JP2003200582A - インクジェットプリンタ - Google Patents
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- JP2003200582A JP2003200582A JP2002002275A JP2002002275A JP2003200582A JP 2003200582 A JP2003200582 A JP 2003200582A JP 2002002275 A JP2002002275 A JP 2002002275A JP 2002002275 A JP2002002275 A JP 2002002275A JP 2003200582 A JP2003200582 A JP 2003200582A
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Abstract
なく、出射安定性が優れた染料インク及び顔料インク兼
用インクジェットプリンタを提供すること。 【解決手段】 ワイピング手段を有する染料インク及び
顔料インク兼用インクジェットプリンタにおいて、染料
インクを用いる場合より顔料インクを用いる場合のワイ
ピング頻度が高いことを特徴とするインクジェットプリ
ンタ。
Description
面のワイピング手段を有するインクジェットプリンタに
関する。
に往復動させながら、インク滴を飛翔(吐出)させ、普
通紙あるいは特殊コート紙等の支持体の移動と相俟っ
て、支持体上に画像データに従った画像(パターン)を
形成するように構成したインクジェットプリンタは公知
である。
限定されないという特性から、ラベル印刷、捺染(布印
刷)、液晶パネルのカラーフィルタ印刷等に使用される
等、応用範囲も広がりを持っている。
の増大、インクの固着によるインクの目詰まり、あるい
はノズルに通じる液路内に発生した気泡やごみ等による
目詰まりを回復するために、記録ヘッドのノズル面をキ
ャップ部材で覆い、キャップ部材を介して吸引ポンプで
吸引することにより、ノズル面に付着したごみ等を除去
するメンテナンスが行われている。
た際には、ノズル面にインク滴が多数残留する。このイ
ンク滴がノズル面に残ったままでは、明瞭な印刷が行え
ない。このため、キャップ部材を外した後、弾性のある
ブレードをノズル面に当接させることでノズル面を拭き
取り(以下ワイピングともいう)清掃している。
にインク滴が残留すると、このインク滴が毛細管現象に
よりノズル内に吸い込まれる際に空気を含んで吸い込ま
れてしまうことがあり、その後の印刷でノズル欠(出射
不良)が発生したり、吐出曲がり等の吐出不良が発生し
たりして、印刷画像が不明瞭になってしまうことがあ
る。
顔料インク兼用インクジェットプリンタが望まれ、さら
に高速化によるメンテナンス時間の短縮が要望されてい
る。従来の染料インク及び顔料インク兼用インクジェッ
トプリンタはワイピング条件が一定のため、顔料インク
を用いる場合には、顔料インク中の固形分がヘッド表面
に付着しやすく、出射安定性が不十分であった。
ピング後のノズル面のインク残留量が少なく、出射安定
性が優れた染料インク及び顔料インク兼用インクジェッ
トプリンタを提供することにある。
の手段により達成される。
び顔料インク兼用インクジェットプリンタにおいて、染
料インクを用いる場合より顔料インクを用いる場合のワ
イピング頻度が高いことを特徴とするインクジェットプ
リンタ。
び顔料インク兼用インクジェットプリンタにおいて、染
料インクを用いる場合より顔料インクを用いる場合のワ
イピング回数が多いことを特徴とするインクジェットプ
リンタ。
び顔料インク兼用インクジェットプリンタにおいて、染
料インクを用いる場合より顔料インクを用いる場合のワ
イピング速度が速いことを特徴とするインクジェットプ
リンタ。
び顔料インク兼用インクジェットプリンタにおいて、染
料インクを用いる場合より顔料インクを用いる場合のワ
イピング時のノズル面とブレードの重なりが大きいこと
を特徴とするインクジェットプリンタ。
IS−K−6301で規定される硬度が40〜60度で
あることを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載
のインクジェットプリンタ。
は、ワイピング手段を有する染料インク及び顔料インク
兼用インクジェットプリンタに関するものである。
ットプリンタとは、少なくとも1色について、染料イン
クと顔料インクを共に使用可能であるインクジェットプ
リンタ(以下プリンタともいう)であり、染料インクと
