JP4333903B2 - 農作業機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は例えば稲・麦・大豆などの穀物を刈取って脱穀するコンバインなど農作業機に関する。
【0002】
【従来の技術】
ラジエータなどエンジン部の外気取入口に防塵用のロータリスクリーンを配設して、除塵後の清浄空気をエンジン部に取入れる手段がある。(例えば、特許文献1参照)
【0003】
【特許文献1】
特開2001−317422
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
防塵装置として上記の如きロータリスクリーンを用いた場合、構造も複雑で設置コストを高くなり、また単純な防塵装置として防塵網を用いた場合には防塵網が目詰りし易く塵の多い環境の作業ではエンジンがオーバヒートするなどの不都合がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
したがって本発明は、エンジン部の空気取入口に吸込空気の除塵を行うサイクロン式除塵ケースを配備させ、除塵ケースの外周部を空気吸込口に形成して、サイクロン式除塵ケースの吸込口(開口部)を効率良く広げて、小型の除塵ケースで良好な防塵を可能とさせるものである。
【0006】
また、除塵ケース内に吸入空気力により回転する除塵羽根を設けて、除塵ケース内に流入する空気により羽根を回転させ、塵の除去を助長させて塵の回収効率を向上させるものである。
【0007】
また、除塵ケースの空気吸込口に複数の風向板を配設させて、除塵ケース内に空気を流れ良好に取入れて、除塵効率を向上させるものである。
【0008】
さらに、風向板の向きを調節可能に設けて、風量が変化する場合でも風向板の調節によって、風量を安定維持させて除塵効率を向上させるものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。図1、図2に示す如く、左右走行クローラ1・1を走行機枠2に装設させ、走行機枠2上に機台3を架設させる。前記機台3上に脱穀部4を搭載させ、扱胴5を脱穀部4に内設させる。また、前記脱穀部4前側に昇降自在に刈取部6を装設させ、刈刃7及び穀稈搬送機構8を前記刈取部6に設ける。さらに、前記刈取部6右側の機台3上に運転台9を設置させ、左右サイドクラッチレバー10・11などを備える運転操作部12と運転席13を運転台9上に配備させると共に、運転席13の下側にエンジン14を内設させる。また、前記脱穀部4の右側で運転台9の後側に穀粒タンク15と袋詰め作業台16を設ける。そして、運転席14に作業者が座乗し、走行クローラ1及び刈取部6及び脱穀部4をエンジン14によって駆動し、前進走行させ乍ら、刈取部6によって圃場の穀稈を刈取り、刈取った穀稈を脱穀部4に供給して脱穀し、穀粒を前記タンク15に取出す作業を連続して行わせる。
【0010】
なお、17は前記エンジン14に燃料を供給する燃料タンク、18は燃料フィルタである。
【0011】
図3、図4にも示す如く、前記エンジン14を内設させるエンジン部(エンジンルーム)19右外側にサイクロン式除塵装置20の除塵ケース21を配設させるもので、除塵ケース21の上部に除塵室22を形成し、該除塵室22の外側を網体或いは目抜き板など防塵用スクリーン23で覆うと共に、除塵室22の上面及び前後側面部を空気吸込口24に形成し、ラジエータなどの冷却ファンの回転で空気吸込口24から除塵ケース21に取込んだ空気を除塵室22内側のダクト室25を介しエンジン部19に送り込むように構成している。
【0012】
また図3矢印に示す如く、前記除塵室22に取入れる空気を反時計方向に回転させる複数の風向板26を円弧状に空気吸込口24に設けると共に、除塵室22の中央部に流入空気力で回転する羽根27を回転軸28を介して除塵ケース21に支持させて羽根27の回転で塵の分離を一層追従させて塵回収部29に塵を案内させ、除塵後の清浄空気のみをエンジン部19に供給するように構成している。
【0013】
図5に示すサイクロン式除塵装置20は、除塵ケース21の前面及び上下側面部を空気吸込口24に形成して、該吸込口24に複数の風向板26を円弧状に配設すると共に、除塵ケース21の後部に隔壁30を介して塵排出ダクト31を形成させ、該ダクト31の最下位置に開閉蓋32を有する集塵部33を設けて、作業中の本機駆動時には除塵ケース21の負圧でもって蓋32を閉とさせて集塵部33に塵を溜め、本機の駆動停止時には自重により蓋32を開放して集塵部33の塵を機外に排出させて解除性を向上させるように構成している。
【0014】
また、除塵ケース21は前面及び上下側面部を開口させて空気吸込口24に形成して、吸込口24を効率良く広げて除塵ケース21の横巾Hを小さく抑えて除塵装置20の小型コンパクトを図ると共に、任意或いは全ての風向板26の向きを調節ボルト34操作で調節可能とさせて、風量の異なる場合において風向板26を調節して風量を安定維持させるもので、また風向板26は長さなど形状や枚数も条件によって調整して風向板26による圧力損失を低減させ風量の確保を図るように構成している。
【0015】
さらに、前記隔壁30上端に調節ボルト35を介して突出長さ調節自在に延長板36を固定させて、風量や塵の混入状態によって延長板36の突出長さを調節して除塵効率を向上させるように構成している。
【0016】
上記からも明らかなように、エンジン部19の空気取入口に吸込空気の除塵を行うサイクロン式除塵ケース21を配備させ、除塵ケース21の外周部を空気吸込口24に形成したことによって、サイクロン式除塵ケース21の吸込口(開口部)24を効率良く広げて、小型の除塵ケース21で良好な防塵を可能とさせることができると共に、除塵ケース21の空気吸込口24に複数の風向板26を配設させたことによって、除塵ケース21内に空気を流れ良好に取入れて、除塵効率を向上させることができるものである。
