JP4335043B2 - 発泡性樹脂粒子の洗浄方法 - Google Patents

発泡性樹脂粒子の洗浄方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4335043B2
JP4335043B2 JP2004076380A JP2004076380A JP4335043B2 JP 4335043 B2 JP4335043 B2 JP 4335043B2 JP 2004076380 A JP2004076380 A JP 2004076380A JP 2004076380 A JP2004076380 A JP 2004076380A JP 4335043 B2 JP4335043 B2 JP 4335043B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin particles
suspension
water
cleaning
washing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004076380A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005263912A (ja
Inventor
雅也 佐藤
康宏 迫田
良輔 地海
成彦 都郷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Kasei Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Kasei Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Kasei Co Ltd filed Critical Sekisui Kasei Co Ltd
Priority to JP2004076380A priority Critical patent/JP4335043B2/ja
Publication of JP2005263912A publication Critical patent/JP2005263912A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4335043B2 publication Critical patent/JP4335043B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)

Description

本発明は、発泡性樹脂粒子に付着した塩素イオンを効果的に除去することができる発泡性樹脂粒子の洗浄方法に関する。
従来からスチレン系樹脂製発泡成形品が汎用されており、このスチレン系樹脂製発泡成形品は、発泡性スチレン系樹脂粒子を予備発泡させ、得られたスチレン系樹脂予備発泡粒子を金型内に充填し二次発泡させ、スチレン系樹脂予備発泡粒子同士を発泡圧により融着一体化させることによって製造されている。
ここで、発泡性スチレン系樹脂粒子は、例えば、スチレン系モノマーを水性媒体中にて重合開始剤の存在下にて懸濁重合させてスチレン系樹脂粒子を生成し、このスチレン系樹脂粒子に発泡剤を含浸させることによって製造され、この製造工程中における懸濁液の懸濁安定性を図るために懸濁安定剤が添加される。
上記懸濁安定剤としては、従来から、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロースなどの有機高分子化合物、第三リン酸カルシウム、ピロリン酸マグネシウムなどの難水溶性無機塩などが用いられ、一般的には難水溶性無機塩が用いられる。
一方、懸濁安定剤として難水溶性無機塩を用いると、得られる発泡性スチレン系樹脂粒子の表面に残存した難水溶性無機塩が原因となって発泡性スチレン系樹脂粒子同士の発泡時における熱融着性が低下する。
そこで、発泡性スチレン系樹脂粒子の表面に残存した難水溶性無機塩を除去するために発泡性スチレン系樹脂粒子が分散した懸濁液中に塩酸や硫酸などの強酸を添加して難水溶性無機塩を分解、除去することが行なわれており、コスト面や沈殿物などの副生成物が発生しないという理由から塩酸が一般的に用いられている。