顔料インクを同時に搭載できるタイプ、染料インクと顔
料インクを必要に応じて入れ替えるタイプのいずれでも
よく、また、染料インクと顔料インクで同一のヘッドを
利用しても、染料インク、顔料インクでそれぞれ別のヘ
ッドを用いてもよい。
れぞれ染料インク、顔料インクを利用可能であり、Y、
M、C染料インクセット、Y、M、C顔料インクセット
を切り替えるタイプである。さらに好ましくは、Y、
M、C、K染料インクセット、Y、M、C、K顔料イン
クセットを切り替えるタイプである。
Y、M、C及びKの4色また最近の高画質化に対応する
ため、それぞれ濃淡のインクを備えている場合もあり、
さらに染料インク及び顔料インク兼用インクジェットプ
リンタではインク物性が大きく異なる染料インク及び顔
料インクを使用する。これら全てのインクに対して、ワ
イピング後のノズル面のインク残留量を抑える必要があ
る。
ャップ部材が記録ヘッドのノズル面から外れる速度を遅
くすることが有効であるが、これはメンテナンス時間が
長くなる問題があった。
討した結果、メンテナンス時間の制約の中でノズル面の
インク残留量を抑えて、出射安定性を得るには、染料イ
ンクと顔料インクでワイピング条件を変え、顔料インク
を用いる場合にはワイピング条件をより強くすることが
必要であることを見出した。ワイピング条件をより強く
するとは、具体的には、ワイピング頻度(プリント長さ
当たりのメンテナンスの頻度)が高いこと、ワイピング
回数(メンテナンス工程で1回のキャッピング当たりの
ワイピング数)が多いこと、ワイピング速度が速いこ
と、ワイピング時のブレードの押圧が大きいことであ
る。
は、プリンタを従来のワイピング回数、ワイピング速度
を固定型から可変型に改造し、染料インクを用いる場合
と顔料インクを用いる場合で設定値を変えればよい。ワ
イピング回数、ワイピング速度を固定型から可変型に改
造することは比較的容易である。
定の切り替えは、両者を同時に搭載できる場合はそれぞ
れについて設定し、染料インクセットと顔料インクセッ
トを入れ替える場合には手動で設定してもよいが、好ま
しくはインク容器に情報を設定し、インクジェットプリ
ンタがインク容器の情報を読み込んで設定を変更するこ
とが好ましい。
押圧は、ブレードとノズル面の重なり量で表される。図
1、2はブレードとノズル面の重なり量を示す図であ
る。図1の(a)はブレード17がノズル面5をワイピ
ングしている様子を示しているが(矢印はワイピング方
向を示す)、重なり量とは、図1の(b)で示される位
置にブレード17を持ってきたときのノズル面5とブレ
ード17の重なりdで定義される。
規定される硬度60度以下であることが好ましい。60
度を越えると当初のクリーニング性はよいが、押圧が高
くなり過ぎ、ブレードの劣化と共にクリーニング性が落
ち、ノズル面を傷つけるため好ましくない。また、40
度以下では十分な押圧が得られずクリーニング不良を起
こすことがある。この範囲の硬度を持つブレード材料
は、例えば、入間川ゴム(株)から市販されており、こ
れを加工して用いることができる。
いて説明する。
の主要構成の一例を示す概略図である。インクジェット
プリンタは、記録紙にインクを吐出し印刷を行うもので
あり、その印刷を行う部分の主要構成として、図3に示
すように、記録紙2を印刷時に前方へ搬送させる搬送手
段(図示省略)と、記録紙2にインクを吐出する記録ヘ
ッド(ヘッド)3と、複数色毎の記録ヘッド3を収納す
るキャリッジ4と、記録ヘッド3のメンテナンスを行
う、吸引キャップ16及びブレード部17を有するメン
テナンスユニット5と、印刷時あるいはメンテナンス時
等にキャリッジ4を水平方向(矢印A)に沿って案内す
るガイドレール6と、キャリッジ4の待機所となる保湿
キャップ8を有するホームポジション7と、これら各部
の制御を行う制御部(図示省略)とを備えている。Cは
インクカートリッジ、インクカートリッジCから送られ
た各インクは一旦サブタンクTに蓄えられたうえ、供給
弁Vを通して、インク供給路Pを通って記録ヘッドに送
られる構成となっている。
ャリッジ4の動作にタイミングを合わせて、記録紙2を
印字領域9上で搬送し、印刷の終了に応じて、記録紙2
は印字領域から下方(矢印B)に向かって搬送される。
る。記録ヘッド3は、ヘッド基板10に、インクを吐出
するインク吐出本体部11と、インク吐出本体部11近
傍で温度を測る温度センサー(温度測定手段)12と、
フレキシブルケーブルが接続され、これらインク吐出本
体部11と温度センサー12に信号の入出力を行うフレ
