JP4122686B2 - 用紙搬送装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、用紙を順次給送して、該用紙の第一面と第二面との両面の読み取りを行うことを可能とする用紙搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、原稿を順次給送して、画像読取装置により該原稿の読み取りを行うことを可能とする自動給紙装置等の用紙搬送装置においては、該用紙搬送装置内にて原稿の搬送方向を反転させるとともに原稿の表裏を逆転させて、該原稿の第一面と第二面との両面の読み取りを行うことを可能としたものがある。
このように構成した用紙搬送装置では、原稿の搬送方向を反転させる場合に、反転の前後で原稿の搬送経路が異なるものがあり、反転前後の搬送経路の分岐部にガイド部材を設けて、該ガイド部材により用紙が搬送される経路の切り換えを行うようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前述のガイド部材は、ソレノイド等の電気的な制御を要する部材により駆動されて搬送経路を切り換えるように構成されていたが、ガイド部材の駆動を電気的に行う場合は、原稿を搬送するためのフィードローラの回転駆動の制御と同期させて駆動する等の必要があり、搬送系のプログラム制御が複雑となっていた。
そこで、本発明においては、プログラム制御を複雑とすることなく、ガイド部材を簡単に駆動することが可能な用紙搬送装置を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以上のような課題を解決すべく、次のような手段を用いるものである。即ち、請求項1記載の如く、用紙供給部と、
前記用紙供給部から読取部を通り用紙排出部へ、用紙が反転されながら搬送される搬送経路と、
前記搬送経路から分岐して前記読取部を通らずに前記用紙排出部へ、用紙が反転されながら搬送される反転経路と、
前記反転経路の終端部に配設される正逆転可能な反転ローラと、
前記反転経路の終端部に配設され、前記反転ローラに圧接して従動するプレスローラと、
前記反転経路の終端部から前記読取部へ用紙が搬送される戻し経路と、
前記戻し経路と前記反転経路との分岐部に配設され、前記反転経路を搬送される用紙を前記戻し経路へ移送可能とするガイド部材と、
を備えた用紙搬送装置であって、
前記プレスローラのローラ軸と一体的に回転する第一ギヤと、
前記第一ギヤと噛合する第二ギヤと、
前記第二ギヤと噛合し回転軸を前記ローラ軸と一致させた内歯ギヤである第三ギヤと、
前記第三ギヤと前記ガイド部材との間に介装されるトルクリミッタと、
を備えていることを特徴とする用紙搬送装置とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、添付の図面より説明する。図1は本発明の用紙搬送装置が装着された画像読取装置を具備するファクシミリ装置を示す斜視図、図2は同じく正面断面図、図3は用紙搬送装置が構成されるADF装置を示す側面断面図、図4は第二ガイド部材の部分の構成を示す側面図、図5は同じく平面図、図6はギア機構を示す側面図である。
【0008】
まず、本発明の用紙搬送装置が装着された画像読取装置を具備するファクシミリ装置の概略構成について、図1、図2により説明する。
ファクシミリ装置Fは、記録装置1の上方に画像読取装置2を配置して構成され、該画像読取装置2は、記録装置1に対して回動支点1aを中心に上下回動可能とされている。記録装置1には記録装置3及び給紙カセット4がそれぞれ上下に内装されており、給紙カセット4内に堆積される用紙を記録装置3へ給紙して記録した後に、記録紙排出トレイ5から排出するように構成している。
【0009】
一方、画像読取装置2においては、上面を透明状の静止原稿載置面14とした読取ケース13内に読取装置6を収納しており、該静止原稿載置面14上に載置された原稿を該読取装置6により走査して、読み取りを行うようにしている
