JP4326159B2 - 玉軸受 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、玉軸受に関する。この発明に係る玉軸受は、特に、径方向に貫通する円筒形のポケットを有する環状保持器を、一方の軌道輪で案内させるようにしたものを対象としている。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、玉軸受は、径方向内外に配置する一対の軌道輪の間に、円周数ヶ所にポケットを有する環状保持器を組み込み、前記環状保持器における各ポケットに玉を一つずつ収納した構成になっている。
【0003】
そして、環状保持器は、玉で案内される形式と、内径側の軌道輪としての内輪や外径側の軌道輪としての外輪で案内させる形式とがあるが、通常、高速回転での使用には、外輪で案内させる形式とする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、環状保持器を一方軌道輪で案内する形式では、本願発明者が調べたところ、一方軌道輪に対する環状保持器の径方向隙間(案内隙間)が、玉に対するポケット内壁面の軸方向隙間もしくは周方向隙間(ポケット隙間)よりも大きく設定されている場合に、振動や昇温が発生しやすくなることを知見した。
【0005】
つまり、高速回転での遠心力によって環状保持器が偏心回転することに伴い、そのポケットの内壁面が玉に対して径方向や周方向から干渉するために、玉それぞれが進み遅れして玉のピッチ誤差変動が増大するようになって、玉の微小滑りを誘発する。このようなことから、上述した振動や昇温の発生に至る。
【0006】
このような事情に鑑み、本発明は、環状保持器を一方軌道輪で案内する形式の玉軸受において、特に高速回転時の振動や昇温を抑制することを目的としている。
【0007】
本発明第1の玉軸受は、径方向内外に配置する一対の軌道輪の間にZ個(偶数個)の玉を配し、円周Zヶ所に径方向に沿う円筒形のポケットが貫通形成された環状保持器を組み込み、前記ポケットに玉を一つずつ収納し、前記環状保持器を一方軌道輪に案内させる玉軸受であって、前記一方軌道輪に対する環状保持器の径方向隙間(案内隙間)をα、前記玉に対するポケット内壁面の軸方向隙間もしくは周方向隙間(ポケット隙間)をβ、回転遠心力による環状保持器の径方向での膨張量をX、熱膨張による環状保持器の径方向での膨張量をyとしたとき、保持器の円形の偏心許容範囲が保持器のZ角形のがたつき許容範囲の最大内接円以下の径として、保持器の偏心範囲の玉による規制を防止すべく、x+y<α≦β+xの関係に基づいて設定されている、ことを特徴としている。
【0008】
本発明第2の玉軸受は、径方向内外に配置する一対の軌道輪の間にZ個(奇数個)の玉を配し、円周Zヶ所に径方向に沿う円筒形のポケットが貫通形成された環状保持器を組み込み、前記ポケットに玉を一つずつ収納し、前記環状保持器を一方軌道輪に案内させる玉軸受であって、前記一方軌道輪に対する環状保持器の径方向隙間(案内隙間)をα、前記玉に対するポケット内壁面の軸方向隙間もしくは周方向隙間(ポケット隙間)をβ、回転遠心力による環状保持器の径方向での膨張量をx、熱膨張による環状保持器の径方向での膨張量をyとしたとき、保持器の円形の偏心許容範囲が保持器の2Z角形のがたつき許容範囲の最大内接円以下の径として、保持器の偏心範囲の玉による規制を防止すべく、x+y<α≦β+xの関係に基づいて設定されている、ことを特徴としている。
【0009】
本発明第3の玉軸受は、上記第1または第2の構成において、α max ≦β min +x,α min >x+yの関係を有する、ことを特徴としている。
本発明第4の玉軸受は、上記第1ないし第3のいずれかの構成において、前記内外軌道輪に、円弧の一部に相当する断面形状の軌道溝が設けられており、前記玉が、前記両軌道溝に対して所定の接触角をもって接触されている、ことを特徴としている。
【0010】
以上、本発明第1または第2の構成では、高速回転時において、環状保持器が偏心回転しても一方軌道輪により案内されることになり、特に環状保持器が径方向に変位するときに、そのポケットの内壁面が玉に対してほとんど干渉しなくなるので、環状保持器の挙動が安定しやすくなるとともに、玉それぞれが進み遅れしにくくなる。
【0011】
さらに、本発明の第1または第2の構成では、回転遠心力による環状保持器の径方向での膨張量xと、熱膨張による環状保持器の径方向での膨張量yとを加味している。これにより、実使用面においてより有効になる。
【0012】
