JP4134797B2 - ノッキング検出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関のノッキングを検出する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、内燃機関のノッキング検出装置として、ノックセンサ信号(ノックセンサの信号)を一定のサンプリング間隔毎にA/D変換すると共に、そのA/D変換された時系列のデータを、通過域が異なる複数のデジタルフィルタに供給し、その各デジタルフィルタの出力結果を用いてノッキングの有無を判定するものがあり、特に、複数のデジタルフィルタとして、ノック発生時にピークを持つ周波数の信号(いわゆるノック信号)を通過させるものと、ノイズ発生時にピークを持つ周波数の信号(つまり、ノック信号以外のノイズ信号)を通過させるものとを設けたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、ノックセンサの振動信号波形からノック信号を抽出するフィルタの帯域幅(Q値)は、10dB以下と、あまり高くしないことが望ましいと考えられている(例えば、特許文献2参照)。また更に、ノッキング振動の周波数は、エンジンの運転状態によって変化することが知られている(例えば、特許文献3参照)。また、ノックセンサ信号において、ノッキングを表す信号成分のスペクトル強度は、ノイズ成分のスペクトル強度よりも大きいことが知られている(例えば、特許文献4参照)。一方、デジタルフィルタとしては、FIRフィルタとIIRフィルタとがあり、また、IIRフィルタとしては、バターワース特性やチェビシェフ特性などのフィルタが知られている(例えば、非特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−293314号公報(第2−3頁、図5)
【特許文献2】
特開2001−164982号公報(第2−3頁)
【特許文献3】
特開平5−26721号公報(第2、5頁)
【特許文献4】
特開平7−109949号公報(図16〜図18)
【非特許文献1】
尾知 博 著,「TECHI Vol.9 シミュレーションで学ぶディジタル信号処理」,CQ出版社,2001年7月1日発行,p.93
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記特許文献1のように、複数のフィルタの出力結果を用いてノッキング判定(ノッキングの有無の判定)を行う場合には、以下の問題がある。
まず、図13と図14とのそれぞれは、ノッキング判定に用いられる5つのフィルタfilt1〜filt5のフィルタ特性(縦軸=ゲイン,横軸=周波数)の一例を示している。尚、図13及び図14において、各フィルタfilt1〜filt5のフィルタ特性は一点鎖線で示されており、実線で示されているノックセンサ信号は、上記特許文献4の図16に記載されているノック発生時の信号の横軸を対数化したものである。よって、その実線のノックセンサ信号については、縦軸がスペクトル強度である。また、この図13及び図14は、フィルタfilt1〜filt5を、2次のローパスフィルタと2次のハイパスフィルタとを組み合わせた4次のバンドパスフィルタとした場合のものである。
【0006】
そして、5つのフィルタfilt1〜filt5のうち、3つのフィルタfilt1〜filt3の各通過域は、ノッキングの発生を顕著に表すノックセンサ信号の特定の各周波数(この例では、7kHzと、7kHzの1.5次高調波相当の12kHzと、7kHzの2次高調波相当の15.5kHz)をそれぞれ含む周波数帯に設定されている。つまり、フィルタfilt1〜filt3の各通過域は、7kHzと、12kHzと、15.5kHzとの3つの各ノック周波数をそれぞれ中心周波数とした所定幅の周波数帯に設定されている。尚、以下では、これらのフィルタfilt1〜filt3を、ノック信号用フィルタという。
【0007】
また、他の2つのフィルタfilt4,filt5の各通過域は、上記3つのノック周波数を含まない周波数帯であって、ノックセンサ信号中のノイズと見なされる各周波数(この例では、3kHzと、3kHzの1.5次高調波相当の4.5kHz)をそれぞれ含む周波数帯に設定されている。つまり、フィルタfilt4,filt5の各通過域は、3kHzと、4.5kHzとをそれぞれ中心周波数とした所定幅の周波数帯に設定されている。尚、以下では、これらのフィルタfilt4,filt5を、ノイズ用フィルタという。
【0008】
ここで、図13に例示するように、フィルタfilt1〜filt5のQ値を低く設定(この例では、Q=10dBに設定)した場合には、ノッキング発生時の信号が、ノイズ用フィルタfilt5に影響を及ぼしてしまう。つまり、フィルタfilt5(中心周波数fo=4.5kHz)は、ノック周波数である7kHz点においても減衰率が少なく、またノック信号の強度はノイズの強度よりも大きいため、7kHzのノック信号の有無が、そのノイズ用フィルタfilt5に影響を与えてしまう。
【0009】
よって、図13のように、ノック信号用フィルタfilt1〜filt3及びノイズ用フィルタfilt4,filt5共に、Q値を低く設定した場合には、ノッキングが発生した際にノイズ用フィルタも応答してしまい、S/N比が向上しないため、ノッキングの有無を正しく判定することができなくなる。
【0010】
また、図14に例示するように、ノック信号用フィルタfilt1〜filt3及びノイズ用フィルタfilt4,filt5共に、Q値を高く設定(この例では、Q=25dBに設定)した場合には、エンジンの運転状態や経年変化等によってノック信号の周波数(ノック周波数)がずれると、正確なノッキング判定を行うことができなくなる。ノック周波数が少しずれただけでも、フィルタ(特にfilt1〜filt3)のゲインが大きく異なってしまうからである。
【0011】
