JP4322584B2 - 版曲げ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新聞印刷等に用いる刷版を作成する製版装置に係り、詳細には、現像処理、不感脂化処理の終了した印刷版に位置決め用のパンチ孔の穿設及び版曲げ処理を施す版曲げ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
新聞印刷等の刷版に用いられる印刷版(感光性平版印刷版)は、アルミニウム等の薄肉の支持体の表面に感光層が設けられている。このような印刷版には、感光層として有機光導電体を用いたOPC(Organic Photconductor )印刷版などの、CTP(Computer to Plate)処理用の印刷版などがある。
【0003】
OPC印刷版を用いて刷版を作成するダイレクト製版システムでは、帯電・露光によってOPC印刷版に静電潜像を形成した後、現像工程でトナー粒子とキャリア液からなる液体現像剤で現像し、乾燥後に定着工程で加熱定着して、静電潜像に応じたトナー画像を形成する。
【0004】
この後に、エッチング処理を施すことにより、不要な感光層を除去して、露光画像に応じた網点画像を形成するようにしている。
【0005】
一方、OPC印刷版を含む印刷版に対しては、印刷版の表面から不要な感光層を除去するエッチング処理が終了すると版面保護のための不感脂化処理が行われる。この不感脂化処理は、印刷版を搬送しながらこの印刷版の表裏面にガム液を塗布した後、ローラ対によって印刷版を挟持し、印刷版の表裏面から余剰なガム液を絞り落とすことにより印刷版の表面にガム液による薄膜を形成する。
【0006】
ところで、製版工程では、印刷版を輪転機の版胴への装着及び装着時の位置決めのために、パンチ処理、版曲げ処理が施される。パンチ処理は、印刷版に形成した画像の天地方向となる印刷版の端部の所定位置に、パンチ孔ないし切欠きを形成し、版曲げ処理は、パンチ孔ないし切欠きが形成された印刷版の天地方向の両端部のそれぞれを、所定形状に折り曲げる。
【0007】
一方、カラー印刷を行うためには、イエローY、マゼンタM、シアンC及びブラック(スミ)Kの各色ごとの刷版を形成し、各色版を用いて重ね刷りを行うようにしている。このときに、印刷物上での色ずれを防止するためには、パンチ処理及び版曲げ処理を行うときに、印刷版を高精度で位置決めをする必要があり、このためには、パンチ処理及び版曲げ処理を行うときに、印刷版に対する高精度な位置決めが要求される。
【0008】
ここから、印刷版の所定位置に標識マークを形成すると共に、この印刷版を載置する定盤にX−Y−θテーブルを設け、定盤上に載置した印刷版の標識マークが所定位置となるようにX−Y−θテーブルによって印刷版を移動させることにより、印刷版の定盤上に高精度で位置決めし、印刷版に形成している画像に対し高精度の加工が可能となるようにしたパンチベンダーが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0009】
しかし、露光から現像、パンチ版曲げ処理までを連続して行う製版装置では、現像装置に隣接してパンチ版曲げ装置を設け、現像装置からパンチ版曲げ装置の定盤上に送り込まれた印刷版を、その定盤上で位置決めするようにしている。
【0010】
また、自動現像装置では、印刷版ガム液を塗布した後に、スクイズローラ等を用いた搬送ローラ対によって送り出すようにしているため、印刷版の後端にガム液が付着して残り易く、このために、この部分のガム液が未乾燥状態(生乾き状態)で、版曲げ装置の定盤上に送り込まれることが多い。
【0011】
このような印刷版を定盤上で移動させようとしたときには、生乾きのガム液によって印刷版が定盤に貼り付いてしまい、X−Y−θテーブルが適正に移動せずに、印刷版の位置決め不良が生じてしまうことがある。
【0012】
また、生乾きのガム液が定盤上に付着した場合、次の印刷版が定盤に貼り付きやすくなったり、また、このガム液がさらに印刷版に転写して、印刷版に汚れを生じさせてしまうことがある。
【0013】
【特許文献1】
特開2002−144529号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、現像処理、不感脂化処理が終了して送出される印刷版に対して、連続してパンチ版曲げ処理を行うときに、印刷版に付着している生乾きのガム液が、定盤に付着してしまうのを確実に防止し、定盤上に載置した印刷版の適正な位置決めや印刷版の汚れを防止可能とする版曲げ装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、不感脂化処理及び乾燥処理を施して印刷版を送出する自動現像装置に連続して設けられて、定盤上に載置した印刷版を位置決めして、所定位置にパンチ処理及び版曲げ処理を施す版曲げ装置であって、前記印刷版を前記定盤上へ搬送して載置する搬送手段と、前記定盤上に設けられて前記搬送手段によって搬送される前記印刷版の搬送方向先端が当接することにより、印刷版を定盤上の所定位置に配置可能とするストッパと、を含み、前記ストッパに当接して載置される前記印刷版の搬送方向上流側端部に対向する位置で、該印刷版の端部との間に間隙を生じさせる凹部を前記定盤上に形成していることを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、ガム液を塗布する不感脂化処理及びガム液の乾燥を促進する乾燥処理がなされて自動現像装置から排出される印刷版を、搬送手段によって定盤上に搬送して載置する。このとき、搬送手段によって搬送する印刷版を、ストッパに当接させて停止させることにより、印刷版を定盤上の所定位置に載置し、この後に、印刷版を位置決めしてパンチ処理及び版曲げ処理を施す。
【0017】
このとき、定盤には、印刷版の搬送方向後端部に対向する位置に凹部が形成されており、印刷版の後端に付着しているガム液が、定盤に接触するのを防止されている。
【0018】
これにより、ガム液が定盤に付着してしまうのを確実に防止できるので、生乾きのガム液によって定盤上での印刷版の移動不良が生じたり、生乾きのガム液が定盤に付着し、次の印刷版に付着してしまうことによる汚れの発生を確実に防止することができる。
【0019】
請求項2に係る発明は、前記凹部が、前記印刷版の搬送方向と直交する方向に沿って連続した溝であることを特徴とする。
【0020】
この発明によれば、印刷版の搬送方向後端部に対向する位置に、印刷版の搬送方向と直交する方向に沿って溝を形成している。
【0021】
これにより、ストッパによって停止させた印刷版を、定盤上で移動して位置決めを行うときに、印刷版を適正に移動させて正確に位置決めすることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。図1には、本実施の形態に適用した製版システム10の概略構成を示している。
【0023】
この製版システム10は、印刷版12に画像露光を施して新聞印刷用の刷版を作成するようになっており、給版工程14、露光工程16、現像工程18、パンチ工程20及び版曲げ工程22を含んで形成され、版曲げ工程22の下流側が集積工程24となっている。
【0024】
この製版システム10で処理される印刷版12は、アルミニウム等によって薄肉矩形形状に形成した支持体の表面に感光層を形成した一般的構成となっている。また、印刷版12は、図2(A)に示すように、新聞1頁サイズの画像26を縦に並べて露光可能な2L1Wサイズの印刷版12(印刷版12A)及び、図3(A)に示すように、新聞1頁分の画像26を縦横に並べて露光可能な2L2Wサイズの印刷版12(印刷版12B)に対する処理が可能となっている。また、図3(B)に示すように、印刷版12Bは、新聞見開き1頁分の画像28を縦に並べて形成可能となっている。
【0025】
なお、画像26、28は、天地方向が、印刷版12の長手方向に沿って形成されるようになっており、以下では、印刷版12の長手方向である天地方向を矢印L方向とし、天地方向と直交する印刷版12の幅方向を矢印W方向とする。
【0026】
また、印刷版12Aとしては、天地方向に沿った長さ寸法が1095mm〜1124mmであり、幅寸法が387mm〜405mmとなっており、印刷版12Bとしては、天地方向に沿った長さ寸法が1095mm〜1124mmであり、幅寸法が797mm〜810mmとなっている。
【0027】
