JP6608794B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、内燃機関の制御装置に関し、より詳細には、筒内圧センサを備える内燃機関を制御するうえで好適な内燃機関の制御装置に関する。
例えば、特許文献1には、ノックセンサの出力信号を濾波するフィルタであって互いに異なる濾波周波数帯域が設定された複数の最適周波数検出用フィルタ(バンドパスフィルタ(BPF))をノック判定用フィルタとは個別に備える内燃機関のノック制御装置が開示されている。このノック制御装置は、複数の最適周波数検出用フィルタで濾波した信号に基づいて現在の最適ノック周波数を選定してノック判定用フィルタに設定するように構成されている。このような構成により、経年変化等によりエンジンのノック周波数が変化した場合には、それに応じてノック判定用フィルタの濾波周波数帯域の中心周波数が変更される。
特開2007−085189号公報 特開平04−008850号公報
筒内圧を検出する筒内圧センサの出力信号を利用してノックの発生の有無を判定することが知られている。筒内圧センサを用いてノック判定を行う場合には、例えば軟質のデポジットがセンサ先端に付着することに起因して、筒内圧センサの出力信号の高周波成分にノイズが重畳することがある。このようなノイズが重畳する高周波側の帯域がノック判定に用いられるバンドパスフィルタの通過帯域と重なると、ノイズの影響によりノックの発生を誤判定してしまうことが懸念される。
本発明は、上述のような課題に鑑みてなされたものであり、センサ先端へのデポジットの付着等に起因して筒内圧センサの出力信号の高周波成分にノイズが重畳することがあっても、ノックの発生の誤判定を抑制できるようにした内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
本発明に係る内燃機関の制御装置は、筒内圧を検出する筒内圧センサと、前記筒内圧センサの出力信号に対してノック成分が重畳し得るノック周波数帯域を含む通過帯域にて前記筒内圧センサの出力信号を抽出するバンドパスフィルタとを備える内燃機関を制御する。前記制御装置は、前記バンドパスフィルタを通過した後の前記筒内圧センサの出力信号であるノック判定用信号に基づいてノックの発生の有無を判定し、ノックの判定結果に基づいて前記内燃機関の運転状態を制御し、かつ、前記通過帯域内の高周波側の帯域の前記ノック判定用信号へのノイズ成分の重畳を検出した場合には、高周波側の遮断周波数が低くなる態様で前記通過帯域を狭めるように構成されている。
本発明によれば、バンドパスフィルタの通過帯域内の高周波側の帯域のノック判定用信号へのノイズ成分の重畳が検出された場合には、高周波側の遮断周波数が低くなる態様で上記通過帯域が狭められる。これにより、センサ先端へのデポジットの付着等に起因して筒内圧センサの出力信号の高周波成分にノイズが重畳することがあっても、ノックの発生の誤判定を抑制することができる。
本発明の実施の形態1に係るシステム構成を説明するための図である。 BPF部の構成を説明するための図である。 ノック判定用信号(BPF通過後の筒内圧センサの出力信号)の強度と周波数との関係を表した図である。 デポジットの硬さ、堆積量および固有振動数の関係を表した図である。 本発明の実施の形態1におけるノック判定の特徴的な処理を説明するための図である。 本発明の実施の形態1においてノック判定処理の実行中に並行して繰り返し実行されるルーチンを示すフローチャートである。 高周波成分へのノイズ成分の重畳の有無の判定に関して本発明の実施の形態1において用いられる手法を説明するための図である。 高周波成分へのノイズ成分の重畳の有無の判定に関して本発明の実施の形態1において用いられる手法を説明するための図である。 高周波成分へのノイズ成分の重畳の有無の判定に関して本発明の実施の形態2において用いられる手法を説明するための図である。 高周波成分へのノイズ成分の重畳の有無の判定に関して本発明の実施の形態2において用いられる手法を説明するための図である。 BPF1を通過した後のノック判定用信号を対象として、#1〜#4気筒の気筒毎にノック判定レベルを表した図である。 BPF2を通過した後のノック判定用信号を対象として、#1〜#4気筒の気筒毎にノック判定レベルを表した図である。 BPFの通過帯域内の高周波成分へのノイズ成分の重畳の有無を判定する他の手法を説明するための図である。
実施の形態1.