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、正確なノッキング判定が可能なノッキング検出装置を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上記目的を達成するためになされた請求項1に記載のノッキング検出装置には、ノックセンサ信号から、それぞれ異なる周波数帯の信号成分を抽出する複数のフィルタ手段が備えられており、その複数のフィルタ手段は、通過域が、ノッキングの発生を表すノックセンサ信号の特定の周波数(ノック周波数)を含む周波数帯に設定された第1種フィルタ手段(上記ノック信号用フィルタに相当)と、通過域が、ノック周波数を含まない周波数帯に設定された第2種フィルタ手段(上記ノイズ用フィルタに相当)とからなっている。そして、このノッキング検出装置では、ノック判定手段が、第1種フィルタ手段の出力結果と第2種フィルタ手段の出力結果との比からノッキングの有無を判定する。
【0013】
ここで特に、請求項1のノッキング検出装置では、第2種フィルタ手段の遮断周波数(ゲインが−3dB減衰した周波数)におけるフィルタ特性の傾きが、第1種フィルタ手段の遮断周波数におけるフィルタ特性の傾きよりも急峻になっている。
【0014】
このため、図13を用いて説明した問題と、図14を用いて説明した問題とを解決することができる。
つまり、第2種フィルタ手段の特性は、第1種フィルタ手段の特性と比べて、通過域から阻止域へとゲインが急峻に減衰するものとなり(換言すれば、通過域から阻止域への減衰域の傾斜が急峻となり)、ノック周波数においてゲインが十分に減衰したものにすることができる。よって、ノッキング発生時において、ノック周波数の信号(ノック信号)が、その第2種フィルタ手段に影響を与えてしまうこと(換言すれば、ノッキングが発生した際に第2種フィルタ手段も応答してしまうこと)を防止することができる。
【0015】
また、第1種フィルタ手段の特性は、第2種フィルタ手段の特性と比べて、通過域から阻止域へとゲインが緩やかに減衰するものとなり、エンジンの運転状態や経年変化等によってノック信号の周波数(ノック周波数)が多少ずれても、そのノック信号に反応可能なものにすることができる。よって、ノック信号の周波数が多少ずれても、第1種フィルタ手段はそのノック信号に十分反応できるようになる。
【0016】
以上のことから、本ノッキング検出装置によれば、ノッキングの検出精度を向上させることができる。
尚、フィルタ手段は、抵抗やコンデンサ等からなるアナログフィルタであっても良いし、また、請求項2に記載の如く、ノックセンサ信号を一定のサンプリング間隔毎にA/D変換して得られたデータに対してデジタルフィルタ処理を行うデジタルフィルタであっても良い。
【0017】
一方、遮断周波数におけるフィルタ特性の傾きを第1種フィルタ手段よりも第2種フィルタ手段の方が急峻となるようにするには、例えば請求項3に記載の如く、第2種フィルタ手段のフィルタ次数を第1種フィルタ手段のフィルタ次数よりも高くすれば良い。つまり、図1(a)に示すように、Q値が同じ場合、フィルタ次数が高いほど、遮断周波数におけるフィルタ特性が急峻になるからである。尚、図1(a)において、f0は中心周波数であり、Bは通過域(帯域幅)である。
【0018】
そして、このようにすれば、第1種フィルタ手段を少ない次数で構成することができ、アナログフィルタであれば回路構成が簡単になり、デジタルフィルタであればフィルタ処理が簡単になる、という点で有利である。
その上、第1種フィルタ手段は、フィルタ次数が低いため、ノック信号のピークが出た時の応答が早くなり、第2種フィルタ手段は、フィルタ次数が高いため、レベルの大きなノック信号が発生したときでも、そのノック信号の影響を受けずにバックグランドレベル(ノイズ信号)を検出することができる。よって、ノック信号のピークが出た時のS/N比(即ち、第1種フィルタ手段の出力と第2種フィルタ手段の出力との比)を一層大きくすることができ、そのS/N比からノッキングを検出するような場合に有利である。
【0019】
また、遮断周波数におけるフィルタ特性の傾きを第1種フィルタ手段よりも第2種フィルタ手段の方が急峻となるようにするには、例えば請求項4に記載の如く、第2種フィルタ手段のQ値を第1種フィルタ手段のQ値よりも高くするようにしても良い。つまり、図1(b)に示すように、フィルタ次数が同じ場合、Q値が高いほど、遮断周波数におけるフィルタ特性が急峻になるからである。
【0020】
そして、この場合、第1種フィルタ手段のQ値は、ノック信号を検出するのに最適な値に設定し、第2種フィルタ手段のQ値は、その第1種フィルタ手段のQ値よりも高くして、遮断周波数におけるフィルタ特性の傾きを急峻にすれば良い。
【0021】
一方、複数のフィルタ手段として、デジタルフィルタの1つであるIIRフィルタを用いる場合には、請求項5に記載のように、第2種フィルタ手段を、チェビシェフ特性、逆チェビシェフ特性、及び連立チェビシェフ特性のうちの何れかのフィルタとし、第1種フィルタ手段を、バターワース特性のフィルタとすれば、下記の点で有利である。尚、バターワース特性、チェビシェフ特性、逆チェビシェフ特性、及び連立チェビシェフ特性のそれぞれ自体は周知であるが、念のため図2に示しておく。また、連立チェビシェフ特性は楕円とも呼ばれている。
【0022】
即ち、同じ次数でIIRフィルタを構成する場合、バターワース特性よりも、チェビシェフ特性、逆チェビシェフ特性、及び連立チェビシェフ特性の方が、阻止域の減衰量を大きくすることができ、遮断周波数におけるフィルタ特性の傾きを急峻にすることができる。よって、バターワース特性よりも、チェビシェフ特性、逆チェビシェフ特性、及び連立チェビシェフ特性の方が、小さい次数で急峻な減衰特性(通過域から阻止域への減衰域の傾斜)を得ることができ、第2種フィルタ手段に向いている。また、バターワース特性は、通過域のゲインがフラットであるため、ノック信号を精度良く検知するための第1種フィルタ手段に向いている。よって、請求項5のようにすれば、第1種フィルタ手段及び第2種フィルタ手段のフィルタ次数を小さく抑えながら、第2種フィルタ手段については遮断周波数におけるフィルタ特性の傾きを急峻にすることができ、また、第1種フィルタ手段については通過域のフラットな特性を確保することができる。特に、デジタルフィルタの場合、次数が小さくて済めば、そのフィルタ処理の負荷が軽減されるため非常に有利である。
