JP4334724B2 - 内燃機関の筒内圧検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の筒内圧を検出する筒内圧検出装置に関し、特に筒内圧の検出タイミングの精度を向上させたものに関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関の燃焼状態を検出すべく、筒内圧、すなわち燃焼室内の圧力を所定のクランク角度範囲でサンプリングする技術は、従来より知られている(例えば特許第2830305号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報には、所定のクランク角度範囲で筒内圧のサンプリングを行うために、クランク角度位置を検出するクランク角度位置センサが用いられることが示されている。このようなクランク角度位置センサとしては、磁気ピックアップ型のセンサを用いるのが一般的であるが、このタイプのセンサでは、例えば特公平6−105072号公報に示されるように、機関の回転数(回転速度)に依存してセンサ出力に遅れが生ずる。そのため、クランク角度位置で示されるサンプルタイミングに誤差が生じ、筒内圧を所望のクランク角度位置で正確にサンプリングできない可能性があった。筒内圧は、クランク角度位置によって急激に変化するので、僅かなタイミングずれでも検出圧は大幅にずれてしまうため、筒内圧を所望のクランク角度位置で正確にサンプリングすることが望まれていた。
【0004】
本発明はこの点に着目してなされたものであり、クランク角度位置で示される筒内圧のサンプルタイミングの精度を確保し、常に所望のクランク角度位置で筒内圧を検出することができる内燃機関の筒内圧検出装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため請求項1に記載の発明は、内燃機関の筒内圧を検出する筒内圧検出手段と、前記内燃機関のクランク角度位置を検出するクランク角度位置検出手段と、前記筒内圧検出手段の出力の高周波成分を遮断するローパスフィルタ手段と、該ローパスフィルタ手段の出力を前記クランク角度位置検出手段の出力により特定される所定クランク角度位置でサンプリングするサンプリング手段とを有する内燃機関の筒内圧検出装置において、前記内燃機関の回転速度を検出する回転速度検出手段と、前記ローパスフィルタ手段の遅延時間を、前記回転速度が高くなるほど短くなるように設定する遅延特性設定手段とを備えることを特徴とする。
この構成によれば、検出した機関回転速度が高くなるほど、筒内圧検出手段の出力の高周波成分を遮断するローパスフィルタ手段の遅延時間が短く設定されるので、機関回転速度の広い範囲で、クランク角度位置で示される筒内圧のサンプルタイミングを正確に設定し、機関回転速度に拘わらず常に所望のクランク角度位置で筒内圧を検出することが可能となる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の筒内圧検出装置において、前記クランク角度位置検出手段は、インダクタンス成分及び抵抗成分を含み、前記遅延特性設定手段は、前記ローパスフィルタ手段の遅延時間を、前記クランク角度位置検出手段のインダクタンス成分及び抵抗成分に応じて設定することを特徴とする。
【0006】
この構成によれば、筒内圧検出手段の出力の高周波成分を遮断するローパスフィルタ手段の遅延時間が、クランク角度位置検出手段のインダクタンス成分及び抵抗成分に応じて設定されるので、ローパスフィルタ手段の遅延時間を、クランク角度位置検出手段のインダクタンス成分及び抵抗成分に起因する検出遅れに見合ったものとすることができる。すなわち、サンプルタイミングを調整するための特別の回路を設けることなく、筒内圧検出手段の出力を、クランク角度位置の検出遅れ時間に応じた時間だけ遅延させることができ、クランク角度位置で示される筒内圧のサンプルタイミングの精度を確保し、常に所望のクランク角度位置で筒内圧を検出することが可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態にかかる筒内圧検出装置の構成を示すブロック図であり、この装置は、内燃機関の筒内圧、すなわち燃焼室内の圧力を検出する筒内圧検出手段としての筒内圧センサ1と、積分回路を含み入力電圧を増幅するチャージアンプ2と、所定遮断周波数より高い周波数成分を遮断するローパスフィルタ3(以下「LPF3」という)と、LPF3の出力信号をディジタル信号に変換するA/D変換回路4と、内燃機関のクランク軸の回転角度位置(以下「クランク角度位置」という)θCRKを検出するクランク角度位置検出手段としてのタイミングセンサ5と、タイミングセンサ5の出力信号の波形整形を行い、クランク角度位置を示す矩形波信号を出力する入力インターフェース回路6と、所定のクランク角度位置で筒内圧PCYLのサンプリングを行うCPU(Central Processing Unit)7とを備えている。
