JP2000214663A - 画像形成装置における転写装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 トナー漏れ等による印字用紙の汚れの発生す
ることがない画像形成装置における転写装置の提供を目
的とする。 【解決手段】 画像データに基づいてトナー像担持体１
の表面に露光手段６から光を照射して静電潜像を形成
し、この静電潜像をトナーによって現像してトナー像と
する現像手段３と、トナー像担持体１に残留付着するト
ナーを除去するクリーニング手段とを備える画像形成装
置において、露光手段は、画像データに基づく印字領域
に対応する露光範囲とは別に現像手段３によるトナー供
給領域外３ｂ−ａを露光する手段を備え、トナー供給領
域外３ｂ−ａの露光によってトナーを前記トナー像担持
体１の表面に現像した後クリーニング手段により現像さ
れたトナーを除去する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、トナー像担持体に
担持されたトナー像を印字用紙へ転写した後にこのトナ
ー像を定着器によって定着させる画像形成装置に係り、
特に現像工程において発生するトナーの漏れによる印字
用紙の汚れを防止できるようにした画像形成装置におけ
る転写装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、レーザープリンタに代表されるよ
うに、解像度に優れ鮮明な画像を形成できるトナー方式
の画像形成装置が普及してきている。このようなトナー
方式の画像形成装置について本願出願人は既に提案して
出願し、特開平９−２３０７１５号としてこれを開示し
た。

【０００３】この出願に係る画像形成装置は、装置の小
型化や低コスト化を図るために直交転写方式としたもの
で、感光体ベルトを利用したトナー像担持体のループを
用紙の搬送方向と直交する方向に配置するという基本構
成を持つ。そして、トナー像担持体のループ周りには、
静電潜像を形成するための帯電器及び露光器，静電潜像
をトナー像によって現像するための現像器，用紙にトナ
ー像を転写した後に付着トナーを除去するクリーニング
装置及び残留電荷を除去する除電器がそれぞれ配置され
ている。

【０００４】このような直交転写方式の画像形成装置で
は、用紙の搬送ピッチとトナー像担持体のループ周りの
周回ストロークとを同期させるように制御される。そし
て、トナー像担持体の表面に現像されたトナー像は、用
紙の搬送方向に対して小刻みに転写していくことで、用
紙の全体に画像データに基づく全画像のトナー像が転写
される。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】直交転写方式の画像形
成装置における現像器は、内部にトナーを内蔵するとと
もにトナー像担持体に接触する現像ローラを備えたもの
である。そして、現像ローラの周面に付着させたトナー
をトナー像担持体の表面に帯電差によって吸着させるこ
とにより、予め形成されている静電潜像がトナー像とし
て現像される。

【０００６】このような現像器においては、現像ローラ
の周面に付着するトナーが用紙に対する現像領域から幅
方向にはみ出ないように調節されている。しかしなが
ら、トナーはその挙動の制御がしにくい粉体であるた
め、現像領域から外に漏れ出てしまうことが多発する。
したがって、現像・印字に必要な領域からはみ出した部
分にトナー像担持体に付着したトナーが用紙に付着して
しまい、特に用紙の幅方向の縁部がトナーで汚れてしま
ったり、トナーが装置内にこぼれてしまってマシントラ
ブルを招いたりする等の問題がある。

【０００７】本発明は、トナー漏れ等による印字用紙の
汚れやマシントラブルが発生することのない画像形成装
置における転写装置を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、トナー像担持
体と、画像データに基づいて前記トナー像担持体の表面
に光を照射して静電潜像を形成させる露光手段と、前記
静電潜像をトナーによって現像してトナー像とする現像
手段と、前記トナー像担持体に残留付着するトナーを除
去するクリーニング手段とを備える画像形成装置におい
て、前記露光手段は、前記画像データに基づく印字領域
に対応する露光範囲とは別に前記現像手段によるトナー
供給領域の外を露光する手段を備え、前記トナー供給領
域の外の露光によってトナーを前記トナー像担持体の表
面に現像した後前記クリーニング手段により現像された
トナーを除去する構成としたことを特徴とする。

【０００９】このような構成によれば、現像ローラのト
ナー供給領域外へトナーが無用に漏れ出しても、露光手
段によって印字領域の外の領域を露光して現像ローラ上
の漏れ出したトナーをトナー像担持体の表面に現像し、
この現像したトナーをクリーニング手段によって除去で
きる。したがって、このような除去操作を定期的に実行
させれば、トナーによる印字用紙の汚れの発生が防止で
きる。

