JP4336505B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、記録用紙上にインクを吐出し、記録を行うインクジェット記録装置に係り、特にインクジェット記録装置におけるインク供給系に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリンタ等の記録方式のうち、吐出口(ノズル)からインクを吐出させて記録紙上に記録を行うインクジェット記録方式は、低騒音のノンインパクト記録方式で高密度かつ高速の記録動作が可能であるため、近年では広く採用されている。
【0003】
一般的なインクジェット記録装置は、記録ヘッドを搭載するキャリアを駆動する手段と、記録紙を搬送する搬送手段と、これらを制御するための制御手段等を備えている。また、記録ヘッドのノズル部分からインクを吐出するためのエネルギーを発生するために、ピエゾ素子等の電気機械変換体を用いてインクに加圧するもの、レーザ等の電磁波を照射して発熱させ、発熱により発泡させるもの、あるいは発熱抵抗体を有する電気熱変換体素子によって液体を加熱し、発泡させるもの等がある。
【0004】
その中でも熱エネルギーを利用してインク滴を吐出させる方式のインクジェット記録装置は、ノズルを高密度に配列し得るため高解像度の記録が可能であり、特に電気熱変換体素子をエネルギー発生素子として用いた記録ヘッドは、小型化が容易である。
【0005】
この小型化には、近年、顕著な進歩とともに著しい信頼性向上を達成している、半導体製造分野におけるIC技術やマイクロ加工技術を効果的に応用でき、実装密度向上、製造コスト低減を実現し得る。
【0006】
電気熱変換体素子をエネルギー発生素子として用いた記録ヘッドとしては、特開2002−234180号記載の構成が一般的である。図9は、特開2002−234180号記載の記録ヘッドにおけるインク供給系を示す。
【0007】
図9において、インクジェット記録装置の記録ヘッド101には、インクを吐出する微細な吐出ノズル101gが設けられ、吐出ノズル101g近傍に配置されたヒータ(図示せず。)の膜沸騰エネルギーにより吐出ノズル101gのインクを押し出し、吐出する。
【0008】
インク吐出後、吐出ノズル101gの毛細管力により、チューブ106を介して随時メインタンク104からインクが吸い上げられ、再び吐出ノズル101g内にインクを満たすサイクルが繰り返される。
【0009】
吐出ノズル101gには特に弁機構はなく、吐出ノズル101g内部を負圧に保つことにより吐出ノズル101gにインクのメニスカスを張らせ、吐出ノズル101gからのインクの漏れ、吐出ノズル101g内への大気進入を防止している。
【0010】
記録ヘッド101の内部には、チューブ106から供給されたインクを一定量蓄えるサブタンク101b、サブタンク101bから吐出ノズル101gにインクを導く流路101f、サブタンク101bと流路101fとの間の微細メッシュ構造のフィルタ101cが設けられ、フィルタ101cは吐出ノズル101gにごみがつまることを防止する。
【0011】
サブタンク101bにおいては、チューブ106等の樹脂材料を透過し、侵入した空気や、インク内から析出した空気が保持される。
【0012】
メインタンク104はインク供給ユニット105に装着され、メインタンク104の底面の液体コネクタ104a,104bが、インク供給ユニット105に固定された2本の中空針105a、105bに着脱自在に取り付けられる。
【0013】
チューブ106は中空針105aの下流端においてインク供給ユニット105に接続され、中空針105a、チューブ106を順次介して、メインタンク104からサブタンク101b内にインクが供給される。
【0014】
インク供給ユニット105には大気連通室105fが設けられ、大気連通室105fは大気口105gによって大気に開放されている。中空針105bは大気連通室105fに接続され、メインタンク104内のインク液面を大気圧に保つ。
【0015】
インクジェット記録装置には、回復ユニット107が設けられ、吐出ノズル101gにインクの増粘物が詰まった場合や、インク吐出時に発生する余分な泡が詰まった場合に、吸引キャップ107a吐出ノズル101gを覆い、吸引ポンプPによって吐出ノズル101gからインクを引き出し、増粘物や泡を除去して、吐出ノズル101gの機能を回復する。
【0016】
なおインクジェット記録装置に使用されるインクとしては、一般に不溶性あるいは難溶性の色材を含む染料系や顔料系の水性インクが用いられ、色材は微粒子化し分散材で水中に分散、乳化される。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
前記水性インクを使用した場合、経時的にインク中の色材が凝集、沈降し、濃インクが生成される。特にメインタンク104下部からインクを供給する場合、メインタンク底部の濃インクが最初に供給されるため、連続的なインクジェット記録に際してインク濃度が徐々に薄くなり、記録画像にムラ、スジが生じ、色再現性が低下する等、著しく画像品位が低下する。
【0018】
色材沈降を解消する手段として、メインタンク104内部にプロペラ状の攪拌手段と、これを回転させる駆動手段を設けて、攪拌手段を定期的に所定速度で回転させる方法があるが、攪拌機構は非常に高価である。またインク流路近傍に駆動手段(モータ)を設けた場合、漏洩インクが駆動モータの電源コネクタ部に付着してショート等故障の原因となり、発煙、発火等に繋がる危険性もある。