また、読取ケース13の上方には、その一辺を中心として開閉可能に構成されるプラテンカバー7が配置され、該プラテンカバー7により静止原稿載置面14上に載置された原稿を上方から押えるものとしている。
【0010】
プラテンカバー7の一端部には原稿を自動的に給紙する自動給紙装置(ADF装置)8が付設され、該自動給紙装置8は給紙装置11と用紙搬送装置12とにより構成されている。
そして、原稿供給トレイ9に載置した原稿等の用紙を、給紙装置11により一枚ずつピックアップして給紙口8aから用紙搬送装置12へ給送し、該用紙搬送装置12により原稿を静止原稿載置面14の一端部の読取部10へ搬送し、その内容を読取装置6により読み取った後に、排紙口8bからプラテンカバー7の上面に形成される原稿排出トレイ7cへ排出するように構成している。
【0011】
即ち、画像読取装置2は、読取装置6を走査させて静止原稿を読み取るフラットベッドタイプのスキャナとして用いるとともに、読取装置6を読取部10に位置固定して原稿を給送しながら読み取りを行うシートフィードタイプのスキャナとして用いることができるように構成されている。
【0012】
また、読取ケース13の一側方にはキーパネル15が付設され、該キーパネル15の各種操作キーを操作することにより、原稿内容の読み取りを行ったり、読み取った内容をファクシミリ送信する際の送信先の設定を行ったり、受信内容や読み取った内容の記録装置3による記録を行ったりするようにしている。
【0013】
次に、ADF装置8における用紙搬送装置12の構成について説明する。
図3に示すように、給紙装置11が配置される給紙口8aから読取部10までの間には、側面視略C字状の第一搬送路R1が形成され、読取部10から排紙口8bまでの間には排出路R3が形成されている。
給紙装置11の下流側には、該給紙装置11により一枚ずつ繰り出された原稿を第一搬送路R1へ搬送するフィードローラ24・25が配設されている。
第一搬送路R1の終端部及び排出路R3の始端部にはフィードローラ28が配設され、読取部10の上方に配置されている。また、排出路R3の終端部にはエキストローラ26及び該エキストローラ26に圧接するプレスローラ29が配設されている。
【0014】
前記第一搬送路R1におけるフィードローラ24・25の下流側近傍からは、側面視略C字状の第二搬送路R2が形成されており、該第二搬送路R2の終端部は前記排紙口8bの上方に配置されている。
前記エキストローラ26は、上下に配置される排出路R3の終端部と第二搬送路R2の終端部との間に配置され、該第二搬送路R2の終端部には、エキストローラ26に圧接するプレスローラ27が配設されている。
【0015】
第二搬送路R2の終端部からはフィードローラ28側へ戻し路R4が延出し、該戻し路R4は第一搬送路R1の下部と接続されている。また、前記排出路R3の終端部からは連結路R5が延出し、該連結路R5は戻し路R4の途中部と接続されている。
【0016】
第一搬送路R1と第二搬送路R2との分岐部には、a位置とb位置とに位置切換可能な第一ガイド部材37が設けられ、第二搬送路R2と戻し路R4との分岐部には、c位置とd位置とに位置切換可能な第二ガイド部材38が設けられ、排出路R3と連結路R5との分岐部には、e位置とf位置とに位置切換可能な第三ガイド部材39が設けられている。
【0017】
次に、このように構成された用紙搬送装置12により、原稿供給トレイ9に載置した原稿を搬送し、読取部10にて、その内容を読み取る際の機構について説明する。
まず、原稿の片面のみの読み取りを行う際には、読取面を上方に向けて原稿供給トレイ9に原稿を載置する。
原稿供給トレイ9に載置された原稿は、給紙装置11により一枚ずつ分離されて第一搬送路R1へ繰り出され、該フィードローラ24・25により下流側へ搬送される。
【0018】
この場合、前記第一ガイド部材37はa位置に切り換えられ、該第一ガイド部材37により第二搬送路R2の始端部が閉じられているので、フィードローラ24・25により搬送される原稿は、第一搬送路R1を読取部10側へ搬送される。搬送される原稿の先端部が読取部10に近づくと、該原稿は、回転駆動される前記フィードローラ28及び該フィードローラ28に圧接する従動ローラ32に受け継がれ、さらに搬送されて読取部10へ達する。