キシブルケーブル接続部13等を設置した構成となって
いる。インクを吐出する駆動周波数はインク吐出本体部
11内の制御部(図示されていない)で制御される。そ
して、インク吐出本体部11には、インクを吐出する吐
出口14が、記録紙2に対向する面(ノズル面15)の
センターラインに沿って複数設けられており、この吐出
口14は、ノズル(流路)に連通している。また、記録
ヘッド3は、ノズル面15の一端が他端よりも下となる
ように傾いた状態でキャリッジ4に設置されている。
1近傍の気温あるいは、ヘッド基板10の温度を測定す
るものであり、フレキシブルケーブル接続部13を通し
て、制御部と電気的に接続している。
録ヘッド3が、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブ
ラック)に応じて複数設けられている。
図4に示す吐出口14を覆って、吐出口14からインク
を吸引する吸引キャップ(キャップ部材)16と、吸引
キャップ16によるインクの吸引が行われた後に、ノズ
ル面15に残るインクを拭き取るブレード部17と、図
3には示していないがブレード部の清掃を行うブレード
クリーナー部とを備えている。吸引キャップ16は、複
数(本実施の形態では2個)並んで設けられており、メ
ンテナンス時において、一度に複数個の記録ヘッド3の
吸引を行うことを可能としている。
0を含むインク吸引ユニットの概略を示す構成図である
が、この吸引キャップ16には記録ヘッド3のノズル面
15の周囲を覆うと共に、密閉性を保つために弾性を有
するリップ部19が備えられている。更に、この吸引キ
ャップ16の背面には、吸引キャップ16とノズル面1
5により形成された空間内部を吸引する吸引ポンプ(吸
引手段)20、大気連通弁21が連結されており、この
吸引ポンプ20が、吸引キャップ16により覆われ密閉
された状態のノズル面15を、吸引キャップ16を介し
て吸引する。そして、吸引ポンプ20によって吐出口1
4から吸引されたインクは、廃インクタンク22に排出
される。
ノズル面15から外れる際に、一方の端部側から先に外
れさせて徐々に他方の端部まで離間させる構成となって
いる(図5(a)、(b)、(c))。そして、この吸
引キャップ16は、側面に略L字状の支持片18により
支持され、記録ヘッド3のノズル面15とほぼ対向され
た状態に配置されている。
吸引ポンプ20を例示しているが、吐出口14からイン
クを吸引するものであれば、如何なるものでもよく、例
えば、ピストンやシリンダ等が挙げられる。
る本体部23と、本体部23の下端から直角に延出する
延出部24とから構成されており、本体部23と延出部
24の接合部分で回動可能に軸支されている。そして、
延出部24には、略楕円形のカム(移動手段)26が接
触している。カム26は、回動することで、支持片18
を回動させ、それに伴って、吸引キャップ16を記録ヘ
ッド3のノズル面15に着脱させる。
等のカム駆動部に接続されており、このカム駆動部の制
御で回転し、吸引キャップ16を、記録ヘッド3と離間
した所定の位置(待機位置;図5(c))と、ノズル面
15を覆って密閉した位置(図5(a))との間で移動
させている。
を含むワイピングユニットの構成を示す概略図である。
ブレード部17は、弾性体で形成され、吸引キャップ1
6によるインク吸引の終了後に、ノズル面15に残留す
るインクを拭き取るブレード本体35と、ブレード本体
35を支持し、上下動(矢印E)させるブレード可動部
36とを備えている。
ナンスユニット5の内部に設置されており、ブレード本
体35のインクを吸収し拭き取るインク吸収体38と、
インク吸収体38を保持する吸収体保持部39とを備え
ている。
ン7には、ノズル面15を保湿する保湿キャップ8が、
記録ヘッド3と同数設けられており、キャリッジ4の待
機中においては、記録ヘッド3のノズル面15を覆って
密閉している。
リッジ4の移動により、記録ヘッド3が吸引キャップ1
6まで移動する。
(図示されていない)の駆動によって行われ、そして、
キャリッジセンサーによりキャリッジ4が吸引位置まで
移動したことを検知すると、キャリッジ駆動部が停止
し、キャリッジが停止する。
引キャップ16が、カム駆動部により(図示されていな
い)、記録ヘッド3のノズル面15まで移動し、記録ヘ
ッド3のノズル面15を密閉し、吐出口14を覆う。
され、吐出口14からインクの吸引を行う。この吸引
は、所定時間経過する迄行われ更に所定回数繰り返され
る。
気連通弁21が開かれて、吸引キャップ16とノズル面
15とを離間しやすい状態にした上で、吸引キャップ1
