにより、絶縁樹脂表面に導電性突起の先端面を露出させ、かつ絶縁樹脂表面を平坦化する研磨工程、エッチングされていない第2金属層及び第3金属層又はエッチングされていない第3金属層を部分エッチングして回路を形成することにより回路面を形成して配線部材Eを作製する工程、配線部材Eと(6)〜(9)のいずれかに記載の積層用中間配線部材Bとを、配線部材Eの回路面と積層用中間配線部材Bの平坦化絶縁樹脂面とが接するように積層し、圧力及び熱を加えることで配線部材Eと積層用中間配線部材Bとを接着しかつ半硬化状態の絶縁樹脂及び半硬化状態の導電性樹脂を硬化する工程、及び、積層用中間配線部材Bの導電体層を部分エッチングして回路形成する工程を有する多層配線板の製造方法。
(33)多層配線板が半導体パッケージ用多層基板である(32)に記載の製造方法。
【0023】
(34)(1)〜(5)のいずれかに記載の積層用中間配線部材Aの平坦化面に、導電性樹脂をスクリーン印刷して回路を形成し、流動性はなくなるが完全な硬化状態に至る前の、半硬化状態まで乾燥する工程、積層用中間配線部材Aと別の(1)〜(5)のいずれかに記載の積層用中間配線部材A′とを、積層用中間配線部材Aの回路形成した面と積層用中間配線部材A′の平坦化面とが接するように積層し、圧力及び熱を加えることで積層用中間配線部材Aと積層用中間配線部材A′とを接着しかつ半硬化状態の絶縁樹脂及び半硬化状態の導電性ペーストを硬化する工程、及び、積層用中間配線部材Aの導電体層と積層用中間配線部材A′の導電体層を部分エッチングして回路形成する工程を有する多層配線板の製造方法。
(35)多層配線板が半導体パッケージ用多層基板である(34)に記載の製造方法。
【0024】
(36)(6)〜(9)のいずれかに記載の積層用中間配線部材Bの平坦化絶縁樹脂面に、導電性樹脂をスクリーン印刷して回路を形成し、流動性はなくなるが完全な硬化状態に至る前の、半硬化状態まで乾燥する工程、積層用中間配線部材Bと別の(6)〜(9)のいずれかに記載の積層用中間配線部材B′とを、積層用中間配線部材Bの回路形成した面と積層用中間配線部材B′の平坦化絶縁樹脂面とが接するように積層し、圧力及び熱を加えることで積層用中間配線部材Bと積層用中間配線部材B′とを接着しかつ半硬化状態の絶縁樹脂及び半硬化状態の導電性ペーストを硬化する工程、及び、積層用中間配線部材Bの導電体層と積層用中間配線部材B′の導電体層を部分エッチングして回路形成する工程を有する多層配線板の製造方法。
(37)多層配線板が半導体パッケージ用多層基板である(36)に記載の製造方法。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明の積層用中間配線部材Aは、(1)導電体層及び導電体層の片面に突出する複数の導電性突起を有する配線部材、(2)配線部材の導電性突起の先端面上に塗布された導電性樹脂、及び、(3)配線部材の導電性突起を有する面側で、導電性樹脂の先端面を露出させて導電性突起及び導電性樹脂を埋め込んでいる絶縁樹脂を有するものであり、導電性樹脂及び絶縁樹脂は、流動性はないが完全な硬化状態に至る前の半硬化状態にあり、絶縁樹脂表面と絶縁樹脂表面に露出した導電性樹脂の露出面が、平坦な平坦化面を形成している。
【0026】
また、本発明の積層用中間配線部材Bは、(1)導電体層及び導電体層の片面に突出する複数の導電性突起を有する配線部材、(2)配線部材の導電性突起を有する面側で、導電性突起を埋め込んでいる絶縁樹脂であって、表面が導電性突起の先端面を底とする凹部を有する以外は平坦化された平坦化絶縁樹脂面を形成している絶縁樹脂、及び、(3)導電性突起の先端面上に塗布された導電性樹脂を有するものであり、導電性樹脂及び絶縁樹脂は、流動性はないが完全な硬化状態に至る前の半硬化状態にある。導電性樹脂は、平坦化絶縁樹脂面の凹部において、導電性突起の先端面上に塗布されている。積層用中間配線部材Bにおいては、絶縁樹脂の表面が凹部を除いて平坦化されていればよく、導電性樹脂の上面は、必ずしも、絶縁樹脂平坦化面の平坦部分と同一平面上になくてもよい。また、導電性樹脂は、必ずしも絶縁樹脂で先端面を除いて完全に埋め込まれていなくてもよい。ただし、各凹部において塗布されている導電性樹脂の量は、凹部の容積と同量又はほぼ同量であることが好ましく、通常、凹部の容積の80〜130容量%であることが好ましい。
【0027】
積層用中間配線部材A及びBの絶縁樹脂及び導電性樹脂が半硬化状態であり、また表面が平坦又はほとんど平坦である。従って、平坦化面又は平坦化絶縁樹脂面上に金属箔や他の配線部材積層する場合、加熱・加圧処理によって、容易に均一かつ平坦に密着させることができる。また、導電性突起と金属箔や配線部材とも、単なる突き当てだけでなく、導電性樹脂によって接着される。従って、層間接続の信頼性が、著しく向上する。
本発明において、平坦とは、表面の凹凸が10μm以下、又は、絶縁樹脂の厚みに対して、±10%以下の平坦性を有していることを言う。
【0028】
積層用中間配線部材Aは、例えば、本発明の積層用中間配線部材Aの製造方法によって好適に製造することができる。まず、導電体層及び導電体層の片面に突出する複数の導電性突起を有する配線部材の導電性突起の先端面に、導電性樹脂を塗布する(導電性樹脂塗布工程)。次いで、導電性突起の先端面に塗布した導電性樹脂を、流動性はなくなるが完全な硬化状態に至る前の半硬化状態まで乾燥する(導電性樹脂乾燥工程)。次いで、硬化前の流動状のワニス状態にある絶縁樹脂を、配線部材の導電性突起を有する面上に、印刷により、導電性突起及び半硬化状態の導電性樹脂が絶縁樹脂に埋め込まれる厚みに塗布する(絶縁樹脂印刷工程)。次いで、印刷した絶縁樹脂を流動性はなくなるが完全な硬化状態に至る前の、半硬化状態まで乾燥する(絶縁樹脂乾燥工程)。その後、半硬化状態の絶縁樹脂を研磨し、半硬化状態の導電性樹脂を露出させ、かつ、導電性樹脂の露出面を含む絶縁樹脂の表面を平坦化する(研磨工程)ことにより、積層用中間配線部材Aを得る。
【0029】
積層用中間配線部材Bは、例えば、本発明の積層用中間配線部材Bの製造方法によって好適に製造することができる。まず、導電体層及び導電体層の片面に突出する複数の導電性突起を有する配線部材の、導電性突起を有する面上に、硬化前の流動状のワニス状態にある絶縁樹脂を、印刷により、導電性突起が絶縁樹脂に埋め込まれる厚みに塗布する(絶縁樹脂印刷工程)。次いで、印刷した絶縁樹脂を、流動性はなくなるが完全な硬化状態に至る前の半硬化状態まで乾燥する(絶縁樹脂乾燥工程)。次いで、半硬化状態の絶縁樹脂を研磨することにより、導電性突起の先端面を露出させ、かつ、半硬化状態の絶縁樹脂表面を平坦化して平坦化絶縁樹脂面を形成する(研磨工程)。次いで、露出した導電性突起を露出した先端面からエッチングしてハーフエッチングする(ハーフエッチング工程)。この工程において、平坦化絶縁樹脂面に、ハーブエッチングされた導電性突起の先端面を底とする凹部が形成される。次いで、ハーフエッチングされた導電性突起の先端面に導電性樹脂を塗布する(導電性樹脂塗布工程)。次いで、塗布された導電性樹脂を、流動性はなくなるが完全な硬化状態に至る前の半硬化状態まで乾燥する(導電性樹脂乾燥工程)ことにより、積層用中間配線部材Bを得る。
【0030】
本発明で用いられる導電たいそう及び導電体層の片面に突出する複数の導電性突起を有する配線部材としては、例えば、下記の1、2が挙げられる。
