JP2001263153A - 内燃機関の筒内圧検出装置 - Google Patents

内燃機関の筒内圧検出装置

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JP2001263153A JP2000079722A JP2000079722A JP2001263153A JP 2001263153 A JP2001263153 A JP 2001263153A JP 2000079722 A JP2000079722 A JP 2000079722A JP 2000079722 A JP2000079722 A JP 2000079722A JP 2001263153 A JP2001263153 A JP 2001263153A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クランク角度位置で示される筒内圧のサンプ
ルタイミングの精度を確保し、常に所望のクランク角度
位置で筒内圧を検出することができる内燃機関の筒内圧
検出装置を提供する。 【解決手段】 ローパスフィルタ3の遅延特性を、タイ
ミングセンサ5のインダクタンス成分及び抵抗成分に起
因する検出遅れに見合ったものとなるように設定し、タ
イミングセンサ5により検出されるクランク角度位置の
検出遅れ時間T2と、筒内圧センサ1の検出値がCPU
7に入力されるまでの遅れ時間T1とがほぼ等しくす
る。タイミングセンサ5の検出遅れ時間は、機関回転速
度によって変化するので、ローパスフィルタ3を3段構
成とし、3つの出力信号の1つを選択することにより、
機関回転速度に応じた遅延特性とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の筒内圧
を検出する筒内圧検出装置に関し、特に筒内圧の検出タ
イミングの精度を向上させたものに関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の燃焼状態を検出すべく、筒内
圧、すなわち燃焼室内の圧力を所定のクランク角度範囲
でサンプリングする技術は、従来より知られている(例
えば特許第2830305号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記公報には、所定の
クランク角度範囲で筒内圧のサンプリングを行うため
に、クランク角度位置を検出するクランク角度位置セン
サが用いられることが示されている。このようなクラン
ク角度位置センサとしては、磁気ピックアップ型のセン
サを用いるのが一般的であるが、このタイプのセンサで
は、例えば特公平6−105072号公報に示されるよ
うに、機関の回転数(回転速度)に依存してセンサ出力
に遅れが生ずる。そのため、クランク角度位置で示され
るサンプルタイミングに誤差が生じ、筒内圧を所望のク
ランク角度位置で正確にサンプリングできない可能性が
あった。筒内圧は、クランク角度位置によって急激に変
化するので、僅かなタイミングずれでも検出圧は大幅に
ずれてしまうため、筒内圧を所望のクランク角度位置で
正確にサンプリングすることが望まれていた。
【0004】本発明はこの点に着目してなされたもので
あり、クランク角度位置で示される筒内圧のサンプルタ
イミングの精度を確保し、常に所望のクランク角度位置
で筒内圧を検出することができる内燃機関の筒内圧検出
装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項1に記載の発明は、内燃機関の筒内圧を検出する
筒内圧検出手段と、前記内燃機関のクランク角度位置を
検出する、インダクタンス成分及び抵抗成分を含むクラ
ンク角度位置検出手段と、前記筒内圧検出手段の出力の
高周波成分を遮断するローパスフィルタ手段と、該ロー
パスフィルタ手段の出力を前記クランク角度位置検出手
段の出力により特定される所定クランク角度位置でサン
プリングするサンプリング手段とを有する内燃機関の筒
内圧検出装置において、前記ローパスフィルタ手段の遅
延特性を、前記クランク角度位置検出手段のインダクタ
ンス成分及び抵抗成分に応じて設定することを特徴とす
る。
【0006】この構成によれば、筒内圧検出手段の出力
の高周波成分を遮断するローパスフィルタ手段の遅延特
