JP6764549B1 - 車高調整装置、鞍乗型車両 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、特許文献1に記載されたフロントフォーク、リヤサスペンション、制御装置は、自動二輪車の車高を調整する車高調整装置の一例である。そして、特許文献1に記載された車高調整装置においては、ストロークセンサにて例示される後輪側長さ変動量検出部にて検出されるリヤサスペンション全体の長さの変動量を用いて車高を調整する。
本発明は、応答速度が互いに異なる複数のセンサを用いる場合であってもセンサの検出精度を高めることができる処理装置等を提供することを目的とする。
本開示の1つの態様は、懸架装置のストローク量を検出するストロークセンサである第1センサとは応答速度が異なる、車両本体の加速度を検出する加速度センサ及び前記車両本体の角速度を検出する角速度センサの少なくともいずれかである第2センサの出力値を用いて定めたタイミングにて、前記第1センサの検出値を用いた値を抽出する際に、フィルタを使って、前記第1センサの応答速度を前記第2センサの応答速度に近づける処理を行う処理装置と、前記車両本体の高さを調整する調整部と、を備え、前記タイミングが、車速が所定車速以上であり、かつ、前記加速度センサが検出した加速度の絶対値が予め定められた所定加速度以下であり、かつ、前記角速度センサが検出した角速度の絶対値が予め定められた所定角速度以下である場合、または、車速が所定車速以上であり、かつ、前記加速度センサが検出した加速度の絶対値が予め定められた所定加速度以下である場合、または、車速が所定車速以上であり、かつ、前記角速度センサが検出した角速度の絶対値が予め定められた所定角速度以下である場合である、車高調整装置である。
ここで、前記第1センサの検出値を用いた複数の値の中から抽出された値を抽出値とするとき、複数の前記抽出値の平均値と目標量との偏差の絶対値が予め定められた基準値以上である場合に、前記平均値を前記目標量に近づける制御を行っても良い。
また、前記平均値を連続的に演算し、前記平均値と前記目標量との偏差の絶対値が連続して前記基準値以上である場合に、前記平均値を前記目標量に近づける制御を行っても良い。
また、前記平均値を複数回演算し、前記平均値と前記目標量との偏差の絶対値が、予め定められた期間内に複数回に亘って基準値以上となった場合に、前記平均値を前記目標量に近づける制御を行っても良い。
また、前記調整部は、前記懸架装置に設けられて、スプリングの長さを調整するジャッキ部と、前記ジャッキ部のジャッキ室にオイルを供給する供給装置と、前記スプリングの前記車両本体側の端部を支持する支持部材の移動量を検出する移動量センサとを備え、前記ジャッキ部は、前記支持部材と、前記支持部材とともに前記ジャッキ室を形成する形成部材とを有して、前記ジャッキ室内のオイルの量に応じて前記支持部材が移動することで、前記スプリングの長さを調整し、前記供給装置は、円筒状のシリンダと、前記シリンダ内を摺動する円柱状のピストンと、前記シリンダにおける一方側の端部を塞ぐ円盤状の蓋部と、を備え、前記シリンダ、前記ピストン、及び、前記蓋部にて囲まれる空間に、オイルを貯留する貯留室が形成され、前記調整部においては、前記供給装置のモータが一方の方向に回転することにより、前記ピストンが前記貯留室からオイルを排出し、これにより、前記ジャッキ室内にオイルが供給され、前記支持部材が車輪側に移動し、前記平均値を前記目標量に近づける前記制御は、前記平均値を用いて前記支持部材の移動量を補正することにより、前記支持部材の移動量の目標値と、前記移動量センサの出力値を用いて把握した検出値とが一致するように、前記ピストンを移動させる制御であっても良い。
本開示の他の態様は、上記した態様に係る車高調整装置を備える、鞍乗型車両である。
図1は、第1の実施形態に係る自動二輪車1の概略構成の一例を示す図である。
図2は、減衰装置23dの概略構成の一例を示す図である。
図3は、車高調整装置150の概略構成の一例を示す図である。
鞍乗型車両の一例としての自動二輪車1は、前側の車輪である前輪2と、後側の車輪である後輪3と、前輪2の回転速度を検出する車輪速センサ4と、後輪3の回転速度を検出する車輪速センサ5と、を備えている。
