JP2003315356A - センサ装置 - Google Patents

センサ装置

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JP2003315356A
JP2003315356A JP2002126697A JP2002126697A JP2003315356A JP 2003315356 A JP2003315356 A JP 2003315356A JP 2002126697 A JP2002126697 A JP 2002126697A JP 2002126697 A JP2002126697 A JP 2002126697A JP 2003315356 A JP2003315356 A JP 2003315356A
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sensor
digital filter
taps
frequency
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JP2002126697A
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Hikari Watanabe
光 渡辺
Masaru Nagao
勝 長尾
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、センサ装置に関し、複雑な構成に
よることなく、自己の共振特性に起因してセンサ感度が
著しく高くなってもその出力を十分に減衰させること
で、センサ出力について共振の影響を抑制することを目
的とする。 【解決手段】 歪みが生じ得る圧電素子を有し、車両に
生ずる加速度に応じたアナログ信号を出力する加速度セ
ンサ12を設ける。加速度センサ12のアナログ信号を
1ビットディジタル信号にΔΣ変調するA/D変換部2
0を設ける。また、ΔΣ変調後の1ビットディジタル信
号について所定のタップ数分だけ移動平均処理を行うデ
ィジタルフィルタ22を設ける。そして、ディジタルフ
ィルタ22のタップ数N*をサンプリング周波数fSと加
速度センサ12の共振周波数frとの関係に基づいてN*
=fS/frが成立するように設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば加速度や角
速度等の慣性力に応じたアナログ信号を出力するセンサ
を備えるセンサ装置に係り、特に、そのアナログ信号を
ディジタル信号に変換した後に移動平均処理して出力す
るセンサ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば特開2000−321
299号公報に開示される如く、加速度センサを備える
システムが知られている。加速度センサは、その構造に
より一又は複数の機械的な共振特性を有する。加速度セ
ンサがその共振周波数近傍で振動すると、センサ感度が
著しく高くなり、センサ出力が過大となる。このため、
加速度センサを用いた制御システムにおいては、そのセ
ンサの共振特性に起因して悪影響が生ずるおそれがあ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
システムにおいて、共振周波数近傍のセンサ感度の低下
を実現させるうえでは、抵抗やコンデンサ等の素子を設
けることが必要である。このため、特にセンサに要する
検出周波数帯域が共振周波数に近い場合には、急峻かつ
高精度なフィルタ機能が要求されるため、部品点数の増
加,製造コストの上昇が招来する。また、電気的なフィ
ルタではなく、機械的なダンパによりフィルタを構成す
ることも可能であるが、かかる構成では、上記電気的な
構成と同様に部品点数の増加,製造コストの上昇を招く
と共に、ダンパの存在に起因して新たな共振周波数が現
れる可能性がある。
【0004】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、複雑な構成によることなく、自己の共振特性に
起因してセンサ感度が著しく高くなってもその出力を十
