JP4337238B2 - 開閉体の開閉状態検知機構 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、装置本体に対し回動支点を中心にして回動可能であり、且つ上下移動可能である開閉体の開閉状態を、確実に検知するための開閉状態検知機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、読取面に本等の原稿を静止状に載置して、該静止原稿を読み取る画像読取装置、所謂フラットベッドタイプの画像読取装置においては、該読取部に載置した原稿を読取面に押圧するプラテンカバーが、その一辺を回動支点として開閉可能に設けられている。
このような開閉体であるプラテンカバーは、読取部に対して上下に移動可能に構成されており、本等の厚みがある原稿を読取面に載置した場合には、回動支点部分がリフトアップし、該プラテンカバーが持ち上げられた状態で原稿を押圧するように構成されている。
また、プラテンカバーを支持する装置本体には、該プラテンカバーの開閉状態を検知する透過型センサ等により構成される開閉センサが取り付けられており、プラテンカバーにはフィーラが取り付けられている。
そして、開状態のプラテンカバーを閉じていき、フィーラが開閉センサを通過して光が遮られると、光が遮られるのと同時に原稿サイズ読取用のセンサが作動して、読取面に載置された原稿のサイズを判定するように構成している。
このように、該プラテンカバーには、フィーラ及び開閉センサにより、プラテンカバーの開閉状態を検知して原稿サイズ読取用のセンサを作動させる、開閉状態検知機構としてのブックインデックスセンサが構成されている。
【0003】
例えば、図7に示すように、画像読取装置の読取部101の上方にプラテンカバー102が配置され、該プラテンカバー102はヒンジ部103の回動支点103aを中心に回動可能とされている。ヒンジ部103は、例えば読取部101に対してプラテンカバー102と一体的に上下移動可能に構成されている。
また、プラテンカバー102にはフィーラ104が固設され、読取部101には開閉センサ105が取り付けられている。
そして、プラテンカバー102が閉じていき、フィーラ104が開閉センサ105のセンサ部105aに上方から挿入され、これによりプラテンカバー102がほとんど閉じた状態にあることを開閉センサ105によって検知するように構成している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前述の如く、プラテンカバー102の開閉状態の検知は、プラテンカバー102に固設されたフィーラ104の先端部が、読取部101に取り付けられた開閉センサ105に上方から嵌入することで行われていたが、本等の厚みのある原稿を読み取る際にはプラテンカバー102が上方に持ち上げられ、これに伴いフィーラ104も同様に上方移動することとなる。
この場合、フィーラ104と開閉センサ105とのラップ寸法dはさほど大きくないため、原稿が分厚い本であれば勿論のこと、雑誌等の薄い本であっても、フィーラ104の先端が開閉センサ105のセンサ部105aに届かなくなって、プラテンカバー102の開閉状態が検知できず、原稿サイズの判定を自動で行うことができなくなっていた。
従って、厚みのある原稿を読み取る際には、ユーザーが手動で原稿サイズの入力を行う必要があり、煩わしかった。
また、プラテンカバー102が上方に持ち上げられた場合にも開閉状態を検知できるように、フィーラ104の先端部を延長して、該フィーラ104と開閉センサ105とのラップ寸法dを増加させることが考えられるが、フィーラ104の下方に開閉センサ105を配置して、該開閉センサ105のセンサ部105a上方からフィーラ104を挿入する構成としている関係上、該ラップ寸法dをあまり大きくすることができなかった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以上のような課題を解決すべく、次のような手段を用いるものである。即ち、請求項1記載の如く、装置本体に対し回動支点を中心にして開閉可能であり、且つ上下移動可能である開閉体を設け、装置本体における該開閉体の回動支点近傍にフィーラを立設し、該フィーラの検知手段を開閉体に固設し、該検知手段は、該開閉体が開閉されるときに該フィーラが通過可能な凹部を有する形状であり、該凹部は該開閉体の回動支点軸に対して垂直方向に凹んでおり、装置本体になにも載置せずに該開閉体を閉じた状態において、該フィーラの上端は該検知手段の位置よりも所定寸法だけ上方に位置する。