【0010】
LPF3は、より具体的には図2に示すように、演算増幅器11、抵抗R1,R2及びコンデンサC1,C2からなる2次のローパスフィルタを3段直列に接続して構成されており、1段目の出力が2次フィルタ出力SF2として、2段目の出力が4次フィルタ出力SF4として、また3段目の出力が6次フィルタ出力SF6として、A/D変換回路4に供給され、それぞれディジタル信号に変換されてCPU7に供給される。
【0011】
CPU7は、タイミングセンサ5により検出されるクランク角度位置を示す信号の遅れ時間T2と、筒内圧センサ1の出力信号が、チャージアンプ2、LPF3及びA/D変換回路4を介してCPU7に入力されるまでの遅れ時間T1とがほぼ等しくなるように、3つのフィルタ出力SF2,SF4またはSF6の何れかをエンジン回転数NEに応じて選択する。そしてCPU7は、選択したフィルタ出力のA/D変換後の信号を、タイミングセンサ5から入力されるクランク角信号により特定される所定のクランク角度位置でサンプリングすることにより、所定クランク角度位置における筒内圧の検出を行う。
【0012】
このように、次数の異なる、すなわち遅延特性の異なる3つのフィルタの出力を、エンジン回転数NEに応じて選択することにより、サンプルタイミングを調整するための特別の回路を設けることなく、筒内圧センサ1の出力を、クランク角度位置の検出遅れ時間に応じた時間だけ遅延させることができ、クランク角度位置で示される筒内圧のサンプルタイミングの精度を確保し、常に所望のクランク角度位置で筒内圧を検出することが可能となる。
【0013】
なお、タイミングセンサ5は、例えばクランク角度30度毎のパルス信号であるCRK信号、クランク角度180度毎のパルス信号であるTDC信号などを出力するので、これらの信号に基づいてサンプルタイミングが決定されるとともに、そのパルス信号の発生時間間隔MEからエンジン回転数NEが検出される。
【0014】
具体的にはCPU7は、図3に示すように、エンジン回転数NEに応じて2次フィルタ出力SF2,4次フィルタ出力SF4または6次フィルタ出力SF6を選択する。すなわち、ステップS11では、エンジン回転数NEが第1所定回転数NA1(例えば2000rpm)より高いか否かを判別し、NE≦NA1であるときは、6次フィルタ出力SF6を選択する(ステップS15)。NE>NA1であるときはさらにエンジン回転数NEが第2所定回転数NA2(例えば4000rpm)より高いか否かを判別し(ステップS12)、NE≦NA2であるときは、4次フィルタ出力SF4を選択し(ステップS14)、NE>NA2であるときは、2次フィルタ出力SF2を選択する(ステップS13)。
【0015】
フィルタの入出力間の遅延時間Tfdは、フィルタの次数が高くなるほど長くなる一方、タイミングセンサ5の検出遅れは、センサのインダクタンス成分及び抵抗成分に起因して発生するものであり、エンジン回転数NEが高くなるほど遅れ時間が短くなる傾向があるので、図3に示すように、エンジン回転数NEが高くなるほど次数の小さいフィルタ出力を選択することにより、遅れ時間T1とT2とを、ほぼ等しくすることができる。以下この点を詳しく説明する。
【0016】
図4は、タイミングセンサ5の等化回路であり、起電力Eの電圧源と、内部抵抗成分R及びインダクタンス成分Lとからなり、負荷抵抗RLの両端の電圧Vが、センサ出力となる。出力電圧Vは下記式(1)で表される。
【数1】
式(1)は、出力電圧Vが起電力Eに対してインダクタンス成分Lにより位相が遅れて出力されることを示している。この位相遅れ角θは下記式(2)で表される。
【数2】
【0017】
ここでは、クランク軸に取り付けられたクランク角度位置検出用の位置マーク(パルサ)の数をnとし、このパルサによってセンサ5に発生する起電力Eがサイン波で近似できるとすると、位相遅れ角θと対応するクランク角θCRKDと関係は、以下のようになる。
θCRKD=θ/n (3)
またエンジン回転数をNE(rpm)とすると、角速度ωは、
ω=2π(NE/60)・n (4)