性が、クランク角度位置検出手段のインダクタンス成分
及び抵抗成分に応じて設定されるので、ローパスフィル
タ手段の遅延特性を、クランク角度位置検出手段のイン
ダクタンス成分及び抵抗成分に起因する検出遅れに見合
ったものとすることができる。すなわち、サンプルタイ
ミングを調整するための特別の回路を設けることなく、
筒内圧検出手段の出力を、クランク角度位置の検出遅れ
時間に応じた時間だけ遅延させることができ、クランク
角度位置で示される筒内圧のサンプルタイミングの精度
を確保し、常に所望のクランク角度位置で筒内圧を検出
することが可能となる。
【0007】請求項2に記載の発明は、内燃機関の筒内
圧を検出する筒内圧検出手段と、前記内燃機関のクラン
ク角度位置を検出するクランク角度位置検出手段と、前
記筒内圧検出手段の出力の高周波成分を遮断するローパ
スフィルタ手段と、該ローパスフィルタ手段の出力を前
記クランク角度位置検出手段の出力により特定される所
定クランク角度位置でサンプリングするサンプリング手
段とを有する内燃機関の筒内圧検出装置において、前記
内燃機関の回転速度を検出する回転速度検出手段と、前
記ローパスフィルタ手段の遅延特性を、前記回転速度に
応じて設定する遅延特性設定手段とを備えることを特徴
とする。
【0008】この構成によれば、検出した機関回転速度
に応じて、ローパスフィルタ手段の遅延特性が設定され
るので、機関回転速度の広い範囲で、クランク角度位置
で示される筒内圧のサンプルタイミングを正確に設定
し、機関回転速度に拘わらず常に所望のクランク角度位
置で筒内圧を検出することが可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面を
参照して説明する。 (第1の実施形態)図1は本発明の第1の実施形態にか
かる筒内圧検出装置の構成を示すブロック図であり、こ
の装置は、内燃機関の筒内圧、すなわち燃焼室内の圧力
を検出する筒内圧検出手段としての筒内圧センサ1と、
積分回路を含み入力電圧を増幅するチャージアンプ2
と、所定遮断周波数より高い周波数成分を遮断するロー
パスフィルタ3(以下「LPF3」という)と、LPF
3の出力信号をディジタル信号に変換するA/D変換回
路4と、内燃機関のクランク軸の回転角度位置(以下
「クランク角度位置」という)θCRKを検出するクラ
ンク角度位置検出手段としてのタイミングセンサ5と、
タイミングセンサ5の出力信号の波形整形を行い、クラ
ンク角度位置を示す矩形波信号を出力する入力インター
フェース回路6と、所定のクランク角度位置で筒内圧P
CYLのサンプリングを行うCPU(Central Processi
ng Unit)7とを備えている。
【0010】LPF3は、より具体的には図2に示すよ
うに、演算増幅器11、抵抗R1,R2及びコンデンサ
C1,C2からなる2次のローパスフィルタを3段直列
に接続して構成されており、1段目の出力が2次フィル
タ出力SF2として、2段目の出力が4次フィルタ出力
SF4として、また3段目の出力が6次フィルタ出力S
F6として、A/D変換回路4に供給され、それぞれデ
ィジタル信号に変換されてCPU7に供給される。
【0011】CPU7は、タイミングセンサ5により検
出されるクランク角度位置を示す信号の遅れ時間T2
と、筒内圧センサ1の出力信号が、チャージアンプ2、
LPF3及びA/D変換回路4を介してCPU7に入力
されるまでの遅れ時間T1とがほぼ等しくなるように、
3つのフィルタ出力SF2,SF4またはSF6の何れ
かをエンジン回転数NEに応じて選択する。そしてCP
U7は、選択したフィルタ出力のA/D変換後の信号
を、タイミングセンサ5から入力されるクランク角信号
により特定される所定のクランク角度位置でサンプリン
グすることにより、所定クランク角度位置における筒内
圧の検出を行う。
【0012】このように、次数の異なる、すなわち遅延
特性の異なる3つのフィルタの出力を、エンジン回転数
NEに応じて選択することにより、サンプルタイミング
を調整するための特別の回路を設けることなく、筒内圧
センサ1の出力を、クランク角度位置の検出遅れ時間に
応じた時間だけ遅延させることができ、クランク角度位
置で示される筒内圧のサンプルタイミングの精度を確保
し、常に所望のクランク角度位置で筒内圧を検出するこ