ところが、発泡性スチレン系樹脂粒子の表面に塩素イオンが多量に残存していると、発泡性スチレン系樹脂粒子の予備発泡成形に用いられる金型や、スチレン系樹脂予備発泡粒子の発泡成形に用いられる金型の腐食の原因となるため、発泡性スチレン系樹脂粒子表面の塩素イオンをできるだけ除去しておく必要がある。
このような塩素イオンの除去方法としては、特許文献1、2に、発泡性スチレン系樹脂粒子が分散してなる懸濁液を遠心分離機に供給して水洗しつつ大部分の水を除去する方法が行なわれている。
又、その他の方法としては、発泡性スチレン系樹脂粒子を分散させている懸濁液を収納している洗浄槽内から懸濁液を排出した後、この洗浄槽内に、排出した懸濁液と略同量の洗浄水を供給して洗浄槽内を洗浄水で満たした上で洗浄槽内を攪拌し、しかる後、遠心分離機に供給して水洗しつつ塩素イオンを除去する方法などが挙げられる。
しかしながら、前者の方法では、発泡性スチレン系樹脂粒子を全体的に均一に水洗することができず、又、後者の方法でも塩素イオンを多量に含有する洗浄水を遠心分離機で効率よく除去することはできず、何れの方法を用いても、発泡性スチレン系樹脂粒子表面には多量の塩素イオンが残存しており、上述のような金型の腐食を効果的に防止することはできなかった。
特開平11−60784号公報 特開平11−60784号公報
本発明は、上述の問題点に鑑み、発泡性樹脂粒子の製造工程中に添加した塩酸に起因する塩素イオンを効果的に除去して、予備発泡機や発泡成形機における金型の腐食を大幅に抑制することができる発泡性樹脂粒子の洗浄方法を提供する。
本発明の発泡性樹脂粒子の洗浄方法で用いられる発泡性樹脂粒子は、懸濁重合を行なって生成した樹脂粒子に発泡剤を含浸させて得られた発泡性樹脂粒子であって、この発泡性樹脂粒子を分散させている懸濁液中に塩酸を供給して、上記樹脂粒子への発泡剤の含浸工程にて懸濁安定剤として存在させた難水溶性無機塩を分解した後、この懸濁液から分離して得られたものである。
上記樹脂粒子を懸濁重合によって製造する要領としては、従来から公知の方法が用いられ、例えば、重合容器内に、重合性モノマー、水及び重合開始剤を供給して攪拌しつつ懸濁重合を行なって樹脂粒子を製造する方法が挙げられる。
上記重合性モノマーとしては、懸濁重合により重合可能なものであれば、特に限定されず、例えば、スチレン、p−スチレン、p−クロロスチレンなどのスチレン系モノマー、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートなどのアクリル酸エステル系モノマー、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレートなどのメタクリル酸エステル系モノマー、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、メチルビニルエーテルなどのアルキルビニルエーテル、酢酸ビニル、酪酸ビニルなどのビニルエステル系モノマー、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミドなどのN−アルキル置換アクリルアミド、アクリロニトリル、メタアクリロニトリルなどのニトリル系モノマー、ジニルベンゼン、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレートなどの多官能性モノマーなどが挙げられ、スチレン系モノマーが好ましい。なお、重合性モノマーは、単独で用いられても併用されてもよく、又、重合性モノマー中に、物性を損なわない範囲内において、重合性モノマーに分散或いは溶解可能な染料や顔料などの添加剤を添加してもよい。
又、上記重合開始剤としては、上記重合性モノマーに可溶なものであって懸濁重合に汎用されているものであれば、特に限定されず、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエート、t−ブチルペルオキシオクトエートなどの過酸化物系重合開始剤、アゾビス−N,N−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリルなどのアゾ系重合開始剤などが挙げられる。
上述の要領で重合性モノマーを懸濁重合させて得られた樹脂粒子に汎用の方法を用いて発泡剤を含浸させて発泡性樹脂粒子を生成するが、樹脂粒子への発泡剤の含浸要領としては汎用の方法が用いられ、例えば、(1)重合性モノマーの懸濁重合途上において懸濁液中に発泡剤を圧入し、成長中の樹脂粒子に発泡剤を含浸させる方法、(2)重合性モノマーを懸濁重合させて樹脂粒子を生成した後、この樹脂粒子を分散させてなる懸濁液中に発泡剤を圧入して樹脂粒子に発泡剤を含浸させる方法などが挙げられる。