【0018】
であるので、式(2)〜(4)より、クランク角θCRKDは下記式(5)で与えられ、下記式(6)によりクランク角θCRKDを遅れ時間Tsd(以下「センサ遅れ時間Tsd」という)に換算することができる。
【数3】
【0019】
例えばL=1300mH,R=2kΩのセンサ場合、パルサの数n=12とすると、式(5)(6)より、NE=100rpmのとき、θCRKD=0.4deg、Tsd=667μsecとなり、NE=3000rpmのとき、θCRKD=5.7deg、Tsd=314μsecとなり、NE=8000rpmのとき、θCRKD=6.8deg、Tsd=142μsecとなる。すなわち、センサ遅れ時間Tsdは、エンジン回転数NEが増加するほど減少する傾向を示す。
【0020】
一方代表的なローパスフィルタであるバターワース型ローパスフィルタの場合、位相特性(入出力間の位相差)は、ゲインが3dB低下する遮断周波数fcにおいて−45degの次数倍となることが知られている。またバターワース型ローパスフィルタでは、遮断周波数fcより低い周波数では、位相特性は、周波数に対してほぼ直線状に変化するため、位相差Φは、遮断周波数fc以下の任意の周波数をfxとし、フィルタの次数をNとすると、下記式(7)で与えられる。
Φ=−45N・fx/fc (7)
【0021】
この位相差Φを遅れ時間Tfd(以下「フィルタ遅れ時間Tfd」という)に変換すると、下記式(8)で表される。
Tfd=(Φ/360)・(1/fx)
=−45N/(360・fc) (8)
したがって、タイミングセンサ5で発生するセンサ遅れ時間Tsdに、LPF3のフィルタ遅れ時間Tfdを一致させるためには、次数Nを下記式(9)により算出すればよい。
【数4】
【0022】
例えばfc=1500Hz、Tsd=142μsec(NE=8000rpmのときのセンサ遅れ時間)を、式(9)に適用すると、N=1.7となるので、2次のローパスフィルタ出力SF2を選択することにより、図1に示す遅れ時間T1とT2とをほぼ同一とすることができる。また、Tsd=667μsec(NE=100rpmのときのセンサ遅れ時間)を適用すると、N=8となるが、本実施形態では、6次のローパスフィルタまでしか設けていないので、6次ローパスフィルタ出力SF6を選択する。また、Tsd=314μsec(NE=3000rpmのときのセンサ遅れ時間)のときは、N=3.8となるので、4次のローパスフィルタの出力SF4を選択する。
なお、遮断周波数fc=1500Hzの場合、図2の抵抗R1,R2はそれぞれ2.7kΩ,10kΩとし、コンデンサC1,C2はそれぞれ1000pF,3300pFとする。
【0023】
以上のように本実施形態では、エンジン回転数NEに応じてLPF3の出力を選択し、筒内圧センサ側の遅れ時間T1と、タイミングセンサ側の遅れ時間T2とが、エンジン回転数NEに拘わらずほぼ同一となるようにしたので、エンジン回転数NEの広い範囲で正確なサンプルタイミングで筒内圧を検出することができる。
【0024】
本実施形態では、筒内圧センサ1が筒内圧検出手段に相当し、タイミングセンサ5が、クランク角度位置検出手段及び回転速度検出手段に相当し、LPF3がローパスフィルタ手段に相当し、CPU7が遅延特性設定手段及びサンプリング手段に相当する。
【0025】
(第2の実施形態)
本実施形態は、図5に示すようにハードウェアで構成されたLPF3を削除して、チャージアンプ2の出力を直接A/D変換回路4に入力し、CPU7がエンジン回転数NEに応じたローパスフィルタ演算処理を実行して、遅れ時間T1とT2を一致させるようにしたものである。
【0026】
図6は、CPU7のおけるフィルタ演算処理のフローチャートであり、ステップS21〜S25では、それぞれエンジン回転数NEが所定回転数ND1,ND2,ND3,ND4,ND5(ND1<ND2<ND3<ND4<ND5)より高いか否かを判別する。そしてNE>ND5であるときは2次のフィルタ演算を実行し(ステップS26)、ND4<NE≦ND5であるときは3次のフィルタ演算を実行し(ステップS27)、ND3<NE≦ND4であるときは4次のフィルタ演算を実行し(ステップS28)、ND2<NE≦ND3であるときは5次のフィルタ演算を実行し(ステップS29)、ND1<NE≦ND2であるときは6次のフィルタ演算を実行し(ステップS30)、NE≦ND1であるときは7次のフィルタ演算を実行する(ステップS31)。各フィルタ演算は、A/D変換回路4から入力されるディジタル信号に対して実行され、該演算により得られた値が検出値として出力される。
