JP3682580B2 - 自動原稿搬送装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動的に原稿を順次給送して表裏両面の読み取りが可能な原稿搬送装置に関し、より詳細には、ページ順序が入れ替わり排出された原稿を元のページ順に揃え直す技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の自動原稿搬送装置では、原稿の両面を読み取る場合、まず、原稿を読取部へ給送して表面を読み取り、排出ローラにより排紙トレイ上の排出口へ搬送した後に、原稿の終端を挟持する排出ローラの回転方向を逆転し、該原稿を原稿戻し経路を通じて反転させつつ再度読取部へ給送して、次に裏面を読み取って排出トレイへ排出するように構成されていた。
この場合、原稿は裏面を下にして排出され、先の原稿の上に、次の原稿が順次堆積されて、給紙口に積まれていたページ順と入れ替わってしまう。
そこで、上記技術を改良したものとして、両面の読み取りを終えて排出口へ搬送された原稿を再度スイッチバックさせ、さらにもう一度原稿戻し経路を通じて読取部へ搬送し、このとき該読取部では読み取りを行わずそのまま通過させ、原稿の表面を下にして排出し、給紙口に積まれていたページ順に揃え直しながら順次積載していく技術が発明された。
【0003】
しかしながら、前記従来技術の後者においては、原稿両面読取後に、元のページ順に揃え直すため、再度排紙トレイ上でスイッチバック反転して原稿戻し経路へ給送し、再び原稿の表裏を反転させて表面を下にし排紙トレイへ排出し、順次積載していた。その結果、原稿は読取部を3回通過することとなり、3回目の通過においては、原稿の読み取りを行わないにも拘らず原稿読取部を通過させているため、その間次の原稿を給送することができず、よって、その読取処理時間は、前記従来技術の前者に比べて、およそ1倍半かかってしまう。
このため会議等で原稿を至急にコピーしたいときなど、枚数が多いほど時間がかかり、このようにページ順に揃え直して排出していては、時には、ユーザーの要望に反することにもなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
さらにユーザーの要望として、とりあえず、ページ順に揃えないまま、急いで排出した原稿を、その後、時間の余裕があるときに、元のページ順に揃え直したいということもある。また、パソコン等のプリンタによっては印刷された記録紙は表面を上にして排出されるため、先の記録紙の上に、次の記録紙が順次堆積されて、ページ順が入れ替わり、これを手作業で元のページ順に揃え直すとなると、手間、暇がかかり、自動で揃え直す装置を要望する声もある。
そこで、本発明では、これらの要望を鑑み、該要望を満足させた自動原稿搬送装置を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は以上のような課題を解決すべく、次のような手段を用いるものである。
すなわち、請求項1に記載の如く、原稿供給トレイに第1面を上にしてセットされた原稿を第1の原稿搬送経路を搬送して、読取部で原稿第1面を読み取った後、排出口へ送り、該排出口で原稿をスイッチバック反転させて第2の原稿搬送経路を搬送し、該第2の原稿搬送経路と前記第1の原稿搬送経路との合流部から原稿を再び第1の原稿搬送経路へ進入させて、前記読取部で原稿第2面を読み取った後、排出口へ送り、該排出口から原稿第2面を下にして排出トレイへ排出する両面読取高速排出モードを備えた自動原稿搬送装置において、前記原稿給紙トレイに、積載順序が上下逆に入れ替わってページ順序が入れ替わった原稿を若いページ側を下にしてセットし、該原稿を上から順に前記第1原稿搬送経路に取り込んで、前記読取部で読取処理を行わずに前記排出口へ送り、該排出口で原稿をスイッチバック反転させた後、原稿の表裏面を反転する原稿搬送経路を搬送して、前記排出トレイへ排出する、ページ順序を揃え直すための正順反転モードを備えた構成とする。
【0006】
また、請求項2に記載の如く、前記原稿の表裏面を反転する原稿搬送経路は、前記読取部を経由しない経路で構成する。
【0007】
あるいは、請求項3に記載の如く、前記原稿の表裏面を反転する原稿搬送経路は、前記第2の原稿搬送経路と、前記合流部から前記読取部を経て前記排出口へ至る前記第1の原稿搬送経路とで構成し、前記読取部では読取処理は行わずに原稿を通過させる構成とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、添付の図面を基に説明する。
図1は自動原稿搬送装置を採用するファクシミリの斜視図、図2は同じく側面断面図、図3は本発明に係る自動原稿搬送装置の自動原稿搬送装置(以下、「ADF」)の側面断面図、図4は本発明に係る自動原稿搬送装置の制御構成を示すブロック図、図5は原稿表面を読み取る際の原稿の流れを示すADFの側面断面図、図6は原稿裏面を読み取る際の原稿の流れを示すADFの側面断面図、図7は原稿表裏面を反転させる際の原稿の流れを示すADFの側面断面図、図8は本発明の第1実施例に係る自動原稿搬送装置の制御構成の第1段階を示す流れ図、図9は同じく第2段階を示す流れ図、図10は同じく第3段階を示す流れ図、図11は本発明の第2実施例に係る自動原稿搬送装置の制御構成の第1段階を示す流れ図、図12は同じく第2段階を示す流れ図、図13は同じく第3段階を示す流れ図である。
【0009】
本発明に係る両面原稿読取装置をファクシミリ装置を例にとり、まず、その全体構成から説明する。
