JP4125250B2 - 液体収納容器、及び該容器を用いる記録装置 - Google Patents

液体収納容器、及び該容器を用いる記録装置 Download PDF

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本発明は、インクジェット記録装置等で使用するのに好適な交換型の液体収納容器、及び該容器を用いる記録装置に関し、具体的には、顔料などの分散系の液体を収容するのに 好適な液体収納容器、及び該容器を用いる記録装置に関する。
液体吐出型の記録装置としてのインクジェット記録方式は、記録手段としてのインクジェットヘッド(記録ヘッド)に設けられた微細な吐出口によりインク滴を飛翔させ、そのインク滴を記録媒体に着弾させることにより所望の記録を行うものである。インクジェット記録に使用されるインクには主に染料を用いる液体が使用されてきた。しかしながら、染料を用いる液体を使用して記録した記録物は、耐光性や耐候性などにおいて、屋外掲示プリント物等、耐光性や耐候性を重視する用途に求められる性能を提供できず、その代わりに顔料を用いた液体が実用化されている。顔料は溶解系ではなく分散系であるため、顔料を用いるインク(液体)は、液体収容部としてのインクタンク中において、顔料粒子の沈降が生じることになる。
そして、インクタンクが静的に固定されたアウトキャリッジタンク(例えば米国特許出願公開第2002/109758号明細書などに開示の記録装置に用いられるメインタンク)の場合においては、インクジェット記録装置の使用頻度、使用間隔、記録枚数(印刷枚数)等によって顔料の沈降現象が無視できないことが判明してきた。特に、アウトキャリッジタンクの場合は、使用頻度の高いユーザーにおいても液体収納容器としてのインクタンクの交換頻度を減らす目的で、インク容量を大容量にすることが多く、この点からもユーザーによっては無視できないほどの顔料沈降が起こる懸念があった。
例えば、インクジェット記録装置に装着された状態でインクタンクが長期間放置されると、インクタンク内部で顔料粒子が徐々に沈降する。その結果、インクタンク(液体収納容器)内部で底部から上部の方向に顔料粒子の濃度傾斜が発生し、底部には顔料粒子濃度が高く過度に色の濃い層が生じ、上部には顔料粒子濃度が低く過度に色の薄い層が生じる。そして、インクタンク底部よりインク収納室のインクを導出する構成のインクタンクからインクを供給すると、最初に、顔料粒子濃度の高い層からインクが供給されるので、過度に色の濃い印刷物が生じ、インクタンクの使用初期と使用後期で記録物に目視され得る程度の濃度差が生じてくるという不都合(技術的課題)がある。この現象は、色の濃淡によって画像を構成するカラー印刷において特に顕著となる。
このような技術的課題を解決するため、例えば特開2001−270131号公報(特許文献1)及び特開2001−293880号公報(特許文献2)に開示されているように、インクタンクのインク供給口からインクタンク内に複数の孔を開けた管状パイプを設け、インクを吸引する際に、インクタンク内部のインク供給口近くの部分からのみ吸引するのではなく、インクタンク内の上下方向にわたって多数の箇所からインクを吸引するようにし、その多数の箇所から吸引されたインクを一時的に滞留する箇所を設け、その滞留箇所からインクの供給を行うことによって、長期間にわたる放置によるインクタンク内のインクに上下方向において濃度むらが軽減されることを可能としている。
特開2001−270131号公報 特開2001−293880号公報
しかしながら、上記特許文献1及び特許文献2に開示されているインクタンクの管状パイプに設けられた各孔においては、顔料の沈降特性との関係が何ら考慮されていないため、管状パイプ外から管状パイプに設けられた各孔を通して流入するインクの濃度や量が管理されておらず、管状パイプ内のインク濃度は元のインクの濃度と異なる結果となり、インクタンクの使用初期と使用後期で記録物に濃度差が生じてくるという不都合は未だ十分には解消されていなかった。
また、色材沈降を解消する手段として、メインタンク内部にプロペラ状の攪拌手段と、これを回転させる駆動手段を設けて、攪拌手段を定期的に所定速度で回転させる方法がある。しかし、攪拌機構は非常に高価である。また、インク流路近傍に駆動手段(モータ)を設けた場合、漏洩インクが駆動モータの電源コネクタ部に付着してショート等の故障の原因となり、発煙や発火等に繋がる可能性がある場合も考えられる。
本発明はこのような技術的課題を解決すべく創案されたものであり、本発明の目的は、着色剤として顔料等の内容物を含有する液体を貯留し、時間経過に伴って内容物が沈降する場合でも、取り出される液体の濃度を初期の濃度に近い値に維持することができ、記録装置等における長期間にわたる使用に当たっても、記録物の濃度変化を防止して所定の記録濃度を維持することができる液体収納容器、及び該収納容器を用いる記録装置を提供することである。
上記目的を達成するための本発明の液体収納容器は、内容物として顔料粒子を含むインクを直接収容する液体収容部と、該液体収容部の鉛直方向底部に設けられた液体取り出し用の接続部と、該接続部の液体収容部側の開口を覆うように該液体収容部内に設けられた管と、を備え、前記管には、鉛直方向の複数位置でそれぞれが前記液体収容部に連通する複数の液体流入孔が形成され、前記管の複数の液体流入孔のうち、鉛直方向最下部の液体1入孔が前記液体収容部の鉛直方向底部と同一高さに位置し、かつ該液体流入孔の孔径が他の液体流入孔の孔径よりも小さいことを特徴とする。
上記本発明の構成によれば、着色剤として顔料等の内容物を含有する液体を貯留し、時間経過に伴って内容物が沈降する場合でも、取り出される液体の濃度を初期の濃度に近い値に維持することができ、記録装置等における長期間にわたる使用に当たっても、記録物の濃度変化を防止して所定の記録濃度を維持することができる液体収納容器、及び該容器を用いる記録装置が提供される。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を具体的に説明する。なお、各図面を通して同一符号は同一又は対応部分を示すものである。図1は本発明の液体収納容器を搭載可能な記録装置を示す模式的斜視図である。図1において、記録紙等の記録媒体Sにインクを吐出して画像を記録するインクジェット記録装置は、インクを吐出する記録手段としての記録ヘッド1をキャリッジ2に搭載し、記録媒体Sを搬送ローラ3によって搬送方向A(副走査方向)に搬送するとともに、キャリッジ2を副走査方向に直交する方向B(主走査方向)に往復移動させる。記録媒体Sは搬送ローラ3によって所定ピッチずつ副走査方向に搬送され、記録媒体Sの1ピッチ搬送ごとの間に、記録ヘッド1からインクを吐出しつつキャリッジ2を主走査方向に移動させることで1ライン分の記録が行われる。このような1ライン分の記録を繰り返し実行することで記録媒体Sの全体に対する記録が行われる。
記録ヘッド1の記録媒体Sと対向する面(吐出口面)には、副走査方向に直列配置された複数の吐出口から成る吐出口列が形成されている。前記吐出口列は使用されるインクの種類数に対応する数だけ設けられており、カラー記録や階調記録においては吐出口列ごとに異なるインクを吐出することで所望の画像が形成される。各色吐出口列に対して1セットのインク供給系が設けられ、インク供給系は、インクを収容するメインタンク(液体収納容器)4、メインタンク(液体収納容器)4を保持するインク供給ユニット5、及び、インク供給ユニット5から記録ヘッド1へインクを導くインク供給チューブ6を備えている。インク供給ユニット5は、メインタンク(液体収納容器)4からインク供給チューブ6にインクを供給する。
インクジェット記録装置では、時間経過や記録動作などによって吐出口内(ノズル内)のインクが増粘したり、該インク中に気泡が発生したりして不吐出などの吐出不良が発生することがある。また、記録動作などによって吐出口面にインク滴や紙粉などの異物が付着することでインク吐出にヨレ(吐出方向が乱れること)が生じることもある。そこで、このような不都合を解消すべくインク吐出性能を維持回復するために、記録装置の主走査方向における通紙範囲外の所定位置に回復ユニット7が配設されている。図1の構成では、回復ユニット7及びインク供給ユニットの両ユニットとも、記録ヘッド1の移動方向の略同じ位置に配設されている。この回復ユニット7には、例えば、記録ヘッド1の吐出口を覆うためのキャップを有するキャッピング機構、キャップで吐出口を密閉した状態で該キャップ内に負圧を発生させて吐出口からインクを吸引するとともに新しいインクを導入するための吸引回復機構、吐出口面に付着した異物を拭き取り清掃するためのワイピング機構などが設けられている。