とが可能となる。
【0013】なお、タイミングセンサ5は、例えばクラ
ンク角度30度毎のパルス信号であるCRK信号、クラ
ンク角度180度毎のパルス信号であるTDC信号など
を出力するので、これらの信号に基づいてサンプルタイ
ミングが決定されるとともに、そのパルス信号の発生時
間間隔MEからエンジン回転数NEが検出される。
【0014】具体的にはCPU7は、図3に示すよう
に、エンジン回転数NEに応じて2次フィルタ出力SF
2,4次フィルタ出力SF4または6次フィルタ出力S
F6を選択する。すなわち、ステップS11では、エン
ジン回転数NEが第1所定回転数NA1(例えば200
0rpm)より高いか否かを判別し、NE≦NA1であ
るときは、6次フィルタ出力SF6を選択する(ステッ
プS15)。NE>NA1であるときはさらにエンジン
回転数NEが第2所定回転数NA2(例えば4000r
pm)より高いか否かを判別し(ステップS12)、N
E≦NA2であるときは、4次フィルタ出力SF4を選
択し(ステップS14)、NE>NA2であるときは、
2次フィルタ出力SF2を選択する(ステップS1
3)。
【0015】フィルタの入出力間の遅延時間Tfdは、
フィルタの次数が高くなるほど長くなる一方、タイミン
グセンサ5の検出遅れは、センサのインダクタンス成分
及び抵抗成分に起因して発生するものであり、エンジン
回転数NEが高くなるほど遅れ時間が短くなる傾向があ
るので、図3に示すように、エンジン回転数NEが高く
なるほど次数の小さいフィルタ出力を選択することによ
り、遅れ時間T1とT2とを、ほぼ等しくすることがで
きる。以下この点を詳しく説明する。
【0016】図4は、タイミングセンサ5の等化回路で
あり、起電力Eの電圧源と、内部抵抗成分R及びインダ
クタンス成分Lとからなり、負荷抵抗RLの両端の電圧
Vが、センサ出力となる。出力電圧Vは下記式(1)で
表される。
【数1】 式(1)は、出力電圧Vが起電力Eに対してインダクタ
ンス成分Lにより位相が遅れて出力されることを示して
いる。この位相遅れ角θは下記式(2)で表される。
【数2】
【0017】ここでは、クランク軸に取り付けられたク
ランク角度位置検出用の位置マーク(パルサ)の数をn
とし、このパルサによってセンサ5に発生する起電力E
がサイン波で近似できるとすると、位相遅れ角θと対応
するクランク角θCRKDと関係は、以下のようにな
る。 θCRKD=θ/n (3) またエンジン回転数をNE(rpm)とすると、角速度
ωは、 ω=2π(NE/60)・n (4)
【0018】であるので、式(2)〜(4)より、クラ
ンク角θCRKDは下記式(5)で与えられ、下記式
(6)によりクランク角θCRKDを遅れ時間Tsd
(以下「センサ遅れ時間Tsd」という)に換算するこ
とができる。
【数3】
【0019】例えばL=1300mH,R=2kΩのセ
ンサ場合、パルサの数n=12とすると、式(5)
(6)より、NE=100rpmのとき、θCRKD=
0.4deg、Tsd=667μsecとなり、NE=
3000rpmのとき、θCRKD=5.7deg、T
sd=314μsecとなり、NE=8000rpmの
とき、θCRKD=6.8deg、Tsd=142μs
ecとなる。すなわち、センサ遅れ時間Tsdは、エン
ジン回転数NEが増加するほど減少する傾向を示す。
【0020】一方代表的なローパスフィルタであるバタ
ーワース型ローパスフィルタの場合、位相特性(入出力
間の位相差)は、ゲインが3dB低下する遮断周波数f
cにおいて−45degの次数倍となることが知られて
いる。またバターワース型ローパスフィルタでは、遮断
周波数fcより低い周波数では、位相特性は、周波数に
対してほぼ直線状に変化するため、位相差Φは、遮断周
波数fc以下の任意の周波数をfxとし、フィルタの次
数をNとすると、下記式(7)で与えられる。 Φ=−45N・fx/fc (7)
【0021】この位相差Φを遅れ時間Tfd(以下「フ
ィルタ遅れ時間Tfd」という)に変換すると、下記式
(8)で表される。 したがって、タイミングセンサ5で発生するセンサ遅れ
時間Tsdに、LPF3のフィルタ遅れ時間Tfdを一
致させるためには、次数Nを下記式(9)により算出す
ればよい。
【数4】
【0022】例えばfc=1500Hz、Tsd=14
