JP4326177B2 - タイヤのシミュレーション方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、タイヤの耐久性能を能率良く評価するのに役立つタイヤのシミュレーション方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、タイヤの耐久性能の評価は、タイヤを実際に試作しかつ実車に装着したり或いはドラム試験器を用いた現物実験が主体的に行われている。しかしながら、このような方法では、試作タイヤの製造、実験を行なうために多大の時間、費用、労力、設備等を必要とする。このため、タイヤの開発効率のさらなる向上が望まれている。
【0003】
本発明は、このような実状に鑑み案出なされたもので、実際にタイヤを試作することなく、タイヤの耐久性能を比較的簡易に評価することができ、タイヤの開発を能率化するのに役立つタイヤのシミュレーション方法を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明のうち請求項1記載の発明は、コンピュータを用いてタイヤの数値解析を行うタイヤのシミュレーション方法であって、ゴム材と、カーカス、ベルトを含む繊維複合材と、非伸張性のビードコアとが数値解析が可能な要素でモデル化されたタイヤモデルを設定するステップと、少なくとも予め設定されたタイヤモデルの評価対象部について、境界条件に基づき前記タイヤモデルの1回転により生じる歪の履歴を計算するステップと、前記歪の履歴に基づいてタイヤの耐久性能を評価する評価ステップとを含み、前記評価ステップは、前記歪の履歴から少なくとも歪の最大振幅を計算し、かつこの歪の最大振幅を用いて前記評価対象部の耐久性能を評価することを特徴としている。
【0005】
また請求項2記載の発明は、前記評価対象部は、前記ゴム材をモデル化した要素を含み、かつ前記歪が、タイヤ子午線方向の垂直歪とせん断歪、タイヤ周方向における垂直歪とせん断歪、及びタイヤ子午線方向と直角な厚さ方向における垂直歪とせん断歪との6成分を含むことを特徴とする請求項1記載のタイヤのシミュレーション方法である。
【0006】
また請求項3記載の発明は、前記評価ステップは、前記歪の歪の最大振幅の大きさによって前記評価対象部の耐久性能を評価する一方、請求項4記載の発明では、前記評価ステップは、前記各歪の最大振幅の総和に基づいて評価対象部の耐久性能を評価することを特徴とする。
【0007】
また請求項5記載の発明は、前記評価対象部は、非評価対象部よりも小さくモデル化されてなる請求項1乃至3のいずれかに記載のタイヤのシミュレーション方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の一形態を図面に基づき説明する。
図1には、本発明のシミュレーション方法を実施するためのコンピュータ装置1が示されている。コンピュータ装置1は、本体1aと、入力手段としてのキーボード1b、マウス1cと、出力手段としてのディスプレイ装置1dとから構成されている。本体1aには、図示していないが、演算処理装置(CPU)、ROM、作業用メモリー、磁気ディスクなどの大容量記憶装置、CD−ROMやフレキシブルディスクのドライブ1a1、1a2などの記憶装置を適宜具えている。そして、前記大容量記憶装置には後述する方法を実行するための処理手順(プログラム)が記憶されている。好適には、EWSなどが用いられる。
【0009】
図2には、本実施形態の処理手順の一例が示されており、以下順に説明する。先ず本実施形態では、ゴム材と、カーカス、ベルトを含む繊維複合材と、非伸張性のビードコアとが数値解析が可能な要素でモデル化されたタイヤモデルを設定する処理を行う(ステップS1)。ここで、数値解析が可能とは、例えば前記コンピュータ装置1を用い、有限要素法、有限体積法、差分法又は境界要素法といった数値解析法にて取り扱い可能なことを意味し、本例では有限要素法を採用するものを例示する。
【0010】