図1、及び図2に示すファクシミリ装置は、記録部2の上方に読取部1を配置して構成されている。記録部2には、記録装置3及び給紙カセット4がそれぞれ上下に内装されており、給紙カセット4内に収納される用紙を記録装置3へ給紙して、記録した後に、記録紙排出トレイ5へ排出するように構成している。
【0010】
読取部1は、その一部構成体である読取ケース10の底面より延設されるヒンジ10bが、記録部2に配設されたヒンジピン1a上に枢支されていることにより、該記録部2に対して、ヒンジピン1aを支点として上下回動可能とされている。
【0011】
読取部1においては、読取ケース10内に読取装置6が収納されている。読取ケース10の上面には、透明状の静止原稿載置ベッド11を配設しており、該静止原稿載置ベッド11上に原稿が置かれると、該読取装置6が、図2の実線位置から仮想線位置まで移動して走査を行う。
【0012】
読取ケース10の上方には、その一辺を中心として上下開閉可能に構成される原稿押えカバー7が配置され、静止原稿載置ベッド11上に載置された原稿を原稿押えカバー7により上方から押えるものとしている。
【0013】
原稿押えカバー7の一端部には、ADF8が付設されている。ADF8の外観は、図1のように、読取装置6の走査方向と直交する方向上にて並列状にサイドフレーム7a・7bを立設しており、両サイドフレーム7a・7b間に、ADF8の原稿搬送部全体を覆う開閉可能なADFカバー14が挟まれるように配置されたものとなっている。各サイドフレーム7a・7bのADFカバー14側端部に沿う内側開口面には、図示されない板金製の側板がそれぞれ立状に固設されていて、例えば、後記の各フィードローラのうち、駆動ローラのローラ軸の各軸端を軸支している。サイドフレーム7a・7bの一方または両方は、該駆動ローラの駆動源及びその伝動系を覆っており、その内側面が該側板にて覆われているのである。
【0014】
これら原稿押えカバー7とサイドフレーム7a・7b、該両側板、そして、内装される駆動ローラ用駆動源及び伝動系がADF8の装置本体を形成し、該装置本体に左右を挟まれて、ADFカバー14にて覆われる原稿搬送部が配設されて、ADF8全体を構成している。
【0015】
ADF8の給紙口8aに連なるように、該原稿押えカバー7の上方に原稿供給トレイ9が配設されており、その上面には原稿ガイド9b・9bが並列状に立設され、該原稿ガイド9b・9bをスライドさせてシート原稿の両側面を挟み込み、原稿の給送を安定させる。そして、該原稿給紙トレイ9の下方における原稿押えカバー7の上面には、ADF8の該給紙口8aの直下に配置された排紙口8cに連なるように、原稿排出トレイ7cが一体成形されている。ADF8内には、給紙口8aから排紙口8cまで原稿搬送経路が構成されている。
【0016】
原稿供給トレイ9上に載せられたシート原稿は、一枚ずつピックアップされ、給紙口8aに挿入される。ADF8にて給紙されてプラテンガラス12の上を通過する原稿は、図2中で実線にて示した初期位置の読取装置6により読み取られる。読み取られた後の原稿は、排紙口8cから原稿排出トレイ7c上に排出される。
【0017】
このように、読取部1は、読取装置6を走査させて静止原稿を読み取るフラットベッドタイプのスキャナとして用いるとともに、読取装置6を位置固定して原稿をADF8に給送しながら読み取りを行うシートフィードタイプのスキャナとして用いることができるように構成されている。
【0018】
また、読取ケース10の一側方にはキーパネル13が付設されている。該キーパネル13の各種操作キーを押すことにより、原稿内容の読み取りを行ったり、読み取った内容をファクシミリ送信する際の送信先の設定を行ったり、受信内容や読み取った内容の記録装置3による記録を行ったり、様々な操作がなされるのである。
【0019】
次に本発明に係る自動シート搬送装置のADF8の内部構造について説明する。
なお、この説明において、図3に示す側面視にて、原稿搬送方向を前後方向(原稿搬送路について給紙口8a・排紙口8c側を前方、湾曲部(搬送方向折り返し部)側を後方とする。)とし、その水平方向における直交方向を左右方向として、各構造体の上下・前後位置を説明するものとする。
【0020】
まず、本発明に係る原稿搬送経路を概説すると、図3に示すように、前記排紙口8cの下方にシート原稿の搬送方向を逆転させる一時排出口8bが設けられ、まず、該給紙口8aから該一時排出口8bにかけて側面視、「つ」の字を左右反転させた形状の読取搬送経路R1が形成されている。該読取搬送経路R1における該一時排出口8bの後方に、それぞれ分岐点R・Qが設けられ、該分岐点Qより後方へ向けてスイッチバック経路R2が延設され、該読取搬送経路R1の湾曲部で連通されている。ここで、この連通個所を合流点Pとし、また、該分岐点Rより斜上方の排紙口8cに向けて、側面視、「J」字を寝かせた形状の反転経路R3が形成されている。
【0021】
次にシート原稿をフィードするローラの配置であるが、前記一時排出口8bと前記排紙口8cとの間には正逆回転可能なエキストラローラ30が配設され、その上下の原稿搬送経路R3・R1で摺接するように第2プレスローラ32と第1プレスローラ31とが配設されている。ここで、読取搬送経路R1におけるエキストラローラ30と第1プレスローラ31とのニップ部をE、反転経路R3におけるエキストラローラ30と第2プレスローラ32とのニップ部をGとする。
【0022】