【0019】
さらに、インクジェット記録装置の移動時等には、メインタンク104を取り外し、中空針105aから記録ヘッド101に至る流路内のインクを回復ユニット107で除去するが、流路にインクが残留することがある。流路にインクが残留したままインクジェット記録装置を長時間放置すると、溶剤成分が徐々に蒸発して残留インクは増粘し、流路に固着する可能性がある。
【0020】
インク固着は流路を閉塞し、大気連通が不可となるため、記録ヘッド101にインクを供給できず、画像不良が生じる。固着インクの除去は、中空針105b側から強力なポンプで吸引する等の方法で行われるが、除去できないときはインク供給ユニット105等の交換を要し、一般に補修作業は容易でない。
【0021】
本発明はこのような従来の問題点を解消すべく創案されたもので、インク濃度を均一化するとこと、及びインク増粘に起因した動作不安定を防止することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明は、顔料インクを吐出する記録ヘッドと、顔料インクを収容するメインタンクと、前記メインタンクを着脱可能なインク供給ユニットと、一端が前記記録ヘッドに接続され、他端が前記インク供給ユニットに接続されたインク供給チューブとを備え、前記インク供給ユニットは、前記メインタンクが装着されたときに当該メインタンクと連通するインク供給針及び大気導入針と、前記インク供給チューブに連通する第1の流路と、前記インク供給針と連通する第2の流路と、前記第1の流路と前記第2の流路の間に配され前記メインタンクから前記記録ヘッドへのインク供給を遮断可能な遮断弁と、大気連通口と連通する大気連通室と、前記大気導入針から前記大気連通室に至る第3の流路とを有し、前記記録ヘッドから顔料インクを吐出する際は、前記メインタンクから前記記録ヘッドに顔料インクが供給されるインクジェット記録装置であって、前記インク供給ユニットは前記第2の流路中に逆流手段を備え、前記遮断弁を閉じた状態で前記逆流手段を駆動して前記第2の流路内の顔料インクを前記記録ヘッドから顔料インクを吐出するときと逆方向に移動させることにより前記メインタンクから前記大気連通室にインクを流出させることが可能なことを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
次に本発明に係るインクジェット記録装置の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
【0024】
[第1実施形態]
図1は、本発明に係るインクジェット記録装置の第1実施形態におけるインク供給系を示す縦断面図、図2は、図1のインク供給系のインク供給原理を示す縦断面図、図3は、図1のインクジェット記録装置を示す斜視図、図4は、図1の実施形態におけるインク逆流手段の閉鎖状態を示す縦断面図、図5は、図1の実施形態におけるインク逆流手段の逆流・攪拌状態を示す縦断面図である。
【0025】
まず、本実施形態で用いるインクについて説明する。
【0026】
本実施形態に適するインクとしては、水に対して不溶性あるいは難溶性の色材を水性媒体中に分散した水性インクを挙げることができる。色材は、物体に色を付与する性質のある物質であり、分散染料、金属錯塩染料、顔料等が使用される。
【0027】
水性媒体中に色材を分散させる化合物としては、分散剤、界面活性剤、樹脂分散剤等があり、分散剤、界面活性剤としては、アニオン系、ノニオン系等が挙げられる。樹脂分散剤としては、スチレン及び誘導体、ビニルナフタレン及びその誘導体、アクリル酸及びその誘導体等が挙げられ、これらの樹脂分散剤は、塩基を溶解させた水溶液に可溶なアルカリ可溶型樹脂であることが望ましい。
【0028】
顔料としては、ウルトラマリン、酸化チタニウム、テナール青等の無機顔料のほか、ジアゾイエロー、ジスアゾオレンジ、パーマネントカーミンFB、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、チオインジゴバイオレット等の有機顔料を挙げることができるが、これらの顔料に限定されるものではない。
【0029】
顔料インクは耐光性、耐水性に優れているため、近年、顔料インク搭載のインクジェット記録装置が増加傾向にある。
【0030】
これら水性インクは、調整方法による程度差はあるものの、経時的にインク色材の凝集、沈降が発生する。特に、顔料系インクは染料系インクに比べ沈降しやすい傾向にある。
【0031】
図2において、インク供給の基本原理について説明する。
【0032】
インクジェット記録装置においては、記録ヘッド1とメインタンク4とをチューブ6よりなる流路で連通し、流路をインクで満たす。記録ヘッド1の吐出ノズル1gは、メインタンク4の液面からまでの水頭差H分の負圧に保たれる。
【0033】
吐出ノズル1gは微細な穴であるが、特に弁機構はなく、水頭差H分の負圧によりインクのメニスカスを張らせ、吐出ノズルから1gのインクの漏れ、大気中からの空気の進入を防ぐ。吐出ノズル1gの近傍にはヒータ(図示せず。)が配置され、吐出ノズル1g内の膜沸騰エネルギーにより、ノズル内のインクを押し出す、吐出する。
【0034】
インク吐出後、吐出ノズル1gの毛細管力により、チューブ6を介して、インクは随時メインタンク104から吸い上げられ、再びノズル内にインクを満たすサイクルが繰り返される。
【0035】
本実施形態は、前記原理を基本として構成を追加したものである。