図1に示すように、給版工程14には、給版装置30が設けられる。この給版装置30には、多数枚の印刷版12を搭載しているスキッド32が装填されるようになっており、給版装置30では、このスキッド32上の印刷版12を最上層から取出して、露光工程16へ送り出す。なお、給版装置30には、印刷版12Aと印刷版12Bのそれぞれが装填可能となっており、給版装置30は、露光工程16から要求されたサイズの印刷版12(印刷版12A又は印刷版12B)を取出して、露光工程16へ送り出すようになっている。
【0028】
露光工程16には、露光装置34が設けられる。この露光装置34では、給版装置30から供給される印刷版12に対して画像露光を施す。この露光装置34は、画像露光を施す印刷版12に応じた構成を適用することができる。すなわち、製版システム10では、露光装置34に応じた印刷版12が用いられる。
【0029】
印刷版12としては、従来から用いられて、露光画像が記録されている原稿フィルムを密着させて高輝度の光源から照射して、原稿フィルムを透過した光によって画像露光が施される所謂コンベーショナル版に加えて、サーマル版やフォトポリマー版及び、感光層として光重合層が用いられているOPC版等がある。
【0030】
サーマル版、フォトポリマー版及びOPC版は、CTP(Computer to Plate)処理に適用可能であり、CTP処理では、パーソナルコンピュータ等の画像処理端末上で、新聞紙面用のレイアウト画像を作成し、このデジタル画像データに基づいて変調した光ビームによって印刷版12を走査露光する。
【0031】
このようなCTP処理用の印刷版12に対しては、インナードラム式、アウタードラム式又はフラットベッド式等の従来公知の露光方法を適用することができる。
【0032】
本実施の形態では、印刷版12として、サーマル版、フォトポリマー版、OPC版等のCTP処理用の印刷版12を用いるようにしており、これにより、露光装置34は、この印刷版12に対して適切な露光処理が可能な構成を適用している。
【0033】
近年、新聞紙面においてもカラー化されており、カラー印刷を行うときには、画像処理端末上で作成したレイアウト画像をY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、BK(スミ)の各色成分に分解したデジタル画像データを作成し、それぞれの色成分の画像が形成された刷版を作成する。すなわち、Y版、M版、C版、BK版を作成する。
【0034】
また、本実施の形態に適用する露光装置34は、2L1Wサイズの印刷版12A及び2L2Wサイズの印刷版12Bの何れに対する露光処理も可能となっている。
【0035】
本実施の形態に適用した製版システム10には、製版管理コンピュータ36が設けられており、印刷版12に形成する画像のデジタル画像データ及び製版条件が、製版管理コンピュータ36から露光装置34に入力されるようになっている。露光装置34は、製版管理コンピュータ36から入力される製版条件とデジタル画像データに基づいて印刷版12に画像露光を施す。
【0036】
このとき、露光装置34では、製版条件に応じたサイズの印刷版12を給版装置30へ要求するようにしている。なお、このような給版装置30及び露光装置34は、一体に形成されているものであっても良い。
【0037】
一方、製版管理コンピュータ36は、画像26、28に対して予め設定した一定位置に、画像26、28の位置を特定可能とする指標としてトンボ52A、52Bを印刷版12に形成するように画像データを生成する。
【0038】
これにより、図2(A)及び図3(A)、図3(B)に示すように、印刷版12には、画像26又は画像28と共に、トンボ52A、52Bが形成されるようになっており、このトンボ52A、52Bを用いることにより、画像26、28の形成位置の特定が可能となるようにしている。
【0039】
なお、トンボ52A、52Bとしては、任意の形状を用いることができるが、本実施の形態では一例として天地方向の地側のトンボ52Aを十字状に形成し、天側のトンボ52Bを天地方向に沿った棒状に形成している。
【0040】
露光装置34は、印刷版12に画像露光を施すと、現像工程18へ送り出す。この現像工程18は、自動現像装置38を備えており、露光装置34から送り出された印刷版12は、現像工程18へ送り込まれることにより、自動現像装置38で現像処理される。
【0041】
なお、製版システム10で印刷版12としてOPC印刷版を処理するときには、現像工程18に現像定着装置を設け、露光工程で形成された静電潜像に応じたトナー像を印刷版12に形成し、トナー像が形成された印刷版12が、自動現像装置38へ送り込まれる。また、製版システム10が印刷版12としてサーマル版やフォトポリマー版を処理するときには、露光処理の終了した印刷版12が、次に自動現像装置38へ送り込まれて現像処理される。
【0042】
図4には、自動現像装置38の概略構成を示している。なお、自動現像装置38は、印刷版12の種類に応じた一般的構成が適用され、図4では、その一例を示している。
【0043】
自動現像装置38は、印刷版12を搬送しながら現像液に浸漬し、露光によって不要となった感光層を印刷版12上から除去する現像部114、現像処理によって印刷版12の表裏面に付着した現像液を洗い流すリンス処理部(洗浄処理部)116、洗浄処理の終了した印刷版12の表裏面にガム液を塗布する不感脂化処理部118に加えて、乾燥処理を行うことにより、ガム液による薄肉の保護膜を形成した印刷版12を得る乾燥部120を含んでいる。
【0044】
なお、本実施の形態では、露光装置34が印刷版12を幅方向に沿って送り出すようになっており、これにより、自動現像装置38では、印刷版12を、その幅方向に沿って搬送しながら現像処理を行う。また、現像工程18から下流側においても、印刷版12は、その幅方向に沿って搬送されながら処理される。
【0045】
自動現像装置38内には、処理タンク122が設けられている。この処理タンク122には、処理槽として現像部114となる位置に現像槽124が形成され、水洗部116及び不感脂化処理部118となる位置に水洗槽126及び不感脂化処理槽128が形成されている。また、処理タンク122には、現像槽124の上流側に挿入部134のスペースが設けられ、不感脂化処理槽128の下流側に乾燥部120のスペースが設けられている。
【0046】
なお、処理タンク122を覆う外板パネル130には、スリット状の挿入口132が形成され、挿入口132から現像部114の間が挿入部134となっている。
【0047】
自動現像装置38には、処理タンク122の上部及び乾燥部120の上部を覆うカバー136、138が設けられており、例えば、カバー136は、処理タンク122の挿入部134から水洗部116の上部を覆い、カバー138は、水洗部116の上部から乾燥部120の上部の間を覆うように配置される。また、カバー136には、現像部114と水洗部116との間に印刷版12を挿入するためのリエントリー用の挿入口(副挿入口)140が設けられている。その副挿入口140は、現像部114での処理を除く自動現像装置38での処理及び製版システム10での現像処理以降の処理を行うときの印刷版12の挿入用となっている。
【0048】
挿入口132に隣接する挿入部134には、ゴム製の搬送ローラ対142が配設されている。搬送ローラ対142は、図示しない駆動手段の駆動力によって回転駆動されるようになっており、画像が焼付けられた印刷版12は、挿入口132から挿入されて搬送ローラ対142の間に送り込まれることにより、搬送ローラ対142に挟持されて挿入口132から引き入れられると共に、水平方向に対して約15°から31°の範囲の角度で現像部114へ送り込まれる。なお、本実施の形態では、支持体の一方の面に感光層を形成した片面タイプの印刷版12を用いており、印刷版12は、感光層が上方へ向けられた状態で挿入口132から自動現像層38内へ挿入される。
【0049】
処理タンク122に形成されている現像槽124は、底部中央が下方へ向けて突出された略山形状となっており、印刷版12の現像処理を行うための現像液を貯留する。この現像槽124には、PS版12の搬送方向に沿った下側にガイド板144、146が、底部に沿って配設されている。また、現像槽124には、上流部(挿入部134側)にガイドローラ対148が配設され、中流部及び下流部(水洗部116側)に、搬送ローラ対150、152が配設されている。
【0050】
印刷版12は、搬送ローラ対142によってガイドローラ対148の間へ送り込まれ、ガイドローラ対148は、この印刷版12を現像槽124内に導く。
【0051】