【0023】
また、複数のフィルタ手段としてIIRフィルタを用いる場合には、請求項6に記載のように、第2種フィルタ手段を、連立チェビシェフ特性のフィルタとし、第1種フィルタ手段を、バターワース特性又は逆チェビシェフ特性のフィルタとすれば、下記の点で有利である。
【0024】
即ち、連立チェビシェフ特性は、図2に示した4つの特性のなかで、次数が同じならば一番急峻な減衰特性を得ることができ、この連立チェビシェフ特性のフィルタを第2種フィルタ手段として用いることで、その第2種フィルタ手段の次数を極力小さく抑えることができる。また、バターワース特性又は逆チェビシェフ特性は、通過域のゲインがフラットであるため、ノック信号を精度良く検知するための第1種フィルタ手段に向いている。よって、請求項6のようにしても、第1種フィルタ手段及び第2種フィルタ手段のフィルタ次数を小さく抑えながら、第2種フィルタ手段については遮断周波数におけるフィルタ特性の傾きを急峻にすることができ、また、第1種フィルタ手段については通過域のフラットな特性を確保することができる。
【0025】
一方、複数のフィルタ手段としてデジタルフィルタを用いる場合、請求項7に記載のように、第2種フィルタ手段をIIRフィルタとし、第1種フィルタ手段をFIRフィルタとすれば、下記の点で有利である。
即ち、FIRフィルタは、IIRフィルタに比べて位相特性が良いため、第1種フィルタ手段に用いることで、ノックセンサ信号におけるノッキングの特徴を正確に検出することができる。
【0026】
そして更に、同じサンプリング間隔で同じQ値のFIRフィルタを実現する場合、低周波側のフィルタに比べて高周波側のフィルタの方が、次数が小さくて良く、また、図13及び図14に示したように、この種の装置においては、ノイズに反応する第2種フィルタ手段(ノイズ用フィルタ)よりもノック信号に反応する第1種フィルタ手段(ノック信号用フィルタ)の方が、フィルタ周波数(通過域の中心周波数)が高く設定される。よって、第1種フィルタ手段としてFIRフィルタを用いることにより、その第1種フィルタ手段の次数を比較的小さく抑えることができる。
【0027】
また、第2種フィルタ手段としてIIRフィルタを用いることで、FIRフィルタを用いた場合よりも、小さい次数で遮断周波数におけるフィルタ特性の傾きが急峻なフィルタを実現することができる。尚、第2種フィルタ手段はノイズ用なので、位相特性が良好でなくてもノッキング判定にさほど影響しない。
【0028】
以上のことから、請求項7の構成を採れば、複数のフィルタ手段のトータルの次数を抑えつつ、正確なノッキング判定が可能となる。
ところで、図13及び図14に例示したように、ノック周波数が7kHz、12kHz、15.5kHzといった具合に複数あり、しかも、そのうちの何れか2つ以上が比較的近いのであれば、請求項8に記載の如く、第1種フィルタ手段の通過域を、複数のノック周波数を含む周波数帯に設定すれば、フィルタ手段の数を少なくすることができ有利である。特に、2つのノック周波数が非常に近い場合に、それらを2つのフィルタ手段で分離するようにすると、その各フィルタ手段として高次数・高Q値のフィルタが必要となる上に、かえってノック信号の特徴を検出できない可能性があるが、請求項8の構成によれば、そのような問題を回避することができる。
【0029】
尚、通過域の広いフィルタは、ローパスフィルタとハイパスフィルタとを組み合わせることで簡単に構成することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。
[第1実施形態]
まず図3は、第1実施形態のエンジン制御装置10の構成を表すブロック図である。尚、このエンジン制御装置10は、6気筒のガソリン式エンジン(内燃機関)を制御するものである。
【0031】
図3に示すように、本第1実施形態のエンジン制御装置10は、6気筒のうちの3気筒(この例では、第1気筒#1,第3気筒#3,第5気筒#5)に関するノッキングを検出するためにエンジンに取り付けられたノックセンサSN1からのアナログ信号(以下、ノックセンサ信号1という)と、6気筒のうちの他の3気筒(この例では、第2気筒#2,第4気筒#4,第6気筒#6)に関するノッキングを検出するためにエンジンに取り付けられたノックセンサSN2からのアナログ信号(以下、ノックセンサ信号2という)とが入力され、そのノックセンサ信号1,2のうちの何れか一方を選択して出力するマルチプレクサ(MPX)3と、マルチプレクサ3から出力されるノックセンサ信号を一定のサンプリング間隔(本実施形態では10μs)毎にA/D変換するA/D変換器4と、そのA/D変換器4によって順次得られるA/D変換値データ(サンプリングデータ)に対して、フィルタ周波数がそれぞれ異なる複数のデジタルフィルタ処理を行うデジタルフィルタ処理部5と、そのデジタルフィルタ処理部5の出力結果(即ち、各デジタルフィルタの処理結果データ)を用いてノッキングの有無を判定するノック判定部7と、そのノック判定部7による判定結果とエンジンの回転速度や冷却水温等の他の運転状態情報とに基づいて、エンジンの点火時期や燃料噴射料等を制御するエンジン制御用のCPU9とを備えている。
【0032】
ここで、デジタルフィルタ処理部5で行われる複数のデジタルフィルタ処理は、図13に例示したのと同様の5つのフィルタfilt1〜filt5の処理である。つまり、5つのフィルタfilt1〜filt5のうち、3つのフィルタ(ノック信号用フィルタ)filt1〜filt3の各通過域は、7kHz、12kHz、及び15.5kHzの各ノック周波数をそれぞれ中心周波数とし且つQ値が10dBとなる周波数帯に設定されている。また、他の2つのフィルタ(ノイズ用フィルタ)filt4,filt5の各通過域は、上記3つのノック周波数を含まない周波数帯であって、ノックセンサ信号中のノイズと見なされる3kHzと4.5kHzとをそれぞれ中心周波数とし且つQ値が10dBとなる周波数帯に設定されている。
【0033】