[実施の形態1のシステム構成]
図1は、本発明の実施の形態1に係るシステム構成を説明するための図である。図1に示すシステムは、火花点火式の内燃機関10を備えている。内燃機関10は、一例として、直列4気筒型エンジンであるものとする。内燃機関10の筒内には、ピストン12が設けられている。筒内におけるピストン12の頂部側には、燃焼室14が形成されている。燃焼室14には、吸気通路16および排気通路18が連通している。
吸気通路16には、電子制御式のスロットルバルブ20が設けられている。また、内燃機関10の各気筒には、燃焼室14内に燃料を供給するための燃料噴射弁(一例として筒内直接噴射式の燃料噴射弁)22、および、混合気に点火するための点火プラグ24を有する点火装置(点火プラグ24以外の部位の図示省略)が設けられている。さらに、各気筒には、筒内圧を検出するための筒内圧センサ26が組み込まれている。
さらに、本実施形態のシステムは、ECU(Electronic Control Unit)30を備えている。ECU30は、少なくとも入出力インターフェースとメモリと演算処理装置(CPU)とを備えている。入出力インターフェースは、内燃機関10に取り付けられた各種センサからセンサ信号を取り込むとともに、内燃機関10が備える各種アクチュエータに対して操作信号を出力するために設けられる。
ECU30が信号を取り込むセンサには、上述した筒内圧センサ26に加え、クランク軸の回転位置およびエンジン回転速度を取得するためのクランク角センサ32、および、吸入空気量を検出するためのエアフローメータ34等の内燃機関10の運転状態を取得するための各種センサが含まれる。ECU30が操作信号を出すアクチュエータには、上述したスロットルバルブ20、燃料噴射弁22および上記点火装置等の内燃機関10の運転を制御するための各種アクチュエータが含まれる。
ECU30のメモリには、内燃機関10を制御するための各種の制御プログラムおよびマップ等が記憶されている。CPUは、制御プログラム等をメモリから読み出して実行し、取り込んだセンサ信号に基づいて操作信号を生成する。具体的には、ECU30は、燃料噴射制御および点火制御等の所定のエンジン制御を行う。また、ECU30は、筒内圧センサ26の出力信号を、クランク角度と同期させてAD変換して取得する機能を有している。これにより、AD変換の分解能が許す範囲で、任意のクランク角タイミングにおける筒内圧を検出することができる。
[BPFの構成例]
ECU30は、筒内圧センサ26の出力信号を用いてノック発生の有無を判定する。このようなノック判定のために、ECU30は、バンドパスフィルタ部(BPF部)30aを備えている。図2は、BPF部30aの構成を説明するための図である。図2に示すように、BPF部30aは、複数(一例として、3つ)のバンドパスフィルタ、すなわち、BPF1、BPF2およびBPF3を備えている。BPF1〜BPF3の低周波側の遮断周波数は何れもf1で同じであるが、高周波側の遮断周波数f2はf21、f22およびf23の間で異なっている。より具体的には、高周波側の遮断周波数は、f21、f22およびf23の順で低くなっており、したがって、BPF1〜BPF3の通過帯域は、BPF1、BPF2およびBPF3の順で広くなる。
BPF1〜BPF3の通過帯域は、何れも、ノック成分が重畳する周波数帯域であるノック周波数帯域を含むように設定されている。BPF1〜BPF3は何れもデジタルフィルタである。ECU30は、BPF1〜BPF3のそれぞれを通過した筒内圧センサ26の出力信号(以下、「ノック判定用信号」と称する)を個別に取得可能に構成されている。そして、ECU30は、BPF1〜BPF3のそれぞれを通過したノック判定用信号の中から任意の1つをノック判定のために選択可能に構成されている。本実施形態では、ノック判定時に良好なS/N比を確保するために、基本的には、通過帯域が最も広いBPF1がノック判定の際に使用される。ただし、ノック判定に用いられるBPFは、後述の本実施形態の特徴的な処理によってBPF1からBPF2もしくはBPF3に変更されることがある。なお、ここでは、デジタルフィルタとして構成されたBPF1〜3について説明したが、BPF1〜3は、アナログフィルタとして構成されていてもよい。
[ノック制御]
