JP4323588B2 - 編集方法、デバイス製造方法およびコンピュータ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体露光装置を制御するためのジョブパラメータの編集に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体製造(露光)工程に用いる露光装置では、制御パラメータはその露光装置のコンソール(マンマシンインターフェイス用のコンピュータ)で編集するのが一般的であった。
【0003】
しかし近年、半導体の微細化が進むのとともに制御パラメータの数が急激に増加している。また、半導体の種類も増え、装置で保存しておく制御パラメータのセットの数も増大している。このため、半導体製造以外のコンピュータで露光パラメータを編集、管理し、必要なときに必要な露光装置に必要な露光パラメータを配信するということも行われだしている。
【0004】
また、露光パラメータの編集自体も人間が行わずレチクル作成のCAD等とデータをリンクしたコンピュータによって、自動的に行うということも行われだしている。
【0005】
しかし、半導体露光装置のパラメータにはフォーカス、アライメント等その機種によって異なるパラメータが存在する。なぜなら、ウエハは、その工程、品種等によって、レジストの種類、塗布状況、下地のウエハの状態などが異なり、それら多様な条件下でも正確にフォーカス値あるいはアライメントマークを検出するための機構が各社、各機種によってそれぞれに工夫され、改良されてきているからである。
【0006】
ステッパのパラメータは、例えば、
1.ウエハサイズ、ステップサイズ等を指定するレイアウトデータ、
2.使用するレチクルの情報であるレチクルデータ、
3.実際の露光時に必要な、露光量、フォーカス値、アライメントのマーク位置、検出条件等のプロセスデータ、
等の種類から構成されている。
【0007】
以後、これらのパラメータをまとめて露光装置の制御に使用できる一揃いのパラメータセットとしたものをジョブパラメータ(ジョブ)と呼ぶ。
【0008】
レイアウトデータは、ウエハのサイズ、ショットサイズ、ショット数等を指定するものであるから一般には、特にメモリ等では半導体製品の品種によって異なり、同一品種の各工程間ではほとんど共通の場合が多い。
【0009】
プロセスデータは半導体製造工程に依存するパラメータであるが、半導体製造の工程のみでなく製造工程と露光装置のシステム構成の組み合わせによって決まるパラメータ(第2のパラメータセット)もある。例えば、フォーカスの検出モード、アライメントモード、アライメントマークの照明条件等がそのようなパラメータに該当する。
【0010】
従って機種Aの装置には必要なパラメータであるが、機種Bを使う場合には不要となるようなパラメータも数多く存在する。
【0011】
このため、ジョブパラメータの編集(ジョブ編集)にあたっては、あらかじめどの機種のパラメータであるか指定する必要があった。
【0012】
【発明が解決しようとしている課題】
従って、複数の機種を保有する半導体工場では、似たような露光パラメータであっても、機種が異なればその機種の分だけ、ジョブパラメータとして必要な全てのパラメータの編集作業を行う必要があった。この編集作業の回数は、人間がマニュアルで行う場合も、上述のコンピュータによって自動的に行う場合でも同じである。
【0013】
また、パラメータの管理においても、一つのジョブパラメータについて機種毎に全てのパラメータを保持する必要があった。
【0014】
本発明は、ジョブパラメータの編集の操作性を向上することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段および作用】
上記目的を達成するため、本発明の編集方法は、半導体露光装置を制御するためのジョブパラメータの編集方法において、半導体露光装置の機種に依存せず半導体製造工程に依存する第1のパラメータセットと、前記機種と前記工程とに依存する第2のパラメータセットとを独立に編集して保存することを特徴とする。
【0016】
また本発明のデバイス製造方法は、半導体露光装置を用いて半導体デバイスを製造するデバイス製造方法において、半導体露光装置の機種に依存せず半導体製造工程に依存する第1のパラメータセットと、前記機種と前記工程とに依存する第2のパラメータセットとを独立に編集して保存する工程と、前記第1のパラメータセットと前記第2のパラメータセットとをリンクしてジョブパラメータとする工程と、前記ジョブパラメータにより前記半導体露光装置を制御してウエハを露光する工程と、該露光したウエハを現像する工程とを有することを特徴とする。
【0017】
