JP6331792B2 - 液体噴射装置、2流体噴射装置及び2流体噴射装置の制御方法 - Google Patents

液体噴射装置、2流体噴射装置及び2流体噴射装置の制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えば、インクジェット式プリンターなどの液体噴射装置、液体噴射装置に備えられる2流体噴射装置及び2流体噴射装置の制御方法に関する。
従来から、2流体噴射装置の一種として、気体である圧縮空気に液体である洗浄液を混合して2流体噴射ノズルから対象物に噴射することで、当該対象物の洗浄を行う2流体洗浄装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような2流体洗浄装置では、2流体噴射ノズルに対して圧縮空気が気体配管によって供給されるとともに洗浄液が液体配管によって供給され、2流体噴射ノズルから圧縮空気と洗浄液とが混合された混合流体が噴射されるようになっている。そして、混合流体の噴射の終了時には、気体配管内の圧力が所定の圧力以下となった場合に洗浄液の供給を停止することで、気体配管内に洗浄液が逆流しないようにしている。
特開2008−194653号公報
ところで、特許文献1のような2流体洗浄装置では、気体配管内の圧力しかチェックしていないため、液体配管内の圧力が上昇した場合には、洗浄液が圧縮空気と洗浄液とを混合する混合部を越えて気体配管内に入り込んでしまうという問題がある。
本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、2流体噴射装置の気体流路に液体が入り込むことを抑制することが可能な液体噴射装置、2流体噴射装置及び2流体噴射装置の制御方法を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する液体噴射装置は、媒体に対して第1液体をノズルの開口から噴射可能な液体噴射部と、前記液体噴射部に対して、気体及び第2液体のうちの少なくとも一方を噴射可能な2流体噴射装置とを備え、前記2流体噴射装置は、前記気体と前記第2液体とを混合した混合流体を噴射可能な2流体噴射ノズルと、前記気体を前記2流体噴射ノズルに供給する気体流路と、前記第2液体を収容する液体収容部と、前記液体収容部に収容された前記第2液体を前記2流体噴射ノズルに供給する液体流路と、前記液体収容部の前記液体を収容する液体収容空間を大気と連通させる連通状態と、前記液体収容空間を大気と連通させない非連通状態との間で切り替え可能な開閉弁と、を有し、前記液体収容部には、少なくとも前記2流体噴射ノズルから前記混合流体が噴射されない状態において、前記第2液体の気液界面が前記気体と前記第2液体とを混合する混合部よりも前記液体収容部側に位置するように、負圧が付与されており、前記開閉弁は、前記2流体噴射ノズルから前記混合流体が噴射されている状態で、前記液体収容空間が前記連通状態から前記非連通状態になるように切り替えられる。
この構成によれば、例えば2流体噴射ノズルからの混合流体の噴射を停止する際に、液体収容部に負圧が付与されることで、第2液体が混合部を越えて気体流路側へ流れることが抑制される。また、2流体噴射ノズルから混合流体が噴射されている状態で、液体収容空間が連通状態から非連通状態になるように開閉弁を切り替えることで、液体収容部に負圧を付与することが可能となる。よって、2流体噴射装置の気体流路に第2液体(液体)が入り込むことを抑制することが可能となる。
上記液体噴射装置において、前記2流体噴射ノズルは、前記混合流体を上方に噴射するように配置され、前記液体収容部の水頭面は、前記混合部よりも下方に位置していることが好ましい。
この構成によれば、2流体噴射ノズルから混合流体の噴射を停止した後に、2流体噴射ノズルに残留した第2液体が重力によって液体流路に回収されやすくすることが可能となる。
上記液体噴射装置において、前記液体収容部は、前記第2液体を収容する液体収容空間を形成する壁部を備えており、前記壁部の少なくとも一部は、可撓性を有していることが好ましい。
この構成によれば、2流体噴射ノズルから混合流体の噴射が行われているときには液体収容空間に負圧が発生するので、可撓性の壁部が液体収容空間の容積を縮小する方向に弾性変形する。そして、2流体噴射ノズルからの混合流体の噴射が停止すると、可撓性の壁部が自らの弾性復元力によって弾性変形前の元の形状に戻ることで、液体収容空間の容積も元に戻るため、液体収容空間に負圧が発生する。したがって、簡単な構成で、2流体噴射ノズルから混合流体の噴射が行われない状態において液体収容部に負圧を付与することが可能となる。
上記液体噴射装置において、前記液体収容部には、前記液体収容空間を大気と連通させる連通状態と、前記液体収容空間を大気と連通させない非連通状態との間で切り替え可能な開閉弁が設けられ、前記開閉弁は、前記2流体噴射ノズルから前記混合流体が噴射されている状態で、前記液体収容空間が前記連通状態から前記非連通状態になるように切り替えられることが好ましい。
この構成によれば、2流体噴射ノズルから混合流体が噴射されている状態で、液体収容空間が連通状態から非連通状態になるように開閉弁を切り替えることで、液体収容部に負圧を付与することが可能となる。
上記液体噴射装置において、前記2流体噴射ノズルは、前記第2液体が噴射される液体噴射ノズルと、前記気体が噴射されるとともに前記液体噴射ノズルを囲む環状の気体噴射ノズルとを備え、前記気体噴射ノズルからの前記気体の噴射に伴って前記液体噴射ノズルから前記第2液体が噴射されることで、前記混合流体が噴射されるように構成され、前記2流体噴射ノズルから前記混合流体が噴射されている状態で、前記2流体噴射ノズルを相手部材と対向させることが好ましい。
この構成によれば、気体噴射ノズルからの気体の噴射によって、相手部材と液体噴射ノズルとの間の圧力が高められるので、当該圧力によって液体流路の気液界面を液体収容部側へ移動させることが可能となる。
上記液体噴射装置において、前記液体収容部は、前記第2液体を収容する液体収容空間を形成する壁部を備えており、前記壁部の少なくとも一部は、可撓性を有しており、前記可撓性を有する壁部は、付勢部材によって前記液体収容空間の容積を大きくする方向に付勢されていることが好ましい。
この構成によれば、2流体噴射ノズルから混合流体の噴射が行われているときには液体収容空間に負圧が発生するので、可撓性の壁部の弾性復元力及び付勢部材の付勢力に抗して可撓性の壁部が液体収容空間の容積を縮小する方向に弾性変形する。そして、2流体噴射ノズルからの混合流体の噴射が停止すると、可撓性の壁部の弾性復元力と付勢部材の付勢力とによって可撓性の壁部が液体収容空間の容積を大きくする方向に弾性変形することで、液体収容空間に負圧が発生する。このため、付勢部材の付勢力を設定することで、液体収容空間に発生する負圧を設定することが可能となる。
上記課題を解決する2流体噴射装置は、上記構成の液体噴射装置に備えられる。
この構成によれば、上記液体噴射装置と同様の作用効果を得ることが可能となる。
上記課題を解決する2流体噴射装置の制御方法において、気体と液体とを混合した混合流体を噴射可能な2流体噴射ノズルと、前記気体を前記2流体噴射ノズルに供給する気体流路と、前記液体を収容する液体収容部と、前記液体収容部に収容された前記液体を前記2流体噴射ノズルに供給する液体流路と、前記液体収容部の前記液体を収容する液体収容空間を大気と連通させる連通状態と、前記液体収容空間を大気と連通させない非連通状態との間で切り替え可能な開閉弁とを有し、前記液体収容部の水頭面が前記気体と前記液体とを混合する混合部よりも下方に位置している2流体噴射装置の制御方法であって、前記2流体噴射ノズルから前記混合流体が噴射されている状態で、前記液体収容空間が前記連通状態から前記非連通状態になるように前記開閉弁を切り替える
上記2流体噴射装置の制御方法において、前記液体収容空間が前記非連通状態になるように前記開閉弁を切り替え、前記気体流路からの前記気体の供給を停止した後も、前記液体収容空間の前記非連通状態を維持する。
この構成によれば、液体収容空間に負圧が付与され、2流体噴射ノズルへの気体の供給を停止した後も液体収容空間の負圧が維持されるため、第2液体が混合部を越えて気体流路側へ流れることが抑制される。したがって、2流体噴射装置の気体流路に第2液体(液体)が入り込むことを抑制することが可能となる。
一実施形態におけるプリンターの模式側面図。 液体噴射ヘッドの断面模式図。 印刷部と非印刷領域に配置されたメンテナンス系の各ユニットとを示す模式平面図。 印刷部と非印刷領域に配置されたメンテナンス系の各ユニットとの詳細な構成を示す模式平面図。 印刷部と非印刷領域に配置された2流体噴射装置とを示す模式平面図。 2流体噴射装置の詳細な構成を示す断面模式図。 噴射ユニットの斜視図。 噴射ユニットの使用状態を示す側断面模式図。 プリンターの電気的構成を示すブロック図。 噴射ユニットの使用状態を示す側断面模式図。 噴射ユニットの待機状態を示す側断面模式図。 変更例の2流体噴射ノズルの側断面模式図。 変更例の2流体噴射装置の断面模式図。 変更例の2流体噴射装置の断面模式図。
以下、液体噴射装置の一例として、インクを噴射して文字や図形等を含む画像を印刷するインクジェット式のプリンターの一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、プリンター11は、支持台12に支持された媒体の一例としてのシートSTを支持台12の表面に沿って搬送方向Yに搬送させる搬送部13と、搬送されるシートSTに第1液体の一例としてのインクを噴射して印刷を行う印刷部20と、シートSTに着弾したインクを乾燥させるための発熱部17及び送風部18とを備えている。
支持台12、搬送部13、発熱部17、送風部18、及び印刷部20は、ハウジングやフレームなどによって構成されるプリンター本体11aに組み付けられている。支持台12は、プリンター11において、シートSTの幅方向(図1では紙面と直交する方向)に延在して備えられている。