1.表面に導電性突起を有する金属箔。このような金属箔としては、例えば、導電体層として少なくとも第3金属の層を有し、導電体層表面の複数の導電性突起として、第2金属の層と第2金属の層上の第1金属の層の2層からなる複数の突起を有するもの、又は、導電体層として少なくとも第3金属の層と、第3金属の層上の第2金属の層とからなる複合層と、導電体層表面の複数の導電性突起として、第2金属の層上の第1金属からなる複数の突起を有するものが挙げられる。
2.導電性突起を有した導体と絶縁樹脂からなる配線部材。例えば、配線部材が、絶縁樹脂層、絶縁樹脂層両面上の層間接続された導電体層、及び絶縁樹脂層の少なくとも片面上の導電体層上に導電性突起を有するもの。この場合、通常、少なくとも導電性突起を有する導電体層は、回路を形成している。
【0031】
上記の表面に導電性突起を有する金属箔は、例えば、第1金属からなる第1金属層、第2金属からなる第2金属層及び第3金属からなる第3金属層の少なくとも3層をこの順で有する多層金属箔を用い、第1金属層を部分的に第2金属層が露出するまで除去することにより、第2金属層及び第3金属層からなる導電体層及び第1金属からなる複数の導電性突起を形成することにより作製するか、又は、該多層金属箔を用い、第1金属層及び第2金属層を部分的に第3金属層が露出するまで除去することにより、第3金属層からなる導電体層及び第2金属の層と第2金属の層上の第1金属の層とからなる複数の導電性突起を形成することにより作製することができる。例えば、多層金属箔として、第1金属と第2金属とが、互いにエッチング条件の異なる金属であり、第2金属と第3金属とが、互いにエッチング条件の異なる金属であるものを用い、第1金属層の部分的な除去をエッチングにより行なうか、又は、第1金属層及び第2金属層の部分的な除去を、互いに異なるエッチング条件下で順次エッチングして行なう。より具体的には、第1、第3の金属層が第2金属層とエッチング条件の異なる金属層である3層の金属箔を、ドライフィルムレジストを用いたエッチングにより第1金属層を複数の柱状バンプにして導電性突起とするか、上記の3層の金属箔を、ドライフィルムレジストを用いたエッチングにより第1金属層を複数の柱状バンプとし、次いで第2金属層を、柱状バンプの下部を除いて第3の金属層が露出するまでエッチング除去して導電性突起とする。
【0032】
上記の多層金属箔において、第1金属層としては、例えば、銅、銅合金、鉄・ニッケル合金等から選択したものを用いることができる。第2金属層としては、例えば、第1金属層が銅又は銅合金である場合には、ニッケル、ニッケル合金、チタン、クロム、錫、亜鉛、金等を用いることができ、第1金属層が鉄・ニッケル合金の場合には、チタン、クロム、錫等を用いることができる。第3金属層としては、例えば、第2金属層がニッケル、ニッケル合金、チタン、クロム、錫、亜鉛、金等である場合には、銅又は銅合金等を用いることができ、第2金属層がチタン、クロム、錫等である場合には、鉄・ニッケル合金等を用いることができる。ここで、エッチング条件が異なる金属層とは、1種類のエッチング液に対して、浸食性が高い金属層と低い金属層、あるいは、各々異なるエッチング液に対する浸食性を有する金属を意味する。
上記の導電性突起を有した導体と絶縁樹脂からなる配線部材としては、例えば、上記の表面に導電性突起を有する金属箔に、導電性突起の先端面を露出させて樹脂層を形成したものの樹脂層形成面に、更に上記3層金属箔を加熱圧着し、その後、同様に第1金属層又は第1金属層と第2金属層を柱状バンプにエッチングして導電性突起としたものがある。また、一般的な両面配線板の表面に、銀ペースト等の導電性樹脂を印刷して導電性突起を形成したもの、めっきレジスト等を使用して、めっき析出で金属突起を形成したものも含む。
【0033】
第1金属層、第2金属層及び第3金属層の少なくとも3層を有する多層金属箔の場合、柱状バンプを形成する第1金属層の厚さは、12〜100μmであることが好ましく、100μmを超えると、金属柱又は外部接続端子を形成するときのエッチング精度が低く、微細なパターンの形成が困難になるおそれがあり、12μm未満であると、導電性突起の強度が不十分となったり、絶縁樹脂による絶縁性が低下するおそれがある。より好ましくは、18〜70μmである。第2金属層の厚さは、0.05〜50μmであることが好ましく、50μmを超えると、回路形成時のエッチング精度が低く、微細なパターンの形成が困難になるおそれがあり、0.05μm未満であると、第1金属層をエッチングするときに、第2金属層に発生したピットや欠けのために、第3金属層が浸食されるおそれがある。より好ましくは、0.1〜35μmである。第3金属層の厚さは、1〜50μmであることが好ましく、50μmを超えると、回路の形成時にエッチング精度が低下し、微細なパターンの形成が困難になるおそれがあり、1μm未満であると、第1金属層をエッチングするときに、第2金属層に発生したピットや欠けのために、第3金属層が浸食されるおそれがある。また第3金属層に回路を形成しその上に積層する場合、回路間の埋め込み性をよくするためには、第3金属層は薄い方がよい。より好ましくは、5〜12μmである。
【0034】
導電性突起の形状は、中実の柱状であれば特に制限はなく、通常、半径10〜750μmの円柱、一辺が20μm〜1000μmの方形等である。
【0035】
積層用中間配線部材A及びB並びにそれらの製造方法に用いる絶縁樹脂としては、塗布時に流動性があり(このとき、塗布環境は常温でもよく、あるいは絶縁樹脂に流動性が得られる様に加熱してもよい)、塗布後、乾燥等によって研磨できるような流動性のない状態になり、かつ後の積層のための貼り付け時、加圧、加熱、又は反応基の賦与等により再接着が可能である樹脂であればよい。例としては、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、シリコーン変性ポリアミドイミド樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、感光性ポリイミド樹脂、アクリルエポキシ樹脂、エチレン、プロピレン、スチレン、ブタジエン等の熱可塑性エラストマー、液晶ポリマー等がある。また、これらの樹脂に有機粒子や無機粒子を配合したものも使用することができる。樹脂に配合することができる有機粒子の例としては、前述の樹脂の硬化物、無機粒子の例としてはアルミナ粒子、二酸化ケイ素(シリカ)、ガラス繊維等がある。これらの有機又は無機粒子の粒径は、平均粒径が0.1〜20μmであることが好ましい。絶縁樹脂中に有機又は無機の粒子を配合する目的として、硬化収縮の低減と熱膨張係数の調整等が挙げられる。硬化収縮量は、粒子の配合量を多くすればするほど低減できるが、相対的に樹脂量が少なくなり、接着力が小さくなるため、配合量は絶縁樹脂総量中の90重量%以下が望ましい。熱膨張係数の調整には、無機粒子を配合することが多い。配合量は、接着する部材の膨張係数と合わせるように調整するが、配合量を多くすると接着力が低下するため、配合量は、絶縁樹脂総量中の90重量%以下が望ましい。例えば、シリカ粒子で接着部材が銅の場合、配合量は絶縁樹脂総量中の40〜80重量%が望ましい。
【0036】
