JP4324551B2 - ドラフト装置および圧縮装置を有するリング精紡機 - Google Patents

Description

この発明は、ドラフト装置を有するリング精紡機であって、そのドラフトロールは、パンチ部に軸支されており、そのドラフト装置には、圧縮装置(Verdichtungsvorrichtung) が後置されており、この圧縮装置は、それぞれ下方ロール、この下方ロールに対抗して押圧している上方ロールおよび柔軟な圧縮エプロンとを有し、この圧縮エプロンは、吸引力を加えられている吸引シューとこれらのロールの中の一つに巻き付いており、その際この圧縮エプロンは、穿孔トラックを有し、この吸引シューは、この穿孔トラックに対応する吸引開口部を有するリング精紡機に関する。

そのようなリング精紡機は、例えば特許文献１により周知である。このリング精紡機は、目標とする細さにまで延伸された繊維束を繰り出す、例えば三つのドラフトロール対とダブルエプロンを持つ周知のドラフト装置を有する。これらのドラフト装置は、有利には圧搾空気式の圧縮装置を後置しており、この圧縮装置は、例えばロールと吸引力を加えられている吸引シューとに巻き付いている柔軟なエプロンを有する。これらのエプロンは、穿孔トラックを備えており、吸引シューの吸引開口部の上を通されており、ドラフト装置から繰り出される繊維束の繊維上に吸引されて、これを圧縮する。この穿孔されたエプロンが巻き付いたロールには、逆圧ロールが対応している。この穿孔されたエプロンは、繊維の進行面の上または下に配置することができる。

ドラフト装置のあるリング精紡機に圧縮装置を増強配備したいという要望が、しばしば起こっている。

それに関して、特許文献２には、複数の順番に配置された軸受収容部を持つドラフト装置のパンチ部において、繊維の進行方向に対して一番目の軸受収容部の前に、追加の軸受収容部を用いるとともに、ロール対の位置を一つずつずらすことが提案されている。そして、繊維の進行方向に対して最後の単独となった軸受収容部に、圧縮装置の静止した吸気管を収容するためのアダプターを用いることができる。この実施構成は、パンチ部の支持台が、別の軸受収容部を取り付けるとともに、ドラフト装置をずらすのに十分な長さを持つことを前提としている。しかし、これは、特に長繊維用ドラフト装置の場合には当てはまらない。

特許文献３も、既存のリング精紡機に圧縮装置を増強配備する手段を開示している。しかし、この解決手段は、特に短繊維の繊維材料用の非常に小さい圧縮装置に限定され、そこでは、圧縮エプロンは、小さい圧力ロールを用いて、ドラフト装置のフロントロール対の上方ロールに押し付けることが可能であり、これらによって駆動可能である。

特許文献４に開示された、ドラフト装置に圧縮装置を増強配備するための解決手段は、圧縮エプロンをフロントロール対のロールの中の一つに巻き付けて、その結果このロール対が圧縮エプロンを駆動するものと規定している。しかし、この解決手段は、圧縮エプロンの穿孔が、フロントロール対の噛み合う線を、それに対して非常に敏感なメインドラフトゾーンの出口において周期的に変位させるので、フロントロール対のメインドラフトゾーンにおけるドラフト作用を阻害するものである。
ドイツ特許公開第１９７０８４１０号明細書 ドイツ特許公開第１００５２８７８号明細書 ドイツ特許第１００５００８９号明細書 ドイツ特許公開第１００５６１８５号明細書

従って、この発明の課題は、リング精紡機のドラフト装置の構造内に出来る限り僅かにしか係合させず、それによりドラフト作用に出来る限り僅かな悪影響しか与えない形で、リング精紡機に圧縮装置を増強配備するための手段を提示することである。

この課題は、請求項１の特徴を述べた部分に記載した特徴によって解決される。圧縮装置の集合体の軸受けを収容するのに、パンチ部を延長することによって、ドラフト装置の構造は、大きくは変化しないままであり、そのドラフト作用は、不利な影響を受けない。この利点は、特に長繊維のスライバーを延伸するためのドラフト装置の場合に重要である。

パンチ部を延長することは、相応に延長したパンチ部を用いることによって、または有利にはこの軸受け個所を含む延長部を取り付けることによって実現される。この場合、上方ロール支持・荷重アームを短いまま維持する時には、圧縮装置の上方ロールに対して、別個の荷重装置を配備する。しかし、圧縮装置の上方ロール用の別個の追加荷重部品を有する、より長い上方ロール支持・荷重アームを用いることも可能である。