また、本発明の第4の構成では、玉軸受の形式として、予圧を付与して内部隙間をほぼゼロにすることができるアンギュラ玉軸受としているから、玉の進み遅れが抑制されることになり、玉と環状保持器との干渉を防ぐうえでより有効となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の詳細を図面に示す実施形態に基づいて説明する。この実施形態では、玉軸受として、アンギュラ玉軸受を例に挙げているが、その他の形式の玉軸受にも本発明を適用できる。
【0014】
図1から図6は本発明の一実施形態を示している。図1は、アンギュラ玉軸受を示す断面図、図2は、図1の(2)−(2)線断面の矢視図、図3は、環状保持器の一部を切り欠いた状態を示す斜視図、図4は、案内隙間αとポケット隙間βとの関係を示す図、図5は、図4に示す円形部分を説明するための模式図、図6は、案内隙間αを一定にしてポケット隙間をパラメータとしたときの環状保持器の最大変位量を示すグラフである。
【0015】
図示例のアンギュラ玉軸受1は、径方向内外に対向配置された一対の軌道輪として内輪2および外輪3と、複数の玉4と、環状保持器5とを備えている。
【0016】
内輪2の外周面と外輪3の内周面における軸方向中間には、それぞれ軌道溝6,7が形成されている。この軌道溝6,7の断面形状は、円弧の一部に相当する形状になっている。なお、内輪2の外周面において、一方軸端部分には、軌道溝6から軸端側へ向けて漸次縮径するカウンタボアが設けられている。
【0017】
玉4は、内・外輪2,3の各軌道溝6,7に対して所定の接触角をもって接触されるよう予圧が付与される。
【0018】
環状保持器5は、内・外輪2,3間の対向環状空間に介装されるとともに外輪3の内周面によって案内されるものであって、その円周数ヶ所には、複数の玉4を1つずつ収納するポケット8が径方向に沿って貫通形成されている。
【0019】
ここでの環状保持器5については、いわゆるもみ抜き型と呼ばれる形式であり、そのポケット8は、径方向に沿った円筒形に形成されている。もちろん、環状保持器5の形式は、軸方向で掌合される二つの環状部材をリベットで結合するピン型と呼ばれるものでもよい。
【0020】
このようなアンギュラ玉軸受1では、外輪3を固定、内輪2を回転、環状保持器5を外輪3で案内させる形態にされるとともに、使用場所に組み込んだ状態で予圧が付与されることにより、内部隙間がゼロにされる。
【0021】
この実施形態では、外輪3に対する環状保持器5の径方向隙間(案内隙間)をα、玉4に対する環状保持器5のポケット8の軸方向隙間もしくは周方向隙間(ポケット隙間)をβとしたときに、α≦βの関係に設定している、ことに特徴がある。
【0022】
なお、ここでは、案内隙間αは、環状保持器5を径方向に片寄らせて外輪3に当接させた状態での最大隙間のことを言い、α=α1+α2で示される。また、ポケット隙間βは、環状保持器5を軸方向に片寄らせて玉4に当接させた状態での最大隙間のことを言い、β=β1+β2で示される。
【0023】
この関係式は、本願発明者が行ったシミュレーションにより知見したので、図4を用いて説明する。
【0024】
図4(a)〜(c)には、案内隙間αとポケット隙間βとの関係をα>β、α=β、α<βに設定した場合について、案内隙間αによって決まる環状保持器5の偏心許容範囲と、ポケット隙間βで決まる環状保持器5のがたつき許容範囲との関係をそれぞれ示している。
【0025】
なお、ポケット隙間βは、経験的に決まった寸法に設定するのが好ましいから、案内隙間αをパラメータとする。また、玉4の使用数を8個とする。
【0026】
図示するように、偏心許容範囲は円形となり、がたつき許容範囲は玉4の使用数に基づき八角形となる。なお、がたつき許容範囲の外形形状は、玉4の使用数に応じて異なり、玉数Zと多角数nとの関係は、Zが偶数のとき、n=Z、Zが奇数のときは、n=2Zとなる。
【0027】
まず、偏心許容範囲とは、玉4によって環状保持器5の動きが規制されないように玉4の存在を無視した状態で、内・外輪2,3間において環状保持器5が偏心回転可能な範囲であり、図5を用いて説明する。
【0028】
図5には、環状保持器5を径方向に片寄せて外輪3に対して接触させた状態を示している。
【0029】
図中、P1は内・外輪2,3の幾何学中心(XY座標の原点)、P2は環状保持器5の幾何学中心、eは内・外輪2,3の中心P1に対する環状保持器5の中心P2の偏心量、Rは環状保持器5の中心P2の回転軌跡を示している。
【0030】
上記回転軌跡Rの直径Dが案内隙間αに相当する。つまり、D=2e=αの関係になっている。
【0031】
また、上記がたつき許容範囲とは、玉4を定位置に固定した状態において、環状保持器5があらゆる方位に動きうる範囲である。このがたつき許容範囲は、環状保持器5を各方位に動かしたときに環状保持器5の中心P2の変位位置それぞれを結ぶ線で表している。