積層用中間配線部材A及びBの製造方法の絶縁樹脂印刷工程では、硬化前の流動状のワニス状態にある絶縁樹脂を、配線部材の導電性突起を有する表面に、積層用中間配線部材Aの作製時には導電性突起及び半硬化状態の導電性樹脂が絶縁樹脂で埋め込まれる厚みに、積層用中間配線部材Bの作製時には導電性突起が絶縁樹脂が埋め込まれる厚みに、印刷により塗布する。流動状のワニス状態にある絶縁樹脂は、印刷時に粘度が3〜70Pa・sであることが好ましい。印刷方法としては、メッシュスクリーンマスク、メタルマスク等を用いたスクリーン印刷法、及び配線部材上に直接スキージ、ブレード等を用いて、すり切り又は隙間を空けて均一な厚みに絶縁樹脂を塗布する方法、及び樹脂をドラム又はボード等に塗布した後、配線部材上に絶縁樹脂を転写する方法等がある。また、これら作業を真空下で行なう方法も、未充填箇所をなくすには有効である。
【0037】
積層用中間配線部材A及びBならびにそれらの製造方法で使用する導電性樹脂としては、絶縁樹脂と同様に塗布時に流動性があり(塗布環境は常温でもよく、あるいは導電性樹脂に流動性が得られる様に加熱してもよい)、塗布後、乾燥等によって研磨できるような流動性のない状態になり、かつ後の積層のための貼り付け時、加圧、加熱、又は反応基の賦与等により再接着が可能である導電性樹脂であればよい。この導電性樹脂に使用されるバインダの例としては、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、シリコーン変性ポリアミドイミド樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、感光性ポリイミド樹脂、アクリルエポキシ樹脂、エチレン、プロピレン、スチレン、ブタジエン等の熱可塑性エラストマー、液晶ポリマー等がある。また、これらの樹脂に配合する導電性粒子の例としては、金粒子、銀粒子、銅粒子、はんだ粒子、カーボン粒子、ニッケル粒子、アルミ粒子、チタン粒子、鉄粒子等、これら粒子の混合粒子、これら金属の合金粒子、及び、無機又は有機粒子へのこれら金属及び合金のコーティング品等がある。これらの粒径は、平均粒径が0.5〜20μmであることが好ましい。導電性粒子の配合量は、一般的には十分な導電性を得るために80重量%以上の配合が必要であるが、本発明においては、金属箔等との積層時に加熱加圧することで導電性突起と積層する金属箔間の導電が得られればよく、乾燥状態及び加圧なしで硬化した状態では導電性がなくてもよい。そのため、より少ない配合量で加熱加圧硬化後の導電性を得ることができる。すなわち、樹脂比率を高くできるので、より接着性を高くすることができる。例えば、導電性樹脂の積層接合後の厚みに対してそれより同等以上の大きさの金属粒子を使用した場合、加熱加圧することで金属粒子が直接、導電性突起と金属箔とに接触するため、数個の金属粒子(接合箇所1箇所に対して)で接合を得ることができる。また、2種類以上の金属粒子を配合する場合において、積層時の加熱温度と1種類の金属粒子の溶融温度を同等にすることで、加圧加熱時に金属粒子間の金属接合が進み、かつ導電性突起及び金属箔との金属接合も行なわれるため、より少ない配合量で導電性を得ることができる。従って、導電性粒子の配合量としては、導電性粒子とバインダとの総量中、導電性粒子30〜90重量%が好ましく、40〜80重量%がより好ましい。
【0038】
なお、本明細書中、絶縁樹脂及び導電性樹脂の半硬化状態とは、流動性がなくなり、研磨可能な状態に硬化されたもので完全な硬化に至っていない状態を指す。熱硬化性樹脂ではBステージ状態と呼ばれ、樹脂により異なるが、一般的に硬化率が30〜80%のものを指す。この硬化率は、DSC(示差走査熱分析)により測定することが可能である。絶縁樹脂の半硬化状態までの乾燥は、絶縁樹脂が熱硬化性樹脂の場合、加熱により行ない、研磨時の室温(5〜35℃)に戻した状態において、流動性がなく、外力を加えた際に弾性変形又は塑性変形し、外圧をなくすと弾性変形の場合は元の状態に戻り、塑性変形した場合には変形した状態を維持するような状態が研磨可能な状態である。
溶剤希釈タイプの熱可塑性材料の場合、溶剤分を適度に除去することにより、半硬化状態にすることができる。溶剤分を除去する方法としては、加熱又は減圧する方法等がある。熱硬化性樹脂と同様、研磨可能な状態とは、流動性がなく、外力を加えた際に、弾性変形又は塑性変形し、外圧をなくすと弾性変形の場合は元の状態に戻り、塑性変形した場合は変形した状態を維持するような状態である。
【0039】
感光性ポリイミド等、感光性樹脂を使用する場合、紫外線照射量により硬化量を制御することができる。また、感光性樹脂の場合は、導電性突起上部をマスキング等により紫外線が当たらないようにし、導電性突起部以外の部分の紫外線照射量より紫外線照射量を低減し、導電性突起上部が他の部分より未硬化の状態にすることで、導電性突起上部をより集中して研磨ができ、研磨効率を上げることができる。さらに、この感光性樹脂が露光部分とそれ以外の部分とを薬液で除去できるタイプであれば、導電性突起上部とそれ以外の部分の紫外線照射量を変えることで、導電性突起上部の樹脂のみ薬液で除去することができ、研磨なし、又はわずかな研磨で導電性突起上部の頭出しができる。
【0040】
絶縁樹脂印刷工程において、絶縁樹脂としては、1種類のみを用いて単層の絶縁樹脂層を形成してもよいし、2種類以上の絶縁樹脂、同一組成の樹脂にフィラー等の充填率を変えたものも含めて、これらを用いて、多層絶縁樹脂層を形成してもよい。各層の樹脂の配合成分、樹脂種類、厚み、或いは層数を変えることで、配線部材を多層化する際の厚み制御、層間ズレ、全体のそり量を制御できる。また、多層絶縁樹脂層とする場合、第1層の樹脂を、部材の種類、表面状態に合わせ選択することで接着性の良い層とすることは重要であり、また樹脂層中央は配線部材の積層時に固く流動しにくい状態である樹脂層であることがのぞましい。また反対に配線部材と接着する表面層の樹脂は密着性が高く、接着時に流動性のある樹脂を使用するとよい。
【0041】
例えば、配線部材の導電性突起を有する面に、流動状のワニス状態にある、接着性がよく、半硬化状態で別の配線部材を接着する際固く流動しにくい第1絶縁樹脂を印刷し、流動性はなくなるが、完全な硬化に至るまえの、半硬化状態まで乾燥し、次いで、第1絶縁樹脂と成分が異なり、流動状のワニス状態にある、接着性がよく、半硬化状態で別の配線部材を接着する際柔らかく流動しやすい絶縁樹脂を印刷し、流動性はなくなるが、完全な硬化に至るまえの、半硬化状態まで乾燥することにより、第1絶縁樹脂のコア層と第2絶縁樹脂の表面層の少なくとも2層からなる多層絶縁樹脂層を、導電性突起又は導電性突起及び導電性樹脂が絶縁樹脂で埋め込まれる厚みに形成する。これにより、中央部のコア層となる樹脂層で加圧時の基材の変形を防ぎ、かつ表層の流動性のある樹脂層により埋込性、密着性をよくすることが出来る。比較的柔らかい表面層用の第1絶縁樹脂と、比較的固いコア層用の第2絶縁樹脂の組み合わせとしては、例えば、第1絶縁樹脂として樹脂を用い、第2絶縁樹脂として、樹脂100重量部に対して無機又は有機フィラーを40〜90重量部、好ましくは50〜80重量部配合した組成物を用いる組み合わせが挙げられる。また、コア層と表面層の厚みは、表面層としては、十分な埋め込み性と接着性を得るためには10μm以上の厚みが好ましく、コア層の厚みとしては全体絶縁樹脂厚に対して50〜90%を占めていることが望ましい。
