JP5644546B2 - 水配管用内面被覆鋼管の製造方法 - Google Patents
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Description
たとえば特許文献1には、架橋ポリエチレン管に形状復元性を付与し、鋼管内で加熱復元することによって拡径して、鋼管内面を被覆する技術が開示されている。この技術では、水配管として、使用前に管内面の湯洗を長時間行なわないと架橋剤からの溶出成分が水中に混入するので、飲料水等の配管に使用するものとするためには、かなり生産性の低いものとなる。
また、上記の問題点がないものとして鋼管の内側にポリエチレン系樹脂からなる層を粉体融着塗装により形成したものも市販されているが、水配管として使用中に管端部が水と接触することによって、被覆層が管端から剥離し易いという問題がある。
本発明は、被覆層として環境負荷が大きく、低温での耐衝撃性の低い塩化ビニル樹脂を使用せず、長期間にわたって幅広い温度領域にて被覆層の耐剥離性を高めた水配管用内面被覆鋼管の製造方法を提供し、従来の水配管用内面被覆鋼管の問題を解決することを目的とする。
すなわち本発明は、鋼管の内面に化成処理皮膜層を有し、化成処理皮膜層の上面にプライマー層を有し、プライマー層の上面に変性ポリエチレン樹脂層を有する水配管用内面被覆鋼管の製造方法において、プライマー層を形成する前に化成処理皮膜層の上面を洗浄するために循環使用される最終洗浄水の塩化物イオン濃度を50mg/L以下とする水配管用内面被覆鋼管の製造方法である。ここではリットルをLと記す。
酸洗の条件は、特に限定せず、従来と同様に行なう。ただし、酸洗液は塩酸水溶液が好ましい。その理由は、鋼管6の表面を過剰に侵食せず、後述する化成処理皮膜層を安定して形成することが可能となるからである。
次いで、鋼管6の内面に化成処理皮膜層2を形成するために化成処理を施す。その際、リン酸亜鉛,リン酸亜鉛カルシウム等のリン酸塩系の化成処理を、併用しても良いし、あるいは、いずれかを単独で行なっても良い。化成処理では、処理液を鋼管6の内面に吹き付ける、または流し込むことによって、鋼管6の内面に化成処理皮膜層2を形成することができる。あるいは、処理液の浴中に鋼管6を浸漬しても良い。処理液の温度を80〜85℃に保持して化成処理を行なうと、化成処理皮膜層2を安定して形成できるので好ましい。また、処理液に、適宜、促進剤を添加しても良い。
最終洗浄水中の塩化物イオンは、乾燥の過程で、最終洗浄水の蒸発が遅れる部分に凝集され、最終洗浄水が全て蒸発した後も、狭い領域に凝集した状態で化成処理皮膜層2の表面に残留する。
最終洗浄水の塩化物イオン濃度を所定の範囲に維持するために、最終洗浄水中の塩化物イオンを除去する処理(以下、塩化物イオン除去処理という)を行なう必要がある。塩化物イオン除去処理は、イオン交換処理、もしくは塩化物イオンと溶解度の低い塩を形成する金属イオンにより塩化物イオンを沈殿させた後で、この沈殿物を分離除去する沈殿除去処理,清浄な水による希釈処理等の従来から知られている技術が使用できる。特に、沈殿除去には、フィルターを用いて沈殿した固形物を分離する、沈殿槽を用いて固形物を沈降分離する、遠心分離装置を用いて沈殿した固形物を遠心分離するなどの方法が使用できる。
このようにして化成処理皮膜層2の上面の洗浄が終了した後、化成処理皮膜層2の上面にプライマー層3を形成する。図1では、この処理をプライマー処理と記す。プライマー層3の平均厚みが10μm未満では、鋼管6の内面の被覆層5の密着性が低下する。一方、50μmを超えるプライマー層3を形成すると、その塗布および乾燥にかかる所要時間が長くなるので、水配管用内面被覆鋼管1の生産性が低下する。したがって、プライマー層3の平均厚みは10〜50μmが好ましい。