ガイド板144は、ガイドローラ対148と搬送ローラ対150の間に配置され、ガイドローラ対148によって現像槽124内に導かれた印刷版12を、斜め下方へ向けて案内する。また、ガイド板146は、搬送ローラ対150、152の間に配置されて、印刷版12を現像槽124の底面に沿って斜め上方へ向けて案内する。
【0052】
搬送ローラ対150は、回転駆動されることにより、ガイド板144によって案内されてくる印刷版12に搬送力を付与しながらガイド板146へ向けて送り出す。これにより、印刷版12は、現像槽24内を略U字状に案内搬送されながら、現像液に浸漬される。
【0053】
また、搬送ローラ対152は、例えば外周部がゴム製のローラによって形成されており、ガイド板146によって案内される印刷版12を挟持して現像槽124から引き出しながら、水洗部116へ送り込む。印刷版12は、このようにして現像槽124内を搬送されるときに、現像槽124内に貯留されている現像液に浸漬され、露光されることにより不要となった感光層が除去される。
【0054】
現像槽124内には、ガイド板144、146の下面側にスプレーパイプ154、156が設けられている。また、ガイド板144、146のそれぞれには、多数の通液孔(図示省略)が穿設されている。
【0055】
スプレーパイプ154、156は、図示しない循環ポンプによって吸引された現像槽124内の現像液が供給されることにより、この現像液を現像槽124内の現像液中へ噴出する。これにより、自動現像装置38では、現像槽124内の現像液を攪拌して、印刷版12の均一な処理が可能となるようにしている。このとき、ガイド板144、146に形成さている通液孔から印刷版12の搬送路側に現像液が回りこむことにより、印刷版12の迅速な現像処理と処理ムラの発生を防止するようにしている。
【0056】
また、現像槽124内には、ガイド板146に対向してブラシローラ158、ガイドローラ160が設けられている。このブラシローラ158は、現像液に浸漬されながらガイド板146上を搬送される印刷版12の表面に毛材を接触させながら回転することにより、印刷版12の表面をブラッシングして、印刷版12の表面からの不要な感光層の除去を促進している。このとき、ガイドローラ160は、ブラシローラ158によってブラッシングされる印刷版12が、ガイド板146から浮き上がるのを防止している。
【0057】
搬送ローラ対152は、現像槽124内から送り出される印刷版12を挟持して、印刷版12の表裏面に付着している現像液を絞り落としながら、この印刷版12を水洗部116へ送り込む。
【0058】
なお、現像部114には、下面が現像槽124に貯留される現像液の液面より下方となるように遮蔽蓋199が配置され、現像槽124内の現像液の液面が空気と接触する面積を狭めている。また、カバー136の副挿入口(リエントリー用の挿入口)140は、図示しない遮蔽部材によって閉塞されており、この遮蔽部材によって外気が現像部114内に入り込むのを防止している。さらに、遮蔽蓋199は、液面から突出するガイドローラ対148及び搬送ローラ対152の上側のローラとの間が狭められており、これにより、現像槽124内の現像液が空気中の炭酸ガス等と接触してしまうことによる劣化を防止するようにしている。
【0059】
また、遮蔽蓋199及び処理タンク122とガイドローラ対148及び搬送ローラ対152等の間にシリコンゴム等によって形成したブレード状の遮蔽部材を設けて、現像槽124内の現像液が新鮮な外気と接触したり、現像液中の水分が蒸発してしまうのを防止してもよい。
【0060】
水洗部116には、水洗槽126の上方に搬送ローラ対162、164が配置されており、印刷版12は、搬送ローラ対162、164に挟持されて水洗槽126の上方を水平搬送される。
【0061】
水洗部116には、搬送ローラ対162、164の間に、印刷版12の搬送路を挟んで上下に対で、スプレーパイプ166、168が設けられている。スプレーパイプ166、168は軸線方向が印刷版12の天地方向(搬送方向と直交する方向)に沿って配置され、印刷版12の搬送路に対向する複数の吐出孔(図示省略)が、軸線方向に沿って形成されている。
【0062】
水洗槽126には、水洗水が貯留されており、自動現像装置38では、図示しない給水ポンプによって、印刷版12の搬送に同期させて、スプレーパイプ166、168に水洗水を供給する。これにより、スプレーパイプ166、168から印刷版12へ向けて水洗水が噴出されて、印刷版12の裏面に付着している現像液を洗い流す。
【0063】
印刷版12に供給された水洗水は、印刷版12が搬送ローラ対164に挟持されて送り出されるときに、印刷版12の表裏面に付着していた現像液と共に印刷版12から絞り落とされ、水洗槽126内に回収される。なお、水洗水の新液は、印刷版12の処理量に応じて図示しない手段によって水洗槽126に供給される。
【0064】
不感脂化処理部118には、不感脂化処理槽128の上方に搬送ローラ対170が設けられ、印刷版12は、搬送ローラ対164によって搬送ローラ対170へ向けて搬送されることにより、不感脂化処理部118内を搬送された後に、搬送ローラ対170によって挟持されて乾燥部120へ向けて送られる。
【0065】
不感脂化処理部118には、印刷版12の搬送路の上方側にスプレーパイプ172が設けられ、搬送路の下方側にスプレーパイプ174が設けられている。スプレーパイプ172、174は、長手方向(軸線方向)が印刷版12の天地方向(搬送方向と直交する方向)に沿い、印刷版12の搬送路を挟んで上下に配置されている。また、スプレーパイプ172、174には、印刷版12の天地方向に沿って複数の吐出孔が形成されている。
【0066】
不感脂化処理槽128には、不感脂化処理液として印刷版12の版面保護に用いるガム液が貯留されており、このガム液が印刷版12の搬送に同期してスプレーパイプ172、174に供給される。スプレーパイプ172は、このガム液を印刷版12へ向けて滴下して印刷版12の表面に広げて塗布する。また、スプレーパイプ174は、吐出孔から印刷版12の裏面へ向けてガム液を吐出して、印刷版12の裏面にガム液を塗布する。
【0067】
これにより、印刷版12には、表裏面に塗布されるこのガム液によって保護膜が形成される。
【0068】
なお、スプレーパイプ172からのガム液の吐出方向は、印刷版12の搬送方向下流側に限らず、他の方向であっても良く、整流板を設け、この整流板へ向けて噴出したガム液を、整流板で印刷版12の幅方向に沿って均一に拡散させながら、印刷版12の表面に流し落として塗布するようにしてもよい。また、スプレーパイプ174に換えて、吐出したガム液に印刷版12が接触しながら移動することにより印刷版12の裏面にガム液を塗布する吐出ユニット等を用いても良い。
【0069】
この不感脂化処理部118には、搬送ローラ対170の上方に洗浄スプレー176が設けられ、搬送ローラ対170の上方のローラに接触しながら回転する洗浄ローラ178が設けられており、予め設定している所定のタイミングで、この洗浄スプレー176から搬送ローラ対170の上方のローラと洗浄ローラ178の接触位置に、整流板180を介して洗浄水を滴下することにより、洗浄水を搬送ローラ対170の上方のローラの周面に均一に拡散させて、搬送ローラ対170の上下のローラの周面からガム液を洗い流し、ローラの周面にガム液が固着して印刷版12を損傷させてしまうのを防止するようにしている。
【0070】
不感脂化処理部118でガム液が塗布された印刷版12は、搬送ローラ対170に挟持されて、表裏面に若干の水溶性のガム液が薄膜状に塗布された状態で乾燥部120へ送られる。
【0071】
なお、自動現像装置38には、不感脂化処理部118と乾燥部120の間で、処理タンク122の上端と対向する位置に、仕切り板182を設け、不感脂化処理部118と乾燥部120の間にスリット状の挿通口184が形成されている。
【0072】
乾燥部120内には、挿通口184の近傍に、印刷版12を支持する支持ローラ186が配設され、また、印刷版12の搬送方向に沿った中央部には、搬送ローラ対190が配設され、排出口188の近傍には、モルトンローラを用いた搬送ローラ対192が配設されており、印刷版12は、支持ローラ186及び搬送ローラ対190、192によって乾燥部120内を搬送される。
【0073】
支持ローラ186と搬送ローラ対190との間、及び搬送ローラ対190と搬送ローラ対192との間には、印刷版12の搬送路を挟んで対でダクト194、196が配置されている。このダクト194、196は、長手方向が印刷版12の搬送方向と直交する方向に沿って設けられ、印刷版12の搬送路に対向する面にスリット孔98が形成されている。