但し、本第1実施形態では、図4に示すように、ノイズ用フィルタfilt4,filt5の遮断周波数におけるフィルタ特性の傾きを、ノック信号用フィルタfilt1〜filt3の遮断周波数におけるフィルタ特性の傾きよりも急峻に設定している。尚、図4において、フィルタfilt1〜filt3のフィルタ特性は一点鎖線で示されており、フィルタfilt4,filt5のフィルタ特性は二点鎖線で示されている。そして、図4において縦軸はゲインであるが、各フィルタfilt1〜filt5のゲインが−3dB減衰するところは、その縦軸の例えば下から7割ほどのところ(縦軸全体を1とした場合の0.7位のところ)である。また、実線で示されているノックセンサ信号は、前述した図13及び図14と同じものである。
【0034】
具体的に説明すると、本第1実施形態では、5つのフィルタfilt1〜filt5を、図5に示す一般的なIIRフィルタとしているが、ノイズ用フィルタfilt4,filt5の次数をノック信号用フィルタfilt1〜filt3の次数よりも高く設定することで、ノイズ用フィルタfilt4,filt5の遮断周波数におけるフィルタ特性の傾きを、ノック信号用フィルタfilt1〜filt3の遮断周波数におけるフィルタ特性の傾きよりも急峻に設定している。例えば、Q値=10dBのバンドパスフィルタは、一般に4次程度で実現できるため、ノック信号用フィルタfilt1〜filt3は、Biquadと呼ばれる2次のフィルタを2つ直列にした4次の構成にしており、ノイズ用フィルタfilt4,filt5は、Biquadを4つ直列に接続した8次の構成にしている。つまり、図1(a)に示したように、Q値が同じ場合、フィルタ次数が高いほど、遮断周波数におけるフィルタ特性が急峻になるからである。
【0035】
尚、本第1実施形態において、上記デジタルフィルタ処理部5及びノック判定部7は、実際には、CPU、ROM、及びRAM等からなるマイコン8によって構成されており、更にA/D変換器4は、そのマイコン8に内蔵されている。
また、本第1実施形態のエンジン制御装置10には、エンジンのクランク軸の回転速度及び回転位置を検出するための周知の回転数信号(所定クランク角度毎のパルス信号)と気筒判別信号(エンジン2回転毎のパルス信号)とが入力されている。そして、信号生成回路11が、上記回転数信号と気筒判別信号とから、各気筒の圧縮行程上死点(以下、TDCと記す)のタイミングで立ち下がるTDC信号(図6の最上段参照)を生成して、そのTDC信号をマイコン8及びCPU9へ出力するようになっている。尚、この例では、エンジンが6気筒であるため、TDC信号は、120°CA毎に立ち下がることとなる。尚、「CA」とは、クランク軸の回転角度(クランク角度)を意味している。
【0036】
次に、デジタルフィルタ処理部5及びノック判定部7としてのマイコン8が、ノッキング検出のために実行する処理について、図6〜図9を用いて説明する。尚、図6は、処理の概要及びタイミングを表すタイムチャートであり、図7〜図9は、マイコン8が実行する処理の内容を表すフローチャートである。
【0037】
まず、図6に示すように、本実施形態では、各気筒のTDCタイミングから所定クランク角度後のタイミング(本実施形態ではATDC10°CAのタイミング)から、あるクランク角度分の期間(本実施形態では60°CA分の期間であり、ATDC70°CAまでの期間)をゲート区間としている。そして、そのゲート区間におけるノックセンサ信号のフィルタ処理結果を用いて、該当する気筒のノッキング判定を行うようになっている。尚、「ATDC」とは、TDCタイミング後のクランク角度を意味している。
【0038】
また、本実施形態では、各気筒のゲート区間の終了タイミング(以下、ゲートクローズタイミングともいう)にて、マルチプレクサ3の切り替え(即ち、マルチプレクサ3からA/D変換器4へ入力されるノックセンサ信号1,2の切り替え)を行うようになっている。つまり、各気筒のゲートクローズタイミングで、次の気筒に対応するノックセンサの信号がA/D変換器4へ入力されるようにしている。よって、例えば、第1気筒#1のゲートクローズタイミングで、A/D変換器4へ入力されるノックセンサ信号が、それまでのノックセンサ信号1から次の第2気筒#2に対応するノックセンサ信号2に切り替えられ、第2気筒#2のゲートクローズタイミングで、A/D変換器4へ入力されるノックセンサ信号がノックセンサ信号2から次の第3気筒#3に対応するノックセンサ信号1に切り替えられる。
【0039】
このようにすれば、A/D変換器4へ入力されるノックセンサ信号を切り替えてから、フィルタ処理結果データの収集が開始されるタイミング(ゲート区間の開始タイミング)までの時間を十分に確保し易くなる。つまり、A/D変換器4へ入力されるノックセンサ信号を切り替えてから、その切り替え後のノックセンサ信号に関する安定したフィルタ処理結果データが得られるまでには遅れ時間があるが、TDCタイミングよりも前のゲートクローズタイミングで次の気筒に対応するノックセンサ信号がA/D変換器4へ入力されるように切り替えを行えば、その切り替え時から次の気筒のゲート区間の開始タイミングまでの時間を、確実に上記遅れ時間以上にすることができるのである。
【0040】
但し、以下の説明において、このようなマルチプレクサ3の切り替えを行う部分以外については、説明を簡略化するために、2つのノックセンサ信号1,2を特に区別せずに、ノックセンサ信号と総称することにする。
次に、図7は、TDC信号が立ち下がる毎に起動されるTDCタイミング処理を表すフローチャートである。
【0041】
そして、マイコン8がこのTDCタイミング処理の実行を開始すると、まずS110にて、その時のフリーランタイマの値をRAMの記憶部t1に記憶する。尚、フリーランタイマは、当該マイコン8の内部クロックによって常時カウントアップされているタイマである。
【0042】
次にS120にて、記憶部t1の値からRAMの記憶部t2の値を引き、その引き算値(=t1−t2)を、前回のTDCタイミングから今回のTDCタイミングまでの120°CA分の時間であるTDC間隔時間Tとして記憶する。尚、記憶部t2には、後述するS160の処理により、前回のTDCタイミングでのフリーランタイマの値が記憶されている。また、実際のTDC間隔時間Tは、上記引き算値(=t1−t2)にフリーランタイマの1カウントアップ時間(即ち、上記内部クロックの1周期時間)を乗じた時間であるが、ここでは、フリーランタイマのカウント数を時間として扱っている。