また、自動二輪車1は、自動二輪車1の骨格をなす車体フレーム11と、ハンドル12と、ブレーキレバー13と、シート14とを有する車両本体の一例としての車両本体10を備えている。
なお、以下の説明において、前輪2と後輪3とをまとめて「車輪」と称し、車両本体10を「車体」と称する場合もある。また、車輪速センサ4と車輪速センサ5とをまとめて「車輪速センサ6」と称する場合もある。
なお、以下の説明において、フロントフォーク21とリヤサスペンション22とをまとめて「懸架装置23」と称する場合もある。また、懸架スプリング21sと懸架スプリング22sとをまとめて「スプリング23s」と称する場合もある。また、減衰装置21dと減衰装置22dとをまとめて「減衰装置23d」と称する場合もある。
また、自動二輪車1は、車両本体10における、前後方向、左右方向、及び、上下方向の各方向の加速度を検出する加速度センサ28を有している。
また、自動二輪車1は、車両本体10の重心を通る、ピッチ軸、ロール軸、及び、ヨー軸の各軸周りの角速度を検出する角速度センサ29を有している。
また、自動二輪車1は、減衰装置23dの減衰力や、スプリング23sの初期荷重を制御する処理装置100(以下において、処理装置100を「制御装置100」と称することがある。)を備えている。
減衰装置23dは、図2に示すように、シリンダ23c内にピストン23pが収容されていることにより、シリンダ23c内に、懸架装置23の圧縮時に圧力が高まる油室23fと、伸長時に圧力が高まる油室23sと、を有している。
また、減衰装置23dは、第3分岐路53に設けられ、第2油路32から第3油路33へと向かうオイルの移動を許容し、第3油路33から第2油路32へと向かうオイルの移動を禁止する第3チェック弁63を有している。また、減衰装置23dは、第4分岐路54に設けられ、第3油路33から第2油路32へと向かうオイルの移動を許容し、第2油路32から第3油路33へと向かうオイルの移動を禁止する第4チェック弁64を有している。
また、減衰装置23dは、オイルを貯留するとともにオイルを給排する機能を有するリザーバ室23rと、リザーバ室23rと第3油路33の他方の端部とを接続するリザーバ通路34と、を有している。
調整部70は、懸架装置23に設けられて、スプリング23sの長さを調整するジャッキ部80と、ジャッキ部80のジャッキ室82にオイルを供給する供給装置90と、を備えている。
ジャッキ部80は、図3に示すように、スプリング23sの車体側の端部を支持する支持部材81と、支持部材81とともにジャッキ室82を形成する形成部材83とを有して、ジャッキ室82内のオイルの量に応じて支持部材81が移動することで、スプリング23sの長さを調整する。支持部材81、ジャッキ室82、形成部材83は、それぞれ、特許文献1に記載されたリヤサスペンション又はフロントフォークの支持部材、ジャッキ室、油圧ジャッキにて実現されることを例示することができる。
モータ96は、ブラシ付きの直流(DC)モータであることを例示することができる。モータ96の駆動は、制御装置100によって制御される。減速部97は、図3に示すように、モータ96の出力軸に装着された駆動ギア97dと、ねじ部材95に装着された受動ギア97rと、駆動ギア97dと噛み合う第1中間ギア97mと受動ギア97rと噛み合う第2中間ギア97nとを有するギアユニット97uと、を備えている。
また、供給装置90は、貯留室94と、ジャッキ部80のジャッキ室82との間に設けられて、貯留室94とジャッキ室82との間でオイルを流通させるホース98を備えている。
図4は、制御装置100のブロック図の一例を示す図である。
制御装置100は、CPUと、CPUにて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROMと、CPUの作業用メモリ等として用いられるRAMと、不揮発性メモリであるEEPROMと、を備えている。
制御装置100には、上述した車輪速センサ6、ストロークセンサ25、加速度センサ28、角速度センサ29、及び、移動量センサ84等からの出力信号が入力される。