【0074】
乾燥部120では、図示しない乾燥風発生手段によって発生させた乾燥風を、ダクト194、196に、長手方向の一端側から供給する。これにより、ダクト194、196のスリット孔98からPS版12の搬送路へ向けて乾燥風が吐出され、この乾燥風が印刷版12に吹き付けられる。
【0075】
印刷版12は、乾燥風が吹き付けられることにより、表裏面に塗布されているガム液の乾燥が促進され、このガム液が乾燥されることにより、表裏面に薄膜の保護膜が形成される。
【0076】
製版システム10には、自動現像装置38(現像工程18)の下流側に、パンチ工程20及び版曲げ工程22が設けられている。
【0077】
図2(A)、図3(A)及び図3(B)に示すように、パンチ工程20では、印刷版12の天地方向に沿った両端部に、切欠き44(44A、44B)を形成する。また、図2(B)に示すように、版曲げ工程22では、印刷版12の天地方向の両端部のそれぞれに、所定形状の曲げ加工を施して、曲げ部50A、50Bを形成する。なお、図2(A)、図3(A)及び図3(B)には、版曲げ工程22での印刷版12の折り曲げ位置(版曲げ位置)を破線で示している。
【0078】
印刷版12は、天地方向の両端部の所定位置に切欠き44が形成されると共に、所定形状の曲げ加工が施されることにより、印刷工程で、印刷機の版胴に装着可能となる。
【0079】
図1に示すように、版曲げ工程22の下流側には、集積工程24が設けられており、パンチ/版曲げ処理が終了した印刷版12は、印刷用の刷版として図示しないストッカーに集積され、この後に、印刷工程へ搬送される。
【0080】
図5に示すように、印刷工程では、印刷版12を、天地方向が周方向に沿うように版胴46に巻き掛けて装着する。この版胴46には、外周部に溝48が形成されている。この溝48は、溝方向が版胴46の軸方向に沿って形成されている。
【0081】
図2(B)に示すように、印刷版12には、くわえ側となる天地方向の一端側(例えば地側)に、曲げ部50Aが形成され、くわえ尻側となる天地方向の他端側に曲げ部50Bが形成される。
【0082】
図5に示すように、印刷版12は、版胴46に巻き掛けるときに、くわえ側となる曲げ部50Aの先端を溝48に挿入して引っ掛けることにより、版胴46の周方向に沿った位置決めがなされる。また、印刷版12は、版胴46の周面に密着されて巻き付けられた後に、くわえ尻側となる曲げ部50Bを、溝48に挿入して固定されることにより、版胴46に装着される。
【0083】
また、版胴46には、所定位置に図示しない位置決め用のピンが設けられており、印刷版12を版胴46に装着するときに、印刷版12のくわえ側(曲げ部50A側)とくわえ尻側(曲げ部50B)のそれぞれに形成している切欠き44に、このピンを嵌め込むことにより、版胴46の軸方向に対する印刷版12の幅方向の位置決めがなされるようになっている。
【0084】
版胴46の軸方向に沿った位置決め用のピンの間隔は、印刷版12Aの幅寸法よりも僅かに広くなっており、これにより、例えば、4枚の印刷版12Aを、版胴46に装着したときに、隣接する印刷版12Aが重なりあってしまうことがないようにしている。
【0085】
また、図3(A)及び図(B)に示す印刷版12Bに形成される切欠き44は、幅方向に沿った間隔が、版胴46に設けている位置決めピンの間隔に合わせられている。なお、印刷版12Bでは、一方の切欠き44(切欠き44A)の切込幅が他方の切欠き44(切欠き44B)の切込幅より僅かに広くすることにより、印刷版12Bを版胴46に装着したときに、歪み(幅方向に沿った撓み)が生じるのを防止している。
【0086】
印刷工程では、Y、M、C、BKの各色の画像を重ねて、図示しない印刷用紙に記録することにより、印刷用紙上にカラー画像をを形成するようにしている。
【0087】
図1に示すように、本実施の形態に適用した製版システム10には、パンチ工程20での処理及び版曲げ工程22での処理を一体で行うパンチ版曲げ装置(以下「ベンダー40」とする)が設けられている。なお、パンチ工程20での処理を行うパンチ装置と、版曲げ工程22ので処理を行う版曲げ装置を別々に設けても良い。
【0088】
ここで、図6乃至図17を参照しながら、本実施の形態に適用したベンダー40を説明する。なお、以下では、印刷版12の搬送方向を矢印A方向で示しており、図1に示すように、ベンダー40では、この矢印A方向の上流側に配置されている自動現像装置38から印刷版12が送り込まれ、この印刷版12を下流側へ送り出すようになっている。
【0089】
図6に示すように、ベンダー40は、略箱体形状のケーシング200を備えており、このケーシング200内にシャフト202、204が対で配置されている。シャフト202、204は、軸方向が印刷版12の搬送方向と直交する方向である印刷版12の天地方向に沿って配置され、シャフト202は、印刷版12の搬送方向の上流側に軸受206を介して回転自在に取り付けられており、シャフト204は印刷版112の搬送方向の下流側に設けられている。
【0090】
シャフト202には、4個のプーリー208が一体回転するように取り付けられ、シャフト204には、プーリー208のそれぞれに対向してプーリー210が回転自在に取り付けられており、プーリー208、210の間には、搬送手段を形成する無端の搬送ベルト212が巻きかけられている。自動現像装置38からベンダー40に送り込まれた印刷版12は、天地方向の中間部が搬送ベルト212に掛け渡されて支持される。
【0091】
また、ケーシング200内には、シャフト202の下方側に搬送モータ214が取り付けられている。この搬送モータ214には、駆動軸214Aにギヤ216が取り付けられており、シャフト202には、このギヤ216に対向してギヤ218が取り付けられ、このギヤ218がギヤ216と噛合している。
【0092】
これにより、搬送モータ214が駆動することにより、この搬送モータ214の駆動力がシャフト202に伝達され、搬送ベルト212が印刷版12の搬送方向へ回転駆動され、搬送ベルト212に載置されている印刷版12が、シャフト204側へ搬送される。
【0093】
図6及び図7に示すように、ベンダー40には、互いに隣接する搬送ベルト212の間のそれぞれに、固定定盤220、222、224が配置されている。なお、本実施の形態では、印刷版12の天地方向の地側を固定定盤220、天側を固定定盤224として、中央部を固定定盤222としている。
【0094】
固定定盤220〜224のぞれぞれは、略帯板状に形成され、長手方向が印刷版12の搬送方向に沿うようにシャフト204側に配置されている。
【0095】
搬送ベルト212に掛け渡されて支持された印刷版12は、搬送モータ214の駆動によって固定定盤220〜224上へ移動し、さらに、固定定盤220〜224上からベンダー40の機外へ移動するようになっている。なお、図7に示すように、シャフト202のプーリー208(何れも図7では図示省略、図6参照)とシャフト204のプーリー210の間には、ガイド板226が配置されており、このガイド板226によって、印刷版12を載置した搬送ベルト212に撓みが生じるのを防止している。
【0096】
地側の固定定盤220と天側の固定定盤224には、所定位置にストッパとしてストッパピン228が出没可能に設けられている。図8に示すように、固定定盤220、224の下面側には、エアシリンダ230が設けられており、このエアシリンダ230にストッパピン228が取り付けられている。ストッパピン228は、通常、固定定盤220、224内に収容されているが、エアシリンダ230が作動することにより、固定定盤220、224の上面側に突出して、印刷版12の搬送方向に沿った端部に対向するようになっている。
【0097】
ベンダー40では、自動現像装置38から送り込まれる印刷版12を検出すると、搬送モータ214を駆動するとともに、エアシリンダ230を作動させて、ストッパピン228を固定定盤220、224上に突出する。
【0098】
これにより、搬送ベルト212によって搬送される印刷版12が、ストッパピン228に当接して、固定定盤220〜224上の所定位置で、仮位置決めされた状態で停止するようになっている。
【0099】
なお、図6及び図7に示すように、固定定盤220、224には、ストッパピン228に隣接してファイバーセンサ232が設けられており、ベンダー40では、ストッパピン228に当接して停止した印刷版12の搬送方向の先端を、このファイバーセンサー232によって検出するようにしている。