搬送部13は、搬送方向Yにおける支持台12の上流側及び下流側にそれぞれ配置されて搬送モーター49(図9参照)によって駆動される搬送ローラー対14a及び搬送ローラー対14bを備えている。さらに、搬送部13は、搬送方向Yにおける搬送ローラー対14a及び搬送ローラー対14bの上流側及び下流側にそれぞれ配置されてシートSTを支持しながら案内する案内板15a及び案内板15bを備えている。
そして、搬送部13は、搬送ローラー対14a,14bがシートSTを挟持しながら回転することで、支持台12の表面及び案内板15a,15bの表面に沿ってシートSTを搬送させる。本実施形態では、シートSTは、供給リール16aにロール状に巻回されたロールシートRSから繰り出されることによって連続的に搬送される。そして、ロールシートRSから繰り出されて連続的に搬送されるシートSTは、印刷部20によってインクが付着されて画像が印刷された後、再び巻取リール16bによってロール状に巻き取られる。
印刷部20は、シートSTの搬送方向Yと直交するシートSTの幅方向となる走査方向Xに沿って延設されたガイド軸21,22に案内されて、キャリッジモーター48(図9参照)の動力によって走査方向Xに往復移動可能なキャリッジ23を備えている。キャリッジ23には、インクを噴射する液体噴射部の一例としての2つの液体噴射ヘッド24A,24Bと、液体噴射ヘッド24A,24Bへ供給するインクを貯留する貯留部30と、貯留部30へ流路アダプター28を介してインクを供給する接続チューブ27とが取り付けられている。貯留部30は、キャリッジ23に取り付けられた貯留部保持体25に保持されている。
図1及び図2に示すように、貯留部30は、内部のインクを液体噴射ヘッド24A,24Bへ供給するための第1インク供給路32の途中位置に設けられた差圧弁31を備えている。差圧弁31は、その下流側に位置する液体噴射ヘッド24A,24Bでのインクの噴射(消費)に伴って下流側のインクの圧力が大気圧に対して所定の負圧になると開弁され、開弁により貯留部30から液体噴射ヘッド24A,24Bへインクが供給されて下流側の負圧が解消されると閉弁されるようになっている。
図2に示すように、液体噴射ヘッド24A,24Bは、筒状の本体ケース33を備えている。本体ケース33における走査方向Xの一端部寄りの位置には本体ケース33を鉛直方向Zに貫通する第2インク供給路34が形成され、走査方向Xの他端部寄りの位置には固定板35が立設されている。第2インク供給路34の上流端には、第1インク供給路32の下流端が接続されている。
本体ケース33の下面には、本体ケース33の下端開口及び第2インク供給路34の下端開口を覆うように、弾力性を有する矩形薄板状の振動板36が固着されている。また、本体ケース33内にはアクチュエーターの一例としての圧電素子37の上端部における一側面側が固定板35に固着され、圧電素子37の下面は振動板36の上面に固着されている。
圧電素子37における下側には、圧電素子37の走査方向Xの幅全体にわたって延びる切欠溝(図示略)が、搬送方向Yに間隔を置いて複数設けられている。各切欠溝(図示略)の深さは、圧電素子37の鉛直方向Zの高さの半分程度に設定されている。圧電素子37における各切欠溝(図示略)間に挟まれた部分は、圧電素子部37aとされている。振動板36の上面には各圧電素子部37aを囲むように溝38が格子状に形成され、格子状の溝38の目の部分はアイランド部39とされている。
振動板36の下面には矩形枠状をなす流路形成板40が密着状態で固定され、流路形成板40の下面には矩形板状のノズルプレート41が密着状態で固定されている。振動板36とノズルプレート41との間における走査方向Xの一端部寄りの位置には、インク貯留室42が形成されている。インク貯留室42は、振動板36に形成された連通孔43を介して第2インク供給路34と連通している。そして、インク貯留室42は、貯留部30から第2インク供給路34を介して供給されるインクを一時貯留する。
振動板36とノズルプレート41との間における走査方向Xの他端部寄りの位置には、各圧電素子部37aと鉛直方向Zにおいて対応する圧力室44がそれぞれ形成されている。振動板36とノズルプレート41との間におけるインク貯留室42と各圧力室44との間には、インク貯留室42と各圧力室44とを連通する連通路45がそれぞれ形成されている。
したがって、インク貯留室42内に一時貯留されたインクは、各連通路45を介して各圧力室44に供給される。ノズルプレート41における各圧力室44と対応する位置にはノズル46がそれぞれ設けられ、ノズルプレート41の下面は各ノズル46が開口するノズル形成面24aとされている。各ノズル46は各圧力室44と連通している。
また、圧電素子37の上端部における固定板35側とは反対側の側面には帯状のフレキシブル回路基板47の一端部が接続され、フレキシブル回路基板47の他端部は後述する制御部110(図9参照)に接続されている。圧電素子37は、制御部110(図9参照)で発生させた駆動信号がフレキシブル回路基板47を介して入力されることで、各圧電素子部37aが鉛直方向Zに沿って個別に伸縮運動(駆動)可能になっている。
そして、各圧電素子部37aの伸縮運動に基づいて振動板36の各アイランド部39が振動することで、各圧力室44内の圧力が変化され、各圧力室44内の圧力変化により各圧力室44内のインクが各ノズル46の開口から噴射される。なお、圧電素子37は、圧電素子37に電圧を印加して、振動板36が弾性変形して各圧力室44の容積が縮小する方向に各圧電素子部37aを変位(収縮)させた状態から、圧電素子37への電圧の印加を停止して、振動板36を弾性変形前の状態にすることで、各圧力室44を加圧可能に構成されている。
図1及び図2に示すように、液体噴射ヘッド24A,24Bは、ノズル形成面24aが支持台12と鉛直方向Zに所定の間隔を置いて対向する姿勢で、キャリッジ23の下端部に取り付けられる。一方、貯留部30は、キャリッジ23に対して液体噴射ヘッド24A,24Bと鉛直方向Zにおいて反対側となる上側に取り付けられる。また、流路アダプター28には、接続チューブ27の下流側端部が貯留部30よりも上側の位置で接続されている。
接続チューブ27の上流側端部は、往復移動するキャリッジ23に追従変形可能である複数本のインク供給チューブ26の下流側端部と、キャリッジ23の一部に取り付けられた接続部26aを介して接続されている。したがって、例えばインクを収容した図示しないインクタンクからのインクが、インク供給チューブ26、接続チューブ27、及び流路アダプター28を介して貯留部30に供給される。
印刷部20では、キャリッジ23が走査方向Xに移動(往復移動)する過程で、支持台12上のシートSTに対して液体噴射ヘッド24A,24Bの複数のノズル46の開口からインクを噴射する。そして、シートSTに着弾したインクを加熱して乾燥させるための発熱部17は、プリンター11において支持台12から鉛直方向Zに所定長の間隔を置いた上方位置に配設されている。そして、印刷部20は、発熱部17と支持台12との間を走査方向Xに沿って往復移動可能となっている。
発熱部17は、支持台12の延在方向と同じ走査方向Xに沿って延設された赤外線ヒーターなどの発熱部材17a及び反射板17bを備えており、図1において一点鎖線矢印で示すエリアに放射される赤外線等の熱(例えば輻射熱)によってシートSTに付着したインクを加熱する。また、送風によってシートSTに付着したインクを乾燥させる送風部18は、プリンター11において印刷部20が往復移動可能な間隔を支持台12との間に空けた上方位置に配置されている。
キャリッジ23における貯留部30と発熱部17との間の位置には、発熱部17からの伝熱を遮る遮熱部材29が設けられている。この遮熱部材29は、例えばステンレススチールやアルミニウムなどの熱伝導性のよい金属材料で形成され、少なくとも貯留部30の発熱部17に面する上面部を覆っている。
プリンター11では、貯留部30はインク種ごとに設けられている。そして、本実施形態のプリンター11は、着色インクが貯留された貯留部30を備え、カラー印刷及び白黒印刷が可能になっている。着色インクのインク色は、一例として、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、ホワイトとなっている。各着色インクには、防腐剤が含まれている。
なお、ホワイトインクは、例えばシートSTが透明又は半透明のフィルムであったり、濃色の媒体であったりした場合、カラー印刷を行う前の下地印刷(ベタ印刷(塗り潰し印刷))などに使用される。もちろん、使用される着色インクは、任意に選択でき、例えばシアン、マゼンタ、イエローの3色でもよい。また、着色インクは、上記3色の他、例えばライトシアン、ライトマゼンタ、ライトイエロー、オレンジ、グリーン、グレーなどのうち少なくとも1色をさらに追加することもできる。
図3に示すように、支持台12上を搬送される最大幅のシートSTに対して液体噴射ヘッド24A,24Bの各ノズル46(図2参照)の開口から噴射したインク滴を着弾させることが可能な走査方向Xの最大幅の領域は、印刷領域PAとなっている。すなわち、液体噴射ヘッド24A,24Bの各ノズル46(図2参照)の開口からシートSTに対して噴射されたインク滴は印刷領域PA内に着弾する。
走査方向Xに移動可能な液体噴射ヘッド24A,24Bが搬送中のシートSTと対峙しない領域である非印刷領域NAには、ワイパーユニット50と、フラッシングユニット51と、キャップユニット52とが設けられている。なお、印刷部20が縁なし印刷機能を有する場合、印刷領域PAは、搬送される最大幅のシートSTの範囲よりも走査方向Xに若干広くなる。
ワイパーユニット50は、ノズル形成面24a(図1参照)を払拭するワイパー50aを有している。本実施形態のワイパー50aは可動式であり、ワイピングモーター53の動力で払拭動作を行う。フラッシングユニット51は、液体噴射ヘッド24A,24Bの各ノズル46(図2参照)の開口から噴射されたインク滴を受容する液体受容部51aを有している。