【0043】
そして、次のS130にて、上記S120で算出したTDC間隔時間Tからエンジンの回転数Nを算出し、続くS140にて、その算出した回転数Nと記憶部t1の値とから、ゲート区間の開始タイミングであるゲートオープン時刻を設定する。つまり、本実施例では、ゲート区間の開始タイミングがATDC10°CAであるため、回転数Nから10°CA分の時間に相当するフリーランタイマのカウント数を求め、そのカウント数を記憶部t1の値に加算した加算値GOを、ゲートオープン時刻として、フリーランタイマの値と比較されるタイマ割込み用のレジスタ(いわゆるコンペアレジスタ)にセットする。
【0044】
次に、S150にて、上記S130で算出した回転数Nと記憶部t1の値とから、ゲート区間の終了タイミングであるゲートクローズ時刻を設定する。つまり、本実施例では、ゲートクローズタイミングがATDC70°CAであるため、回転数Nから70°CA分の時間に相当するフリーランタイマのカウント数を求め、そのカウント数を記憶部t1の値に加算した加算値GCを、ゲートクローズ時刻として、フリーランタイマの値と比較されるタイマ割込み用のレジスタにセットする。
【0045】
そして、続くS160にて、記憶部t1の値を記憶部t2にコピーし、その後、当該TDCタイミング処理を終了する。
次に、図8(a)は、図7のS140で設定されたゲートオープン時刻が到来した時(即ち、フリーランタイマの値が上記加算値GOと一致した時)に起動されるゲートオープン処理を表すフローチャートである。そして、マイコン8が、このゲートオープン処理の実行を開始すると、S210にて、ゲート区間中か否かを示すフラグflgをオン(ON)し、その後、当該処理を終了する。
【0046】
また、図8(b)は、図7のS150で設定されたゲートクローズ時刻が到来した時(即ち、フリーランタイマの値が上記加算値GCと一致した時)に起動されるゲートクローズ処理を表すフローチャートである。そして、マイコン8が、このゲートクローズ処理の実行を開始すると、S220にて、上記フラグflgをオフ(OFF)し、その後、当該処理を終了する。
【0047】
尚、上記回転数信号等に基づきTDCタイミングからのクランク角度を検出することができるシステムの場合には、図7のS140でゲートオープン時刻をセットする代わりにATDC10°CAという角度を設定すると共に、図7のS150でゲートクローズ時刻をセットする代わりにATDC70°CAという角度を設定し、図8(a)の処理は、上記セットされたATDC10°CAタイミングで実行され、また、図8(b)の処理は、上記セットされたATDC70°CAタイミングで実行されるようにすることも可能である。
【0048】
次に、図9は、ノックセンサ信号のA/D変換が終了する毎に起動されるA/D終了時処理を表すフローチャートである。
そして、マイコン8がこのA/D終了時処理の実行を開始すると、まずS310にて、A/D変換器4による今回のA/D変換値を記憶し、続くS320〜S360のそれぞれにて、上記S310で今回記憶されたA/D変換値のデータを新たな入力データxnとして、前述した5つのフィルタfilt1〜filt5の処理を行う。
【0049】
次に、S370にて、フラグflgが変化したか否か、また更に、フラグflgが変化したならば、オフからオンとオンからオフとの何れに変化したかを判定する。
ここで、フラグflgがオフからオンに変化した場合には、ゲート区間の開始タイミングであることから、S380に進んで、上記S320〜S360で算出した各フィルタfilt1〜filt5の処理結果データをRAMに保存する処理を、この時点から開始するように設定する。尚、このS380での開始設定が行われると、その後、フラグflgがオンからオフに変化して後述するS400の処理が行われるまで、上記S320〜S360で算出された各フィルタfilt1〜filt5の処理結果データがRAMに保存される。
【0050】
また、上記S370でフラグflgが変化していないと判定した場合には、そのまま当該A/D終了時処理を終了する。
一方、上記S370でフラグflgがオンからオフに変化したと判定した場合には、S390に移行し、前述したように、ノックセンサ信号1,2のうちで次にTDCとなる気筒に対応した方がA/D変換器4へ入力されるようにマルチプレクサ3の切り替えを行う。
【0051】
そして、続くS400にて、フラグflgがオンされている期間中(即ち、ゲート区間中)にRAMに記憶された各フィルタfilt1〜filt5の処理結果データを用いてノッキングの有無を判定し、その後、当該A/D終了時処理を終了する。
【0052】
尚、S400での判定処理は、様々なものが考えられるが、例えば、3つのノック信号用フィルタfilt1〜filt3の処理結果データのうちの最大値Smaxと、2つのノイズ用フィルタfilt4,filt5の処理結果データのうちの最大値Nmaxとの比(=Smax/Nmax)を求め、その比が所定値以上ならば、ノッキングが発生したと判定する、といった処理である。また例えば、フィルタfilt1〜filt5の処理結果データからノックセンサ信号の波形形状を検出してノッキングの有無を判定する処理であっても良い。一方、フラグflgがオンされている期間中に、各フィルタfilt1〜filt5の処理結果データを全部RAMに保存するのではなく、その各フィルタfilt1〜filt5の処理結果データを、例えば所定個数毎や、所定クランク角度分毎に積算して、その各積算値をRAMに記憶するようにし、S400では、その積算値からノッキング判定を行うようにしても良い。そして、このようにすれば、RAMの記憶容量を減らすことができる。
【0053】
つまり、本第1実施形態では、図7と図8の処理により、図6に示す如くATDC10〜70°CAの期間をゲート区間として設定している。
そして、図9の処理により、ノックセンサ信号のA/D変換値に対するフィルタfilt1〜filt5の各処理(S320〜S360)を行うと共に、ゲート区間において、その各フィルタfilt1〜filt5の処理結果データをRAM内に収集し(S380)、フラグflgがオンからオフに変化するゲート区間の終了タイミング(ゲートクローズタイミング)にて、RAM内の各フィルタ処理結果データを用いノッキング判定を行うようにしている(S400)。
