JP7528903B2 - 樹脂塗覆装鋼管およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、主にガス管として用いられる樹脂塗覆装鋼管とその製造方法に関するものである。
鋼管の外面に酸洗やブラスト処理などの素地調整を行った後、粘着剤または接着剤を介してポリエチレン被覆層を押出被覆により形成したポリエチレン被覆鋼管は、都市ガスなどのガス導管用鋼管として広く使用されている。
このポリエチレン被覆鋼管は、内面が無塗装の場合と、エポキシ樹脂塗料や無機ジンクリッチ系塗料などによる内面塗装が施される場合がある。
内面塗装が施されたポリエチレン被覆鋼管をガス導管に適用する場合、溶接施工時の熱により内面塗膜の熱分解生成物(以下「ミスト」という。)が発生し、このミストが配管系の電磁弁やフィルターに付着し、電磁弁作動不良やフィルター詰りなどの不具合を生じさせるという問題がある。
このような問題に対して、特許文献1には、アルキルシリケートをバインダー成分とする無機ジンクリッチ系塗料でポリエチレン被覆鋼管の内面塗装をする技術が示されており、このような内面塗装を施したポリエチレン被覆鋼管は、ガス導管の溶接施工時の熱によるミストの発生が抑えられため、近年急速に採用が拡大している。
特開2013-173340号公報
アルキルシリケートをバインダー成分とする無機ジンクリッチ系塗料で内面塗装したポリエチレン被覆鋼管は、上述したように溶接施工時の熱によるミストの発生を抑えることができるが、本発明者らが検討したところによれば、以下のような課題があることが判った。すなわち、無機ジンクリッチ系塗装で内面塗装したガス導管は、塗膜に含まれる亜鉛粒(亜鉛末)に起因する表面凹凸によって塗膜の平滑性が低下し、また塗膜表面に亜鉛粒が露出した状態となり、これらによって幾つかの問題を生じることが判った。
まず、管内に流すガスに含まれている付臭剤が塗膜に吸着され、ガスの臭いが初期に低下するという問題がある。この原因としては、(i)塗膜に含まれる亜鉛粒(亜鉛末)に起因する表面凹凸により塗膜の表面積が大きくなり、付臭剤が塗膜面に吸着されやすいこと、(ii)塗膜面に存在(露出)する亜鉛粒が付臭剤の硫黄分と親和性が高く、付臭剤の吸着サイトとなること、などが挙げられる。このガスの臭いが低下する問題は、ガスを定常的に流せば解消するが、ガス導管施工後にガスを流して行う臭気確認作業時になかなか臭いがしないという事象が発生し、ガスを多量に流す必要があるため臭気確認作業の能率が低下し、また、施工者に不安を与えるなどの問題もある。
また、ガス導管の溶接施工によりスパッタや鉄粉などの汚れが発生するため、溶接施工後にピグなどを用いた清掃が行われるが、内面塗膜の平滑性が低く、加えて塗膜面に亜鉛粒が存在(露出)していると、その汚れが塗膜面に付着しやすいため、清掃性が劣るという問題がある。
したがって本発明の目的は、以上のような従来技術の課題を解決し、溶接施工時の熱によるミストの発生が抑えられるとともに、(i)ガス管に適用した場合に、管内に流すガスに含まれている付臭剤が塗膜に吸着されにくい、(ii)溶接施工により生じたスパッタや鉄粉などの汚れが付着しにくく、溶接施工後の清掃が容易である、などの効果が得られる樹脂塗覆装鋼管およびその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、管内面の塗膜を実質的にアルキルシリケート重縮合反応物で構成することにより、亜鉛粒(亜鉛末)に起因する付臭剤の吸着が無くなるだけでなく、塗膜表面の平滑性が顕著に高まることにより、上記の課題を解決できることを見出した。
本発明は、このような知見に基づきなされたもので、以下を要旨とするものである。
[1]管外面に樹脂被覆層または塗膜を有し、管内面に塗膜を有する樹脂塗覆装鋼管であって、
管内面の塗膜は、アルキルシリケート重縮合反応物の含有量が95質量%超の塗膜からなることを特徴とする樹脂塗覆装鋼管。