分に減衰させることで、センサ出力について共振の影響
を抑制することが可能なセンサ装置を提供することを目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、請求項1
に記載する如く、慣性力に応じたアナログ信号を出力す
るセンサと、所定のサンプリング周波数ごとに前記セン
サによるアナログ信号をディジタル信号に変換する変換
手段と、前記変換手段から出力されるディジタル信号を
移動平均処理するディジタルフィルタと、を備えるセン
サ装置であって、前記ディジタルフィルタのタップ数
が、前記所定のサンプリング周波数と前記センサの機械
的共振周波数との関係に基づいて設定されているセンサ
装置により達成される。
【0006】本発明において、センサによる慣性力に応
じたアナログ信号を変換したディジタル信号を移動平均
処理するディジタルフィルタのタップ数は、変換手段の
サンプリング周波数とセンサの機械的共振周波数との関
係に基づいて設定されている。ディジタルフィルタにお
いては、fS/N(fS;サンプリング周波数、及び、
N;タップ数)が成立する周波数およびその整数倍の周
波数で伝達特性がゼロとなる。このため、ディジタルフ
ィルタのタップ数を適当に設定することとすれば、セン
サが共振周波数近傍で振動しても、ディジタルフィルタ
から出力される出力値は十分に小さく抑えられる。この
場合には、共振周波数近傍のセンサ感度を低下させるう
えで、複雑な素子を用いる必要はない。従って、本発明
によれば、複雑な構成によることなく、センサ出力につ
いてその共振による影響を抑制することができる。
【0007】この場合、請求項2に記載する如く、請求
項1記載のセンサ装置において、前記タップ数は、該タ
ップ数をNと、前記所定のサンプリング周波数をf
Sと、また、前記機械的共振周波数をfrとそれぞれした
場合、N=n・fS/fr(但し、n;整数)が成立する
ように設定されていれば、センサの機械的共振周波数f
rでディジタルフィルタからの出力値を十分に小さく抑
えることができる。
【0008】また、請求項3に記載する如く、請求項1
記載のセンサ装置において、前記ディジタルフィルタ
は、複数の移動平均フィルタにより構成されると共に、
各移動平均フィルタのタップ数はそれぞれ、前記所定の
サンプリング周波数と前記センサの機械的共振周波数と
の関係に基づいて互いに異なる値に設定されていれば、
ディジタルフィルタの伝達特性を周波数の広い範囲にわ
たって低く抑えることができ、量子化雑音を小さく抑え
ることができる。
【0009】尚、共振周波数はセンサごとに異なるもの
である。このため、ディジタルフィルタのタップ数がそ
のセンサの固有の機械的共振周波数に基づいて設定され
ておらず、ある固定の周波数に基づいて設定されている
ものとすると、その固定の周波数がセンサ固有の機械的
共振周波数からずれている場合には、共振周波数近傍で
センサ感度が著しく高い状態が維持され、ディジタルフ
ィルタからの出力値が十分に抑制されない事態が生ず
る。
【0010】従って、請求項4に記載する如く、請求項
1記載のセンサ装置において、前記センサの有する固有
の機械的共振周波数を記憶するメモリを備え、前記タッ
プ数は、前記メモリに記憶されている機械的共振周波数
と前記所定のサンプリング周波数との関係に基づいて設
定されることとすれば、共振周波数がセンサごとにばら
つく場合にも、ディジタルフィルタをそのセンサに対応
した固有のタップ数を有するように調整するので、ディ
ジタルフィルタからの出力値を確実に十分小さく抑える
ことができる。
【0011】これらの場合、請求項5に記載する如く、
請求項1記載のセンサ装置において、前記変換手段は、
前記センサによるアナログ信号を1ビットディジタル信
号にΔΣ変調すると共に、前記ディジタルフィルタは、
前記ΔΣ変調器から出力される1ビットディジタル信号
をマルチビットディジタル信号に変換し、復調器に出力
することとすれば、センサ出力の出力値を小さく抑える
ディジタルフィルタを復調用のディジタルフィルタとは
別途に設けることが不要となる。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施例である