また、給紙口8aの近傍にはセパレートローラ22とリタードローラ23とのニップ部Aが配設され、該セパレートローラ22の両端より前方に向けてアーム20・20が揺動自在に配設され、該アーム20・20の前端部にピックアップローラ21が軸支されている。そうして、給紙口8aから一時排出口8bまでの読取搬送経路R1に沿って、前記セパレートローラ22とリタードローラ23とのニップ部A、レジストローラ24とレジストフォローローラ25とのニップ部B、第1フィードローラ26と第1スレイブローラ27のニップ部C、第2フィードローラ28と第2スレイブローラ29のニップ部D、前記エキストラローラ30と第1プレスローラ31とのニップ部Eの順に配設され、また、スイッチバック経路R2の途次には第3フィードローラ33と第3スレイブローラ34とのニップ部Fが配設されている。
【0023】
前述の各ローラのうち、レジストローラ24、第1フィードローラ26、第2フィードローラ28、エキストラローラ30、及び第3フィードローラ33の各ローラ軸24a・26a・28a・30a・33aは、両軸端が、それぞれ前記のADF8装置本体の各側板に軸支されて、位置固定されており、ローラ22・23・24・26・28・30・33はサイドフレーム7a・7bのいずれか或いは両方の内部に配設された駆動源及び伝動機構により駆動されるようになっている。すなわち、該ローラ22・23・24・26・28・30・33は駆動ローラであって、それぞれに接触する各ローラ25・27・29・31・32・34が各駆動ローラに連れ回る従動ローラとなっている。
【0024】
そして、前記分岐点Qの直後方の読取搬送経路R1とスイッチバック経路R2との間に、該原稿搬送経路R1・R2間を切り換える第1振り分け部材38を配設し、また、前記分岐点Rの直後方の読取搬送経路R1と反転経路R3との間に、該原稿搬送経路R1・R3間を切り換える第2振り分け部材39を配設する。該振り分け部材38・39にはフィルム等の可撓性部材を使用し、その弾性、またはその自重を利用して経路の開閉を行うものや、あるいは、ソレノイド等のアクチュエータを用いて電気的に経路の切り換えを行うものがある。尚、前者は、後者に比べて安価で、且つ、構造的にも簡単であり、ここでは前者を採用し、該第1振り分け部材38、及び該第2振り分け部材39は通常、弾性力、又はその自重により読取搬送経路R1を塞ぎ、シート原稿の通過により該読取搬送経路R1を開閉するように構成する。
【0025】
次にシート原稿の搬送に係る各センサについて説明する。
まず、前記読取搬送経路R1の給紙口8a付近にはドキュメントセットセンサ(以下、「DSセンサ」)43が配設されている。給紙口8a奥深くにシート原稿がセットされると、該DSセンサ43により検知され、これによりスタートボタン19と駆動源41との間の回路が接続されて、前記駆動源41の駆動が可能な状態となり、逆に言えば、原稿がセットされていない状態では、該回路が遮断されたままでスタートボタン19を押しても該駆動源41は始動せず、こうして原稿の空送りが防止されている。
【0026】
そうして、前記読取搬送経路R1とスイッチバック経路R2との合流点P付近に第1位置検出センサ44を配設し、また、該読取搬送経路R1における分岐点Qと分岐点Rとの中間位置に第2位置検出センサ45を設け、それぞれ原稿の通過を検出する。
【0027】
前記センサ43・44・45はそれぞれその搬送経路における一方の側に発光素子を配置し、他方の側に受光素子を配置した光センサ、またはリミットスイッチ等により構成されており、センサ配置位置を通過するシート原稿の通過開始時、または通過完了時を検出し、図4に示すコントローラ40に制御信号(検出信号)を出力している。
【0028】
さらに、前記センサ43・44・45の他、図4に示す前述のコントローラ40には、以下に示す制御部材が接続されており、シート原稿の搬送パターンを制御している。
【0029】
前記駆動源41は、コントローラ40からの制御信号(駆動信号)を受信して駆動し、図示せぬ伝動機構を介してそれぞれのローラ22・23・26・28・30・33を駆動させる。
【0030】
尚、この駆動源41には、固定子の多相巻線に順次パルスを加え、その1パルスごとに回転子が一定角度だけ回転するステップモータ等を使用し、コントローラ40でステップ制御を行っている。すなわち、該コントローラ40にはカウンタ42が付設され、該カウンタ42により該駆動源41の回転ステップ数が計測され、それに基づきシート原稿の搬送距離が計算される。
【0031】
ここで、前記ローラ22・26・28・33の回転方向は駆動源41の回転方向に連動する一方で、エキストラローラ30においては駆動源41との間に正逆回転切替機構48が設けられ、駆動源41の回転方向に関わらず、適宜、回転方向が切り換えられている。
【0032】
前記正逆回転切替機構48は、駆動源41からの動力が伝達される駆動軸と、エキストラローラ30へ出力する出力軸との間に、一方は駆動軸と同方向の回転を伝達する同方向伝達機構を、他方はその回転方向を逆転して伝達する逆転伝達機構を介装し、該駆動軸、または該出力軸にスプライン嵌合させた電磁クラッチ等のクラッチを摺動変位させ、一方の伝達機構との接続を解除して、他方の伝達機構と接続し、正逆いずれか一方の回転のみが出力軸へ取り出される。
【0033】
こうしてコントローラ40から正逆回転切替機構48へ制御信号(切替信号)が出力されると、エキストラローラ30の回転方向が切り換わる。
以上は、全ローラの駆動源41が単一の場合であって、正逆回転切替機構48を介してエキストラローラ30を駆動する構成を示したが、エキストラローラ30の正逆回転の反転は上記記載の実施例に限定するものではない。
例えば、他の実施例としては、エキストラローラ30用に新たな駆動源を設け、つまり、エキストラローラ30とそれ以外のローラとは別々に駆動する構成とし、該新たな駆動源により直接、エキストラローラ30の回転を正逆反転してもよい。