【0100】
一方、図8に示すように、ベンダー40には、シャフト204の下方側に、エアシリンダ234が設けられている。このエアシリンダ234は、ロッド234Aの先端部にシャフト204が取り付けられており、これにより、シャフト204が支持されている。
【0101】
シャフト204は、エアシリンダ234がロッド234Aを伸長している状態でプーリー210の上端が、固定定盤220〜224の上面側に僅かに突出する(例えば3〜10mm)ようになっている。これにより、ベンダー40は、搬送ベルト212に印刷版12を載置して搬送可能となっている。
【0102】
また、ベンダー40は、エアシリンダ234のロッド234Aが収縮することにより、シャフト204が下方移動(図8に二点鎖線で示す)する。これにより、搬送ベルト212が固定定盤220〜224の上面より下方に退避し、搬送ベルト212に掛け渡されて載置されている印刷版12が、固定定盤220〜224上に載置される。
【0103】
なお、固定定盤220〜224の下方側には、ブラケット236が設けられ、このブラケット236にローラ238A、238Bが軸支されている。搬送ベルト212は、このローラ238A、238Bに巻き掛けられている。
【0104】
図7に示すように、固定定盤220、224には、ストッパピン228に当接して停止した印刷版12Aに対向する領域に吸着溝240が形成されている。また、固定定盤220〜224には、印刷版12Bがストッパピン228に当接して停止したときに、印刷版12Aから食み出す印刷版12Bに対向する領域に吸着溝242が形成されている。
【0105】
吸着溝240、242のそれぞれは、図示しない負圧源からの配管が連結されて、この配管を介して負圧源によってエア吸引されるようになっている。
【0106】
これにより、ベンダー40では、固定定盤220〜224に載置した印刷版12(12A、12B)を、固定定盤220〜224に吸着保持可能となっている。なお、ベンダー40では、印刷版12Aが送り込まれたときには、吸着溝240のみに負圧を供給し、印刷版12Bが送り込まれたときには、吸着溝240、242に負圧を供給するようにしている。また、本実施の形態では、外周が矩形形状で天地方向に沿って複数本の枝溝を形成した吸着溝240、242を設けたが、吸着溝の形状はこれに限るものではなく、印刷版12A、12Bを確実に吸着して固定定盤220〜224上に保持可能であれば、任意の形状で形成することができる。
【0107】
一方、図6及び図7に示すように、印刷版12の天地方向に沿った中央部に対向する固定定盤222には、印刷版12Aを載置したときに、この印刷版12Aに対向する領域に矩形形状の開口部244が形成されている。この開口部244内には、移動定盤246が配置されており、移動定盤246が、この開口部244内で移動可能となっている。
【0108】
図7に示すように、この移動定盤246には、上面に、周囲が矩形形状に形成された吸着溝248が形成されている。移動定盤246は、この吸着溝248に負圧が供給されることにより、印刷版12(12A、12B)を吸着保持可能となっている。また、ベンダー40では、吸着溝240、242への負圧の供給を解除した状態で、移動定盤246の吸着溝248へ負圧を供給することにより、この移動定盤246で印刷版12を吸着して保持し、移動定盤246の天地方向、幅方向及び回転方向への移動に伴って、印刷版12が固定定盤220〜224上を、天地方向、幅方向及び回転方向へ移動されるようになっている。
【0109】
図9に示すように、移動定盤246は、移動ユニット250に取り付けられている。この移動ユニット250は、移動定盤246が固定されるX−Y−θテーブル252と、このX−Y−θテーブル252を移動する駆動部254を備えており、駆動部254が取り付けられているベース板256が、図示しないフレームの所定位置に位置決めされて取り付けられる。
【0110】
駆動部254は、例えば、送りねじ機構を用いてX−Y−θテーブル252を、印刷版12の幅方向(矢印W方向)に沿って移動するモータ258A、及び、それぞれがX−Y−θテーブル252を印刷版12の天地方向(矢印L方向)に移動するモータ258B、258Cを備え、モータ258B、258Cの駆動量をかえることによりX−Y−θテーブル252を回転方向(矢印θ方向)に移動可能となっている。
【0111】
ベンダー40では、この移動ユニット250を用いて、印刷版12を、固定定盤220〜224上で移動して、印刷版12の高精度の位置決めが可能となるようにしている。なお、このような移動機構(X−Y−θステージ)は、従来公知の任意の構成を適用でき、本実施の形態では詳細な説明を省略する。
【0112】
ところで、図7及び図10に示すように、固定定盤220、222、224のそれぞれには、ストッパピン228に当接して停止した印刷版12の搬送方向下流側端部に対向する位置に退避溝260が形成されている。
【0113】
ベンダー40では、幅寸法の異なる印刷版12A、12Bの処理が可能となっており、ここから、固定定盤220〜224には、吸着溝240、242の間に、印刷版12Aの端部に対向する退避溝260Aが形成され、吸着溝242よりも印刷版12の搬送方向上流側に、印刷版12Bの端部に対向する退避溝260Bが形成されている。
【0114】
仮位置決めされて固定定盤220〜224上に載置された印刷版12は、搬送方向上流側の後端部が、退避溝260に対向し、固定定盤220〜224上から浮いた状態となっている。
【0115】
これにより、自動現像装置38の乾燥部120から排出された直後で、特に後端部(搬送方向上流側の端部)に付着しているガム液が生乾き状態であっても、このガム液によって印刷版12が、固定定盤220〜224に接着して、移動定盤246による移動が困難となったり、生乾きのガム液が固定定盤220〜224の表面に付着し、固定定盤220〜224に載置した印刷版12を貼り付かせてしまうのを確実に防止するようにしている。
【0116】
一方、図6に示すように、ベンダー40には、印刷版12の天地方向の地側に対向してパンチ版曲げユニット262が設けられ、天側に対向してパンチ版曲げユニット264が設けられており、ベンダー40では、パンチ版曲げユニット262、264を用いて、印刷版12へのパンチ処理及び版曲げ処理を施すようになっている。
【0117】
ここで、本実施の形態に適用したベンダー40に設けているパンチ版曲げユニット262、264の概略構成を説明する。なお、パンチ版曲げユニット262、264の基本的構成は略同じであり、基本的構成が同じ部品に対しては、特に区別せずに説明し、異なる部品に対しては、地側のパンチ版曲げユニット262を例に説明する。
【0118】
図11乃至図13には、印刷版12の地側の端部(くわえ側)に曲げ部50Aを形成するパンチ版曲げユニット262の概略構成を示し、図14乃至図16には、印刷版12の天側の端部(くわえ尻側)に曲げ部50Bを形成するパンチ版曲げユニット264の概略構成を示している。
【0119】
図1に示すように、ベンダー40には、ケーシング200内に設けているフレーム266に、送りねじ268が設けられている。送りねじ268は、天地方向の地側及び天側のそれぞれに設けられ、軸方向が天地方向に沿って配置されている。
【0120】
図11及び図14に示すように、送りねじ268は、軸方向の両端部が軸受270を介してフレーム266に軸支されている。また、送りねじ268は、一方の軸受270から突出した先端部にモータ272が連結されており、このモータ272の駆動によって回転するようになっている。なお、送りねじ268とモータ272の連結は、キー274Aとカップリング274Bを用いるなど、任意の方法を適用することができる。
【0121】
ベンダー40には、送りねじ268のそれぞれを挟んでガイドレール276が対で設けられている。ガイドレール276は、送りねじ268と平行となるように長手方向が天地方向に沿って配置されており、スライダ278が摺動可能に係合されている。
【0122】
パンチ版曲げユニット262、264は、長手方向が印刷版12の搬送方向に沿って配置された略矩形形状のベース280を備えている。このベース280の下面には、ガイドレール276に設けているスライダ278が連結されており、これにより、ベース280がガイドレール276に掛け渡されて印刷版12の天地方向に沿って移動可能に支持されている。
【0123】