そして、上記樹脂粒子への発泡剤の含浸工程において懸濁液の安定を図るために懸濁安定剤として難水溶性無機塩を存在させている。即ち、上記(1)の方法を用いた場合には、重合性モノマーを難水溶性無機塩の存在下にて懸濁重合させている一方、上記(2)の方法を用いた場合には、樹脂粒子を分散させてなる懸濁液中に難水溶性無機塩の存在下にて発泡剤を圧入して樹脂粒子に発泡剤を含浸させている。
なお、上記難水溶性無機塩としては、重合性モノマーの懸濁重合に汎用されている懸濁安定剤であれば、特に限定されず、例えば、第三リン酸カルシウム、ピロリン酸マグネシウムなどが挙げられる。
又、上記(2)の要領で樹脂粒子に発泡剤を含浸させる場合、樹脂粒子に発泡剤を含浸させる工程にて難水溶性無機塩を存在させておればよく、重合性モノマーの懸濁重合時において必ずしも懸濁安定剤として難水溶性無機塩を存在させる必要はない。
しかしながら、重合性モノマーの懸濁重合時における懸濁液の安定を図るために、懸濁液に懸濁安定剤を存在させることが好ましく、このような懸濁安定剤としては、上述の難水溶性無機塩の他に、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドンなどの水溶性高分子などが挙げられる。
なお、上記発泡剤としては、特に限定されず、例えば、プロパン、n−ブタン、i−ブタン、n−ペンタン、i−ペンタン、シクロペンタンなどの易揮発性脂肪族炭化水素、トリクロロモノフロオロメタン(フロン11)、ジクロロジフルオロメタン(フロン12)などのフロン、二酸化炭素、窒素、水などが挙げられる。なお、樹脂粒子に含浸させる発泡剤量としては、樹脂粒子100重量部に対して3〜8重量部が好ましい。
そして、上述のようにして得られた発泡性樹脂粒子が分散してなる懸濁液中に塩酸を供給して上記難水溶性無機塩を分解、除去し、この懸濁液中の発泡性樹脂粒子を水媒体から分離する。
このようにして得られた発泡性樹脂粒子間に残存する水媒体中には、懸濁液中に添加した塩酸に起因した塩素イオンが多量に含有されており、この塩素イオンを下記の要領で除去する。即ち、上記発泡性樹脂粒子を収納している洗浄槽内に洗浄水を供給して洗浄しつつ、この発泡性樹脂粒子の洗浄によって発生した排水を洗浄槽外に排水することによって、発泡性樹脂粒子を洗浄して塩素イオンを除去する。
具体的には、無数の発泡性樹脂粒子を収納している洗浄槽内に洗浄水を上方から連続的に発泡性樹脂粒子の全体に略均一に接触するように供給し、この発泡性樹脂粒子に供給された洗浄水は、発泡性樹脂粒子の表面に付着した塩素イオンと、発泡性樹脂粒子間に残存し且つ高濃度の塩素イオンを含有する水媒体を吸収しながら滞留することなく発泡性樹脂粒子間に形成された隙間を通じて常に下方に向かって連続的に流動して洗浄槽外に排水として連続的に排出される。
上記洗浄水の洗浄槽内への供給要領としては、洗浄槽内に収納されている無数の発泡性樹脂粒子の全体に略均一に洗浄水が接触するように行なうことが好ましく、洗浄槽の上方から洗浄水を霧状に洗浄槽内に供給することが好ましい。
そして、上記洗浄槽内への洗浄水の供給平均速度と、この洗浄槽外への排水の排水平均速度の比(供給平均速度/排水平均速度)は、小さいと、発泡性樹脂粒子の全てに洗浄水を均一に接触させることができず、塩素イオンの除去効果が低下することがある一方、大きいと、塩素イオンを吸収させた排水を円滑に洗浄槽外に排出させることができなくなり、塩素イオンの除去効果が低下することがあるので、1.0〜1.2が好ましく、1.0〜1.1がより好ましい。
更に、上述のように洗浄槽内に洗浄水を供給して洗浄槽内の発泡性樹脂粒子を洗浄している間は、洗浄槽内の発泡性樹脂粒子を攪拌しないようにする。これは、上述のように洗浄水を発泡性樹脂粒子間に滞留させないように常に下方に向かって流動させているので、発泡性樹脂粒子間に存在する洗浄水量はそれほど多いものではなく、このような状態において、洗浄槽内の発泡性樹脂粒子を攪拌すると、発泡性樹脂粒子が粉砕してしまったり、或いは、発泡性樹脂粒子同士の摩擦によって熱が発生し、発泡性樹脂粒子同士が複数個、結合する、所謂、発泡性樹脂粒子の合着が生じるからである。