【0032】
ここで、α>βに設定した場合、図3(a),(b)に示すように、環状保持器5の偏心許容範囲を示す円形が、がたつき許容範囲を示す八角形よりも大きくなり、環状保持器5の動きはハッチングで示す範囲内に規制される。但し、環状保持器5は径方向に対して図中のBpeについて余分に動きうる状態になっている。この場合、回転に伴い環状保持器5が径方向に変位したときに、そのポケット8の内壁面が玉4に干渉して、環状保持器5の偏心範囲が玉4によって規制されることになる。したがって、上記干渉によって、玉4に対して多大な力が加わるので、玉4が進み遅れしやすくなって玉4のピッチ誤差が発生する。
【0033】
また、α=βに設定した場合、図3(c)に示すように、環状保持器5の偏心許容範囲を示す円形が、がたつき許容範囲を示す八角形の最大内接円となり、環状保持器5の動きはハッチングで示す範囲内に規制される。この場合、回転に伴い環状保持器5が径方向に変位したときに、そのポケット8の内壁面が玉4に対してわずかに干渉するおそれがあるものの、環状保持器5の偏心範囲は玉4によって規制されない。このようなわずかな干渉では、玉4に対してわずかな力が加わる程度で済むので、玉4が進み遅れしにくくなって、玉4のピッチ誤差を抑制できるようになる。
【0034】
また、α<βに設定した場合、図3(d)に示すように、環状保持器5の偏心許容範囲を示す円形が、がたつき許容範囲を示す八角形よりも小さくなり、環状保持器5の動きはハッチングで示す範囲内に規制される。この場合、回転に伴い環状保持器5が径方向に変位したときに、そのポケット8の内壁面が玉4に対して全く干渉しなくなるので、環状保持器5の偏心範囲は玉4によって規制されない。したがって、玉4が進み遅れしないので、玉4のピッチ誤差は発生しなくなる。
【0035】
なお、上記α>β、α=β、α<βのすべてにおいて、環状保持器5が周方向に変位したときにはポケット8が玉4に対して干渉しうるが、その干渉については無視している。
【0036】
この他、上記とは逆に、案内隙間αを一定にして、ポケット隙間βをパラメータとしたときの環状保持器5の径方向での最大変位量についてシミュレーションして調べているので、説明する。
【0037】
このとき、玉4の径を3/8インチ、玉4の個数を27個、玉4それぞれの中心を結ぶ円径(PCD)を112.5mm、案内隙間αを0.3mmに設定している。
【0038】
結果としては、図6のグラフに示すように、ポケット隙間βと案内隙間αとの関係が、α≦β、つまり、ポケット隙間βを0.3mm以上にすると、環状保持器5の径方向での最大変位量が0.15mm、つまり外輪3の内周面に対して接触する。これは、環状保持器5のポケット8が玉4に対して干渉していないことを意味している。一方、α>β、つまりポケット隙間βを0.3mmよりも漸次小さくすると、環状保持器5の径方向での最大変位量が0.15mmよりも漸次小さくなり、外輪3の内周面に対して接触しなくなる。これは、環状保持器5のポケット8が玉4に対して干渉することを意味している。
【0039】
上述したような結果に基づき、案内隙間αとポケット隙間βとの関係を、α≦βの関係に設定するのが有効であると言える。つまり、案内隙間αをポケット隙間βよりも小さくすればするほど好ましいと言えるが、案内隙間αを可及的に小さく設定することは、加工が困難になるとともに加工コストが高くつくことになるので、実用上は、案内隙間αをポケット隙間βと同じか、わずかに小さくする程度とするのがよいと考えられる。
【0040】
以上説明したように、案内隙間αとポケット隙間βとの関係をα≦βに特定すれば、高速回転時において、環状保持器5が偏心回転しても外輪3により案内されることになり、特に環状保持器5が径方向へ変位したときに、そのポケット8の内壁面が玉4に対してほとんど干渉しなくなるので、環状保持器5の挙動が安定しやすくなるとともに、玉4それぞれが進み遅れしにくくなって、玉4の微小滑りが発生しにくくなるなど、転がり動作が安定する。したがって、アンギュラ玉軸受1に振動が発生したり、温度が規定よりも上昇したりする現象が抑制されるようになり、寿命向上に貢献できるようになる。
【0041】
ところで、高速回転で使用する場合、回転遠心力が大きくなるとともに、発熱しやすくなるので、案内隙間αとポケット隙間βとの関係について、環状保持器5における遠心膨張や熱膨張を考慮して設定するのが実用上、より好ましい。
【0042】
具体的に、回転遠心力による環状保持器5の径方向での膨張量をx、昇温による環状保持器5の径方向での膨張量をyとしたとき、下記する関係に設定する。
【0043】
x+y<α≦β+x
なお、案内隙間αおよびポケット隙間βの加工誤差を考慮して、次のように設定するのが好ましい。
【0044】