【0042】
積層用中間配線部材A及びBの製造方法の導電性樹脂塗布工程において、配線部材の導電性突起の先端面上に導電性樹脂を塗布する方法として、まず導電性樹脂の粘度は、印刷時に3〜70Pa・sであることが好ましい。印刷方法としては、メッシュスクリーンマスク、メタルマスク等を用いたスクリーン印刷法、導電性樹脂をドラム又はボード等に塗布した後、配線部材上に樹脂を転写する方法、ディスペンサーにより塗布するディスペンス法等がある。
【0043】
本発明の特徴として、導電性突起上に導電性樹脂を塗布するため、積層用中間配線部材Aの製造方法においては、ずれて塗布しても表面張力により導電性突起下部に導電性樹脂が流れることはなく、また塗布樹脂量がばらついても塗布範囲が導電性突起上に限定されるため、塗布の位置合わせ、塗布量の制御が容易である。さらに平面に導電性樹脂を塗布するのに比べ、同量の樹脂量ではより小さい範囲に塗布できるため狭ピッチの回路形成に対応しやすい。また、積層用中間配線部材Bの製造方法においては、凹部に導電性樹脂を供給することから、だれることがなく、一定の位置に一定量の導電性樹脂を供給しやすくなる。また、積層用中間配線部材Aに比べ、導電性樹脂部を研磨しないので、絶縁樹脂部分に導電性異物が付着しにくい。
【0044】
導電性樹脂の接着性をよくするためにはバインダとなる樹脂成分の比率を大きくする必要があるが、樹脂成分を大きくすると抵抗値が高くなってしまう。本発明では、導電性突起の上に導電性樹脂を塗布するため、同高さの導電性突起を単一の導電性樹脂で形成するのに比べ、導電性樹脂を薄くすることが出来る。そのため、樹脂成分の多い導電性樹脂であっても抵抗値を低くすることが出来る。
【0045】
積層用中間配線部材A及びBの製造方法において、研磨工程における研磨方法としては、ロールペーパー研磨、サンドブラスト法、ホーニング、ラッピング等があり、また刃物を使用した機械加工法、例えばルータ加工等でもよい。また、絶縁樹脂又は絶縁樹脂及び導電性樹脂を半硬化状態で研磨をすることは、硬化状態に比べ硬度が低いため、研磨効率を上げることができる。積層用中間配線部材Aの製造方法においては、導電性突起先端面に導電性樹脂を塗布しないで絶縁樹脂を塗布して乾燥する方法と比較して、導電性突起部の研磨性もよくなる。さらに導電性突起が金属等の固い突起である場合、導電性樹脂を塗布しない方法では、研磨工程において固いところほど削れにくいため、研磨後の導電性突起部表面が凸状になりやすいが、導電性樹脂を塗布した方法では、導電性樹脂が半硬化状態であることから導電性突起部表面も平坦になりやすい。絶縁樹脂と導電性樹脂の半硬化状態の硬度が同等又は近いことは、研磨時の平坦性を向上するうえで有効である。一方、積層用中間配線部材Bの製造方法においては、研磨時には導電性突起先端面上に導電性樹脂は塗布されていないため、研磨後に、導電性突起部表面が凸状になりやすい。しかし、その後、導電性突起をハーフエッチングして凹部を形成し、その凹部で導電性突起の先端面上に導電性樹脂を塗布するため、凸状態は解消され、ほぼ平坦な表面を形成することができる。
【0046】
配線部材と絶縁樹脂、導電性樹脂との接着において、配線部材の絶縁樹脂及び導電性樹脂と接触する面を予め粗化しておくことは密着性を向上する上で有効である。粗化の方法としては、化学粗化(化学リン系処理、化学リン酸系処理、化学蟻酸系処理等のエッチング等)でも、機械的粗化(ブラスト加工等)でも、プラズマ処理、金属粒の電解付与等でもよい。
この際、導電性突起頭部の表面だけでなく、導電性突起部の少なくとも側面、好ましくは更に導電体層の絶縁樹脂と接着する面も同時に粗化できる条件を選ぶことも重要である。
また導電性樹脂と接続する部分は、粗化時によって導電性を阻害する膜を生成することは好ましくない。電気特性上問題になる場合は導電性樹脂と接着する部分を粗化する前にマスキングするか、粗化した後、導電性樹脂と接着する部分の導電性を阻害する膜をエッチング等により部分除去するとよい。
【0047】
積層用中間配線部材Aの平坦化面上、又は、積層用中間配線部材Bの平坦化絶縁樹脂面上に、加熱加圧によって接着した導電体回路を形成し、半硬化状態の絶縁樹脂及び半硬化状態の導電性樹脂を硬化させ、導電体層を部分エッチングにより回路形成することを含む方法により、本発明の配線板を製造することができる。
本発明の方法で製造される配線板としては、例えば、半導体パッケージに用いられるインターポーザーとしての半導体パッケージ用基板、半導体パッケージやその他の電子部品を搭載するマザーボード等のその他配線板が挙げられる。
積層用中間配線部材A又はBの平坦化面又は平坦化絶縁樹脂面上に導電体回路を形成する方法としては、例えば、金属箔を加熱加圧によって接着した後、接着した金属箔を部分エッチング等によって回路形成する方法がある。また、片面に回路形成された配線板、片面の金属箔が回路形成された両面金属箔張り基板、内層回路を有し、片面に外層回路を有する多層回路基板等を用い、回路面又は外層回路面を積層用中間配線部材Aの平坦化面、又は、積層用中間配線部材Bの平坦化絶縁樹脂面と接触させて積層し、加熱加圧によって接着してもよい。
【0048】
例えば、下記のようにして、本発明の積層用中間配線部材A又はBを用いて、2層配線板を製造することができる。まず、積層用中間配線部材Aの平坦化面上、又は、積層用中間配線部材Bの平坦化絶縁樹脂面に、金属箔を戴置し、圧力及び熱を加えることで金属箔と積層用中間配線部材Aとを接着し、かつ、半硬化状態の絶縁樹脂及び半硬化状態の導電性樹脂を硬化させる。次いで、積層用中間配線部材A又はBの導電体層と、接着した金属箔とを、各々部分エッチングにより回路形成することにより、2層配線板を製造することができる。
【0049】
金属箔としては、例えば、銅箔、アルミ箔、ニッケル箔、42アロイ箔等を用いることができ、厚みは12〜40μmであることが好ましい。後述の他の配線板の製造方法において用いられる金属箔も、同様である。
【0050】
積層用中間配線部材A又はBと金属箔との接着方法として、真空下でプレス加圧、加熱するプレス方法とロールにより加圧加熱するラミネート法等がある。加熱加圧は、通常、温度150〜300℃、圧力0.49〜9.8MPa(5〜100kgf/cm2)で行なうことが好ましい。この際、金属箔に予め接着性をよくするための接着促進剤等を塗布しておいてもよい。但し導電性樹脂との接着において金属箔との導電性を阻害しない程度とする。この接着方法は、下記の他の配線板の製造方法においても、同様である。
【0051】
なお、絶縁樹脂及び導電性樹脂の硬化は、これらの樹脂が熱硬化性樹脂を含有する場合には、金属箔との加圧加熱による接着時に、同時に行なうことができる。また、これらの樹脂が熱可塑性材料である場合には、軟化点まで温度を上げることで接着可能になるが、軟化して流動性が高いと平坦性が得られなくなるので、流動しないが接着する状態に温度・圧力を制御しなければならない。感光性樹脂の場合の硬化は、加熱することで進行するが、不十分な場合は外装回路形成後、光照射し十分感光することで硬化させる。以下の方法においても、同様である。
また、積層用中間配線部材A又はBと、更に別の積層用中間配線部材A又はBを含む(A又はB同士であっても、A及びBの両方を用いてもよい。)他の配線部材とを用いることによって、3層以上の多層配線板を製造することができる。