【0036】
図3において、記録媒体Sにインクを吐出し画像を記録するインクジェット記録装置は、インクを吐出する記録ヘッド1をキャリッジ2に搭載し、記録媒体Sを搬送ローラ3によって搬送方向A(副走査方向)に搬送するとともに、キャリッジ2を副走査方向に直交する方向B(主走査方向)に往復動する。記録媒体Sは搬送ローラ3によって所定ピッチずつ副走査方向に搬送され、記録媒体Sの1ピッチごとに、記録ヘッド1からインクを吐出しつつ、キャリッジ2を主走査方向に走査する。
【0037】
記録ヘッド1の記録媒体Sに対向した面には、副走査方向に直列する吐出ノズル1gよりなるノズル列(図示せず。)が複数配列され、各ノズル列ごとに異なるインクを吐出する。各色のノズル列に対して1セットのインク供給系が設けられ、インク供給系は、インクを収容するメインタンク4、メインタンク4を保持するインク供給ユニット5、インク供給ユニット5からノズル列にインクを導くインク供給チューブ6を備える。インク供給ユニット5はメインタンク4からインク供給チューブ6にインクを供給する。
【0038】
インクジェット記録装置には、主走査方向における通紙範囲外で、ノズル列のノズル面に対向する位置に回復ユニット7が設けられ、回復ユニット7は吐出ノズル1g表面から強制的にインクや空気を吸い出し、吐出ノズル1gのクリーニングや後述するインク充填を行う。
【0039】
図1において、記録ヘッド1は、インク供給チューブ6が気密接続される液体コネクタ挿入口1aと、インクを一定量蓄えるサブタンク1bとを有し、液体コネクタ挿入口1aから供給されたインクはサブタンク1bに保持される。サブタンク1b内のインクはフィルタ1c、液室1fを順次通って吐出ノズル1gに供給される。
【0040】
サブタンク1b上面には圧力調整室1hが設けられ、サブタンク1bと圧力調整室1hとは上面開口穴1yによって連通されている。
【0041】
液体コネクタ挿入口1aから吐出ノズル1gに至る流路は大気に対して気密な状態に保たれている。
【0042】
吐出ノズル1gは、ノズル穴径20μm程度の微細な筒状であり、筒内部には、CPUの指令により選択的に発熱するヒータ(図示せず。)が設けられている。このヒータを加熱すると、ヒータに接しているインクの溶存空気が膨張、発泡し、吐出ノズル1g内のインクを押し出し、インクが吐出される。吐出後には吐出ノズル1gの毛細管力により吐出ノズル1g内にインクが満たされる。通常インク吐出のサイクルを20KHz以上の高速で繰り返し、微細な画像形成を高速で行う。
【0043】
図2に関連して説明したように、吐出ノズル1g内は負圧に保たれるが、負圧が大気圧近くまで弱まると、吐出ノズル1g先端に汚れやインク滴が付着した場合、吐出ノズル1g内のインクメニスカスが崩れ、インクが漏出することがある。
【0044】
逆に、負圧が強すぎると、吐出圧よりも吐出ノズル1g内にインクを引き戻す力が強くなり吐出不良となる。よって、吐出ノズル1gにおける負圧は大気圧よりも若干い一定の範囲に保つ必要がある。負圧の範囲は、吐出ノズルタイプによって、すなわち吐出ノズル形状、ヒータ性能等によって異なるが、本実施形態では、実験結果により、−40mmAq(約0.004atm)〜−200mmAq(約0.020atm)の範囲としている。実験ではインクの比重を水の比重と略等しいものとした。
【0045】
フィルタ1cは吐出ノズル1gを詰まらせるような異物を除去する目的で設けられ、吐出ノズル1gのノズル径よりも小さい10μm以下の金属メッシュによって異物を捕集する。
【0046】
フィルタ1cの面積は、インクの圧力損失が許容値以下となるように充分大く設定される。圧力損失は、フィルタ1cのメッシュが細かいほど、インクの流量が多いほど高くなり、逆にフィルタの面積に反比例する。近年のインクジェット記録装置における高速化、多ノズル化、ドット微細化は圧力損失を増加させる傾向を生じさせ、フィルタ1cのサイズが10×20mm程度と大きくなり、フィルタ1cの上流、下流にサブタンク1b、液室1fの空間が必要である。インク透過に関して、フィルタ1c上流で、フィルタ1cがインクに浸る面積がフィルタ有効面積となるので、充分大きな有効面積を得るため、サブタンク1bの底部にフィルタ1cを水平配置する。
【0047】
フィルタ1cにインクが染みると各メッシュに微細なメニスカスが張り、空気の流れを阻止しつつインクの透過を可能にする。メッシュが細かい程、メニスカス強度は高く、空気を通しにくくなる。本実施形態のフィルタ1cは、前後の圧力差が0.1atm程度(実験値)にならなければ、空気はメニスカスを透過しない。これによって、フィルタ1c下流の液室1fに空気が存在するとき、空気自身の浮力程度の圧力では、空気がサブタンク1bに上がることはできず液室1fに留まる。従って、空気の上流方向への侵入が防止される。
【0048】
吐出ノズル1gには空気やインク内の泡が入り込むと、吐出ノズル1gにインクが補充されず吐出不良を起こす。そこで、一定量以上のインクを蓄える液室1fの底部に、吐出ノズル1gを下向きに配置し、吐出ノズル1g上面が常にインク中に浸り、空気に露出しないようになっている。
【0049】
圧力調整室1hは負圧が高まるにつれてその容積を縮小する部屋であり、ゴム材等の弾性部材により構成される。全吐出ノズル1gよりインクを吐出する等、単位時間当たり多量のインクを吐出する(以下高デューティという。)と、メインタンク4から、インク供給ユニット5、インク供給チューブ6を通過する際、インクには圧力損失が生じ、サブタンク1b内の圧力が低下する。これによって、インクの吐出必要量に対してインク供給量が不足して、サブタンク1b内の負圧が上昇し、吐出ノズル1gの負圧が限界値−200mmAq(約−0.020atm)を越すと吐出が不安定になる。