また本発明のコンピュータは、半導体露光装置を制御するためのジョブパラメータを編集するコンピュータにおいて、半導体露光装置の機種に依存せず半導体製造工程に依存する第1のパラメータセットと、前記機種と前記工程とに依存する第2のパラメータセットとを独立に編集して保存することを特徴とする。
【0021】
【実施例】
図1および図2は、本発明の一実施例における半導体露光装置のパラメータ構成を示す図である。
【0022】
図1の露光パラメータ群1は、露光装置の種類によらないパラメータ(第1のパラメータセット)を集めたものである。本実施例では、レイアウトデータ、レチクルデータ、プロセスデータというグループに分類してある。
【0023】
新たな品種等の半導体デバイスを製造するために露光パラメータを新たに作成する場合は、まず図1の露光パラメータ群1に新しくパラメータを登録する。
【0024】
この登録においては、すでにあるパラメータをコピーしてからそれに変更を加えるという操作でもよい。例えば、図1において露光パラメータ群1の中の既存のP1〜Pnに、PnをコピーしてPn+1を追加するといった方法である。
【0025】
この編集においては、露光装置の機種と半導体製造工程(プロセス)によって決まるパラメータ(第2のパラメータセット)は設定する必要はない。
【0026】
露光パラメータ群1に属する新たなパラメータの編集が終了すれば、そのパラメータのみを新たな名前で保存することができる。しかし、もちろんこのパラメータのみでは、どのような半導体露光装置にも使用することはできない。
【0027】
次に、使用する装置を決め、図2の露光パラメータ群2(機種に依存するパラメータであり、工程には依存しないパラメータと工程にも依存するパラメータの両方が含まれる)に属するべきパラメータの編集を行う。
【0028】
図2のA1〜Anは機種Aにおける工程1〜n用のパラメータセットであり、B1〜Bnは機種Bにおける工程1〜n用のパラメータセットである。本実施例では、機種はA,Bの2種類のみであるが、もちろんこの数に制限はなく必要な数だけ保有することができる。
【0029】
この露光パラメータ群2に属するパラメータセットの編集においては、いくつかの場合に分けて考えることができる。
1.使用する半導体露光装置は、すでに保有し、十分に使いこなしており使用する工程も他の品種で実績がある場合。
2.使用する半導体露光装置は、すでに保有し、十分に使いこなしているが使用する工程は新規であり、条件(設定すべきパラメータの値)は未知の場合。
3.使用する半導体露光装置は、新規もしくはすでに保有はしているが十分には使いこなしてはいないが、使用する工程は他の品種で実績がある場合。
4.使用する半導体露光装置は、新規もしくはすでに保有はしているが十分には使いこなしておらず、且つ使用する工程も新規であり設定すべきパラメータの値も未知の場合。
【0030】
1.の場合は、露光パラメータ群2に属するパラメータを新たに編集する必要はない。露光パラメータ群1におけるパラメータの編集後、既存の露光パラメータ群2の中から該当する機種と工程用のパラメータセットを選択し、リンクすればよい。
【0031】
2.〜4.の場合は、いずれにしても、パラメータの妥当性の確認および適宜パラメータの調整を行う必要があるが、2,3の場合は、既存の露光パラメータ露光群2の中から一番条件が近そうな条件のパラメータセットをコピーしてリンクするという方法が効率がよい。
【0032】
ここで、コピーが必要な訳は、既存の露光パラメータ露光群2の中のパラメータは、一般には装置、工程の組み合わせで、既存の工程用に最適化されているはずであり、これに変更を加えることはできないためである。
【0033】
4.の場合は、新規にパラメータの最適化を行うため、ジョブパラメータの最初の設定値は、装置メーカ指定のデフォルト値で始めるという方法もある。
【0034】
図3のJOB1〜JOBnは、機種指定後、設定したすべてのパラメータを前記露光パラメータ群1に属するパラメータと、露光パラメータ群2のパラメータをリンクした形でジョブパラメータとして保存する例を示す。
【0035】
図3のジョブパラメータは、従来の露光装置におけるパラメータ構成と同じであり、そのまま露光装置へもっていってすぐに実行可能なものである。
【0036】
しかし、パラメータ編集時に図3の形式のパラメータにまでする必要は必ずしもない。
例えば、露光パラメータ群1のパラメータと露光パラメータ群2のパラメータを別々に露光装置へ送信し、露光装置側でリンクするということも可能である。また例えば、ジョブパラメータ編集用コンピュータから、ネットワーク等を経由して露光装置ヘパラメータを送信する場合、送信プログラム中で上記リンクを行ってから露光装置へ送信するということも可能である。
【0037】
この場合は、図3の形式のジョブパラメータは、ディスク等に保存する必要がなくなる。
【0038】
図4は、図1〜3に示したパラメータの編集手順の一例を示す。