【0054】
尚、図9のA/D終了時処理において、ゲート区間か否かに拘わらず(即ち、フラグflgがオフの場合でも)デジタルフィルタ処理(S320〜S360)を行っているのは、この種のデジタルフィルタ処理には、最新のA/D変換値だけでなく過去のA/D変換値も必要とするからである。
【0055】
一方、本第1実施形態では、マイコン8が実行するS320〜S360の各処理(デジタルフィルタ処理部5としての処理)が、複数のフィルタ手段に相当しており、そのうちで、ノック信号用フィルタfilt1〜filt3の各処理(S320〜S340)が、第1種フィルタ手段に相当し、ノイズ用フィルタfilt4,filt5の各処理(S350〜S360)が、第2種フィルタ手段に相当している。また、マイコン8が実行するS400の処理(ノック判定部7としての処理)が、ノック判定手段に相当している。
【0056】
以上のように本第1実施形態のエンジン制御装置10では、ノック信号用フィルタfilt1〜filt3の処理結果とノイズ用フィルタfilt4,filt5の処理結果とを用いて、ノッキング判定を行うようにしているが、特に、ノイズ用フィルタfilt4,filt5の遮断周波数におけるフィルタ特性の傾きを、ノック信号用フィルタfilt1〜filt3の遮断周波数におけるフィルタ特性の傾きよりも急峻に設定している。
【0057】
このため、図4に示すように、ノイズ用フィルタfilt4,filt5の特性は、ノック信号用フィルタfilt1〜filt3の特性と比べて、通過域から阻止域への減衰域の傾斜が急峻となり、ノック周波数(7kHz,12kHz,15.5kHz)においてゲインが十分に減衰したものにすることができる。よって、ノッキング発生時において、ノック信号(ノック周波数の信号)がノイズ用フィルタfilt4,filt5に影響を及ぼしてしまい、正確なノッキング判定ができなくなってしまうことを防止することができる。また、ノック信号用フィルタfilt1〜filt3の特性は、ノイズ用フィルタfilt4,filt5の特性と比べて、通過域から阻止域へとゲインが緩やかに減衰するものとなり、エンジンの運転状態や経年変化等によってノック周波数が多ずれても、その周波数のノック信号に反応可能なものとなる。
【0058】
よって、本第1実施形態のエンジン制御装置10によれば、ノッキングの検出精度を向上させることができる。
そして更に、本第1実施形態では、各フィルタfilt1〜filt5のQ値は全て同じ10dBであるが、ノイズ用フィルタfilt4,filt5のフィルタ次数(上記例では8次)を、ノック信号用フィルタfilt1〜filt3のフィルタ次数(上記例では4次)よりも高くすることで、遮断周波数におけるフィルタ特性の傾きをフィルタfilt1〜filt3よりもフィルタfilt4,filt5の方が急峻となるようにしているため、ノック信号のピークが出た時のS/N比(即ち、フィルタfilt1〜filt3の処理結果とフィルタfilt4,filt5の処理結果との比)からノッキングを検出する場合に有利である。
【0059】
即ち、ノック信号用フィルタfilt1〜filt3は、フィルタ次数が低いため、ノック信号のピークが出た時の応答が早くなり、ノイズ用フィルタfilt4,filt5は、フィルタ次数が高いため、レベルの大きなノック信号が発生したときでも、そのノック信号の影響を受けずにバックグランドレベル(ノイズ信号)を検出することができる。よって、ノック信号のピークが出た時の上記S/N比を、フィルタfilt4,filt5も低次数にした場合に比べて大きくすることができ、より正確なノッキング検出が可能となる。
【0060】
また、ノック信号用フィルタfilt1〜filt3は少ない次数で構成することとなるため、マイコン8での計算負荷を大きく増加させることもない。
次に、上記第1実施形態に関する変形例及び追加構成例について説明する。
[変形例1]
上記第1実施形態において、遮断周波数におけるフィルタ特性の傾きをフィルタfilt1〜filt3よりもフィルタfilt4,filt5の方が急峻となるようにするには、例えば、フィルタfilt1〜filt5の次数は同じ(例えば4次)にしておき、フィルタ係数(図5のaやb)を調整して、フィルタfilt4,filt5のQ値をフィルタfilt1〜filt3のQ値よりも高く設定するようにしても良い。例えば、フィルタfilt4,filt5のQ値を25dBとし、フィルタfilt1〜filt3のQ値を10dBや6dBにする、といった具合である。つまり、図1(b)に示したように、フィルタ次数が同じ場合、Q値が高いほど、遮断周波数におけるフィルタ特性が急峻になるからである。尚、フィルタfilt1〜filt5の次数は必ずしも同じにする必要はない。
【0061】
そして、このように構成しても、上記第1実施形態と同様にノッキングの検出精度を向上させることができる。
[変形例2]
また、上記第1実施形態及び変形例1において、フィルタfilt1〜filt5としては、IIRフィルタに代えて、FIRフィルタを用いても良い。尚、FIRフィルタの構成は周知であるが、念のため図10に示しておく。
【0062】
[追加構成例1]
一方、上記第1実施形態及び変形例1において、ノイズ用フィルタfilt4,filt5はチェビシェフ特性(図2(b))、逆チェビシェフ特性(図2(c))、及び連立チェビシェフ特性(図2(d))のうちの何れかのフィルタとし、ノック信号用フィルタfilt1〜filt3はバターワース特性(図2(a))のフィルタとすることが好ましい。
【0063】
即ち、次数が同じ場合、バターワース特性よりも、チェビシェフ特性、逆チェビシェフ特性、及び連立チェビシェフ特性の方が、減衰特性が急峻になるため、バターワース特性よりも、チェビシェフ特性、逆チェビシェフ特性、及び連立チェビシェフ特性の方が、ノイズ用フィルタfilt4,filt5に向いており、また、バターワース特性は、通過域のゲインがフラットであるため、オーバーシュートやアンダーシュートを抑えることができ、ノック信号を精度良く検知するためのノック信号用フィルタfilt1〜filt3に向いているからである。そして、このようにすれば、全フィルタfilt1〜filt5での総次数を小さく抑えることができ、フィルタ処理の計算負荷を軽減することができる。
