JP4154144B2 - 露光装置、発光制御方法、およびデバイス製造方法 - Google Patents
露光装置、発光制御方法、およびデバイス製造方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル等の表示素子、磁気ヘッド等の検出素子、或いはCCD等の撮像素子などのデバイスの製造に利用される露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体製造工程に供される露光装置において、より微細なパターンを投影転写する微細加工技術の進展が著しく、更なる解像力向上に向けて露光波長の短波長化が図られている。
【0003】
この露光波長の短波長化に伴って、露光光源もガスレーザの一種であるKrFやArFのエキシマレーザーに変移してきている。
【0004】
このエキシマレーザは狭帯域モジュールにより特定波長のみを選択できるため、特定の非常に狭帯域化されたパルス光の発光を発振現象により実現できる。上記特定波長はある程度変更可能である。
【0005】
この従来の露光装置では、エキシマレーザから発光されるパルス光によってレチクル上のパターンを半導体ウエハ上に投影転写する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記エキシマレーザはガスレーザであるため、定期的にガス交換を行う必要がある。このガス交換により、チャンバ2内部のガスの成分比率が変動し、パルス光のスペクトル分布が図2(a)のように変化する場合がある。
【0007】
また、上記狭帯域モジュールの中にある光学部品も経時変化によって特性が変化する場合があり、上記スペクトル分布を変化させる要因となっている。
【0008】
また、上記エキシマレーザ1は、前述のように、光の中心波長を一定に保持しようとする機能を有しているが、エキシマレーザ1内部の各種要因により、その中心波長は図2(b)に示す如く微妙に変化してしまう。
【0009】
以上のように、露光装置に使用されるエキシマレーザは、各種要因によりスペクトル分布の形状や中心波長が変化し、これらの変化が発生すると露光装置のパターン転写性能に悪影響を及ぼす虞がある。
【0010】
具体的には、スペクトル分布の幅が変化した場合には、投影転写するパターンのコントラストが変化してしまう。
【0011】
コントラストが変化した場合、転写されるパターンによってその影響度が異なるため、単に転写パターンのコントラストが低下するだけでなく、転写パターンが変形してしまう。
【0012】
また、中心波長が変動すると、露光装置のフォーカス位置が変化してしまい微細なパターンを転写することが困難になる。
【0013】
本発明は、上記課題に鑑みてなされ、その目的は、光のスペクトル分布を積算して得られる積算スペクトル分布を安定化させることである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、発光体を有する光源を含み、前記光源を制御して原版のパターンを被露光物体に投影転写して露光を行う露光装置であって、前記光源は、前記発光体からの光のスペクトル分布を計測する計測手段と、前記発光体を制御する制御手段であって、前記計測手段により計測されたスペクトル分布を積算して露光途中の積算スペクトル分布を求め、該露光途中の積算スペクトル分布と目標とする露光終了時の積算スペクトル分布との差に基づいて、露光終了時の積算スペクトル分布を該目標とする露光終了時の積算スペクトル分布に一致させるために1回又は複数回中心波長指令値を変更し、該変更された指令値に応じて前記発光体からの光の中心波長を制御する前記制御手段と、を有する。
【0017】
本発明は、発光体を有する光源を含み、前記光源を制御して原版のパターンを被露光物体に投影転写して露光を行う露光装置において、前記発光体からの光を制御する発光制御方法であって、前記発光体からの光のスペクトル分布を計測し、計測された前記スペクトル分布を積算して、露光途中の積算スペクトル分布を求め、前記露光途中の積算スペクトル分布と目標とする露光終了時の積算スペクトル分布との差に基づいて、露光終了時の積算スペクトル分布を前記目標とする露光終了時の積算スペクトル分布に一致させるために1回又は複数回の中心波長指令値を変更し、変更された前記波長指令値に応じて前記発光体からの光の中心波長を制御する。
【0025】
本発明のデバイス製造方法は、上記露光装置を用いて原版のパターンを被露光物体に投影転写するステップと、該パターンが投影転写された被露光物体を現像するステップとを有する。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0033】
尚、以下に説明する実施の形態は、本発明の実現手段としての一例であり、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で下記実施形態を修正又は変形したものに適用可能である。
【0034】