図4に示すように、露光パラメータを新たに作成する場合は、まず、露光パラメータ群1に新規のパラメータセットを追加、編集し(ステップS1)、ステップS2で、すぐに機種を指定して実行可能なジョブにするか否かの判断を行う。オペレータからの指示等によりすぐに機種を指定する場合、ステップS3に進み使用する機種を指定し、その後、パラメータ群2にパラメータセットを追加し、必要部分の編集を行う(ステップS4)。ステップS4で露光パラメータ群2に属するパラメータセットを新たに編集する必要のない場合には、露光パラメータ群2から既存のパラメータセットを選択するだけで良い。露光パラメータ群2のパラメータセットの編集が終了したらステップS5に進み、ジョブファイル形式(図3の形式)にするか否かの判断を行う。ステップS5で、ジョブファイル形式にすると判断した場合は、追加した露光パラメータ群1のパラメータセットと露光パラメータ群2のパラメータセットをリンクして保存し(ステップS6)、ジョブファイル形式にしないと判断した場合は、これらを別個に保存して、処理を終了する。また、上記ステップS2で、すぐに機種を指定して実行可能なジョブにする必要がないと判断した場合はステップS7に進み露光パラメータ群1に追加したパラメータセットのみを保存して処理を終了する。
【0039】
図5は本実施例に係る半導体露光装置の制御コンピュータの構成を示す。
同図において、1は半導体露光装置の露光シーケンスを制御するメインコンピュータであり、2はそのCPU、3はそのメモリである。また、4は半導体露光装置の操作および露光パラメータを編集するためのコンソールコンピュータである。5はコンソールコンピュータ4のCPU、6はそのメモリ、7は半導体露光装置の制御プログラムおよび露光パラメータ等を格納するためのディスクである。
【0040】
コンソールコンピュータ4とメインコンピュータ1は通信回線(例えばイーサネット等)で接続されており、メインコンピュータ1には更に、C1〜Cnのコントローラが接続されている。これらC1〜Cnのコントローラは、半導体の露光シーケンスにおいて、メインコンピュータ1からの指令に基づいて、半導体露光装置の各ユニットU1〜Unの制御を行う。
【0041】
半導体露光装置の露光パラメータは、通常コンソールコンピュータ4のメモリ6上で編集され、編集が終了すると、ディスク7内に格納される。
【0042】
露光シーケンス実行にあたっては、通常は露光シーケンスの開始に先だって、コンソールコンピュータ4は使用する露光パラメータのセットをディスク7より読み出し、メインコンピュータ1に送信する。
【0043】
メインコンピュータ1は送られた露光パラメータのセットをメモリ3に保持し、逐次それを参照しながら露光シーケンス実行する。
【0044】
ステップ&リピートにて露光を行うステッパーの場合には、これらの露光パラメータには例えば以下のようなものがある。
【0045】
・ショット数、各露光ショットの大きさ、ステップピッチ等ウエハ上の露光レイアウトに関するデータ、
・各ショットの露光量、フォーカスのオフセット等、
・露光時の露光照明系の露光モード等、
・アライメントマークのタイプ、位置、その検出方法等、
・フォーカス検出のモード、方法、フォーカス/レベリングの検出に使えるセンサの情報等(通常、半導体露光装置ではレベリング検出のため、1ショット内を複数のフォーカスセンサでフォーカス検出しているが、使用できるセンサの組み合わせは、装置のセンサの配置、露光ショットのサイズ、ウエハ内の位置等によって異なる)。
【0046】
次に、上記説明した工程により編集し、リンクしたジョブパラメータにより、露光装置を制御してデバイスを生産する方法を説明する。
【0047】
図6は微小デバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造のフローを示す。ステップS11(回路設計)では半導体デバイスの回路設計を行う。ステップS12(マスク製作)では設計したパターンを形成したマスクを製作する。一方、ステップS13(ウエハ製造)ではシリコンやガラス等の材料を用いてウエハを製造する。ステップS14(ウエハプロセス)は前工程と呼ばれ、上記用意したマスクとウエハを用いて、リソグラフィ技術によってウエハ上に実際の回路を形成する。次のステップS15(組み立て)は後工程と呼ばれ、ステップS14によって作製されたウエハを用いて半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の工程を含む。ステップS16(検査)では、ステップS15で作製された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、これが出荷(ステップS17)される。
【0048】