図2は本発明を適用した液体収納容器の第1実施例(実施例1)をインクジェット記録装置のインクタンクとして使用する場合のインク供給システムの概略構成(a)並びにタンク底面からの高さとインク濃度(顔料濃度、内容物濃度)との関係のグラフ(b)を示す模式図である。図3は本発明を適用した液体収納容器の第1実施例を示す模式的斜視図であり、図4は図3の液体収納容器の概略構成を示すための模式的分解斜視図である。図5は図2〜図4に示す液体収納容器の接続ユニットの詳細構造を示す拡大縦断面図である。図6は図2の液体収納容器において液面(インク液面)が十分に高いときの内部状態(a)並びに液体供給(インク供給)のときにインク攪拌室(管)の各液体流入孔を通過するインク量の割合をグラフ(b)で示す模式図である。
図7は図6の状態からインクが消費され初期の段階から約50%程度にまで液面が下がったときの液体収納容器の内部状態(a)並びにインク供給のときにインク攪拌室(管)の各液体流入孔を通過するインク量の割合をグラフ(b)で示す模式図であり、図8は図7の状態から更にインクが消費され初期の段階から約20%程度にまで液面が下がったときの液体収納容器の内部状態(a)並びにインク供給のときにインク攪拌室(管)の各液体流入孔を通過するインク量の割合をグラフ(b)で示す模式図である。
図2〜図8において、本発明を適用した液体収納容器1000は、接続ユニット100の接続口150、151を下方に向けた姿勢で装着され使用されるものであり、従って、接続口150、151を有する接続ユニット100側が液体収納容器1000の底部になる。つまり、図2の(a)に示すように液体収納容器1000がインクジェット記録装置のインクタンクである場合には、接続口150、151を下側にした状態でインクジェット記録装置の装着部(図1のインク供給ユニット5)に着脱可能に装着され、該インクジェット記録装置の記録手段としてのインクジェットヘッド(記録ヘッド)にインクを供給するために使用される。
図3及び図4において、液体収納容器1000は、液体(インク)を収容する液体収容部(インク収容部)200と、該容器本体200内の液体を取り出すための接続ユニット100と、液体収納容器1000に関する種々の情報を取り出すための情報記憶媒体ユニット300と、キャップ部材400と、を備えている。液体収容部200はプラスチック材をブロー成形で成形された中空容器である。接続ユニット100は液体供給用中空針及び大気導入用中空針を挿通するための複数の接続部を有する。図3〜図5において、接続ユニット100は、液体収容部200に形成された開口部201に対してシール部材101を介して気密状態で押圧挟持されている。キャップ部材400は、液体収容部(容器本体)200に形成された開口部201に対してシール部材101を介して接続ユニット100を気密状態で押圧挟持するために、開口部201の外周の雄ねじ部にねじ込まれる(締結される)ものである。情報記憶媒体ユニット300は、液体収容部200の側面に超音波溶着等により位置決め固定されるものである。
次に、図4及び図5を参照して、接続ユニット100について詳細に説明する。接続ユニット100は、複数の接続部を有し、各接続部に通じる接続口150、151に対応する位置に形成された連通孔153、154を有するハウジング102と、ハウジング102内の連通孔153、154に対応する位置に装着されたゴム状弾性体から成る2個の弾性部材103と、接続口150、151に対応する位置に形成された連通孔155、156を有する押圧部材104と、押圧部材104に配された2つの吸収体105と、吸収体105の外側に装着される吸収体カバー106と、筒形状で筒側面に複数の孔(液体流入孔)107a、107b、107c、107d、107e、107f、107g(図6参照)及び筒天井に孔107hを設けた管(インク攪拌室)107と、を一体化して構成されている。
こうして、開口201を有する液体収容部200と、液体を液体収容部から導出する(取り出す)ための接続部及び該液体収容部に空気を導入するための接続部を有し、接続部には弾性部材103が圧縮された状態で保持された接続ユニット100と、を備え、液体収容部200と接続ユニット100とを組み合わせて構成される液体収納容器1000が提供されている。接続口150、151は吸収体カバー106に形成されている。また、押圧部材104はハウジング102に対して超音波溶着又は係止爪等(不図示)により固定することで挟止められている。弾性部材103はドーム形状をしており、押圧部材104により弾性部材103が圧縮固定された構成となっている。すなわち、各弾性部材103はドーム形状のゴム状弾性材で作られているので、ハウジング102の2箇所の凹部のそれぞれに装着されるとともに押圧部材104で圧縮固定されることで、弾性部材103の径方向への圧縮力が発生し、気密密封状態で装着される構成となっている。
また、押圧部材104に配された2つの吸収体105は、吸収体カバー106によって挟持(挟止)されている。吸収体カバー106は、押圧部材104又はハウジング102に対して超音波溶着又は係止爪(不図示)等により固定されている。さらに、インク攪拌室107もハウジング102に対して超音波溶着又は係止爪(不図示)、はめ込み等により固定されている。こうして、接続ユニット100が構成されている。接続ユニット100は、図5に示すように、液体収容部(容器本体)200の開口部201に対して、シール部材101を介在させた状態で、内ねじを有するキャップ部材400を開口部201の外周ねじにねじ込むことにより密封状態で固定される。
そして、液体収納容器1000を使用するに際しては、図5に示すように、液体(インク)供給針528及び空気導入針529が、接続口150、151、吸収体105、105、連通孔155、156、弾性部材103、103、連通孔153、154を突き通してインク攪拌室107及び容器本体200内と通じ、インク供給経路及び大気導入経路が接続ユニット100を介して接続され、所定の機能(インク供給等)が実行される。つまり、接続ユニット100内には複数の接続口150、151に通じる複数の接続部が構成されている。液体供給針528は液体収容部200内の液体を導出するためのものであり、空気導入針529は容器本体200内へ空気を導入するためのものである。
図5において、キャップ400の頂面は図示のように開放されており、従って、接続ユニット100の外側端面(吸収体カバー106)に形成された接続口150、151は、キャップ400で接続ユニット100に固定した状態でも露出している。キャップ400は液体収容部(容器本体)200の開口部201とのねじ係合によりねじ込む(締結する)構成となっており、その内径部には接続ユニット100を開口部201とキャップ400との間で挟持できるように係合部401が形成されている。
シール部材101は、キャップ400のねじ込み(締結)によって、接続ユニット100のハウジング102の外周に形成された環状段付き部157と容器本体(液体収容部)200の開口部201との間で所定量だけ圧縮され、インクタンク1000内部を外気から気密状態に保つように構成されている。すなわち、図5に示すように、接続ユニット100のハウジング102には容器本体200の開口部の先端面に当接する係合面(段付き部)157が形成されており、ハウジング102の外周に形成される環状溝内にシール部材(環状のシール部材)101を所定の圧縮力で挟持することで確実な封止状態で組み付けるように構成されている。
次に、情報記憶媒体ユニット300について説明する。図4において、情報記憶媒体ユニット300は、情報記憶媒体ホルダ301と、情報記憶媒体ホルダ301の凹部の内面に両面テープ303によって位置決め固定された情報記憶媒体302と、情報記憶媒体ホルダ301の外表面から突出した複数の突起304から成る櫛歯状のID部(機械式識別部)と、から構成されている。