図1は本発明の代表的な実施形態であるステップ&リピート方式の露光装置を示し、1はパルス発光光源であるエキシマレーザ、2はエキシマレーザ1の内部にあるエキシマガスを封入するためのチャンバ、3はパルス光の波長を選択して狭帯域化するための狭帯域モジュール、4はパルス光の中心波長若しくはスペクトル分布を計測するための波長計、5はパルス発光毎に波長計4によりパルス光の中心波長を読み込んで、次のパルス光の中心波長が中心波長指令値になるように、狭帯域モジュール3に駆動制御指令を出力するレーザ内制御部、6はエキシマレーザ1より出力されるエキシマレーザ光を夫々示している。
【0035】
このエキシマレーザ1は、上記狭帯域モジュール3により特定波長のみを選択してチャンバ2に戻せるため、特定の非常に狭帯域化されたパルス光の発光を発振現象により実現でき、上記特定波長はある程度変更可能である。
【0036】
また、10は露光装置本体であり、11はエキシマレーザ1から発光されるパルス光を、レチクル12を照明するための略均一な照明光に変換するための照明光学系、12は半導体ウエハに投影転写するパターンの原版であるレチクル、13はレチクル12上のパターンを転写するための投影レンズ、14は被露光物体である半導体ウエハ、15は半導体ウエハ14を搭載してXYZ方向に移動可能なウエハステージ、16はエキシマレーザ1に対してパルス発光毎のエネルギや発光タイミングを指令するエキシマレーザ制御部である。
【0037】
この露光装置は、エキシマレーザ1から発光されるパルス光によってレチクル12上のパターンを半導体ウエハ14上に投影転写する。
【0038】
上記露光装置において、レチクル12及びウエハ14の搬入後、レチクル12とウエハ14の位置合わせを行い、その後、レチクル12上のパターンをウエハ14上に転写する露光工程に移行する。
【0039】
この露光工程において、露光装置10及びエキシマレーザ1は図4に示すフローチャートに従って制御手段としてCPU,ROM,RAM,入出力インタフェース,通信装置などを備えるコントローラにより発光制御される。即ち、
ステップS1:エキシマレーザ制御部16は、レーザ内制御部5に対して中心波長指令値、積算スペクトル分布指令値、露光パルス数を通信手段を介して設定した後、発光指令を出力する。
【0040】
ステップS2:レーザ内制御部5はエキシマレーザ制御部16から中心波長指令値、積算スペクトル分布指令値、露光パルス数を受け取ると、狭帯域モジュール3に駆動指令を出力し、実際の発光波長が中心波長指令値と略一致すると期待される位置に内部の光学素子(不図示)を設定し、その後、発光指令を受け取ると実際の発光を実行する。
【0041】
ステップS3:レーザ内制御部5は上記発光の実行後、波長計4によりパルス光の中心波長とスペクトル分布の計測を行い、実際に計測された中心波長と中心波長指令値との間に誤差がある場合には、この誤差を最小にするように狭帯域モジュール3に駆動指令を出力し、次回発光時のパルス光の中心波長が中心波長指令値と略一致するように補正する。また、パルス光の中心波長とスペクトル分布のデータをレーザ内制御部5の内部メモリ(不図示)に記憶させる。
【0042】
ステップS4:レーザ内制御部5は、エキシマレーザ制御部16から次回の発光指令を受け取ると、上記ステップS3と同じ動作を繰り返すが、スペクトル分布データに関しては、発光毎に積算を実施し、積算スペクトル分布の算出をパルス発光毎に行う。
【0043】
ステップS5,S6:レーザ内制御部5は、露光パルス数の約半分のパルス数まで、上記ステップS4の動作を繰り返し実行するが、その後、残りの露光パルス数において積算スペクトル分布及びその中心波長を、中心波長指令値及び積算スペクトル分布指令値と一致させるために必要な残りの露光パルス夫々の中心波長実行計画を作成する。この中心波長実行計画とは、目標とする積算スペクトル分布指令値から現在までの積算スペクトル分布を減算し、以後のパルス露光で実行すべき積算スペクトル分布を算出し、それを中心波長が夫々独立な標準的な1パルスのスペクトル分布に分割することである。
【0044】
ステップS7,S8:レーザ内制御部5は、上記ステップS5の制御に移行した後にも、各露光パルス毎に、その中心波長実行計画を逐次更新し、最終露光結果として、積算スペクトル分布及びその中心波長を、中心波長指令値及び積算スペクトル分布指令値と略一致させるように制御する。
【0045】
本実施形態の制御内容を、より具体的に図3(a),(b)を参照して説明する。
【0046】
図3(a)において20は標準的なスペクトル分布の一例を、21は目標とする積算スペクトル分布を、22は露光途中の積算スペクトル分布を夫々示している。
【0047】
実際の露光工程においては、前記ステップS6で目標積算スペクトル21から、露光途中の積算スペクトル分布22を減算し、図3(b)に23で示す以後のパルス発光で実行すべき積算スペクトル分布を算出する。
【0048】