図面には、この発明の実施例が、模式的に描かれている。

リング精紡機は、縦方向の両側にドラフト装置を有し、それらの中の片側のドラフト装置だけをそれぞれ図面に描いている。図１のドラフト装置１は、この発明が出発点とするものであり、三つのロール対２，３および４を有し、これらのロール対は、それぞれ一つの下方ロール２’，３’および４’と一つの上方ロール２''，３''および４''とを有する。これらの下方ロールは、ここでは部分的に省略されたパンチ部５に軸支されており、これらのパンチ部は、縦方向にリング精紡機を貫通する二つのステイパイプ６によって支持されており、ここでは、これらの中の一つだけを図示している。中間のロール対３の上方ロール３''と下方ロール３’には、エプロン７または８が巻き付いており、ここでは、その案内ゲージを詳細には図示していない。上方ロール２''，３''および４''は、支持・荷重アーム９を用いて案内されるとともに、ハンドル１０を介して、ばね力または圧搾空気圧による負荷をかけられている。上方ロール２''，３''および４''は、その後に配備された圧力ロールと同様に、通常はロール対として実現されている。

図２のとおり、周知の圧縮装置１１は、柔軟な圧縮エプロン１２を有し、このエプロンは、ロール１３、吸引シュー１４および偏向ポール１５に巻き付いている。この圧縮エプロン１２は、その周囲の中央に、直径が約１ｍｍの小さい穴１６から成る穿孔トラックを有し、吸引力を加えられている吸引シュー１４の上側にある吸引開口部の上を通っている。ここでは、吸引管と吸引源は、見易くするために図示されていない。

圧縮エプロン１２が巻き付いたロール１３には、上側に圧力ロール１７が、下側に下方ロール２’，３’および４’のように、このリング精紡機の縦方向に延びる駆動ロール１８が対応しており、この駆動ロールによって、このロール１３が駆動され、そしてこのロールによって、各圧縮装置１１の圧力ロール１７が駆動される。

圧縮装置１１をパンチ部５に取り付けるために、図２の実施構成は、駆動ロール１８を軸支する延長部１９をパンチ部に取り付けるものと規定している。この延長部１９は、図８に図示されているとおり、ねじ２０を用いてパンチ部５に固定することができる。

圧力ロール１７に負荷をかけるために、荷重レバー２１を配備している。図５から分かるとおり、この荷重レバー２１は、ピン２２を用いて、回転の中心２３上で回転可能な形で支持部品２４に軸支されており、この支持部品は、この機械に沿ってすべてのパンチ部５を貫通する支持ポール２５に固定されている。支持部品２４は、旋回角度を調整可能な形で支持ポール２５に固定することができる。しかし、有利には、支持部品２４を、支持ポール２５に回転可能な形で軸支するとともに、アーム２６に配備した調整ねじ２７を用いてステイパイプ６に支持し、そうすることによってその角度位置を細かく調整可能とするものと規定する。そうすることによって、荷重レバー２１の切欠き２８に案内する圧縮装置１１の圧力ロール１７の繊維の進行方向における位置、ならびにドラフト装置１のフロントロール対４に対する吸引シュー１４の間隔をも調整することができる。

荷重レバー２１は、引張りばね２９の引張り荷重を加えられており、この引張りばねは、支持部品２４と荷重レバーに引っ掛けられている。荷重レバーは、一方のアーム３０上にトグル３１を有し、それを用いて、ばね２９の引張り力に対抗して、荷重レバーを動かして、圧力ロール１７を解放することができる。特に図７から分かるとおり、支持部品２４は、有利には二つの側方部を有し、それらの間に、荷重レバー２１を配備している。この荷重レバーも、有利には二つの側方部を持つＵ字形状で実現される。

図３から分かるとおり、延長部１９を用いてパンチ部５を延長する代わりに、駆動ロール１８の軸受けを収容できる程度に突出部を伸ばしたパンチ部５’を用いることもできる。こうすることによって、圧力ロール１７に対する別個の荷重装置は、変えないままに維持することができる。

図４にもとづき、圧力ロール用の別のハンドル３２を持つ、より長い支持・荷重アーム９’を用いた場合、圧縮装置１１の圧力ロール１７用の別個の荷重装置２１／２４／２５／２９を無くすことができる。この場合、このパンチ部５は、図２の実施構成のように、延長部１９によって、パンチ部が駆動ロール１８の軸受けを収容することができる程度に延長されている。