本実施形態の液体受容部51aはベルトによって構成され、ベルトのフラッシングによるインク汚れ量が規定量を超えたとみなしうる所定時期に、フラッシングモーター54の動力によりベルトを移動させる。なお、フラッシングとは、ノズル46(図2参照)の目詰まりなどを予防及び解消する目的で全ノズル46から印刷とは無関係にインク滴を強制的に噴射(排出)する動作をいう。
キャップユニット52は、2つの液体噴射ヘッド24A,24Bのノズル形成面24a(図1を参照)に対して各ノズル46の開口を囲うように当接可能な2つのキャップ部52aを有する。2つのキャップ部52aは、キャッピングモーター55の動力で、ノズル形成面24aと当接する当接位置と、ノズル形成面24aから離れた退避位置との間で移動可能に構成されている。そして、液体噴射ヘッド24A,24Bが対応するキャップ部52aによってそれぞれキャッピングされる位置は、液体噴射ヘッド24A,24B(またはキャリッジ23)のホームポジションHPとなっている。
図4に示すように、キャリッジ23の下端部に取り付けられた2つの液体噴射ヘッド24A,24Bは、走査方向Xに所定の間隔だけ離れ、且つ搬送方向Yに所定の距離だけずれるように配置されている。液体噴射ヘッド24A,24Bのノズル形成面24aには、互いに接近して位置する2列ずつが走査方向Xに一定の間隔で配列された合計8列のノズル列24bがそれぞれ形成されている。
ノズル形成面24aに形成された8列のノズル列24bは、それぞれ搬送方向Yに一定のノズルピッチで形成された多数個(例えば180個)のノズル46により構成されている。そして、2つの液体噴射ヘッド24A,24Bは、互いのノズル列24bを構成する多数個のノズル46を走査方向Xに投影したときに、互いの端部同士のノズル46間も同じノズルピッチになりうる搬送方向Yの位置関係になっている。
ワイパーユニット50は、ワイピングモーター53の動力により搬送方向Yに沿って延びる一対のレール58上を往復移動可能な可動式の筐体59を備えている。筐体59内には、払拭方向(搬送方向Yに同じ)に所定の距離を隔てて位置する繰出軸60と巻取軸61とがそれぞれ回転可能に支持されている。繰出軸60には未使用の布シート62が巻装された繰出ロール63が装着され、巻取軸61には使用済みの布シート62が巻き取られた巻取ロール64が装着されている。
繰出ロール63及び巻取ロール64間に掛装された布シート62は、筐体59の上面中央部の図示しない開口から上方へ一部突出した状態にある押圧ローラー65の上面に巻き掛けられ、押圧ローラー65に巻き掛けられた部分で半円筒状(凸状)のワイパー50aを形成している。このワイパー50aは上方へ付勢された状態にある。
筐体59は、繰出ロール63及び巻取ロール64を収容するカセットと、レール58に案内されてワイピングモーター53の動力で図示しない動力伝達機構(例えばラック・アンド・ピニオン機構)を介して払拭方向(搬送方向Yに同じ)に往復移動可能なホルダーとから構成される。筐体59は、ワイピングモーター53が正転と逆転で駆動されることにより、図4に示す退避位置と、ワイパー50aがノズル形成面24aを払拭し終える払拭位置との間を搬送方向Yに一往復移動する。
このとき、筐体59の往動動作が終わると、動力伝達機構がワイピングモーター53と巻取軸61とを動力伝達可能に接続する状態に切り換わり、ワイピングモーター53が逆転駆動するときの動力によって筐体59の復動動作と布シート62の巻取ロール64への所定量の巻き取り動作とが行われる。2つの液体噴射ヘッド24A,24Bは払拭領域WAに対して順次に移動され、筐体59の一往復移動による2つの液体噴射ヘッド24A,24Bのそれぞれのノズル形成面24aに対するワイピングは払拭領域WAに移動された片方ずつ個別に行われる。
フラッシングユニット51は、搬送方向Yに対峙する互いに平行な駆動ローラー66及び従動ローラー67と、駆動ローラー66及び従動ローラー67間に巻き掛けられた無端状のベルト68とを備えている。ベルト68は、走査方向Xにノズル列24bが8列分(2列×4列分)以上の幅を有しており、液体噴射ヘッド24A,24Bの各ノズル46から噴射されたインクを受容する液体受容部51aを構成する。この場合、ベルト68の外周面は、インクを受容する液体受容面69となる。
フラッシングユニット51は、ベルト68の下側に、液体受容面69に保湿液を供給可能な保湿液供給部(図示略)と、液体受容面69に付着した廃インク等を保湿状態で掻き取る液体掻取り部(図示略)とを備えており、液体受容面69で受容された廃インクは液体掻取り部によってベルト68から除去される。このため、ベルト68の周回移動により、液体受容面69におけるノズル形成面24aと対向する受容範囲が更新される。
キャップユニット52は、2つの液体噴射ヘッド24A,24Bの各ノズル形成面24aに当接してそれぞれ密閉空間を形成可能な2つのキャップ部52aを有している。各キャップ部52aは、前述のように、キャッピングモーター55の動力で、ノズル形成面24aと当接可能な当接位置と、ノズル形成面24aから離れた退避位置との間を移動する。各キャップ部52aは、1つの吸引用キャップ70と4つの保湿用キャップ71とを備えている。
各保湿用キャップ71は、ノズル形成面24aに当接して2列ずつのノズル列24bを囲む密閉空間を形成し、当該密閉空間を保湿する。詳しくは、保湿用キャップ71内に残留する廃インク等に含まれる分散媒または溶媒(一例として水等)、あるいは保湿液の蒸発または揮発により保湿用キャップ71内に開口するノズル46内のインクが保湿される。
吸引用キャップ70はチューブ72を介して吸引ポンプ73と接続されている。そして、吸引用キャップ70がノズル形成面24aに当接して密閉空間を形成する状態で吸引ポンプ73を駆動することで、吸引用キャップ70内に及ぶ負圧の作用によりノズル46から増粘インクや気泡等がインクとともに吸引されて排出される、所謂クリーニングが行われる。
こうしたクリーニングは、液体噴射ヘッド24A,24Bに対して2列分のノズル列24bずつ行われる。クリーニングの終了後は、ノズル形成面24aに付着したインクを除去するワイピングと、ノズル46内のインクメニスカスを整えるフラッシングとが順次に行われる。
図4に示すように、液体噴射ヘッド24A,24Bが走査方向Xに移動可能な移動領域は、シートSTの印刷時に液体噴射ヘッド24A,24Bのノズル46からインクを着弾可能な印刷領域PAと、それ以外の非印刷領域NAとを含む。非印刷領域NAは、ワイパーユニット50が設けられた払拭領域WAと、フラッシングユニット51が設けられた受容領域FAと、キャップユニット52が設けられたメンテナンス領域MAとを含む。
すなわち、非印刷領域NAには、払拭領域WA、受容領域FA、及びメンテナンス領域MAが、走査方向Xにおいて印刷領域PA側から、払拭領域WA、受容領域FA、メンテナンス領域MAの順で配置されている。また、走査方向Xにおいて印刷領域PAと対応する領域には、シートSTに着弾したインクを加熱により定着させる発熱部17が設けられた加熱領域HAが配置されている。
図3及び図5に示すように、非印刷領域NAは、走査方向Xにおける印刷領域PAの両側に存在する。そして、これら2つの非印刷領域NAのうち走査方向XにおいてホームポジションHP側とは反対側に位置する非印刷領域NAには、液体噴射ヘッド24A,24Bの洗浄を行うための2流体噴射装置75が設けられている。
2流体噴射装置75は、液体噴射ヘッド24A,24Bに対して、空気(気体)及び純水に防腐剤を含有した液体(第2液体)である洗浄用液体のうちの少なくとも一方を噴射可能に構成されている。そして、2流体噴射装置75は、空気と洗浄用液体とを一緒に噴射させることで、空気と洗浄用液体とが混合された混合流体を噴射することが可能になっている。
洗浄用液体は、使用するインクの主溶媒と同じにすることが好ましい。本実施形態では、インクの溶媒が水である水系レジンインクを採用しているため、洗浄用液体として純水を使用しているが、例えばインクの溶媒が溶剤である場合は洗浄用液体としてインクと同じ溶媒を使用することが好ましい。
なお、洗浄用液体に含有される防腐剤は、インクに含有される防腐剤と同じであることが好ましく、例えば、芳香族ハロゲン化合物(例えば、Preventol CMK)、メチレンジチオシアナート、含ハロゲン窒素硫黄化合物、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(例えば、PROXEL GXL)などが挙げられる。防腐剤として、泡立ち難さの観点からPROXELを採用する場合には、洗浄用液体に対する含有量を0.05質量パーセント以下にすることが好ましい。
図6に示すように、2流体噴射装置75は噴射ユニット77を備え、噴射ユニット77は混合流体を噴射可能な2流体噴射ノズル78を備えている。2流体噴射ノズル78は、混合流体を上方に向けて噴射するように配置されている。2流体噴射ノズル78は、上方に向けて洗浄用液体が噴射される液体噴射ノズル80と、上方に向けて空気が噴射されるとともに液体噴射ノズル80を囲む円環状の気体噴射ノズル81とを備えている。
すなわち、液体噴射ノズル80及び気体噴射ノズル81は、いずれも上方に向けて開口している。液体噴射ノズル80の開口の径は、インクが付着して固化することを考慮すると、液体噴射ヘッド24A,24Bのノズル46の開口の径よりも十分大きいことが好ましく、例えば0.4mm以上であることが好ましい。本実施形態では、液体噴射ノズル80の開口の径を1.1mmに設定している。
また、本実施形態の2流体噴射ノズル78には、洗浄用液体と空気とが混合される混合部KAが2流体噴射ノズル78の外部に位置する、いわゆる外部混合型のものが採用されている。したがって、混合部KAは、液体噴射ノズル80の開口及び気体噴射ノズル81の開口と隣接する所定の空間によって構成される。2流体噴射ノズル78には、エアポンプ82からの空気を供給するための気体流路83aを形成する気体供給管83が連結されている。気体流路83aは、気体噴射ノズル81と連通している。