【0034】
さらに、前記ピックアップローラ21、セパレートローラ22、及びレジストローラ24の各ローラと駆動源41との間には以下に示す制御装置が介設されている。
ピックアップローラ21は、ソレノイド等のアクチュエータ51を用いて上下に揺動する構成で、コントローラ40からの制御信号(駆動信号)を受信して、該ソレノイドにパルスが印加され、該アクチュエータ51が作用して、該ピックアップローラ21を下方へ回動させ、シート原稿が押さえ込まれる。
セパレートローラ22、及びレジストローラ24については、それぞれ駆動源41との間には電磁クラッチ等のクラッチ52・53が介設されており、該コントローラ40からの制御信号(断接信号)を受信して、該クラッチ52(53)を接続、または切断し、該ローラ22(24)を駆動・停止させている。
【0035】
そうして、前記第1プレスローラ31は、カム機構等で構成された昇降機構49により上下に摺動可能に構成され、該コントローラ40からの制御信号(昇降信号)を受信して、該第1プレスローラ31を上下に摺動変位させる。
【0036】
また、図1に示すキーパネル13上には、片面/両面読取の変換等、読取モードの設定を行うファンクションキー18、シート原稿の取り込み操作を開始させるスタートボタン19、そして、複数枚のシート原稿を連続して読み取る時などその読取操作を途中で停止するストップボタン16等が配置されており、該ファンクションキー18やスタートボタン19、ストップボタン16等の操作が成されると、該コントローラ40へ制御信号が出力される。
【0037】
通常、シート原稿は片面読取モードで読み取られ、前記ファンクションキー18で読取モードの設定を変更することで、両面読取へと切り換わる。また、両面読取モードには、読取処理時間の短縮を図った高速排出モードと、給紙口8aにセットされたときのページ順に揃え直して排出する正順排出モードとがあり、さらに、これらのモードを選択設定して原稿の読み取りを行う。
【0038】
但し、高速排出モードで読み取りを行った場合には、シート原稿は表面を上にして排出されるため、先のシート原稿の上に、次のシート原稿が順次堆積されて、給紙口8aに積まれていたページ順と入れ替わってしまう。
【0039】
そこで、本発明では、読取処理は行わずに、このようにページ順序が入れ替わった原稿を、元のページ順に戻すための新たな処理機能(正順反転モード)を増設することとする。
以下、両面読取における高速排出モードと、正順排出モードを概略説明し、その後で、本発明に係る正順反転モードを説明する。
【0040】
まず、前記高速排出モードについてであるが、原稿給紙トレイ9に、若いページ側が上になるようにセットされたシート原稿は、まず、原稿第1ページが上となった最上層のシート原稿が取り込まれて、その第1過程で、図5に示すように、給紙口8a→ニップ部A→合流点P→ニップ部B→ニップ部C→ニップ部D→分岐点Q→分岐点R→ニップ部E→一時排出口8bへと搬送されて原稿表面、つまり、この場合、原稿第1ページの読み取りが行われる。そして、その第2過程では、図6に示すように、一時排出口8b→ニップ部E→分岐点R→分岐点Q→ニップ部F→合流点P→ニップ部B→ニップ部C→ニップ部D→分岐点Q→分岐点R→ニップ部E→一時排出口8bへと搬送されてその裏面、この場合では、原稿第2ページの読み取りが行われ、そのまま原稿の裏面(原稿第2ページ)を下にして排出トレイ7cへ排出される。
【0041】
こうして、給紙トレイ9にセットされたシート原稿は、上から順に読み取られて、排出トレイ7cでは、先に処理されたシート原稿の上に、次に処理されるシート原稿が積載される結果、その積載順序が上下逆に入れ替わる。但し、このとき、各シート原稿とも、裏面が下となって排出されるため、排出トレイ7cでは、1枚目のシート原稿の1ページの上に、2枚目のシート原稿の4ページが向かい合わせとなって重ねられるというように、ページ順序が入れ替わってしまう。
【0042】
次に、前記正順排出モードについて説明する。前記高速排出モード同様に、原稿給紙トレイ9にセットされたシート原稿は、まず、原稿第1ページが上となった最上層のシート原稿が取り込まれて、その第1過程で、図5に示すように、給紙口8a→ニップ部A→合流点P→ニップ部B→ニップ部C→ニップ部D→分岐点Q→分岐点R→ニップ部E→一時排出口8bへと搬送されて原稿表面、つまり、この場合、原稿第1ページの読み取りが行われる。そして、その第2過程では、図6に示すように、一時排出口8b→ニップ部E→分岐点R→分岐点Q→ニップ部F→合流点P→ニップ部B→ニップ部C→ニップ部D→分岐点Q→分岐点R→ニップ部E→一時排出口8bへと搬送されてその裏面、この場合は、原稿第2ページの読み取りが行われる。さらに、その第3過程で、図7に示すように、一時排出口8b→ニップ部E→分岐点R→ニップ部G→排紙口8cへと搬送して原稿表裏を反転し、今度は、原稿の表面(原稿第1ページ)を下にして排出トレイ7cへ排出される。
尚、この正順排出モードでは、該第3過程の処理分だけ、前記高速排出モードに比べてその処理時間が長くなっている。
【0043】
こうして、給紙トレイ9にセットされたシート原稿は、上から順に読み取られて、排出トレイ7cでは、先に処理されたシート原稿の上に、次に処理されるシート原稿が積載される結果、その積載順序が上下逆に入れ替わる。但し、この場合は、各シート原稿とも、表面が下となって排出されるため、排出トレイ7cでは、該シート原稿は下から順にページ順となって堆積される。