また、送りねじ268には、送りナット282を備えた可動部材284が螺合されており、この可動部材284がベース280に連結している。これにより、パンチ版曲げユニット262、264は、モータ272の駆動によって印刷版12の天地方向に沿って移動するようになっている。
【0124】
なお、フレーム266には、送りねじ286と平行にセンサベース286が取り付けられており、このセンサベース286の所定位置に複数のセンサ288が配置されており、ベンダー40では、このセンサ288によってパンチ版曲げユニット262、264の移動位置を検出するようにしている。
【0125】
一方、図12に示すように、パンチ版曲げユニット262のベース280には、パンチ台290が設けられ、図15に示すように、パンチ版曲げユニット264のベース280には、パンチ台292が設けられている。
【0126】
図12(図15)に示すように、パンチ台290(292)は、帯板状に形成され、長手方向が印刷版12の搬送方向に沿うように、ベース280の印刷版12の搬送路側に設けられている。なお、パンチ台290には、印刷版12の搬送方向の両端にガイド板294が取り付けられており、印刷版12の天地方向の端部が円滑にパンチ台290(292)上に案内される。
【0127】
図13(図15)に示すように、パンチ台290(292)には、所定の2箇所に略矩形形状の凹部296が形成されており、一方の凹部296には、印刷版12に切欠き44(44A)を形成するパンチャー298を構成する雌歯300が嵌め込まれ、他方の凹部296には、印刷版12に切欠き44(44B)を形成するパンチャー302を構成する雌歯304が嵌め込まれている。
【0128】
また、図12、図13、図15、図16に示すように、パンチ版曲げユニット262、264には、パンチ台290、292に隣接して連結板306が設けられている。連結板306は、長手方向がパンチ台290、292の長手方向に沿うように配置されている。
【0129】
図13、図16及び図17に示すように、この連結板306には、雌歯300、304に対向する位置にエアシリンダ208が取り付けられている。雌歯300に対向するエアシリンダ308には、雄歯ユニット310が取り付けられており、雌歯304に対向するエアシリンダ308には、雄歯ユニット312が取り付けられている。
【0130】
これにより、印刷版12の天地方向の端部をパンチ台290、292に対向させた状態で、エアシリンダ308を作動することにより、雄歯ユニット310の雄歯310Aが雌歯300へ向けて下降して、印刷版12(印刷版12A又は印刷版12B)に切欠き44(切欠き44A)を穿設し、雄歯ユニット312の雄歯312Aが雌歯304へ向けて下降して、印刷版12(印刷版12B)に切欠き44(切欠き44B)を穿設する。
【0131】
なお、図11、図14及び図17に示すように、パンチ台290、292の下方には、カス受314が設けられており、印刷版12を穿設して切欠き44を形成することにより発生した印刷版12のカス(切り屑)が、カス受314から図示しない受箱に回収されるようになっている。
【0132】
一方、図11に示すように、パンチ台290には、下面側の所定位置にエアシリンダ316が取り付けられている。このエアシリンダ316のロッド316Aには、ピンローラ318が取り付けられており、エアシリンダ316がロッド316Aを伸長することにより、ピンローラ318がパンチ台190の上面に突出して、印刷版12の地側の端面に対向するようになっている。
【0133】
また、図14に示すように、パンチ台292には、下面側の所定位置にエアシリンダ320が取り付けられている。このエアシリンダ320のロッド320Aには、プッシャーを形成する押圧板322が取り付けられており、エアシリンダ320がロッド320Aを伸長することにより、押圧板322が、パンチ台292の上面側の所定位置に突出して、印刷版12の天側の端面に対向するようになっている。
【0134】
ベンダー40では、印刷版12をピンローラ232に当接させて停止させ、印刷版12を搬送方向(幅方向)に沿って仮位置決めした状態で固定定盤220〜224の載置すると、天側のパンチ版曲げユニット264のモータ272を駆動し、パンチ版曲げユニット264を、地側のパンチ版曲げユニット262へ向けて移動する。このとき、パンチ版曲げユニット262を、印刷版12の天地方向に沿った所定位置に移動させておくとともに、ピンローラ318をパンチ台290上に突出させ、押圧板322をパンチ台292上に突出させておく。
【0135】
これにより、固定定盤220〜224に載置された印刷版12は、パンチ版曲げユニット264の押圧板322によって、ペンチ版曲げユニット262のピンローラ318へ向けて移動されて当接されることにより、印刷版12の天地方向に沿った仮位置決めが行われる。
【0136】
なお、図11に示すように、パンチ台290には、ピンローラ318に隣接してファイバーセンサ324が設けられており、ベンダー40では、このファイバーセンサ324によって印刷版12の天地方向に沿った地側の先端を検出することにより、印刷版12の天地方向に沿った仮位置決めがなされたか否かの確認が可能となっている。
【0137】
一方、図13、図16及び図17に示すように、パンチ版曲げユニット262、264には、印刷版12に画像26(画像28)と共に形成されているトンボ52A、52Bの計測用のカメラ326が設けられている。カメラ326は、撮影部328、レンズ330及び光源332を備えており、撮影部328とレンズ330が一体でブラケット334を介して連結板306の所定位置に取り付けられ、レンズ330の下方側に、光源332がブラケット336を介して連結板306に取り付けられている。
【0138】
カメラ326には、仮位置決めされた印刷版12の天地方向に両端部に形成されているトンボ50A又はトンボ50Bが対向するようになっており、ベンダー40では、光源332から照射して印刷版12で反射した光からトンボ50A又はトンボ50Bを読み取る。
【0139】
また、ベンダー40は、カメラ326によって読み取ったトンボ52A、52Bの位置及び向きを計測し、この計測結果に基づいて、トンボ52A、52Bの位置及び向きが予め設定している状態となるように移動定盤246を移動することにより、印刷版12の位置決め(本位置決め)を行うようにしている。
【0140】
すなわち、トンボ52A、52Bは、印刷版12に形成した画像26、28に応じた位置及び向きとなっており、トンボ52A、52Bを予め設定している所定位置及び所定の向きに配置することにより、パンチ版曲げユニット290、292に対して印刷版12(印刷版12に形成している画像26、28)を位置決めするようにしている。
【0141】
なお、パンチ版曲げユニット262、264には、カメラ326を挟んでエアノズル333が設けられており、このエアノズル333から噴出すエアによって印刷版12を、パンチ台290、292へ押し付けることにより、トンボ52A、52Bの位置のより正確な計測が可能となるようにしている。
【0142】
一方、図11、図12、図14及び図15に示すように、パンチ版曲げユニット262、264には、ベース280に支持板338が対で設けられている。支持板338は、印刷版12の搬送方向に沿った両側に配置されて、ベース280から上方へ突設されている。
【0143】
図12及び図15に示すように、支持板338のそれぞれには、互いに対向する面にガイドレール340が取り付けられている。ガイドレール340のそれぞれには、スライダ342が取り付けられている。
【0144】
このスライダ342には、ブラケット344が取り付けられ、このブラケット344の間に前記した連結板306が掛け渡されている。また、ベース280には、支持板338に隣接して設けられた台座346上にエアシリンダ348が取り付けられている。それぞれのエアシリンダ348は、ロッド348Aがブラケット344に連結している。
【0145】
これにより、エアシリンダ348が作動して、ロッド348Aを収縮することにより、連結板306が下方移動する。
【0146】
連結板306には、下端に、長尺の押え板350が取り付けられ、押え板350の両側に、小幅の押え板350Aが取り付けられており、エアシリンダ348の作動によって下方移動されると、パンチ台290,292から突出した印刷版12の天地方向の端部がガイド板350及びガイド板350Aによって押え付けられる。
【0147】