【００１０】

【発明の実施の形態】請求項１に記載の発明は、トナー
像担持体と、画像データに基づいて前記トナー像担持体
の表面に光を照射して静電潜像を形成させる露光手段
と、前記静電潜像をトナーによって現像してトナー像と
する現像手段と、前記トナー像担持体に残留付着するト
ナーを除去するクリーニング手段とを備える画像形成装
置において、前記露光手段は、前記画像データに基づく
印字領域に対応する露光範囲とは別に前記現像手段によ
るトナー供給領域の外を露光する手段を備え、前記トナ
ー供給領域の外の露光によってトナーを前記トナー像担
持体の表面に現像した後前記クリーニング手段により現
像されたトナーを除去する構成としたことを特徴とする
画像形成装置であり、トナーによる印字用紙の汚れ及び
漏れたトナーによるマシントラブルの発生を防止すると
いう作用を有する。

【００１１】以下、本発明の実施の形態を図面に基づい
て説明する。

【００１２】図１は本発明の実施の形態におけるトナー
像担持体，現像手段及びクリーニング手段の配置を印字
領域等とともに示す要部の平面図、図２は本発明の実施
の形態における転写装置を印字用紙の搬送方向に観た概
略構成図、図３は図２の転写装置の転写の工程を示す斜
視図、図４は図２の転写装置のトナー像担持体の変位の
状態を示す模式図である。

【００１３】図２および図３において、表面が有機光導
電性材料の層でコーティングされた感光体ベルトからな
るトナー像担持体１が、転写板９の上方に配置された支
持ローラ１１，転写対向ローラ８，変位ローラ１０を巡
るループとして矢印Ｄ方向に周回可能に配置されてい
る。そして、このトナー像担持体１の周囲には、帯電手
段２，現像手段３，クリーニング手段４，除電手段５等
が配置されており、トナー像担持体１の上部にはたとえ
ばレーザーを照射するための露光手段６が配置されてい
る。また、転写板９上に供給される印字用紙７は、図３
に示すように、トナー像担持体１の周回方向（矢印Ｄ方
向）と直交する向きに搬送される。

【００１４】転写対向ローラ８は転写板９に対向して移
動する一種の転写ローラであり、インクリボンを用いる
熱転写プリンタの印字ヘッドのような役目を果たす。変
位ローラ１０は転写対向ローラ８の動きに追従して変位
するローラであり、転写対向ローラ８の移動によるトナ
ー像担持体１の弛みをなくすために左右に変位する。例
えば図４に示すように、転写対向ローラ８が左端Ｆから
右端Ｇまで矢印Ｅで示すように移動すると、変位ローラ
１０は右端Ｈから左端Ｉまで移動する。また、トナー像
担持体１上へのトナー像形成時には、転写対向ローラ８
の位置は左端Ｆの位置に固定されており、トナー像担持
体１が実線で示すように宙に浮いた状態を保ち、回転す
ることで印字用紙７の対向面側にトナー像３ｃ（後述）
が運ばれる。

【００１５】現像手段３は、図２に示すように、内蔵し
たトナー３ａを現像ローラ３ｂの周面に付着させてこの
トナー３ａによりトナー像担持体１の表面に形成された
静電潜像を現像してトナー像３ｃとする。また、クリ−
ニング手段４は、転写工程後のトナー像担持体１の表面
に残る残留トナ−をクリ−ニングブレ−ドやクリ−ニン
グブラシにより除去して廃トナ−として回収しトナー像
担持体１の表面を物理的に清浄化する。そして、除電手
段５は、残留トナ−を除去した後のトナー像担持体１の
表面に残留した負の電荷を中和して、トナー像担持体１
の表面を電気的に清浄化する。なお、除電手段５は必ず
しも必要ではない。

【００１６】このような構成において、図２に実線の矢
印Ｄで示すように、トナー像担持体１が印字用紙７の搬
送方向と直交する方向に走行すると、帯電手段２を通過
した部分は帯電し、画像信号に基づき露光手段６により
レーザー６ａを照射された部分に静電潜像が形成され
る。この静電潜像が形成された部分にトナー３ａを現像
ローラ３ｂで押し付けると、トナー像担持体１上に可視
像となったトナー像３ｃが現れる。

【００１７】次いで、印字用紙７への転写の際には、図
３に示すように、一時的に印字用紙７の搬送を中断して
転写板９（図２参照）上に印字用紙７を静止させるとと
もに、トナー像担持体１の回転も停止させる。そして、
トナー像担持体１のトナー像３ｃ（図２参照）が形成さ
れた部分を、裏側から転写対向ローラ８を転がして印字
用紙７に擦り付け、トナー像担持体１を左端Ｆから右端
Ｇの方向へ１工程分変位させる。それと同時に、印字用
紙７を載せた転写板９にトナー３ａとは逆極性の電圧
（ここでは正の電圧）を印加し、負に帯電したトナー像
３ｃをトナー像担持体１の表面から引き寄せて剥離させ
印字用紙７に転写させる。右端Ｇに移動した転写対向ロ
ーラ８は、右端Ｇから左端Ｆの方向へ再度１工程分変位
させる。転写を終えたトナー像担持体１の転写終了面
は、転写対向ローラ８の通過と共に印字用紙７から逐次
離隔していく。このとき、トナー像担持体１の移動方向
を印字用紙７側から眺めると、トナー像担持体１は印字
用紙７上を印字用紙７の搬送方向に対し直交する方向に
変位している。