気体供給管83の途中位置にはエアポンプ82から供給される空気の圧力を調整する圧力調整弁84が設けられている。本実施形態の2流体噴射装置75では、エアポンプ82から2流体噴射ノズル78に供給される空気の圧力が200kPa以上となるように設定されている。気体供給管83における圧力調整弁84と2流体噴射ノズル78との間の位置には、2流体噴射ノズル78に供給される空気中の塵埃等を除去するためのフィルター85が設けられている。
また、2流体噴射ノズル78には、液体収容部の一例としての貯留タンク87に収容された洗浄用液体を供給するための液体流路88aを形成する液体供給管88が連結されている。液体流路88aは、液体噴射ノズル80と連通している。貯留タンク87の上端部には貯留タンク87内の液体収容空間SKを大気開放する大気開放管89が設けられ、大気開放管89には開閉弁の一例としての第1電磁弁90が設けられている。
したがって、第1電磁弁90が開弁されると液体収容空間SKが大気開放管89を介して大気と連通する連通状態となる一方、第1電磁弁90が閉弁されると液体収容空間SKが大気と連通しない非連通状態となる。すなわち、第1電磁弁90は、開閉動作することで、液体収容空間SKを連通状態と非連通状態との間で切り替え可能に構成されている。
また、貯留タンク87は、洗浄用液体を収容するとともにプリンター本体11a(図1参照)に着脱自在に装着される洗浄液カートリッジ91と供給管92を介して接続されている。供給管92の途中位置には、洗浄液カートリッジ91内の洗浄用液体を貯留タンク87に供給するための液供給ポンプ93が設けられている。供給管92における液供給ポンプ93と貯留タンク87との間の位置には、供給管92を開閉するための第2電磁弁94が設けられている。
図7及び図8に示すように、噴射ユニット77は、有底略矩形箱状のベース部材100と、ベース部材100内に配置されて2流体噴射ノズル78を支持する支持部材101と、ベース部材100内に配置されて2流体噴射ノズル78及び支持部材101を収容する矩形筒状のケース102とを備えている。2流体噴射ノズル78は支持部材101に固定され、支持部材101及びケース102はベース部材100内を搬送方向Yに沿って個別に往復移動可能に構成されている。
また、噴射ユニット77は、洗浄モーター103と、洗浄モーター103の駆動力を支持部材101に伝達する伝達機構104と、印刷領域PA側の端部に立設された側板105とを備えている。そして、支持部材101は、洗浄モーター103の駆動力が伝達機構104を介して伝達されることで、2流体噴射ノズル78と一緒に搬送方向Yに沿って往復移動されるようになっている。この場合、ケース102は、支持部材101によって内側から押圧された場合に、支持部材101と一緒に搬送方向Yに沿って往復移動される。
ケース102には、ケース102の上端開口を塞ぐ相手部材の一例としてのカバー部材106が取着されている。カバー部材106の上面における2流体噴射ノズル78の移動領域の一部と鉛直方向Zにおいて重なる位置には、搬送方向Yに延びる矩形状の貫通孔107が形成されている。カバー部材106の上面には、貫通孔107を囲む矩形枠状のリップ部108が設けられている。
側板105におけるケース102側の面には、ケース102が搬送方向Yに沿って往復移動する際にケース102を案内する案内部(図示略)が設けられている。そして、案内部(図示略)は、図8及び図10に示すように、ケース102が液体噴射ヘッド24A,24Bと対応する位置でそれぞれ上昇し、リップ部108が互いに接近して位置する2列のノズル列24bを囲んだ状態でノズル形成面24aに当接するように、ケース102を案内する。
なお、本実施形態では、鉛直方向Zにおける2流体噴射ノズル78とノズル形成面24aとの距離は、約5mmに設定されており、図1に示す支持台12に支持されたシートSTとノズル形成面24aとの距離(約1mm)よりも長くなっている。
次にプリンター11の電気的構成について説明する。
図9に示すように、プリンター11は、プリンター11を統括的に制御する制御部110を備えている。制御部110は、リニアエンコーダー111と電気的に接続されている。リニアエンコーダー111は、キャリッジ23の背面側にガイド軸22に沿って延びるように設けられたテープ状の符号板と、キャリッジ23(図1参照)に固定されて符号板に穿孔された一定ピッチのスリットを透過した光を検出するセンサーとを備えている。
制御部110は、リニアエンコーダー111から印刷部20(図1参照)の移動量に比例する数のパルスを入力し、その入力したパルスの数を、印刷部20がホームポジションHP(図3参照)から離れるときに加算し、ホームポジションHPに近づくときに減算することで、印刷部20の走査方向Xにおける位置を把握する。
制御部110には、ロータリーエンコーダー112が電気的に接続されている。ロータリーエンコーダー112は、洗浄モーター103の出力軸に取着された円板状の符号板と、符号板に穿孔された一定ピッチのスリットを透過した光を検出するセンサーとを備えている。
制御部110は、ロータリーエンコーダー112から支持部材101の移動量に比例する数のパルスを入力し、その入力したパルスの数を、支持部材101が待機位置(図11に示す位置)から離れるときに加算し、待機位置に近づくときに減算することで、支持部材101(2流体噴射ノズル78)の搬送方向Yにおける位置を把握する。
制御部110は、駆動回路113を介して圧電素子37と電気的に接続され、圧電素子37を駆動制御する。制御部110は、圧電素子37(各圧電素子部37a)の駆動による振動板36の各アイランド部39の残留振動の周期に基づいて各ノズル46の目詰まりを把握する。
制御部110は、モーター駆動回路114〜119を介してそれぞれ洗浄モーター103、キャリッジモーター48、搬送モーター49、ワイピングモーター53、フラッシングモーター54、及びキャッピングモーター55と電気的に接続されている。そして、制御部110は、モーター103,48,49,53,54,55をそれぞれ駆動制御する。
制御部110は、ポンプ駆動回路120〜122を介してそれぞれ吸引ポンプ73、エアポンプ82、及び液供給ポンプ93と電気的に接続されている。そして、制御部110は、ポンプ73,82,93をそれぞれ駆動制御する。制御部110は、弁駆動回路123,124を介してそれぞれ第1電磁弁90及び第2電磁弁94と電気的に接続されている。そして、制御部110は、電磁弁90,94をそれぞれ駆動制御する。
次に、プリンター11の作用を説明する。
外部機器から制御部110に印刷データが入力されると、制御部110は印刷データを基にキャリッジモーター48を駆動して印刷部20が走査方向Xに移動する途中で液体噴射ヘッド24A,24Bの各ノズル46からインク滴をシートSTの表面に向かって噴射する。すると、この噴射されたインク滴がシートSTの表面に着弾することで、シートSTの表面に画像等が印刷される。
ところで、シートSTの印刷中は、全ノズル46のうちインク滴を噴射しないノズル46内のインクの増粘等を防ぐ目的で、所定の時期(例えば10〜30秒の範囲内の所定時間経過毎)に印刷部20は受容領域FAへ移動し、全ノズル46からインク滴を噴射して排出するフラッシングを行う。
また、所定のクリーニング条件を満たすと、制御部110は、キャリッジモーター48を制御し、印刷部20をホームポジションHPに移動させてクリーニングを行う。クリーニングは、ノズル列24bを囲うようにノズル形成面24aに吸引用キャップ70を当接させて密閉空間を形成した状態で吸引ポンプ73を駆動させて吸引用キャップ70内に負圧を作用させることで、各ノズル46から所定量のインクを吸引して増粘インクや気泡等を除去する。クリーニングの終了後、制御部110は、印刷部20を払拭領域WAに移動させてワイパー50aでノズル形成面24aを払拭した後、印刷部20を受容領域FAに移動させて液体受容部51aに向かってフラッシングを行う。
その後、制御部110は、圧電素子37(各圧電素子部37a)の駆動による振動板36の各アイランド部39の残留振動の周期に基づいて各ノズル46の目詰まりを検出する。ここで、クリーニングの終了後に各ノズル46の目詰まりを検出するのは、特に、インクに、加熱することにより硬化する合成樹脂を含んだレジンインクやUV(紫外線)照射により硬化するUVインクを用いた場合、クリーニングを行っても目詰まりが解消されないノズル46が発生することがあるからである。なお、ここでいう目詰まりとは、ノズル46内のインクが固化して詰まった状態だけでなく、ノズル46内、圧力室44内、及び連通路45内のインクが増粘することによりノズル46から正常にインクを吐出(噴射)することができない状態も含む。
そして、全ノズル46の目詰まりが検出されない場合に印刷ジョブ待ち状態であると、制御部110は、印刷部20を印刷領域PAへ移動させてシートSTの印刷を行う。一方、全ノズル46の中で目詰まりしているノズル46が検出されると、制御部110は、走査方向XにおけるホームポジションHP側とは反対側の非印刷領域NAに印刷部20を移動させ、目詰まりしているノズル46内を2流体噴射装置75によって洗浄することで、ノズル46の目詰まりを解消させる。
そして、2流体噴射装置75によって目詰まりしているノズル46内の洗浄を行う場合、目詰まりしているノズル46と2流体噴射ノズル78とが鉛直方向Zにおいて対向するように、これらの位置を合わせる。この場合、目詰まりしているノズル46と2流体噴射ノズル78との走査方向X(ノズル列24bの延びる方向と直交する方向)の位置合わせは印刷部20の移動によって行い、目詰まりしているノズル46と2流体噴射ノズル78との搬送方向Y(ノズル列24bの延びる方向)の位置合わせは2流体噴射ノズル78の移動によって行う。
詳しくは、目詰まりしているノズル46が液体噴射ヘッド24Aにある場合、図8に示すように、印刷部20の走査方向Xの位置合わせを行った後、リップ部108が目詰まりしているノズル46を含むノズル列24bを囲んだ状態でノズル形成面24aに当接するように、支持部材101を介してケース102を移動させる。続いて、2流体噴射ノズル78の液体噴射ノズル80が目詰まりしたノズル46と対向するように支持部材101を介して2流体噴射ノズル78を移動させて2流体噴射ノズル78の搬送方向Yの位置を合わせる。
