JP4329217B2 - 樹脂被覆鋼材の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼管、鋼矢板または鋼管矢板などの鋼材の表面に樹脂皮膜が形成され、パイプラインや土木用途などに用いられる樹脂被覆鋼材の製造方法に関し、特に、鋼材表面における樹脂皮膜の接着耐久性を向上することが可能な樹脂被覆鋼材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、パイプラインや土木用に鋼管や鋼矢板を用いる場合、設置環境による腐食に対する鋼材の防食のため、鋼材にポリエチレン、ポリプロピレン、エポキシ樹脂などの有機樹脂を被覆する、いわゆる重防食塗覆装が行われている。
上記した重防食塗覆装においては、重防食塗覆装を行う前に樹脂皮膜の接着耐久性を高めるために鋼材表面の洗浄を行う場合があるが、従来技術においては、洗浄方法として、鋼材のブラスト処理前に水洗を行うか、ブラスト処理後に酸洗処理を行う。
【0003】
この場合、下記(1) 、(2) の問題点があった。
(1) 鋼材のブラスト処理前に水洗を行う場合の問題点:
鋼材のブラスト処理前に水洗を行う場合、鋼材素地表面に付着した塩分などを除去する効果はあるが、その後のブラスト処理中にダストやダストに付着している塩分がブラスト処理後の鋼材素地に付着し、樹脂皮膜の接着耐久性の向上が不十分であった。
【0004】
また、上記したブラスト処理後の鋼材素地に付着しているダストを除去するためにエアーブローが用いられているが、効果が十分ではなかった。
(2) ブラスト処理後に酸洗処理を行う場合の問題点:
ブラスト処理後に酸洗処理を行う場合、樹脂皮膜の接着耐久性の向上が期待できるが、酸洗処理設備が必要となると共に、処理済みの廃液の処理および薬剤などが必要となり設備面および経済性の面から問題があり、さらには所要酸洗時間の面から生産性が低下する問題があった。
【0005】
以上述べたように、従来、鋼材の重防食塗覆装における鋼材表面の洗浄において、簡易な設備で、かつ、生産性、経済性に優れた方法で鋼材表面を効果的に洗浄し、樹脂皮膜の接着耐久性を向上することは困難であった。
また、重防食塗覆装鋼材(以下、重防食鋼材とも記す)は、通常、電気防食を併用して長期間使用されるが、防食電流により発生したアルカリによって、鋼材の運搬・敷設時に生じた樹脂皮膜の損傷部から剥離が生じる陰極剥離と呼ばれる現象によって防食性能が低下する。
【0006】
一方、近年、重防食鋼材の防食性能に対する要求がさらに厳しくなり、重防食鋼材の耐陰極剥離性能を向上することが重要な課題であり、このためにも前記した樹脂皮膜の接着耐久性のさらなる向上が必要となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記した従来技術の問題点を解決し、簡易な設備で、かつ、生産性、経済性に優れた方法で鋼材表面を効果的に洗浄し、鋼材表面における樹脂皮膜の接着耐久性を向上することが可能な樹脂被覆鋼材の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、鋼材をブラスト処理しスケールを除去した後、空気温度t 1 (℃)が下記式(1) を満足する空気中に保持し、その後、水温t 2 (℃)が下記式(2) を満足する水を用いて水洗し、その後強制乾燥し、得られた鋼材の表面に樹脂皮膜を形成することを特徴とする樹脂被覆鋼材の製造方法である
【0009】
1 空気の露点(℃)+3℃………(1)
95℃≧2 空気の露点(℃)+5℃………(2)
前記した第1の発明においては、前記した強制乾燥後、クロメート処理し、得られた鋼材の表面に樹脂皮膜を形成することが好ましい。
また、前記した第1の発明における鋼材の強制乾燥の方法としては、 <1>鋼材表面への加熱ガスの吹き付け、 <2>鋼材の加熱ガス中での保持、 <3>鋼材表面への除湿ガスの吹き付け、 <4>鋼材の除湿ガス中での保持、またはこれら <1><4> の内の2種類以上の組み合わせを用いることが好ましい。