ここで、標準的なスペクトル分布、及びその強度は予めわかっているので必要とされる積算スペクトル分布23を達成するための複数の中心波長指令値を作成する。
【0049】
図3(b)に24で示す各スペクトル分布は、上記複数の中心波長指令値に対応するスペクトル分布を示したものである。
【0050】
なお、上記ステップS6以降においては、上記「複数の中心波長指令値」を作成して、この指令波長により以後のパルス発光を実施することになるが、実際のパルス発光においては、その中心波長及びスペクトル分布は変動する。
【0051】
このため、一度決定した中心波長実行計画は、パルス発光毎に再作成をする必要がある。
【0052】
【変形例】
本実施形態の変形例としては、以下の構成が可能である。
【0053】
▲1▼上記実施形態の中心波長の制御を露光装置側にて実施する。
【0054】
▲2▼露光光源として中心波長を制御可能な連続発光光源を使用し、中心波長の制御を特定時間間隔若しくは特定エネルギ積算量の実施毎に行う。
【0055】
▲3▼演算時間の短縮化のために、パルス毎のスペクトル積算を実行する代わりに、中心波長と半値幅のみを計測し、中心波長指令値と半値幅指令値の算出を行う。
【0056】
▲4▼積算スペクトル分布制御をスキャナタイプの露光装置に適用する。この場合、全ての半導体ウエハ上の任意点に露光されるパルス数において積算スペクトル分布形状が所定量になる様に、連続する所定パルス数の最後の1パルスの中心波長を制御する。
[半導体生産システムの実施形態]
次に、上記露光装置を利用した半導体等のデバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の生産システムの例を説明する。これは、半導体製造工場に設置された製造装置のトラブル対応や定期メンテナンス、若しくはソフトウェア提供等の保守サービスを、製造工場外のコンピュータネットワーク等を利用して行うものである。
【0057】
図5は、全体システムをある角度から切り出して表現したものである。図中、101は半導体デバイスの製造装置を提供するベンダ(装置供給メーカ)の事業所である。製造装置の実例として、半導体製造工場で使用する各種プロセス用の半導体製造装置、例えば、前工程用機器(露光装置、レジスト処理装置、エッチング装置等のリソグラフィ装置、熱処理装置、成膜装置、平坦化装置等)や後工程用機器(組立て装置、検査装置等)を想定している。事業所101内には、製造装置の保守データベースを提供するホスト管理システム108、複数の操作端末コンピュータ110、これらを結んでイントラネット等を構築するローカルエリアネットワーク(LAN)109を備える。ホスト管理システム108は、LAN109を事業所の外部ネットワークであるインターネット105に接続するためのゲートウェイと、外部からのアクセスを制限するセキュリティ機能を備える。
【0058】
一方、102〜104は、製造装置のユーザとしての半導体製造メーカの製造工場である。製造工場102〜104は、互いに異なるメーカに属する工場であってもよいし、同一のメーカに属する工場(例えば、前工程用の工場、後工程用の工場等)であってもよい。各工場102〜104内には、夫々、複数の製造装置106と、それらを結んでイントラネット等を構築するローカルエリアネットワーク(LAN)111と、各製造装置106の稼動状況を監視する監視装置としてホスト管理システム107とが設けられている。各工場102〜104に設けられたホスト管理システム107は、各工場内のLAN111を工場の外部ネットワークであるインターネット105に接続するためのゲートウェイを備える。これにより各工場のLAN111からインターネット105を介してベンダ101側のホスト管理システム108にアクセスが可能となり、ホスト管理システム108のセキュリティ機能によって限られたユーザだけがアクセスが許可となっている。具体的には、インターネット105を介して、各製造装置106の稼動状況を示すステータス情報(例えば、トラブルが発生した製造装置の症状)を工場側からベンダ側に通知する他、その通知に対応する応答情報(例えば、トラブルに対する対処方法を指示する情報、対処用のソフトウェアやデータ)や、最新のソフトウェア、ヘルプ情報等の保守情報をベンダ側から受け取ることができる。各工場102〜104とベンダ101との間のデータ通信及び各工場内のLAN111でのデータ通信には、インターネットで一般的に使用されている通信プロトコル(TCP/IP)が使用される。なお、工場外の外部ネットワークとしてインターネットを利用する代わりに、第三者からのアクセスができずにセキュリティの高い専用線ネットワーク(ISDN等)を利用することもできる。また、ホスト管理システムはベンダが提供するものに限らずユーザがデータベースを構築して外部ネットワーク上に置き、ユーザの複数の工場から該データベースへのアクセスを許可するようにしてもよい。
【0059】