6を待機位置まで移動させる。
大気連通弁21を閉め、キャリッジ4を、ノズル面15
の拭き取り清掃(ワイプ)を行うブレード部17まで、
キャリッジ駆動部により移動させる。
とを検知すると、キャリッジ駆動部が停止し、キャリッ
ジが停止する。
ブレード部17が移動を開始する。ブレード部17がワ
イプ位置で停止すると、キャリッジが動きワイプを開始
する。このときのワイピング回数及び速度は可変で、キ
ャリッジ駆動部内の制御部(図示されていない)によっ
て制御される。本発明において顔料インクを用いる場合
には、染料インクを用いる場合よりワイピング回数を多
く、ワイピング速度を速く、ブレード圧力を高くする。
リーナー部37によってブレード部17が清掃される。
ッジ4は、待機位置であるホームポジション7まで移動
し、停止する。
い時には、図6(a)に示すように、ブレードクリーナ
ー部37のインク吸収体38よりも下方で待機してい
る。そして、ノズル面15にワイプが必要になると、ブ
レード可動部36は、上方に向かって移動することで、
ブレード本体35を上方に移動させる。この移動の際
に、ブレード本体の上面と、インク吸収体38とが接触
する。つまり、ブレード本体35に残っていたインク
は、この動作によりインク吸収体38に吸収される。こ
のような構成であるので、ブレード本体35は、メンテ
ナンスが行われる毎に清掃され、残留インクによりブレ
ード本体35が劣化するということを防止することがで
きる。
ード本体35の上端部がノズル面通過位置Fにまで達す
ると、キャリッジ4が作動し、このブレード本体35の
上面と、記録ヘッド3のノズル面とが接触し、ノズル面
15に残るインクは、ブレード本体35によって拭き取
られる。
面と、ノズル面15とが接触することで、ノズル面15
上に残留するインクを拭き取る構成であるので、ブレー
ド本体35の清掃を行う際には、ブレード本体35の上
面側を拭き取る。
において、染料インクと顔料インクとでワイピング条件
を変えることで、効率的にワイピングすることができ、
ワイピング後のノズル面のインク残留量とメンテナンス
時間の両立を図ることができる。
性)にすることが必要で、通常、ノズル面を構成する例
えばノズルプレート表面を撥水加工する。
ル、ポリアミド等のプラスチック、ガラス、セラミック
及び金属等の素材に撥水性コーティングを施したもの
で、撥インク性の表面としたものが用いられる。
性、撥インク性コーティングを施す方法については、例
えば、特公昭52−24821号、特開昭56−286
2号にはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の
フッ素樹脂やシリコーン樹脂等インクをはじく特性を有
する素材のコーティングが、特開昭57−72866
号、同60−255441号等には撥インク膜としてテ
トラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重
合体(FEP)を使用することがそれぞれ記載されてい
る。このFEPはポリテトラフルオロエチレン(PTF
E)と同等の低い表面エネルギー(撥インク性)を有し
ながら、加熱溶融時の粘度がPTFEと比較して低く、
水分散液を塗布して加熱溶融によって均一膜を形成する
場合にPTFEよりも低温で短時間に均一膜が得られ、
成膜加工性に優れている。また、特開2001−715
09にはFEP水分散液とシリカゾル粒子分散液を混合
塗布して乾燥及び300〜400℃で焼成する方法が、
また、特表平10−505870号等にもフッ素含有ポ
リシロキサン化合物を用いる方法等が記載されている。
ニングを行うブレードは、(親インク性(親水性)であ
っても、撥インク性(撥水性)であってもよいが、)例
えば、各種のゴム等、弾性を有する材料から選ばれる。
ウレタンゴム等の比較的親水性のブレードを用いる場合
には、その親和性によりインクを引きつけこれを拭き取
ることができる。しかしながら、その親水性により、ク
リーニングしたノズル面に再度インク滴を(ノズルか
ら)引き出してしまうことがあり、ブレードはどちらか
というと、親インク性の弱い、撥インク性を有する材質
で構成するのが好ましい。インク滴をノズルから引き出
すことがなく、また、ブレード自体の汚れも少なく好ま
しい。
しては、ウレタンゴム、また、ブチルゴム等のブレード
素材にシラン化合物をコーティングしたり、親水性のポ
リマー(例えばナイロン、ポリウレタン、ポリビニルア
ルコール等)をコーティングしたり、ゴム表面に予めプ
ラズマ処理を行ったりする、所謂表面改質によって親水