車両に搭載されるセンサ装置10のシステム構成図を示
す。図1に示す如く、本実施例のセンサ装置10は、加
速度センサ12を備えている。加速度センサ12は、車
両に生ずる加速度に応じた歪みが生じ得る圧電素子を有
している。加速度センサ24は、圧電素子に生ずる歪み
を検知し、車両に生ずる加速度に応じた電気的なアナロ
グ信号を出力する。加速度センサ12には、信号処理回
路14が接続されている。信号処理回路14は、加速度
センサ12によるアナログ信号を増幅すると共に、アナ
ログフィルタとして所定周波数帯域の信号を取り出す機
能を有する。
【0013】センサ装置10は、また、信号処理回路1
4に接続するマイクロコンピュータ(以下、単にマイコ
ンと称す)16を備えている。センサ12によるアナロ
グ信号は、信号処理回路14を介してマイコン16に供
給される。マイコン16は、A/D変換部20を有して
いる。A/D変換部20は、信号処理回路14から供給
されるアナログ信号を所定のサンプリング周波数f
S(例えば、本実施例においては8kHz)ごとにオー
バサンプリングすると共に、かかるアナログ信号につい
て2次のΔΣ変調を施し、オーバサンプリングされた1
ビットディジタル信号を出力する。
【0014】マイコン16は、また、ディジタルフィル
タ22を有している。すなわち、加速度センサ12の出
力についてのディジタルフィルタ処理は、マイコン16
においてプログラムされた所定の演算式を用いて行われ
る。ディジタルフィルタ22は、縦続接続する複数段
(例えば、本実施例においては3段)の移動平均フィル
タにより構成されている。各移動平均フィルタはそれぞ
れ、シフトレジスタ、乗算器、及び加算器(何れも図示
せず)を有している。また、マイコン16は、各移動平
均フィルタのタップ数N*(*=1,2,3)をそれぞ
れ格納するメモリ24を内蔵している。各移動平均フィ
ルタは、サンプリング周波数fSごとに、A/D変換部
20からの1ビットディジタル信号について、メモリ2
4に内蔵された自己に対応するシフトレジスタのタップ
数N*分だけ移動平均処理を実行する。
【0015】具体的には、移動平均フィルタのシフトレ
ジスタは、N*個の単位レジスタにより構成されてい
る。シフトレジスタに供給されたデータは、サンプリン
グ周波数fSごとに順次隣接する単位レジスタにシフト
される。また、乗算器は、N*個の単位乗算器により構
成されている。シフトレジスタの各単位レジスタから取
り出されたデータは、乗算器の対応する単位乗算器に供
給される。乗算器は、所望の帯域制限を有するフィルタ
特性が得られるように、各単位乗算器に供給されたデー
タに対してそれぞれ所定係数を乗算する。各単位乗算器
から出力されたデータは、加算器に供給される。加算器
は、各単位乗算器から出力されたN*個のデータを全加
算する。ディジタルフィルタ22の加算器から出力され
るデータは、間引きやトリミングされた後、マイコン1
6の周辺機器へ加速度センサ12の所定サンプリング周
波数のディジタル出力として供給される。
【0016】本実施例のセンサ装置10においては、加
速度センサ12によるアナログ信号がA/D変換部20
においてΔΣ変調された後、そのディジタル信号がディ
ジタルフィルタ22において移動平均処理される。A/
D変換部20におけるΔΣ変調の次数は2次である。オ
ーバサンプリング比が例えば256である場合、2次の
ΔΣ変調においては16ビット相当のS/N比が確保さ
れる一方、1次のΔΣ変調においては10ビット相当の
S/N比しか確保されない。この点、本実施例において
は、ΔΣ変調のオーバサンプリング比を同一とした場
合、加速度センサ12の出力について1次のΔΣ変調で
は確保できない検出精度が実現される。また、上記の如
く、ディジタルフィルタ22は、3段の移動平均処理を
実行する。移動平均処理の回数が多いほど、出力につい
ての高周波の信号成分が除去される。このため、本実施
例においては、加速度センサ12によるディジタル出力
について高周波成分が確実に除去される。
【0017】更に、上記の如く、加速センサ12の出力