読取部10へ達した原稿は、その内容を読み取られた後、フィードローラ28及び該フィードローラ28に圧接する従動ローラ33により排出路R3へ搬送され、その後、該排出路R3の終端部に配設されるエキストローラ26及び該エキストローラ26に圧接するプレスローラ29によって、排紙口8bから原稿排出トレイ7cへ排出される。
【0019】
また、原稿の両面を読み取る場合の機構について説明する。尚、本説明では、原稿供給トレイ9に載置された原稿の下面を第一面と、上面を第二面と称する。
原稿の両面を読み取る場合には、初期状態として、第一ガイド部材37がb位置に切り換えられるとともに、第二ガイド部材38がd位置に切り換えられている。
【0020】
給紙装置11により一枚ずつ分離されて第一搬送路R1へ繰り出されて、フィードローラ24・25により下流側へ搬送される原稿は、第一搬送路R1が第一ガイド部材37により閉じられており、第二搬送路R2が開口しているので、該第二搬送路R2側へ搬送される。
第二搬送路R2を搬送される原稿は、第二ガイド部材38がd位置に切り換えられているので、エキストローラ26とプレスローラ27とのニップ部に案内され、該エキストローラ26とプレスローラ27とにより、原稿排出トレイ7cの上方の空間に搬送される。原稿排出トレイ7cの上方の空間に搬送された状態の原稿は、原稿供給トレイ9に載置された状態から反転しており、原稿の第一面は上面に位置している。即ち、第二搬送路R2は、原稿供給トレイ9に載置された原稿を反転させながら搬送する反転経路である。
尚、この場合、エキストローラ26はp1方向に回転駆動され、プレスローラ27はq1方向へ従動回転し、第二ガイド部材38はd位置に切り換えられた状態を維持している。
【0021】
エキストローラ26とプレスローラ27とにより搬送される原稿の後端部が、該エキストローラ26とプレスローラ27とのニップ部近傍にまで達すると、エキストローラ26及びプレスローラ27の回転方向が逆転するとともに、第二ガイド部材38がc位置へ切り換えられる。
即ち、エキストローラ26がp2方向へ回転駆動され、プレスローラ27がq2方向へ従動回転し、第二ガイド部材38により第二搬送路R2が閉じられるとともに戻し路R4が開口するため、原稿はスイッチバックされて戻し路R4を第一搬送路R1側へ搬送される。
【0022】
戻し路R4を搬送される原稿はフィードローラ28及び従動ローラ31により第一搬送路R1へ搬送された後、該フィードローラ28及び従動ローラ32により読取部10まで搬送される。即ち、戻し路R4は、第二搬送路R2の終端部へ搬送された原稿を搬送して読取部10へ案内する戻し経路である。
読取部10まで搬送された原稿は、第一面の内容を読み取られた後に、フィードローラ28及び従動ローラ33により排出路R3へ搬送される。
この場合、第三ガイド部材39はf位置に切り換えられており、排出路R3へ搬送された原稿は、p2方向へ回転駆動されるエキストローラ26及びr2方向へ従動回転するプレスローラ29によって、原稿排出トレイ7c側へさらに搬送される。原稿排出トレイ7c側へ搬送される原稿は、第一面が上面に、第二面が下面に位置している。
【0023】
原稿の後端部がエキストローラ26とプレスローラ29とのニップ部近傍まで達すると、エキストローラ26及びプレスローラ27の回転方向が逆転するとともに、第三ガイド部材39がe位置へ切り換えられる。
即ち、エキストローラ26がp1方向へ回転駆動され、プレスローラ29がr1方向へ従動回転し、第三ガイド部材39により排出路R3が閉じられるとともに連結路R5が開口するため、原稿はスイッチバックされて、連結路R5を通じて戻し路R4を第一搬送路R1側へ搬送される。
【0024】
戻し路R4を搬送される原稿はフィードローラ28及び従動ローラ31により第一搬送路R1へ搬送された後、該フィードローラ28及び従動ローラ32により読取部10まで搬送される。
読取部10まで搬送された原稿は、第二面が下面に位置しており、該第二面の内容を読み取られた後に、フィードローラ28及び従動ローラ33により排出路R3へ搬送される。