図3は、タイヤモデル2の一例を3次元上に視覚化して表し、図4にはタイヤ回転軸を含むタイヤ子午線断面を示す。タイヤモデル2は、解析しようとするタイヤを有限個の小さな要素2a、2b、2c…に分割してモデル化されることにより、前記コンピュータ装置1にて取り扱い可能な数値データとなる。具体的には、各要素2a、2b、2c…の節点座標値、形状、材料特性、例えば密度、弾性率、損失正接又は減衰係数などが定義される。各要素2a、2b、2c…には、例えば2次元平面としての三角形ないし四角形の膜要素、3次元要素としては、複雑な形状を表現するのに適した4面体ソリッド要素が好ましい。但し、これ以外にも5面体ソリッド要素、6面体ソリッド要素などを用いることもでき、いずれもコンピュータで処理可能な要素が用いられる。
【0011】
本例ではタイヤを構成するゴム材とビードコアとは、3次元形状のソリッド要素でモデル化される。ゴム材をモデル化した要素は、例えば線形弾性体又は非圧縮性超弾性体として定義しうる。一方、ビードコアは表面が剛をなし実質的に変形不能なソリッド要素として取り扱うことができる。また図5に示すように、タイヤを構成している繊維複合材f(例えばベルトプライ、カーカスプライ、バンドプライ等)は、コード配列体cを例えば四辺形の膜要素5a、5bに、またコード配列体cを内外から被覆しているトッピングゴムtについてはソリッド要素5c〜5eにそれぞれモデル化し、これらを厚さ方向に積層した複合シェル要素5としてモデル化しうる。膜要素5a、5bには、例えばコードc1の直径に等しい厚さと、コードc1の配列方向(直線にて示す)とこれと直交する方向とにおいて剛性の異なる異方性とが定義される。なお、各要素は、各ゴム、コード材などの弾性係数(縦弾性係数、横弾性係数)、コード、ゴムの複素弾性率、損失正接tanδ、ビードコアの弾性率などに基づき材料特性が定義される。
【0012】
また本例のタイヤモデル2は、トレッド面が溝を有しない平滑面として構成されたものを例示するがこれに限定されるものではない。また、このようなタイヤモデル2は、本実施形態では、前記タイヤ子午線断面において先ず図4に示す2次元断面形状を特定し、これを図9に示すように、そのタイヤ回転軸の回りに周方向に回転させかつ所定の周方向長さsで等分に単位化することにより、比較的簡単に3次元形状としてモデル化することができる。これにより、タイヤモデル2は、ゴム材をモデル化した要素と、カーカス、ベルトを含む繊維複合材をモデル化した要素と、非伸張性のビードコアをモデル化した要素とがタイヤ周方向に同一断面形状で連続することとなる。
【0013】
また本発明では、タイヤの予め評価しようとする部分を評価対象部として定める。本例では図6(A)に示すように、ラジアルタイヤTにおいて比較的損傷が生じやすい部分であるベルト層BEの軸方向端部の小領域に含まれるゴム材の要素を評価対象部Xとして定めたものを例示する。この領域では、ベルト層BEのコード端とゴムとの接着部分が剥離するベルトエッジルースなどが生じ易い。従って、かかる部分の耐久性能を解析することにより、耐久性能に優れたタイヤの開発期間の短縮に役立つ。
【0014】
また本実施形態では、タイヤモデル2を設定する際、図6(B)に拡大して示す如く、前記評価対象部Xを、非評価対象部よりも小さい要素でモデル化したものが例示される(タイヤモデル2の評価対象部Xにはドットを付す。)。具体的には、ゴム材をモデル化した六面体ソリッド要素の場合、子午線断面に表れる評価対象部Xの要素の軸方向長さL1を、非評価対象部の要素の軸方向長さL2の約30〜70%、より好ましくは40〜60%とするのが好ましく、同半径方向の長さh1を非評価対象部の要素の長さh2の約30〜70%、より好ましくは40〜60%とするのが好ましい。これにより、要素数を大幅な増加を防いで計算時間の増大を防止しつつ評価したい部分の耐久性能をより詳細に解析することができる。
【0015】
次に本実施形態では、少なくとも前記タイヤモデル2の評価対象部Xについて、予め定めた境界条件に基づき前記タイヤモデルの1回転により生じる歪の履歴を計算する処理を行う(ステップS2)。
【0016】
予め設定される境界条件としては、例えばタイヤモデル2が装着されるリムのサイズないし形状、充填内圧、軸荷重、路面モデル14(図7に示す)との間の摩擦係数、スリップ角又は走行速度の1以上を含むことができる。
【0017】
タイヤモデル2がリム組みされた状態をシミュレートするためには、図7に示すように、ビードコアbcを変位させ、タイヤモデル2のビード外面巾Wが、装着されるリム巾に等しくなるように調節するか、若しくはタイヤモデル2のリム接触域b、bを移動不能に拘束しかつ前記ビード外面巾Wをリム巾に等しく強制変位させること等で行うことができる。また、このときタイヤモデル2の仮想のタイヤ回転軸CLと前記リム接触域bとの間の相対距離r1が常に一定となるように定義する。なおタイヤモデル2のリム接触域bは装着されるリムの寸法に応じて適宜定められる。