さて、図6は、本実施形態の全体システムを図5とは別の角度から切り出して表現した概念図である。先の例では、それぞれが製造装置を備えた複数のユーザ工場と、該製造装置のベンダの管理システムとを外部ネットワークで接続して、該外部ネットワークを介して各工場の生産管理や少なくとも1台の製造装置の情報をデータ通信するものであった。これに対し本例は、複数のベンダの製造装置を備えた工場と、該複数の製造装置のそれぞれのベンダの管理システムとを工場外の外部ネットワークで接続して、各製造装置の保守情報をデータ通信するものである。図中、201は製造装置ユーザ(半導体デバイス製造メーカ)の製造工場であり、工場の製造ラインには各種プロセスを行う製造装置、ここでは例として露光装置202、レジスト処理装置203、成膜処理装置204が導入されている。なお、図6では、製造工場201は1つだけ描いているが、実際は複数の工場が同様にネットワーク化されている。工場内の各装置はLAN206で接続されてイントラネット等を構成し、ホスト管理システム205で製造ラインの稼動管理がされている。一方、露光装置メーカ210、レジスト処理装置メーカ220、成膜装置メーカ230等、ベンダ(装置供給メーカ)の各事業所には、それぞれ供給した機器の遠隔保守を行うためのホスト管理システム211,221,231を備え、これらは上述したように保守データベースと外部ネットワークのゲートウェイを備える。ユーザの製造工場内の各装置を管理するホスト管理システム205と、各装置のベンダの管理システム211,221,231とは、外部ネットワーク200であるインターネット若しくは専用線ネットワークによって接続されている。このシステムにおいて、製造ラインの一連の製造機器の中のどれかにトラブルが起きると、製造ラインの稼動が休止してしまうが、トラブルが起きた機器のベンダからインターネット200を介した遠隔保守を受けることで迅速な対応が可能で、製造ラインの休止を最小限に抑えることができる。
【0060】
半導体製造工場に設置された各製造装置はそれぞれ、ディスプレイと、ネットワークインタフェースと、記憶装置にストアされたネットワークアクセス用ソフトウェアならびに装置動作用のソフトウェアを実行するコンピュータを備える。記憶装置としては内蔵メモリやハードディスク、若しくはネットワークファイルサーバ等である。上記ネットワークアクセス用ソフトウェアは、専用又は汎用のウェブブラウザを含み、例えば図7に一例を示す様な画面のユーザインタフェースをディスプレイ上に提供する。各工場で製造装置を管理するオペレータは、画面を参照しながら、製造装置の機種401、シリアルナンバー402、トラブルの件名403、発生日404、緊急度405、症状406、対処法407、経過408等の情報を画面上の入力項目に入力する。入力された情報はインターネットを介して保守データベースに送信され、その結果の適切な保守情報が保守データベースから返信されディスプレイ上に提示される。また、ウェブブラウザが提供するユーザインタフェースは、さらに図示の毎くハイパーリンク機能410,411,412を実現し、オペレータは各項目の更に詳細な情報にアクセスしたり、ベンダが提供するソフトウェアライブラリから製造装置に使用する最新バージョンのソフトウェアを引出したり、工場のオペレータの参考に供する操作ガイド(ヘルプ情報)を引出したりすることができる。ここで、保守データベースが提供する保守情報には、上記説明した本発明に関する情報も含まれ、また前記ソフトウェアライブラリは本発明を実現するための最新のソフトウェアも提供する。
【0061】
次に、上記説明した生産システムを利用した半導体デバイスの製造プロセスを説明する。図8は、半導体デバイスの全体的な製造プロセスのフローを示す。ステップ1(回路設計)では半導体デバイスの回路設計を行う。ステップ2(マスク製作)では設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。一方、ステップ3(ウエハ製造)ではシリコン等の材料を用いてウエハを製造する。ステップ4(ウエハプロセス)は前工程と呼ばれ、上記用意したマスクとウエハを用いて、リソグラフィ技術によってウエハ上に実際の回路を形成する。次のステップ5(組み立て)は後工程と呼ばれ、ステップ4によって作製されたウエハを用いて半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の組立て工程を含む。ステップ6(検査)ではステップ5で作製された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、これを出荷(ステップ7)する。前工程と後工程はそれぞれ専用の別の工場で行い、これらの工場毎に上記説明した遠隔保守システムによって保守がなされる。また、前工程工場と後工程工場との間でも、インターネットまたは専用線ネットワークを介して生産管理や装置保守のための情報がデータ通信される。
【0062】