【0052】
例えば、次のようにして、積層用中間配線部材A又は積層用中間配線部材Bを少なくとも2つ用いて多層配線板を製造する。積層用中間配線部材Aの平坦化面に、金属箔を戴置し圧力及び熱を加えることで金属箔と積層用中間配線部材Aとを接着しかつ半硬化状態の絶縁樹脂及び半硬化状態の導電性樹脂を硬化する。次いで、積層用中間配線部材Aの導電体層及び/又は接着した金属箔を部分エッチングして回路形成して配線部材Cを作製する。積層用中間配線部材A′と配線部材Cとを、積層用中間配線部材A′の平坦化面と配線部材Cの回路とが接触するように積層し、圧力及び熱を加えることで配線部材Cと積層用中間配線部材A′とを接着しかつ積層用中間配線部材A′の半硬化状態の絶縁樹脂及び半硬化状態の導電性樹脂を硬化する。その後、積層用中間配線部材A′の導電体層と、接着した配線部材Cの回路形成されていない導電体層又は金属箔とを、部分エッチングにより回路形成することにより、多層配線板を得る。これを繰り返すことにより、更に多層化することができる。少なくとも2つの積層用中間配線部材Bを用いる場合は、積層用中間配線部材Bを用いて、上記と同様にして配線部材Dを製造し、次いで配線部材Dと別の積層用中間配線部材B′を用い、上記と同様の工程を経て多層配線板を製造する。
【0053】
半硬化状態の導電性樹脂を塗布せず、導電性突起の先端面を絶縁樹脂表面に露出させた配線部材Eと、積層用中間配線部材A又はBとを用いて、次のようにして多層配線板を製造することもできる。まず、第1金属からなる第1金属層、第2金属からなる第2金属層及び第3金属からなる第3金属層の少なくとも3層をこの順で有し、第1金属と第2金属とが互いにエッチング条件の異なる金属であり、第2金属と第3金属とが互いにエッチング条件の異なる金属である多層金属箔を用意する。多層金属箔の第1金属層を第2金属層が露出するまで部分的にエッチングすることにより、第2金属層の露出面上に第1金属からなる複数の導電性突起を形成し、あるいは、第1金属層及び第2金属層をこの順で第3金属層が露出するまで各々部分的にエッチングすることにより、第3金属層の露出面上に第1金属の層及び第2金属の層の2層からなる複数の導電性突起を形成する導電性突起を形成する(導電性突起形成工程)。次いで、第2金属層の露出面上又は第3金属層の露出面上に、硬化前の流動状のワニス状態にある絶縁樹脂を、印刷により、導電性突起が絶縁樹脂に埋め込まれる厚みに塗布する(印刷工程)。その後、印刷した絶縁樹脂を、半硬化状態に乾燥又は又は完全な硬化状態に乾燥又は硬化させる(乾燥又は硬化工程)。次いで、半硬化状態又は硬化した絶縁樹脂を研磨することにより、絶縁樹脂表面に導電性突起の先端面を露出させ、かつ絶縁樹脂表面を平坦化する(研磨工程)。その後、エッチングされていない第2金属層及び第3金属層又はエッチングされていない第3金属層を部分エッチングして回路を形成することにより回路面を形成することにより、配線部材Eを作製する配線部材Eと積層用中間配線部材A又はBとを、配線部材Eの回路面と積層用中間配線部材Aの平坦化面又は積層用中間配線部材Bの平坦化絶縁樹脂面とが接するように積層し、圧力及び熱を加えることで配線部材Eと積層用中間配線部材Aとを接着しかつ半硬化状態の絶縁樹脂及び半硬化状態の導電性樹脂を硬化させる。その後、積層用中間配線部材A又はBの導電体層を部分エッチングして回路形成することにより、多層配線板を製造する。
【0054】
また、積層用中間配線部材Aの平坦化面又は積層用中間配線部材Bの平坦化樹脂面上への回路形成を、導電性樹脂を印刷により塗布して行なったものを用いてもよい。例えば、積層用中間配線部材Aの平坦化面に、導電性樹脂をスクリーン印刷して回路を形成し、流動性はなくなるが完全な硬化状態に至る前の、半硬化状態まで乾燥する。次いで、導電性樹脂の回路を形成した積層用中間配線部材Aと、別の積層用中間配線部材A′とを、積層用中間配線部材Aの回路形成した面と積層用中間配線部材A′の平坦化面とが接するように積層し、圧力及び熱を加えることで積層用中間配線部材Aと積層用中間配線部材A′とを接着しかつ半硬化状態の絶縁樹脂及び半硬化状態の導電性ペーストを硬化させる。次いで、積層用中間配線部材Aの導電体層と積層用中間配線部材A′の導電体層を部分エッチングして回路形成することにより、多層配線板を得る。同様の工程で、2つ以上の積層用中間配線部材B、又は、積層用中間配線部材A及び積層用中間配線部材Bの少なくとも2つを用いて、多層配線板を製造することもできる。
【0055】
【実施例】
以下、本発明の実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1
図に基づいて本発明の一実施例を説明する。図1は、導電性突起に導電性樹脂を塗布乾燥し、次いで絶縁樹脂を塗布乾燥、研磨して導電性突起部の先端面を露出させたて積層用中間配線部材Aを作製した後、金属箔を加圧加熱により接着し両面に回路形成して2層配線板を作製した工程図である。ここで導電性突起を有する配線部材は、以下の様にして製作した。厚さ70μmの銅層(第1金属層1)、0.2μmのニッケル層(バリア層としての第2金属層2)、10μmの銅層(導電体層3)からなる3層の金属箔(日本電解(株)製)を用意した(図1(a))。フォトドライフィルムH−K350(日立化成工業(株))を用いて、厚さ70μmの銅層(第1金属層1)側にパターンを形成し、メルテックス社製エープロセス液(アンモニア銅錯塩20〜30重量%、塩化アンモニウム10〜20重量%及びアンモニア1〜10重量%含有)からなるアルカリエッチング液で70μmの銅層(第1金属層1)を選択的にエッチングして、複数の柱状バンプ4を形成した(図1(b))。露出したニッケル層(第2金属層2)の柱状バンプ4の下以外の部分を、硝酸・過酸化水素水溶液(硝酸10重量%、過酸化水素5重量%)からなるエッチング液で選択的に除去した。これにより、厚さ10μmの銅層からなる導電体層5表面に、銅層及びニッケル層からなるφ250μmの複数の円柱状の導電性突起6を形成した配線部材を作製した(図1(c))。露出した10μmの銅層(導電体層5)の表面及び導電性突起の側面・上面に、樹脂との密着をよくするために化学リン酸系処理で2μm粗化処理を施した。
【0056】
次に導電性樹脂7(エポキシ系銀ペースト118-06SD Creative materials incorporated)、粘度25Pa・sを用いて、導電性突起6に対応して直径φ150μmの穴の開いた厚さ50μmのメタルマスクを用意し、樹脂製スキージにて導電性突起6の先端面に導電性樹脂7を印刷供給した。その後120℃5分乾燥することで、導電性樹脂7は半硬化状態となった(図1(d))。このときの導電性樹脂7の厚みは30μmであった。
絶縁樹脂8としてシリコーン変性ポリアミドイミド樹脂からなるKS6600(日立化成工業(株)製、固形分濃度:30重量%)を用いた。流動状のワニス状態の粘度40Pa・sの状態の絶縁性樹脂8を、印刷機(VE−500 東レエンジニアリング(株)製)で複数の導電性突起6及び導電性樹脂7の全てを埋め込んで塗布できる様に開口した厚さ150μmのメタルマスクを介して、導電体層5上に印刷した。120℃30分乾燥すると、絶縁樹脂8は半硬化状態となり、図1(e)のように溶剤分が揮発して導電性突起6の上部が盛り上がった断面形状となった。導電性突起6の上部の絶縁樹脂8の厚みは、30μmであった。