先ず、情報記憶媒体302について説明する。この情報記憶媒体302は、インクタンク(液体収納容器)1000がインクジェット記録装置に装着された状態で該インクジェット記録装置との間で情報交換が可能である。情報記憶媒体302とインクジェット記録装置との間で交信される情報は、例えば、インクの使用期限、インクタンク1000内のインク量、インクの色などに関する情報である。インクジェット記録装置の制御部によりこのような情報を取り出すことにより、使用期限切れ又はインク切れのアラームを出してユーザーにインクタンクの交換を促すことなどを実行することができる。それによって、インクの変色や増粘によって記録画像に影響が生じることを防止したり、また、インクが空の状態で記録動作を行ったり、違う色のインクを保持するインクタンクを誤装着した状態で記録動作を行ったりして、記録不良が発生するのを防止したりなどの処理を行うことができる。このようにすることによって、常に良好な記録動作を行えるようにし、高品位な画像出力が得られるようにできる。
情報記憶媒体302としては、磁気、光磁気、電気、メカなど各種の情報取得手段により識別情報が得られる媒体であれば、フラッシュメモリやライトアットワンス的な磁気媒体など、そのようなものを用いても良い。本実施例のインクタンク1000では、インクタンク識別情報の保持、記録装置本体側からの情報の書き込みに加えて、記録装置本体側からの記憶情報の追加、あるいは記憶情報の変更、削除などが可能な媒体として、電気的な書き込み消去処理可能なEEPROMが用いられている。このEEPROMは記録装置本体側に設けられた電気信号コネクタと電気的に接続される接点部を有するプリント基板上に搭載され、これらが一体となって情報記憶媒体302が構成されている。
次に前述の櫛歯状の突起304は、インクタンクの誤装着防止のためのIDとして用いられる。インクの色毎、あるいは記録装置の機種毎等、あらかじめ決められた部分を切除されており、そのインクタンクの切除された部分と対応する本体側の対応する位置には突起が設けられ、正しいインクタンク(機種、色等)のみが装着されるようになっている。前述の情報記憶媒体による誤装着防止に加えて、メカ構成により誤装着を防止している。
次に、本実施例の液体収納容器(インクタンク)1000が接続されるインクジェット記録装置のインク供給システム(記録用液体供給系)の一例について図2の(a)を参照して説明する。図2の(a)は、液体収納容器1000を接続ユニット100を介して記録手段としてのインクジェットヘッド(記録ヘッド)524に接続し、該インクジェットヘッドから記録媒体にインクを飛翔させて記録を行うように構成された記録用液体供給系の全体の概略構成を示す模式図である。記録手段としての記録ヘッド(インクジェットヘッド)524は、熱エネルギーを利用してインクを吐出するインクジェット記録手段であって、熱エネルギーを発生するための電気熱変換体を備えたものである。また、記録手段(記録ヘッド)524は、電気熱変換体により印加される熱エネルギーによってインク内に膜沸騰を生じさせ、その時に生じる気泡の成長、収縮による圧力変化を利用して吐出口よりインクを吐出させ、記録を行うものである。
図2の(a)において、記録ヘッド(インクジェットヘッド)524は、インク供給管526を介してインクタンク1000と流体接続されている。インク供給管526のインクタンク1000側の先端は、インク供給ユニット525のバッファ室530に接続されている。インク供給ユニット525には、バッファ室530に連通する中空のインク供給針(インク導出針)528及び空気導入針529が設けられている。液体収容部(インク収容部)200から液体(インク)を導出するためのインク供給針528はインクタンク1000の第1の流体接続口150に対応配置された弾性部材103を貫通してインク収容部(容器本体)200内に延びており、先端付近に開口している針孔を通して液体収容部(容器本体)200内のインクを取り出して供給(導出)できるようになっている。その際、弾性部材103は、前述のように圧縮固定されているので、貫通したインク供給針528の外周を押圧することで、インク供給針528の周囲の気密性を保持し、インクの漏れ出しを防止している。
また、インク供給ユニット525には、バッファ室530に連通する空気導入針529が設けられており、この空気導入針529は、前述のインク供給針528と同様に、インクタンク1000の第2の流体接続口151に対応配置された弾性部材103を貫通してインク収容部200内に延びており、先端付近に開口している針孔を通してインク収容部200内に空気(大気圧)を導入できるようになっている。この際も、弾性部材103は、前述のように圧縮固定されているので、貫通した空気導入針529の外周を押圧することで大気導入針529の周囲の気密性を保持している。
バッファ室530には、その上部からインク供給ユニット525の外部に連通するバッファ室空気連通部527が設けられている。空気導入針529はバッファ室530の高さ方向の中ほどまで延びており、インク導出針(インク供給針)528は空気導入針529よりも下方まで延びている。定常状態では、バッファ室530内には、空気導入針529の下端の位置までインクが満たされ、上方にバッファ空間が生じた状態になっている。
次に、インクジェット記録装置におけるインク供給システムを示す図2の(a)を参照して、図3〜図5で説明した第1実施例に係る液体収納容器1000をインクタンクに用いる場合にインクを取り出す際のインク導出動作(インク供給動作)について説明する。なお、インク導出動作と本発明の特徴的構成に直接関わる部分の詳細説明は後述する。
図2の(a)において、インクジェットヘッド524は、インク吐出口面に形成された吐出口からインクを吐出して記録媒体(用紙等)に記録を行う。すると、吐出された分のインクを補うようにインクがインク供給管526を介してインクタンク1000からインクジェットヘッド524へ供給される。接続ユニット100と記録ヘッド524とを結ぶインク供給管(その途中でも良い)にはインク供給ユニット525が設けられている。インクの供給に伴ってインク収容部200内のインクが減少すると、該インク収容部200内の圧力が低下する。すると、インク供給ユニット525に設けられたバッファ室空気連通部527からバッファ室530に導入される空気が空気導入針529を通してインク貯蔵室内へ導入される。
ここで、インクジェット記録装置においては、インクジェットヘッド524に対して供給されるインクが所定の負圧状態に保持されている必要がある。本実施例のインク供給システムの場合、空気をタンク本体(容器本体)200内へ導入する空気導入針529の下端開口がインクジェットヘッド524の吐出口面(吐出口が形成された面)より下方位置に配されており、この空気導入針529の下端開口と吐出口面の高さの差(水頭差h)が常に負圧としてインクジェットヘッド524の吐出口に作用する構成となっている。すなわち、インクタンク1000内のインクの液面の高さに関わらず、常にほぼ一定の負圧がインクジェットヘッド524の吐出口に作用する構成となっている。
次に、図2の(a)を参照して温度や気圧などの環境変化により液体収容部200内の空気が膨張収縮した場合について説明する。液体収容部200内の空気が膨張する時には、液体(インク)が空気導入管(針)529を介してバッファ室530内に押し出されるが、バッファ室530は、想定される環境変化が生じても、インクが該バッファ室から溢れないように十分を容積を有している。また、万一多少のインクが溢れても、このインクはバッファ室空気連通部527の先に設けられている廃インク吸収体(不図示)に吸収され、記録装置内の他の部分をインクで汚すことはない。一方、液体収容部200内の空気が収縮する時には、中空の空気導入針529と管(攪拌室)107を介してインクタンク1000内へ空気(外気)が導入される。
なお、本実施例では、インクジェットヘッド524へのインク供給に伴うインク収容部200内の圧力低下を補うための構成として、空気導入針529から空気を導入する構成を示したが、これは、接続ユニット100の第2の接続口(空気導入用の接続口)151に一定の圧力条件で液体を供給するシステムを接続し、圧力低下を補うのにインク(液体)を供給するように構成しても良い。この場合の液体(インク)は、特にインク収容部(容器本体)200内に収納されている液体(インク)と同じ種類の液体であっても良い。