【0017】
また、風向板26の向きを調節可能に設けたことによって、風量が変化する場合でも風向板26の調節によって、風量を安定維持させて除塵効率を向上させることができる。
【0018】
さらに、除塵ケース21内に吸入空気力により回転する除塵羽根27を設けたことによって、除塵ケース21内に流入する空気により羽根27を回転させ、塵の除去を助長させて塵の回収効率を向上させることができるものである。
【0019】
図6に示すサイクロン式除塵装置20は、ラジエータ37の前面側に除塵ケース21に配設させ、ラジエータ37の冷却ファン38の回転で除塵ケース21の前面及び上下側面部の空気吸込口24より風向板26を介し空気を吸込んで、除塵後の清浄空気を直接的にラジエータ37に供給させるもので、風向板26による空気の流れと冷却ファン38の回転方向とを一致させることによって、圧力損失を低減させ風量を増大させるものである。なお、除塵ケース21と冷却ファン38との間に目抜き板などの防塵用スクリーン23を配設させても良い。
【0020】
また図7に示すものは、風向板26の案内で防塵ケース21内に流入する空気力で回転させる羽根27を設けたサイクロン式除塵装置20にあっては、風向板26で起生する風の旋回(サイクロン)の中心Aと羽根27の中心である回転軸28とを偏心させ、集塵部33の上方域では羽根27と風との間に速度差を有するように設けて集塵効果を向上させるように設けたものである。
【0021】
図8、図9に示すサイクロン式除塵装置20は、除塵ケース21内に流入空気力で回転する羽根27を設け、該羽根27の断面形状をコ形状として、コ形状端部に回転方向側の高さを小とする段差Xを形成させ、目抜き板など防塵用スクリーン23を挾んだ羽根27との反対側の同一位置に、羽根27のコ形状内の圧力を下げるための当て板39を設け、スクリーン23面に付着した塵の回収率を向上させるように構成したものである。
【0022】
図10、図11に示すサイクロン式除塵装置20は、除塵ケース21内に流入空気力で回転する羽根27を設け、目抜き板など防塵用スクリーン23を挾んだ羽根27との反対側の同一回転軸28にも補助羽根40を設けて、羽根27と補助羽根40との羽根角度を逆関係とさせ起風方向K1・K2を反対方向とさせ、エンジン14の駆動停止時など羽根27が慣性力で回転するときには、補助羽根40による回転でスクリーン23より機外に風を発生させる状態とさせて、スクリーン23に付着した塵を解除するように構成したものである。
【0023】
なお、スクリーン23の裏側でスクリーン23に接するブラシ体を羽根27の回転軸28に取付けて羽根27の回転時にブラシ体でスクリーン23裏側を解除する構成でも良い。
【0024】
図12、図13は、除塵ケース21の外周全域に塵の回収を高める空間41を形成させるもので、図12に示すものは、空間41を塵の通るガイドに設けて、集塵部33まで塵を良好に案内させ、図13に示すものは、羽根27の外周全域の空間41を塵の集塵部33に設けると共に、防塵ケース21の一側開口部を空気吸込口24に設け、該吸込口24に風向板26を設けて塵の回収率を向上させるように構成したものである。
【0025】
図14(1)に示すものは、前記除塵ケース21をエンジン部19に開閉部材42を介し開閉自在に取付ける構成を示し、また図14(2)に示すものは、除塵ケース21の開閉と共に、オイルクーラ43も回動させてメンテナンス性を向上させるようにした構成を示したものである。
【0026】
【発明の効果】
以上実施例から明らかなように本発明は、エンジン部19の空気取入口に吸込空気の除塵を行うサイクロン式除塵ケース21を配備させ、除塵ケース21の外周部を空気吸込口24に形成したものであるから、サイクロン式除塵ケース21の吸込口(開口部)24を効率良く広げて、小型の除塵ケース21で良好な防塵を可能とさせることができるものである。
【0027】
また、除塵ケース21の空気吸込口24に複数の風向板26を配設させたものであるから、除塵ケース21内に空気を流れ良好に取入れて、除塵効率を向上させることができるものである。
【0028】
さらに、風向板26の向きを調節可能に設けたものであるから、風量が変化する場合でも風向板26の調節によって、風量を安定維持させて除塵効率を向上させることができるものである。
【0029】
また、除塵ケース21内に吸入空気力により回転する除塵羽根27を設けたものであるから、除塵ケース21内に流入する空気により羽根27を回転させ、塵の除去を助長させて塵の回収効率を向上させることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンバインの全体側面図。
【図2】コンバインの全体平面図。
【図3】除塵部の側面説明図。
【図4】除塵部の正面説明図。
【図5】除塵装置の説明図。
【図6】除塵装置の説明図。
【図7】除塵装置の説明図。
【図8】除塵装置の説明図。
【図9】羽根の断面説明図。
【図10】除塵装置の説明図。
【図11】羽根と補助羽根の説明図。
【図12】除塵装置の説明図。
【図13】除塵装置の説明図。
【図14】除塵ケースの開閉説明図。
【符号の説明】
19 エンジン部
21 除塵ケース
24 空気吸込口
26 風向板

Claims (3)

  1. エンジン部の空気取入口に吸込空気の除塵を行うサイクロン式除塵ケースを配備させ、除塵ケースの外周部を空気吸込口に形成し、
    同除塵ケース内に吸入空気力により回転する除塵羽根を設けたことを特徴とする農作業機。
  2. 除塵ケースの空気吸込口に複数の風向板を配設させたことを特徴とする請求項1記載の農作業機。
  3. 風向板の向きを調節可能に設けたことを特徴とする請求項2記載の農作業機。
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