【0050】
キャリッジ2に記録ヘッド1を搭載し主走査方向Bに往復印字させるインクジェット記録装置においては、高デューティ印字後、キャリッジ2の反転を行うので、吐出休止状態が存在する。圧力調整室1hは、容積縮小によって、サブタンク1b内の負圧上昇を緩和し、反転時において、負圧を正常値に復元するというコンデンサのような役割をする。
【0051】
次に、インク供給ユニット5及びメインタンク4について説明する。
【0052】
メインタンク4は、下部に2口のゴム栓4b、4cを設けた剛性のケース4aを備え、インク供給ユニット5に対して着脱可能である。メインタンク4は単体として密閉された容器であり、インク9を液体のまま収容する。本実施形態においては、メインタンク4満杯でインクを330cc収容する。
【0053】
インク供給ユニット5には供給針5a、大気導入針5bが設けられ、メインタンク4装着時には、供給針5a、大気導入針5bがゴム栓4b、4cを貫通し、メインタンク4内と供給針5a、大気導入針5bの流路が連通される。
【0054】
インク供給ユニット5には、インク供給チューブ6に連通する流路(第1の流路)5d、流路5dへのインク供給を遮断する遮断弁10、供給針5aから遮断弁10に至る流路(第2の流路)5cが設けられ、遮断弁10は選択的に開閉可能である。流路5cの途中にはインク逆流手段8が設けられ、インク逆流手段8は、所定信号に基づいて流路5c内のインクをメインタンク4内に逆流させる。インク逆流手段8の構成及び動作については後述する。
【0055】
大気導入針5bは、流路(第3の流路)5e、大気連通室5f、大気連通口5gを経て大気へ連通する。
【0056】
供給針5a、大気導入針5bは共にインクの流動抵抗を抑えるために内径をφ1.6と大きめに設定している。
【0057】
遮断弁10はゴム材質のダイヤフラム10aを上下動させることにより流路を開閉する。ダイヤフラム10aの中心部は、バネ10cによりバネホルダ10bを介して上方から押圧され、ダイヤフラム10aの下面によって流路5dの開口を閉じることができる。これによって流路遮断状態となる。
【0058】
バネホルダ10bの上部にはフランジ10fが設けられ、フランジ10fには回転可能なレバー10dの作用点が係合されている。レバー10dは、後述する回復ユニット7に連結されたリンク7bに、力点が当接し、リンク7bによって押されたときに、バネ10cの付勢力に抗してダイヤフラム10aを持ち上げ、流路5cと流路5dとを連通状態とする。
【0059】
遮断弁10は、記録ヘッドがインクを吐出している状態では開状態、待機及び休止中は閉状態であり、後述するインク充填時には回復ユニット7にタイミングを合わせて開閉動作する。
【0060】
以上のインク供給ユニット5及びメインタンク4の構成は、黒、シアン、マゼンタ、イエロそれぞれの色のインクごとに設けられ、供給針5a、大気導入針5b、流路5c、5d、5e、遮断弁10、大気連通室5fは、インク供給ユニット5内に一体に設けられている。
【0061】
遮断弁10のレバー10dは全てのインクに対して共通であり、レバー10dの作用点に、各色インクの遮断弁10におけるバネホルダ10bのフランジ10fが係合し、各色の遮断弁が同時に開閉する。
【0062】
記録ヘッド1がインクを消費すると、その負圧によりインクは随時メインタンク4から記録ヘッド1に対して送られる。その際、インクと同量の空気が大気導入口5gから大気連通針5bを経てメインタンク4に導入される。
【0063】
大気連通室5fは、メインタンク4内の空気の膨張により押し出されたインクを一時保存する。インクジェット記録装置が待機あるいは休止中に、周囲の環境温度が上昇しメインタンク4内の空気が膨張した場合、メインタンク4のインク9は大気連通針5bから、流路5eを経て、大気連通室5fへと流出する。逆に、環境温度が低下するとメインタンク4内の空気が収縮し、大気連通室5f内に流出していたインクがメインタンク4へと戻る。また、大気連通室5fにインクが入っている状態で印字を行うと、まず大気連通室5fのインクがメインタンク4に戻り、大気連通室5fのインクがなくなると、通常通りメインタンク4に空気が導入される。大気連通室5fの容積が不十分であると、大気連通口5gからインクが漏れ出してしまう。よって、インクジェット記録装置の使用環境温度の範囲で、最大インク流出量を考慮して大気連通室5fの容積を確保することで、インクの漏れを防止できる。
【0064】
メインタンク4内の空気の最大膨張体積は、最高温度時にタンク容積と等しい体積になる膨張体積であり、最大膨張時の体積から、最低温度時のメインタンク4内空気体積を減じた体積が、大気連通室5fに要求される容積である。
【0065】
大気連通室5fから大気連通口5gへの流路には逆U字部5kが設けられ、逆U字部5kは、供給針5aの上端開口よりも高い位置に配置される。このような逆U字部5kを設けないと、誤って記録ヘッド1を取り付けずにインク9の入ったメインタンク4を装着し、遮断弁10を開いてしまった場合、供給針5aからメインタンク4内に空気が導入される。すると、供給針5aの先端が大気圧となり、インクは低い方へと流れ、大気連通口5gから漏出する。すなわち逆U字部5kによって、メインタンク4内が大気圧となる誤操作が生じたときにもインク漏出を防止し得る。