そこで、本発明を適用した一実施例に係る液体収納容器1000においては、インク等の液体を収容する液体収容部200と、該液体収容部の底部に設けられた液体取り出し用の接続部(接続口150に通じる接続部)と、該接続部の液体収容部側の開口を覆うように該液体収容部内に設けられた管から成る攪拌室107と、を備え、前記攪拌室には、鉛直方向の複数位置でそれぞれが前記液体収容部に連通する複数の液体流入孔107a〜107gが形成され、前記攪拌室の複数の液体流入孔のうち、時間経過に伴って液体収容部内の液体の内容物が沈降したときに該内容物の濃度が初期の濃度より濃くなる底部側の下層領域に位置する液体流入孔107aの流入抵抗は、他の液体流入孔107b〜107gの流入抵抗より大きくなるように構成されている。
以下に、図2及び図5〜図8を用いて、本発明を適用した一実施例に係る液体収納容器1000の特徴的な構成、並びに、液体の内容物としての顔料(顔料粒子)が沈降した場合の作用効果について説明する。インクジェット記録装置に装着された状態で液体収納容器としてのインクタンク1000が長期間放置され、インクタンク1000内部で液体の内容物としての顔料粒子が沈降する。図2の(b)は、液体収容部200の底面からの鉛直方向の距離に応じて徐々に変化する顔料粒子濃度プロファイルを示している。沈降が発生するインクには、図2の(b)中の曲線Bのように顔料粒子濃度が底面からの鉛直方向の距離に応じて徐々に変化するインクが存在し、本実施例によれば、曲線Bのようなプロファイルにおいてもある相当の効果を期待することができる。
しかし、インク中の沈降する粒子の粒子径や粒子径の分布、インクの成分によっては、図2の(b)中の曲線Aのようにインクタンク内部で底部から上部の方向に顔料粒子の濃度傾斜が発生し、概ね図2の(a)、(b)及び図6に示すように、底部側には顔料粒子濃度が高い下層603(以下、顔料高濃度層603とも称す)が生じ、上部には顔料粒子濃度が低い上層601(以下、顔料低濃度層601とも称す)、そして、中間にはほぼ当初の顔料粒子濃度を保っている中層602(以下、顔料中濃度層602とも称す)に分かれるインクがあり、本実施例においては、図2の(b)の曲線Aのようなインクにおいて最大の効果を発揮することができる。従って、以下では、主として、沈降後に図2の(b)中の曲線Aに示すようなプロファイルを持つインクについて説明する。
図2の(a)及び図6の(a)は、インクタンク1000内のインク量が満タンに近いときの、インクタンク内の各顔料沈降層601、602、603の高さと管(インク攪拌室)107に設けられた複数の液体流入孔107a、107b、107c、107d、107e、107f、107gの各孔までの高さとの関係を示している。そして、複数の液体流入孔107a〜107gの中で、顔料高濃度層603には液体流入孔107aが設けられている。また、顔料中濃度層602には液体流入孔107b、107c、107d、107e、107fが設けられており、顔料低濃度層601には液体流入孔107gが設けられている状態にある。
図6の(b)は図6の(a)の状態においてインクがインクジェットヘッド524へ供給されたときのインク攪拌室107の複数の孔107a〜107gの各孔を通過するインク量の割合を示している。そして、図6の(a)に示すように、顔料が沈降した状態で印刷やポンプによる吸引などによりインクがインク供給管526を通して外部へ(インクジェットヘッド524等へ)供給されると同時に、顔料高濃度層603、顔料低濃度層601、顔料中濃度層602の(ある特定の層のインクでなく)各層からのインクが、各液体流入孔107a〜107gを通して攪拌室107内に導入され、該攪拌室107内で一時的な滞留と混合が発生する。
ここで、本実施例では、顔料濃度(内容物濃度)が初期の濃度より濃い下層領域に位置する液体流入孔107aのみ流入抵抗(流抵抗)の値を大きくして液体(インク)の流入量を抑えるために、この液体流入孔107aの孔径は他の液体流入孔107b〜107gの孔径に比べて小さくされている。例えば、液体流入孔107aはR=0.75mmの半円孔で形成され、液体流入孔107b〜107gは直径2mmの円形孔で形成されている。ここで、図6は、インクがプリンタ本体に供給されたときの孔107a〜107gの各孔からインク攪拌室(管)107へ流入する流入インク量である。
流入量は図6の(b)に示す通りであり、インクはインク供給針528から吸引されるため、インク供給針528から遠ざかる孔からの流入量は少なくなる。また、上述の通り最もインク供給針528に近い孔107aの流抵抗(流入抵抗)を大きくしているため、この孔107aからの流入量は少ない。そのため、インクを供給する際には、インク攪拌室107への全流入量のほとんど(本実施例では9割)のインクは顔料中濃度層602より供給され、顔料高濃度層603と顔料低濃度層601からの流入量がほぼ等しいため、当初の顔料粒子濃度のインクを供給することができる。
図7は図6の状態からインクが消費されて液面が中間位置まで下がった状態を示している。図7の(a)はインクタンク内の各顔料沈降層601、602、603の高さとインク攪拌室107に設けられた複数の孔107a〜107gの各孔の高さとの関係を示しており、顔料高濃度層603には複数の孔107a〜107gのうちの孔107aのみが設けられている。また、顔料中濃度層602には孔107b〜107cが位置しており、顔料低濃度層601には孔107dのみが位置している状態となる。
図7の(b)は図7の(a)の状態においてインクがインクジェットヘッド524へ供給されたときの各孔107a〜107gのそれぞれを通過するインク量の割合を示している。この場合、液面が孔107eより下側にあるため、インクは孔107e〜107gからは供給されない。このように、インクが消費され液面が107g以下に低下した場合は、図6の状態と比べて顔料高濃度層603と顔料低濃度層601からの流入量が増加する。しかし、依然流入するほとんどのインク(本実施例では7割〜8割)は顔料中濃度層602から流入し顔料高濃度層603と顔料低濃度層601からの流入量のバランスも変わらないため、当初の顔料粒子濃度のインクを供給することが可能となる。
図8は図7の状態から更にインクが消費され、初期の段階から20%にまで液面が下がった状態を示している。図8の(a)はインクタンク内の各顔料沈降層の高さとインク攪拌室(管)107に設けられた複数の孔107a〜107gまでの各孔の高さとの関係を示している。複数の孔107a〜107gのうち、顔料高濃度層603には孔107aが位置しており、顔料中濃度層602はほぼ消費されているため孔存在しておらず、顔料低濃度層601には孔107bが位置している状態となっている。図8の(b)は図8の(a)の状態においてインクが供給された際に各孔107a〜107gを通過するインク量の割合を示している。この場合、液面が孔107cの下側にあるため、それより高い孔107〜107gからはインクは供給されない。図8のように液面がインクタンク容器の20%程度以下の高さになったときには、図6及び図7で説明した過程によって、ほぼ顔料中濃度層602のインクを使い切っており、残りの顔料高濃度層603と顔料低濃度層601がインク攪拌室107で攪拌することで、当初の顔料濃度のインクを供給することが可能となる。
以上説明した実施例のように、顔料(液体の内容物)が3つの沈降層601、602、603に分離することに着目し、先ず従来の顔料濃度を保っているインク(顔料中濃度層602)を使用した後に、最後に顔料濃度が薄い層601と濃い層603とを攪拌して混合することにより、長期間にわたる使用に当たっても、記録物に目視され得る程度の濃度差の発生を防止するとともに、当初の顔料濃度のインクをプリンタ本体に供給することができる液体収納容器1000、つまり着色剤として顔料を使用したインクのインクタンクであって記録中の濃度変化を防止できる液体収納容器1000を提供することが可能となる。
図9は本発明を適用した液体収納容器の第2実施例を示す模式的斜視図であり、図10は図9の液体収納容器の概略構成を示すための模式的分解斜視図である。図9及び図10を参照して、本発明を適用した液体収納容器の別の実施例(第2実施例)を説明する。図9及び図10において、本発明を適用した液体収納容器1000の第2実施例も、接続ユニット100の接続口150、151を下方に向けた姿勢で装着されて使用されるものであり、従って、接続口150、151を有する接続ユニット100側が液体収納容器1000の底部になる。つまり、液体収納容器1000がインクジェット記録装置のインクタンクである場合には、接続口150、151を下側にした状態でインクジェット記録装置の装着部に着脱可能に装着され、該インクジェット記録装置の記録手段としてのインクジェットヘッドにインクを供給するために使用される。