[2]上記[1]の樹脂塗覆装鋼管において、管内面の塗膜が、平均粒径が5μm以上の粉体を含有しないことを特徴とする樹脂塗覆装鋼管。
[3]上記[1]または[2]の樹脂塗覆装鋼管において、管内面の塗膜が、有機化合物を含有しない無機系塗膜であることを特徴とする樹脂塗覆装鋼管。
[4]上記[1]~[3]のいずれかの樹脂塗覆装鋼管において、管内面の塗膜の膜厚が10~80μmであることを特徴とする樹脂塗覆装鋼管。
[5]上記[1]~[4]のいずれかの樹脂塗覆装鋼管において、管外面にポリエチレン被覆層を有することを特徴とする樹脂塗覆装鋼管。
[6]管外面に樹脂被覆層または塗膜を有し、管内面に塗膜を有する樹脂塗覆装鋼管の製造方法であって、
管内面を塗装するに際し、管内面に、塗料固形分中の割合でアルキルシリケートおよび/またはアルキルシリケートオリゴマーの含有量が95質量%超の塗料を塗装することにより、管内面にアルキルシリケート重縮合反応物の含有量が95質量%超の塗膜を形成することを特徴とする樹脂塗覆装鋼管の製造方法。
[7]上記[6]の製造方法において、管内面の塗膜用の塗料が、平均粒径が5μm以上の粉体を含有しないことを特徴とする樹脂塗覆装鋼管の製造方法。
[8]上記[6]または[7]の製造方法において、管内面の塗膜用の塗料が、塗膜となる塗料固形分として有機化合物を含有しない無機系塗料であることを特徴とする樹脂塗覆装鋼管の製造方法。
[9]上記[6]~[8]のいずれかの製造方法において、管内面の塗膜の乾燥膜厚を10~80μmとすることを特徴とする樹脂塗覆装鋼管の製造方法。
[10]上記[6]~[9]のいずれかの製造方法において、管外面にポリエチレン被覆層を形成することを特徴とする樹脂塗覆装鋼管の製造方法。
本発明の樹脂塗覆装鋼管は、溶接施工時の熱によるミストの発生が抑えられるとともに、(i)管内に流すガスに含まれている付臭剤が塗膜に吸着されにくい、(ii)溶接施工により生じたスパッタや鉄粉などの汚れが付着しにくい、という効果が得られる。このため、樹脂塗覆装鋼管をガス管として用いる場合、溶接施工時の熱により発生するミストが付着することよる電磁弁作動不良やフィルター詰りなどの不具合が改善されるとともに、上記(i)の効果により、ガス工事後のガス導入時に速やかに付臭剤の臭いが確認できるので、施工能率を改善することができ、また、上記(ii)の効果により、溶接施工後の管内面の清掃(ピグなどを用いた清掃)が容易になり、清掃作業性を改善することができる。
本発明の樹脂塗覆装鋼管は、管外面に樹脂被覆層または塗膜を有し、管内面に塗膜を有するものであり、種々の用途に使用することができるが、特にガス導管などのガス管に好適な樹脂塗覆装鋼管である。代表的には、管外面に樹脂被覆層を有するものとしてポリエチレン被覆鋼管、硬質塩化ビニル被覆鋼管などが挙げられ、管外面に塗膜を有するものとしてエポキシ塗装鋼管などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
管内面の塗膜(内面塗装)は、アルキルシリケート重縮合反応物の含有量が95質量%超の塗膜で構成される。
管内面の塗膜の主成分であるアルキルシリケート重縮合反応物(シロキサン結合を有する化合物)は、塗料に含まれるアルキルシリケート(オリゴマーである場合を含む。)に由来するものであり、管内面に塗装されたアルキルシリケートは、空気中の水分と反応して加水分解し、さらに重縮合してシロキサン結合を形成し、シロキサン結合を有する強固な高分子化合物、すなわちアルキルシリケート重縮合反応物となる。このアルキルシリケート重縮合反応物を主成分とする塗膜は、溶接施工時の熱によるミスト(塗膜の熱分解生成物)の発生が抑えられ、このミストによるガス導管の電磁弁の動作不良やフィルターの詰りなどの不具合を防止することができることに加えて、塗膜表面の平滑性が非常に高く、このため付臭剤の吸着防止効果が高い。