2μsec(NE=8000rpmのときのセンサ遅れ
時間)を、式(9)に適用すると、N=1.7となるの
で、2次のローパスフィルタ出力SF2を選択すること
により、図1に示す遅れ時間T1とT2とをほぼ同一と
することができる。また、Tsd=667μsec(N
E=100rpmのときのセンサ遅れ時間)を適用する
と、N=8となるが、本実施形態では、6次のローパス
フィルタまでしか設けていないので、6次ローパスフィ
ルタ出力SF6を選択する。また、Tsd=314μs
ec(NE=3000rpmのときのセンサ遅れ時間)
のときは、N=3.8となるので、4次のローパスフィ
ルタの出力SF4を選択する。なお、遮断周波数fc=
1500Hzの場合、図2の抵抗R1,R2はそれぞれ
2.7kΩ,10kΩとし、コンデンサC1,C2はそ
れぞれ1000pF,3300pFとする。
【0023】以上のように本実施形態では、エンジン回
転数NEに応じてLPF3の出力を選択し、筒内圧セン
サ側の遅れ時間T1と、タイミングセンサ側の遅れ時間
T2とが、エンジン回転数NEに拘わらずほぼ同一とな
るようにしたので、エンジン回転数NEの広い範囲で正
確なサンプルタイミングで筒内圧を検出することができ
る。
【0024】本実施形態では、筒内圧センサ1が筒内圧
検出手段に相当し、タイミングセンサ5が、クランク角
度位置検出手段及び回転速度検出手段に相当し、LPF
3がローパスフィルタ手段に相当し、CPU7が遅延特
性設定手段及びサンプリング手段に相当する。
【0025】(第2の実施形態)本実施形態は、図5に
示すようにハードウェアで構成されたLPF3を削除し
て、チャージアンプ2の出力を直接A/D変換回路4に
入力し、CPU7がエンジン回転数NEに応じたローパ
スフィルタ演算処理を実行して、遅れ時間T1とT2を
一致させるようにしたものである。
【0026】図6は、CPU7のおけるフィルタ演算処
理のフローチャートであり、ステップS21〜S25で
は、それぞれエンジン回転数NEが所定回転数ND1,
ND2,ND3,ND4,ND5(ND1<ND2<N
D3<ND4<ND5)より高いか否かを判別する。そ
してNE>ND5であるときは2次のフィルタ演算を実
行し(ステップS26)、ND4<NE≦ND5である
ときは3次のフィルタ演算を実行し(ステップS2
7)、ND3<NE≦ND4であるときは4次のフィル
タ演算を実行し(ステップS28)、ND2<NE≦N
D3であるときは5次のフィルタ演算を実行し(ステッ
プS29)、ND1<NE≦ND2であるときは6次の
フィルタ演算を実行し(ステップS30)、NE≦ND
1であるときは7次のフィルタ演算を実行する(ステッ
プS31)。各フィルタ演算は、A/D変換回路4から
入力されるディジタル信号に対して実行され、該演算に
より得られた値が検出値として出力される。
【0027】図7は、フィルタの次数と対応する遅延時
間Tfd及び伝達関数を示す図である。CPU7には、
図示しないRAM(Random Access Memory)が接続され
ており、そのRAMに最新のサンプル値から7サンプル
周期前までの8個のサンプル値が格納され、図7に示す
各次数のフィルタ演算に使用される。図7には、8次の
フィルタ演算まで示されているが、本実施形態では、7
次のフィルタ演算まで実行している。
【0028】図8は、タイミングセンサ5の遅れ時間T
sdとエンジン回転数NEとの関係を示す図であり、セ
ンサ遅れ時間Tsdは、実線L1で示すようにエンジン
回転数NEが増加するほど減少する。したがって、図6
の処理では、この特性に合わせるようにフィルタの次数
が決定され、フィルタ演算が実行される。
【0029】図8において、エンジン回転数NE1は、
7次のフィルタの遅れ時間Tfd7と、センサ遅れ時間
Tsd(実線L1)とが一致するエンジン回転数NEで
あり、エンジン回転数NE2は、6次のフィルタの遅れ
時間Tfd6と、センサ遅れ時間Tsd(実線L1)と
が一致するエンジン回転数NEであり、エンジン回転数
NE3は、5次のフィルタの遅れ時間Tfd5と、セン
サ遅れ時間Tsd(実線L1)とが一致するエンジン回
転数NEであり、エンジン回転数NE4は、4次のフィ
ルタの遅れ時間Tfd4と、センサ遅れ時間Tsd(実
線L1)とが一致するエンジン回転数NEであり、エン