図9及び図10において、液体収納容器1000は、液体(インク)を収容する液体収容部(インク収容部)200と、液体収容部200内の液体を取り出すための接続ユニット100と、液体収納容器1000に関する種々の情報を取り出すための情報記憶媒体ユニット300と、ガード部材420と、を備えている。本実施例では、液体収容部200はプラスチック材をブロー成形で成形された偏平状の中空容器で構成されている。これは記録装置等の機器において複数の液体収納容器(インクタンク)を装着する場合、該機器の省スペース化(小型化)を図るためである。
接続ユニット100は、複数の接続部を有し、各接続部に通じる接続口150、151に対応する位置に形成された連通孔を有するハウジング102と、該ハウジング102内の各連通孔に対応する位置に装着されたゴム状弾性体から成る2個の弾性部材103と、これらの弾性部材103に対応する位置に形成された連通孔を有する押圧部材104と、押圧部材104に配された2つの吸収体105と、吸収体105の外側に装着される吸収体カバー106と、を一体化して構成されている。本実施例でも、接続口150、151は吸収体カバー106に形成されている。さらに、本実施例では、このような接続ユニット100の液体収容部200内部側の開口部を覆うようにした該液体収容部200内部に配置される管(インク攪拌室)107が設けられている。
前記インク攪拌室107は、前述の第1実施例の場合と同様に、筒形状で筒側面に複数の孔107a、107b、107c、107d、107e、107f、107gを有するとともに筒天井に孔107hを有する構造のものであり、接続ユニット100に一体化して構成されている。こうして、本実施例においては、図2〜図8で説明した第1実施例に係る液体収納容器1000の場合と実質的に同様に、開口201を有する液体収容部200と、液体収容部200から液体を導出するための接続部及び液体収容部200に空気を導入するための接続部を有し、接続部には、弾性部材103が圧縮された状態で保持された接続ユニット100と、接続ユニット100の液体収容部200内部側の開口部を覆うインク攪拌室107と、が設けられ、これらを組み合わせて構成される液体収納容器1000が提供されている。
さらに、図9及び図10の第2実施例においては、押圧部材104及びインク攪拌室107はハウジング102に対して超音波溶着又は係止爪等(不図示)により固定することで挟止められている。弾性部材103は、ドーム形状をしており、押圧部材104によりハウジング102内に圧縮固定されている。また、押圧部材104に配された2つの吸収体105は、吸収体カバー106によって挟持(挟止)されている。吸収体カバー106は押圧部材104又はハウジング102に対して超音波溶着又は係止爪(不図示)等により固定されている。こうして、一体化された接続ユニット100が構成されている。この接続ユニット100は、そのハウジング102を開口部201の接合面に超音波溶着することにより、液体収容部200に固定されている。
さらに、第2実施例に係る液体収納容器1000においては、接続ユニット100(インク攪拌室107を含む)を液体収容部200に固定した後、ガード部材420を、接続ユニット100の上から液体収容部200の底面に対し、弾性変形可能な突状フック部と該フック部に係止される係合孔とにより掛け止めする構造(いわゆるパッチン止め)となっており、ガード部材420により接続ユニット100を保護するように構成されている。このガード部材420は、溶着された接続ユニット100の保護と、情報記憶媒体ユニット300の保護及び保持と、を目的とするものである。また、ガード部材420の長手方向の一端部には、前述の第1実施例の場合と同様の趣旨で、液体収納容器1000の誤装着を防止するための櫛歯状の突起によるメカIDが設けられている。
図9及び図10の第2実施例に係る液体収納容器1000は、その他の点では図2〜図8で説明した第1実施例の場合と実質上同じ構成を有している。つまり、第2実施例において、前述の第1実施例と異なる主な点は次の通りである。第1に、液体収容部200が図示のような偏平容器で構成されており、複数の液体収納容器(インクタンク)を記録装置等の機器に装着する場合に該機器の省スペース化(小型化)が可能になることである。第2に、一体化された接続ユニット100が液体収容部200に超音波溶着等で固定されており、前述の第1実施例におけるシール部材101及びキャップ部材400に相当する部材を省略することができ、一層の構造の簡単化及び部品点数の低減が可能になることである。
第3に、第2実施例においては、ガード部材420を、液体収容部200の底面に対し、弾性変形可能な突状フック部と該フック部に係止される係合孔とによって掛け止めする構造(いわゆるパッチン止め)とし、このガード部材420によって、溶着された接続ユニット100及び情報記憶媒体ユニット300の保護及び保持を図るとともに、液体収納容器1000の誤装着防止用の櫛歯状の突起によるメカIDを形成するようにしたことである。従って、図9及び図10の第2実施例によっても、第1実施例(実施例1)の場合と同様の作用効果を達成することができる。
なお、前述の実施例では、接続ユニット100内に設けられる接続部の数が2つである場合を例に挙げて説明したが、本発明は、接続ユニット内に3個以上の接続部を設ける場合にも同様に適用することができ、同様の作用効果が得られるものであり、これらも本発明の範囲内に属するものである。また、接続部の数が1つでインクの供給と大気の導入が交互に行われる接続口でも同様に適用することができ、同様の作用効果が得られるものであり、これらも本発明の範囲内に属するものである。また、前述の実施例では、管(インク攪拌室)107の水平断面形状が円形である場合を例に挙げて説明したが、この管107の断面形状は、長円形や三角形やその他の多角形など、必要に応じて任意の形状を採り得るものである。
図11は本発明の第3実施例に係るインクジェット記録装置のインク供給系を示す模式的縦断面図であり、図12は本発明の効果を確認するための実験装置を示す模式的縦断面図であり、図13は実験結果に基づくインクの濃度変化を示すグラフである。まず、本実施例で用いられるインクについて説明する。本実施例に適するインクとしては、水に対して不溶性あるいは難溶性の色材を水性媒体中に分散した水性インクを挙げることができる。色材は、物体に色を付与する性質のある物質であり、分散染料、金属醋塩染料、顔料等が使用される。
水性媒体中に色材を分散させる化合物としては、分散剤、界面活性剤、樹脂分散剤等があり、分散剤、界面活性剤としては、アニオン系、ノニオン系等が挙げられる。樹脂分散剤としては、スチレン及び誘導体、ビニルナフタレン及びその誘導体、アクリル酸及びその誘導体等が挙げられ、これらの樹脂分散剤は、塩基を溶解させた水溶液に可溶なアルカリ可溶型樹脂であることが望ましい。顔料としては、ウルトラマリン、酸化チタニウム、テナール青等の無機顔料のほか、ジアゾイエロー、ジスアゾオレンジ、パーマネントカーミンFB、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、チオインジゴバイオレット等の有機顔料を挙げることができるが、これらの顔料に限定されるものではない。
次に、図11を用いて本実施例の液体吐出記録装置及び液体収納容器について説明する。図11において、記録ヘッド1は、インク供給チューブ6が気密接続される液体コネクタ挿入口1aと、インクを一定量蓄えるサブタンク1bとを有し、液体コネクタ挿入口1aから供給されたインクはサブタンク1bに保持される。サブタンク1b内のインクはフィルタ1c、液室1fを順次通って吐出ノズル(吐出口)1gに供給される。サブタンク1bの上面には圧力調整室1hが設けられ、サブタンク1bと圧力調整室1hとは上面開口穴(孔)1yによって連通されている。また、液体コネクタ挿入口1aから吐出ノズル1gに至る流路は大気に対して気密な状態に保たれている。