【0010】
また、前記した第1の発明におけるブラスト処理の方法としては、サンドブラスト、ショットブラスト、グリットブラストなどを用いることができる。
また、前記した第1の発明における前記した樹脂皮膜の形成方法としては、後記する(1) 押出被覆法、(2) 粉体融着法、(3) 静電スプレー法、(4) 樹脂フィルムの加熱・圧着法もしくは(5) 塗布法から選ばれる形成方法を用いることが好ましい。
【0011】
また、前記した第の発明においては、前記した空気温度t1 (℃)が下記式(3) を満足することが好ましい。
250 ℃≧t1 空気の露点(℃)+3℃………(3)
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
鋼材のブラスト処理後は鋼材素地が活性化し発錆し易い状態になっており、従来、ブラスト処理後、湿度管理が行われており、また、水分による発錆を防止するため水分付着が禁止され、水洗も行われていなかった。
【0013】
これに対して、本発明者は、前記した課題を解決するために鋭意検討した結果、鋼材のブラスト処理後、水洗し、その後、強制乾燥を行うことによって、鋼材表面のダストや塩分などの不純物が十分除去されると共に、鋼材の発錆が防止でき、その結果、鋼材表面に形成した樹脂皮膜の接着耐久性を向上させることが可能であることを見出し、本発明に至った。
【0014】
また、さらに検討を重ねた結果、鋼材のブラスト処理後、特定温度範囲の雰囲気ガス中に保持し、その後、特定温度範囲の水温の水を用いて水洗し、その後、強制乾燥を行うことによって、鋼材表面に形成した樹脂皮膜の接着耐久性をさらに向上させることが可能であることを見出し、本発明を完成した。
図1に、本発明の樹脂被覆鋼材の製造方法の一例を工程図によって示す。
【0015】
すなわち、本発明においては、鋼材をブラスト処理しスケールを除去した後、水洗し、その後強制乾燥し、得られた鋼材の表面に樹脂皮膜を形成する。
なお、本発明においては、図1に示すように、鋼材表面における樹脂皮膜の接着耐久性をさらに向上させるために、樹脂皮膜の形成に際して予め鋼材表面にクロメート処理などの下地処理を施しておくことが好ましい。
【0016】
以下、本発明を、I.ブラスト処理、II. 鋼材のブラスト処理後、水洗までの間の鋼材の保持条件、鋼材の水洗条件、III. 鋼材の強制乾燥、IV.鋼材の下地処理、V.樹脂皮膜の形成方法の順に説明する。
〔I.ブラスト処理:〕
本発明においては、先ず、鋼材をブラスト処理しスケールを除去する。
【0017】
ブラスト処理の方法としては、サンドブラスト、ショットブラスト、グリットブラストなどを用いることができる。
〔II. 鋼材のブラスト処理後、水洗までの間の鋼材の保持条件、鋼材の水洗条件:〕
鋼材のミルスケールをブラスト処理によって除去した後も、鋼材素地にはミルスケールやブラスト処理材のダストが付着しており、エアーブロー程度では十分に除去できない。
【0018】
上記したダストには鋼材素地表面に付着していた塩分など不純物などを含んでいることもあり、塗覆装の接着性能を低下させる要因になっている。
これに対して、ブラスト処理後に水洗を行うことで、このようなダストや塩分などの不純物を十分に除去することができる。
さらに、ブラスト処理後の鋼材の保持温度、水洗時の水温を規定し、水洗後、強制乾燥を行うことで発錆も防止できる。
【0019】
本発明においては、鋼材のブラスト処理後、水洗までの間、鋼材をガス温度t1 (℃)が下記式(1) を満足する空気中に保持する。
1 空気の露点(℃)+3℃………………(1)
これは、ブラスト処理後、水洗までの間の雰囲気ガス中の水分による発錆を防止するためである。
【0020】