ジン回転数NE5は、3次のフィルタの遅れ時間Tfd
3と、センサ遅れ時間Tsd(実線L1)とが一致する
エンジン回転数NEであり、エンジン回転数NE6は、
2次のフィルタの遅れ時間Tfd2と、センサ遅れ時間
Tsd(実線L1)とが一致するエンジン回転数NEで
ある。そして、図6の処理で用いる所定回転数ND1〜
ND5は、下記式により設定される。 ND1=(NE1+NE2)/2 ND2=(NE2+NE3)/2 ND3=(NE3+NE4)/2 ND4=(NE4+NE5)/2 ND5=(NE5+NE6)/2
【0030】したがって、図6の処理によるフィルタ遅
れ時間Tfdは、エンジン回転数NEに応じて図8に太
い実線で示すように階段状に変化し、センサ遅れ時間T
sdとほぼ一致させることができる。
【0031】なお、所定周波数ND1〜ND5は例えば
以下のように設定される:ND1=1023rpm,N
D2=1604rpm,ND3=2332rpm,ND
4=3410rpm,ND5=5349rpmに設定さ
れる。
【0032】図7に示す伝達関数の求め方は公知である
が、以下に簡単に説明する。第1の実施形態で示したバ
ターワース型ローパスフィルタの複素変数sで示した伝
達関数は、下記式(10)〜(12)で与えられる。
【数5】 式(10)〜(12)の複素変数sに、下記式(13)
を適用する双1次z変換を行うことにより、z領域の伝
達関数H(z)が求められる。
【数6】
【0033】例えばディジタル領域の遮断周波数fcd
=1.5kHz、サンプリング周波数fsを6kHzと
し、2次のフィルタの伝達関数H2(z)を求める例を
示す。ディジタル領域の角周波数ωd(=2πfcd)
とアナログ領域の角周波数ωaとは、下記式(14)で
示される関係がある。
【数7】 したがって、ωd=2π×1.5kHz、T=1/fs
=1/(6kHz)を適用すると、ωa=12000と
なる。
【0034】また2次のバターワース型ローパスフィル
タの伝達関数G2(s)は、式(10)においてN=2
とすることにより、下記式(15)で与えられる。
【数8】 式(15)に式(13)を適用し、アナログ領域の角周
波数ωa及びサンプリング周期Tに数値を代入すること
により、下記式(16)が得られる。
【数9】 3次以上の伝達関数も同様にして求めることができる。
【0035】以上のように本実施形態では、ディジタル
フィルタによりバターワース型ローパスフィルタと同等
のフィルタを構成し、CPU7の演算処理により等価的
に次数の異なる、すなわち遅延時間が異なるフィルタを
エンジン回転数NEに応じて選択して使用するようにし
たので、ハードウェアでフィルタを構成する場合に比べ
て回路スペースを増加させることなく、より高い精度で
遅れ時間T1を、遅れ時間T2とを一致させることが可
能となる。
【0036】本実施形態では、筒内圧センサ1が筒内圧
検出手段に相当し、タイミングセンサ5が、クランク角
度位置検出手段及び回転速度検出手段に相当し、CPU
7がローパスフィルタ手段、遅延特性設定手段及びサン
プリング手段に相当する。なお本発明は上述した実施形
態に限るものではなく、種々の変形が可能である。例え
ば、筒内圧を検出するエンジン回転数NEの範囲が狭い
場合には、エンジン回転数NEに応じてローパスフィル
タを切り換えて使用する必要はなく、筒内圧を検出する
必要のあるエンジン回転数範囲に適した遅延特性のフィ
ルタを用いるようにすればよい。その場合、ローパスフ
ィルタの遅延時間Tfdは、タイミングセンサ5のイン
ダクタンス成分及び抵抗成分に応じて、必要なエンジン
回転数範囲で遅れ時間T1,T2が等しくなるように設
定する。
【0037】また上述した実施形態では、ローパスフィ
ルタの次数を変化させることにより、遅延特性を設定す
るようにしたが、これに限るものではなく、ローパスフ
ィルタ(例えば2次のローパスフィルタ)と、少なくと
も当該ローパスフィルタより広い通過帯域を有する複数
の遅延回路とを組み合わせて特許請求の範囲に記載した
ローパスフィルタ手段を構成し、使用する遅延回路をエ
ンジン回転数NEに応じて選択するようにしてもよい。
【0038】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1に記載の発