そして、本発明の発泡性樹脂粒子の洗浄方法では、洗浄槽外に排出された排水中の塩素イオン濃度を測定し、この排水中の塩素イオン濃度が排水の全重量に対して10ppm以下となるまで、洗浄槽内に洗浄水を供給して発泡性樹脂粒子の洗浄を行なう。なお、排水中の塩素イオン濃度は、排水から測定試料を所定時間毎に採取し、この測定試料中の塩素イオン濃度をイオンクロマトグラフを用いて測定することができる。
このように、排水中の塩素イオン濃度が排水の全重量に対して10ppm以下となるまで洗浄水によって発泡性樹脂粒子を洗浄することによって、得られる発泡性樹脂粒子に含有される塩素イオン濃度を大きく抑制して、予備発泡機や発泡成形機の金型の腐食を効果的に防止することができる。
上述のようにして洗浄された発泡性樹脂粒子は洗浄槽から取出されて汎用の手段で乾燥される。このようにして得られた発泡性樹脂粒子は、予備発泡機で予備発泡されて予備発泡粒子とされ、得られた予備発泡粒子は発泡成形機の金型内に充填された上で加熱蒸気などの加熱媒体により発泡させられて発泡圧によって互いに熱融着一体化して所望形状を有する発泡成形品とされる。なお、予備発泡粒子の嵩密度は、0.015〜0.500g/cm3 が好ましい。
そして、上述のように発泡性樹脂粒子は塩素イオンが洗浄、除去されて塩素イオン濃度が低く抑えられていることから、発泡成形品としてコップ状、どんぶり状、トレー状、箱状などの発泡成形容器を成形する場合のように、発泡成形温度を130℃程度の高温にした場合であっても、発泡成形機の金型を長期間に亘って腐食させることなく用いることができる。
本発明の発泡性樹脂粒子の洗浄方法は、懸濁重合を行なって生成した樹脂粒子に発泡剤を含浸させて得られた発泡性樹脂粒子を分散させている懸濁液中に塩酸を供給して上記樹脂粒子への発泡剤の含浸工程にて懸濁安定剤として存在させた難水溶性無機塩を分解した後、この懸濁液から分離して得られた発泡性樹脂粒子の洗浄方法であって、この発泡性樹脂粒子を収納している洗浄槽内にこの洗浄槽内を攪拌することなく洗浄水を供給して発泡性樹脂粒子を洗浄しつつ、発泡性樹脂粒子の洗浄によって発生した排水を洗浄槽外に排出し、この洗浄槽外に排出された排水中の塩素イオン濃度が10ppm以下となるまで上記洗浄槽内に洗浄水を供給して発泡性樹脂粒子の洗浄を行なうことを特徴とするので、発泡性樹脂粒子の表面や発泡性樹脂粒子間に存在する塩素イオンを洗浄水によって洗浄槽外に円滑に排除して発泡性樹脂粒子を洗浄することができ、得られる発泡性樹脂粒子はその含有する塩素イオン濃度が低く抑えられている。
従って、本発明の発泡性樹脂粒子の洗浄方法によって洗浄された発泡性樹脂粒子によれば、予備発泡機や発泡成形機の金型を長期間に亘って腐食させることなく用いることができる。
又、上記発泡性樹脂粒子の洗浄方法において、洗浄槽内への洗浄水の供給平均速度と、洗浄槽外への排水の排出平均速度との比(供給平均速度/排出平均速度)が1.0〜1.2である場合には、洗浄槽内に供給した洗浄水を、洗浄槽内の発泡性樹脂粒子の洗浄に用いた後に排水として、洗浄槽外に円滑に排出することができ、洗浄槽内の塩素イオンを効果的に洗浄槽外に排除して発泡性樹脂粒子の洗浄を効果的に行なうことができる。
(実施例1)
攪拌装置を備えたステンレス製のオートクレーブ内に、イオン交換水16000kg、スチレンモノマー16000kg、第三リン酸カルシウム48kg、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.8kg、過酸化ベンゾイル39.75kg及びt−ブチルパーベンゾエート15kgを供給して30rpmの攪拌速度にて攪拌、分散させて懸濁液を作製した。
次に、上記懸濁液を30rpmの攪拌速度にて攪拌しながら90℃まで60分かけて昇温し、上記懸濁液を90℃に5時間30分間に亘って保持してスチレンモノマーを懸濁重合させ、更に、上記懸濁液を120℃まで30分かけて昇温し、この懸濁液を120℃に2時間30分間に亘って保持してスチレンモノマーを更に懸濁重合させてポリスチレン粒子が分散してなるスラリーを得た。しかる後、上記スラリーを遠心分離機に供給して脱水した後に気流乾燥させて平均粒径が0.43mmのポリスチレン粒子を得た。