そのプライマー液を鋼管6内面の化成処理皮膜層2上面に塗布する手段は、特に限定しないが、プライマー液を流し込む、あるいはスプレーする等の手段が使用できる。
また、プライマー液を塗布する前に、鋼管6を加熱しておくと、エポキシ樹脂を迅速に硬化させて、プライマー層3を安定して形成することが可能である。あるいは、プライマー液を塗布した後で、鋼管6を加熱しても同様の効果が得られる。鋼管6を加熱する手段は、熱風,高周波誘導加熱等が好ましい。
変性ポリエチレン樹脂層4の平均厚みが0.3mm未満では、配管工事中に疵が生じた場合に変性ポリエチレン樹脂層4が部分的に欠落し、透水性の高いプライマー層3(すなわちエポキシ樹脂)が露出するので、錆が発生し易くなる。一方、1.0mmを超える変性ポリエチレン樹脂層4を形成すると、その所要時間が長くなるので、水配管用内面被覆鋼管1の生産性が低下する。したがって、変性ポリエチレン樹脂層4の平均厚みは0.3〜1.0mmが好ましい。より好ましくは0.5〜0.8mmである。
鋼管6(外径48.6mm,肉厚3.5mm,長さ4000mm)の内面を27質量%の塩酸水溶液で酸洗した後、水洗して酸洗液を洗い流した。次に、鋼管6をリン酸亜鉛カルシウム系化成処理液(85℃)に浸漬することによって化成処理を施して化成処理皮膜層2を形成し、さらに鋼管内面の最終洗浄(湯洗80℃)を行なった。この最終洗浄では、80℃に加熱した種々の洗浄度の最終洗浄水を鋼管6内に15秒間流し込んで処理液を洗い流した。その後、管端から高圧エアを吹き込む(いわゆるエアブロー)ことによって最終洗浄水を乾燥させた。その結果を表1に示す。なお、使用した最終洗浄水の塩化物イオン濃度は表1に示す通りである。
このようにして得た試験片(水配管用内面被覆鋼管1)を屋外に30日保管した後、長さ500mmに切断し、試験パイプとした。試験パイプを食塩水(濃度3質量%,温度60℃)に56日浸漬した後、取り出して、管端部の被覆層5の剥離状況を調査した。剥離状況の調査では、各試験パイプの管端部の被覆層5が、管端よりどの程度奥まで鋼管から剥離しているかを調査し、最も深く剥離している部分の剥離深さを測定し、最大剥離深さとした。最大剥離深さは水配管用内面被覆鋼管1の防食性能を示す指標となるものであり、最大剥離深さが浅いほど防食性能が優れており、深いほど防食性能が劣ることを意味する。
表1から明らかなように、発明例の防食性能は優(◎)または良(○)または可(△)と評価されたが、比較例は全て不可(×)であった。
2 化成処理皮膜層
3 プライマー層
4 変性ポリエチレン樹脂層
5 被覆層
6 鋼管
Claims (3)
- 鋼管の内面に化成処理皮膜層を有し、該化成処理皮膜層の上面にプライマー層を有し、該プライマー層の上面に変性ポリエチレン樹脂層を有する水配管用内面被覆鋼管の製造方法において、前記プライマー層を形成する前に前記化成処理皮膜層の上面を洗浄するために循環使用される最終洗浄水の塩化物イオン濃度を50mg/L以下とすることを特徴とする水配管用内面被覆鋼管の製造方法。
- 前記最終洗浄水に塩化物イオン除去処理、希釈処理のうちの1種または2種を施すことによって、前記最終洗浄水の塩化物イオン濃度を50mg/L以下とすることを特徴とする請求項1に記載の水配管用内面被覆鋼管の製造方法。
- 前記塩化物イオン除去処理にて、イオン交換処理および沈殿分離処理のうちの1種または2種を行なうことを特徴とする請求項2に記載の水配管用内面被覆鋼管の製造方法。
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