このとき、2流体噴射ノズル78から混合流体が噴射される前の通常状態では、図6に示すように、第1電磁弁90が開弁されて液体収容空間SKが大気と連通する連通状態になるとともに第2電磁弁94が閉弁された状態になっている。この状態では、液体流路88aにおける洗浄用液体の気液界面KKの高さHは、2流体噴射ノズル78の先端の高さを0としたときに、−100〜−1000mmとなるように設定されることが好ましい。本実施形態では、2流体噴射ノズル78の先端の高さを0としたときの高さHが−150mmとなるように設定されている。
そして、図6及び図8に示すように、エアポンプ82を駆動して空気を2流体噴射ノズル78に供給すると、気体噴射ノズル81から空気が噴射される。この空気の噴射によって発生する負圧によって液体流路88aの洗浄用液体が吸い上げられて液体噴射ノズル80から噴射される。これにより、混合部KAで空気と洗浄用液体とが混合されて混合流体が発生し、この混合流体が目詰まりしたノズル46を含むノズル形成面24aの一部の領域に噴射される。
この混合流体にはノズル46の開口径よりも小さい直径が20μm以下の液滴状の洗浄用液体が多数含まれており、このときの2流体噴射ノズル78からの混合流体の噴射速度は毎秒40m以上となるように設定されている。このとき噴射される直径が20μm以下の液滴状の洗浄用液体の運動エネルギーは、印刷時のインクの吐出動作やフラッシング動作によってノズル46内の気液界面に伝わるエネルギーでは破壊できない程度に気液界面で固化した膜状のインクを破壊可能な運動エネルギーと同等以上であることが好ましい。
したがって、ノズル46の開口径よりも小さい直径を有する洗浄用液体の液滴の質量と当該液滴のノズル46の開口位置における飛翔速度の2乗との積は、ノズル46の開口から噴射されるインク滴の質量と当該インク滴の飛翔速度の2乗との積よりも大きくなるように設定されている。
また、混合流体の目詰まりしたノズル46への噴射は、目詰まりしたノズル46と連通する圧力室44のインクが当該圧力室44と対応する圧電素子部37aの駆動による振動板36のアイランド部39の振動によって加圧された状態で行われる。そして、2流体噴射ノズル78から混合流体が目詰まりしたノズル46に噴射されると、混合流体中のノズル46の開口径よりも小さい液滴状の洗浄用液体がノズル46の開口を通してノズル46内に進入して目詰まりした部分に衝突する。
すなわち、ノズル46の開口径よりも小さい液滴状の洗浄用液体がノズル46内で固まったインクに衝突する。このときの洗浄用液体による固まったインクに対する衝撃によって当該固まったインクが破壊され、ノズル46の目詰まりが解消される。このとき、この目詰まりが解消されたノズル46と連通する圧力室44内のインクは加圧されているので、当該ノズル46内に進入した混合流体が、圧力室44を経由して液体噴射ヘッド24A内の奥へと進入することが抑制される。
そして、2流体噴射ノズル78からの混合流体の噴射を停止させる場合には、まず、2流体噴射ノズル78から混合流体が噴射されている状態で第1電磁弁90を閉弁することで、液体収容空間SKを大気と連通する連通状態から大気と連通しない非連通状態に切り替える。すると、液体収容空間SKが負圧になるので、この負圧の作用により、液体噴射ノズル80から噴射されている洗浄用液体が液体流路88aに引き込まれる。
これにより、液体流路88aにおける洗浄用液体の気液界面KK(貯留タンク87の水頭面)は、混合部KAよりも下方側(貯留タンク87側)に位置するようになる。そして、エアポンプ82を停止すると、気体噴射ノズル81から空気が噴射されなくなる。この場合、エアポンプ82は、液体流路88aにおける洗浄用液体の気液界面KKが混合部KAよりも下方側に位置した状態で停止されるので、液体流路88a内の洗浄用液体が混合部KAを越えて気体噴射ノズル81内に進入することが抑制される。
さらにこの場合、エアポンプ82から液体流路88aを介した気体噴射ノズル81への空気の供給を停止した後も、第1電磁弁90の閉弁状態が維持され、液体収容空間SKの非連通状態が維持される。なお、ノズル46を洗浄した後の不要な洗浄用液体やノズル46から洗い流された不要なインクなどは、ケース102内からベース部材100内へと流れ落ちてベース部材100が有する廃液口(図示略)から廃液タンク(図示略)に回収される。
また、目詰まりしているノズル46が液体噴射ヘッド24Bにもある場合、図10に示すように、液体噴射ヘッド24Aの場合と同様に、リップ部108が液体噴射ヘッド24Bの目詰まりしているノズル46を含むノズル列24bを囲んだ状態でノズル形成面24aに当接するように、支持部材101を介してケース102を移動させる。そして、液体噴射ヘッド24Aの場合と同様に、第1電磁弁90を開弁した状態で混合流体を液体噴射ヘッド24Bの目詰まりしているノズル46に噴射して当該ノズル46の目詰まりを解消する。
そして、図11に示すように、2流体噴射装置75による液体噴射ヘッド24A,24Bの目詰まりしたノズル46の洗浄が終了した後は、2流体噴射ノズル78から混合流体が噴射されている状態で支持部材101を待機位置に移動させて、2流体噴射ノズル78をカバー部材106の上壁における貫通孔107と対応しない位置と対向させる。このとき、2流体噴射ノズル78とカバー部材106の上壁との間には僅かな隙間が形成される。
すると、液体噴射ノズル80を囲む円環状の気体噴射ノズル81から噴射される空気がカバー部材106の上壁にぶつかって当該上壁に沿って流れることで、円環状の気体噴射ノズル81から噴射される空気の内側、すなわち液体噴射ノズル80の上側の圧力が上昇する。そして、この液体噴射ノズル80の上側の上昇した圧力によって、液体流路88a内の洗浄用液体が下方(貯留タンク87側)に向けて押圧される。すなわち、液体流路88a内における洗浄用液体の気液界面KKが混合部KAよりもずっと下方へ押し下げられた状態となる。
この状態で、エアポンプ82を停止すると、気体噴射ノズル81から空気が噴射されなくなる。この場合、エアポンプ82は、液体流路88aにおける洗浄用液体の気液界面KKが混合部KAよりも下方側に位置した状態で停止されるので、液体流路88a内の洗浄用液体が混合部KAを越えて気体噴射ノズル81内に進入することが抑制される。
その後、印刷部20は、ホームポジションHP側へ移動され、液体噴射ヘッド24A,24Bの各ノズル46の開口からインクを排出するクリーニングやフラッシングが行われることで、液体噴射ヘッド24A,24B内に残留する洗浄用液体や気泡などが除去される。そして、このときのクリーニングやフラッシングは、インクの排出量(消費量)の少ない軽度のもので済む。なぜなら、混合流体の目詰まりしたノズル46への噴射は、上述のように目詰まりしたノズル46と連通する圧力室44内のインクが加圧された状態で行われたので、混合流体が圧力室44を経由して液体噴射ヘッド24A,24B内の奥へと進入(逆流)することが抑制されたからである。
以上、詳述した実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)2流体噴射ノズル78からの混合流体の噴射を停止させる際には、洗浄用液体の気液界面KKが混合部KAよりも貯留タンク87側に位置するように貯留タンク87の液体収容空間SKに負圧が付与されるため、洗浄用液体が混合部KAを越えて気体流路83a側へ流れることを抑制することができる。したがって、2流体噴射装置75の気体流路83aに洗浄用液体が入り込むことを抑制することができる。
(2)2流体噴射ノズル78は、混合流体を上方に噴射するように配置され、2流体噴射ノズル78からの混合流体の噴射を停止させる際には、洗浄用液体の気液界面KK(貯留タンク87の水頭面)が混合部KAよりも下方に位置している。このため、2流体噴射ノズル78からの混合流体の噴射を停止した後に、2流体噴射ノズル78に残留した洗浄用液体が重力によって液体流路88aに回収されやすくすることができる。
(3)貯留タンク87には、液体収容空間SKを大気と連通させる連通状態と、液体収容空間SKを大気と連通させない非連通状態との間で切り替え可能な第1電磁弁90が設けられている。このため、2流体噴射ノズル78から混合流体が噴射されている状態で、液体収容空間SKが連通状態から非連通状態になるように第1電磁弁90を切り替えることで、貯留タンク87の液体収容空間SKに負圧を付与することができる。
(4)2流体噴射ノズル78から混合流体が噴射されている状態で、2流体噴射ノズル78をカバー部材106の上壁と僅かな隙間を隔てて対向させることで、気体噴射ノズル81からの空気の噴射によって、カバー部材106の上壁と液体噴射ノズル80との間の空間の圧力を高めることができる。このため、カバー部材106の上壁と液体噴射ノズル80との間の空間の高められた圧力によって液体流路88aの気液界面KKを貯留タンク87側である下方へ向かって移動させることができる。
(5)2流体噴射ノズル78から混合流体が噴射されている状態で、液体収容空間SKが連通状態から非連通状態になるように第1電磁弁90を切り替えてからエアポンプ82を停止して気体流路83aからの気体噴射ノズル81への空気の供給を停止した後も、液体収容空間SKの非連通状態を維持している。このため、液体収容空間SKに負圧を付与し、2流体噴射ノズル78への空気の供給を停止した後も液体収容空間SKの負圧を維持することができるので、洗浄用液体が混合部KAを越えて気体流路83a側へ流れることを抑制することができる。したがって、2流体噴射装置75の気体噴射ノズル81から気体流路83aに洗浄用液体が入り込むことを抑制することができる。
(変更例)