図7は上記ウエハプロセスの詳細なフローを示す。ステップS21(酸化)ではウエハの表面を酸化させる。ステップS22(CVD)ではウエハ表面に絶縁膜を形成する。ステップS23(電極形成)ではウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップS24(イオン打込み)ではウエハにイオンを打ち込む。ステップS25(レジスト処理)ではウエハに感光剤を塗布する。ステップS26(露光)では上記説明した露光の適否を確認する手段を有する露光装置によってマスクの回路パターンをウエハに焼付露光する。ステップS27(現像)では露光したウエハを現像する。ステップS28(エッチング)では現像したレジスト像以外の部分を削り取る。ステップS29(レジスト剥離)ではエッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。これらのステップS21〜S29を繰り返し行うことによって、ウエハ上に多重に回路パターンが形成される。
【0049】
本実施例では、複数の半導体露光装置を有するデバイス製造工場での上記繰り返しの各プロセスにおいて、ジョブパラメータの編集に要していたリソースの節約が可能となり、さらにパラメータの管理、メンテナンス性および流用性も大幅に向上したため、効率的に半導体デバイスを製造することが可能となった。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ジョブパラメータの編集の操作性を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例における半導体露光装置の機種に依存しないパラメータセットの構成を示す図である。
【図2】 本発明の一実施例における半導体露光装置の機種に依存するパラメータセットの構成を示す図である。
【図3】 本発明の一実施例における設定が終了したジョブパラメータの構成を示す図である。
【図4】 本発明における半導体露光装置のパラメータ編集の一例を示すフローチャートである。
【図5】 本発明の一実施例における半導体露光装置の制御コンピュータの構成を示すブロック図である。
【図6】 微小デバイスの製造工程を示すフローチャートである。
【図7】 図6のウエハプロセスの詳細なフローチャートである。
【符号の説明】
1:メインコンピュータ、2,5:CPU、3,6:メモリ、4:コンソールコンピュータ、7:ディスク、C1〜Cn:コントローラ、U1〜Un:ユニット。
Claims (8)
- 半導体露光装置を制御するためのジョブパラメータの編集方法において、
半導体露光装置の機種に依存せず半導体製造工程に依存する第1のパラメータセットと、前記機種と前記工程とに依存する第2のパラメータセットとを独立に編集して保存することを特徴とする編集方法。 - 前記第1のパラメータセットの編集の後に前記機種を指定して前記第2のパラメータセットの編集を行うことを特徴とする請求項1に記載の編集方法。
- 前記第1のパラメータセットおよび前記第2のパラメータセットをリンクして保存することを特徴とする請求項1または2に記載の編集方法。
- 前記第1のパラメータセットおよび前記第2のパラメータセットを別個に保存することを特徴とする請求項1または2に記載の編集方法。
- 前記第2のパラメータセットの編集は、前記機種毎にあらかじめ用意されたデフォルト値を設定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の編集方法。
- 前記第2のパラメータセットの編集は、あらかじめ前記機種毎に用意された前記第2のパラメータセットの群の中から一つを選択して設定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の編集方法。
- 半導体露光装置を用いて半導体デバイスを製造するデバイス製造方法において、
半導体露光装置の機種に依存せず半導体製造工程に依存する第1のパラメータセットと、前記機種と前記工程とに依存する第2のパラメータセットとを独立に編集して保存する工程と、
前記第1のパラメータセットと前記第2のパラメータセットとをリンクしてジョブパラメータとする工程と、
前記ジョブパラメータにより前記半導体露光装置を制御してウエハを露光する工程と、
該露光したウエハを現像する工程とを有することを特徴とするデバイス製造方法。 - 半導体露光装置を制御するためのジョブパラメータを編集するコンピュータにおいて、
半導体露光装置の機種に依存せず半導体製造工程に依存する第1のパラメータセットと、前記機種と前記工程とに依存する第2のパラメータセットとを独立に編集して保存することを特徴とするコンピュータ。
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