続いて、攪拌装置を備えたステンレス製のオートクレーブ内に、イオン交換水2500kg、上記ポリスチレン粒子2500kg、第三リン酸カルシウム7.5kg及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.25kgを供給して攪拌、分散させて懸濁液を作製し、この懸濁液を110℃まで50分かけて昇温した。
しかる後、オートクレーブ内にn−ペンタン120kg、i−ペンタン30kg及びイソブン60kgからなる発泡剤を圧入して110℃に2時間に亘って放置してポリスチレン粒子に発泡剤を含浸させて発泡性ポリスチレン粒子を得た後、懸濁液を30℃まで2時間かけて冷却した上で後述する内容量が9m3 の洗浄槽1に供給した。
上記洗浄槽1は、図1に示したように、断面V字状に形成された平面円形状の底面部11とこの底面部11の外周縁から上方に向かって延設された筒状周壁部12とからなり、上記底面部11には排水を洗浄槽1外に排出するための排水口11a 、11a ・・・が複数個、内外方向に貫通した状態に貫設され、これらの排水口11a の夫々には通水性を有する網部材11b が全面的に張設されており、洗浄槽1内に収納した発泡性ポリスチレン粒子を通過させずに洗浄槽1内の排水を洗浄槽1外に排出できるように構成されている。なお、上記洗浄槽1の排水口11a は開閉自在に閉止可能に構成されていると共に、上記排水口11a の夫々にはこの排水口11a を通じて洗浄槽1外に排出された液体を流通させるための排水管11c が配設されている。
そして、洗浄槽1の上端開口部内には、洗浄水を洗浄槽1内に供給するための複数個の給水ノズル2、2・・・が仮想同一円周上に等間隔に配設されており、各給水ノズル2から洗浄水を下方に向かって円錐状に拡散させつつ霧状に洗浄槽1内に供給できるように構成されている。なお、上記洗浄槽1内には、洗浄槽1内に収納された懸濁液を攪拌するための攪拌羽根3と、洗浄槽1内の懸濁液を外部に排出するための排出口13が開閉自在に閉止可能に開設されている。
次に、洗浄槽1内の懸濁液を攪拌羽根3を回転させて攪拌しながら、懸濁液中に35重量%の塩酸を懸濁液がpH2となるまで供給した後、懸濁液を10分間に亘って攪拌して第三リン酸カルシウムを分解した。なお、洗浄槽1の排水口11a 及び排出口13は全て、全面的に閉止されていた。
続いて、洗浄槽1内の攪拌羽根3を停止した後、洗浄槽1の排水口11a 、11a ・・・の全てを全面的に開放して水分のみを洗浄槽1外に排出し、各排水口11a から水分が排出されなくなったのを確認した後、洗浄槽1の各排水口11a を引き続き全面的に開放したまま、給水ノズル2から洗浄水としてイオン交換水を円錐状に拡散させつつ霧状に放出して、洗浄槽1内に収納している発泡性ポリスチレン粒子にイオン交換水を100kg/分の一定の供給速度で上方から供給する一方、発泡性ポリスチレン粒子の洗浄によって発生した排水を排水口11a 及び排出管11c を通じて洗浄槽1外に連続的に排出すると共に、排出管11c 内を流通する排水から5分毎に測定試料として100gを抽出し、各測定試料中の塩素イオン濃度を測定した。そして、測定試料中の塩素イオン濃度が測定試料の全重量に対して10ppmとなった時点で給水ノズル2からの洗浄水の放出を停止した。なお、洗浄槽1内に洗浄水として供給したイオン交換水の総量は5000kgであり、洗浄槽1からの排水の排出平均速度は、98kg/分であった。そして、上記洗浄槽1から発泡性ポリスチレン粒子を取り出して気流乾燥させた。
次に、上記発泡性ポリスチレン粒子を回転攪拌式予備発泡機にて約90℃の常圧飽和蒸気によって加熱して予備発泡させて、嵩密度が0.1g/cm3 の予備発泡粒子を得た。しかる後、上記予備発泡粒子を発泡成形機の雌雄金型間に形成されたキャビティ内に供給、充填し、予備発泡粒子を0.2MPaの水蒸気を用いて6秒間に亘って加熱、発泡させて、内容積量が450cm3 で且つ肉厚が2mmのカップ状の発泡成形容器を得た。このカップ状の発泡成形容器は、平面円形状の底面部の外周縁から一定高さの周壁部を上方における斜め外方に向かって突設してなるものであった。なお、発泡成形機の金型は真鍮から形成されてなり、金型表面にはメッキ処理を施していなかった。
そして、上記発泡性ポリスチレン粒子を用いて上記発泡成形機の金型を30000回に亘って繰返し使用してカップ状の発泡成形容器を成形したが、金型表面に変化は特に見られなかった。