この連結板308には、長手方向の両端部に、アーム部352が対で取り付けられている。一対のアーム部352の間には、揺動押え板354が配置されている。揺動押え板354は、帯板状に形成され、長手方向の両端がアーム部352へ向けられて配置されている。
【0148】
この揺動押え板354には、下方側にガイド356が取り付けられている。また、揺動押え板354には、長手方向の両端に連結ブラケット358が取り付けられている。連結ブラケット358には、アーム部352へ向けてシャフト360が突設されると共に、アーム部352側の面に平歯車362が取り付けられている。
【0149】
シャフト360は、平歯車362に挿通されており、また、平歯車362から突出しているシャフト360の先端部が、アーム部352に形成されている軸孔364に挿入されている。
【0150】
これにより、揺動押え板354が一対のアーム部352の間に掛け渡されて支持され、シャフト360を軸に平歯車362と一体で回動可能となっている。
【0151】
一方、アーム部352には、下方へ向けられた先端部に、支持板366が取り付けられている。支持板366は、帯板状に形成され、長手方向が上下方向へ向けられている。また、支持板366のそれぞれには、エアシリンダ368が取り付けられている。
【0152】
エアシリンダ368には、上方へ向けられたロッド368Aの先端に、ラック370が取り付けられており、このラック370は、平歯車362に対向して配置されてアーム部352に軸支されているガイドローラ372の間に挿入されて、平歯車362と噛合されている。
【0153】
パンチ版曲げユニット262、264では、エアシリンダ368のロッド368Aが伸縮されることによりラック370が平歯車362と共に揺動押え板354を回動させる。このときに、エアシリンダ368のロッド368Aが収縮されることにより、揺動押え板354がシャフト360を軸に傾倒し、ガイド356に当接している印刷版12の天地方向の先端部を、下方へ向けて折曲させる。
【0154】
これにより、ペンチ版曲げユニット262では、印刷版12の天地方向の地側の端部に曲げ部50Aを形成し、パンチ版曲げユニット264では、印刷版12の天地方向の天側の端部に曲げ部50Bを形成する。
【0155】
なお、パンチ版曲げユニット262において、曲げ部50Aを形成する時には、先ず、印刷版12の地側の先端部を、所定角度に折り曲げた後、ガイド356を、この折り曲げ位置よりも天地方向の天側に対向するように移動させ、再度、曲げ処理を行う。すなわち、印刷版12の地側の端部を二段階に分けて折り曲げることにより、印刷版12の地側の端部に曲げ部50Aを形成するようにしている。
【0156】
また、図15に示すように、印刷版12の天側に対向するパンチ版曲げユニット264の支持板366には、エアシリンダ374が設けられており、このエアシリンダ374のロッド374Aに設けているストッパ376によってエアシリンダ368がロッド368Aの収縮するときに、ロッド368Aを所定位置で停止させることができるようになっている。
【0157】
このように構成されている製版システム10では、給版装置30に印刷版12(印刷版12Aないし印刷版12B)が装填されている状態で製版処理を行う。なお、
製版処理は、製版管理コンピュータ36から露光条件と共に露光する画像のデジタル画像データが、露光装置34に入力される。これにより、露光装置34は、給版装置30に、製版条件に応じたサイズの印刷版12を要求する。給版装置30は、露光装置34から要求されたサイズの印刷版12をスキッド32上から取出すと、この印刷版12を露光装置34へ供給する。
【0158】
露光装置34は、印刷版12が供給されると、露光条件に基づいて、印刷版12への画像露光を行う。このとき、例えば、多量(多部数)の新聞印刷を行う場合、通常、印刷版12の天側と地側に同一の画像を形成し、印刷処理を行うときには、印刷用紙に左右の紙面を同時に印刷する。
【0159】
また、製版管理コンピュータ36では、印刷版12に形成する画像26又は画像28の位置に合わせてトンボ52A、52Bを形成するように画像データを生成し、この画像データに基づいて、露光装置34で印刷版12への画像露光を行う。
【0160】
画像露光された印刷版12(印刷版12B)は、露光装置36から自動現像装置38へ送られて現像処理されると、ベンダー40へ送られる。
【0161】
自動現像装置38では、画像露光が終了した印刷版12が、挿入口132から挿入されると、搬送ローラ対142を回転駆動させ、印刷版12を自動現像装置38内に引き入れる。なお、自動現像装置38では、挿入口132の近傍に印刷版12を検出するセンサが設けられており、このセンサが印刷版12の挿入を検出することにより、搬送ローラ対142等の回転駆動を開始すると共に、このセンサによる印刷版12の検出に基づいたタイミングで、水洗部116のスプレーパイプ166、168からの水洗水の吐出及び不感脂化処理部118のスプレーパイプ172、174からのガム液の吐出等を行うようにしている。
【0162】
搬送ローラ対142によって引き入れられた印刷版12は、現像槽124へ送り込まれ、現像槽124内に貯留されている現像液に浸漬されながら搬送された後、現像液中から送り出される。
【0163】
これにより、印刷版12は、現像槽124内で現像液によって、露光画像に応じて不要な感光層が膨潤し、膨潤した感光層が支持体から除去される。このとき、自動現像装置38では、ブラシローラ158によって印刷版12の表面(感光層側の面)をブラッシングすることにより、印刷版12の表面からの不要な感光層の除去を促進するようにしている。
【0164】
現像処理が行われた印刷版12は、搬送ローラ対152によって表裏面に付着している現像液が絞り落とされながら水洗部116へ送り込まれる。
【0165】
水洗部116では、この印刷版12を搬送ローラ対162、164によって略水平状態で搬送しながら、スプレーパイプ166、168から噴出する水洗水を印刷版12に吹き付け、表裏面に付着して残っている現像液を洗い流し、かつ、現像液と共に水洗水を絞り落としながら、この印刷版12を不感脂化処理部118へ送り込む。
【0166】
不感脂化処理部118では、不感脂化処理槽128内に貯留しているガム液をスプレーパイプ172、174から吐出し、印刷版12の表裏全面に塗布する。ガム液が塗布された印刷版12は、搬送ローラ対170にによって余分なガム液が絞り落とされ、ガム液による均一な薄膜が形成されながら乾燥部120へ送り込まれる。
【0167】
乾燥部120では、この印刷版12を搬送しながら、印刷版12の表裏面に乾燥風を吹きつける。これにより、印刷版12は、ガム液の乾燥が促進されながら、自動現像装置38から送り出される。
【0168】
製版システム10では、自動現像装置38の下流側に隣接してベンダー40が設けられており、印刷版12は、自動現像装置38から排出されることによりベンダー40へ送り込まれる。
【0169】
ベンダー40では、自動現像装置38から送り込まれる印刷版12を搬送ベルト212に載置する。このとき、ベンダー40は、自動現像装置38から送り込まれる印刷版12を検出すると、搬送モータ214を駆動する。これにより、印刷版12は、搬送ベルト212によって固定定盤220〜224へ向けて搬送される。
【0170】
また、ベンダー40は、自動現像装置38から送り込まれる印刷版12を検出すると、エアシリンダ230を作動し、ストッパピン228を、固定定盤220、224の上面側に突出させ、搬送ベルト212によって搬送される印刷版12をストッパピン228に当接させて停止させる。
【0171】
この後、ベンダー40は、所定のタイミングで搬送モータ214の駆動を停止すると共に、エアシリンダ234を作動させて、搬送ベルト212を下降させる。これにより、印刷版12は、搬送方向に沿って仮位置決めされた状態で固定定盤220〜224に載置される。
【0172】
この後、ベンダー40では、パンチ版曲げユニット262のエアシリンダ316を作動させて、ピンローラ318をパンチ台290から突出させると共に、パンチ版曲げユニット264のエアシリンダ320を作動させて、押圧板322をパンチ台292から突出させ、パンチ版曲げユニット264のモータ272を駆動する。
【0173】
これにより、印刷版12は、パンチ版曲げユニット262側へ天地方向に沿って移動し、ピンローラ318に当接することにより、天地方向に沿った仮位置決めがなされる。
【0174】