図9は、上記ウエハプロセスの詳細なフローを示す。ステップ11(酸化)ではウエハの表面を酸化させる。ステップ12(CVD)ではウエハ表面に絶縁膜を成膜する。ステップ13(電極形成)ではウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ14(イオン打込み)ではウエハにイオンを打ち込む。ステップ15(レジスト処理)ではウエハに感光剤を塗布する。ステップ16(露光)では上記説明した露光装置によってマスクの回路パターンをウエハに焼付露光する。ステップ17(現像)では露光したウエハを現像する。ステップ18(エッチング)では現像したレジスト像以外の部分を削り取る。ステップ19(レジスト剥離)ではエッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。これらのステップを繰り返し行うことによって、ウエハ上に多重に回路パターンを形成する。各工程で使用する製造機器は上記説明した遠隔保守システムによって保守がなされているので、トラブルを未然に防ぐと共に、もしトラブルが発生しても迅速な復旧が可能で、従来に比べて半導体デバイスの生産性を向上させることができる。
【0063】
上記実施形態によれば、プロセス要因でウエハ平面度の欠陥があった場合には、強制露光が可能であることから、エッチング時に、周辺に正常に露光されたショットに及ぼす影響を最小限にすることができるため、ウエハの歩留まりが向上する。
【0064】
チャック要因でウエハ平面度の欠陥があった場合には、フォーカス制御エラーが発生した場所をウエハ枚葉間で記憶する機能を具備しているので、上記効果に加えてウエハチャックの汚染を速やかに発見することができる。
【0065】
また、床からの外乱等の影響でフォーカス制御エラーが発生した場合は、スキャン露光の前であれば露光を中止しリトライする機能を具備しているので、露光不良ショットの率を低減することができ、歩留まりが向上する。
【0066】
さらに、上記リトライや強制露光の判断を自動で行う機能を具備したことにより、オペレータの判断待ちで装置が停止している時間を最小限にすることができ、装置の稼働率が向上する。
【0067】
【他の実施形態】
以上、実施形態例を詳述したが、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0068】
なお、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラム(図4のフローチャートに従った露光量制御手順)を、システム或いは装置に直接或いは遠隔から供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータが該供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合を含む。その場合、プログラムの機能を有していれば、形態は、プログラムである必要はない。
【0069】
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明のクレームでは、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
【0070】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
【0071】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フロッピーディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などがある。
【0072】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続し、該ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明のクレームに含まれるものである。
【0073】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせ、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0074】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される他、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
【0075】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。
【0076】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、光のスペクトル分布を積算して得られる積算スペクトル分布を安定化させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施形態の露光装置を示す図である。
【図2】エキシマレーザのスペクトル分布を説明する図である。
【図3】本実施形態の積算スペクトル制御を説明する図である。