この場合、第三ガイド部材39はf位置に切り換えられており、エキストローラ26及びプレスローラ29の回転方向は、それぞれp2方向及びr2方向へ切り換えられているので、原稿は、該エキストローラ26及びプレスローラ29によって、原稿排出トレイ7cへ排出される。
【0025】
尚、第一面の読み取りが終了した後の原稿が、p1方向に回転駆動されるエキストローラ26及びr1方向に従動回転するプレスローラ29によりスイッチバックされて、連結路R5を通じて戻し路R4を第一搬送路R1側へ搬送されているときには、次の原稿を第二搬送路R2へ搬送し、エキストローラ26及びプレスローラ27により原稿排出トレイ7cの上方の空間に搬送するように構成している。
【0026】
また、第一搬送路R1における戻し路R4との合流部よりも下流側には位置検出センサ36が設けられており、前記プレスローラ29は下方に移動してエキストローラ26との圧接状態を解除可能に構成されている。
そして、戻し路R4から第一搬送路R1へ搬送された原稿の先端が該位置検出センサ36に検出されると、該プレスローラ29が下方へ移動してエキストローラ26との圧接状態を解除するとともに、該エキストローラ26の回転駆動方向がp2方向へ切り換えられる。
【0027】
これにより、第一搬送路R1へ搬送された原稿がフィードローラ28及び従動ローラ31・32により読取部10へ搬送されて第二面を読み取られている間に、原稿排出トレイ7cの上方の空間に搬送された次の原稿がスイッチバックされて、戻し路R4を搬送されることとなる。
その後、第二面を読み取られている原稿の後端を位置検出センサ36が検出すると、プレスローラ29が上方移動してエキストローラ26と圧接され、該エキストローラ26とプレスローラ29とにより第二面を読み取られた原稿が原稿排出トレイ7cへ排出されるとともに、戻し路R4を搬送されていた次の原稿が第一搬送路R1へ達し、さらには読取部10へ達して第一面の読取が開始される。
【0028】
以上の如く、このように、用紙搬送装置12においては、原稿の両面を読み取る場合には、まず、原稿を原稿供給トレイ9に載置された状態から第二搬送路R2に搬送して反転させ、その後スイッチバックして戻し路R4へ案内しさらに反転させて、原稿供給トレイ9に載置された状態での裏面(第一面)側を読み取り排出路R3へ搬送するようにしている。その後、排出路R3の終端部へ搬送した原稿を、スイッチバックして連結路R5を通じて戻し路R4へ案内し、再度反転させて表面(第二面)側を読み取るようにしている。
【0029】
そして、第二搬送路R2の終端部まで搬送されて反転した原稿をスイッチバックする際には、第二搬送路R2と戻し路R4との分岐部に配置される第二ガイド部材38を切り換えて該原稿を戻し路R4へ案内し、読取部10へ案内するように構成しているので、第二搬送路R2の終端部へ反転しながら搬送されてきた原稿を、エキストローラ26の回転駆動方向及び第二ガイド部材38の切換位置を切り換えるだけの簡単な操作で、読取部10へ搬送することが可能となるとともに、両面を読み取る際の原稿が搬送される経路の簡略化を図ることが可能となっている。
【0030】
また、この場合、原稿の2面目である表面(第二面)側の読み取りを行うときに、次の原稿を、第二搬送路R2や戻し路R4を通じて読取部10へ向かって搬送することができるようにしているので、読取途中の原稿の読み取りが終わり次第、次の原稿をすぐさま読取部10まで搬送することが可能であり、読取時間の大幅な短縮を実現している。
【0031】
次に、第二搬送路R2と戻し路R4との分岐部に配置され、原稿の搬送方向を切り換えるための第二ガイド部材38について説明する。
図4乃至図6に示すように、回転駆動される前記エキストローラ26に圧接するプレスローラ27はローラ軸27aを中心に回転している。第二ガイド部材38も該ローラ軸27aを中心に揺動可能であり、ローラ軸27aを中心に揺動することでc位置とd位置との位置切換を行うように構成されている。
【0032】
プレスローラ27とローラ軸27aとは一体的に回転可能であり、該ローラ軸27aと第二ガイド部材38とは、ギア機構51及びトルクリミッタ61を介して連結されている。