【0018】
またタイヤモデル2に内圧を充填した状態をシミュレートするには、タイヤモデル2のタイヤ内腔面にタイヤ内圧に相当する等分布荷重wが作用するように条件を定義する。さらに、タイヤモデル2に縦荷重Pを負荷するには、例えば前記仮想のタイヤ回転軸CL又は路面モデル14から路面と垂直な垂直荷重Pが作用するように条件を定義する。なおタイヤモデル2と路面モデル14との間の摩擦係数は、走行させようとする路面に準じて適宜定義される。以上のように境界条件を定義することにより、リム組みされかつ所定の内圧を充填されたタイヤが所定の縦荷重Pで路面に押しつけられた接地状態を、タイヤモデル2と路面モデル14とを用いてコンピュータ1上にシミュレートすることができる。
【0019】
また接地状態において、例えば路面モデル14を移動不能に固定し、かつタイヤモデル2の仮想のタイヤ回転軸CLに回転力を与えることにより、路面モデル14との間に生じる摩擦力でタイヤモデル2が路面モデル14を転動走行させる転動シミュレーションを行うことができる(なおタイヤモデル2を回転自在に支持し、路面モデル14を移動させることによって転動シミュレーションを行っても良いのは言うまでもない)。設定した境界条件に基づき、タイヤモデル2を路面モデル14上で転動させると、タイヤモデル2を構成する各要素、具体的にはゴム材をモデル化したソリッド要素やコード材をモデル化した膜要素5a、5bは、内圧、縦荷重及び路面からの反力によって変形し連続的に歪を受ける。
【0020】
例えば図8(A)に示すように、ゴム材をモデル化した一の要素2fは、タイヤモデル2が路面モデル14を1回転(θ=0〜360°)する間に、図8(B)のように歪が連続的に変化する。これがタイヤモデル2の1回転により生じる要素2fの歪の履歴となる。なお図8(B)には、横軸にタイヤモデル2の初期値からの回転角、縦軸に歪の大きさを取っている。
【0021】
また各要素に作用する歪は、図3、図4に示すx軸、y軸及びz軸からなる全体座標系では、それぞれ各軸に沿った引張、圧縮方向の垂直歪εx 、εy 、εz 、及び各方向のせん断方向の歪εxy、εyz、εzxの合計6成分に分けて計算しうる。またタイヤ座標系では、図9に示すように、タイヤ子午線方向に沿う垂直歪ε11、タイヤ周方向に沿う垂直歪ε22及びタイヤ子午線方向と直角な厚さ方向に沿う垂直歪ε33を含むとともに、図10(A)〜(C)に示すように、タイヤ子午線方向にせん断変形するせん断歪ε12、タイヤ周方向にせん断変形するせん断歪ε23及び前記厚さ方向にせん断変形するせん断歪ε31の合計6成分に分けて計算することができる。いずれの座標系を選択するかは適宜選択でき、また一方の座標系で求めた値は、座標変換等の計算により他方の座標系の値に変換することができる。
【0022】
図11、図12には、前記評価対象部Xに含まれる一の要素2X1について、前記タイヤ座標系を基準とした前記6成分の歪の履歴をグラフで示す。各グラフは、縦軸に歪、横軸にはタイヤ回転角(0〜360゜)を示し、180゜の位置を接地中心としている。本実施形態では、図11〜12に示すように、このような歪の履歴から、前記各6成分について、歪の最大値と最小値との差である歪の最大振幅ε11m 、ε22m 、ε33m 、ε12m 、ε23m 及びε31m を計算し、これらの値を用いてタイヤの耐久性能を評価する(ステップS3)。
【0023】
例えばゴム材の耐久性を評価する場合、タイヤの1回転において、単に圧縮側又は引張側の個々の歪の大きさ着目するだけでは十分ではない。また歪エネルギーの総和などを用いて評価することも考えられるが、この場合、歪の方向の符号によって、圧縮歪と引張歪が相殺されてしまう場合があり正確な耐久性能を評価できない場合がある。本発明では、圧縮と引張との双方を考慮した歪の最大振幅を用いて評価することにより、より精度良く耐久性能を解析することができる。
【0024】
具体的には、タイヤモデル2の評価対象部Xの一要素2X1について、6成分それぞれで得られた歪の最大振幅ε11m 、ε22m 、ε33m 、ε12m 、ε23m 及びε31m の総和を求めこれを当該要素の耐久性能を評価する一パラメータとして用いることができる。また、評価対象部Xの他の要素それぞれについても、前記6成分の歪の最大振幅の総和を求める。そしてこれらの総和を比較することで耐久性能を評価することができる。なお、歪の最大振幅だけを比較することも勿論可能である。