ECU30は、ノックが発生する可能性のある区間を含む所定クランク角区間(ゲート区間)におけるノック判定用信号の強度のピーク値であるノック強度を算出する。そして、ECU30は、算出したノック強度とノック判定レベルとを比較することで、ノックの発生の有無を判定する。ノック判定レベルの算出手法の一例は後述される。ノック強度がノック判定レベルよりも大きい場合には、ノックが発生したと判定される。この場合には、一例として、次サイクル以降のサイクルの点火時期が現在値に対して遅角される。これにより、ノック判定レベルを超えるレベルのノックの発生が抑制される。このように、ノック判定結果に基づいて内燃機関10の運転状態が制御される。なお、ノック強度は、例えば、ゲート区間におけるノック判定用信号の強度の積分値であってもよい。
[筒内圧センサの出力信号の高周波成分へのノイズの重畳]
図3は、ノック判定用信号(BPF通過後の筒内圧センサ26の出力信号)の強度と周波数との関係を表した図である。筒内圧センサ26の出力信号の高周波成分には、図3中に破線で示すようにノイズが重畳することがある。ここでは、一例として、筒内圧センサ26の先端に軟質のデポジットが付着することに起因して生じるノイズについて説明する。本件の発明者らの鋭意研究により、軟質のデポジットがセンサ先端に付着すると、デポジットの共振が生じ、出力信号の高周波成分にノイズが重畳することが分かった。
図4は、デポジットの硬さ、堆積量および固有振動数の関係を表した図である。図4に示すように、デポジットの固有振動数は、堆積量が同じであるとデポジットが軟らかいほど低くなり、また、硬さが同じであると堆積量が多いほど低くなる。このような特性により、デポジットの堆積量が増えて固有振動数が低くなるほど、図3に示すように、ノイズが重畳する帯域がより低周波側に移動する。その結果として、ノイズの重畳域がノック判定に用いられるBPFの通過帯域と重なるようになると、ノイズがノック判定に影響を与えてしまう。その結果、実際にはノックが発生してしないにもかかわらずノックが発生していると誤判定してしまうことが懸念される。
[実施の形態1のノック判定における特徴的な処理]
図5は、本発明の実施の形態1におけるノック判定の特徴的な処理を説明するための図である。図3を参照して既に説明し、かつ、図5にも示すように、センサ先端へのデポジットの堆積量が多くなると、ノイズが重畳する帯域がより低周波側に移動する。図5は、その結果として、デポジット由来のノイズ成分がBPF1の通過帯域内の高周波側の帯域に重畳した例を示している。
本実施形態では、内燃機関10の運転中にBPF部30aを通過したノック判定用信号に基づいてノック判定処理を行っている場合には、使用されるBPFの通過帯域内の高周波側の帯域のノック判定用信号について、ノイズ成分の重畳の有無が判定される。このようなノイズ重畳判定のために本実施形態で用いられる処理の具体例は、図7および図8を参照して後述する。
そのうえで、上記高周波側の帯域のノック判定用信号へのノイズ成分の重畳が検出された場合には、図5に示す一例では、ノック判定処理に使用されるBPFがBPF1からBPF2に変更される。これにより、高周波側の遮断周波数がf21からf22に低下するという態様で、ノック判定処理に用いられるBPFの通過帯域が狭められる。より具体的には、ノック判定処理に用いられるBPFの通過帯域は、低周波側の遮断周波数f1は固定としつつ高周波側の遮断周波数はf21からf22に低下するように狭められる。同様に、BPF1もしくはBPF2の使用中にノイズ成分がBPF2の通過帯域内の高周波側の帯域のノック判定用信号へのノイズ成分の重畳が検出された場合には、ノック判定処理に使用されるBPFがBPF1もしくはBPF2からBPF3に変更されることになる。
図6は、本発明の実施の形態1においてノック判定処理の実行中に並行して繰り返し実行されるルーチンを示すフローチャートである。図6に示すルーチンでは、ECU30は、まず、現在のノック判定処理に使用されるBPFの通過帯域内の高周波成分(高周波側の帯域のノック判定用信号)へのノイズ成分の重畳の有無を判定する(ステップ100)。
本ステップ100では、BPF1〜BPF3のそれぞれを通過した後のノック判定用信号に基づいてBPF毎に算出されるノック判定レベルの大小関係を利用して、高周波成分へのノイズ成分の重畳の有無が判定される。ここで、ノック判定レベルは、一例として、次のような公知の手法で算出することができる。すなわち、ノック判定レベルは、内燃機関10の各気筒の各燃焼サイクルで算出されるノック強度の履歴から作成されるノック強度の頻度分布を利用して、この頻度分布の中央値に3σ(σは標準偏差)を乗じて得られる値として算出することができる。