【0064】
[追加構成例2]
また、上記第1実施形態及び変形例1において、ノイズ用フィルタfilt4,filt5は連立チェビシェフ特性のフィルタとし、ノック信号用フィルタfilt1〜filt3はバターワース特性又は逆チェビシェフ特性のフィルタとすることも好ましい。
【0065】
即ち、連立チェビシェフ特性は、図2に示した4つの特性のなかで、次数が同じならば一番急峻な減衰特性を得ることができるため、この連立チェビシェフ特性のフィルタをノイズ用フィルタfilt4,filt5として用いることで、そのノイズ用フィルタfilt4,filt5の次数を極力小さく抑えることができる。また、逆チェビシェフ特性もバターワース特性と同様に、通過域のゲインがフラットであるため、ノック信号用フィルタfilt1〜filt3に向いているからである。
【0066】
尚、上記各追加構成例1,2の場合、フィルタfilt1〜filt5の各次数又はQ値は同じである必要はなく適宜設定することができる。
[第2実施形態]
第2実施形態のエンジン制御装置は、第1実施形態のエンジン制御装置10と比較すると、ノイズ用フィルタfilt4,filt5をIIRフィルタとし、ノック信号用フィルタfilt1〜filt3をFIRフィルタとしている。尚、この場合も、各フィルタfilt1〜filt5の次数やフィルタ係数を調整して、第1実施形態と同様に、ノイズ用フィルタfilt4,filt5の遮断周波数におけるフィルタ特性の傾きを、ノック信号用フィルタfilt1〜filt3の遮断周波数におけるフィルタ特性の傾きよりも急峻に設定する。
【0067】
そして、このように、ノイズ用フィルタfilt4,filt5としてIIRフィルタを用い、ノック信号用フィルタfilt1〜filt3としてFIRフィルタを用いれば、次の点で有利である。
まず、FIRフィルタは、IIRフィルタに比べて位相特性が良いため、ノック信号用フィルタfilt1〜filt3に用いることで、ノックセンサ信号におけるノッキングの特徴を正確に検出することができるようになる。そして更に、同じサンプリング間隔で同じQ値のFIRフィルタを実現する場合、低周波側のフィルタに比べて高周波側のフィルタの方が、次数が小さくて良く、また、ノイズ用フィルタfilt4,filt5よりもノック信号用フィルタfilt1〜filt3方が、フィルタ周波数が高く設定されるため、ノック信号用フィルタfilt1〜filt3としてFIRフィルタを用いることにより、そのフィルタfilt1〜filt3の次数を比較的小さく抑えることができる。
【0068】
また、ノイズ用フィルタfilt4,filt5としてIIRフィルタを用いることで、FIRフィルタを用いた場合よりも、小さい次数で遮断周波数におけるフィルタ特性の傾きが急峻なフィルタを実現することができる。
よって、本第2実施形態の構成を採れば、複数のフィルタfilt1〜filt5のトータルの次数を抑えつつ、正確なノッキング判定が可能となる。
[第3実施形態]
第3実施形態のエンジン制御装置は、前述した各実施形態、変形例1,2、及び追加構成例1,2の各エンジン制御装置と比較すると、図11に例示するように、フィルタfilt3が削除されており、その代わりに、フィルタfilt2の通過域を、複数のノック周波数(この例では、12kHzと15.5kHz)を含む周波数帯に設定している。つまり、複数のノック周波数のうちで、比較的近い12kHzと15.5kHzとの信号を1つのフィルタfilt2で区別することなく抽出するようにしている。尚、フィルタfilt2としては、通過域の広いフィルタが必要となるが、そのようなフィルタは、ローパスフィルタとハイパスフィルタとを組み合わせることで構成することができる。
【0069】
そして、本第3実施形態の構成を採れば、フィルタの数を少なくすることができ、それに伴いフィルタの計算処理を軽減することができるため有利である。また特に、複数のノック周波数が非常に近い場合に、それらを複数のフィルタでそれぞれ分離しようとすると、その各フィルタとして高Q値で高次数のフィルタが必要となる上に、かえってノック信号の特徴を取れない可能性があるが、そのような問題を回避することができる。
[第4実施形態]
次に、図12に第4実施形態のエンジン制御装置20の構成を示す。
【0070】
本第4実施形態のエンジン制御装置20は、第1実施形態のエンジン制御装置10と比較すると、フィルタfilt1〜filt5として、抵抗やコンデンサ等からなるアナログフィルタを用いている。
このため、図12に示すように、本第4実施形態のエンジン制御装置20では、マルチプレクサ3から出力されるノックセンサ信号が、アナログ回路からなる複数のフィルタfilt1〜filt5にそれぞれ入力され、その各フィルタfilt1〜filt5の出力が、A/D変換器4にてA/D変換されて、マイコン8でのノッキング判定処理に用いられるようになっている。
【0071】
具体的に説明すると、本第4実施形態では、前述した図7及び図8の処理によってフラグflgがオンされている間、各フィルタfilt1〜filt5の出力が一定時間毎(例えば10μs毎)にA/D変換されると共に、そのA/D変換値(即ち、各フィルタfilt1〜filt5の出力結果データ)がRAMに保存される。そして、フラグflgがオンからオフに変化すると、前述した図9のS390及びS400と同様の処理が行われて、マルチプレクサ3の切り替えと、各フィルタfilt1〜filt5の出力結果データを用いたノッキング判定とが行われる。
【0072】
そして、このような第4実施形態のエンジン制御装置20によっても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
尚、このようにフィルタfilt1〜filt5としてアナログフィルタを用いた場合でも、上記変形例1及び第3実施形態の手法を適用することができる。