吐出ノズル1gはノズル穴径(内径)が20μm程度の微細な筒状孔であり、該筒の内部には、CPUの指令により選択的に発熱するヒータ(図示せず)が設けられている。このヒータを加熱すると、ヒータに接しているインクの溶存空気が膨張、発泡し、吐出ノズル1g内のインクを押し出し、インクが吐出される。吐出後には吐出ノズル1gの毛細管力により吐出ノズル1g内にインクが満たされる。通常インク吐出のサイクルを20KHz以上の高速で繰り返し、微細な画像形成を高速で行う。吐出ノズル1g内は負圧に保たれるが、負圧が大気圧程度近くまで弱まると、吐出ノズル1g先端に汚れやインク滴が付着した場合、吐出ノズル1g内のインクメニスカスが崩れ、インクが漏出することがある。
逆に負圧が強すぎると、吐出圧よりも吐出ノズル1g内にインクを引き戻す力が強くなり吐出不良となる。よって、吐出ノズル1gにおける負圧は大気圧よりも若干低く、一定の範囲に保つ必要がある。負圧の範囲は、吐出ノズルタイプによって、すなわち吐出ノズル形状、ヒータ性能等によって異なるが、本実施例では、実験結果により、−40mmAq(やく0.004atm)〜−200mmAq(約0.020atm)の範囲としている。実験ではインクの比重を水の比重と略等しいものとした。フィルタ1cは吐出ノズル1gを詰まらせるような異物を除去する目的で設けられ、吐出ノズル1gのノズル径よりも小さい10μm以下の金属メッシュによって異物を捕集する。
フィルタ1cの面積は、インクの圧力損失が許容値以下となるように充分大きく設定される。圧力損失は、フィルタ1cのメッシュが細かいほど、インクの流量が多いほど高くなり、逆にフィルタの面積に反比例する。近年のインクジェット記録装置における高速化、多ノズル化、ドット微細化は圧力損失を増加させる傾向を生じさせ、フィルタ1cのサイズが10×20mm程度と大きくなり、フィルタ1cの上流、下流にサブタンク1b、液室1fの空間が必要である。インク透過に関して、フィルタ1c上流で、フィルタ1cがインクに浸る面積がフィルタ有効面積となるので、充分大きな有効面積を得るため、サブタンク1bの底部にフィルタ1cを水平配置する。
フィルタ1cにインクが染みると各メッシュに微細なメニスカスが張り、空気の流れを阻止しつつインクの透過を可能にする。メッシュが細かい程、メニスカス強度は高く、空気を通しにくくなる。本実施例のフィルタ1cは、前後の圧力差が0.1atm程度(実験値)にならなければ、空気はメニスカスを透過しない。これによって、フィルタ1c下流の液室1fに空気が存在するとき、空気自身の浮力程度の圧力では、空気がサブタンク1bに上がることはできず液室1fに留まる。従って、空気の上流方向への侵入が防止される。吐出ノズル1gに空気やインク内の泡が入り込むと、吐出ノズル1gにインクが補充されず吐出不良を起こす。そこで、一定量以上のインクを蓄える液室1fの底部に、吐出ノズル1gを下向きに配置し、吐出ノズル1g上面が常にインク中に浸り、空気に露出しないようになっている。
圧力調整室1hは負圧が高まるにつれてその容積を縮小する部屋であり、ゴム材等による弾性部材により構成される。全吐出ノズル(全吐出口)1gよりインクを吐出する等、単位時間当たりに多量のインクを吐出する(以下高デューティという)と、メインタンク4から、インク供給ユニット5、インク供給チューブ6を通過する際、インクには圧力損失が生じサブタンク1b内の圧力が低下する。これによって、インクの吐出必要量に対してインク供給量が不足し、サブタンク1b内の負圧が上昇し、吐出ノズル1gの負圧が限界値−200mmAq(約−0.020atm)を越すと吐出が不安定になる。
図1に示すようにキャリッジ2に記録ヘッド1を搭載し主走査方向Bに往復印字させるプリンタにおいては、高デューティ印字をした後、キャリッジ2の反転を行うので、吐出休止状態が存在する。圧力調整室1hは、容積縮小によって、サブタンク1b内の負圧上昇を緩和し、キャリッジ2の反転時において、負圧を正常値に復元するというコンデンサのような役割をする。
次に、インク供給ユニット5及びメインタンク4について説明する。液体収納容器としてのメインタンク4は、下部に2口のゴム栓4b、4cを設けた剛性の液体収容部としてのケース4aを備え、インク供給ユニット5に対して着脱可能である。メインタンク4は単体として密閉された容器であり、インク9を液体のまま収容する。インク供給ユニット5には供給針5a、大気導入針5bが設けられ、メインタンク4を装着したときには、供給針5a、大気導入針5bがゴム栓4b、4cを貫通し、メインタンク4内と供給針5a、大気導入針5bの流路が連通される。メインタンク4内部には、供給針5aが下部に挿入され、かつゴム栓4bから上方に延びるパイプ(管)4dが設けられている。パイプ4dの周囲には複数の貫通孔4e1〜4e7が穿設され、パイプ4dの上端は開口している。このパイプ4dについては後述する。
インク供給ユニット5には、インク供給チューブ6に連通する流路5d、流路5dへのインク供給を遮断する遮断弁10、供給針5aから遮断弁10に至る流路5cが設けられ、遮断弁10は選択的に開閉可能である。大気導入針5bは、流路5e、大気連通室5f、大気連通口5gを経て大気へ連通する。供給針5a、大気導入針5bは共にインクの流動抵抗を抑えるために内径をφ1.6mmと大きめに設定している。遮断弁10はゴム材質のダイヤフラム10aを上下動させることにより流路を開閉する。ダイヤフラム10aの中心部は、バネ10cによりバネホルダ10bを介して上方から押圧され、ダイヤフラム10aの下面によって流路5dの開口を閉じることができる。これによって流路遮断状態となる。
バネホルダ10bの上部にはフランジ10fが設けられ、フランジ10fには回転可能なレバー10dの作用点が係合されている。レバー10dは、回復ユニット7に連結されたリンク7bに力点が当接し、リンク7bによって押されたときに、バネ10cの付勢力に抗してダイヤフラム10aを持ち上げ、流路5cと流路5dとを連通状態とする。遮断弁10は、記録ヘッドがインクを吐出している状態では開状態、待機及び休止中は閉状態であり、後述するインク充填時には回復ユニット7にタイミングを合わせて開閉動作する。
以上のインク供給ユニット5及びメインタンク4の構成は、黒、シアン、マゼンタ、イエロそれぞれの色のインクごとに設けられ、供給針5a、大気導入針5b、流路5c、5d、5e、遮断弁10、大気連通室5fは、インク供給ユニット5内に一体に設けられているが、遮断弁10のレバー10dは全てのインクに対して1個設けられ、レバー10dの作用点に、各色インクの遮断弁10におけるバネホルダ10bのフランジ10fが係合し、各色の遮断弁が同時に開閉する。記録ヘッド1がインクを消費すると、その負圧によりインクは随時メインタンク4から記録ヘッド1に対して送られる。その際、インクと同量の空気が大気導入口5gから大気導入針5bを経てメインタンク4に導入される。
大気連通室5fは、メインタンク4内の空気の膨張により押し出されたインクを一時保存する。インクジェット記録装置の待機中あるいは休止中に周囲の環境温度が上昇し、メインタンク4内の空気が膨張した場合、メインタンク4のインク9は、大気連通針5bから、流路5eを経て大気連通室5fへと流出する。逆に環境温度が低下するとメインタンク4内の空気が収縮し、大気連通室5f内に流出していたインクがメインタンク4へと戻る。また、大気連通室5fにインクが入っている状態で印字を行うと、まず大気連通室5fのインクがメインタンク4へと戻っていき、大気連通室5fのインクがなくなると、通常通りメインタンク4に空気が導入される。大気連通室5fの容積が不十分であると、大気連通口からインクが漏れ出してしまう。よって、装置の使用環境温度の範囲で、最大のインクの流出量を考慮して大気連通室5fの容積を確保することで、インクの漏れを防止できる。
メインタンク4内の空気の最大膨張体積は、最高温度時にタンク容積と等しい体積になる膨張体積でなり、最大膨張時の体積から、最低温度時のメインタンク4内空気体積を減じた体積が、大気連通室5fに要求される容積である。大気連通室5fから大気連通口5gへの流路には逆U字部5kが設けられ、逆U字部5kは、供給針5aの上端開口よりも高い位置に配置される。このような逆U字部5kを設けなかった場合、誤って記録ヘッド1を取り付けずにインク9の入ったメインタンク4を装着し、遮断弁10を開いてしまった場合、供給針5aからメインタンク4内に空気が導入される。すると、供給針5aの先端が大気圧となり、インクは低い方へと流れ、大気連通口(大気導入口)5gから漏出する。すなわち、逆U字部5kによって、メインタンク4内が大気圧となる誤操作が生じたときにもインク漏出を防止することができる。