【0006】
また、請求項2記載の如く、前記検知手段は、フィーラの側方に配置される。
【0007】
また、請求項3記載の如く、前記フィーラには、検知手段の回動軌跡に沿って湾曲する湾曲部が形成される。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、添付の図面より説明する。図1は本発明の開閉状態検知機構が構成される画像読取装置を備えたファクシミリ装置の斜視図、図2は同じく正面断面図、図3はプラテンカバーの開閉部を示す側面断面図、図4は同じく後面図、図5は同じく平面図、図6はフィーラと開閉センサとの位置関係を示す図、図7は従来のプラテンカバーの開閉部を示す側面図である。
【0009】
まず、本発明の開閉状態検知機構が構成される画像読取装置を具備するファクシミリ装置の概略構成について、図1、図2により説明する。
ファクシミリ装置Fは、記録部1の上方に画像読取装置が構成される画像読取部2を配置して構成され、該画像読取部2は、記録部1に対して回動支点20を中心に上下回動可能とされている。記録部1には記録装置3及び給紙カセット4がそれぞれ上下に内装されており、給紙カセット4内に堆積される用紙を記録装置3へ給紙して記録した後に、記録紙排出トレイ5から排出するように構成している。
【0010】
一方、画像読取部2においては、上面を透明状の静止原稿載置面14とした読取ケース13内に読取装置6を収納しており、該静止原稿載置面14上に載置された原稿を該読取装置6により走査して、読み取りを行うようにしている
また、読取ケース13の上方には、その一辺を中心として開閉可能に構成されるプラテンカバー7が配置され、該プラテンカバー7により静止原稿載置面14上に載置された原稿を上方から押えるものとしている。
【0011】
プラテンカバー7の一端部には原稿を自動的に給紙する自動給紙装置(ADF装置)8が付設され、該自動給紙装置8は給紙装置11と搬送装置12とにより構成されている。
そして、原稿供給トレイ9に載置した原稿を、自動給紙装置8の給紙装置11により一枚ずつピックアップして、搬送装置12により静止原稿載置面14の一端部へ搬送し、その内容を読取装置6により読み取った後に、プラテンカバー7の上面に形成される原稿排出トレイ10へ排出するように構成している。
【0012】
即ち、画像読取部2は、読取装置6を走査させて静止原稿を読み取るフラットベッドタイプのスキャナとして用いるとともに、読取装置6を位置固定して原稿を給送しながら読み取りを行うシートフィードタイプのスキャナとして用いることができるように構成されている。
【0013】
また、読取ケース13の一側方にはキーパネル15が付設され、該キーパネル15の各種操作キーを操作することにより、原稿内容の読み取りを行ったり、読み取った内容をファクシミリ送信する際の送信先の設定を行ったり、受信内容や読み取った内容の記録装置3による記録を行ったりするようにしている。
【0014】
次に、読取ケース13の上方に開閉可能に載置される開閉体である、前記プラテンカバー7の開閉状態を検知するための検知機構について説明する。
尚、ファクシミリ装置Fにおける、キーパネル15が配置される側を前部と、自動給紙装置8が配置される側を左部として便宜的に定義する。
【0015】
図3乃至図5に示すように、読取ケース13に載置されるプラテンカバー7は、該読取ケース13後端部の左右両側部にてヒンジ機構20・20を介して開閉可能に支持されている。
ヒンジ機構20は、読取ケース13に取付固定される支持プレート21、プラテンカバー7に固設される固定プレート22、及び支持プレート21と固定プレート22とを連結する回動プレート24等により構成されている。
支持プレート21と回動プレート24とは回動支点23にて回動可能に連結され、固定プレート22と回動プレート24とはリフト支点25にて回動可能に連結されている。
【0016】
そして、通常プラテンカバー7が開閉される場合には、回動プレート24が回動支点23を中心にして、プラテンカバー7に固設される固定プレート22と一体的に回動する。
また、静止原稿載置面14に本等の厚みのある原稿を載置してプラテンカバー7を閉じた場合には、回動プレート24がリフト支点25を中心として、固定プレート22に対し回動することによりプラテンカバー7がリフトアップされ、該プラテンカバー7を略水平に保持したままの状態で閉じて、原稿を押圧することが可能となっている。