図7(A)は、高周波成分にノイズが重畳していない場合の筒内圧センサ26の出力信号(何れのBPFも通過する前の出力信号)の一例を表している。図7(A)に示すように高周波成分にノイズが重畳していない状況下のノック強度の頻度分布に基づいてノック判定レベルが算出された場合には、BPF1〜BPF3のそれぞれを通過した後のノック判定用信号に基づくノック判定レベルには、図7(B)に示すように、BPFの違いに応じた有意な差は生じない。本ステップ100では、このようにノック判定レベルに対してBPFの違いに応じた有意な差が認められない場合、すなわち、各BPFに関するノック判定レベルが所定範囲内にある場合には、ノイズ成分は高周波成分に重畳していないと判定される。
一方、図8(A)は、図5に示す一例と同様に、BPF1の高周波側の帯域にノイズ成分が重畳している例を示している。図8(A)に示す態様で高周波成分にノイズが重畳している状況下のノック強度の頻度分布に基づいてノック判定レベルが算出された場合には、BPF1を通過したノック判定用信号が上記ノイズ成分の影響を受けることになる。その結果、BPF1を通過した後のノック判定用信号に基づくノック判定レベルが、図8(B)に示すように他のBPF2およびBPF3を通過した後のノック判定用信号に基づくノック判定レベルよりも高くなる。本ステップ100では、このようにノック判定レベルに対してBPFの違いに応じた有意な差が認められた場合、すなわち、あるBPFに関するノック判定レベルが所定範囲から逸脱する場合には、ノイズ成分が高周波成分に重畳していると判定される。
ECU30は、ステップ100の判定が不成立となる場合には、ノック判定処理に用いられるBPFを変更しない。すなわち、通過帯域がより広いBPF(基本的には、BPF1)の使用が継続される。
一方、ECU30は、ステップ100の判定が成立した場合にはステップ102に進む。ステップ102では、ノイズ成分が重畳する帯域を用いないようにするために、ノック判定処理のために現在使用中のBPFが、高周波側の遮断周波数f2が低い態様で通過帯域が狭められたBPFに変更される。図8に示す一例では、ノック判定処理に使用されるBPFがBPF1からBPF2に変更される。より具体的には、ノイズ成分が重畳する帯域を用いないBPF2およびBPF3のうちで通過帯域がより広いBPF2が選択される。なお、ノイズ成分がBPF1だけでなくBPF2の高周波側の帯域にも及ぶ場合には、BPF1およびBPF2に関するノイズ判定レベルがBPF3に関するノイズ判定レベルよりも高くなる。この場合には、ノック判定処理に使用されるBPFがBPF1もしくはBPF2からBPF3に変更される。
以上説明した図6に示すルーチンによれば、ノック判定処理に使用されるBPFの通過帯域内の高周波側の帯域のノック判定用信号へのノイズ成分の重畳が検出された場合には、ノック判定処理に使用されるBPFが、高周波側の遮断周波数f2が低くなる態様で通過帯域が狭められたBPFに変更される。このように、本実施形態では、高周波側の遮断周波数f2がf21〜f23の間で異なる複数のBPF1〜BPF3が備えられたシステムにおいて、ノイズ成分の重畳の検出を受けてノック判定処理に使用するBPFを変更することによって、その後のノック判定処理に使用されるBPFの高周波側の通過帯域が狭められる。このため、本ルーチンによれば、センサ先端へのデポジットの付着等に起因して筒内圧センサ26の出力信号の高周波成分にノイズが重畳することがあっても、ノックの発生の誤判定を抑制できるようになる。
さらに、高周波側の遮断周波数f2を低くする際に低周波側の遮断周波数f1は固定としているため、BPFの通過帯域を変えずに単純に中心周波数を変更する例とは異なり、低周波側に重畳し得る電気ノイズ等の他のノイズが新たに重畳するリスクを回避しつつ、ノックの誤判定を抑制できるようになる。なお、本実施形態では、軟質なデポジットの付着に起因する高周波成分へのノイズ重畳に着目しているが、本ルーチンの処理は、電気ノイズなどの他の要因により高周波成分にノイズが重畳する場合にも有効である。
実施の形態2.