【0044】
次に、本発明に係る正順反転モードについて詳説する。以下に、その実施例を2通り開示するが、その制御構成等は、該2通りの実施例に限定することなく、請求項1、請求項2、又は請求項3記載の構成であれば、他の構成としてもよい。
【0045】
まず、その第1実施例についてであるが、高速排出モード等を通してページ順序が入れ替わったシート原稿を、そのまま若いページ側を下にして、原稿給紙トレイ9にセットする。すなわち、このとき最上層のシート原稿は、最終ページと、最後から2番目のページとから成り、また、各シート原稿とも、表面、つまり、各シート原稿におけるページ数の若い方の面が上となって積載されている。
【0046】
そして、スタート操作により、最上層のシート原稿から取り込まれ、該最上層のシート原稿は、その第1過程で、図5に示すように、給紙口8a→ニップ部A→合流点P→ニップ部B→ニップ部C→ニップ部D→分岐点Q→分岐点R→ニップ部E→一時排出口8bへと搬送される。そして、その第2過程では、図6に示すように、一時排出口8b→ニップ部E→分岐点R→分岐点Q→ニップ部F→合流点P→ニップ部B→ニップ部C→ニップ部D→分岐点Q→分岐点R→ニップ部E→一時排出口8bへと搬送され、原稿の裏面、つまり、該最上層のシート原稿の場合は、最終ページの面を下にして排出トレイ7cへ排出される。
尚、該第1過程、及び該第2過程では、読取処理は行われないものとする。
【0047】
こうして、給紙トレイ9にセットされたシート原稿は、上から順に取り込まれて、排出トレイ7cでは、先に処理されたシート原稿の上に、次に処理されるシート原稿が積載されて、その積載順序が上下逆に入れ替わる。但し、このとき、各シート原稿とも、裏面、すなわち、各シート原稿におけるページ数の高い方の面が下となって排出されるため、排出トレイ7cでは、該シート原稿は上から順にページ順となって堆積され、シート原稿は元のページ順、すなわち、正規のページ順序に揃え直される。
尚、反転経路R3を有さない簡単な構成の自動原稿搬送装置でも、この第1実施例に係る制御を採用することができる。
【0048】
次に、本発明の第1実施例に係る制御構成について、図8乃至図10に示すフローチャートに基づき詳説する。
図8に示すように、まず、ユーザーは、ページ順序が入れ替わったシート原稿を、そのまま若いページ側が下になるようにして、給紙口8aに挿し込んでセットする(ステップS1)。これにより、該シート原稿の先端が前記DSセンサ43によって検知され(ステップS2)、原稿の取り込みが可能な状態となる。
【0049】
次にユーザーは前記キーパネル13のファンクションキー18を操作して、前記正順反転モードを選択設定し(ステップS3)、キーパネル13に配設されたスタートボタン19を押すと(ステップS4)、前記コントローラ40より各ローラ22・23・24・26・28・30・33の駆動源41、ピックアップローラ21のアクチュエータ51、及びセパレートローラ22のクラッチ52へ制御信号が出力され、該アクチュエータ51のソレノイドが励磁される。これによりピックアップローラ21は下方へ回動して、シート原稿を押さえ込み、その位置姿勢は全シート原稿の取り込みが終了するまで保持される。そして、駆動源41が始動するとともにセパレートローラ22のクラッチ52が接続され、該ピックアップローラ21、セパレートローラ22、及びリタードローラ23等により、最終ページと、最後から2番目のページが割り振りされ、該最終ページを下にして積載された最上層のシート原稿のみが分離されて給紙口8aからゆっくりと読取搬送経路R1へ取り込まれる(ステップS5)。
【0050】
そして、前記シート原稿の先端が第1位置検出センサ44で検知されると(ステップS6)、コントローラ40から前記アクチュエータ51へ制御信号が出力されて、ピックアップローラ21が上昇し(ステップS7)、シート原稿はレジストローラ24とレジストフォローローラ25によって給送される。
【0051】
そうして、前記シート原稿の搬送は、第1フィードローラ26と第1スレイブローラ27、及び第2フィードローラ28と第2スレイブローラ29とに受け継がれ、図9に示すように、該シート原稿は第1振り分け部材38、第2振り分け部材39を押し上げて遮断されている読取搬送経路R1を開き、さらに下流側へと搬送されて、該シート原稿の終端が第2位置検出センサ45で検知されると(ステップS8)、その瞬間にコントローラ40からエキストラローラ30の正逆回転切替機構48へ制御信号が出力され、該シート原稿の先端部が一時排出口8bから排出され、その終端部が分岐点Qと分岐点Rとの中間位置にあって、なお、該第2振り分け部材39を押し上げた状態で、エキストラローラ30を一旦停止させ、逆転方向(図6においては時計方向)へ回転させる(ステップS9)。
【0052】
前記シート原稿の終端部が分岐点Qを通過した後は、前記第1振り分け部材38は自重により復元してスイッチバック経路R2の通過を可能とするとともに再び読取搬送経路R1を遮断しており、そのため、該シート原稿はエキストラローラ30と第1プレスローラ31とによりスイッチバック経路R2へと送られる。
【0053】
そうして、前記シート原稿はスイッチバック経路R2を経由して、再び、読取搬送経路R1へ進入し、その先端(スイッチバック反転前の終端)が第1位置検出センサ44で検知されると(ステップS10)、コントローラ40から第1プレスローラ31の昇降機構49へ制御信号が出力され、該昇降機構49を作動させて第1プレスローラ31を下降させる(ステップS11)。
【0054】