又、上記発泡性ポリスチレン粒子の表面に付着した塩素イオン濃度を下記の要領で測定したところ、発泡性ポリスチレン粒子の全重量に対して3ppmであった。先ず、発泡性ポリスチレン粒子20gをイオン交換水50ミリリットル中に浸漬して上下に良く振った後に5時間に亘って放置した。
そして、上記イオン交換水を上下に良く振った後、水層部をイオンクロマトグラフ用の0.45μmクロマトディスクで濾過して下記装置を用いて下記条件にて発泡性ポリスチレン粒子の表面に付着した塩素イオン濃度を測定した。
イオンクロマトグラフ:DIONEX社製 商品名「IC 4000i」
カラム:DIONEX社製 商品名「HPIC−AS4A」
溶媒:1.8mMのNa2 CO3 溶液と1.7mMのNaHCO3 溶液とを混合したも の
Flow Rate:2.0ミリリットル/分
インジェクション体積:20マイクロリットル
(比較例1)
洗浄槽1内の懸濁液中に35重量%の塩酸を懸濁液がpH2となるまで供給して、懸濁液を10分間に亘って攪拌して第三リン酸カルシウムを分解し、洗浄槽1内の攪拌羽根3を停止させて、洗浄槽1の各排水口11a を開放して水分のみを洗浄槽1外に排出し、各排水口11a から水分が排出されなくなったのを確認した後、洗浄槽1の各排水口11a を全面的に閉止し、洗浄槽1内に給水ノズル2から洗浄水としてイオン交換水5000kgを供給して懸濁液を作製した。そして、洗浄槽1内の懸濁液を攪拌羽根3を回転させて攪拌した後、懸濁液を排出口13を通じて遠心分離機に供給して脱水処理した上で気流乾燥させて発泡性ポリスチレン粒子を得た。又、実施例1と同量の洗浄水を用いたが、上記発泡性ポリスチレン粒子の表面に付着した塩素イオン濃度を下記の要領で測定したところ、発泡性ポリスチレン粒子の全重量に対して56ppmであった。
上記発泡性ポリスチレン粒子を用いて実施例1と同様の要領でカップ状の発泡成形容器を繰返し成形したところ、金型表面は全体的に濃い褐色に変色しており、金型が腐食していた。
(比較例2)
洗浄槽1内の懸濁液中に35重量%の塩酸を懸濁液がpH2となるまで供給して、懸濁液を10分間に亘って攪拌して第三リン酸カルシウムを分解した後、洗浄槽1内の懸濁液を排出口13を通じて、発泡性ポリスチレン粒子の供給速度が250kg/時間となるように一定の供給速度で遠心分離機に供給した。洗浄槽1内の全ての懸濁液を遠心分離機に供給するのに10時間を要した。
そして、この遠心分離機に500kg/時間の一定の供給速度で洗浄水としてイオン交換水を供給して発泡性ポリスチレン粒子を洗浄しつつ脱水処理した上で気流乾燥させて発泡性ポリスチレン粒子を得た。又、実施例1と同量の洗浄水を用いたが、上記発泡性ポリスチレン粒子の表面に付着した塩素イオン濃度を下記の要領で測定したところ、発泡性ポリスチレン粒子の全重量に対して48ppmであった。
上記発泡性ポリスチレン粒子を用いて実施例1と同様の要領でカップ状の発泡成形容器を繰返し成形したところ、金型表面は全体的に濃い褐色に変色しており、金型が腐食していた。
(比較例3)
洗浄槽1内の懸濁液中に35重量%の塩酸を懸濁液がpH2となるまで供給して、懸濁液を10分間に亘って攪拌して第三リン酸カルシウムを分解し、洗浄槽1内の攪拌羽根3を停止させて、洗浄槽1の各排水口11a を開放して水分のみを洗浄槽1外に排出し、各排水口11a から水分が排出されなくなったのを確認した後、洗浄槽1の各排水口11a を全面的に閉止し、洗浄槽1内に給水ノズル2から洗浄水としてイオン交換水5000kgを供給して懸濁液を作製した。
そして、洗浄槽1内の懸濁液を排出口13を通じて、発泡性ポリスチレン粒子の供給速度が250kg/時間の一定の供給速度となるように遠心分離機に供給した。洗浄槽1内の全ての懸濁液を遠心分離機に供給するのに10時間を要した。
次に、上記遠心分離機に500kg/時間の一定の供給速度で洗浄水としてイオン交換水を供給して発泡性ポリスチレン粒子を洗浄しつつ脱水処理した上で気流乾燥させて発泡性ポリスチレン粒子を得た。又、実施例1の2倍の洗浄水を用いたが、上記発泡性ポリスチレン粒子の表面に付着した塩素イオン濃度を下記の要領で測定したところ、発泡性ポリスチレン粒子の全重量に対して17ppmであった。
上記発泡性ポリスチレン粒子を用いて実施例1と同様の要領でカップ状の発泡成形容器を繰返し成形したところ、金型表面は全体的に淡い褐色に変色しており、金型が腐食していた。
実施例で用いられた洗浄槽を示した模式断面図である。
符号の説明
1 洗浄槽
2 給水ノズル
3 攪拌羽根