αmax≦βmin+x
αmin>x+y
このように、環状保持器5として選定される母材の種類や形状に応じて、回転遠心力による環状保持器5の径方向での膨張量xと、熱膨張による環状保持器5の径方向での膨張量yとを加味すれば、実使用面においてより有効となる。
【0045】
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、種々な応用や変形が可能である。
【0046】
(1)上記実施形態では、環状保持器5を外輪案内形式とした例を挙げているが、内輪案内形式としてもよい。
【0047】
(2)従来一般的に、玉4の使用数が少ないほど、前記がたつき許容範囲の外径形状の多角数が小さいため、環状保持器5の挙動が悪くなる傾向となるので、玉4の使用数が少ない玉軸受に本発明を適用すると、好ましい結果が得られる。
【0048】
【発明の効果】
請求項1〜3の発明では、高速回転時において、環状保持器が偏心回転しても一方軌道輪により案内させることで環状保持器のポケットの内壁面と玉との干渉を抑制させるように工夫しているから、環状保持器の挙動が安定しやすくなるとともに、玉それぞれが進み遅れしにくくなって、玉の微小滑りが発生しにくくなるなど、転がり動作が安定する。したがって、玉軸受に振動が発生したり、温度が規定よりも上昇したりする現象が抑制されるようになり、寿命向上に貢献できるようになる。
【0049】
さらに、請求項1〜3の発明では、回転遠心力による環状保持器の径方向での膨張量xと、熱膨張による環状保持器の径方向での膨張量yとを加味しているから、実使用面において有効になる。
【0050】
また、請求項4の発明では、玉軸受の形式として、予圧を付与して内部隙間をほぼゼロにすることができるアンギュラ玉軸受としているから、玉の進み遅れが抑制されることになり、玉と環状保持器との干渉を防ぐうえでより有効となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るアンギュラ玉軸受を示す断面図
【図2】図1の(2)−(2)線断面の矢視図
【図3】環状保持器の一部を切り欠いた状態を示す斜視図
【図4】案内隙間αとポケット隙間βとの関係を示す図
【図5】図4に示す円形部分を説明するための模式図
【図6】案内隙間αを一定にしてポケット隙間をパラメータとしたときの環状保持器の最大変位量を示すグラフ
【符号の説明】
1 玉軸受
2 内輪
3 外輪
4 玉
5 環状保持器
6 内輪の軌道溝
7 外輪の軌道溝
8 環状保持器のポケット
Claims (4)
- 径方向内外に配置する一対の軌道輪の間にZ個(偶数個)の玉を配し、円周Zヶ所に径方向に沿う円筒形のポケットが貫通形成された環状保持器を組み込み、前記ポケットに玉を一つずつ収納し、前記環状保持器を一方軌道輪に案内させる玉軸受であって、前記一方軌道輪に対する環状保持器の径方向隙間(案内隙間)をα、前記玉に対するポケット内壁面の軸方向隙間もしくは周方向隙間(ポケット隙間)をβ、回転遠心力による環状保持器の径方向での膨張量をx、熱膨張による環状保持器の径方向での膨張量をyとしたとき、保持器の円形の偏心許容範囲が保持器のZ角形のがたつき許容範囲の最大内接円以下の径として、保持器の偏心範囲の玉による規制を防止すべく、x+y<α≦β+xの関係に基づいて設定されている、ことを特徴とする玉軸受。
- 径方向内外に配置する一対の軌道輪の間にZ個(奇数個)の玉を配し、円周Zヶ所に径方向に沿う円筒形のポケットが貫通形成された環状保持器を組み込み、前記ポケットに玉を一つずつ収納し、前記環状保持器を一方軌道輪に案内させる玉軸受であって、前記一方軌道輪に対する環状保持器の径方向隙間(案内隙間)をα、前記玉に対するポケット内壁面の軸方向隙間もしくは周方向隙間(ポケット隙間)をβ、回転遠心力による環状保持器の径方向での膨張量をx、熱膨張による環状保持器の径方向での膨張量をyとしたとき、保持器の円形の偏心許容範囲が保持器の2Z角形のがたつき許容範囲の最大内接円以下の径として、保持器の偏心範囲の玉による規制を防止すべく、x+y<α≦β+xの関係に基づいて設定されている、ことを特徴とする玉軸受。
- 請求項1または2に記載の玉軸受において、
αmax≦βmin+x,αmin>x+y
の関係を有する、ことを特徴とする玉軸受。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載の玉軸受において、
前記内外軌道輪に、円弧の一部に相当する断面形状の軌道溝が設けられており、前記玉が、前記両軌道溝に対して所定の接触角をもって接触されている、ことを特徴とする玉軸受。
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