【0027】
図7は、フィルタの次数と対応する遅延時間Tfd及び伝達関数を示す図である。CPU7には、図示しないRAM(Random Access Memory)が接続されており、そのRAMに最新のサンプル値から7サンプル周期前までの8個のサンプル値が格納され、図7に示す各次数のフィルタ演算に使用される。図7には、8次のフィルタ演算まで示されているが、本実施形態では、7次のフィルタ演算まで実行している。
【0028】
図8は、タイミングセンサ5の遅れ時間Tsdとエンジン回転数NEとの関係を示す図であり、センサ遅れ時間Tsdは、実線L1で示すようにエンジン回転数NEが増加するほど減少する。したがって、図6の処理では、この特性に合わせるようにフィルタの次数が決定され、フィルタ演算が実行される。
【0029】
図8において、エンジン回転数NE1は、7次のフィルタの遅れ時間Tfd7と、センサ遅れ時間Tsd(実線L1)とが一致するエンジン回転数NEであり、エンジン回転数NE2は、6次のフィルタの遅れ時間Tfd6と、センサ遅れ時間Tsd(実線L1)とが一致するエンジン回転数NEであり、エンジン回転数NE3は、5次のフィルタの遅れ時間Tfd5と、センサ遅れ時間Tsd(実線L1)とが一致するエンジン回転数NEであり、エンジン回転数NE4は、4次のフィルタの遅れ時間Tfd4と、センサ遅れ時間Tsd(実線L1)とが一致するエンジン回転数NEであり、エンジン回転数NE5は、3次のフィルタの遅れ時間Tfd3と、センサ遅れ時間Tsd(実線L1)とが一致するエンジン回転数NEであり、エンジン回転数NE6は、2次のフィルタの遅れ時間Tfd2と、センサ遅れ時間Tsd(実線L1)とが一致するエンジン回転数NEである。そして、図6の処理で用いる所定回転数ND1〜ND5は、下記式により設定される。
ND1=(NE1+NE2)/2
ND2=(NE2+NE3)/2
ND3=(NE3+NE4)/2
ND4=(NE4+NE5)/2
ND5=(NE5+NE6)/2
【0030】
したがって、図6の処理によるフィルタ遅れ時間Tfdは、エンジン回転数NEに応じて図8に太い実線で示すように階段状に変化し、センサ遅れ時間Tsdとほぼ一致させることができる。
【0031】
なお、所定周波数ND1〜ND5は例えば以下のように設定される:ND1=1023rpm,ND2=1604rpm,ND3=2332rpm,ND4=3410rpm,ND5=5349rpmに設定される。
【0032】
図7に示す伝達関数の求め方は公知であるが、以下に簡単に説明する。
第1の実施形態で示したバターワース型ローパスフィルタの複素変数sで示した伝達関数は、下記式(10)〜(12)で与えられる。
【数5】
式(10)〜(12)の複素変数sに、下記式(13)を適用する双1次z変換を行うことにより、z領域の伝達関数H(z)が求められる。
【数6】
【0033】
例えばディジタル領域の遮断周波数fcd=1.5kHz、サンプリング周波数fsを6kHzとし、2次のフィルタの伝達関数H2(z)を求める例を示す。
ディジタル領域の角周波数ωd(=2πfcd)とアナログ領域の角周波数ωaとは、下記式(14)で示される関係がある。
【数7】
したがって、ωd=2π×1.5kHz、T=1/fs=1/(6kHz)を適用すると、ωa=12000となる。
【0034】
また2次のバターワース型ローパスフィルタの伝達関数G2(s)は、式(10)においてN=2とすることにより、下記式(15)で与えられる。
【数8】
式(15)に式(13)を適用し、アナログ領域の角周波数ωa及びサンプリング周期Tに数値を代入することにより、下記式(16)が得られる。
【数9】
3次以上の伝達関数も同様にして求めることができる。
【0035】
以上のように本実施形態では、ディジタルフィルタによりバターワース型ローパスフィルタと同等のフィルタを構成し、CPU7の演算処理により等価的に次数の異なる、すなわち遅延時間が異なるフィルタをエンジン回転数NEに応じて選択して使用するようにしたので、ハードウェアでフィルタを構成する場合に比べて回路スペースを増加させることなく、より高い精度で遅れ時間T1を、遅れ時間T2とを一致させることが可能となる。
【0036】
本実施形態では、筒内圧センサ1が筒内圧検出手段に相当し、タイミングセンサ5が、クランク角度位置検出手段及び回転速度検出手段に相当し、CPU7がローパスフィルタ手段、遅延特性設定手段及びサンプリング手段に相当する。