管内面の塗膜中でのアルキルシリケート重縮合反応物の含有量が95質量%以下では、塗膜表面の平滑性が不十分であり、付臭剤の吸着防止効果が得られない。このため管内面の塗膜中でのアルキルシリケート重縮合反応物の含有量は95質量%超、好ましくは97質量%以上、特に好ましくは100質量%とする。
管内面の塗膜の残部成分は特に限定しないが、塗膜の主成分であるアルキルシリケート重縮合反応物による塗膜表面の平滑性を損なわないようにするため、平均粒径が5μm以上の粉体(粉粒物なども含む。)を含まないことが好ましい。この粉体としては、例えば、亜鉛末などの金属粉、金属粉以外の無機系粒子(例えば、体質顔料)、有機系粒子などが挙げられる。ここで、平均粒径とは、レーザー回折・散乱法による粒度分布の測定値から算出される体積基準のメディアン径であり、市販のレーザー解析・散乱式粒度分布測定装置を用いて得られる。
さらに、管内面の塗膜は、溶接時のミストの発生を抑えるため、有機樹脂などの有機化合物を含まない無機系塗膜とすることが好ましい。
管内面の塗膜は、アルキルシリケート重縮合反応物以外の残部成分として、例えば、コロイダルシリカ(水分散コロイダルシリカなど)、非晶性シリカ、シリカゲル、タルク、炭酸カルシウム、酸化チタン、アルミナホワイト、塩基性炭酸マグネシウムなどの無機系微粒子(顔料)の1種以上を含有してもよい。これら無機系微粒子(顔料)は、塗膜強度を高める効果があるが、なかでも水分散コロイダルシリカが、特に塗膜強度を高める効果が高く且つ溶接欠陥を低減させる効果もあるので好ましい。このような効果を得るために、無機系微粒子の含有量は1質量%以上とするのが好ましい。
管内面の塗膜の膜厚は10~80μmとすることが好ましい。膜厚が10μm未満では防錆効果が低下し、一方、膜厚が80μmを超えると塗膜の内部応力が大きくなって剥離し易くなる。また、特に好ましい膜厚は20~30μmである。
管内面の塗膜に含まれるアルキルシリケート重縮合反応物のもとになるアルキルシリケート(オリゴマーである場合を含む。)としては、アルキル基がエチル基、メチル基、プロピル基などのものがあり、例えば、エチルシリケート、メチルシリケート、テトラエチルオルトシリケート、テトラメチルオルトシリケート、テトラ-n-プロピルオルトシリケート、テトラ-i-プロピルオルトシリケート、テトラ-n-ブチルオルトシリケート、テトラ-sec-ブチルオルトシリケートなどが挙げられ、これらの1種以上を用いることができるが、なかでもアルキル基がエチル基のものが、造膜性の面で最適である。
さきに述べたように、本発明が対象とする樹脂塗覆装鋼管の代表例は、ポリエチレン被覆鋼管であり、このポリエチレン被覆鋼管としては、JIS G3469、JIS G3477-2、JIS G3477-1に規定されるポリエチレン被覆鋼管などがあるが、特に溶接接合が主体となる中圧導管に多く使用されるJIS G3477-2のPE2S、JIS G3469のP2Sなどに好適である。ただし、これらに限定されるものではない。
本発明において、管内面の塗膜の膜厚は、電磁膜厚計により管の両端近傍位置の周方向4点(周方向で等間隔の4点)で内面塗膜厚を測定し、それらの平均値を膜厚とする。
次に、本発明の樹脂塗覆装鋼管の製造方法について、ガス管用のポリエチレン被覆鋼管を例に説明する。なお、他の樹脂塗覆装鋼管の製造においても、内面塗装については、以下の説明に準じた方法が採られる。
使用する鋼管(原管)は、ガス管用に用いられる鋼管であれば特に種類は問わない。一般的にはJIS G3452に規定されるSGP、JIS G3454に規定されるSTPGが最もよく用いられる。溶接接合を行うため、予め両管端はベベル加工がなされていることが好ましい。
鋼管(原管)には、内面塗装と外面樹脂被覆を施す前に、素地調整を目的として、酸洗またはブラスト処理(ショットブラスト、グリットブラストなど)が施され、鋼管内外面のさびや汚れ、ミルスケールを除去する。