ギア機構51は、ローラ軸27aと一体的に回転する第一ギア52と、該第一ギア52と噛合する第二ギア53と、第二ギア53と噛合し回転中心をローラ軸27aと一致させた内歯ギアである第三ギア54とで構成されている。
ローラ軸27aの端部はADF装置8のフレーム8dに回転自在に支持されており、ギア機構51における第二ギア53の軸53aもフレーム8dに回転自在に支持されている。
【0033】
このように構成されるギア機構51においては、ローラ軸27aの回転により、例えば第一ギア52が左回転すると、該第一ギア52と噛合する第二ギア53は右回転し、該第二ギア53と噛合する第三ギア54は右回転することとなる。即ち、第一ギア52と第三ギア54との回転方向が逆方向となるように構成されている。
【0034】
また、トルクリミッタ61は、ローラ軸27aに回転自在に支持されるケース62と、該ケース62内でローラ軸27aに回転自在に嵌装される付勢部材63と、該ケース62と付勢部材63との間に介装され該付勢部材63を第二ガイド部材38側へ付勢する圧縮バネ64と、付勢部材63と第二ガイド部材38との間に介装される摩擦部材65とで構成されている。
摩擦部材65は、圧縮バネ64及び付勢部材63により第二ガイド部材38の側面に圧接されている。また、トルクリミッタ61のケース62と前記ギア機構51の第三ギア54とは一体的に回転可能に連結されている。
【0035】
ギア機構51及びトルクリミッタ61は以上の如く構成されており、例えばエキストローラ26がp1方向へ回転駆動されて、プレスローラ27がq1方向へ従動回転すると、ローラ軸27aと一体的に回転する第一ギア52はq1方向へ回転し、該第一ギア52に対して逆回転する第三ギア54は、トルクリミッタ61のケース62と一体的にq2方向へ回転することとなる。トルクリミッタ61のケース62がq2方向へ回転すると、圧縮バネ64により第二ガイド部材38側へ付勢される付勢部材63もq2方向へ回転する。
付勢部材63と第二ガイド部材38との間には、摩擦部材65により一定の摩擦力が付与されているため、該摩擦力により、該第二ガイド部材38は付勢部材63のq2方向への回転に伴ってq2方向へ回動、即ち上方回動する。
【0036】
第二ガイド部材38が上方回動してd位置へ達すると、該第二ガイド部材38は上方に配置される上部ストッパピン38b(図4図示)に当接し、上方への回動を阻止される。
該上部ストッパピン38bによる第二ガイド部材38の上方回動を阻止する力は、摩擦部材65からの摩擦力によって第二ガイド部材38に付与される上方回動力よりも大きく、該第二ガイド部材38はd位置で上方回動を停止し、付勢部材63はケース62とともにq2方向への回転を続ける。
即ち、エキストローラ26がp1方向へ回転駆動されて、プレスローラ27がq1方向へ回転すると、トルクリミッタ61により第二ガイド部材38がc位置からd位置まで上方回動される。
【0037】
逆に、エキストローラ26がp2方向へ回転駆動されて、プレスローラ27がq2方向へ従動回転すると、前述の場合と同様に、ギア機構51の第三ギア54がトルクリミッタ61のケース62と一体的にq1方向へ回転し、第二ガイド部材38が摩擦部材65の摩擦力によりd位置からc位置まで回動し、c位置へ達すると、該第二ガイド部材38の下方に配置される下部ストッパピン38aに当接して停止する。
【0038】
以上の如く、第二ガイド部材38は、エキストローラ26がp1方向へ回転駆動されるとc位置からd位置まで上方回動し、エキストローラ26がp2方向へ回転駆動されるとd位置からc位置まで下方回動するといったように、エキストローラ26の回転方向に応じて、その回動方向を切り換えられて揺動し、第二搬送路R2を開閉するように構成されてる。
このように、第二ガイド部材38を、原稿の搬送方向を反転させる反転ローラとしてのエキストローラ26の回転方向に応じて上下に揺動し、第二搬送路R2を開閉して原稿の案内方向を該第二搬送路R2と戻し路R4とに切り換えるように構成することで、第二搬送路R2により反転されながら該第二搬送路R2の終端部まで搬送されてきた原稿を、戻し路R4を通じて読取部10へ案内する際の搬送経路の切り換えを、エキストローラ26の回転方向を切り換えるだけで自動的に行うことができ、切換操作を簡略化することができる。