次に、図9および図10を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。以下の説明では、実施の形態2のシステム構成の一例として、図1に示す構成に対して次のような構成が追加されたものであるとする。すなわち、本構成では、図示省略するノックセンサ(シリンダブロックに伝わる内燃機関10の振動を検出するセンサ)が追加されている。そして、本構成では、筒内圧センサ26の出力信号だけでなく、ノックセンサの出力信号についても、BPF1〜BPF3のそれぞれを通過した後の信号をノック判定用信号として取得可能になっている。
[実施の形態2のノック判定における特徴的な処理]
本実施形態のノック判定処理は、BPFの通過帯域内の高周波成分(高周波側の帯域のノック判定用信号)へのノイズ成分の重畳の有無を判定する手法において、実施の形態1のノック判定処理と相違している。このため、本実施形態では、図6に示すルーチン中のステップ100の処理に代え、以下に図9および図10を参照して説明する手法を用いた処理が実行される。
図9および図10は、高周波成分へのノイズ成分の重畳の有無の判定に関して本発明の実施の形態2において用いられる手法を説明するための図である。図9および図10は、何れも、筒内圧センサ26(CPS)によるノック判定レベルと上記ノックセンサ(KCS)によるノック判定レベルとの比(以下、単に、「ノック判定レベル比」と称する)をBPF毎に表している。なお、ノックセンサの出力信号に基づくノック判定レベルについても、筒内圧センサ26の出力信号に基づくノック判定レベルの算出のために上述した手法を同様に用いて算出することができる。
図9は、筒内圧センサ26の出力信号の高周波成分にノイズ成分が重畳していない場合の関係を示している。このように高周波成分にノイズ成分が重畳していない場合には、CPSによるノック判定レベルとKCSによるノック判定レベルとは、ノックの発生状況に応じて同じような傾向で変化するはずである。したがって、図9に示すように、各BPFに関するノック判定レベル比には、有意な差は生じない。本実施形態では、このようにノック判定レベル比に対してBPFの違いに応じた有意な差が認められない場合には、筒内圧センサ26の出力信号の高周波成分にノイズ成分は重畳していないと判定される。
一方、図10は、図8(A)に示す一例と同様に、筒内圧センサ26の出力信号に関してBPF1の高周波側の帯域にノイズ成分が重畳している例を示している。このような場合には、BPF1に関するCPSによるノック判定レベルがノイズ成分の影響を受けて高くなる。このため、図10に示すように、ノック判定レベル比についても、BPF1に関する値が他のBPF2およびBPF3に関する値よりも高くなる。本実施形態では、このようにノック判定レベル比に対してBPFの違いに応じた有意な差が認められた場合、すなわち、あるBPFに関するノック判定レベル比が所定範囲から逸脱する場合には、高周波成分にノイズ成分が重畳していると判定される。
以上説明したように、各BPFに関するノック判定レベル比を利用することによっても、筒内圧センサ26の出力信号の高周波成分へのノイズ成分の重畳の有無を判定することができる。特に、本実施形態の手法によれば、ノック判定レベル比を用いていることで、各BPFの通過帯域の相違がCPSおよびKCSのそれぞれによるノック判定レベルの値に与える影響を抑制することができる。このため、本手法によれば、実施の形態1の手法と比べて、筒内圧センサ26の出力信号の高周波成分へのノイズ成分の重畳の有無をより精度良く判定することができる。
実施の形態3.
次に、図11および図12を参照して、本発明の実施の形態3について説明する。以下の説明では、実施の形態3のシステム構成の一例として、図1に示す構成が用いられているものとする。
[実施の形態3のノック判定における特徴的な処理]
本実施形態のノック判定処理は、以下に図11および図12を参照して説明するように、BPFの通過帯域内の高周波成分(高周波側の帯域のノック判定用信号)へのノイズ成分の重畳の有無を判定する手法において、実施の形態1および2のノック判定処理と相違している。
図11は、BPF1を通過した後のノック判定用信号を対象として、#1〜#4気筒の気筒毎にノック判定レベルを表した図である。図12は、BPF2を通過した後のノック判定用信号を対象として、#1〜#4気筒の気筒毎にノック判定レベルを表した図である。
図11および図12は、#1気筒の筒内圧センサ26の出力信号に関して、BPF1の高周波側の帯域にノイズ成分が重畳している例に対応している。すなわち、図11に示すように、BPF1に関する#1気筒のノック判定レベルが、BPF1の高周波側の帯域へのノイズ成分の重畳の影響により、他の#2〜#4気筒のノック判定レベルよりも高くなっている。また、ノイズ成分はBPF2の高周波側の帯域には重畳していないので、図12に示すように、BPF2に関する各気筒のノック判定レベルの間には有意な差は認められない。