【0057】
図1(f)に示すように、絶縁樹脂8に埋め込まれた導電性樹脂7付きの導電性突起6の導電性樹脂7の先端面を露出させるため、半硬化状態の絶縁樹脂8を市販の研磨紙で平坦に研磨する様に注意しながら研磨した。導電性樹脂7が厚さ10〜20μm残る様に研磨したところで研磨を終了した。平坦化面9に露出した導電性樹脂7の露出面の径はφ120μmであった。
これにより積層用中間配線部材Aを形成できた。
次に図1(g)のように、この積層用中間配線部材Aと銅箔(金属箔10)を、真空プレスを用いて平坦化面9上で張り合わせた。銅箔(金属箔10)は厚み35μmで、接着面は樹脂との密着をよくするために化学リン酸系処理で2μm粗化処理を施した。接着条件は真空下で180℃60分加熱後260℃20分加熱、プレス圧力0.8MPaで行った。張り合わせた銅箔(金属箔10)と、銅からなる導電体層5に、銅の部分エッチング(塩化第2鉄濃度35重量%、塩酸濃度3重量%の水溶液)により回路11を形成し、図1(h)のような2層配線板を製作した。
【0058】
実施例2
図2は、導電性突起に絶縁樹脂を塗布乾燥、研磨して導電性突起部の頭を出しした後、導電性突起部をハーフエッチングしてエッチングした部分に導電性樹脂を埋込塗布、乾燥して積層用中間配線部材Bを作製したのち、金属箔を加圧加熱により接着し両面に回路形成して2層配線板を作製した工程図である。図2(a)、図2(b)及び図2(c)の工程は、実施例1の図1(a)、図1(b)及び図1(c)の工程と同様に行ない、導電性突起を有した配線部材を製作した。次に絶縁樹脂8として、シリコーン変性ポリアミドイミド樹脂からなるKS6600(日立化成工業(株)製)を用い、流動状のワニス状態の粘度40Pa・sの状態にある絶縁樹脂8を、印刷機(VE−500 東レエンジニアリング(株)製)で、複数の導電性突起6の全てを埋め込んで塗布できる様に開口した厚さ120μmのメタルマスクを介して、導電体層5上に印刷した。120℃30分乾燥することで絶縁樹脂8は半硬化状態となり、図2(d)のように溶剤分が揮発して導電性突起6の上部が盛り上がった断面形状となった。導電性突起6の上部の絶縁樹脂8の厚みは、30μmであった。
【0059】
図2(e)に示すように、絶縁樹脂8に埋め込まれた導電性突起6の先端面を露出させるため、半硬化状態の絶縁樹脂8を市販の研磨紙で平坦に研磨する様に注意しながら研磨した。導電性突起8の先端面が完全に露出するまで研磨したところで研磨を終了した。平坦化絶縁樹脂面12に露出した導電性突起6の露出部の径はφ250μmであった。次に導電体層5をエッチングされない様に保護テープで保護し、銅からなる導電性突起6を酸系エッチング液(塩化第2鉄濃度35重量%、塩酸濃度3重量%の水溶液)により、平均20μ程度ハーフエッチングすることで、図2(f)のように、平坦化絶縁樹脂面12に、導電性突起6の先端面2を底とする凹部13が形成された。
次に導電性樹脂7(エポキシ系銀ペースト118-06SD Creative materials incorporated)、粘度25Pa・sを用いて、導電性突起6に対応して直径φ200μmの穴の開いた厚さ30μmのメタルマスクを用意し、樹脂製スキージにてハーフエッチングされた導電性突起6の先端面上に導電性樹脂7を印刷供給した。その後120℃5分乾燥することで導電性樹脂7は半硬化状態となった(図2(g))。このときの導電性樹脂7の厚みは20μmであった。これにより積層用中間配線部材Bを形成できた。
【0060】
次に図2(h)のように、この積層用中間配線部材Bと銅箔(金属箔10)を、真空プレスを用いて、平坦化絶縁樹脂面12上で張り合わせた。銅箔(金属箔10)は厚み35μmで、接着面は樹脂との密着をよくするために化学リン酸系処理で2μm粗化処理を施した。接着条件は真空下で180℃60分加熱後260℃20分加熱、プレス圧力0.8MPaで行った。張り合わせた銅箔(金属箔10)と導電体層5に、銅の部分エッチングにより回路11を形成し、図2(i)のような2層配線板を製作した。
【0061】
実施例3
図3は、図1(e)の絶縁樹脂塗布時に、組成の異なる絶縁樹脂を多数回塗布した例である。比較的固いコア層8aを形成するための第1絶縁樹脂としては、シリコーン変性ポリアミドイミド樹脂からなるKS6600(日立化成工業(株)製)に平均粒径φ1.5μmのシリカフィラ40wt%含有(溶剤分揮発後)させたものを用いた。流動状のワニス状態の粘度80Pa・sの上記樹脂を、印刷機(VE−500 東レエンジニアリング(株)製)で、複数の導電性突起6部分の全部が埋め込まれるように塗布できる様に開口した厚さ50μmのメタルマスクを介して印刷した。120℃10分乾燥することで、表面が半硬化状態となる。コア層8aの厚みは、約50μmであった。次にKS6600(日立化成工業(株)製)のフィラレスのものを比較的柔らかい表面層8b形成用の第2絶縁樹脂として用いて、流動状のワニス状態の粘度40Pa・sの上記樹脂を印刷機(VE−500 東レエンジニアリング(株)製)で複数の導電性突起6及び導電性樹脂7の全部を埋め込むように塗布できる様に開口した厚さ100μmのメタルマスクを介して、さらに印刷した。120℃20分乾燥することで、第1絶縁樹脂及び第2絶縁樹脂全体が、半硬化状態となった。表面層8bの厚みは、約20μmであった。その結果、図3(a)のように、溶剤分が揮発して導電性突起部が盛り上がった、固い第1絶縁樹脂からなるコア層8aと接着のよい柔らかい第2絶縁樹脂からなる表面層8bの2層構造の断面形状となった。
図3(b)に示すように、絶縁樹脂8に埋め込まれた導電性樹脂7付きの導電性突起6の導電性樹脂7の端部を露出させるため、半硬化状態の2層構造の絶縁樹脂8の表面層8bを、市販の研磨紙で平坦に研磨する様に注意しながら研磨した。導電性樹脂7が厚さ10〜20μ残る様に研磨したところで研磨を終了した。導電性樹脂7の露出部の径はφ120μmであった。
【0062】
実施例4
図4は、実施例1において図1(f)の積層用中間配線部材Aと同様にして作製した積層用中間配線部材A′と、配線部材Cとしての図1(h)の2層配線板とを積層して3層配線板を作製する工程図である。積層用中間配線部材A′は、導電性突起6′の径をφ100μmに、導電性樹脂7′の露出部の径をφ50μmに変更し、導電性突起6′の配置を変更した以外は、実施例1の積層用中間配線部材Aと同様にして作製した。また、図4(a)のように、実施例1と同様にして、2層配線板を準備し、配線部材Cとして用いた。この際、配線部材Cの平坦化面9上の回路11は、埋込性をよくするために、予め導電体層をハーフエッチングして厚みを5〜10μmまで薄くして、回路11を形成した。図4(b)のように、積層用中間配線部材A′の研磨された平坦化面9′と配線部材Cの薄くした回路11を有する面とを合わせて、真空プレスにて、圧力0.8MPaで180℃60分加熱後、260℃20分加熱硬化し張り合わせた。その後図4(c)のように、積層用中間配線部材A′の導電体層5′を実施例1と同様の条件の部分エッチングによって外層回路を形成して3層配線板を製作した。
【0063】
実施例5