なお、本発明においては、前記した空気の温度t1 (℃)が下記式(3) を満足することが好ましい。
250 ℃≧t1 空気の露点(℃)+3℃……(3)
これは、空気の温度t1 が250 ℃を超える場合、鋼材表面にスケールが生成する可能性があるためである。
【0021】
また、本発明においては、ブラスト処理後の鋼材を、空気温度t1 (℃)が前記した式(1) 、好ましくは前記した式(3) を満足する空気中に保持した後、水温t2 (℃)が下記式(2) を満足する水を用いて水洗する。
95℃≧2 空気の露点(℃)+5℃………………(2)
これは、水洗水の水温t2 (℃)を上記した範囲に限定することによって、水洗後の鋼材表面温度を高めに維持することができ、鋼材素地の発錆をより確実に防止することが可能となるためである。
【0022】
なお、本発明においては、前記した水洗水の水温t2 (℃)が95℃を超える場合、水洗水の蒸発速度が大となり、蒸気の回収設備が必要となるため上限を95℃とする
【0023】
本発明によれば、ブラスト処理後の鋼材を上記した条件下で、保持、水洗することによって、鋼材表面上のダストや不純物を十分に除去することが可能となると共に、鋼材表面上の発錆を防止することができる。
なお、本発明においては、設備面、経済性の面から、雰囲気ガスとして空気を使用する
【0024】
〔III. 鋼材の強制乾燥:〕
本発明においては、上記した水洗後の鋼材を強制乾燥する。
強制乾燥の方法としては、水洗後の鋼材表面の水分の乾燥速度が、雰囲気ガス中での自然乾燥に対して大となる乾燥方法であれば特に制限を受けるものではないが、好ましくは、 <1>鋼材表面への加熱ガスの吹き付け、 <2>鋼材の加熱ガス中での保持、 <3>鋼材表面への除湿ガスの吹き付け、 <4>鋼材の除湿ガス中での保持、またはこれら <1><4> の内の2種類以上の組み合わせを用いることができる。
【0025】
なお、設備面、経済性の面から、上記した加熱ガス、除湿ガスとしては、加熱空気、除湿空気を用いることが好ましい。
また、本発明においては、前記した強制乾燥の方法として、湿度制御した常温以下の空気を使用すれば、後記する塗覆装前の下地処理を常温で行う場合にも適用することが可能となり、下地処理効果を一層発揮させることができる。
【0026】
さらに、本発明においては、前記した鋼材の水洗後、15min 以内に鋼材の強制乾燥を開始することが好ましい。
これは、鋼材の水洗後強制乾燥迄の間における鋼材表面における発錆を防止するためである。
〔IV.鋼材の下地処理:〕
本発明においては、後記する樹脂皮膜の形成の前に、鋼材表面をクロメート処理することが好ましい。
【0027】
これは、予め鋼材表面をクロメート処理することによって、鋼材表面における樹脂皮膜の密着性が向上するためである。
クロメート処理の方法としては、特に制限を受けるものではなく、▲1▼鋼材表面にクロム酸含有クロメート液を塗布する方法、▲2▼鋼材をクロム酸含有クロメート液に浸漬する方法、▲3▼鋼材をクロム酸および硫酸を含有する水溶液中で陰極電解処理する方法などを用いることができる。
【0028】
なお、上記した▲1▼、▲2▼におけるクロメート液中には鋼材表面における樹脂皮膜の密着性をさらに向上するために気相シリカを添加することも好ましい。
また、上記した▲1▼、▲2▼におけるクロメート液中にはメチルアルコールなどの1価のアルコール、ポリエチレングリコールなどの多価アルコール、蟻酸、蓚酸などのカルボン酸を還元剤として添加し、クロム酸を一部還元して用いることによって、クロメート層の耐アルカリ溶解性能を向上することができる。
【0029】
〔V.樹脂皮膜の形成方法:〕
本発明における鋼材表面の樹脂皮膜の形成方法としては、鋼材表面もしくは上記したクロメート処理などの下地処理した鋼材表面に樹脂皮膜を形成することが可能な方法であれば特に制限を受けるものではないが、下記(1) 〜(5) から選ばれる樹脂皮膜の形成方法を用いることが好ましい。