ノックが発生していない通常燃焼時であれば、各気筒の筒内圧センサ26により取得される燃焼波形は、#1〜#4気筒についての同時期のサイクル間であればほぼ同じといえる。これに対し、図11および図12に示す一例のように、通過帯域が相対的に広いBPF(この例ではBPF1)に関する特定気筒(この例では#1気筒)のノック判定レベルが高く、かつ、このBPFよりも通過帯域が狭いBPF(この例ではBPF2)に関する特定気筒(#1気筒)のノック判定レベルについては他の気筒の値との間に有意な差が認められない場合には、特定気筒の高周波成分にのみノイズ成分が重畳していると判断することができる。
本実施形態では、前提として、BPF1〜BPF3のそれぞれに関するノック判定レベルが気筒毎に算出される。そのうえで、特定気筒の高周波成分へのノイズ成分の重畳の有無を判定するために、各気筒のノック判定レベルの比較がBPF毎に実行される。この比較は、まず、相対的に通過帯域の広いBPF1およびBPF2を対象として実行される。そして、BPF1に関する各気筒のノック判定レベルを比較した結果として特定気筒のノック判定レベルが相対的に他の気筒の値よりも高く、かつ、BPF2に関する各気筒のノック判定レベルの比較結果からは気筒間でノック判定レベルに有意な差が認められなかった場合には、上記特定気筒の高周波成分にのみノイズ成分が重畳していると判定される。そして、この場合には、この特定気筒のノック判定処理に使用されるBPFの通過帯域の高周波側の帯域が狭められる。図11に示す例の場合には、#1気筒のノック判定処理に使用されるBPFがBPF1からBPF2に変更される。
一方、BPF1およびBPF2を対象とした比較の結果として、ノイズ成分が重畳していると判定される特定気筒が見つからなかった場合には、次いで、BPF2およびBPF3を対象として、同様の比較が実行される。そして、ノイズ成分が重畳していると判定される特定気筒が見つかった場合には、この特定気筒のノック判定処理に使用されるBPFの通過帯域の高周波側の帯域が狭められる。具体的には、この特定気筒のノック判定処理に使用されるBPFがBPF1もしくはBPF2からBPF3に変更される。
以上説明したように、実施の形態3の処理によれば、高周波成分へのノイズ成分が重畳している気筒を特定しながら、BPFの通過帯域内の高周波成分(高周波側の帯域のノック判定用信号)へのノイズ成分の重畳の有無を判定することができる。そして、高周波成分へのノイズ成分の重畳が認められた特定気筒を対象として、ノック判定処理に使用されるBPFの通過帯域の高周波側の帯域を狭めることにより、この特定気筒でのノックの誤判定を抑制することができる。
ところで、BPFの通過帯域内の高周波成分へのノイズ成分の重畳の有無を判定する処理は、実施の形態1〜3で説明した手法に代え、以下に図13を参照して説明する手法であってもよい。
図13は、BPFの通過帯域内の高周波成分へのノイズ成分の重畳の有無を判定する他の手法を説明するための図である。この例に用いられるシステム構成は、次の点を除き、図1に示す構成と同じであるものとする。すなわち、このシステム構成では、バンドパスフィルタとして、BPF1とBPF2とが備えられている。また、図13に示すように、BPF1の高周波側の帯域を通過帯域の一部とする(換言すると、上述の周波数f22を遮断周波数とする)ハイパスフィルタ(HPF)が備えられている。このようなシステム構成の下で、HPFを通過した後の筒内圧センサ26の出力信号の強度のピーク値もしくは積分値が所定値以上であるときに、BPF1の通過帯域内の高周波成分にノイズが重畳していると判定してもよい。そして、この判定結果を受けて、ノック判定処理に使用されるBPFをBPF1からBPF2に変更してもよい。
10 内燃機関
14 燃焼室
26 筒内圧センサ
30 電子制御ユニット(ECU)
30a バンドパスフィルタ部(BPF部)

Claims (1)

  1. 筒内圧を検出する筒内圧センサと、前記筒内圧センサの出力信号に対してノック成分が重畳し得るノック周波数帯域を含む通過帯域にて前記筒内圧センサの出力信号を抽出するバンドパスフィルタとを備える内燃機関を制御する制御装置であって、
    前記制御装置は、
    前記バンドパスフィルタを通過した後の前記筒内圧センサの出力信号であるノック判定用信号に基づいてノックの発生の有無を判定し、
    ノックの判定結果に基づいて前記内燃機関の運転状態を制御し、
    前記通過帯域内の高周波側の帯域の前記ノック判定用信号へのノイズ成分の重畳を検出した場合には、高周波側の遮断周波数が低くなる態様で前記通過帯域を狭めるように構成されていることを特徴とする内燃機関の制御装置。
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