これにより、第二搬送路R2を通じて搬送されてきた原稿を、簡単に読取部10へ搬送することが可能となる。
【0039】
また、該第二ガイド部材38とエキストローラ26とは、プレスローラ27やギア機構51やトルクリミッタ61を介して連結されており、第二ガイド部材38の、エキストローラ26の回転方向に応じての揺動方向の切り換えを、これらのギア機構51やトルクリミッタ61といった機械的な構造部材により実現しているので、該第二ガイド部材38の駆動を、エキストローラ26等の駆動と同期させたりして電気的に制御する必要もなく、用紙搬送装置12のプログラム制御を簡素化することが可能となる。
これにより、第二搬送路R2を通じて搬送されてきた原稿を、簡単に読取部10へ搬送することができる。
【0040】
【発明の効果】
本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を奏する。
戻し経路と反転経路との分岐部に配設されるガイド部材は、反転ローラに従動するプレスローラの回転方向と反対方向に揺動することにより、反転経路を開閉可能である。このため、反転経路の終端部へ反転しながら搬送されてきた用紙を、反転ローラの回転駆動方向及びガイド部材の切換位置を切り換えるだけの簡単な操作で、読取部へ搬送することが可能となるとともに、両面を読み取る際の用紙が搬送される経路の簡略化を図ることが可能となる。
また、反転経路により反転されながら該反転経路の終端部まで搬送されてきた用紙を、戻し経路を通じて読取部へ案内する際の搬送経路の切り換えを、反転ローラの回転方向を切り換えるだけで自動的に行うことができ、切換操作を簡略化することができる。これにより、反転経路を通じて搬送されてきた用紙を、簡単に読取部へ搬送することが可能となる。
更に、該ガイド部材の駆動を、反転ローラ等の駆動と同期させたりして電気的に制御する必要もなく、用紙搬送装置のプログラム制御を簡素化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の用紙搬送装置が装着された画像読取装置を具備するファクシミリ装置を示す斜視図である。
【図2】同じく正面断面図である。
【図3】用紙搬送装置が構成されるADF装置を示す側面断面図である。
【図4】第二ガイド部材の部分の構成を示す側面図である。
【図5】同じく平面図である。
【図6】ギア機構を示す側面図である。
【符号の説明】
F ファクシミリ装置
R2 第二搬送路
R4 戻し路
2 画像読取装置
7c 原稿排出トレイ
8 ADF装置
9 原稿供給トレイ
12 用紙搬送装置
26 エキストローラ
27 プレスローラ
38 第二ガイド部材
51 ギア機構
61 トルクリミッタ
Claims (1)
- 用紙供給部と、
前記用紙供給部から読取部を通り用紙排出部へ、用紙が反転されながら搬送される搬送経路と、
前記搬送経路から分岐して前記読取部を通らずに前記用紙排出部へ、用紙が反転されながら搬送される反転経路と、
前記反転経路の終端部に配設される正逆転可能な反転ローラと、
前記反転経路の終端部に配設され、前記反転ローラに圧接して従動するプレスローラと、
前記反転経路の終端部から前記読取部へ用紙が搬送される戻し経路と、
前記戻し経路と前記反転経路との分岐部に配設され、前記反転経路を搬送される用紙を前記戻し経路へ移送可能とするガイド部材と、
を備えた用紙搬送装置であって、
前記プレスローラのローラ軸と一体的に回転する第一ギヤと、
前記第一ギヤと噛合する第二ギヤと、
前記第二ギヤと噛合し回転軸を前記ローラ軸と一致させた内歯ギヤである第三ギヤと、
前記第三ギヤと前記ガイド部材との間に介装されるトルクリミッタと、
を備えていることを特徴とする用紙搬送装置。
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