についてのディジタルフィルタ処理は、マイコン16に
おいて行われる。このため、本実施例においては、ディ
ジタルフィルタがハード構成される場合に比して回路の
簡素化が図られている。従って、本実施例のセンサ装置
10によれば、加速度センサ12による出力を簡素な構
成で高精度に検出することが可能となっている。
【0018】図2は、本実施例において加速度センサ1
2の有する共振特性を表した図を示す。尚、図2におい
ては、横軸に周波数fを、縦軸に加速度センサの伝達関
数dBを、それぞれ示している。上記の如く、本実施例
のセンサ装置10は、車両に生ずる加速度、すなわち、
バネ−重り系の慣性力に応じたアナログ信号を出力する
加速度センサ12を備えている。かかる構成において、
加速度センサ12は、そのバネ−重り系による機械的な
共振特性を有する。
【0019】具体的には、本実施例において、加速度セ
ンサ12の共振周波数frは、図2に示す如く略200
Hzであり、f=200Hz近傍においてセンサ感度は
他の周波数に比べて著しく高くなっている(Q=10
0)。このため、かかる加速度センサ12において共振
周波数fr近傍の振動が生ずると、センサ出力が著しく
過大となり、その結果、誤出力が生じ或いは出力のオー
バフローが生ずるおそれがある。
【0020】図3は、ディジタルフィルタ22の有する
伝達特性を表した図を示す。上記の如く、本実施例のセ
ンサ装置10は、加速度センサ12のディジタル化され
た信号を移動平均処理するディジタルフィルタ22を備
えている。ディジタルフィルタ22の各移動平均フィル
タは、サンプリング周波数fSごとに、供給された信号
について自己のタップ数N*分だけ移動平均処理を行
う。このため、各移動平均フィルタは、次式(1)を満
たす伝達関数を有し、図3に示す如く、fS/N*の周波
数およびその正の整数(n)倍の周波数(n・fS
*)が生ずる場合に伝達特性がゼロとなるゼロ点を有
することとなる。
【0021】 H(ωT)=1/N・e−j(N−1)ωT/2・sin(NωT/2)/s in(ωT/2) ・・・ (1) 但し、Tはサンプリング周期であり、また、ωは信号の
角周波数である。尚、e−j(N−1)ωT/2は位相
特性であるので、以下では考慮しない。
【0022】従って、加速度センサ12の共振周波数f
rが、ディジタルフィルタ22の伝達特性がゼロとなる
周波数近傍であれば、すなわち、ディジタルフィルタ2
2の伝達特性がゼロとなる周波数近傍に加速度センサ1
2の共振周波数frが含まれれば、加速度センサ12が
振動共振により過大な出力を出しても、ディジタルフィ
ルタ22によるフィルタ後の出力が十分に減衰される。
この点、かかる構成において、加速度センサ12の共振
周波数fr近傍におけるセンサ感度は低下するので、誤
出力が生じ或いは出力のオーバフローが生ずる事態は回
避されることとなる。
【0023】図4は、本実施例のセンサ装置10が備え
るディジタルフィルタ22の一の移動平均フィルタによ
るフィルタ後のセンサ出力の特性を表した図を示す。ま
た、図5は、本実施例のセンサ装置10が備えるディジ
タルフィルタ22によるフィルタ後のセンサ出力の特性
を表した図を示す。尚、図4及び図5には、加速度セン
サ12の共振特性およびディジタルフィルタ22の伝達
特性を共に破線で、また、フィルタ後のセンサ出力の特
性を実線で、それぞれ示している。
【0024】本実施例のセンサ装置10は、縦続接続す
る3段の移動平均フィルタにより構成されたディジタル
フィルタ22を備えている。そして、ディジタルフィル
タ22の各移動平均フィルタのうちの一(例えば*=
1)は、タップ数N1が次式(2)を満たすように構成
されている。
【0025】 N1 = fS/fr(=8k/200=40) ・・・(2 ) かかる構成においては、上記(2)式を満たすタップ数
1を有する移動平均フィルタの伝達特性が、図4に示
す如く加速度センサ12の共振周波数frを含む周波数
でゼロとなる。このため、加速度センサ12が振動共振
により過大な出力を出しても、上記した条件を満たす移
動平均フィルタによるフィルタ後の出力が十分に減衰さ
れる。従って、本実施例によれば、加速度センサ12の