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・図12に示すように、外部混合型の2流体噴射ノズル78の代わりに、液体流路88aから供給される洗浄用液体と気体流路83aから供給される空気とを混合して混合流体を生成する混合部KAを内部に有する、いわゆる内部混合型の2流体噴射ノズル130を用いてもよい。この場合、混合部KAで生成された混合流体は、2流体噴射ノズル130の先端(上端)に設けられた噴射口130aから噴射される。
・図13に示すように、2流体噴射装置75は、貯留タンク87における洗浄用液体を収容する液体収容空間SKを形成する壁部87aの少なくとも一部(または複数の壁部87aのうちの少なくとも一つ)を可撓性材料によって構成するようにしてもよい。このようにすれば、2流体噴射ノズル78から混合流体の噴射が行われているときには液体収容空間SKに負圧が発生するので、可撓性の壁部87aが図中の2点鎖線で示すように液体収容空間SKの容積を縮小する方向に弾性変形する。そして、2流体噴射ノズル78からの混合流体の噴射が停止すると、可撓性の壁部87aが図中の実線で示すように自らの弾性復元力によって弾性変形前の元の形状に戻ることで、液体収容空間SKの容積も元に戻るため、液体収容空間SKに負圧が発生する。したがって、簡単な構成で、2流体噴射ノズル78から混合流体の噴射が行われない状態において貯留タンク87の液体収容空間SKに負圧を付与することができる。
・図14に示すように、上記図13の2流体噴射装置75において、可撓性を有する貯留タンク87の壁部87aを付勢部材の一例としてのばね140によって液体収容空間SKの容積を大きくする方向に付勢するようにしてもよい。このようにすれば、2流体噴射ノズル78から混合流体の噴射が行われているときには液体収容空間SKに負圧が発生するので、可撓性の壁部87aの弾性復元力及びばね140の付勢力に抗して可撓性の壁部87aが図14の2点鎖線で示すように液体収容空間SKの容積を縮小する方向に弾性変形する。そして、2流体噴射ノズル78からの混合流体の噴射が停止すると、可撓性の壁部87aの弾性復元力とばね140の付勢力とによって可撓性の壁部87aが液体収容空間SKの容積を大きくする方向に弾性変形することで、液体収容空間SKに負圧が発生する。このため、ばね140の付勢力を設定することで、液体収容空間SKに発生する負圧を設定することができる。すなわち、ばね140の付勢力を変更することで、液体収容空間SKに発生する負圧を変更することができる。
・カバー部材106の代わりに、キャリッジ23の一部やノズル形成面24aにおけるノズル46の存在しない領域などを、2流体噴射ノズル78から混合流体が噴射されている状態で2流体噴射ノズル78を対向させる相手部材として利用するようにしてもよい。
・2流体噴射ノズル78は、混合流体が水平方向や斜め上方に向けて噴射されるように配置してもよい。
・インクタンク(図示略)内のインクを貯留部30に供給するための加圧ポンプを設け、2流体噴射ノズル78からの目詰まりしたノズル46への混合流体の噴射中における目詰まりしたノズル46と連通する圧力室44内のインクの加圧は、差圧弁31を開放した状態で上記加圧ポンプによって行うようにしてもよい。
・2流体噴射ノズル78からの目詰まりしたノズル46を含む液体噴射ヘッド24A,24Bへの混合流体の噴射は、時間間隔を置いて複数回行うようにしてもよい。この場合、時間間隔は一定であってもよいし一定でなくてもよい。このようにすれば、液体噴射ヘッド24A,24Bに噴射された混合流体が泡状になってノズル46の開口を塞いだ場合でも、混合流体の噴射の停止中にノズル46の開口を塞いだ泡状の混合流体が液滴状に戻る。このため、先に液体噴射ヘッド24A,24Bに噴射されて泡状になってノズル46の開口を塞いだ混合流体によって、後から液体噴射ヘッド24A,24Bに噴射された混合流体中の液滴のノズル46内への進入が阻まれることを抑制することができる。
・2流体噴射ノズル78からのノズル46を含む液体噴射ヘッド24A,24Bへの混合流体の噴射を行う前に、ノズル46を含む液体噴射ヘッド24A,24Bに対して洗浄用液体を噴射するようにしてもよい。この場合、液体噴射ノズル80からの洗浄用液体の噴射は液供給ポンプ93を用いてもよいが、液体供給管88の途中位置に液体噴射ノズル80から洗浄用液体を噴射させるためのポンプを別途設けることが好ましい。このようにすれば、ノズル46を含む液体噴射ヘッド24A,24Bに対して、先に洗浄用液体を噴射して後から当該洗浄用液体に空気を混入して混合流体を噴射するようになるので、ノズル46を含む液体噴射ヘッド24A,24Bに対して空気のみが噴射されることを抑制することができる。したがって、ノズル46を含む液体噴射ヘッド24A,24Bに噴射された空気がノズル46の開口から液体噴射ヘッド24A,24B内の奥へ進入することを抑制することができる。また、この場合、ノズル46を含む液体噴射ヘッド24A,24Bへの混合流体の噴射を停止する場合においても、先に空気の噴射を停止して後から洗浄用液体の噴射を停止することで、ノズル46を含む液体噴射ヘッド24A,24Bに対して空気のみが噴射されることを抑制することができる。
・第2液体である洗浄用液体は、純水のみ(防腐剤を含有しない純水)によって構成してもよい。このようにすれば、洗浄用液体がノズル46内のインクに混ざった場合に、洗浄用液体がインクへ悪影響を及ぼすことを抑制することができる。
・目詰まりしているノズル46に混合流体を噴射する場合に、目詰まりしているノズル46と対応する圧電素子部37aを印刷時のインクの吐出時やフラッシング時と同じように駆動してもよい。このようにしても、目詰まりしているノズル46内に混合流体が進入することを抑制することができる。
・目詰まりしているノズル46に混合流体を噴射する場合に、目詰まりしているノズル46以外のノズル46と対応する圧電素子部37aを駆動して目詰まりしているノズル46以外のノズル46と対応する圧力室44をそれぞれ加圧するようにしてもよい。このようにすれば、目詰まりしているノズル46以外のノズル46内に混合流体が進入することを抑制することができる。
・2流体噴射装置75は、ホームポジションHP側に配置してもよい。
・非印刷領域NAにおける2流体噴射装置75と印刷領域PAとの間に、液体噴射ヘッド24A,24Bのノズル形成面24aを払拭するワイパーを別途設けるようにしてもよい。このようにすれば、2流体噴射装置75による液体噴射ヘッド24A,24Bへの混合流体の噴射後に、印刷領域PAを横切って印刷部20をホームポジションHP側へ移動させる前に混合流体(洗浄用液体)で濡れたノズル形成面24aを上記ワイパーで払拭することができる。したがって、印刷領域PAでの印刷部20の移動中にノズル形成面24aに付着した混合流体(洗浄用液体)が垂れることを抑制することができる。
・エアポンプ82の代わりに、工場などの設備のエアーコンプレッサーを用いてもよい。この場合、気体供給管83における圧力調整弁84とフィルター85との間の位置に、気体流路83aを大気開放可能な3方向電磁弁を設けて、2流体噴射装置75の不使用時に気体流路83aを大気開放するようにしてもよい。
・制御部110が目詰まりの検出履歴に基づいてクリーニングを所定回数行っても目詰まりが解消されないノズル46を検出した場合には、一時的にこの目詰まりが解消されないノズル46を使用せずに、代わりに他の正常なノズル46でインクを噴射して印刷を行う、いわゆる補完印刷を行うようにしてもよい。この場合、補完印刷後にクリーニングを所定回数行っても目詰まりが解消されないノズル46を2流体噴射装置75で洗浄して目詰まりを解消するようにしてもよい。
・使用頻度が極めて低い色(種類)のインクを噴射するノズル列24b(ノズル46)は、普段のメンテナンス(クリーニング、フラッシング、及びワイピングなど)を行わずに、使用するときが来たときに2流体噴射装置75で洗浄して目詰まりを解消するようにしてもよい。このようにすれば、使用頻度が極めて低い色(種類)のインクのクリーニングやフラッシングでの消費量が低減されるので、当該インクを節約することができる。
・2流体噴射ノズル78からの目詰まりしたノズル46への混合流体の噴射中には、必ずしも目詰まりしたノズル46と連通する圧力室44の加圧を行う必要はない。
・ノズル46の開口径よりも小さい直径を有する洗浄用液体の液滴の質量と当該液滴のノズル46の開口位置における飛翔速度の2乗との積は、必ずしもノズル46の開口から噴射されるインク滴の質量と当該インク滴の飛翔速度の2乗との積よりも大きくする必要はない。
・上記実施形態において、液体噴射装置は、インク以外の他の液体を噴射したり吐出したりする液体噴射装置であってもよい。なお、液体噴射装置から微小量の液滴となって吐出される液体の状態としては、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体は、液体噴射装置から噴射させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状体を含むものとする。また、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなども含むものとする。液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体噴射装置の具体例としては、例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルターの製造等に用いられる電極材や色材等の材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を噴射する液体噴射装置がある。また、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置、捺染装置やマイクロディスペンサー等であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置であってもよい。また、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置であってもよい。