【0066】
インク供給ユニット5の供給針5aと大気連通針5bにはインク9の電気抵抗を測定する検出回路5hが接続され、メインタンク4内のインクの有無を検出する。
【0067】
メインタンク4内にインク9が存在すると、供給針5aと大気連通針5bとは電気的に導通(クローズ)し、インクが無い、又はタンクが装着されていない状態では電気的に遮断(オープン)される。検出回路5hは、オープンを検出したときには制御装置(図示せず。)に所定の信号を送る。検出電流は微少なため、供給針5aと大気連通針5b間の絶縁性が重要であり、本実施例では供給針5aから記録ヘッド1に至る流路と、大気連通針5bから大気口5gに至る流路とを完全に独立させ、メインタンク4内のインクのみの電気抵抗を測定可能とする。
【0068】
メインタンク4を外した場合は、インクなしの状態と同様に、供給針5aと大気連通針5bとはオープンとなる。このときインクなしと判断し、印字不可能状態であることを示す信号を制御装置に送る。
【0069】
次に図4および図5に基づいて、インク逆流手段8の構成、動作を説明する。
【0070】
インク逆流手段8は、流路5cの中間よりメインタンク4に近い位置に配置され、かつ、黒、シアン、マゼンタ、イエロそれぞれの色のインクごとに設けられている。
【0071】
インク逆流手段8は、伸縮により、流路5c内のインクを吸引、排出するベローズ8aを有し、ベローズ8aは、ジョイント8bによって供給ユニット5に接続されている。
【0072】
ベローズ8aの材質としては、ある程度の剛性をもち、屈曲耐久性、耐インク性に優れた材料、例えばポリプロピレン樹脂が用いられる。ベローズ8aは、後述の回復による負圧でも収縮が生じない程度の保持力(形状維持力)を有し、この保持力を確保し得るように、肉厚、ベローズ角度(ツバ角度)等が定められている。
【0073】
ベローズ8aはガイド8dに挿入されており、ジョイント8bはガイド8d内に設けられている。ベローズ8aの下部には、ベローズプレート8cが溶着されており、ベローズプレート8cはガイド8d内周によって上下摺動可能にガイドされている。
【0074】
ベローズプレート8cの底面には、ベローズカム8eが摺設され、このベローズカム8eは各色インクごとに設けられている。各ベローズカム8eは同一のベローズカム軸8fに固着され、ベローズカム軸8fは、軸端部に設けられたベローズカム駆動モータ8gによって回転駆動される。本実施形態では、各インクのベローズカム8eは同一位相である。
【0075】
なお、回転駆動負荷を軽減するために、ベローズカム8eを、所定角度づつ位相をずらして取り付けてもよい。これは、インクの種類、すなわちメインタンク個数が多い場合に有効である。
【0076】
次に、インク逆流手段8の動作について説明する。
【0077】
インク逆流手段8を作動させるには、所定信号により遮断弁10のダイアフラム10aを閉状態(図4の状態)とする。これによって、インク逆流手段8によって流路5c内のインクを加圧したときに、記録ヘッド1が加圧されることを防止し、かつ逆流させたインクを全てメインタンク4に戻す。
【0078】
次に、駆動信号によりベローズカム駆動モータ8gを回転駆動し、ベローズカム8eを矢印8r方向に、位置aから位置bに回転する。これによって、ベローズプレート8cが上昇し、ベローズ8aが収縮(図5の状態)する。この時のベローズ内容積の体積変化量ΔVがインク逆流量である。
【0079】
インク逆流量ΔVのインクは、供給針5aよりメインタンク4内に流入し、それが噴流となってメインタンク4全体に図中矢印4r方向の流れを生じさせる。この流れによって、インクタンク4内のインク9はスクランブルされて攪拌される。この攪拌によってインクの凝集、固着が防止され、インク増粘による動作不安定が生じることがない。インク逆流にともなって、メインタンク4内への流入量ΔVと同量のインクが、大気導入針5bより大気連通室5f内に流出する。
【0080】
ここで、前記の流れを起こすためには、所定値Vo以上の流量(流速v)が必要であり、本実施例においては、
Vo=ΔV〔ベローズ8aの1ストローク(伸縮)〕
=4cc/2s=2〔cc/s〕
である。
【0081】
流量がVo以下であると、供給針5a近傍のみの流れとなるため、インクタンク全体の攪拌はできない。必要インク逆流量Voは、メインタンク容量、供給針、各流路長さ等の条件により異なるため、これらの条件を加味してベローズ8aのサイズと、ベローズカム8e回転スピードを設定するのが望ましい。
【0082】
更に、ベローズカム8eが回転し、再びaの位置になると停止して待機状態となる。ベローズ8aは、形状の自己復元性を持つため、所定時間後に元の状態(図4の状態)へと伸張する。ベローズ8aの復元にともなって、大気連通室5f内に流出したインク5iは、インクタンク4内へと戻る。
【0083】
この後、再び次のインク逆流動作が開始される。なお、本実施例においては確実に攪拌できるよう、この逆流動作を、例えばn=5回繰り返す。
【0084】
ここで攪拌効果は、ΔV×nに依存するため、ΔVを大きくして、nを少なくしても同様の攪拌効果が得られる。例えば、ΔV=(20cc/10s)、n=1回に設定される。
【0085】
ΔVが大きくなるほど、ベローズ8aは大型化し、ベローズカム駆動モータ8gの動力が増大する。一方、nを増大すると、1サイクルの逆流の所要時間が増える。従って、前述のように、先ずΔV、nの必要条件を決定し、この条件に見合うカム形状、駆動モータ仕様、ベローズサイズ等を設定するのが望ましい。