共振周波数frにおけるセンサ感度を低下させることが
でき、ディジタルフィルタ22によるフィルタ後に誤出
力が生じ或いは出力のオーバフローが生ずる事態を回避
することができる。
【0026】また、本実施例のセンサ装置10におい
て、ディジタルフィルタ22の他の2つの移動平均フィ
ルタはそれぞれ、タップ数N2,N3が次式(3)又は
(4)を満たすように構成されている。すなわち、上記
(2)式を満たすタップ数N1を有する移動平均フィル
タと比べて、20%ずつ増減されたタップ数を有してい
る。
【0027】 N2 = (fS/fr)・0.8(=32) ・・・(3 ) N3 = (fS/fr)・1.2(=48) ・・・(4 ) かかる構成においては、上記(3)式を満たすタップ数
2を有する移動平均フィルタの伝達特性が、加速度セ
ンサ12の共振周波数fr近傍の高周波側の周波数(=
8k/32=250Hz)およびその整数倍の周波数で
ゼロとなり、また、上記(4)式を満たすタップ数N3
を有する移動平均フィルタの伝達特性が、加速度センサ
12の共振周波数fr近傍の低周波側の周波数(=8k
/48=167Hz)およびその整数倍の周波数でゼロ
となる。すなわち、本実施例においては、ディジタルフ
ィルタ22の伝達特性が、図5に示す如く周波数の広範
囲にわたって小さく抑制される。
【0028】このため、加速度センサ12の共振周波数
rについて現実の周波数がセンサ装置10の認識する
周波数からずれている状況下、すなわち、共振周波数f
rのバラツキが生じている状況下において、加速度セン
サ12が振動共振により過大な出力を出しても、ディジ
タルフィルタ22によるフィルタ後の出力を確実に減衰
させることが可能となる。従って、本実施例によれば、
加速度センサ12の共振周波数fr近傍におけるセンサ
感度の低下を確実に確保することができる。
【0029】また、ディジタルフィルタ22の伝達特性
が周波数の広範囲にわたって小さく抑制される場合に
は、量子化雑音が小さくなる。このため、本実施例のセ
ンサ装置10においては、センサ出力の検出精度が0.
5〜1.0ビット分程度だけ向上する。
【0030】尚、本実施例のセンサ装置10において、
ディジタルフィルタ22の各移動平均フィルタは、マイ
コン16内のメモリ24に格納されたタップ数N*に従
って移動平均処理を行うが、このメモリ24には、出力
の移動平均処理が行われる加速度センサ12ごとに共振
特性が測定された後、その測定結果に係る自己の加速度
センサ12に対応する共振周波数frに応じたタップ数
*が書き込まれる。すなわち、メモリ24に書き込ま
れるタップ数N*は自己の加速度センサ12の共振周波
数frに応じて変更される。かかる構成によれば、セン
サごとに共振周波数のバラツキが生ずる状況下、加速度
センサ12が振動共振により過大な出力を出しても、デ
ィジタルフィルタ22によるフィルタ後の出力が確実に
減衰される。従って、本実施例によれば、共振周波数が
センサごとにばらつく場合にもディジタルフィルタ22
のタップ数を適切に調整するので、加速度センサ12の
共振周波数fr近傍におけるセンサ感度の低下を確実に
確保することができる。
【0031】また、本実施例において、加速度センサ1
2の共振周波数fr近傍におけるセンサ感度の低下は、
マイコン16の有するディジタルフィルタ22の機能に
より実現される。この場合には、センサ感度の低下を実
現させるための機械的なダンパやアナログフィルタは不
要であり、部品点数の増大等の不都合は生じない。一
方、加速度センサ12に必要とされる周波数帯域は、4
0Hz近傍である。本実施例において、図5に示す如
く、かかる40Hz近傍でのディジタルフィルタ22の
伝達特性は過度に抑制されておらず、センサ出力の減衰
は十分に小さい。このため、本実施例においては、セン
サ出力が検出されない事態を回避することができ、確実
にその検出を行うことが可能である。
【0032】このように、本実施例のセンサ装置10に
おいては、加速度センサ12の信号周波数帯域において
確実にその信号の検出を行いつつ、簡素な構成で加速度
センサ12の共振周波数fr近傍におけるセンサ感度を