インク供給ユニット5の供給針5aと大気連通針5bにはインク9の電気抵抗を測定する検出回路5hが接続され、メインタンク4内のインクの有無を検出する。メインタンク4内にインクが存在すると、供給針5aと大気連通針5bとは電気的に導通(クローズ)し、インクが無い、又はタンクが装着されていない状態では電気的に遮断(オープン)される。検出回路5hは、オープンを検出したときには制御装置(図示せず)に所定の信号を送る。検出電流は微少なため、供給針5aと大気連通針5bとの間の絶縁性が重要であり、本実施例では供給針5aから記録ヘッド1に至る流路と、大気連通針5bから大気口5gに至る流路とを完全に独立させ、メインタンク4内のインクのみの電気抵抗を測定可能とする。メインタンク4を外した場合は、インクなしの状態と同様に、供給針5aと大気連通針5bとはオープンとなる。このときインクなしと判断し、印字不可能状態であることを示す信号を制御装置に送る。
各貫通孔4eの断面形状は例えば円形とされるが、流路抵抗を少なくするために、貫通孔外側開口端(パイプ外周側開口端)にテーパー面をもつサラ穴形状等も採用でき、その流量が等しくなるような孔であれば、多角形や異形形状であってもよい。パイプ4dの上端開口部の高さは、メインタンク4に最大量のインクを満たしたときの、インク液面9aより上であり、最上部の貫通孔4e7の位置はこの液面9aよりやや低い位置である。最下部の貫通孔4e1の位置はメインタンク底面と同一高さである。このような構成により、メインタンク4内のインク残留を極力減らし、インクを無駄なく使い切ることができる。液体(インク)流入孔としての貫通孔4eの配列は、パイプ4dの片側に配列し、パイプ4d円周に沿ってラセン状に配列する等多様な配列を採用し得る。但し、いずれの配列においても、貫通孔個数や貫通孔ピッチLは、インク9の沈降度(沈降した際の濃インクの体積比)により設定するのが望ましい。
インク液面が最下部から2番目の貫通孔4e2よりも低下したとき、インクは最下部の貫通孔4e1のみから供給されることになるので、貫通孔4e1の貫通孔径φd1は、供給不足による泡の発生等、支障をきたさない大きさが必要である。実験によれば、貫通孔径φd1はφ1mm以上必要であり、本実施例においては、貫通孔4e1〜4e7の貫通孔径をφ1mm〜φ3mmに設定している。パイプ(管)4dの内径φDは、パイプ内に気泡がブリッジ(泡詰まり)しない大きさが必要であり、ブリッジ特性はインク9の表面張力と粘度に依存する。例えば、ユーザーがメインタンク4を振ってインク供給ユニット5に装着したとき等、パイプ内に泡がトラップされ、インク供給が滞る。
実験によれば、ブリッジを防止するにはパイプ断面積を20mm2 以上とする必要があり、本実施例では、インク粘度のバラツキ等のマージンを考慮してφD=φ8mmとした。なお、パイプ断面積を最下部から上端開口部に向けて徐々に大きくすることは、パイプ成形時に金型から剥離が容易になるという点で望ましいだけでなく、管長さの流路抵抗を緩和することができ、各貫通孔径の設定許容幅を広げることができる。また、これにより、特に最下部となる貫通孔4e1の孔径φd1を大きくとることができるため、後述する供給不足による泡の発生も軽減することができるため、各貫通孔からのインクがパイプ内で攪拌され、濃度の均一化をはかる際にも有効である。このテーパ角度としては、1度〜5度程度であることが望ましい。
パイプ4dを設けたメインタンク4と、パイプ4dを設けないメインタンク4の両者について、(1)〜(4)手順による実験を2回ずつ行った。(1)メインタンク4内に純水Wを250cc満たし、大気連通針5b側から注射器400等で生インク20(ブラックインク)10ccをゆっくりと注入する。(2)生インク20の沈降を加速させるために、インク供給針5aから吸引ポンプ21によって、生インク20を含む純水(以下混合液という)を吸引する。このときのインク供給針5aからの流量は、実際のインクジェット記録装置のインク流量と等しく設定する。(3)吸引ポンプ21で吸引された混合液を所定のタイミングでサンプリングする。(4)サンプリングされた混合液を試験紙22上に適量滴下し、放置乾燥後その着色面23のOD値(濃度)を測定する。
図13は横軸に時間、縦軸にOD値をとったグラフであり、パイプ4dを設けたメインタンク4についての実験結果をグラフA1(黒三角プロット)、A2(×プロット)、パイプ4dを設けないメインタンク4についての実験結果をグラフA3(黒丸プロット)、A4(黒四角プロット)で示す。グラフA1、A2は濃度が均一であるのに対し、グラフA3、A4では濃度が急激に低下している。これにより、パイプ4dの濃度均一化効果が明らかである。
再び図11において、回復ユニット7は、吐出ノズル(吐出口)1gに対向する位置で吐出ノズル1gに向かって上昇し得る吸引キャップ7aを有し、吸引キャップ7aはカム7bにより上下駆動される。吸引キャップ7aはゴム材質よりなり、上昇したときに吐出ノズル1gが形成されたノズル面(吐出口面)を覆って密閉し、下降したときに記録ヘッド1から退避(離間)した位置に移動可能である。カム7bはカム制御モータ7gにより駆動される。吸引キャップ7aには吸引ポンプ7cが接続され、ポンプモータ7dを駆動することにより吸引キャップ7a内からインクや空気を吸引する。吸引ポンプ7cは、複数のコロを有するチューブポンプ方式であり、連続吸引が可能であるとともに、ポンプモータ7dの回転速度により吸引量を調節し得る。吸引ポンプ7cの最大吸引圧力は例えば0.4atmに設定される。
カム制御モータ7gには、リンク7eを駆動するカム7fが連結され、吸引キャップ7aの上下動に連動してリンク7eに駆動されて、レバー10dが回転される。これによって遮断弁10は吸引キャップ7aに連動して開閉される。カム制御モータ7gは同軸で矢印Cd方向にカム7b、7fを回転駆動し、カム7b、7fは図11中のポジションa、b、cにおいて吸引キャップ7a、遮断弁10を所定の状態に設定する。ポジションaでは吸引キャップ7a及び遮断弁10の両者が開放状態、ポジションbでは吸引キャップ7a及び遮断弁10の両者が閉じ状態、ポジションcでは、吸引キャップ7aが閉じ状態で遮断弁10が開放状態となる。画像記録動作に際しては、カム7b、7fはポジションaに設定され、吸引キャップ7a及び遮断弁10が開き、インク吐出及びインク供給を可能とする。
装置停止待機中は、カム7b、7fはポジションbに設定され、吸引キャップ7aによって記録ヘッド1のノズル面(吐出口面)を覆い、吐出ノズル(吐出口)1gの乾燥を防ぐ。このとき、遮断弁10を閉じ、装置移動、装置傾き等によるインクの流出を防止する。カム7b、7fのポジションbの状態において、回復ユニット7によってインクの充填が行われる。インク充填動作に際しては、キャリッジ2を主走査方向に移動して、記録ヘッド1を、吸引キャップ7aに対向する位置まで移動する。次に回復ユニット7のカム制御モータ7gを駆動し、カム7bとカム7fをポジションbまで回転する。すると吸引キャップ7aは記録ヘッド1のノズル面を覆い密閉した状態となり、遮断弁10はインク流路を閉じる。
次にポンプモータ7dを駆動し、吸引ポンプ7cの吸引動作を行うと、吐出ノズル1gを通して、記録ヘッド1内に残留しているインク、空気が吸い出され、記録ヘッド1内が減圧される。吸引ポンプ7cの吸引動作は、計算や実験から求められた、所定の圧力に達するまで(所定吸引量)続行される。吸引ポンプ7cを停止した時点で、カム制御モータ7gを駆動し、カム7b及びカム7fをポジションcまで回転させ、遮断弁10を開く。すると、減圧されている記録ヘッド1内にインクが流れ込み、インクがサブタンク1b及び液室1fのそれぞれに充填される。充填されるインク量は減圧されている各室の圧力がほぼ大気圧に戻る際に必要な体積であり、各室の体積と圧力により決定される。インク充填は遮断弁10を開いてから約1秒程度で完了する。
インク充填が完了すると、カム制御モータ7gを駆動し、カム7b及びカム7fをポジションaまで回転させ、吸引キャップ7aを開き、吸引ポンプ7cによって吸引キャップ7a内に残ったインクを排出する。この時点では遮断弁10は開放状態であるので、画像記録が可能であるが、画像記録命令が無ければ、再びカム制御モータ7gを駆動し、カム7b及びカム7fをポジションbまで回転させ、待機状態とする。