Claims (2)

  1. 懸濁重合を行なって生成した樹脂粒子に発泡剤を含浸させて得られた発泡性樹脂粒子を分散させている懸濁液中に塩酸を供給して上記樹脂粒子への発泡剤の含浸工程にて懸濁安定剤として存在させた難水溶性無機塩を分解した後、この懸濁液から分離して得られた発泡性樹脂粒子の洗浄方法であって、この発泡性樹脂粒子を収納している洗浄槽内にこの洗浄槽内を攪拌することなく洗浄水を供給して発泡性樹脂粒子を洗浄しつつ、発泡性樹脂粒子の洗浄によって発生した排水を洗浄槽外に排出し、この洗浄槽外に排出された排水中の塩素イオン濃度が10ppm以下となるまで上記洗浄槽内に洗浄水を供給して発泡性樹脂粒子の洗浄を行なうことを特徴とする発泡性樹脂粒子の洗浄方法。
  2. 洗浄槽内への洗浄水の供給平均速度と、洗浄槽外への排水の排出平均速度との比(供給平均速度/排出平均速度)が1.0〜1.2であることを特徴とする請求項1に記載の発泡性樹脂粒子の洗浄方法。
JP2004076380A 2004-03-17 2004-03-17 発泡性樹脂粒子の洗浄方法 Expired - Fee Related JP4335043B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004076380A JP4335043B2 (ja) 2004-03-17 2004-03-17 発泡性樹脂粒子の洗浄方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004076380A JP4335043B2 (ja) 2004-03-17 2004-03-17 発泡性樹脂粒子の洗浄方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005263912A JP2005263912A (ja) 2005-09-29
JP4335043B2 true JP4335043B2 (ja) 2009-09-30