こうしてエキストラローラ30と第1プレスローラ31とを離間させることによって、ニップ部E位置で、搬送方向が互いに逆方向となるシート原稿の先端側と終端側とを、円滑に擦れ違わせている。そして、該シート原稿の終端が第1位置検出センサ44位置を通過し終えると(ステップS12)、その検知信号がコントローラ40へ出力され、該コントローラ40から正逆回転切替機構48、及び昇降機構49へ制御信号が出力される。
【0055】
これにより、エキストラローラ30を一旦停止させて正転方向(図6においては反時計方向)へ回転させ(ステップS13)、また、昇降機構49の作動状態が解除されて、第1プレスローラ31が上昇し、エキストラローラ30と第1プレスローラ31とを再びニップさせる(ステップS14)。
【0056】
また、このとき、図10に示すように、前記DSセンサ43によって、次のシート原稿が検出されている場合には(ステップS15)、コントローラ40から前記アクチュエータ51へ制御信号が出力される。これにより、該アクチュエータ51のソレノイドが励磁されて、ピックアップローラ21が下降する(ステップS16)。こうして、ピックアップローラ21、セパレートローラ22、及びリタードローラ23等によって、最後から3番目のページと、4番目のページが割り振りされ、該最後から3番目のページを下にして積載された上から2枚目のシート原稿が分離されて給紙口8aから読取搬送経路R1へと取り込まれる(ステップS17)。
【0057】
その後、先に取り込まれたシート原稿は、第1振り分け部材38、第2振り分け部材39を押し上げてさらに下流側へと搬送され、エキストラローラ30と第1プレスローラ31とで繰り出され、裏面、つまり、前記最上層のシート原稿の場合では、最終ページの面が下となって、排出トレイ7cへ排出される(ステップS18)。一方、次に取り込まれたシート原稿は、上記のステップS6に戻り、以下、先のシート原稿と同様のフローを辿ってその処理が行われる。
【0058】
こうして、シート原稿は上から順に次々と取り込まれて処理され、但し、全てのシート原稿の取り込みを終えたときには、前記ステップS15で、DSセンサ43がOFFとなって給紙口8aにはシート原稿がないと判断される。そして、最後に取り込まれたシート原稿の終端が第2位置検出センサ45位置を通過し終えると(ステップS19)、その検知信号がコントローラ40へ出力され、これにより前記カウンタ42では、該シート原稿の終端が該第2位置検出センサ45位置からエキストラローラ30と第1プレスローラ31とのニップ部E位置まで搬送される距離に相当する駆動源41の所定の回転ステップ数がカウントされ、該所定の回転ステップ数に達した後(ステップS20)、コントローラ40から駆動源41へ制御信号が出力されて、該駆動源41を停止させる(ステップS21)。
こうして、一連の動作が完了し、シート原稿は元のページ順、すなわち、正規のページ順序に揃え直される。
【0059】
次に、本発明に係る正順反転モードの第2実施例を説明する。
前記第1実施例と同様に、原稿給紙トレイ9にセットされたシート原稿は、まず、最終ページと、最後から2番目のページが割り振りされた最上層のシート原稿から取り込まれ、該最上層のシート原稿は、その第1過程で、図5に示すように、給紙口8a→ニップ部A→合流点P→ニップ部B→ニップ部C→ニップ部D→分岐点Q→分岐点R→ニップ部E→一時排出口8bへと搬送される。そして、その第2過程では、図7に示すように、一時排出口8b→ニップ部E→分岐点R→ニップ部G→排紙口8cへと搬送して原稿表裏を反転し、原稿の裏面、つまり、該最上層のシート原稿の場合は、最終ページの面を下にして排出トレイ7cへ排出される。
尚、該第1過程では、読取処理は行われないものとする。
【0060】
こうして、給紙トレイ9にセットされたシート原稿は、上から順に取り込まれて、排出トレイ7cでは、先に処理されたシート原稿の上に、次に処理されるシート原稿が積載されて、その積載順序が上下逆に入れ替わる。但し、このとき、各シート原稿とも、裏面、すなわち、各シート原稿におけるページ数の高い方の面が下となって排出されるため、排出トレイ7cでは、該シート原稿は上から順にページ順となって堆積され、シート原稿は元のページ順、すなわち、正規のページ順序に揃え直される。
【0061】
尚、この第2実施例と、前記第1実施例とは、ともに、その第1過程では、同じ読取搬送経路R1にてシート原稿は搬送されるのであるが、その第2過程で、それぞれ、第1実施例では、搬送経路R1・R2・R1を経てシート原稿が搬送され、第2実施例では反転経路R3を経ることとなり、よって、該第2実施例に係る反転経路R3は、該第1実施例に係る搬送経路R1・R2・R1よりもその距離が短いことから、この第2実施例では、さらに高速処理を図ることができる。
次に、その制御構成について、図11乃至図13に示すフローチャートに基づき詳説する。
【0062】
図11に示すように、まず、ユーザーは、ページ順序が入れ替わったシート原稿を、そのまま若いページ側が下になるようにして、給紙口8a奥深くに挿し込んでセットする(ステップT1)。これにより、該シート原稿の先端が前記DSセンサ43によって検知され(ステップT2)、原稿の取り込みが可能な状態となる。
【0063】