次に本発明の第4実施例について説明する。図14は本発明の第4実施例に係るインクジェット記録装置のインク供給系のメインタンク(液体収納容器)を示す模式的縦断面図である。なお、本実施例は、特に説明しない部分では前述の第3実施例と実質的に同じ構成を有する有するものである。図14において、第3実施例と同様、メインタンク30は、下部に2口のゴム栓30b、30cを設けた剛性のケース(液体収容部)30aを備え、インク供給ユニット31に対して着脱可能である。メインタンク30は単体として密閉された容器であり、インク32を液体のまま収容する。メインタンク30は、図14中の矢印Td方向(水平方向)にスライドしてインク供給ユニット31に装着される。
インク供給ユニット31には、その上部に大気連通口31aが穿設され、大気連通口31aには中空の大気導入針31cが連通されている。インク供給ユニット31の下部には供給針31bが設けられ、供給針31bはインク供給チューブ33を介して記録ヘッド1と連通される。メインタンク30を装着したときには、供給針31b、大気導入針31cがゴム栓30b、30cを貫通し、メインタンク30内と供給針3b、大気導入針3cの流路が連通される。メインタンク4内部には、ゴム栓30bから斜め上方に延びるパイプ(管)30dが設けられ、供給針3bはパイプ30dの下部で、パイプ30d内に向かって開口している。
以上説明した実施例によれば、着色剤として顔料等の内容物を含有する液体を貯留し、時間経過に伴って内容物が沈降する場合でも、取り出される液体の濃度を初期の濃度に近い値に維持することができ、記録装置等における長期間にわたる使用に当たっても、記録物の濃度変化を防止して所定の記録濃度を維持することができる液体収納容器及び該容器を用いる記録装置が提供される。
なお、以上の実施形態においては、記録手段としての記録ヘッドを記録紙等の記録媒体(被記録材)に対して相対移動させながら記録するシリアル記録方式のインクジェット記録装置を例に挙げて説明したが、本発明は、被記録材の全幅又は一部をカバーする長さのラインタイプの記録ヘッドを用いて副走査のみで記録するライン記録方式のインクジェット記録装置に対しても同様に適用することができ、同様の効果を達成し得るものである。また、本発明は、1個の記録ヘッドを用いる記録装置、異なる色のインクで記録する複数の記録ヘッドを用いるカラー記録装置、あるいは同一色彩で異なる濃度で記録する複数の記録ヘッドを用いる階調記録装置、さらには、これらを組み合わせた記録装置の場合にも、同様に適用することができ、同様の効果を達成し得るものである。
さらに、本発明は、記録ヘッドとインクタンクを一体化した交換可能なインクカートリッジを用いる構成、記録ヘッドとインクタンクを別体にし、その間をインク供給用チューブ等で接続する構成など、記録ヘッドとインクタンクの配置構成がどのような場合にも同様に適用することができ、同様の効果が得られるものである。また、本発明は、インクジェット記録装置が、例えば、ピエゾ素子等の電気機械変換体等を用いる記録手段を使用するものである場合にも適用できるが、中でも、熱エネルギーを利用してインクを吐出する方式の記録手段を使用するインクジェット記録装置において優れた効果をもたらすものである。かかる方式によれば、記録の高密度化、高精細化が達成できるからである。
本発明を適用可能な液体吐出記録装置を示す模式的斜視図である。 本発明を適用した液体収納容器の第1実施例(実施例1)をインクジェット記録装置のインクタンクとして使用する場合のインク供給システムの概略構成(a)並びにタンク底面からの高さとインク濃度(顔料濃度、内容物濃度)との関係のグラフ(b)を示す模式図である。 本発明を適用した液体収納容器の第1実施例を示す模式的斜視図である。 図3の液体収納容器の概略構成を示すための模式的分解斜視図である。 図2〜図4に示す液体収納容器の接続ユニットの詳細構造を示す拡大縦断面図である。 図2の液体収納容器において液面(インク液面)が十分に高いときの内部状態(a)並びに液体供給(インク供給)のときにインク攪拌室(管)の各液体流入孔を通過するインク量の割合をグラフ(b)で示す模式図である。 図6の状態からインクが消費され液面が中間高さまで下がったときの液体収納容器の内部状態(a)並びにインク供給のときにインク攪拌室(管)の各液体流入孔を通過するインク量の割合をグラフ(b)で示す模式図である。 図7の状態から更にインクが消費され初期の段階から約20%程度にまで液面が下がったときの液体収納容器の内部状態(a)並びにインク供給のときにインク攪拌室(管)の各液体流入孔を通過するインク量の割合をグラフ(b)で示す模式図である。 本発明を適用した液体収納容器の第2実施例を示す模式的斜視図である。 図9の液体収納容器の概略構成を示すための模式的分解斜視図である。 本発明の第3実施例に係るインクジェット記録装置のインク供給系を示す模式的縦断面図である。 本発明の効果を確認するための実験装置を示す模式的縦断面図である。 実験結果に基づくインクの濃度変化を示すグラフである。 本発明の第4実施例に係るインクジェット記録装置のインク供給系のメインタンク(液体収納容器)を示す模式的縦断面図である。
符号の説明
1 記録手段(記録ヘッド)
1b サブタンク
1c フィルタ
1f 液室
1h 圧力調整室
1g 吐出ノズル(吐出口)
2 キャリッジ
3 搬送ローラ
4 液体収納容器(メインタンク)
4a 液体収容部(ケース)
4d 管(パイプ、攪拌室)
4e1〜4e7 液体流入孔(貫通孔)
5 インク供給ユニット
5a 供給針
5b 大気導入針
5c、5d 流路
5f 大気連通室
5g 大気導入口
6 インク供給チューブ
7 回復ユニット
7a キャップ
7b カム
7c 吸引ポンプ
7d ポンプモータ
7e リンク
7f カム
7g カム制御モータ
9 インク
10 遮断弁
10a ダイヤフラム
10c バネ
10d レバー
30 液体収納容器(メインタンク)
30d 管(パイプ、攪拌室)
30e1〜30e6 液体流入孔(貫通孔)
32 インク
100 接続ユニット
101 シール材
102 ハウジング
103 弾性部材
104 押圧部材
105 吸収体
106 吸収体カバー
107 管(攪拌室)
107a〜107g 液体流入孔
150、151 接続口
153、154、155、156 連通孔
200 液体収容部
201 開口部
300 情報記憶媒体ユニット
400 キャップ部材
420 ガード部材
524 記録手段(インクジェット記録ヘッド)
525 液体供給ユニット(インク供給ユニット)
526 液体供給管(インク供給管)
527 バッファ室空気連通部
528 液体供給針(液体導出針)
529 空気導入針
530 バッファ室
601 顔料低濃度層
602 顔料中濃度層
603 顔料高濃度層(下層)
1000 液体収納容器(インクタンク)

Claims (4)

  1. 内容物として顔料粒子を含むインクを直接収容する液体収容部と、該液体収容部の鉛直方向底部に設けられた液体取り出し用の接続部と、該接続部の液体収容部側の開口を覆うように該液体収容部内に設けられた管と、を備え、
    前記管には、鉛直方向の複数位置でそれぞれが前記液体収容部に連通する複数の液体流入孔が形成され、前記管の複数の液体流入孔のうち、鉛直方向最下部の液体流入孔が前記液体収容部の鉛直方向底部と同一高さに位置し、かつ該液体流入孔の孔径が他の液体流入孔の孔径よりも小さいことを特徴とする液体収納容器。
  2. 前記管は前記液体収容部の前記底部から鉛直方向上方に該液体収容部内の高さとほぼ等しい高さまで延びていることを特徴とする請求項1に記載された液体収納容器。
  3. 前記管の鉛直方向最下部の内断面積が、鉛直方向最上部の内断面積よりも小さく、該管の内断面積は、鉛直方向最下部から最上部に沿って徐々に大きくなっていることを特徴とする請求項1に記載された液体収納容器。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の液体収納容器と、該液体収納容器内の液体を吐出する記録手段を有していることを特徴とする記録装置。
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