次に、第1液体としてのインク(着色インク)について以下に詳述する。
プリンター11に使用されるインクは、組成上、樹脂を含有し、1気圧下での沸点が290℃のグリセリンを実質的に含有しない。インクがグリセリンを実質的に含むと、インクの乾燥性が大幅に低下してしまう。その結果、種々の媒体、特にインク非吸収性又は低吸収性の媒体において、画像の濃淡ムラが目立つだけではなく、インクの定着性も得られない。さらに、インクは、1気圧下相当での沸点が280℃以上のアルキルポリオール類(上記グリセリンを除く)を実質的に含まないことが好ましい。
ここで、本明細書における「実質的に含まない」とは、添加する意義を十分に発揮する量以上含有させないことを意味する。これを定量的に言えば、グリセリンを、インクの総質量(100質量%)に対して、1.0質量%以上含まないことが好ましく、0.5質量%以上含まないことがより好ましく、0.1質量%以上含まないことがさらに好ましく、0.05質量%以上含まないことがさらにより好ましく、0.01質量%以上含まないことが特に好ましい。そして、グリセリンを0.001質量%以上含まないことが最も好ましい。
次に、上記インクに含まれるか、又は含まれ得る添加剤(成分)について説明する。
[1.色材]
インクは、色材を含んでもよい。上記色材は、顔料及び染料から選択される。
[1−1.顔料]
色材として顔料を用いることにより、インクの耐光性を向上させることができる。顔料は、無機顔料及び有機顔料のいずれも使用することができる。無機顔料としては、特に限定されないが、例えば、カーボンブラック、酸化鉄、酸化チタン、及び酸化シリカが挙げられる。
有機顔料としては、特に限定されないが、例えば、キナクリドン系顔料、キナクリドンキノン系顔料、ジオキサジン系顔料、フタロシアニン系顔料、アントラピリミジン系顔料、アンサンスロン系顔料、インダンスロン系顔料、フラバンスロン系顔料、ペリレン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ペリノン系顔料、キノフタロン系顔料、アントラキノン系顔料、チオインジゴ系顔料、ベンツイミダゾロン系顔料、イソインドリノン系顔料、アゾメチン系顔料、及びアゾ系顔料が挙げられる。有機顔料の具体例としては、下記のものが挙げられる。
シアンインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、15:34、16、18、22、60、65、66、C.I.バットブルー4、60が挙げられる。中でも、C.I.ピグメントブルー15:3及び15:4のいずれかが好ましい。
マゼンタインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、40、41、42、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、88、112、114、122、123、144、146、149、150、166、168、170、171、175、176、177、178、179、184、185、187、202、209、219、224、245、254、264、C.I.ピグメントバイオレット19、23、32、33、36、38、43、50が挙げられる。中でも、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド202、及びC.I.ピグメントバイオレット19からなる群から選択される一種以上が好ましい。
イエローインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、16、17、24、34、35、37、53、55、65、73、74、75、81、83、93、94、95、97、98、99、108、109、110、113、114、117、120、124、128、129、133、138、139、147、151、153、154、155、167、172、180、185、213が挙げられる。中でもC.I.ピグメントイエロー74、155、及び213からなる群から選択される一種以上が好ましい。
なお、グリーンインクやオレンジインク等、上記以外の色のインクに用いられる顔料としては、従来公知のものが挙げられる。
顔料の平均粒子径は、ノズル46における目詰まりを抑制することができ、かつ、吐出安定性が一層良好となるため、250nm以下であることが好ましい。なお、本明細書における平均粒子径は、体積基準のものである。測定方法としては、例えば、レーザー回折散乱法を測定原理とする粒度分布測定装置により測定することができる。粒度分布測定装置としては、例えば、動的光散乱法を測定原理とする粒度分布計(例えば、日機装社(Nikkiso Co., Ltd.)製のマイクロトラックUPA)が挙げられる。
[1−2.染料]
色材として染料を用いることができる。染料としては、特に限定されることなく、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能である。色材の含有量は、インクの総質量(100質量%)に対して、0.4〜12質量%であることが好ましく、2質量%以上5質量%以下であることがさらに好ましい。
[2.樹脂]
インクは、樹脂を含有する。インクが樹脂を含有することにより、媒体上に樹脂被膜が形成され、結果としてインクを媒体上に十分定着させて、主に画像の耐擦性を良好にする効果を発揮する。このため、樹脂エマルジョンは熱可塑性樹脂であることが好ましい。樹脂の熱変形温度は、ノズル46の目詰まりを起こしにくく、媒体の耐擦性を持たせられるという有利な効果が得られるため、40℃以上であることが好ましく、60℃以上であることがより好ましい。
ここで、本明細書における「熱変形温度」は、ガラス転移温度(Tg)又は最低造膜温度(Minimum Film forming Temperature;MFT)で表された温度値とする。つまり、「熱変形温度が40℃以上」とは、Tg又はMFTのいずれかが40℃以上であればよいことを意味する。なお、MFTの方がTgよりも樹脂の再分散性の優劣を把握しやすいため、当該熱変形温度はMFTで表された温度値であることが好ましい。樹脂の再分散性に優れたインクであると、インクが固着しないためノズル46が目詰まりしにくくなる。
上記熱可塑性樹脂の具体例として、特に限定されないが、ポリ(メタ)アクリル酸エステル又はその共重合体、ポリアクリロニトリル又はその共重合体、ポリシアノアクリレート、ポリアクリルアミド、及びポリ(メタ)アクリル酸などの(メタ)アクリル系重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリイソブチレン、及びポリスチレン、並びにそれらの共重合体、並びに石油樹脂、クマロン・インデン樹脂、及びテルペン樹脂などのポリオレフィン系重合体、ポリ酢酸ビニル又はその共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、及びポリビニルエーテルなどの酢酸ビニル系又はビニルアルコール系重合体、ポリ塩化ビニル又はその共重合体、ポリ塩化ビニリデン、フッ素樹脂、及びフッ素ゴムなどの含ハロゲン系重合体、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルピロリドン又はその共重合体、ポリビニルピリジン、及びポリビニルイミダゾールなどの含窒素ビニル系重合体、ポリブタジエン又はその共重合体、ポリクロロプレン、及びポリイソプレン(ブチルゴム)などのジエン系重合体、並びにその他の開環重合型樹脂、縮合重合型樹脂、及び天然高分子樹脂が挙げられる。
樹脂の含有量は、インクの総質量(100質量%)に対し、1〜30質量%であることが好ましく、1〜5質量%であることがより好ましい。含有量が上記範囲内である場合、形成される上塗り画像の光沢性及び耐擦性を一層優れたものとすることができる。また、上記インクに含有させてもよい樹脂としては、例えば、樹脂分散剤、樹脂エマルジョン、及びワックス等が挙げられる。
[2−1.樹脂エマルジョン]
インクは、樹脂エマルジョンを含んでもよい。樹脂エマルジョンは、媒体が加熱される際、好ましくはワックス(エマルジョン)と共に樹脂被膜を形成することで、インクを媒体上に十分定着させて画像の耐擦性を良好にする効果を発揮する。上記の効果により樹脂エマルジョンを含有するインクで媒体を印刷した場合、インクは特にインク非吸収性又は低吸収性の媒体上で耐擦性に優れたものとなる。
また、バインダーとして機能する樹脂エマルジョンは、インク中にエマルジョン状態で含有される。バインダーとして機能する樹脂をエマルジョン状態でインク中に含有させることにより、インクの粘度をインクジェット記録方式において適正な範囲に調整しやすく、かつ、インクの保存安定性及び吐出安定性を高めることができる。
樹脂エマルジョンとしては、以下に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、アクリロニトリル、シアノアクリレート、アクリルアミド、オレフィン、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、ビニルアルコール、ビニルエーテル、ビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルカルバゾール、ビニルイミダゾール、及び塩化ビニリデンの単独重合体又は共重合体、フッ素樹脂、及び天然樹脂が挙げられる。中でも、メタアクリル系樹脂及びスチレン−メタアクリル酸共重合体系樹脂のいずれかが好ましく、アクリル系樹脂及びスチレン−アクリル酸共重合体系樹脂のいずれかがより好ましく、スチレン−アクリル酸共重合体系樹脂がより一層好ましい。なお、上記の共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体、及びグラフト共重合体のうちいずれの形態であってもよい。