なお本発明は上述した実施形態に限るものではなく、種々の変形が可能である。例えば、筒内圧を検出するエンジン回転数NEの範囲が狭い場合には、エンジン回転数NEに応じてローパスフィルタを切り換えて使用する必要はなく、筒内圧を検出する必要のあるエンジン回転数範囲に適した遅延特性のフィルタを用いるようにすればよい。その場合、ローパスフィルタの遅延時間Tfdは、タイミングセンサ5のインダクタンス成分及び抵抗成分に応じて、必要なエンジン回転数範囲で遅れ時間T1,T2が等しくなるように設定する。
【0037】
また上述した実施形態では、ローパスフィルタの次数を変化させることにより、遅延特性を設定するようにしたが、これに限るものではなく、ローパスフィルタ(例えば2次のローパスフィルタ)と、少なくとも当該ローパスフィルタより広い通過帯域を有する複数の遅延回路とを組み合わせて特許請求の範囲に記載したローパスフィルタ手段を構成し、使用する遅延回路をエンジン回転数NEに応じて選択するようにしてもよい。
【0038】
【発明の効果】
以上詳述したように請求項1に記載の発明によれば、検出した機関回転速度が高くなるほど、筒内圧検出手段の出力の高周波成分を遮断するローパスフィルタ手段の遅延時間が短く設定されるので、機関回転速度の広い範囲で、クランク角度位置で示される筒内圧のサンプルタイミングを正確に設定し、機関回転速度に拘わらず常に所望のクランク角度位置で筒内圧を検出することが可能となる。
また請求項2に記載の発明によれば、筒内圧検出手段の出力の高周波成分を遮断するローパスフィルタ手段の遅延時間が、クランク角度位置検出手段のインダクタンス成分及び抵抗成分に応じて設定されるので、ローパスフィルタ手段の遅延時間を、クランク角度位置検出手段のインダクタンス成分及び抵抗成分に起因する検出遅れに見合ったものとすることができる。すなわち、サンプルタイミングを調整するための特別の回路を設けることなく、筒内圧検出手段の出力を、クランク角度位置の検出遅れ時間に応じた時間だけ遅延させることができ、クランク角度位置で示される筒内圧のサンプルタイミングの精度を確保し、常に所望のクランク角度位置で筒内圧を検出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかる筒内圧検出装置の構成を示すブロック図である。
【図2】ローパスフィルタの構成をより詳細に示すブロック図である。
【図3】エンジン回転数に応じてフィルタ出力を選択する処理のフローチャートである。
【図4】タイミングセンサの等化回路を示す回路図である。
【図5】本発明の第2の実施形態にかかる筒内圧検出装置の構成を示すブロック図である。
【図6】エンジン回転数に応じてローパスフィルタ演算を実行する処理のフローチャートである。
【図7】ディジタルローパスフィルタの伝達関数を示す図である。
【図8】エンジン回転数と、タイミングセンサの遅れ時間との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 筒内圧センサ(筒内圧検出手段)
2 チャージアンプ
3 ローパスフィルタ(ローパスフィルタ手段)
4 A/D変換回路
5 タイミングセンサ(クランク角度位置検出手段)
7 CPU(フィルタ手段、遅延特性設定手段、サンプリング手段)
Claims (2)
- 内燃機関の筒内圧を検出する筒内圧検出手段と、
前記内燃機関のクランク角度位置を検出するクランク角度位置検出手段と、
前記筒内圧検出手段の出力の高周波成分を遮断するローパスフィルタ手段と、
該ローパスフィルタ手段の出力を前記クランク角度位置検出手段の出力により特定される所定クランク角度位置でサンプリングするサンプリング手段とを有する内燃機関の筒内圧検出装置において、
前記内燃機関の回転速度を検出する回転速度検出手段と、
前記ローパスフィルタ手段の遅延時間を、前記回転速度が高くなるほど短くなるように設定する遅延特性設定手段とを備えることを特徴とする内燃機関の筒内圧検出装置。 - 前記クランク角度位置検出手段は、インダクタンス成分及び抵抗成分を含み、
前記遅延特性設定手段は、前記ローパスフィルタ手段の遅延時間を、前記クランク角度位置検出手段のインダクタンス成分及び抵抗成分に応じて設定することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の筒内圧検出装置。
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