【0086】
上記のインク逆流動作は、例えばインクジェット記録装置の電源投入ごとに実行され、あるいは、インクの沈降が発生する放置時間以内の所定時間ごとに実行される。この所定時間は、例えばタイマー手段によって設定される。
【0087】
一連のインク逆流動作が終了すると、遮断弁10は開状態とされ、記録ヘッド1へのインク供給が開始される。
【0088】
再び図1おいて、回復ユニット7は、吐出ノズル1gに対向する位置で吐出ノズル1gに向かって上昇し得る吸引キャップ7aを有し、吸引キャップ7aはカム7bにより上下駆動される。吸引キャップ7aはゴム材質よりなり、上昇時に吐出ノズル1gのノズル面を覆って密閉し、下降時に記録ヘッド1から待避した位置に移動可能である。カム7bはカム制御モータ7gにより駆動される。
【0089】
吸引キャップ7aには吸引ポンプ7cが接続され、ポンプモータ7dを駆動することにより吸引キャップ7a内からインクや空気を吸引する。吸引ポンプ7cは、複数のコロを有するチューブポンプ方式であり、連続吸引が可能であるとともに、ポンプモータ7dの回転速度により吸引量を調節し得る。吸引ポンプ7cの最大吸引圧力は例えば0.4atmに設定される。
【0090】
カム制御モータ7gには、リンク7eを駆動するカム7fが連結され、吸引キャップ7aの上下動に連動してリンク7eが駆動されて、レバー10dが回転される。これによって遮断弁10は吸引キャップ7aに連動して開閉される。
【0091】
カム制御モータ7gは同軸で矢印Cd方向にカム7b、7fを回転駆動し、カム7b、7fは図1のポジションa、b、cにおいて吸引キャップ7a、遮断弁10を所定の状態に設定する。ポジションaでは、吸引キャップ7a、遮断弁10の両者が開状態、ポジションbでは、吸引キャップ7a、遮断弁10の両者が閉状態、ポジションcでは、吸引キャップ7aが閉状態、遮断弁10が開状態となる。
【0092】
画像記録動作に際しては、カム7b、7fはポジションaに設定され、吸引キャップ7a、遮断弁10を開き、インク吐出、インク供給を可能とする。
【0093】
装置停止待機中は、カム7b、7fはポジションbに設定され、吸引キャップ7aによって記録ヘッド1のノズル面を覆い、吐出ノズル1gの乾燥を防ぐ。このとき、遮断弁10を閉じ、装置移動、装置傾き等によるインクの流出を防止する。
【0094】
カム7b、7fのポジションbの状態において、回復ユニット7によってインク充填が行われる。インク充填動作に際しては、キャリッジ2を主走査方向に移動して、記録ヘッド1を、吸引キャップ7aに対向する位置まで移動する。次に回復ユニット7のカム制御モータ7gを駆動し、カム7bとカム7fをポジションbまで回転する。すると吸引キャップ7aは記録ヘッド1のノズル面を覆い密閉した状態となり、遮断弁10はインク流路を閉じる。次にポンプモータ7dを駆動し、吸引ポンプ7cの吸引動作を行うと、吐出ノズル1gを通して、記録ヘッド1内に残留しているインク、空気が吸い出され、記録ヘッド1内が減圧される。吸引ポンプ7cの吸引動作は、計算や実験で求められた、所定の圧力に達するまで(所定吸引量)続行される。吸引ポンプ7cを停止した時点で、カム制御モータ7gを駆動し、カム7bとカム7fをポジションcまで回転させ、遮断弁10を開く。すると、減圧されている記録ヘッド1内にインクが流れ込み、インクがサブタンク1b、液室1fの各々に充填される。充填されるインク量は減圧されている各室の圧力がほぼ大気圧に戻る際に必要な体積であり、各室の体積と圧力により決定される。インク充填は遮断弁10を開いてから約1秒程度で完了する。
【0095】
インク充填が完了すると、カム制御モータ7gを駆動し、カム7b、7fをポジションaまで回転させ、吸引キャップ7aを開き、吸引ポンプ7cによって吸引キャップ7a内に残ったインクを排出する。この時点では遮断弁10は開状態であるので、画像記録が可能であるが、画像記録命令が無ければ、再びカム制御モータ7gを駆動し、カム7b、7fをポジションbまで回転させ、待機状態とする。
【0096】
次に、インクジェット記録装置の移動/再設置作業について説明する。
【0097】
インクジェット記録装置の移動に際しては、先ず、ユーザーが装置の操作パネル(図示せず。)により「装置移動モード」に設定する。この信号を受けて、前述のインク逆流動作が開始され、大気連通室5fにインクが逆流した状態(図5の状態)で停止する。ここで、インクタンク4をインク供給ユニット5から取り外し、供給針5aから記録ヘッド1までの流路内のインクを回復ユニット7により回収除去し、その後インクジェット記録装置の移動を行う。
【0098】
仮に、装置移動モードの状態でインクジェット記録装置が長時間放置された場合でも、大気導入針5bから大気連通室5fに至る空間内に多くの残留インクが存在し、その増粘が抑えられ、固着が発生することはない。
【0099】
再設置時には、ユーザーが電源を投入し、インクタンクを装着するとインク流路内にインク供給が行われると同時に、インク逆流手段8も初期状態(図4の状態)になる。
【0100】
[第2実施形態]
次に本発明に係るインクジェット記録装置の第2実施形態を図面に基づいて説明する。
【0101】
図6は、本発明に係るインクジェット記録装置の第2実施形態におけるインク逆流手段の閉鎖状態を示す縦断面図、図7は、図6のインク逆流手段の逆流・攪拌状態を示す縦断面図である。なお第1実施形態と同一若しくは相当部分には同一符号を付し、説明を省略する。