次にユーザーは前記キーパネル13のファンクションキー18を操作して、前記正順反転モードを選択設定し(ステップT3)、キーパネル13に配設されたスタートボタン19を押すと(ステップT4)、前記コントローラ40より各ローラ22・23・24・26・28・30・33の駆動源41、ピックアップローラ21のアクチュエータ51、及びセパレートローラ22のクラッチ52へ制御信号が出力され、該アクチュエータ51のソレノイドに正のパルスが印加され、該ソレノイドは瞬間的に励磁される。これによりピックアップローラ21は下方へ回動して、シート原稿を押さえ込み、その位置姿勢は全シート原稿の取り込みが終了するまで保持される。そして、駆動源41が始動するとともにセパレートローラ22のクラッチ52が接続され、該ピックアップローラ21、セパレートローラ22、及びリタードローラ23等により、最終ページと、最後から2番目のページが割り振りされ、該最終ページを下にして積載された最上層のシート原稿のみが分離されて給紙口8aからゆっくりと読取搬送経路R1へ取り込まれる(ステップT5)。
【0064】
そして、前記シート原稿の先端が第1位置検出センサ44で検知されると(ステップT6)、コントローラ40から前記アクチュエータ51へ制御信号が出力されて、ピックアップローラ21が上昇し(ステップT7)、シート原稿はレジストローラ24とレジストフォローローラ25によって給送される。
【0065】
そうして、前記シート原稿の搬送は、第1フィードローラ26と第1スレイブローラ27、及び第2フィードローラ28と第2スレイブローラ29とに受け継がれ、該シート原稿は第1振り分け部材38を押し上げて遮断されている読取搬送経路R1を開き、さらに下流側へと繰り送られる。
【0066】
尚、ここで、最初に取り込まれた、最上層のシート原稿が搬送されている場合には、駆動源41の起動により既にエキストラローラ30が正転方向(図5においては反時計方向)に回転しているため、後述のステップT11にジャンプし、一方、2枚目以降に取り込まれたシート原稿の場合は(ステップT8)、以下のステップT9、T10を経た後、該ステップT11が実行されるように制御されている。
【0067】
すなわち、2枚目以降のシート原稿が搬送されている場合には、その前に取り込まれたシート原稿の排出過程で、後述のステップT13によってエキストラローラ30が逆転方向(図7においては時計方向)に回転しており、よって、ここで、該エキストラローラ30の回転方向を反転させておく。
図12に示すように、前記第2位置検出センサ45で該2枚目以降のシート原稿の先端が検知されると(ステップT9)、コントローラ40からエキストラローラ30の正逆回転切替機構48へ制御信号が出力され、該エキストラローラ30を一旦停止させ、正転方向(図5においては反時計方向)に回転させる(ステップT10)。
【0068】
そうして、最上層のシート原稿、及び2枚目以降に取り込まれたシート原稿の両場合において、該シート原稿は第2振り分け部材39を押し上げて、さらに下流側へと搬送され、その終端が第2位置検出センサ45位置を通過し終えると(ステップT11)、その検知信号がコントローラ40へ出力され、前記カウンタ42では、該シート原稿の終端が該第2位置検出センサ45位置から分岐点Rとニップ部Eとの中間位置まで搬送される距離に相当する駆動源41の回転ステップ数(第1の回転ステップ数)がカウントされて、該第1の回転ステップ数に達した後(ステップT12)、該コントローラ40からエキストラローラ30の正逆回転切替機構48へ制御信号が出力される。このとき、該シート原稿の先端部が一時排出口8bから排出され、その終端部は、第2振り分け部材39を一時排出口8b側方向へ完全に通過し終えているため、該第2振り分け部材39は自重により復元して反転経路R3への進入を可能とするとともに、読取搬送経路R1を遮断している。ここで、エキストラローラ30を一旦停止させて、逆転方向(図7においては時計方向)に回転させ(ステップT13)、スイッチバック反転したシート原稿は、第2振り分け部材39に案内されて反転経路R3へ給送される。
【0069】
また、このとき同時に、図13に示すように、前記DSセンサ43によって、次のシート原稿が検出されていれば(ステップT14)、コントローラ40から前記アクチュエータ51へ制御信号が出力される。これにより、該アクチュエータ51が励磁されて、ピックアップローラ21が下降する(ステップT15)。こうして、ピックアップローラ21、セパレートローラ22、及びリタードローラ23等によって、最後から3番目のページと、4番目のページが割り振りされ、該最後から3番目のページを下にして積載された上から2枚目のシート原稿が分離されて給紙口8aから読取搬送経路R1へと取り込まれる(ステップT16)。
【0070】
そうして、一方の先に取り込まれたシート原稿は、エキストラローラ30と第2プレスローラ32とで繰り出され、裏面、つまり、前記最上層のシート原稿の場合では、最終ページの面が下となって、排出トレイ7cへ排出される(ステップT17)。他方、次に取り込まれたシート原稿は、上記のステップT6に戻り、以下、先のシート原稿と同様のフローを辿ってその処理が行われる。
【0071】
こうして、シート原稿は上から順に次々と取り込まれて処理され、但し、全てのシート原稿の取り込みを終えたときには、前記ステップT14で、DSセンサ43がOFFとなって給紙口8aにはシート原稿がないと判断される。そして、最後に取り込まれたシート原稿が、一時排出口8bでスイッチバック反転すると、このときより、前記カウンタ42では、該シート原稿の先端(スイッチバック反転前の終端)が分岐点Rとニップ部Eとの中間位置から排紙口8cまで搬送される距離と、該シート原稿の先端から終端までの長さとの和に相当する駆動源41の回転ステップ数(第2の回転ステップ数)がカウントされ、該第2の回転ステップ数に達した後(ステップT18)、コントローラ40から駆動源41へ制御信号が出力されて、該駆動源41を停止させる(ステップT19)。