【0025】
表1、図13、図14には、本実施形態のシミュレーションを行って、タイヤモデル2の前記評価対象部Xに含まれる3つの要素2Xa、2Xb、2Xcを用いて耐久性能を解析した結果を示す。各要素2Xa、2Xb、2Xcの位置は、夫々図6(B)に示す通りである。また耐久性能の比較には、それぞれの要素について、前記6成分の歪の最大振幅の総和に100を乗じた評価パラメータEaと、タイヤ周方向にせん断変形するせん断歪ε23の最大振幅ε23m を用いて行った。いずれも、数値が大きいほど耐久性能に不利であることを示す。また評価パラメータEa、せん断歪の最大振幅ε23m は、ベルト層BEのベルトコード角度をタイヤ赤道に対して±11゜、±14゜、±17゜、±20゜及び±23(±は2枚のベルトプライのベルトコードが交差していることを意味する。)に変化させたそれぞれのタイヤについて計算している。
【0026】
【表1】
【0027】
本実施形態のシミュレーションの結果、評価パラメータEaやタイヤ周方向のせん断歪の最大振幅ε23m については、ほぼベルトコードのタイヤ赤道に対する角度を23°に近づけることにより徐々に低減しうること、つまりベルト層端部でのルースに関する耐久性能を向上しうるという結果が得られた。これは実際のタイヤを用いたドラム耐久テストの結果とも符合した。なお、図6(A)に示すように、ベルト層BEの外端をなす内側のベルトプライB2の外端部に隣接した要素2Xaでは、ベルトコードの角度が増すに従い、評価パラメータEaが増加している。これは、片持ち深状となる端部の剛性が低下したことによる歪の増加と考えられ、このような変化をシミュレートしていることが確認できる。
【0028】
このように、本発明のシミュレーション方法は、上記コンピュータ装置1を用いてタイヤの耐久性能の予測が比較的簡単に行えるため、実際にタイヤを試作することなく解析しようとするタイヤの大凡の耐久性能を予測しうる。
【0029】
なお上記実施形態では、評価対象部Xとして、ゴム材をモデル化した要素を対象にしたが、繊維複合材をモデル化した膜要素5a、5bを評価対象部として定めることもできる。この場合、ゴム材と同様に前記6成分について歪の履歴を求めても良いが、図15に示すように、タイヤ子午線方向に沿う垂直歪ε11及びタイヤ周方向に沿う垂直歪ε22の2成分で行うことが望ましい。膜要素の場合には、厚さが小であるため、厚さ方向に沿う垂直歪ε33は実質的に小さいため無視して考えることができ、またせん断歪は生じないためである。
【0030】
また前記実施形態では、実際にタイヤモデル2を路面モデル14上で走行させる転動シミュレーションにより歪の履歴を得たものを示したが、この方法では、一般に計算時間が大となる傾向がある。このため、例えば前記接地状態でかつ静止したタイヤモデル2から擬似的に評価対象部Xの要素についての転動時の歪の履歴を計算することもできる。この方法は、タイヤモデル2が路面モデル14に静的に接地した状態で受ける歪をタイヤが負荷転動しているときの一瞬間に受ける動的な歪と実質的に等しいものとして取り扱う。
【0031】
例えば図16には、静的にタイヤモデル2を路面モデル14に接地させた接地シミュレーションの側面図を示す。このとき、例えばタイヤ周方向の一方側へ順次隣り合う要素2f、2g、2h…にはおのおの歪が作用している。タイヤモデル2は、タイヤ周方向長さSが等しい要素が等分に配されかつ同一断面形状が連続するようモデル化されているため、例えば図16の状態での要素2gが受けている歪は、タイヤモデル2が1要素分回転することにより前記要素2fが要素2gの位置へ移動したときに受ける歪と実質的に等しいものとみなすことができる。同様に図16の状態で、要素2hが受けている歪は、タイヤモデル2が2要素分回転し前記要素2fが当該要素2hの位置へ移動したときに受ける歪と実質的に等しいものとみなすことができる。このような仮定に基づいて、タイヤモデル2の静的な接地シミュレーションからでも、各要素についての歪の履歴を、タイヤ周方向で連続する他の要素の歪を参照することによって擬似的に計算することができる。この方法を用いたときには、より計算時間を短縮化することができ、さらに開発期間の短縮化を図ることができる。