確実にかつ十分に低下させることができる。従って、本
実施例のセンサ装置10によれば、複雑な構成によるこ
となく、センサ出力についてそのセンサ12の振動共振
に起因する影響を小さく抑制することが可能となってい
る。
【0033】また、本実施例においては、加速度センサ
12によるアナログ信号が、A/D変換部20において
1ビットディジタル信号にΔΣ変調され、そのΔΣ変調
後の1ビットディジタル信号がディジタルフィルタ22
において移動平均処理される。一般に、ΔΣ変調後の1
ビットディジタル信号は、移動平均処理される。この
点、本実施例において、ディジタルフィルタ22は、加
速度センサ12の共振周波数fr近傍におけるセンサ感
度を低下させつつ、通常どおりΔΣ変調後の1ビットデ
ィジタル信号について移動平均処理を実行する。従っ
て、本実施例のセンサ装置10によれば、ディジタルフ
ィルタ22が1ビットディジタル信号の復調とセンサ感
度の低下とを兼用して実現するので、復調用のディジタ
ルフィルタとは別途にセンサ感度低下用の新たなディジ
タルフィルタを追加して設けることが不要であり、簡素
な構成を実現することが可能となっている。
【0034】尚、上記の実施例においては、加速度セン
サ12が特許請求の範囲に記載した「センサ」に、A/
D変換部20が特許請求の範囲に記載した「変換手段」
に、それぞれ相当している。
【0035】ところで、上記の実施例においては、ディ
ジタルフィルタ22が3段の移動平均フィルタを有し、
一の移動平均フィルタがその伝達特性が加速度センサ1
2の共振周波数frを含む周波数でゼロとなるタップ数
1を有し、また、他の2つの移動平均フィルタがその
タップ数N1から20%ずつ増減されたタップ数N2,N3
を有しているが、他の2つの移動平均フィルタのタップ
数N2, N3をタップ数N 1から10%ずつ増減された値
にすること、或いは、タップ数N2とN3とをそれぞれ異
なる量ずつタップ数N1から増加または減少された値に
することとしてもよい。
【0036】また、上記の実施例においては、一の移動
平均フィルタのタップ数N1を上記(2)式が満たされ
るように、具体的には、fS/fr(=8k/200=4
0)となるように設定することとしているが、その正の
整数倍n・fS/fr(=40n)となるように設定する
こととしてもよい。かかる構成においても、その移動平
均フィルタの伝達特性が加速度センサ12の共振周波数
rを含む周波数でゼロとなるので、加速度センサ12
が振動共振により過大な出力を出しても、加速度センサ
12の共振周波数fr近傍におけるセンサ感度の低下が
確実に確保されることとなる。
【0037】また、上記の実施例においては、センサ装
置10が車両に生ずる加速度に応じた信号を出力する加
速度センサ12を備えるが、一定周期の振動を生ずる圧
電振動子を有する振動ジャイロにより構成され、車両重
心を通る鉛直軸回りに生ずる回転角速度に応じた電気的
なアナログ信号を出力するヨーレートセンサ(角速度セ
ンサ)等、バネ−重り系の慣性力に応じたアナログ信号
を出力するセンサを備えることとすればよい。
【0038】また、上記の実施例においては、センサ装
置10が単一のセンサ12からのアナログ信号をディジ
タル処理する構成であるが、複数の慣性センサからのア
ナログ信号をディジタル処理する構成に適用することも
可能である。かかる構成においては、各センサに対応す
る移動平均フィルタのタップ数がそれぞれ、対応のセン
サの共振周波数に従って設定されることとなる。
【0039】また、上記の実施例においては、A/D変
換器として2次のΔΣ変調器を用いているが、本発明は
これに限定されるものではなく、1次や3次以上のΔΣ
変調器を用いることとしてもよい。
【0040】更に、上記の実施例においては、ディジタ
ルフィルタ22がメモリ24に格納されたタップ数N*
に従って移動平均処理を行うこととしているが、加速度
センサ12が温度特性を有し、その共振特性が温度や温
度変化等に応じて変動する場合には、各移動平均フィル
タのタップ数N*がそれぞれ温度特性に従ってトリミン
グされるようにセンサ装置10を構成することとしても
よい。かかる構成においては、ディジタルフィルタ22