鋼管の内面塗装では、管内面に、塗料固形分中の割合でアルキルシリケートおよび/またはアルキルシリケートオリゴマーの含有量が95質量%超の塗料を塗装(塗布)することにより、管内面に塗膜を形成する。
塗料中には、さきに説明した成分組成の塗膜となるように各成分(固形分)が配合される。また、塗料中にはアルキルシリケートを単独で用いることもあるが、アルキルシリケートをある程度縮合させたオリゴマー状態で使用してもよい。いずれの形態でも効果は同様である。
鋼管の内面塗装は、一般にエアレススプレーにより行われ、鋼管内面(素地)に塗料を塗装(塗布)し、乾燥させて内面塗膜を形成する。このエアレススプレーによる内面塗装では、先端にノズルのついたアームを管内部に挿入し、鋼管を回転させながらノズル先端から塗料を噴出させ、アームを徐々に引き抜きながら鋼管内面全長に塗装を施す。その際、アームの引き抜き速度を調整することで所望の膜厚となるようにする。アルキルシリケートおよび/またはアルキルシリケートオリゴマーを含有する塗料は塗装後、空気中の水分と接触することで硬化し造膜するが、この造膜後、乾燥炉で加熱してもよい。
鋼管外面については、必要に応じて、クロメート処理やノンクロメート処理(例えば、リン酸塩処理、リン酸処理、)などの化成処理を行った後、アスファルト系粘着材などによるアンダーコートを施す。
その後、押出成形機のクロスヘッドダイ(丸ダイ)やTダイを介して鋼管外面にポリエチレンを被覆する。また、P2S、PE2Sタイプなどは、防食用のポリエチレンを被覆した後、その上に更にもう一層保護層としてのポリエチレンを被覆する場合もある。
また、鋼管外面については、エポキシ樹脂塗装などの樹脂塗装を行う(すなわち、エポキシ塗装鋼管のような樹脂塗装鋼管とする)ことも可能であり、この場合には、鋼管をターニングローラーなどに乗せて回転させながら、エアレススプレーなどによって、エポキシ樹脂塗装などの樹脂塗装を鋼管外面の全面に行う。
以上述べたような製造方法により、本発明の樹脂塗覆装鋼管が製造される。
JIS G3452に規定するSGP(両管端をベベル加工した鋼管)を原管として、JIS G3469に規定するポリエチレン被覆鋼管P2S(200A)を製造した。
鋼管の内外面にグリットブラスト処理(Sa2.5)を施し、鋼管表面のさびや汚れ、ミルスケールを除去した。この鋼管に対して、以下のような方法で内面塗装と外面樹脂被覆を施し、ポリエチレン被覆鋼管とした。
また、比較例のポリエチレン被覆鋼管として、管内面にアルキルシリケート重縮合反応物の含有量が低い塗膜を形成したもの、管内面に無機ジンクリッチ系塗料による塗膜を形成したもの、管内面をエポキシ樹脂塗装したもの、管内面を無塗装としたものを製造した。
(a)内面塗装
塗料のアルキルシリケート(オリゴマーである場合を含む。)としては、エチルシリケートを用いた。また、塗料中には、必要に応じて、アルキルシリケート以外の成分として水分散コロイダルシリカを添加した。また、比較例3の塗料は亜鉛粉末が添加された無機ジンクリッチ系塗料である。
内面塗装はエアレススプレーにより行い、塗料を塗装した後、自然乾燥させて内面塗膜を形成した。この内面塗装では、先端にノズルのついたアームを管内面に挿入し、鋼管を回転させながらノズル先端から塗料を噴出させ、アームを徐々に引き抜きながら鋼管内面全長に塗装を行った。アームの引き抜き速度を調整することで所望の膜厚となるようにした。
(b)外面樹脂被覆
管外面にアスファルト系粘着剤によるアンダーコート塗装を行った。このアンダーコートが塗装された管外面に、押出成形機のクロスヘッドダイ(丸ダイ)により、防食用ポリエチレンを被覆し、さらにその上層に、保護層樹脂としてのポリエチレンを被覆し、樹脂被覆層とした。
ポリエチレン被覆鋼管の管内面の塗膜の膜厚は、先に述べた方法で測定した。