ベンダー40は、印刷版12の天地方向及び幅方向の仮位置決めを行うと、移動定盤246の吸着溝248へ負圧を供給して、印刷版12に吸着保持し、カメラ326によって、印刷版12に形成しているトンボ52A、52Bの位置を計測し、この計測結果に基づいて移動定盤246を、印刷版12の天地方向、幅方向及び回転方向に移動することにより、印刷版12の本位置決めを行う。
【0175】
ベンダー40は、印刷版12の本位置決めを終了すると、吸着溝240又は吸着溝240、242へ負圧を供給し、固定定盤220〜224上に印刷版12を吸着保持すると、エアシリンダ308を作動することにより、印刷版12の天地方向の端部の所定位置に切欠き44を形成する。
【0176】
この後、ベンダー40は、エアシリンダ348を作動させて印刷版12の天地方向の端部を押えながら、エアシリンダ368を作動することにより揺動押え板354を回動させることにより、印刷版12の天地方向の端部に、所定形状の曲げを施して、曲げ部50A、50Bを形成する。
【0177】
このようにして、パンチ及び版曲げ処理が終了すると、印刷版12の保持を解除して、搬送ベルト212を上昇させ、搬送モータ214を駆動する。これにより、印刷版12は、搬送ベルト212に載置されて搬送され、ベンダー40から送り出される。
【0178】
これにより、パンチ及び版曲げ処理の終了した印刷版12は、ベンダー40から排出され、図示しないストッカーに順次集積される。また、ストッカーに集積された印刷版12は、印刷用の刷版として、印刷工程へ搬送される。
【0179】
ところで、自動現像装置38から送出される印刷版12は、ガム液が所謂生乾き(半乾き)状態となっていることがある。特に、自動現像装置38には、最下流にモルトンローラを用いた搬送ローラ対192を設け、印刷版12をベンダー40へ送り出すようにしており、これにより、印刷版12には、後端(搬送方向の上流側の端部)に、ガム液の塊が筋状に付着することがあり、このガム液が生乾きであることが多い。
【0180】
ベンダー40は、このような印刷版12を固定定盤220〜224に載置して天地方向に沿って移動させたり、印刷版12を固定定盤220〜224に密着させる。
【0181】
このときに、生乾きのガム液が固定定盤220〜224の表面に付着すると、印刷版12を天地方向に移動するときに、ズレや移動不良を生じさせ、適正な仮位置決めや本位置決めができなくなることがある。また、固定定盤220〜224に生乾きのガム液が転写すると、次の印刷版12を汚したり、位置決め不良を生じさせてしまうことがある。
【0182】
これに対して、ベンダー40では、搬送ベルト212によって印刷版12を搬送して仮位置決めを行った後に、この印刷版12を固定定盤220〜224に載置する。このときに、固定定盤220〜224には、印刷版12の後端部に対向する位置に、凹部として退避溝260を形成している。
【0183】
また、ベンダー40は、固定定盤220〜224に載置した印刷版12を天地方向に沿って移動して、位置決め(仮位置決め)を行うが、このときに、退避溝260が、印刷版12の天地方向に沿って形成している。
【0184】
これにより、ベンダー40では、半乾きのガム液やこのガム液が付着している印刷版12の後端が、固定定盤220〜224の表面に接触するのを防止し、また、印刷版12を確実に天地方向に沿って移動可能となるようにしている。
【0185】
したがって、印刷版12に付着している半乾きのガム液が、固定定盤220〜224上での印刷版12を移動不良を生じさせてしまうのを確実に防止して、印刷版12の正確な位置決めが可能となるようにしている。
【0186】
また、生乾きのガム液が、固定定盤220〜224に付着して転写してしまうのを確実に防止できるので、生乾きのガム液が固定定盤220〜224の表面に付着することにより、次の印刷版12の移動不良や、さらに印刷版12にガム液が転写してしまうことによる汚れの発生等を確実に防止することができる。
【0187】
なお、本実施の形態では、凹部として、印刷版12の搬送方向と直交する方向に沿って連続する退避溝260を適用したが、この退避溝260の溝幅及び深さは、印刷版12の付着した生乾きのガム液が、固定定盤220〜224に表面に接触するのを防止し得るものであれば、任意に設定することができる。
【0188】
なお、以上説明した本実施の形態は、本発明の構成を限定するものではない。例えば、本実施の形態では、ベンダー40を例に説明したが、本発明は、自動現像装置から送出される印刷版を、連続して定盤上に載置して処理を行う任意の構成の版曲げ装置に適用することができる。
【0189】
また、本実施の形態では、CTP処理用の印刷版12を処理する製版システム10を例に説明したが、本発明はこれに限らず、任意の構成の印刷版を処理する製版システムに適用することができる。
【0190】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、ガム液が生乾きとなっていることが多い印刷版の後端部に対向して、定盤上に凹部を形成しているので、生乾きのガム液が定盤に付着してしまうのを確実に防止することができる。
【0191】
これにより、定盤上での印刷版の正確で円滑な位置決めが可能となると共に、定盤に付着したガム液によって印刷版に汚れが生じてしまうのを確実に防止することができるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に適用した製版システムの概略構成図である。
【図2】(A)は2L1Wサイズの印刷版を示す概略図、(B)は版曲げ処理した印刷版を示す概略図である。
【図3】(A)及び(B)は2L2Wサイズの印刷版を示す概略図であり、(A)は新聞1頁分の画像を形成した印刷版を示し、(B)は新聞見開き1頁分の画像を形成した印刷版を示している。
【図4】自動現像装置の一例を示す概略図である。
【図5】印刷用輪転機の版胴への印刷版の装着を示す概略図である。
【図6】本実施の形態に適用したベンダーを上方側から見た概略構成図である。
【図7】ベンダーに設けた定盤の概略構成図である。
【図8】印刷版の搬送方向と直交する方向側から見たベンダーの定盤近傍の概略構成図である。
【図9】X−Y−θテーブルを用いた移動定盤の移動ユニットの一例を示す概略斜視図である。
【図10】固定定盤に形成した退避溝を示す図8と同方向側から見た概略図である。
【図11】地側のパンチ版曲げユニットの要部を示す概略斜視図である。
【図12】図11で省略している地側のパンチ版曲げユニットの要部を示す概略斜視図である。
【図13】地側のパンチ版曲げユニットに設けているパンチャー近傍を示す概略斜視図である。
【図14】天側のパンチ版曲げユニットの要部を示す概略斜視図である。
【図15】図14で省略している天側のパンチ版曲げユニットの要部を示す概略斜視図である。
【図16】天側のパンチ版曲げユニットに設けているパンチャー近傍を示す概略斜視図である。
【図17】パンチャー近傍を印刷版の天地方向に沿った見た要部の概略構成図である。
【符号の説明】
10 製版システム
12(12A、12B) 印刷版
14 給版工程
16 露光工程
18 現像工程
20 パンチ工程
22 版曲げ工程
38 自動現像装置
40 ベンダー(版曲げ装置)
50(50A、50B) 曲げ部
52A、52B トンボ
114 現像部
116 水洗部
118 不感脂化処理部
120 乾燥部
212 搬送ベルト(搬送手段)
214 搬送モータ(搬送手段)
220〜224 固定定盤(定盤)
228 ストッパピン
240、242 吸着溝
246 移動定盤
260 吸着溝(溝、凹部)
262、264 パンチ版曲げユニット

Claims (2)

  1. 不感脂化処理及び乾燥処理を施して印刷版を送出する自動現像装置に連続して設けられて、定盤上に載置した印刷版を位置決めして、所定位置にパンチ処理及び版曲げ処理を施す版曲げ装置であって、
    前記印刷版を前記定盤上へ搬送して載置する搬送手段と、
    前記定盤上に設けられて前記搬送手段によって搬送される前記印刷版の搬送方向先端が当接することにより、印刷版を定盤上の所定位置に配置可能とするストッパと、
    を含み、
    前記ストッパに当接して載置される前記印刷版の搬送方向上流側端部に対向する位置で、該印刷版の端部との間に間隙を生じさせる凹部を前記定盤上に形成していることを特徴とする版曲げ装置。
  2. 前記凹部が、前記印刷版の搬送方向と直交する方向に沿って連続した溝であることを特徴とする請求項1に記載の版曲げ装置。
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