【0102】
第2実施形態は、第1実施形態のベローズ8aに替えて、インク逆流手段をピストンによって構成している。
【0103】
第1実施形態と同様、流路5cの中間に、インク逆流手段11が各インク色毎に設けられる。
【0104】
インク逆流手段11は、中空円筒状のピストンホルダ11aと、ピストンホルダ11aに嵌合して上下動するピストン軸11cとを有し、ピストンホルダ11aはジョイント11bによって供給ユニット5に接続されている。ピストン軸11cの外周には、ピストンホルダ11aに接するOリング11dが装着され、ピストン軸11cとピストンホルダ11aの間隙がシールされている。これによって、ピストン軸11cは密閉性を保ちながらピストンホルダ11a内を上下摺動する。
【0105】
ピストン軸11cの最下部にはピストンフランジ11fが形成され、ピストンフランジ11fはピストンカム11hによって上下駆動される。ピストンフランジ11fの底面とピストンカム11hの間にはピストンコロ11eが配設され、ピストンカム11hはピストンコロ11eを介してピストンフランジ11fを駆動する。これによって、ピストンカム11h、ピストンフランジ11f間に生じる摩擦力が軽減され、伝達効率が高められている。
【0106】
ピストンホルダ11aの底部には、ピストンフランジ11fを下方に付勢する、圧縮バネよりなるピストンバネ11gが設けられ、これによってピストンフランジ11fは常にピストンコロ11eをピストンカム11hに当接させる。
【0107】
ピストンフランジ11fがピストンコロ11eによって上下動されると、ピストン軸11cはピストンフランジ11fとともに上下動する。
【0108】
ピストンホルダ11aの内部空間はピストン軸11cの上下動によって変化し、第1実施形態のベローズ8a同様にインクを吸引、圧送し得る。
【0109】
ピストンカム11hは、前述のように各インク色毎に設けら、各ピストンカム11hは同一のピストンカム軸11iに取り付けられている。ピストンカム軸11iは、軸端部に設けられたピストンカム駆動モータ11jにより回転される。各ピストンカム11hは、第1実施形態同様、同一位相とされ、あるいは所定角度づつ位相をずらして取り付けられる。
【0110】
次に、インク逆流手段11の動作について説明する。
【0111】
第1実施形態同様、遮断弁10を閉状態(図6の状態)とした後、ピストンカム11hの回転によりピストン11cを上下動し、図7に示すように、インク逆流状態とする。
【0112】
ここでのインク逆流量ΔVは、実施例1と同様、ピストン11cの1ストローク=4cc/2sの流量であり、本実施形態においてもこの動作を5回繰り返す。
【0113】
インク逆流量ΔVは、ピストンホルダ11aの内断面積と、ピストン軸11cのストローク量およびスピードとにより決定され、必要なインク逆流量ΔVに応じてピストン内断面積、ストローク量、駆動モータ仕様等の条件を設定するのが望ましい。
【0114】
[第3実施形態]
次に本発明に係るインクジェット記録装置の第3実施形態を図面に基づいて説明する。
【0115】
図8は、本発明に係るインクジェット記録装置の第3実施形態におけるインク逆流手段を示す縦断面図である。なお図中第1実施形態と同一若しくは相当部分には同一符号を付し、説明を省略する。
【0116】
第1、第2実施形態ではメインタンク20は上方からインク供給ユニットに装着されたが、第3実施形態ではメインタンク20は、インク供給ユニット22に対して図中矢印方向(水平)にスライドして、インク供給ユニット22に装着される。
【0117】
インクタンク20は剛性をもつケース20aを有し、ケース20aにおいてインク21を液体のまま収容する。ケース20aの上端面に2口のゴム栓20b、20cが設けられ、ゴム栓20bの底面にはメインタンク20a内で垂直下方に延びるパイプ20dが取り付けられている。パイプ20dはメインタンク20の底面近傍において開口している。
【0118】
インク供給ユニット22には、メインタンク20の上面の沿う位置から上方に回転し得るタンクアーム23が、回転可能に設けられ、タンクアーム23にはインク供給針23b、および大気導入針23cが装着されている。インク供給針23b、大気導入針23cは、ゴム栓20b、20cをそれぞれ貫通し、大気導入針23cはメインタンク20内を大気に連通する。
【0119】
インク供給針23bは供給チューブ23dに接続され、供給チューブ23dは流路22a、チューブ6を介して記録ヘッド1に接続される。
【0120】
本実施形態は第2実施形態と同様のピストンよりなるインク逆流手段24を有し、インク逆流手段24は流路22aの中途に設けられている。流路22aとチューブ6の間には第2実施形態同様遮断弁10が設けられている。
【0121】
メインタンク20をインク供給ユニット22に装着する際には、このタンクアーム23を上方に回転させ(2点鎖線の状態)、メインタンク20を所定位置までスライドした後、タンクアーム23を下げる。このときインク供給針23b、大気導入針23cがゴム栓20b、20cを貫通し、インクタンク20内と各針内の流路が連通可能される。
【0122】
以上の構成により、インク21はパイプ20dを介してインク供給針23bから吸い上げてられて記録ヘッド1へ供給される。
【0123】
本実施形態においても遮断弁10を閉じ、インクを逆流することで、メインタンク20内に、図中のような矢印の流れが生じ、インクが攪拌される。