また、管内面の塗膜の表面粗さRzについては、小型表面粗さ計を用い、管の両端近傍位置の周方向4点(周方向で等間隔の4点)で内面塗膜の表面粗さRz(最大高さRz)を管軸方向に沿って約10mmの範囲で測定し、それらの平均値を塗膜の表面粗さRzとした。
得られた本発明例及び比較例のポリエチレン被覆鋼管について、下記のような特性評価を行った。
(1)溶接接合性(溶接時のミスト発生の有無、ミストによる電磁弁固着の有無)
ガス導管を設置するためにポリエチレン被覆鋼管の端部をアーク溶接により円周溶接して接合し、その際のミスト(塗膜の熱分解生成物)発生の有無や程度を調べた。また、そのガス導管に電磁弁を取り付けて半年間使用し、電磁弁にミストが付着することによる動作不良の有無や程度を調べた。
◎:溶接時のミスト発生が全く無く、このためミスト付着による電磁弁の動作不良も無い。
〇:溶接時のミスト発生が殆ど無く、このためミスト付着による電磁弁の動作不良も無い。
△:溶接時に若干のミストが発生し、このためミスト付着による電磁弁の動作不良が若干発生した。
×:溶接時に大量のミストが発生し、このためミスト付着による電磁弁の動作不良が多発した。
(2)付臭剤の臭い(付臭剤の塗膜への非吸着性)
ポリエチレン被覆鋼管で構成した12mの配管に都市ガスを3Nm/hr流し、付臭剤の臭いを確認した。
◎:ガスを流し始めて直ぐに臭いがしてくる。
〇:ガスを流し始めてから10秒以内の時間は無臭があるが、その後臭いがしてくる。
△:ガスを流し始めてから10秒超1分以内の時間は無臭があるが、その後臭いがしてくる。
×:ガスを流し始めてから1分超の時間がたたないと、臭いがしてこない。
(3)清掃作業性(溶接で生じたスラグやスパッタ等の清掃性)
ポリエチレン被覆鋼管の端部をアーク溶接により円周溶接して接合した後、その溶接部をスポンジピグで清掃し、溶接で生じたスラグやスパッタ等の清掃性(ピグの走行性を含む)を調べた。
◎:スポンジピグで全く支障なく清掃可能。
〇:スポンジピグで多少の引っ掛かりがある。
△:スポンジピグでは綺麗に汚れが取れない。
×:スポンジピグが引っ掛かり、ピグの走行に支障がある。
Figure 0007528903000001

Claims (6)

  1. 管外面に樹脂被覆層または塗膜を有し、管内面に塗膜を有する樹脂塗覆装鋼管であって、
    管内面の塗膜は、アルキルシリケート重縮合反応物の含有量が95質量%超、残部成分が水分散コロイダルシリカである塗膜、またはアルキルシリケート重縮合反応物の含有量が100質量%の塗膜からなることを特徴とする樹脂塗覆装鋼管。
  2. 管内面の塗膜の膜厚が10~80μmであることを特徴とする請求項に記載の樹脂塗覆装鋼管。
  3. 管外面にポリエチレン被覆層を有することを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂塗覆装鋼管。
  4. 管外面に樹脂被覆層または塗膜を有し、管内面に塗膜を有する樹脂塗覆装鋼管の製造方法であって、
    管内面を塗装するに際し、管内面に、塗料固形分中の割合でアルキルシリケートおよび/またはアルキルシリケートオリゴマーの含有量が95質量%超、塗料固形分の残部成分が水分散コロイダルシリカである塗料、または塗料固形分中の割合でアルキルシリケートおよび/またはアルキルシリケートオリゴマーの含有量が100質量%の塗料を塗装することにより、管内面にアルキルシリケート重縮合反応物の含有量が95質量%超、残部成分が水分散コロイダルシリカである塗膜、またはアルキルシリケート重縮合反応物の含有量が100質量%の塗膜を形成することを特徴とする樹脂塗覆装鋼管の製造方法。
  5. 管内面の塗膜の乾燥膜厚を10~80μmとすることを特徴とする請求項に記載の樹脂塗覆装鋼管の製造方法。
  6. 管外面にポリエチレン被覆層を形成することを特徴とする請求項4または5に記載の樹脂塗覆装鋼管の製造方法。
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