Family

ID=35088792

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004076380A Expired - Fee Related JP4335043B2 (ja) 2004-03-17 2004-03-17 発泡性樹脂粒子の洗浄方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4335043B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6039384B2 (ja) * 2012-11-27 2016-12-07 帝人株式会社 金型腐食性に優れる超臨界発泡成形用熱可塑性樹脂組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005263912A (ja) 2005-09-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20040039073A1 (en) Expandable styrene polymers containing carbon particles
JP3168882B2 (ja) スチレン系発泡性樹脂粒子及びその製造方法
PL191465B1 (pl) Sposób wytwarzania polimerów styrenu zdolnych do spieniania
JP4326034B2 (ja) スチレン系発泡性樹脂粒子
US20100004348A1 (en) Expandable styrene polymers and foams with decreased water absorption
JP4335043B2 (ja) 発泡性樹脂粒子の洗浄方法
JPH04185616A (ja) 発泡性スチレン系重合体粒子の製造方法
US6303664B1 (en) Treatment for reducing residual carbon in the lost foam process
US6297292B1 (en) Water expanded polystyrene particles
JP2009067889A (ja) 自己消火性再生発泡性スチレン系樹脂粒子及びその製造方法
JP3599450B2 (ja) スチレン系発泡性樹脂粒子及びその製造方法
JP4275068B2 (ja) 発泡性ビニル芳香族ポリマーの調製方法
JP3649829B2 (ja) 発泡性スチレン系樹脂粒子およびその製造方法
JP4578129B2 (ja) 発泡性熱可塑性樹脂粒子及び熱可塑性樹脂発泡粒子
JP2832467B2 (ja) 発泡性熱可塑性重合体粒子の製造方法
JPH0457838A (ja) 熱可塑性樹脂粒子の予備発泡方法およびそれに用いる装置
JP2003089728A (ja) リサイクル発泡性スチレン系樹脂粒子およびこれを用いた樹脂成形品
JP3024522B2 (ja) スチレン系発泡性樹脂粒子及びそれを用いて得た発泡成形体
JP3597109B2 (ja) 発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法、発泡性スチレン系樹脂粒子および発泡成形体
JP4260032B2 (ja) 発泡性ポリスチレン系樹脂粒子
JP2004137448A (ja) スチレン系発泡性樹脂粒子、発泡ビーズ及び発泡成形品
JP2022144234A (ja) シード重合用のスチレン系種樹脂粒子およびその利用
JPH0959416A (ja) 発泡性スチレン系樹脂粒子およびその製造方法
JPS58109537A (ja) 発泡性熱可塑性樹脂組成物およびその製造法
JP5721337B2 (ja) 発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法、ポリスチレン系樹脂予備発泡粒子の製造方法及びポリスチレン系樹脂発泡成形体の製造方法。

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060913

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090520

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090526

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090624

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120703

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120703

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130703

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140703

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees