JP4140172B2 - 開閉体の開閉状態検知機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、装置本体に対し回動支点を中心にして回動可能であり、且つ上下移動可能である開閉体の開閉状態を、検知するための開閉状態検知機構の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、読取面に本等の原稿を静止状に載置して、該静止原稿を読み取る画像読取装置、所謂フラットベッドタイプの画像読取装置においては、該読取部に載置した原稿を読取面に押圧するプラテンカバーが、その一辺を回動支点として開閉可能に設けられている。
このような開閉体であるプラテンカバーは、読取部に対して上下移動可能に構成されており、本等の厚みがある原稿を読取面に載置した場合には、回動支点部分がリフトアップし、プラテンカバーが持ち上げられた状態で原稿を押圧するように構成されている。
また、プラテンカバーには、該プラテンカバーの開閉状態を検知する開閉状態検知機構としてのブックインデックスセンサが構成されている。
該ブックインデックスセンサは、例えば、プラテンカバーを支持する装置本体にフィーラを立設し、プラテンカバーに透過型センサ等で構成される開閉センサを取り付けて、プラテンカバーを閉じていくとフィーラが開閉センサを通過するように構成することが考えられる。
この場合、開状態のプラテンカバーを閉じていき、フィーラが開閉センサを通過して光が遮られると、光が遮られると同時に原稿サイズ読取用のセンサが作動して、読取面に載置された原稿のサイズを判定するように構成することができる。
【0003】
例えば、図9に示すように、画像読取装置の読取部101の上方にプラテンカバー102を配置し、該プラテンカバー102を、ヒンジ部103の回動支点103aを中心に回動可能とする。
ヒンジ部103は、回動支点103aとなる一辺の両端部に設けられ、本等の厚みがある原稿を読取面に載置してプラテンカバー102を閉じるとリフトアップするように構成されており、該プラテンカバー102は持ち上げられた状態で閉じることとなる。
また、読取部101にはフィーラ104が固設され、プラテンカバー102には開閉センサ105が取り付けられている。
そして、プラテンカバー102を閉じていき、フィーラ104が、略凹型に形成される開閉センサ105の検知部105aを通過し、これによりプラテンカバー102がほとんど閉じた状態にあることを開閉センサ105によって検知するように構成している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前述の如く、プラテンカバー102の開閉状態の検知は、読取部101に固設されたフィーラ104が、プラテンカバー102に取り付けられた開閉センサ105を通過することで行われるが、本等の厚みのある原稿を読み取る際には、閉じたプラテンカバー102はリフトアップされて上方に持ち上げられた状態となる。
そして、例えば、厚みのある本等の最初のページや最後のページを原稿として読み取る場合には、図10に示す如く、一方のヒンジ部103が他方のヒンジ部103よりも大きくリフトアップされ、プラテンカバー102が極端に傾くこととなる。
このように、プラテンカバー102が片上がり状態で閉じられると、フィーラ104と開閉センサ105の検知部105aとの位置がずれて、該フィーラ104が検知部105aに接触し、開閉センサ105が破損するという問題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以上のような課題を解決すべく、次のような手段を用いるものである。即ち、請求項1記載の如く、装置本体の両側部それぞれに配置するヒンジ機構により、装置本体の両側部のそれぞれに対して、回動支点を介して開閉可能かつ上下移動可能に支持される開閉体の開閉状態検知機構であって、装置本体に立設され且つ弾性を有する部材により形成されるフィーラと、開閉体に取り付けられフィーラを検知する検知手段とを備え、該開閉体に、フィーラを当接させて検知手段へ案内する案内部材を設けたことを特徴とする開閉体の開閉状態検知機構。
【0006】
また、請求項2記載の如く、前記案内部材は、フィーラ側から検知手段側へ向かって除々に間隔が小さくなる一対の傾斜面である。
【0007】
また、請求項3記載の如く、前記案内部材は、開閉体に一体形成されるリブである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、添付の図面より説明する。図1は本発明の開閉状態検知機構が構成される画像読取装置を備えたファクシミリ装置の斜視図、図2は同じく正面断面図、図3はプラテンカバーの開閉部を示す側面断面図、図4は同じく後面図、図5は同じく平面図、図6はフィーラ案内用リブを示す正面図、図7はプラテンカバーが片上がり状態で閉じられた場合の開閉センサとフィーラとの位置関係を示す図、図8はフィーラがフィーラ案内用リブにより開閉センサへ案内される様子を示す図、図9は従来のプラテンカバーの開閉部を示す側面図、図10は従来のプラテンカバーが片上がり状態で閉じられた様子を示す後面図である。
【0009】
まず、本発明の開閉状態検知機構が構成される画像読取装置を具備するファクシミリ装置の概略構成について、図1、図2により説明する。
ファクシミリ装置Fは、記録部1の上方に画像読取装置が構成される画像読取部2を配置して構成され、該画像読取部2は、記録部1に対して回動支点20を中心に上下回動可能とされている。記録部1には記録装置3及び給紙カセット4がそれぞれ上下に内装されており、給紙カセット4内に堆積される用紙を記録装置3へ給紙して記録した後に、記録紙排出トレイ5から排出するように構成している。
【0010】
一方、画像読取部2においては、上面を透明状の静止原稿載置面14とした読取ケース13内に読取装置6を収納しており、該静止原稿載置面14上に載置された原稿を該読取装置6により走査して、読み取りを行うようにしている
また、読取ケース13の上方には、その一辺を中心として開閉可能に構成されるプラテンカバー7が配置され、該プラテンカバー7により静止原稿載置面14上に載置された原稿を上方から押えるものとしている。
【0011】
プラテンカバー7の一端部には原稿を自動的に給紙する自動給紙装置(ADF装置)8が付設され、該自動給紙装置8は給紙装置11と搬送装置12とにより構成されている。
そして、原稿供給トレイ9に載置した原稿を、自動給紙装置8の給紙装置11により一枚ずつピックアップして、搬送装置12により静止原稿載置面14の一端部へ搬送し、その内容を読取装置6により読み取った後に、プラテンカバー7の上面に形成される原稿排出トレイ10へ排出するように構成している。
【0012】
即ち、画像読取部2は、読取装置6を走査させて静止原稿を読み取るフラットベッドタイプのスキャナとして用いるとともに、読取装置6を位置固定して原稿を給送しながら読み取りを行うシートフィードタイプのスキャナとして用いることができるように構成されている。
【0013】
また、読取ケース13の一側方にはキーパネル15が付設され、該キーパネル15の各種操作キーを操作することにより、原稿内容の読み取りを行ったり、読み取った内容をファクシミリ送信する際の送信先の設定を行ったり、受信内容や読み取った内容の記録装置3による記録を行ったりするようにしている。
【0014】
次に、読取ケース13の上方に開閉可能に載置される開閉体である、前記プラテンカバー7の開閉状態を検知するための検知機構について説明する。
尚、ファクシミリ装置Fにおける、キーパネル15が配置される側を前部と、自動給紙装置8が配置される側を左部として便宜的に定義する。
【0015】
図3乃至図5に示すように、読取ケース13に載置されるプラテンカバー7は、該読取ケース13後端部の左右両側部にてヒンジ機構20・20を介して開閉可能に支持されている。
ヒンジ機構20は、読取ケース13に取付固定される支持プレート21、プラテンカバー7に固設される固定プレート22、及び支持プレート21と固定プレート22とを連結する回動プレート24等により構成されている。
支持プレート21と回動プレート24とは回動支点23にて回動可能に連結され、固定プレート22と回動プレート24とはリフト支点25にて回動可能に連結されている。
【0016】
そして、通常プラテンカバー7が開閉される場合には、回動プレート24が回動支点23を中心にして、プラテンカバー7に固設される固定プレート22と一体的に回動する。
また、静止原稿載置面14に本等の厚みのある原稿を載置してプラテンカバー7を閉じた場合には、回動プレート24がリフト支点25を中心として、固定プレート22に対し回動することによりプラテンカバー7がリフトアップされ、該プラテンカバー7を略水平に保持したままの状態で閉じて、原稿を押圧することが可能となっている。
【0017】
読取ケース13の後端部、即ち側面視における回動支点23の近傍には、薄板状部材のフィーラ31が立設され、プラテンカバー7内の後端部にはセンサブラケット32を介して開閉センサ33が固設されており、該開閉センサ33は、フィーラ31の後方に配置されている。
プラテンカバー7における開閉センサ33の略下方部分には通孔17が開口しており、プラテンカバー7を閉じると、該通孔17を通じてフィーラ31が該プラテンカバー7内に侵入するように構成されている。
【0018】