【0073】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
例えば、マイコン8に代えて、ノッキング検出処理専用のICを用いることもできる。
【0074】
また、上記実施形態では、ノイズ用フィルタのフィルタ周波数(以下、ノイズ用フィルタ周波数という)はノック信号用フィルタのフィルタ周波数(以下、ノック信号用フィルタ周波数という)よりも低い形態について説明したが、ノイズ用フィルタ周波数は、ノック信号用フィルタ周波数より高い周波数であっても良いし、2つのノック信号用フィルタ周波数の間(即ち、2つのノック周波数の間であり、例えば1次と1.5次高調波の間)であっても良い。
【0075】
一方、ノックセンサとしては、振動式センサでも良いし、イオン電流式センサや筒内圧センサでも良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 フィルタ特性と次数及びQ値との関係を表す図である。
【図2】 バターワース特性、チェビシェフ特性、逆チェビシェフ特性、及び連立チェビシェフ特性を表す図である。
【図3】 第1実施形態のエンジン制御装置の構成を表すブロック図である。
【図4】 第1実施形態の5つのフィルタfilt1〜filt5の特性を表す図である。
【図5】 IIRフィルタの一般的な構成を表す図である。
【図6】 第1実施形態のエンジン制御装置のマイコンで実行される処理の概要及びタイミングを表すタイムチャートである。
【図7】 第1実施形態のマイコンが実行するTDCタイミング処理を表すフローチャートである。
【図8】 第1実施形態のマイコンが実行するゲートオープン処理とゲートクローズ処理とを表すフローチャートである。
【図9】 第1実施形態のマイコンが実行するA/D終了時処理を表すフローチャートである。
【図10】 FIRフィルタの一般的な構成を表す図である。
【図11】 第3実施形態の4つのフィルタfilt1,filt2,filt4,filt5の特性を表す図である。
【図12】 第4実施形態のエンジン制御装置の構成を表すブロック図である。
【図13】 従来技術の問題を説明する図の、その1である。
【図14】 従来技術の問題を説明する図の、その2である。
【符号の説明】
10,20…エンジン制御装置、3…マルチプレクサ(MPX)、4…A/D変換器、5…デジタルフィルタ処理部、7…ノック判定部、8…マイコン、9…エンジン制御用のCPU、11…信号生成回路、SN1,SN2…ノックセンサ、filt1〜filt3…ノック信号用フィルタ、filt4,filt5…ノイズ用フィルタ

Claims (8)

  1. 内燃機関に取り付けられたノックセンサの信号(以下、ノックセンサ信号という)から、それぞれ異なる周波数帯の信号成分を抽出する複数のフィルタ手段と、
    前記複数のフィルタ手段の出力結果を用いてノッキングの有無を判定するノック判定手段とを備え、
    更に、前記複数のフィルタ手段は、通過域が、ノッキングの発生を表す前記ノックセンサ信号の特定の周波数(以下、ノック周波数という)を含む周波数帯に設定された第1種フィルタ手段と、通過域が、前記ノック周波数を含まない周波数帯に設定された第2種フィルタ手段とからなり、前記ノック判定手段は、前記第1種フィルタ手段の出力結果と前記第2種フィルタ手段の出力結果との比から、前記ノッキングの有無を判定するようになっているノッキング検出装置であって、
    前記第2種フィルタ手段の遮断周波数におけるフィルタ特性の傾きが、前記第1種フィルタ手段の遮断周波数におけるフィルタ特性の傾きよりも急峻になっていること、を特徴とするノッキング検出装置。
  2. 請求項1に記載のノッキング検出装置において、
    前記複数のフィルタ手段は、前記ノックセンサ信号を一定のサンプリング間隔毎にA/D変換して得られたデータに対してデジタルフィルタ処理を行うデジタルフィルタであること、
    を特徴とするノッキング検出装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のノッキング検出装置において、
    前記第2種フィルタ手段のフィルタ次数を前記第1種フィルタ手段のフィルタ次数よりも高くすることで、前記第2種フィルタ手段の遮断周波数におけるフィルタ特性が前記第1種フィルタ手段の遮断周波数におけるフィルタ特性よりも急峻に設定されていること、
    を特徴とするノッキング検出装置。
  4. 請求項1又は請求項2に記載のノッキング検出装置において、
    前記第2種フィルタ手段のQ値を前記第1種フィルタ手段のQ値よりも高くすることで、前記第2種フィルタ手段の遮断周波数におけるフィルタ特性が前記第1種フィルタ手段の遮断周波数におけるフィルタ特性よりも急峻に設定されていること、
    を特徴とするノッキング検出装置。
  5. 請求項2に記載のノッキング検出装置において、
    前記複数のフィルタ手段はIIRフィルタであると共に、
    前記第2種フィルタ手段がチェビシェフ特性、逆チェビシェフ特性、及び連立チェビシェフ特性のうちの何れかのフィルタであり、前記第1種フィルタ手段がバターワース特性のフィルタであること、
    を特徴とするノッキング検出装置。
  6. 請求項2に記載のノッキング検出装置において、
    前記複数のフィルタ手段はIIRフィルタであると共に、
    前記第2種フィルタ手段が連立チェビシェフ特性のフィルタであり、前記第1種フィルタ手段がバターワース特性又は逆チェビシェフ特性のフィルタであること、
    を特徴とするノッキング検出装置。
  7. 請求項2に記載のノッキング検出装置において、
    前記第2種フィルタ手段がIIRフィルタであり、前記第1種フィルタ手段がFIRフィルタであること、
    を特徴とするノッキング検出装置。
  8. 請求項1ないし請求項7の何れか1項に記載のノッキング検出装置において、
    前記第1種フィルタ手段の通過域は、複数のノック周波数を含む周波数帯に設定されていること、
    を特徴とするノッキング検出装置。
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