【0017】
読取ケース13の後端部、即ち側面視における回動支点23の近傍には、薄板状部材のフィーラ31が立設され、プラテンカバー7内の後端部にはセンサブラケット32を介して開閉センサ33が固設されており、該開閉センサ33は、フィーラ31の後方に配置されている。
プラテンカバー7における開閉センサ33の略下方部分には通孔17が開口しており、プラテンカバー7を閉じると、該通孔17を通じてフィーラ31が該プラテンカバー7内に侵入するように構成されている。
【0018】
透過型センサに構成される開閉センサ33の検知部33aは略凹型に形成され、プラテンカバー7が閉じると、該プラテンカバー7内に侵入するフィーラ31の後端面31aが該検知部33aを通過する。
即ち、プラテンカバー7を閉じていき、フィーラ31が開閉センサ33の検知部33aを通過した状態になると、該検知部33aを透過する光がフィーラ31により遮られ、これにより該プラテンカバー7がほとんど閉じた状態になったことを検知するようにしている。
ここで、「プラテンカバー7がほとんど閉じた状態」とは、読取部2の静止原稿載置面14に載置した原稿のサイズを読み取る際に、外光の影響を受けない程度までプラテンカバー7が閉じられた状態のことをいう。
一方、プラテンカバー7が回動支点23を中心に上方回動して開いた状態にあるときは、開閉センサ33がプラテンカバー7と一体的に上方回動し、該開閉センサ33の検知部33aがフィーラ31の上方に移動するため、検知部33aを透過する光がフィーラ31により遮られることがなくなって、プラテンカバー7が開いている旨が検知される。
【0019】
図6に示すように、プラテンカバー7がほとんど閉じた状態にある場合、開閉センサ33はフィーラ31の後側方に配置され、該フィーラ31の後端面31aが開閉センサ33の検知部33aを通過している。
該後端面31aは検知部33aから寸法hだけ上方へ延出しており、開閉センサ33の上方回動角度が角度θとなるまでの範囲においては、フィーラ31が検知部33aを通過するように構成されている。
【0020】
即ち、プラテンカバー7を閉じた状態から角度θだけ開いた状態までの範囲においては、開閉センサ33によりプラテンカバー7の閉状態が検知され、該プラテンカバー7が角度θよりも大きく開いた状態になると、開閉センサ33によりプラテンカバー7の開状態が検知されるのである。
そして、開いた状態にあるプラテンカバー7を閉じていき、フィーラ31により開閉センサ33の検知部33aを透過する光が遮られて、プラテンカバー7がほとんど閉じた状態になったことが検知されると、光が遮られたのと同時に、ファクシミリ装置Fに設けられる原稿サイズ読取用のセンサ(図示せず)が作動して、静止原稿載置面14に載置された原稿のサイズが判定されるように構成している。
【0021】
このように、装置本体としての読取ケース13に対し回動支点23を中心にして開閉可能であり、且つ該回動支点23が上下移動可能であるプラテンカバー7に、開閉センサ33を固設し、読取ケース13における回動支点23の近傍にフィーラ31を立設して、該開閉センサ33によるフィーラ31の検知によりプラテンカバー7の開閉状態を検知する、ブックインデックスセンサを構成している。
【0022】
また、プラテンカバー7の開閉に伴う開閉センサ33の回動軌跡は、回動支点23を中心とする円弧形状となるが、フィーラ31の後端面31aにおける、閉状態で開閉センサ33の検知部33aが位置する部分から、角度θだけ開いた状態で該検知部33aが位置する上端部までの範囲Rは、開閉センサ33の回動軌跡に合わせた略円弧形状に湾曲して形成されている。
このように、フィーラ31の後端面31aを略円弧形状に湾曲して形成することで、開閉センサ33の検知部33aを通過する後端面31aが、該検知部33aと衝突することを防止している。
【0023】
ここで、本等の厚みのある原稿を静止原稿載置面14に載置した場合、前述の如くプラテンカバー7が上方へ持ち上げられるが、これに伴い、プラテンカバー7へ一体的に固設される開閉センサ33も上方へ移動する。
また、厚みのある原稿を載置せずにプラテンカバー7を閉じた状態では、フィーラ31の後端面31aの上端は、開閉センサ33の検知部33aから寸法hだけ上方に位置しているので、プラテンカバー7が寸法hだけ上方へ持ち上げられた状態となるまでは、開閉センサ33によりプラテンカバー7の閉状態が検知されることとなる。