【0032】
【発明の効果】
上述したように、本発明のシミュレーション方法では、評価対象部の歪の履歴を計算し、この歪の最大振幅を用いてタイヤの耐久性能をコンピュータ上で評価することができるため、実際にタイヤを試作しかつ実験する工程を低減させることができ、タイヤの開発効率を向上するのに役立つ。またタイヤモデルは、ゴムをモデル化したゴム要素とコード材をモデル化したコード要素とを含んで設定されるため、より実物に近い耐久性能を精度良くを計算でき、指標として十分な有効性を発揮できる。
【0033】
また、請求項2記載の発明のように、ゴム材については、タイヤ座標系について6成分の歪の履歴を計算するときには、より細かに耐久性能を評価することができる。さらに請求項5記載の発明のように、タイヤモデルにおいて評価対象部を、非評価対象部よりも小さくモデル化したときには、計算時間の大幅な増大を招くことなく精度の良い解析結果を得るのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシミュレーション方法を実施するためのコンピュータ装置の構成図である。
【図2】本発明のシミュレーション方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図3】本実施形態で用いたタイヤモデルを視覚化して示す斜視図である。
【図4】その断面図である。
【図5】繊維複合材の要素へのモデル化を示す概念図である。
【図6】(A)はタイヤの部分断面図、(B)はその部分に相当するタイヤモデルを視覚化して示す部分断面図である。
【図7】タイヤモデルのリム組み条件を例示する断面図である。
【図8】(A)はタイヤモデルの転動シミュレーションの側面図、(B)は歪の履歴を説明するグラフである。
【図9】タイヤモデルの部分斜視図及びその1要素の拡大図である。
【図10】ソリッド要素の歪を説明する要素の斜視図である。
【図11】(A)〜(C)は、要素2X1の垂直歪の履歴を示すグラフである。
【図12】(A)〜(C)は、要素2X1のせん断歪の履歴を示すグラフである。
【図13】シミュレーション結果を示し、耐久性能を示す評価パラメータとベルトコード角度との関係を示すグラフである。
【図14】シミュレーション結果を示し、耐久性能を示すせん断歪の最大振幅とベルトコード角度との関係を示すグラフである。
【図15】膜要素の歪を説明する要素の斜視図である。
【図16】タイヤモデルの接地シミュレーションから歪の履歴を計算する方法を説明するの側面図である。
【符号の説明】
2 タイヤモデル
2a、2b… 要素
e1 ソリッド要素
5a、5b 膜要素
X 評価対象部
Claims (5)
- コンピュータを用いてタイヤの数値解析を行うタイヤのシミュレーション方法であって、
ゴム材と、カーカス、ベルトを含む繊維複合材と、非伸張性のビードコアとが数値解析が可能な要素でモデル化されたタイヤモデルを設定するステップと、
少なくとも予め設定されたタイヤモデルの評価対象部について、境界条件に基づき前記タイヤモデルの1回転により生じる歪の履歴を計算するステップと、
前記歪の履歴に基づいてタイヤの耐久性能を評価する評価ステップとを含み、
前記評価ステップは、前記歪の履歴から少なくとも歪の最大振幅を計算し、かつこの歪の最大振幅を用いて前記評価対象部の耐久性能を評価することを特徴とするタイヤのシミュレーション方法。 - 前記評価対象部が、前記ゴム材をモデル化した要素を含み、
かつ前記歪が、タイヤ子午線方向の垂直歪とせん断歪、タイヤ周方向における垂直歪とせん断歪、及びタイヤ子午線方向と直角な厚さ方向における垂直歪とせん断歪との6成分を含むことを特徴とする請求項1記載のタイヤのシミュレーション方法。 - 前記評価ステップは、前記歪の歪の最大振幅の大きさによって前記評価対象部の耐久性能を評価する請求項1又は2記載のタイヤのシミュレーション方法。
- 前記評価ステップは、前記各歪の最大振幅の総和に基づいて評価対象部の耐久性能を評価する請求項2記載のタイヤのシミュレーション方法。
- 前記評価対象部は、非評価対象部よりも小さくモデル化されてなる請求項1乃至4のいずれかに記載のタイヤのシミュレーション方法。
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