また、制御部110は、制御弁40のソレノイドに供給する目標電流Itsを設定するとともに、ソレノイドに供給される電流が目標電流Itsとなるように制御する設定部112を備えている。設定部112は、例えば電源の正極側ラインと、制御弁40のソレノイドのコイルとの間に接続された、スイッチング素子としてのトランジスタ(Field Effect Transistor:FET)を備えている。そして、設定部112は、制御弁40へ供給される電流が、目標電流Itsとなるように、トランジスタをスイッチング動作させる。
駆動部124は、例えば、電源の正極側ラインとモータ96のコイルとの間に接続された、スイッチング素子としてのトランジスタ(FET)を有している。そして、駆動部124は、このトランジスタのゲートを駆動してこのトランジスタをスイッチング動作させることにより、モータ96の駆動を制御する。
設定部123は、貯留室94からオイルを排出させる方向にピストン92を移動させる場合には、目標電流Itmを、予め定められた上昇値に設定する。他方、設定部123は、ジャッキ室82からオイルを排出させる方向にピストン92を移動させる場合には、目標電流Itmを、予め定められた下降値に設定する。なお、貯留室94からオイルを排出させるべくピストン92を移動させるようにモータ96を回転させる方向の電流をプラス、ジャッキ室82からオイルを排出させるべくピストン92を移動させるようにモータ96を回転させる方向の電流をマイナスとした場合に、上昇値は8A、下降値は−8Aであることを例示することができる。
以上が、設定部123が行う基本制御であるが、例えば、二人乗りの場合や、自動二輪車1に荷物を積載する場合等に、支持部材81の移動量が目標値Ltであるにもかかわらず、懸架装置23が目標長さとならず、車高が目標高さにならない場合がある。そのため、制御部120は、懸架装置23が目標長さであるか否かを判断し、目標長さではない場合には、目標長さとするべく、支持部材81の移動量を補正する補正制御を行う。より具体的には、制御部120は、支持部材81の移動量が目標値Ltとなった後に、通常走行時の懸架装置23の長さが目標長さであるか否かを判断し、目標長さではない場合には支持部材81の移動量の補正を行う。
設定部123は、この処理を、例えば予め定めた期間(例えば1ミリ秒)毎に繰り返し実行する。
設定部123は、先ず、減算値ΔL(=Lt−La)が0であるか否かを判断する(S601)。減算値ΔLが0ではない場合(S601でNo)、設定部123は、車高の調整が完了した旨のフラグを、RAMに設けられた所定のフラグ記録領域においてOFFにし(S602)、減算値ΔLが0より大きいか否かを判断する(S603)。そして、減算値ΔLが0より大きい場合(S603でYes)、設定部123は、貯留室94からオイルを排出させる方向にピストン92を移動させるべく、目標電流Itmを上昇値に設定する(S604)。他方、減算値ΔLが0より小さい場合(S603でNo)、設定部123は、ジャッキ室82からオイルを排出させる方向にピストン92を移動させるべく、目標電流Itmを下降値に設定する(S605)。
制御部120は、この処理を、例えば予め定めた期間(例えば1ミリ秒)毎に繰り返し実行する。
制御部120は、先ず、フラグがONであるか否かを判断する(S801)。そして、フラグがONである場合(S801でYes)、制御部120は、所定条件が成立したか否かを判断する(S802)。所定条件が成立した場合(S802でYes)、フィルタ141の出力値を抽出するとともに、RAMに記憶する(S803)。そして、カウント値nを1加算する(S804)。S801、S802、S803、及び、S804の処理は、抽出部142が行う処理である。所定条件が成立していない場合(S802でNo)、制御部120は、S801以降の処理を行う。
なお、所定条件は、上述した条件に限定されない。例えば、所定条件は、車速Vcが所定車速以上であり、かつ、加速度センサ28が検出した加速度の絶対値が所定加速度以下である場合であっても良い。また、車速Vcが所定車速以上であり、かつ、角速度センサ29が検出した角速度の絶対値が所定角速度以下である場合であっても良い。
図8は、制御部120が行う、第2の実施形態に係る補正処理の手順の一例を示すフローチャートである。
第2の実施形態に係る補正処理は、第1の実施形態に係る補正処理に対して、支持部材81の移動量を補正するために、目標電流Itmを、上昇値、又は、下降値に設定するタイミングが異なる。以下、第1の実施形態と異なる点について説明する。第1の実施形態と第2の実施形態とで、同じ処理については同じ符号を用い、その詳細な説明は省略する。