【0024】
従って、前記寸法hを、本等の厚みのある原稿を静止原稿載置面14に載置した際にプラテンカバー7が持ち上げられる寸法に適宜設定することで、厚みのある原稿を読み取る場合でも、プラテンカバー7の開閉状態を検知して、原稿サイズの判別を行うことが可能となる。
特に、本例の場合は、開閉センサ33をフィーラ31の後側方に配置しているので、該フィーラ31を上方へ延出する際に、開閉センサ33による制約を受けることがなく、寸法hを比較的大きくとることができ、原稿サイズの判別が可能な原稿の厚み範囲を広くすることが可能となる。
【0025】
【発明の効果】
本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を奏する。
まず、請求項1の如く、装置本体に対し回動支点を中心にして開閉可能であり、且つ上下移動可能である開閉体を設け、装置本体における該開閉体の回動支点近傍にフィーラを立設し、該フィーラの検知手段を開閉体に固設し、該検知手段は、該開閉体が開閉されるときに該フィーラが通過可能な凹部を有する形状であり、該凹部は該開閉体の回動支点軸に対して垂直方向に凹んでおり、装置本体になにも載置せずに該開閉体を閉じた状態において、該フィーラの上端は該検知手段の位置よりも所定寸法だけ上方に位置するので、開閉体の回動支点が上方移動した場合でも、フィーラを検知手段に検知させることが可能となる。
例えば、装置本体としての画像読取装置等の読取部にフィーラを立設し、開閉体としてのプラテンカバーに検知手段を固設して、該フィーラと検知手段により開閉状態検知機構を構成した場合、本や雑誌等の厚みのある原稿を読取部とプラテンカバーとの間に載置して読み取りを行う際にも、該プラテンカバーの開閉状態を検知することが可能となり、原稿サイズを自動で判別することができ、読取作業を容易にすることができる。
【0026】
更に、請求項2の如く、前記検知手段は、フィーラの側方に配置されるので、開閉体が上昇した場合の検知手段によるフィーラの検知範囲を広くするために、フィーラを上方へ延出する際、フィーラの上方への延出量が検知手段による制約を受けることがないので、検知手段によるフィーラの検知範囲を広く確保することが可能となる。
【0027】
更に、請求項3の如く、前記フィーラには、検知手段の回動軌跡に沿って湾曲する湾曲部が形成されるので、検知手段を通過するフィーラが、開閉体の開閉によって、該検知手段と衝突することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の開閉状態検知機構が構成される画像読取装置を備えたファクシミリ装置の斜視図である。
【図2】同じく正面断面図である。
【図3】プラテンカバーの開閉部を示す側面断面図である。
【図4】同じく後面図である。
【図5】同じく平面図である。
【図6】フィーラと開閉センサとの位置関係を示す図である。
【図7】従来のプラテンカバーの開閉部を示す側面図である。
【符号の説明】
F ファクシミリ装置
2 画像読取装置
7 プラテンカバー
13 読取ケース
14 静止原稿載置面
20 ヒンジ機構
23 回動支点
31 フィーラ
33 開閉センサ

Claims (3)

  1. 装置本体に対し回動支点を中心にして開閉可能であり、且つ上下移動可能である開閉体を設け、装置本体における該開閉体の回動支点近傍にフィーラを立設し、該フィーラの検知手段を開閉体に固設し、該検知手段は、該開閉体が開閉されるときに該フィーラが通過可能な凹部を有する形状であり、該凹部は該開閉体の回動支点軸に対して垂直方向に凹んでおり、装置本体になにも載置せずに該開閉体を閉じた状態において、該フィーラの上端は該検知手段の位置よりも所定寸法だけ上方に位置する、ことを特徴とする開閉体の開閉状態検知機構。
  2. 前記検知手段は、フィーラの側方に配置されることを特徴とする請求項1に記載の開閉体の開閉状態検知機構。
  3. 前記フィーラには、検知手段の回動軌跡に沿って湾曲する湾曲部が形成されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の開閉体の開閉状態検知機構。
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