透過型センサに構成される開閉センサ33の検知部33aは略凹型に形成され、プラテンカバー7を閉じていくと、該プラテンカバー7内に侵入するフィーラ31の後端面31aが該検知部33aを通過する。
即ち、プラテンカバー7を閉じていき、フィーラ31が開閉センサ33の検知部33aを通過した状態になると、該検知部33aを透過する光がフィーラ31により遮られ、これにより該プラテンカバー7がほとんど閉じた状態になったことを検知するようにしている。
ここで、「プラテンカバー7がほとんど閉じた状態」とは、読取部2の静止原稿載置面14に載置した原稿のサイズを読み取る際に、外光の影響を受けない程度までプラテンカバー7が閉じられた状態のことをいう。
一方、プラテンカバー7が回動支点23を中心に上方回動して開いた状態にあるときは、開閉センサ33がプラテンカバー7と一体的に上方回動し、該開閉センサ33の検知部33aがフィーラ31の上方に移動するため、検知部33aを透過する光がフィーラ31により遮られることがなくなって、プラテンカバー7が開いている旨が検知される。
【0019】
そして、開いた状態にあるプラテンカバー7を閉じていき、フィーラ31により開閉センサ33の検知部33aを透過する光が遮られて、プラテンカバー7がほとんど閉じた状態になったことが検知されると、光が遮られたのと同時に、ファクシミリ装置Fに設けられる原稿サイズ読取用のセンサ(図示せず)が作動して、静止原稿載置面14に載置された原稿のサイズが判定されるように構成している。
【0020】
このように、装置本体としての読取ケース13に対し回動支点23を中心にして開閉可能であり、且つ該回動支点23が上下移動可能であるプラテンカバー7に、開閉センサ33を固設し、読取ケース13における回動支点23の近傍にフィーラ31を立設して、該開閉センサ33によるフィーラ31の検知によりプラテンカバー7の開閉状態を検知し、原稿サイズ読取用のセンサを作動させる、ブックインデックスセンサを構成している。
【0021】
また、図6に示すように、プラテンカバー7の底面に開口する前記通孔17の周縁部にはガイド壁19が立設されており、左右のガイド壁19からは、内側方向へ突出する一対のフィーラ案内用リブ18・18が形成されている。該ガイド壁19及びフィーラ案内用リブ18・18は、リブ形状に形成され、プラテンカバー7の外装部材と同一の部材、例えば合成樹脂により、該プラテンカバー7と一体的に形成されている。
【0022】
一対のフィーラ案内用リブ18・18の内側面は、下方から上方へいくにつれて互いの間隔が徐々に狭くなる傾斜面に形成されている。即ち、該フィーラ案内用リブ18・18間の間隔は、フィーラ31が挿入される通孔17側から、開閉センサ33側方向へ向かって、除々に狭くなるように構成されている。
そして、プラテンカバー7を閉じると、フィーラ31が通孔17からプラテンカバー7内に挿入され、フィーラ案内用リブ18・18間を通った後に、開閉センサ33の検知部33aに達することとなる。
【0023】
ここで、厚みのある本等を静止原稿載置面14に載置して、該本等の最初のページや最後のページを原稿として読み取る場合には、プラテンカバー7を閉じると、前述の図10に示した場合と同様に、一方のヒンジ機構20が他方のヒンジ機構20よりも大きくリフトアップされ、プラテンカバー7が極端に傾くこととなる。
このように、プラテンカバー7が片上がりすると、図7に示すように、開閉センサ33の検知部33aが傾くとともに、該検知部33aとフィーラ31先端部との左右位置がずれて、そのままでは、該フィーラ31が検知部33aに接触し、開閉センサ33が破損することがある。
【0024】
そこで、本発明においては、プラテンカバー7が片上がり状態で閉じられた場合には、前記フィーラ案内用リブ18・18により、フィーラ31を開閉センサ33の検知部33aの部分に案内して、該検知部33aとフィーラ31との接触を防止するようにしている。
【0025】
即ち、片方のヒンジ機構20のみがリフトアップされる状況でプラテンカバー7を閉じる場合、図8に示すように、フィーラ31が通孔17からプラテンカバー7内に侵入する際には、まず、該フィーラ31の先端部が、リフトアップされた側のフィーラ案内用リブ18の下端部に当接する。
その後、プラテンカバー7が閉じられていくと、フィーラ31のフィーラ案内用リブ18の内側面への当接部位は上方へ移動する。この際、フィーラ案内用リブ18の内側面は上方へいくに従って内側へ傾斜しているので、フィーラ31は、該フィーラ案内用リブ18によってガイド壁19内の左右中央方向へ押圧される。
【0026】
フィーラ31は、板金部材等の弾性を有する部材により形成されているので、フィーラ案内用リブ18により押圧されると押圧された方向に弾性変形し、ガイド壁19内の左右中央方向へ屈曲される。