明によれば、筒内圧検出手段の出力の高周波成分を遮断
するローパスフィルタ手段の遅延特性が、クランク角度
位置検出手段のインダクタンス成分及び抵抗成分に応じ
て設定されるので、ローパスフィルタ手段の遅延特性
を、クランク角度位置検出手段のインダクタンス成分及
び抵抗成分に起因する検出遅れに見合ったものとするこ
とができる。すなわち、サンプルタイミングを調整する
ための特別の回路を設けることなく、筒内圧検出手段の
出力を、クランク角度位置の検出遅れ時間に応じた時間
だけ遅延させることができ、クランク角度位置で示され
る筒内圧のサンプルタイミングの精度を確保し、常に所
望のクランク角度位置で筒内圧を検出することが可能と
なる。
【0039】請求項2に記載の発明によれば、検出した
機関回転速度に応じて、ローパスフィルタ手段の遅延特
性が設定されるので、機関回転速度の広い範囲で、クラ
ンク角度位置で示される筒内圧のサンプルタイミングを
正確に設定し、機関回転速度に拘わらず常に所望のクラ
ンク角度位置で筒内圧を検出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかる筒内圧検出装
置の構成を示すブロック図である。
【図2】ローパスフィルタの構成をより詳細に示すブロ
ック図である。
【図3】エンジン回転数に応じてフィルタ出力を選択す
る処理のフローチャートである。
【図4】タイミングセンサの等化回路を示す回路図であ
る。
【図5】本発明の第2の実施形態にかかる筒内圧検出装
置の構成を示すブロック図である。
【図6】エンジン回転数に応じてローパスフィルタ演算
を実行する処理のフローチャートである。
【図7】ディジタルローパスフィルタの伝達関数を示す
図である。
【図8】エンジン回転数と、タイミングセンサの遅れ時
間との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 筒内圧センサ(筒内圧検出手段) 2 チャージアンプ 3 ローパスフィルタ(ローパスフィルタ手段) 4 A/D変換回路 5 タイミングセンサ(クランク角度位置検出手段) 7 CPU(フィルタ手段、遅延特性設定手段、サンプ
リング手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤原 幹夫 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 Fターム(参考) 3G084 DA04 EA01 EA05 EA08 EC04 FA21 FA33 FA38

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の筒内圧を検出する筒内圧検出
    手段と、 前記内燃機関のクランク角度位置を検出する、インダク
    タンス成分及び抵抗成分を含むクランク角度位置検出手
    段と、 前記筒内圧検出手段の出力の高周波成分を遮断するロー
    パスフィルタ手段と、 該ローパスフィルタ手段の出力を前記クランク角度位置
    検出手段の出力により特定される所定クランク角度位置
    でサンプリングするサンプリング手段とを有する内燃機
    関の筒内圧検出装置において、 前記ローパスフィルタ手段の遅延特性を、前記クランク
    角度位置検出手段のインダクタンス成分及び抵抗成分に
    応じて設定することを特徴とする内燃機関の筒内圧検出
    装置。
  2. 【請求項2】 内燃機関の筒内圧を検出する筒内圧検出
    手段と、 前記内燃機関のクランク角度位置を検出するクランク角
    度位置検出手段と、 前記筒内圧検出手段の出力の高周波成分を遮断するロー
    パスフィルタ手段と、 該ローパスフィルタ手段の出力を前記クランク角度位置
    検出手段の出力により特定される所定クランク角度位置
    でサンプリングするサンプリング手段とを有する内燃機
    関の筒内圧検出装置において、 前記内燃機関の回転速度を検出する回転速度検出手段
    と、 前記ローパスフィルタ手段の遅延特性を、前記回転速度
    に応じて設定する遅延特性設定手段とを備えることを特
    徴とする内燃機関の筒内圧検出装置。
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