支持部品２４の側方部には、図５で識別可能な溝３３をつけることができ、この溝には、それぞれ二つの隣接する圧縮装置１１に対応した二つの吸引シュー１４の共通の筐体３４を、この筐体に取り付けたロッド３５を用いて嵌め込むことが可能である。こうすることによって、吸引シュー１４の正しい配置を保証することができる。支持部品２４と荷重レバー２１は、この筐体３４を介して噛み合う。

図７には、左側の圧縮装置１１において、その圧縮装置に幅の広い状態で入ってくるスライバー３６が図示されており、そのスライバーは、幅の狭い繊維束３７として圧縮されて、ドラフトゾーンから出て行く。

この発明の課題に対する改善されたドラフト装置の模式的な横断面図。 この発明によるドラフト装置の様々な実施構成の模式的な横断面図。 この発明によるドラフト装置の様々な実施構成の模式的な横断面図。 この発明によるドラフト装置の様々な実施構成の模式的な横断面図。 圧縮装置の断面における保持装置の側面図。 圧縮装置の断面における荷重レバーの側面図。 圧縮装置の平面図。 詳細図。

符号の説明

１ ドラフト装置
２ 下方ロール２’と上方ロール２''を持つロール対
３ 下方ロール３’と上方ロール３''を持つロール対
４ 下方ロール４’と上方ロール４''を持つロール対
５，５’ パンチ部
６ ステイパイプ
７ 上方エプロン
８ 下方エプロン
９，９’ 支持・荷重アーム
１０ ハンドル
１１ 圧縮装置
１２ 圧縮エプロン
１３ ロール
１４ 吸引シュー
１５ 偏向ポール
１６ 穴
１７ 圧力ロール
１８ 駆動ロール
１９ 延長部
２０ ねじ
２１ 荷重レバー
２２ ピン
２３ 回転の中心
２４ 支持部品
２５ 支持ポール
２６ アーム
２７ 調整ねじ
２８ 切欠き
２９ 引張りばね
３０ アーム
３１ トグル
３２ ハンドル
３３ 溝
３４ 筐体
３５ ロッド
３６ 圧縮されていないスライバー
３７ 圧縮された繊維束

Claims (7)

1. ドラフト装置を有するリング精紡機であって、そのドラフトロールは、パンチ部に軸支されており、そのドラフト装置には、圧縮装置が後置されており、この圧縮装置は、それぞれ下方ロール、この下方ロールに対抗して押圧している上方ロールおよび柔軟な圧縮エプロンとを有し、この圧縮エプロンは、吸引力を加えられている吸引シューとこれらのロールの中の一つに巻き付いており、その際この圧縮エプロンは、穿孔トラックを有し、この吸引シューは、この穿孔トラックに対応する吸引開口部を有するリング精紡機において、この圧縮装置（１１）の駆動ロール（１８）を軸支するために、このパンチ部（５）を延長することと、この圧縮装置の圧力ロール（１７）用の荷重装置（２１，２４，２９）を配備することとを特徴とするリング精紡機。
2. 当該のパンチ部（５）に、当該の圧縮装置（１１）の駆動ロール（１８）の軸受けを収容する延長部（１９）を取り付けることを特徴とする請求項１に記載のリング精紡機。
3. 当該の圧縮装置（１１）の駆動ロール（１８）の軸受け分だけ、より長いパンチ部（５）を用いることを特徴とする請求項１に記載のリング精紡機。
4. 当該のパンチ部（５）に支持された、各圧縮装置（１１）用の支持ポール（２５）に、支持部品（２４）を固定し、この支持部品には、当該の圧縮装置の圧力ロール（１７）を案内するとともに、これに負荷をかける荷重レバー（２１）が、回転の中心（２３）の回りに旋回可能な形で軸支されており、この荷重レバーは、この支持部品とこの荷重レバーの間で引っ張られたばね（２９）によって負荷をかけられることを特徴とする請求項２または３に記載のリング精紡機。
5. 当該の支持部品（２４）の旋回角度位置は、当該の支持ポール（２５）の回りに調整可能であることを特徴とする請求項４に記載のリング精紡機。
6. 当該の支持部品（２４）には、溝（３３）が付けられており、この溝に、当該の吸引シュー（１４）のロッド（３５）が係合することを特徴とする請求項４に記載のリング精紡機。
7. 当該の圧縮装置（１１）の圧力ロール（１７）を案内するとともに、これに負荷をかけるための別のハンドル（３２）を有する支持・荷重アーム（９’）を用いることを特徴とする請求項３に記載のリング精紡機。

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