化したものが例として挙げられる。例えばインクに対す
る接触角として40度以下のものが選ばれる。
ド材料としては、シリコーンゴム、シリコーン樹脂、室
温硬化型シリコーン樹脂、室温硬化型有機変性シリコー
ン樹脂等シリコーン系の材料によるものが挙げられる。
また、弾性を有するプラスチック基材表面を疎水性材料
に、例えば、ポリテトラフルオロエチレン等の撥水性高
分子樹脂あるいはこれらの樹脂をコーティングした材料
等が挙げられる。中ではシリコーン系材料が好ましい。
インクに対する接触角で評価した場合、50度以上の材
料が好ましい。シリコーンゴムとしては、例えば、入間
川ゴム(株)IS−825 50HS等が入手できる。
の撥インク性や、ブレードの撥インク性を測定・評価す
るには、接触角を用いる。
は、重力と表面張力である。液滴が小さくなると、質量
の割に表面積が非常に大きくなるので、重力に比べて表
面張力の影響が圧倒的に大きくなる。従って、微小液滴
の移動に影響する力は、表面張力(σ:mN/m)だけ
になる。静止している液滴が、固体表面と成す角を平衡
接触角θe、または、単に接触角θと呼ぶが、液滴が移
動を開始すると、平衡接触角θeが消滅して、前進接触
角θaと後退接触角θrが現れる。液滴に働く表面張力
の大きさは、液滴を進める方向にσcosθa、液滴の
移動を妨げる方向にσcosθrとなる。
表面に対する接触角であり、後退接触角θrは、既に、
液体で濡れた表面に対する接触角であるので、常にθa
>θrが成立する。液滴に外力が作用して、移動を開始
しθaとθrが現れると、その時、液滴には、液滴の移
動を妨げる方向にσcosθr−σcosθaの力が働
き、これが液滴の移動を妨げる力となる。
に、まだ液体で濡れていない表面に対する接触角のた
め、多くの系でθa≒θeが成立する。θrは、既に液
体で濡れた面に対する接触角のため、インク成分が固体
表面に吸着したり、インクの影響で、固体表面の官能基
が反転すると、大きく変化する。液体が濡れ拡がらず、
球状になってコロコロと転がることを防ぐには、前進接
触角θaが大きく、後退接触角θrが小さくなる系が好
ましい。
触角、後退接触角は、(株)協和界面科学製の接触角計
CA−Xを使用して測定する。測定しようとするインク
滴5μlをシリンジから基板上に乗せる。更に、シリン
ジから少量のインクを供給して、液滴を少し拡がらせて
前進接触角を測定する。直ちに、少量のインクをシリン
ジに吸い取り液滴を後退させて後退接触角を測定する。
染料、顔料どちらのタイプのインクを用いても構わな
い。水系インクとは、例えば、インクの10質量%以上
の水を含有するインクである。
性染料、例えば、酸性染料、直接染料、反応性染料、あ
るいは分散染料、顔料等を用いることができる。
いることが好ましい。顔料インクで用いる顔料として
は、不溶性顔料、レーキ顔料等の有機顔料及びカーボン
ブラック等を好ましく用いることができる。
はないが、例えば、アゾ、アゾメチン、メチン、ジフェ
ニルメタン、トリフェニルメタン、キナクリドン、アン
トラキノン、ペリレン、インジゴ、キノフタロン、イソ
インドリノン、イソインドリン、アジン、オキサジン、
チアジン、ジオキサジン、チアゾール、フタロシアニ
ン、ジケトピロロピロール等が好ましい。
しては、以下の顔料が挙げられる。マゼンタまたはレッ
ド用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッ
ド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメン
トレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピ
グメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、
C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレ
ッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、
C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメン
トレッド122、C.I.ピグメントレッド123、
C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメント
レッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.