樹脂エマルジョンの平均粒子径は、インクの保存安定性及び吐出安定性を一層良好にするため、5nm〜400nmの範囲であることが好ましく、20nm〜300nmの範囲であることがより好ましい。樹脂の中でも樹脂エマルジョンの含有量は、インクの総質量(100質量%)に対して、0.5〜7質量%の範囲であることが好ましい。含有量が上記範囲内であると、固形分濃度を低くすることができるため、吐出安定性を一層良好にすることができる。
[2−2.ワックス]
インクは、ワックスを含んでもよい。インクがワックスを含むことにより、インク非吸収性及び低吸収性の媒体上でのインクの定着性がより優れたものとなる。ワックスは、中でもエマルジョンタイプのものがより好ましい。上記ワックスとしては、以下に限定されないが、例えば、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、及びポリオレフィンワックスが挙げられ、中でも後述するポリエチレンワックスが好ましい。なお、本明細書において、「ワックス」とは、主に、後述する界面活性剤を使用して、固体ワックス粒子を水中に分散させたものを意味する。
上記インクがポリエチレンワックスを含むことにより、インクの耐擦性を優れたものとすることができる。ポリエチレンワックスの平均粒子径は、インクの保存安定性及び吐出安定性を一層良好にするため、5nm〜400nmの範囲であることが好ましく、50nm〜200nmの範囲であることがよき好ましい。
ポリエチレンワックスの含有量(固形分換算)は、互いに独立して、インクの総質量(100質量%)に対して、0.1〜3質量%の範囲であることが好ましく、0.3〜3質量%の範囲であることがより好ましく、0.3〜1.5質量%の範囲であることがさらに好ましい。含有量が上記範囲内であると、インク非吸収性又は低吸収性の媒体上においてもインクを良好に固化・定着させることができ、かつ、インクの保存安定性及び吐出安定性を一層優れたものとすることができる。
[3.界面活性剤]
インクは、界面活性剤を含んでもよい。界面活性剤として、以下に限定されないが、例えばノニオン系界面活性剤が挙げられる。ノニオン系界面活性剤は、媒体上でインクを均一に拡げる作用がある。このため、ノニオン系界面活性剤を含むインクを用いて印刷を行った場合、滲みの殆ど無い高精細な画像が得られる。このようなノニオン系界面活性剤としては、以下に限定されないが、例えば、シリコン系、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル系、多環フェニルエーテル系、ソルビタン誘導体、及びフッ素系の界面活性剤が挙げられ、中でもシリコン系界面活性剤が好ましい。
界面活性剤の含有量は、インクの保存安定性及び吐出安定性が一層良好なものとなるため、インクの総質量(100質量%)に対して、0.1質量%以上3質量%以下の範囲であることが好ましい。
[4.有機溶剤]
インクは、公知の揮発性の水溶性有機溶剤を含んでもよい。ただし、上述のとおり、インクは、有機溶剤の一種であるグリセリン(1気圧下での沸点が290℃)を実質的に含まず、また1気圧下相当での沸点が280℃以上のアルキルポリオール類(上記グリセリンを除く)を実質的に含まないことが好ましい。
[5.非プロトン性極性溶媒]
インクは、非プロトン性極性溶媒を含んでもよい。インクに非プロトン性極性溶媒を含有することにより、インクに含まれる上述の樹脂粒子が溶解するため、印刷の際にノズル46の目詰まりを効果的に抑制することができる。また、塩化ビニル等の媒体を溶解させる性質があるので、画像の密着性が向上する。
非プロトン性極性溶媒については、特に限定されないが、ピロリドン類、ラクトン類、スルホキシド類、イミダゾリジノン類、スルホラン類、尿素誘導体、ジアルキルアミド類、環状エーテル類、アミドエーテル類から選択される一種以上を含むことが好ましい。ピロリドン類の代表例としては、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドンがあり、ラクトン類の代表例としては、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、ε−カプロラクトンがあり、スルホキシド類の代表例としてはジメチルスルホキシド、テトラメチレンスルホキシドがある。
イミダゾリジノン類の代表例としては、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンがあり、スルホラン類の代表例としては、スルホラン、ジメチルスルホランがあり、尿素誘導体の代表例としては、ジメチル尿素、1,1,3,3−テトラメチル尿素がある。ジアルキルアミド類の代表例としては、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドがあり、環状エーテル類の代表例としては1,4−ジオキサン、テトラヒドロフランがある。
中でも、上述した効果の観点からピロリドン類、ラクトン類、スルホキシド類、アミドエーテル類が特に好ましく、2−ピロリドンが最も好ましい。上記の非プロトン性極性溶媒の含有量は、インクの総質量(100質量%)に対して、3〜30質量%の範囲であることが好ましく、8〜20質量%の範囲であることがより好ましい。
[6.その他の成分]
インクは、上記の成分に加えて、防かび剤、防錆剤、及びキレート化剤などをさらに含んでもよい。
11…液体噴射装置の一例としてのプリンター、24A,24B…液体噴射部の一例としての液体噴射ヘッド、46…ノズル、75…2流体噴射装置、78,130…2流体噴射ノズル、80…液体噴射ノズル、81…気体噴射ノズル、83a…気体流路、87…液体収容部の一例としての貯留タンク、87a…壁部、88a…液体流路、90…開閉弁の一例としての第1電磁弁、106…相手部材の一例としてのカバー部材、140…付勢部材の一例としてのばね、KA…混合部、KK…気液界面(水頭面)、SK…液体収容空間、ST…媒体の一例としてのシート。

Claims (8)

  1. 媒体に対して第1液体をノズルの開口から噴射可能な液体噴射部と、
    前記液体噴射部に対して、気体及び第2液体のうちの少なくとも一方を噴射可能な2流体噴射装置とを備え、
    前記2流体噴射装置は、
    前記気体と前記第2液体とを混合した混合流体を噴射可能な2流体噴射ノズルと、
    前記気体を前記2流体噴射ノズルに供給する気体流路と、
    前記第2液体を収容する液体収容部と、
    前記液体収容部に収容された前記第2液体を前記2流体噴射ノズルに供給する液体流路と
    前記液体収容部の前記液体を収容する液体収容空間を大気と連通させる連通状態と、前記液体収容空間を大気と連通させない非連通状態との間で切り替え可能な開閉弁と、
    を有し、
    前記液体収容部には、少なくとも前記2流体噴射ノズルから前記混合流体が噴射されない状態において、前記第2液体の気液界面が前記気体と前記第2液体とを混合する混合部よりも前記液体収容部側に位置するように、負圧が付与されており、
    前記開閉弁は、前記2流体噴射ノズルから前記混合流体が噴射されている状態で、前記液体収容空間が前記連通状態から前記非連通状態になるように切り替えられることを特徴とする液体噴射装置。
  2. 前記2流体噴射ノズルは、前記混合流体を上方に噴射するように配置され、
    前記液体収容部の水頭面は、前記混合部よりも下方に位置していることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
  3. 前記液体収容部は、前記第2液体を収容する液体収容空間を形成する壁部を備えており、
    前記壁部の少なくとも一部は、可撓性を有していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液体噴射装置。
  4. 前記2流体噴射ノズルは、前記第2液体が噴射される液体噴射ノズルと、前記気体が噴射されるとともに前記液体噴射ノズルを囲む環状の気体噴射ノズルとを備え、前記気体噴射ノズルからの前記気体の噴射に伴って前記液体噴射ノズルから前記第2液体が噴射されることで、前記混合流体が噴射されるように構成され、
    前記2流体噴射ノズルから前記混合流体が噴射されている状態で、前記2流体噴射ノズルを相手部材と対向させることを特徴とする請求項1〜請求項のうちいずれか一項に記載の液体噴射装置。
  5. 前記液体収容部は、前記第2液体を収容する液体収容空間を形成する壁部を備えており、
    前記壁部の少なくとも一部は、可撓性を有しており、
    前記可撓性を有する壁部は、付勢部材によって前記液体収容空間の容積を大きくする方向に付勢されていることを特徴とする請求項1〜請求項のうちいずれか一項に記載の液体噴射装置。
  6. 請求項1〜請求項のうちいずれか一項に記載の液体噴射装置に備えられる2流体噴射装置。
  7. 気体と液体とを混合した混合流体を噴射可能な2流体噴射ノズルと、
    前記気体を前記2流体噴射ノズルに供給する気体流路と、
    前記液体を収容する液体収容部と、
    前記液体収容部に収容された前記液体を前記2流体噴射ノズルに供給する液体流路と、
    前記液体収容部の前記液体を収容する液体収容空間を大気と連通させる連通状態と、前記液体収容空間を大気と連通させない非連通状態との間で切り替え可能な開閉弁と
    を有し、
    前記液体収容部の水頭面が前記気体と前記液体とを混合する混合部よりも下方に位置している2流体噴射装置の制御方法であって、
    前記2流体噴射ノズルから前記混合流体が噴射されている状態で、前記液体収容空間が前記連通状態から前記非連通状態になるように前記開閉弁を切り替えることを特徴とする2流体噴射装置の制御方法。
  8. 前記液体収容空間が前記非連通状態になるように前記開閉弁を切り替え、
    前記気体流路からの前記気体の供給を停止した後も、前記液体収容空間の前記非連通状態を維持することを特徴とする請求項7に記載の2流体噴射装置の制御方法。
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