図5は実施例4で作製した図4(a)の積層用中間配線部材A′を利用した積層用中間配線部材Aと、実施例2の工程中に作製した図2(e)の構造を利用した配線部材Eとを積層して疑似3層の配線板を作製する工程図である。まず、実施例4と同様にして、積層用中間配線部材A′を作製し、積層用中間用配線部材Aとして用意する。また、図5(b)に示すように、実施例2の図(d)の状態から導電体層5に酸系エッチング液で回路11を形成し、回路面14を有する配線部材Eを準備する。図5(c)のように、積層用中間配線部材Aの平坦化面9と配線部材Eの回路面14とを合わせて、真空プレスにて、圧力0.8MPaで180℃60分加熱後、260℃20分加熱硬化し張り合わせた。その後図4(d)のように、導電体層5を酸系エッチング液で回路11を形成して疑似3層の配線板を製作した。
【0064】
実施例6
図6は、積層用中間配線部材Aの研磨された平坦化面に導電性ペーストで回路パターンを印刷したものと、別の積層用中間配線部材A′とを積層して、多層配線案を作製する工程図である。まず図6(a)のように、実施例4と同様にして、図4(a)に示されると同じ積層用中間配線部材A′を用意する。また、導電性突起6の配置を変更した以外は同じ工程によってつくられた積層用中間配線部材Aの研磨面された平坦化面9に、導電性樹脂15(エポキシ系銀ペースト118-06SD Creative materials incorporated)、粘度25Pa・sを用いて、回路パターンを印刷する厚さ30μmのスクリーンマスクを用意し、樹脂製スキージにて印刷した。その後120℃5分乾燥することで導電性樹脂15は半硬化状態となり、図6(b)に示される部材が得られた。このときの回路印刷した導電性樹脂15の厚みは10μmであった。
図6(c)のように、図6(a)の積層用中間配線部材A′の平坦化面9′と、図6(b)の積層用中間配線部材Aの導電性樹脂15で形成した回路面とを合わせて、真空プレスにて、圧力0.8MPaで180℃60分加熱後、260℃20分加熱硬化し張り合わせた。その後図4(d)のように、導電体層5及び導電体層5′を酸系エッチング液で部分エッチングして外層回路11を形成して3層配線板を製作した。
【0065】
実施例7
図7は実施例1の導電性樹脂の塗布面積を制限することでより高密度化に対応した配線板を製造する工程例である。導電性樹脂の塗布部分を除けば、実施例1と同じである。
まず、実施例1の図1(a)、図1(b)、図1(c)の工程と同様にして、表面に複数の導電性突起を有する配線部材を作製した。次いで、図7(a)に示すように、配線部材の導電性突起6の先端面上に、導電性樹脂7を塗布した。図7(a)の導電性樹脂塗布工程は、導電性樹脂7(エポキシ系銀ペースト118-06SD Creative materials incorporated)、粘度25Pa・sを用いて、導電性突起6に対応して直径φ70μmの穴の開いた厚さ50μmのメタルマスクを用意し、樹脂製スキージにて導電性突起6の先端面に導電性樹脂7を印刷供給した。その後120℃5分乾燥することで導電性樹脂7を半硬化状態とした。このときの導電性樹脂7の厚み(高さ)は30μmであった。
【0066】
次いで、図7(b)に示すように、実施例1と同様にして、絶縁樹脂8を塗布乾燥し、半硬化状態とした。その後、図7(c)に示すように、実施例1と同様にして絶縁樹脂8を研磨し、導電性樹脂7の先端面が露出した平坦化面9を形成した。導電性樹脂7の露出した先端面の径は、φ50μmであった。次いで、図7(d)に示すように、平坦化面9上に金属箔10として銅箔を積層し、実施例1と同様に加熱加圧して接着し、かつ、絶縁樹脂8及び導電性樹脂7を硬化させた。次いで、図7(e)に示すように、金属箔10及び導電体層5を実施例1と同じ酸系エッチング液を用いて部分エッチングすることにより回路11を形成し、2層配線板を作製した。また、図7(d)に示す部材の金属箔10のみを回路形成し、導電体層5をエッチングにより完全に除去することにより、疑似2層配線板を作製した。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明の積層用中間配線部材は、各種配線部材と積層した時に、密着性、平坦性及び層間接続の信頼性に優れた積層面を形成することができる。また、この積層用中間配線部材を用いて作製される配線板は、層間の密着性、接続信頼性に優れ、しかも、平坦性に優れるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による積層用中間配線部材Aの製造工程及びそれを用いた配線板の製造工程の一態様を示す工程図。
【図2】本発明による積層用中間配線部材Bの製造工程及びそれを用いた配線板の製造工程の一態様を示す工程図。
【図3】本発明による積層用中間配線部材Aの他の態様の製造工程を示す工程図。
【図4】本発明による積層用中間配線部材Aを用いて多層配線板を製造する一態様を示す工程図。
【図5】本発明による積層用中間配線部材Aを用いて多層配線板を製造する他の態様を示す工程図。
【図6】本発明による積層用中間配線部材Aを用いて多層配線板を製造する他の態様を示す工程図。
【図7】本発明による積層用中間配線部材Aの製造工程の他の態様及びそれを用いた配線板の製造工程の一態様を示す工程図。
【符号の説明】
1 第1金属層
2 第2金属層
3 第3金属層
4 柱状バンプ
5、5′ 導電体層
6、6′ 導電性突起
7、7′ 導電性樹脂
8、8′ 絶縁樹脂
9、9′ 平坦化面
10 金属箔
11 回路
12 平坦化絶縁樹脂面
13 凹部
14 回路面
15 導電性樹脂
Claims (20)
- (1)導電体層及び導電体層の片面に突出する複数の導電性突起を有する配線部材、(2)配線部材の導電性突起を有する面側で、導電性突起を埋め込んでいる絶縁樹脂であって、表面が導電性突起の先端面を底とする凹部を有する以外は平坦化された平坦化絶縁樹脂面を形成している絶縁樹脂、及び、(3)導電性突起の先端面上に塗布された導電性樹脂を有する積層用中間配線部材であって、導電性樹脂及び絶縁樹脂が、流動性はないが完全な硬化状態に至る前の半硬化状態にある積層用中間配線部材B。
- 配線部材が、導電体層が第3金属からなり、導電性突起が導電体層上の第2金属の層と第2金属の層上の第1金属の層の2層からなるもの、又は、配線部材が、導電体層が第3金属の層と、第3金属の層上の第2金属の層とからなり、導電性突起が導電体層の第2金属の層上の第1金属からなるものである請求項1に記載の積層用中間配線部材B。
- 第1金属と第2金属とが、互いにエッチング条件の異なる金属であり、第2金属と第3金属とが、互いにエッチング条件の異なる金属である請求項2に記載の積層用中間配線部材B。
- 絶縁樹脂が、導電体層に接する第1絶縁樹脂からなるコア層と、導電体層上の第2絶縁樹脂からなる表面層との少なくとも2層からなり、半硬化状態にある第1絶縁樹脂が、半硬化状態にある第2絶縁樹脂よりも固いものである請求項1〜3のいずれかに記載の積層用中間配線部材B。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の積層用中間配線部材Bの平坦化絶縁樹脂面上に、加熱加圧によって接着した導体回路を形成し、半硬化状態の絶縁樹脂及び半硬化状態の導電性樹脂を硬化させ、導電体層を部分エッチングにより回路形成することにより得られる配線板。
- 半導体パッケージ用基板として用いられる請求項5記載に記載の配線板。