【0030】
なお、以下の説明においては、鋼材表面もしくはクロメート処理などの下地処理した鋼材表面の両者を鋼材表面と記す。
(1) 押出被覆法:
スクリュー式押出機を用いて、加熱溶融した熱可塑性樹脂をダイを経て鋼材表面に被覆する。
【0031】
上記した熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂を用いることが好ましい。
なお、鋼材表面にポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂を被覆する場合、鋼材表面もしくはクロメート処理などの下地処理した鋼材表面に、エポキシ樹脂を主剤とするエポキシ系接着剤および/または変性ポリオレフィン樹脂を主剤とする接着剤をプライマーとして塗布した後、ポリオレフィン樹脂を被覆することが好ましい。
【0032】
これは、上記した構成とすることによって、ポリオレフィン樹脂の接着耐久性が向上するためである。
(2) 粉体融着法:
予熱した鋼材表面に粉体熱可塑性樹脂を散布し、溶融させて被覆する。
上記した粉体熱可塑性樹脂としては、粉体ポリエチレン、粉体ポリプロピレンなど粉末状のポリオレフィン樹脂を用いることが好ましい。
【0033】
(3) 静電スプレー法:
予熱した鋼材表面に静電スプレー法で粉体エポキシ樹脂など粉末状の熱硬化性樹脂を塗装する。
塗装された粉末状の熱硬化性樹脂は溶融、造膜し硬化する。
(4) 樹脂フィルムの加熱・圧着法:
鋼材表面に熱可塑性樹脂から成る樹脂フィルムを加熱・圧着する。
【0034】
上記した熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、熱可塑型ポリウレタンを用いることが好ましい。
なお、この場合、鋼材表面もしくはクロメート処理などの下地処理した鋼材表面に、エポキシ樹脂を主剤とするエポキシ系接着剤をプライマーとして塗布した後、ポリオレフィン樹脂もしくは熱可塑型ポリウレタンを被覆することが好ましい。
【0035】
これは、上記した構成とすることによって、ポリオレフィン樹脂、熱可塑型ポリウレタンの接着耐久性が向上するためである。
また、樹脂フィルムの加熱・圧着法においては、鋼材表面もしくはクロメート処理などの下地処理した鋼材表面もしくはクロメート処理などの下地処理を施しさらに上記したプライマーを塗布した鋼材表面に、変性樹脂皮膜を形成した後、その上層としてさらに樹脂皮膜を形成することも好ましい。
【0036】
これは、樹脂皮膜と鋼材表面との間に変性樹脂皮膜を介在せしめることによって、樹脂皮膜の鋼材表面への密着性が向上するためである。
なお、上記した変性樹脂皮膜とその上層としての樹脂皮膜としては、変性ポリオレフィン樹脂皮膜およびその上層としてのポリオレフィン樹脂皮膜または変性熱可塑型ポリウレタン皮膜およびその上層としての熱可塑型ポリウレタン皮膜が例示される。
【0037】
(5) 塗布法:
鋼材表面に有機樹脂を含有する塗料を塗布し、乾燥し、必要に応じてさらに加熱処理する。
上記した有機樹脂としては熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれも用いることができる。
【0038】
なお、上記した塗料中には芳香族系ポリアミンなどの硬化剤を添加してもよい。
以上、本発明について述べたが、本発明においては、ブラスト処理前においても鋼材を水洗してもよい。
これは、ブラスト処理前にも水洗することによって、予め鋼材素地の不純物が除去され、樹脂皮膜の接着性能がさらに向上するためである。
【0039】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明する。
(実施例1〜6)
前記した図1に示す工程にしたがって外径:760mm 、肉厚:12mm、長さ:12mの鋼管に重防食塗覆装を施した。
【0040】