【図4】本実施形態の露光量制御手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態に係る露光装置を含む半導体デバイスの生産システムをある角度から見た概念図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る露光装置を含む半導体デバイスの生産システムを別の角度から見た概念図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る露光装置を含む半導体デバイスの生産システムにおけるユーザインタフェースの具体例を示す図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る露光装置によるデバイスの製造プロセスの流れを説明するフローチャートである。
【図9】本発明の一実施形態に係る露光装置によるウエハプロセスを説明する図である。
【符号の説明】
1 エキシマレーザ
2 チャンバ
3 狭帯域モジュール
4 波長計
5 レーザ内制御部
6 エキシマレーザ光
10 露光装置本体
11 照明光学系
12 レチクル
13 投影レンズ
14 ウエハ
15 ステージ
16 エキシマレーザ制御部
Claims (13)
- 発光体を有する光源を含み、前記光源を制御して原版のパターンを被露光物体に投影転写して露光を行う露光装置であって、
前記光源は、
前記発光体からの光のスペクトル分布を計測する計測手段と、
前記発光体を制御する制御手段であって、前記計測手段により計測されたスペクトル分布を積算して露光途中の積算スペクトル分布を求め、該露光途中の積算スペクトル分布と目標とする露光終了時の積算スペクトル分布との差に基づいて、露光終了時の積算スペクトル分布を該目標とする露光終了時の積算スペクトル分布に一致させるために1回又は複数回中心波長指令値を変更し、該変更された指令値に応じて前記発光体からの光の中心波長を制御する前記制御手段と、を有することを特徴とする露光装置。 - 前記制御手段は、前記発光体を連続発光又はパルス発光させることを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
- 前記計測手段は、前記発光体のパルス発光毎又は特定時間間隔毎に該スペクトル分布を計測することを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
- 前記計測手段は、前記発光体からの光のスペクトル分布の中心波長を計測することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の露光装置。
- 前記制御手段は、前記計測手段により計測された中心波長と前記中心波長指令値との誤差を最小にするように、前記発光体からの光を制御することを特徴とする請求項4に記載の露光装置。
- 発光体を有する光源を含み、前記光源を制御して原版のパターンを被露光物体に投影転写して露光を行う露光装置において、前記発光体からの光を制御する発光制御方法であって、
前記発光体からの光のスペクトル分布を計測し、
計測された前記スペクトル分布を積算して、露光途中の積算スペクトル分布を求め、
前記露光途中の積算スペクトル分布と目標とする露光終了時の積算スペクトル分布との差に基づいて、露光終了時の積算スペクトル分布を前記目標とする露光終了時の積算スペクトル分布に一致させるために1回又は複数回の中心波長指令値を変更し、変更された前記波長指令値に応じて前記発光体からの光の中心波長を制御することを特徴とする発光制御方法。 - 前記発光体を連続発光又はパルス発光させることを特徴とする請求項6に記載の発光制御方法。
- 前記発光体のパルス発光毎又は特定時間間隔毎に該スペクトル分布を計測することを特徴とする請求項6に記載の発光制御方法。
- 前記発光体からの光のスペクトル分布の中心波長を計測することを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載の発光制御方法。
- 計測された前記中心波長と前記中心波長指令値との誤差を最小にするように、前記発光体からの光を制御することを特徴とする請求項9に記載の発光制御方法。
- 前記原版のパターンを前記被露光物体に投影する投影光学系を有し、前記原版と前記被露光物体とを前記投影光学系に対して相対的に走査することで前記原版のパターンを前記被露光物体に転写することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の露光装置。
- 前記光源はエキシマレーザであることを特徴とする請求項1乃至5及び11のいずれか1項に記載の露光装置。
- 請求項1乃至5及び11乃至12のいずれか1項に記載の露光装置を用いて原版のパターンを被露光物体に投影転写するステップと、前記パターンが投影転写された被露光物体を現像するステップと、を有することを特徴とするデバイス製造方法。
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