の伝達特性が加速度センサ12の温度特性に応じた共振
周波数でゼロとなるので、温度等が変動する状況下にお
いて、加速度センサ12が振動共振により過大な出力を
出しても、加速度センサ12の共振周波数fr近傍にお
けるセンサ感度の低下が確実に確保されることとなる。
【発明の効果】上述の如く、請求項1及び2記載の発明
によれば、複雑な構成によることなく、自己の共振特性
に起因してセンサ感度が著しく高くなる場合にもその出
力を十分に減衰させることができ、センサ出力について
共振の影響を抑制することができる。
【0041】請求項3記載の発明によれば、ディジタル
フィルタの伝達特性を周波数の広い範囲にわたって低く
抑えることで、センサ感度が著しく高くなる場合にもそ
の出力を確実に減衰させることができる。
【0042】請求項4記載の発明によれば、共振周波数
がセンサごとにばらつく場合にも、ディジタルフィルタ
をセンサ固有の共振周波数に対応したタップ数を有する
ように調整するので、センサ出力を確実に減衰させるこ
とができる。
【0043】また、請求項5記載の発明によれば、セン
サ出力の出力値を小さく抑えるディジタルフィルタを復
調用のディジタルフィルタとは別途に設けるのを不要と
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である車両に搭載されるセン
サ装置のシステム構成図である。
【図2】センサの有する共振特性の一例を表した図であ
る。
【図3】ディジタルフィルタの有する伝達特性を表した
図である。
【図4】本実施例の一の移動平均フィルタによるフィル
タ後のセンサ出力の特性を表した図である。
【図5】本実施例のセンサ装置によるフィルタ後のセン
サ出力の特性を表した図である。
【符号の説明】
10 センサ装置 12 加速度センサ 16 マイクロコンピュータ 20 A/D変換部 22 ディジタルフィルタ 24 メモリ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 慣性力に応じたアナログ信号を出力する
    センサと、所定のサンプリング周波数ごとに前記センサ
    によるアナログ信号をディジタル信号に変換する変換手
    段と、前記変換手段から出力されるディジタル信号を移
    動平均処理するディジタルフィルタと、を備えるセンサ
    装置であって、 前記ディジタルフィルタのタップ数が、前記所定のサン
    プリング周波数と前記センサの機械的共振周波数との関
    係に基づいて設定されていることを特徴とするセンサ装
    置。
  2. 【請求項2】 前記タップ数は、該タップ数をNと、前
    記所定のサンプリング周波数をfSと、また、前記機械
    的共振周波数をfrとそれぞれした場合、N=n・fS
    r(但し、n;整数)が成立するように設定されてい
    ることを特徴とする請求項1記載のセンサ装置。
  3. 【請求項3】 前記ディジタルフィルタは、複数の移動
    平均フィルタにより構成されると共に、 各移動平均フィルタのタップ数はそれぞれ、前記所定の
    サンプリング周波数と前記センサの機械的共振周波数と
    の関係に基づいて互いに異なる値に設定されていること
    を特徴とする請求項1記載のセンサ装置。
  4. 【請求項4】 前記センサの有する固有の機械的共振周
    波数を記憶するメモリを備え、 前記タップ数は、前記メモリに記憶されている機械的共
    振周波数と前記所定のサンプリング周波数との関係に基
    づいて設定されることを特徴とする請求項1記載のセン
    サ装置。
  5. 【請求項5】 前記変換手段は、前記センサによるアナ
    ログ信号を1ビットディジタル信号にΔΣ変調すると共
    に、 前記ディジタルフィルタは、前記ΔΣ変調器から出力さ
    れる1ビットディジタル信号をマルチビットディジタル
    信号に変換し、復調器に出力することを特徴とする請求
    項1記載のセンサ装置。
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