I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッ
ド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.
ピグメントレッド222等が挙げられる。
は、例えば、C.I.ピグメントオレンジ31、C.
I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエ
ロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.
ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー
15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグ
メントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー9
4、C.I.ピグメントイエロー138等が挙げられ
る。
例えば、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグ
メントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー1
5:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグ
メントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が
挙げられる。
剤を用いてもよく、用いることのできる顔料分散剤とし
ては、例えば、高級脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキ
ルエステル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、スルホコハ
ク酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリ
オキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキ
シエチレンポリオキシプロピレングリコール、グリセリ
ンエステル、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン
脂肪酸アミド、アミンオキシド等の活性剤、あるいはポ
リマー類、例えば、スチレン、スチレン誘導体、ビニル
ナフタレン誘導体、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マ
レイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸
誘導体、フマル酸、フマル酸誘導体から選ばれる2種以
上の単量体からなるブロック共重合体、ランダム共重合
体及びこれらの塩を挙げることができる。
ミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテ
ータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジ
ナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシ
ェーカー等の各種分散機を用いることができる。また、
顔料分散体の粗粒分を除去する目的で、遠心分離装置を
使用すること、フィルターを使用することも好ましい。
ンク中での安定性、画像濃度、光沢感、耐光性等を考慮
して選択するが、光沢向上、質感向上の観点からも粒径
を適宜選択することが好ましい。
インク組成物は、水溶性有機溶媒を併用することが好ま
しい。本発明で用いることのできる水溶性有機溶媒とし
ては、例えば、アルコール類(例えば、メタノール、エ
タノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノー
ル、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシ
ャリーブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シク
ロヘキサノール、ベンジルアルコール等)、多価アルコ
ール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリ
コール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコ
ール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、
ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘ
キサントリオール、チオジグリコール等)、多価アルコ
ールエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチ
ルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、
エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレング
リコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモ
ノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエ
ーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プ
ロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリ
コールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレング
リコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコール
モノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチ
ルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテ
ル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル等)、
アミン類(例えば、エタノールアミン、ジエタノールア
ミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノール
アミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、
N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレン
ジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペ
ンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレ
ントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン等)、
アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホ
ルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、複素
環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロ
リドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリド
ン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等)、ス
ルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド等)、ス
ルホン類(例えば、スルホラン等)、尿素、アセトニト
リル、アセトン等が挙げられる。好ましい水溶性有機溶
媒としては、多価アルコール類が挙げられる。さらに、
多価アルコールと多価アルコールエーテルを併用するこ
とが特に好ましい。
用してもよい。水溶性有機溶媒のインク中の添加量とし
ては、総量で5〜60質量%であり、好ましくは10〜
35質量%である。
性、記録ヘッドやインクカートリッジ適合性、保存安定
性、画像保存性、その他の諸性能向上の目的に応じて、
公知の各種添加剤、例えば、粘度調整剤、表面張力調整
剤、比抵抗調整剤、皮膜形成剤、分散剤、界面活性剤、
紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、防ばい剤、防
錆剤等を適宜選択して用いることができ、例えば、ポリ
スチレン、ポリアクリル酸エステル類、ポリメタクリル
酸エステル類、ポリアクリルアミド類、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、またはこれらの共重合体、尿素樹脂、またはメラミ
ン樹脂等の有機ラテックス微粒子、流動パラフィン、ジ
オクチルフタレート、トリクレジルホスフェート、シリ
コンオイル等の油滴微粒子、カチオンまたはノニオンの
各種界面活性剤、特開昭57−74193号、同57−
87988号及び同62−261476号に記載の紫外
線吸収剤、特開昭57−74192号、同57−879
89号、同60−72785号、同61−146591
号、特開平1−95091号及び同3−13376号等
に記載されている退色防止剤、特開昭59−42993
号、同59−52689号、同62−280069号、
同61−242871号及び特開平4−219266号
等に記載されている蛍光増白剤、硫酸、リン酸、クエン
酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム
等のpH調整剤等を挙げることができる。
40mPa・s以下が好ましく、30mPa・s以下で
あることがより好ましい。また、インク組成物はその飛
翔時の表面張力として、20mN/m以上が好ましく、
30〜45mN/mであることがより好ましい。
0質量%の範囲で選択でき、写真画像を得るには、顔料
固形分濃度を各々変化した、いわゆる濃淡インクを用い
ることが好ましく、前記のようにイエロー、マゼンタ、
シアン、ブラックの濃淡インクを各々用いることは特に
好ましい。また、必要に応じて、赤、緑、青等の特色イ
ンクを用いることも色再現性上好ましい。
るが、本発明はこれにより限定されるものではない。
(宇部興産(株)製、ユービレックス)を用い、酸素プ
ラズマ処理(13.56MHz、200W、10Pa、
3分)を施してから、下記組成の塗布液をワイヤーバー
で乾燥膜厚が0.8μmとなるように塗布し、330°
で2時間焼成して撥インク処理を行ってノズルプレート
Aを作製した。
ーザを用いノズル孔加工を行った。ノズル径は40μm
とした。
いた記録ヘッドを作製した。次いで、コニカ製インクジ
ェットプリンタIGUAZU 1044SD(図3に概
略図を示した)を改造し、記録ヘッドを上記作製した記
録ヘッドに換え、ワイピング回数を1〜10回(可
変)、ワイピング速度を10〜100mm/sec(可
変)としプリンタ1を作製した。また、シリコーンゴム
(入間川ゴム(株)、IS−825 50HS、硬度5
0度及びミツバ(株)、硬度80度)を加工し、ノズル
面とブレードの重なりdが異なるブレードを作製した。
従って、染料インクを調製した。
調製した。 (イエロー顔料分散液) C.I.ピグメントイエロー74 95g デモールC(花王(株)製) 65g エチレングリコール 100g イオン交換水 120g を混合し、0.5mmのジルコニアビーズを体積率で5
0%充填したサンドグラインダーを用いて分散し、遠心
分離器で沈降物を除去し、イエロー顔料分散液を得た。
0%充填したサンドグラインダーを用いて分散し、遠心
分離器で沈降物を除去し、マゼンタ顔料分散液を得た。
0%充填したサンドグラインダーを用いて分散し、遠心
分離器で沈降物を除去し、シアン顔料分散液を得た。
0%充填した横型ビーズミル(アシザワ(株)製システ
ムゼータミニ)を用いて分散し、遠心分離器で沈降物を
除去し、ブラック顔料分散液を得た。
拌した後に、孔径1μmのミリポアフィルター濾過機を
2度通過させ、顔料インク1を得た。顔料の平均粒径は
122nmで、400nm以上の粒径の粒子は0.2%