一対のフィーラ案内用リブ18・18間の間隙は、その左右幅を開閉センサ33の検知部33aの左右幅と略同じ又は該検知部33aの左右幅よりも小さく構成されるとともに、該検知部33aと位置を合わせて配置されているので、フィーラ案内用リブ18により押圧されて屈曲したフィーラ31の先端部は、検知部33aへ案内されることとなる。
【0027】
このように、フィーラ案内用リブ18・18にプラテンカバー7を形成して、フィーラ31を検知部33aへ案内するように構成することで、片方のヒンジ機構20のみがリフトアップされる状態でプラテンカバー7が閉じられた場合でも、該フィーラ31が開閉センサ33に接触することがなく、該開閉センサ33の破損を防止することができる。
【0028】
また、フィーラ31を開閉センサ33の検知部33aへ案内するフィーラ案内用リブ18・18の内側面は、プラテンカバー7の底面側、即ちフィーラ31側から開閉センサ33側へ向かって除々に間隔が小さくなる一対の傾斜面に形成されているので、フィーラ31へ急激に大きな応力がかかることがなく、該フィーラ31を円滑に検知部33aへ案内することができる。
【0029】
さらに、フィーラ案内用リブ18・18はリブ形状に形成されているので、フィーラ31との接触面積が小さくなり、該フィーラ31とフィーラ案内用リブ18との間に生じる摩擦力も小さく、さらに円滑に検知部33aへ案内することができる。
また、フィーラ案内用リブ18・18はプラテンカバー7と一体的に形成されているので、部品点数が増加することもなく低コストで構成することができる。
【0030】
【発明の効果】
本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を奏する。
まず、請求項1の如く構成するので、開閉体の片方のみがリフトアップされる片上がり状態で開閉体が閉じられた場合でも、該フィーラが検知部材に接触することがなく、該検知部材の破損を防止することができる。
【0031】
更に、請求項2の如く、前記案内部材は、フィーラ側から検知手段側へ向かって除々に間隔が小さくなる一対の傾斜面であるので、フィーラへ急激に大きな応力がかかることがなく、該フィーラを円滑に検知部へ案内することができる。
【0032】
更に、請求項3の如く、前記案内部材は、開閉体に一体形成されるリブであるので、フィーラとの接触面積が小さくなり、該フィーラと案内部材との間に生じる摩擦力も小さく、フィーラをさらに円滑に検知部へ案内することができる。
また、案内部材を設けるにあたって、部品点数が増加することもなく低コストで構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の開閉状態検知機構が構成される画像読取装置を備えたファクシミリ装置の斜視図である。
【図2】同じく正面断面図である。
【図3】プラテンカバーの開閉部を示す側面断面図である。
【図4】同じく後面図である。
【図5】同じく平面図である。
【図6】フィーラ案内用リブを示す正面図である。
【図7】プラテンカバーが片上がり状態で閉じられた場合の開閉センサとフィーラとの位置関係を示す図である。
【図8】フィーラがフィーラ案内用リブにより開閉センサへ案内される様子を示す図である。
【図9】従来のプラテンカバーの開閉部を示す側面図である。
【図10】従来のプラテンカバーが片上がり状態で閉じられた様子を示す後面図である。
【符号の説明】
F ファクシミリ装置
2 画像読取装置
7 プラテンカバー
13 読取ケース
14 静止原稿載置面
18 フィーラ案内用リブ
20 ヒンジ機構
23 回動支点
31 フィーラ
33 開閉センサ
Claims (3)
- 装置本体の両側部それぞれに配置するヒンジ機構により、装置本体の両側部のそれぞれに対して、回動支点を介して開閉可能かつ上下移動可能に支持される開閉体の開閉状態検知機構であって、
装置本体に立設され且つ弾性を有する部材により形成されるフィーラと、開閉体に取り付けられフィーラを検知する検知手段とを備え、該開閉体に、フィーラを当接させて検知手段へ案内する案内部材を設けたことを特徴とする開閉体の開閉状態検知機構。 - 前記案内部材は、フィーラ側から検知手段側へ向かって除々に間隔が小さくなる一対の傾斜面であることを特徴とする請求項1に記載の開閉体の開閉状態検知機構。
- 前記案内部材は、開閉体に一体形成されるリブであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の開閉体の開閉状態検知機構。
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