こうして、一連の動作が完了し、シート原稿は元のページ順、すなわち、正規のページ順序に揃え直される。
【0072】
【発明の効果】
本発明は以上の如く構成したので、以下のような効果を奏するものである。
すなわち、原稿供給トレイに第1面を上にしてセットされた原稿を第1の原稿搬送経路を搬送して、読取部で原稿第1面を読み取った後、排出口へ送り、該排出口で原稿をスイッチバック反転させて第2の原稿搬送経路を搬送し、該第2の原稿搬送経路と前記第1の原稿搬送経路との合流部から原稿を再び第1の原稿搬送経路へ進入させて、前記読取部で原稿第2面を読み取った後、排出口へ送り、該排出口から原稿第2面を下にして排出トレイへ排出する両面読取高速排出モードを備えた自動原稿搬送装置において、この両面読取高速排出モードで原稿表裏両面を読み取った後、そのまま排出すると、排出トレイではページ順序が入れ替わって堆積されているのであるが、請求項1の発明のように、自動原稿搬送装置に正順排出モードを設けたことで、このページ順序が入れ替わった原稿の積載順序を、元のページ順序、すなわち、正規のページ順序に揃え直すことができる。
その他、パソコン等のプリンタで、先に打ち出された記録紙の上に、次の記録紙が順次堆積されて、ページ順序が入れ替わって堆積された記録紙等に対しても、前記自動原稿搬送装置の反転機構は有効で、そのままページ順序が入れ替わったまま、該記録紙を該自動原稿搬送装置にセットし処理すれば、正規のページ順に揃え直すことができる。
このように、自動原稿搬送装置に正順排出モードを設けたことで、ユーザーの手間、暇を省いて、簡単にページ順序が入れ替わった原稿等を、揃え直すことができ、作業性の向上を図ることができる。
さらに、この正順排出モードは、コストをかけずに、ファクシミリ等の自動原稿搬送装置に付設することができ、ユーザーに安価な自動原稿搬送装置を提供することができる。
【0073】
また、請求項2の発明では、前記原稿の表裏面を反転する原稿搬送経路は、前記読取部を経由しない経路で構成したことによって、ページ入れ替えに要する処理時間を短縮することができ、作業性の向上を図ることができる。
【0074】
そして、請求項3の発明では、前記原稿の表裏面を反転する原稿搬送経路は、前記第2の原稿搬送経路と、前記合流部から前記読取部を経て前記排出口へ至る前記第1の原稿搬送経路とで構成し、前記読取部では読取処理は行わずに原稿を通過させることで、コストをかけずに、ファクシミリ等の自動原稿搬送装置に正順排出モードを付設することができ、ユーザーに安価な自動原稿搬送装置を提供することができる。
さらに、この構成では、片面読み取りの機能しか有さない自動原稿搬送装置に対しても、正順排出モードを付設することができ、さらに機能が充実して、汎用性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動原稿搬送装置を採用するファクシミリの斜視図。
【図2】同じく側面断面図。
【図3】本発明に係る自動原稿搬送装置のADFの側面断面図。
【図4】本発明に係る自動原稿搬送装置の制御構成を示すブロック図。
【図5】原稿表面を読み取る際の原稿の流れを示すADFの側面断面図。
【図6】原稿裏面を読み取る際の原稿の流れを示すADFの側面断面図。
【図7】原稿表裏面を反転させる際の原稿の流れを示すADFの側面断面図。
【図8】本発明の第1実施例に係る自動原稿搬送装置の制御構成の第1段階を示す流れ図。
【図9】同じく第2段階を示す流れ図。
【図10】同じく第3段階を示す流れ図。
【図11】本発明の第2実施例に係る自動原稿搬送装置の制御構成の第1段階を示す流れ図。
【図12】同じく第2段階を示す流れ図。
【図13】同じく第3段階を示す流れ図。
【符号の説明】
7c 排出トレイ
8 ADF
8a 給紙口
8b 第1反転口
8c 排紙口
9 給紙トレイ
13 キーパネル
18 ファンクションキー
R1 読取搬送経路
R2 スイッチバック経路
R3 反転経路
Claims (3)
- 原稿供給トレイに第1面を上にしてセットされた原稿を第1の原稿搬送経路を搬送して、読取部で原稿第1面を読み取った後、排出口へ送り、該排出口で原稿をスイッチバック反転させて第2の原稿搬送経路を搬送し、該第2の原稿搬送経路と前記第1の原稿搬送経路との合流部から原稿を再び第1の原稿搬送経路へ進入させて、前記読取部で原稿第2面を読み取った後、排出口へ送り、該排出口から原稿第2面を下にして排出トレイへ排出する両面読取高速排出モードを備えた自動原稿搬送装置において、
前記原稿給紙トレイに、積載順序が上下逆に入れ替わってページ順序が入れ替わった原稿を若いページ側を下にしてセットし、該原稿を上から順に前記第1原稿搬送経路に取り込んで、前記読取部で読取処理を行わずに前記排出口へ送り、該排出口で原稿をスイッチバック反転させた後、原稿の表裏面を反転する原稿搬送経路を搬送して、前記排出トレイへ排出する、ページ順序を揃え直すための正順反転モードを備えたことを特徴とする自動原稿搬送装置。 - 前記原稿の表裏面を反転する原稿搬送経路は、前記読取部を経由しない経路で構成したことを特徴とする請求項1に記載の自動原稿搬送装置。
- 前記原稿の表裏面を反転する原稿搬送経路は、前記第2の原稿搬送経路と、前記合流部から前記読取部を経て前記排出口へ至る前記第1の原稿搬送経路とで構成し、前記読取部では読取処理は行わずに原稿を通過させることを特徴とする請求項1に記載の自動原稿搬送装置。
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