であった。尚、粒径測定はマルバーン社製ゼータサイザ
1000により行った。
した後に、孔径1μmのミリポアフィルター濾過機を2
度通過させ、顔料インク2を得た。顔料の平均粒径は8
5nmで、400nm以上の粒径の粒子は0.1%であ
った。
した後に、孔径1μmのミリポアフィルター濾過機を2
度通過させ、顔料インク3を得た。顔料の平均粒径は1
05nmで、粒径400nm以上の粒子は0.5質量%
であった。
リポアフィルターを2度通過させて顔料インク4を得
た。顔料の平均粒径は75nmであった。
ンク残留性及びメンテナンス時間を評価した。
各インク及びブレードを取り付け、駆動周波数8.2k
Hz、出射速度10m/sで出射させ、表1に示すよう
に、ワイピング頻度(相対値)、ワイピング回数(メン
テナンス工程で1回のキャッピング当たりのワイピング
数)、ワイピング速度、ワイピング時のノズル面とブレ
ードの重なり量及びブレードの硬度を変えて、5分間画
像形成、5分間休止を10日間繰り返し、10日後にイ
ンクの出射安定性を下記基準に従い目視で観察した。
障害になる。
トリッジに、上記作製した各インクを取り付け、駆動周
波数8.2kHz、出射速度10m/sで出射させ、表
1に示すように、ワイピング頻度(相対値)、ワイピン
グ回数(メンテナンス工程で1回のキャッピング当たり
のワイピング数)、ワイピング速度、ワイピング時のノ
ズル面とブレードの重なり量及びブレードの硬度を変え
て、5分間画像形成し、5m印刷毎にワイピングし、カ
バーを開けてプリンタの記録ヘッドのノズル面のインク
残留性を観察し、目視により以下に示す基準で評価し
た。
の残りは全く確認できない ○:ノズル面及びその周辺に極僅かではあるが、微小な
インク滴がみられる ×:ノズル面及びその周辺に拭き残りのインク滴が明ら
かにみられる。
が少なく、出射安定性が優れた染料インク及び顔料イン
ク兼用インクジェットプリンタを提供することができ
る。
る。
る。
す概略図である。
る。
る。
Claims (5)
- 【請求項1】 ワイピング手段を有する染料インク及び
顔料インク兼用インクジェットプリンタにおいて、染料
インクを用いる場合より顔料インクを用いる場合のワイ
ピング頻度が高いことを特徴とするインクジェットプリ
ンタ。 - 【請求項2】 ワイピング手段を有する染料インク及び
顔料インク兼用インクジェットプリンタにおいて、染料
インクを用いる場合より顔料インクを用いる場合のワイ
ピング回数が多いことを特徴とするインクジェットプリ
ンタ。 - 【請求項3】 ワイピング手段を有する染料インク及び
顔料インク兼用インクジェットプリンタにおいて、染料
インクを用いる場合より顔料インクを用いる場合のワイ
ピング速度が速いことを特徴とするインクジェットプリ
ンタ。 - 【請求項4】 ワイピング手段を有する染料インク及び
顔料インク兼用インクジェットプリンタにおいて、染料
インクを用いる場合より顔料インクを用いる場合のワイ
ピング時のノズル面とブレードの重なりが大きいことを
特徴とするインクジェットプリンタ。 - 【請求項5】 ワイピングに用いられるブレードがJI
S−K−6301で規定される硬度が40〜60度であ
ることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載
のインクジェットプリンタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002002275A JP2003200582A (ja) | 2002-01-09 | 2002-01-09 | インクジェットプリンタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002002275A JP2003200582A (ja) | 2002-01-09 | 2002-01-09 | インクジェットプリンタ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003200582A true JP2003200582A (ja) | 2003-07-15 |
Family
ID=27642182
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002002275A Pending JP2003200582A (ja) | 2002-01-09 | 2002-01-09 | インクジェットプリンタ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003200582A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005320509A (ja) * | 2004-04-08 | 2005-11-17 | Ricoh Co Ltd | 記録用インク、並びに、インクカートリッジ、インク記録物、インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法 |
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JP2011051125A (ja) * | 2009-08-31 | 2011-03-17 | Seiko Epson Corp | 液体噴射装置及び液体噴射装置のクリーニング方法 |
US7950793B2 (en) | 2004-04-08 | 2011-05-31 | Ricoh Company, Ltd. | Recording ink, ink cartridge, ink record, inkjet recording apparatus and inkjet recording process |
WO2019189817A1 (ja) | 2018-03-30 | 2019-10-03 | 富士フイルム株式会社 | インクジェット記録用インク、インクジェット記録用インクの製造方法及び画像記録方法 |
-
2002
- 2002-01-09 JP JP2002002275A patent/JP2003200582A/ja active Pending
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