なお、上記実施形態においては、減算量の絶対値が連続した場合、つまり、2回続いた場合(m=2の場合)に、抽出値の平均値を目標値に近づける処理を行うが、連続する回数は2回に限定されない。3以上の回数であっても良い。回数が多いほど、車高の高さを目標高さに精度高く調整することが可能となる。
図9は、制御部120が行う、第3の実施形態に係る補正処理の手順の一例を示すフローチャートである。
第3の実施形態に係る補正処理は、第1の実施形態に係る補正処理に対して、支持部材81の移動量を補正するために、目標電流Itmを、上昇値、又は、下降値に設定するタイミングが異なる。以下、第1の実施形態と異なる点について説明する。第1の実施形態と第2の実施形態とで、同じ処理については同じ符号を用い、その詳細な説明は省略する。
Claims (6)
- 懸架装置のストローク量を検出するストロークセンサである第1センサとは応答速度が異なる、車両本体の加速度を検出する加速度センサ及び前記車両本体の角速度を検出する角速度センサの少なくともいずれかである第2センサの出力値を用いて定めたタイミングにて、前記第1センサの検出値を用いた値を抽出する際に、フィルタを使って、前記第1センサの応答速度を前記第2センサの応答速度に近づける処理を行う処理装置と、前記車両本体の高さを調整する調整部と、を備え、
前記タイミングが、
車速が所定車速以上であり、かつ、前記加速度センサが検出した加速度の絶対値が予め定められた所定加速度以下であり、かつ、前記角速度センサが検出した角速度の絶対値が予め定められた所定角速度以下である場合、または、
車速が所定車速以上であり、かつ、前記加速度センサが検出した加速度の絶対値が予め定められた所定加速度以下である場合、または、
車速が所定車速以上であり、かつ、前記角速度センサが検出した角速度の絶対値が予め定められた所定角速度以下である場合である、車高調整装置。 - 前記第1センサの検出値を用いた複数の値の中から抽出された値を抽出値とするとき、複数の前記抽出値の平均値と目標量との偏差の絶対値が予め定められた基準値以上である場合に、前記平均値を前記目標量に近づける制御を行う、
請求項1に記載の車高調整装置。 - 前記平均値を連続的に演算し、前記平均値と前記目標量との偏差の絶対値が連続して前記基準値以上である場合に、前記平均値を前記目標量に近づける制御を行う、
請求項2に記載の車高調整装置。 - 前記平均値を複数回演算し、前記平均値と前記目標量との偏差の絶対値が、予め定められた期間内に複数回に亘って基準値以上となった場合に、前記平均値を前記目標量に近づける制御を行う、
請求項2に記載の車高調整装置。 - 前記調整部は、前記懸架装置に設けられて、スプリングの長さを調整するジャッキ部と、前記ジャッキ部のジャッキ室にオイルを供給する供給装置と、前記スプリングの前記車両本体側の端部を支持する支持部材の移動量を検出する移動量センサとを備え、
前記ジャッキ部は、前記支持部材と、前記支持部材とともに前記ジャッキ室を形成する形成部材とを有して、前記ジャッキ室内のオイルの量に応じて前記支持部材が移動することで、前記スプリングの長さを調整し、
前記供給装置は、円筒状のシリンダと、前記シリンダ内を摺動する円柱状のピストンと、前記シリンダにおける一方側の端部を塞ぐ円盤状の蓋部と、を備え、前記シリンダ、前記ピストン、及び、前記蓋部にて囲まれる空間に、オイルを貯留する貯留室が形成され、
前記調整部においては、前記供給装置のモータが一方の方向に回転することにより、前記ピストンが前記貯留室からオイルを排出し、これにより、前記ジャッキ室内にオイルが供給され、前記支持部材が車輪側に移動し、
前記平均値を前記目標量に近づける前記制御は、前記平均値を用いて前記支持部材の移動量を補正することにより、前記支持部材の移動量の目標値と、前記移動量センサの出力値を用いて把握した検出値とが一致するように、前記ピストンを移動させる制御である、請求項2〜4のいずれか1項に記載の車高調整装置。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の車高調整装置を備える、
鞍乗型車両。
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