すなわち、先ず、上記した鋼管をグリットブラスト処理した後、雰囲気温度t1 が〔雰囲気空気の露点(℃)+3℃〕である空気中に保持し、その後、浄水を用いて下記条件下で水洗した。
〔水洗の条件:〕
水洗水の水温t2 =〔雰囲気空気の露点(℃)+5℃〕(:実施例1〜3)
または、
水洗水の水温t2 =〔雰囲気空気の露点(℃)+70℃〕(:実施例4〜6)
水圧:294Pa/cm2 ・G
水量:5l/min/m2
上記した水洗後、2min 経過した時点で鋼材表面に除湿した空気を吹き付け鋼材を強制乾燥した。
【0041】
次に、塗装ライン上で、鋼管を円周方向に回転させながら直進させ、下記方法で鋼管表面に重防食塗覆装を施した。
すなわち、常温の鋼管表面にクロメート液を塗布することによって下地処理を施し、次いで鋼管表面に付着したクロメート処理液の乾燥を行った。
次に、表1に示す樹脂皮膜形成工程によって、鋼管外周面にポリエチレン、ポリプロピレンまたはエポキシ樹脂から成る樹脂皮膜を形成した。
【0042】
なお、静電スプレー法においては、樹脂皮膜形成前に、鋼管表面に付着したクロメート処理液の乾燥と樹脂皮膜形成前の予熱を目的とした鋼管の加熱を行った。
次に、下記試験条件下で、得られた重防食鋼管の耐陰極剥離試験を行い、耐陰極剥離性を評価した。
【0043】
なお、耐陰極剥離試験においては、剥離半径が小さいほど性能が優れていると評価できる。
〔耐陰極剥離試験の条件:〕
塗覆装膜(樹脂皮膜)側に人工欠陥を形成した重防食鋼管の試験片を、参照電極として飽和カロメル電極(SCE )を、対極として白金電極を挿入した試験溶液中に浸漬し、30日間浸漬後の塗覆装膜の剥離半径を測定した。
【0044】
試験溶液:3%NaCl、25℃
試験片の電位:−1.5V vs SCE
初期人工欠陥の直径:6mm
表2に、得られた試験結果を製造条件と併せて示す。
(実施例7)
前記した実施例1において、強制乾燥の方法として、除湿空気に代えて加熱空気を鋼材表面に吹き付ける方法を用いた以外は実施例1と同様の方法、条件で鋼管に重防食塗覆装を施し、得られた重防食鋼管の耐陰極剥離性を評価した。
【0045】
表2に、得られた試験結果を製造条件と併せて示す。
(比較例1〜3)
前記した実施例1〜3において水洗を行わなかった以外は実施例1〜3と同様の方法、条件で鋼管に重防食塗覆装を施し、得られた重防食鋼管の耐陰極剥離性を評価した。
【0046】
表2に、得られた試験結果を製造条件と併せて示す。
表2に示されるように、本発明により、樹脂皮膜の接着耐久性が向上し、耐陰極剥離性に優れた重防食鋼材を得ることが可能となった。
【0047】
【表1】
Figure 0004329217
【0048】
【表2】
Figure 0004329217
【0049】
【発明の効果】
本発明によれば、簡易な設備で生産性、経済性に優れた方法で鋼材表面を効果的に洗浄し、樹脂皮膜の接着耐久性を向上することが可能となり、耐陰極剥離性に優れた重防食鋼材を得ることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の樹脂被覆鋼材の製造方法の一例を示す工程図である。

Claims (2)

  1. 鋼材をブラスト処理しスケールを除去した後、空気温度t 1 (℃)が下記式(1) を満足する空気中に保持し、その後、水温t 2 (℃)が下記式(2) を満足する水を用いて水洗し、その後強制乾燥し、得られた鋼材の表面に樹脂皮膜を形成することを特徴とする樹脂被覆鋼材の製造方法。

    1 ≧空気の露点(℃)+3℃………(1)
    95℃≧t 2 ≧空気の露点(℃)+5℃………(2)
  2. 前記した強制乾燥後、クロメート処理し、得られた鋼材の表面に前記した樹脂皮膜を形成することを特徴とする請求項1記載の樹脂被覆鋼材の製造方法
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