- 導電体層及び導電体層の片面に突出する複数の導電性突起を有する配線部材の、導電性突起を有する面上に、硬化前の流動状のワニス状態にある絶縁樹脂を、印刷により、導電性突起が絶縁樹脂に埋め込まれる厚みに塗布する絶縁樹脂印刷工程、印刷した絶縁樹脂を流動性はなくなるが完全な硬化状態に至る前の、半硬化状態まで乾燥する絶縁樹脂乾燥工程、半硬化状態の絶縁樹脂を研磨することにより、導電性突起の先端面を露出させ、かつ、半硬化状態の絶縁樹脂表面を平坦化して平坦化絶縁樹脂面を形成する研磨工程、露出した導電性突起を露出した先端面からエッチングしてハーフエッチングするハーフエッチング工程、ハーフエッチングされた導電性突起の先端面に導電性樹脂を塗布する導電性樹脂塗布工程、及び、塗布された導電性樹脂を、流動性はなくなるが完全な硬化状態に至る前の、半硬化状態まで乾燥する導電性樹脂乾燥工程を有する請求項1に記載の積層用中間配線部材Bの製造方法。
- 配線部材を、第1金属からなる第1金属層、第2金属からなる第2金属層及び第3金属からなる第3金属層の少なくとも3層をこの順で有する多層金属箔を用い、第1金属層を部分的に第2金属層が露出するまで除去することにより、第2金属層及び第3金属層からなる導電体層及び第1金属からなる複数の導電性突起を形成することにより作製するか、又は、該多層金属箔を用い、第1金属層及び第2金属層を部分的に第3金属層が露出するまで除去することにより、第3金属層からなる導電体層及び第2金属の層と第2金属の層上の第1金属の層とからなる複数の導電性突起を形成することにより作製する請求項7に記載の積層用中間配線部材Bの製造方法。
- 第1金属と第2金属とが、互いにエッチング条件の異なる金属であり、第2金属と第3金属とが、互いにエッチング条件の異なる金属であり、第1金属層の部分的な除去をエッチングにより行なうか、又は、第1金属層及び第2金属層の部分的な除去を、互いに異なるエッチング条件下で順次エッチングして行なう請求項8記載の積層用中間配線部材Bの製造方法。
- 絶縁樹脂印刷工程において、絶縁樹脂として第1絶縁樹脂及び第2絶縁樹脂の少なくとも2種類の絶縁樹脂を用い、第1絶縁樹脂を導電体層上に印刷してコア層を形成し、その後第2絶縁樹脂を印刷して表面層を形成し、半硬化状態にある第1絶縁樹脂が、半硬化状態にある第2絶縁樹脂よりも固いものである請求項7〜9のいずれかに記載の積層用中間配線部材Bの製造方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の積層用中間配線部材Bの平坦化絶縁樹脂面上に、加熱加圧によって接着した導体回路を形成し、半硬化状態の絶縁樹脂及び半硬化状態の導電性樹脂を硬化させ、導電体層を部分エッチングにより回路形成することを含む配線板の製造方法。
- 配線板が半導体パッケージ用基板である請求項11記載に記載の配線板の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の積層用中間配線部材Bの平坦化絶縁樹脂面上に、金属箔を戴置し、圧力及び熱を加えることで金属箔と積層用中間配線部材Bとを接着しかつ半硬化状態の絶縁樹脂及び半硬化状態の導電性樹脂を硬化する工程と、積層用中間配線部材Bの導電体層と接着した金属箔とを各々部分エッチングにより回路形成する工程を有する配線板の製造方法。
- 配線板が半導体パッケージ用基板である請求項13に記載の配線板の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の積層用中間配線部材Bの平坦化絶縁樹脂面に、金属箔を戴置し圧力及び熱を加えることで金属箔と積層用中間配線部材Bとを接着しかつ半硬化状態の絶縁樹脂及び半硬化状態の導電性樹脂を硬化する工程、積層用中間配線部材Bの導電体層及び/又は接着した金属箔を部分エッチングして回路形成して配線部材Dを作製する工程、別の請求項1〜4のいずれかに記載の積層用中間配線部材B′と配線部材Dとを、積層用中間配線部材B′の平坦化絶縁樹脂面と配線部材Dの回路とが接触するように積層し、圧力及び熱を加えることで配線部材Dと積層用中間配線部材B′とを接着しかつ積層用中間配線部材B′の半硬化状態の絶縁樹脂及び半硬化状態の導電性樹脂を硬化する工程、積層用中間配線部材B′の導電体層と、接着した配線部材Dの回路形成されていない導電体層又は金属箔とを、部分エッチングにより回路形成する工程を有する多層配線板の製造方法。
- 多層配線板が半導体パッケージ用多層基板である請求項15に記載の製造方法。
- 第1金属からなる第1金属層、第2金属からなる第2金属層及び第3金属からなる第3金属層の少なくとも3層をこの順で有し、第1金属と第2金属とが互いにエッチング条件の異なる金属であり、第2金属と第3金属とが互いにエッチング条件の異なる金属である多層金属箔を用意し、第1金属層を第2金属層が露出するまで部分的にエッチングすることにより、第2金属層の露出面上に第1金属からなる複数の導電性突起を形成し、あるいは、第1金属層及び第2金属層をこの順で第3金属層が露出するまで各々部分的にエッチングすることにより、第3金属層の露出面上に第1金属の層及び第2金属の層の2層からなる複数の導電性突起を形成する導電性突起形成工程、第2金属層の露出面上又は第3金属層の露出面上に、硬化前の流動状のワニス状態にある絶縁樹脂を、印刷により、導電性突起が絶縁樹脂に埋め込まれる厚みに塗布する印刷工程、印刷した絶縁樹脂を、半硬化状態に乾燥又は又は完全な硬化状態に乾燥又は硬化させる乾燥又は硬化工程、半硬化状態又は硬化した絶縁樹脂を研磨することにより、絶縁樹脂表面に導電性突起の先端面を露出させ、かつ絶縁樹脂表面を平坦化する研磨工程、エッチングされていない第2金属層及び第3金属層又はエッチングされていない第3金属層を部分エッチングして回路を形成することにより回路面を形成して配線部材Eを作製する工程、配線部材Eと請求項1〜4のいずれかに記載の積層用中間配線部材Bとを、配線部材Eの回路面と積層用中間配線部材Bの平坦化絶縁樹脂面とが接するように積層し、圧力及び熱を加えることで配線部材Eと積層用中間配線部材Bとを接着しかつ半硬化状態の絶縁樹脂及び半硬化状態の導電性樹脂を硬化する工程、及び、積層用中間配線部材Bの導電体層を部分エッチングして回路形成する工程を有する多層配線板の製造方法。
- 多層配線板が半導体パッケージ用多層基板である請求項17に記載の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の積層用中間配線部材Bの平坦化絶縁樹脂面に、導電性樹脂をスクリーン印刷して回路を形成し、流動性はなくなるが完全な硬化状態に至る前の、半硬化状態まで乾燥する工程、積層用中間配線部材Bと別の請求項1〜4のいずれかに記載の積層用中間配線部材B′とを、積層用中間配線部材Bの回路形成した面と積層用中間配線部材B′の平坦化絶縁樹脂面とが接するように積層し、圧力及び熱を加えることで積層用中間配線部材Bと積層用中間配線部材B′とを接着しかつ半硬化状態の絶縁樹脂及び半硬化状態の導電性ペーストを硬化する工程、及び、積層用中間配線部材Bの導電体層と積層用中間配線部材B′の導電体層を部分エッチングして回路形成する工程を有する多層配線板の製造方法。
- 多層配線板が半導体パッケージ用多層基板である請求項19に記載の製造方法。
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