【0124】
近年、高速印字、記録紙サイズの大判化、連続操業性等から、メインタンクの大容量化が求められている。このような大容量のメインタンクはその重量の増加から操作性が低下する可能性があるが、第3実施形態のようにメインタンク20をスライドして装着する構成とすれば、少ない操作力で装着可能であり、その操作性が高い。
【0125】
なお以上の実施形態では遮断弁をインク逆流手段とは別個に設けたが、記録ヘッド側へのインク流出を防止し得る弁機構を含むインク逆流手段を採用することも可能である。
【0126】
また本発明の趣旨と範囲は、本発明の特定の説明と図に限定されるものではなく、以下の実施態様に示すように、本願特許請求の範囲に述べられた内容の様々な修正および変更に及ぶことは当業者にとって理解されるであろう。
【0127】
[実施態様1] インクを保持するメインタンクと、記録用紙に対してインクを吐出する記録ヘッドと、前記メインタンクから前記記録ヘッドにインクを導くインク流路とを備えたインクジェット記録装置であって、前記インク流路に設けられ、前記インク流路内のインクを前記メインタンクに戻し得るインク逆流手段を備えたインクジェット記録装置。
【0128】
[実施態様2] 前記戻し得るインク逆流手段がインクをメインタンクに逆流させるときにインクの記録ヘッド方向への流出を防止し得る遮断弁をさらに備えることを特徴とする実施態様1記載のインクジェット記録装置。
【0129】
[実施態様3] 前記インク逆流手段は、ベローズ式のポンプ手段であることを特徴とする実施態様1または2に記載のインクジェット記録装置。
【0130】
[実施態様4] 前記インク逆流手段は、ピストン式のポンプ手段であることを特徴とする実施態様1または2に記載のインクジェット記録装置。
【0131】
[実施態様5] 前記インク逆流手段は、少なくとも1回以上連続して、インクをメインタンクに逆流させることを特徴とする実施態様1または2に記載のインクジェット記録装置。
【0132】
【発明の効果】
本発明によればインク濃度を均一化し、また、インク増粘に起因した動作不安定を防止し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るインクジェット記録装置の第1実施形態におけるインク供給系を示す縦断面図である。
【図2】 図1のインク供給系のインク供給原理を示す縦断面図である。
【図3】 図1のインクジェット記録装置を示す斜視図である。
【図4】 図1の実施形態におけるインク逆流手段の閉鎖状態を示す縦断面図である。
【図5】 図1の実施形態におけるインク逆流手段の逆流・攪拌状態を示す縦断面図である。
【図6】 本発明に係るインクジェット記録装置の第2実施形態におけるインク逆流手段の閉鎖状態を示す縦断面図である。
【図7】 図6のインク逆流手段の逆流・攪拌状態を示す縦断面図である。
【図8】 本発明に係るインクジェット記録装置の第3実施形態におけるインク逆流手段を示す縦断面図である。
【図9】 従来のインクジェット記録装置におけるインク供給系を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 記録ヘッド
4、20 メインタンク
6 インク供給チューブ
9 インク
10 遮断弁

Claims (4)

  1. 顔料インクを吐出する記録ヘッドと、顔料インクを収容するメインタンクと、前記メインタンクを着脱可能なインク供給ユニットと、一端が前記記録ヘッドに接続され、他端が前記インク供給ユニットに接続されたインク供給チューブとを備え、前記インク供給ユニットは、前記メインタンクが装着されたときに当該メインタンクと連通するインク供給針及び大気導入針と、前記インク供給チューブに連通する第1の流路と、前記インク供給針と連通する第2の流路と、前記第1の流路と前記第2の流路の間に配され前記メインタンクから前記記録ヘッドへのインク供給を遮断可能な遮断弁と、大気連通口と連通する大気連通室と、前記大気導入針から前記大気連通室に至る第3の流路とを有し、前記記録ヘッドから顔料インクを吐出する際は、前記メインタンクから前記記録ヘッドに顔料インクが供給されるインクジェット記録装置であって、
    前記インク供給ユニットは前記第2の流路中に逆流手段を備え、前記遮断弁を閉じた状態で前記逆流手段を駆動して前記第2の流路内の顔料インクを前記記録ヘッドから顔料インクを吐出するときと逆方向に移動させることにより前記メインタンクから前記大気連通室にインクを流出させることが可能なことを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記逆流手段を駆動することにより、前記メインタンク内の顔料インクを攪拌することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記逆流手段は、伸縮することにより前記第2の流路内の顔料インクを吸引、排出するベローズを有することを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記逆流手段は、ピストンホルダと、当該ピストンホルダ内を摺動可能なピストンを有することを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。
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