【００１８】１工程分の転写が終了する毎に、転写対向
ローラ８が印字用紙７上を通り過ぎて印字用紙７の領域
外に移動することにより、トナー像担持体１は印字用紙
７から離隔する。すると印字用紙７の搬送が開始される
が、印字用紙７の搬送距離はトナー像担持体１の有効転
写幅の分だけである。

【００１９】このような工程を繰り返した後、印字用紙
７は有効転写幅の分ずつ断続的に定着手段（図示せず）
側に送られて定着される。

【００２０】以上までの工程は、画像データに基づく印
字用紙７への転写であるが、本発明では印字領域を外れ
た部分にトナー像担持体１の表面に付着するトナー３ａ
を定期的にクリーニング手段４によって除去し、新たに
供給される印字用紙７へ不要なトナーが付着するのを防
止する。このことを以下に説明する。

【００２１】図１において、３ｂ−ａは現像ローラ３ｂ
上のトナー供給領域外を示し、３ｂ−ｂは現像ローラ３
ｂ上のトナー供給領域を示し、１−ａはトナー像担持体
１の非印字領域を示す。すなわち、現像ローラ３ｂによ
る正規の現像幅はトナー供給領域３ｂ−ｂであり、この
トナー供給領域３ｂ−ｂの幅方向の両端からはみ出る部
分がトナー３ａの漏れ等によって発生すると予測される
トナー供給領域外３ｂ−ａである。

【００２２】本発明においては、漏れ出たトナー３ａに
よる印字用紙７の汚れやマシントラブルを無くすため、
クリーニング手段４によるクリーニング操作するときに
は、トナー像担持体１の非印字領域１−ａだけを露光手
段６によりレーザー６ａを照射する。このとき、レーザ
ー６ａは主走査方向に繰り返し照射され、照射された非
印字領域１−ａ部分に静電潜像が形成される。それと同
時に、トナー像担持体１は実線の矢印Ｄ方向へ送られて
いく。

【００２３】トナー像担持体１が実線の矢印Ｄ方向へ送
られて行くと、現像手段３に具備された現像ローラ３ｂ
が回転し、静電潜像が形成されたトナー像担持体１の非
印字領域１−ａへトナー供給領域外３ｂ−ａに付着した
トナーを現像ローラ３ｂで押し付けると、トナー供給領
域外３ｂ−ａに付着したトナーはトナー像担持体１上に
現像されていく。すなわち、印字に必要な画像はトナー
供給領域３ｂ−ｂに含まれているのに対し、本発明では
印字領域から外れている非印字領域１−ａだけを露光す
ることよって、予測されるトナー３ａの漏れ分について
も現像する。これにより漏れ出たトナー３ａをトナー像
担持体１の表面に付着させることができ、トナー３ａの
飛散等が防止される。

【００２４】現像工程を終えると、トナー像担持体１は
図２において矢印方向Ｄに走行する。このとき、トナー
供給領域外３ｂ−ａに含まれるトナー３ａはクリーニン
グ手段３まで運ばれて回収される。

【００２５】このような操作を定期的に実行すること
で、現像手段３からトナー３ａが無用に漏れ出たりして
も、露光しない限り印字領域外にはトナー３ａは付着せ
ず、漏れ出たトナー３ａはクリーニング手段４によって
除去でき、印字用紙７への付着による汚れや漏れトナー
によるマシントラブルの発生がなくなる。

【００２６】なお、トナー像担持体１には必ずしも感光
体を用いる必要はないし、露光手段６も必要としない場
合があり、たとえば熱源により静電潜像を形成して現像
することによりトナー像を形成する構成としてもよい。

【００２７】

【発明の効果】本発明によれば、現像手段のトナー供給
領域の外へトナーがはみ出るように漏れ出しても、この
漏れたトナーをトナー像担持体に現像付着させてクリー
ニング手段によって回収するので、非印字領域にトナー
が付着することがなく、印字用紙に汚れを伴うことなく
トナー像を転写でき、高品質の画像が得られる。また、
漏れたトナーによるマシントラブルも防ぐことができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態におけるトナー像担持体，
現像手段及びクリーニング手段の配置を印字領域等とと
もに示す要部の平面図

【図２】本発明の実施の形態における転写装置を印字用
紙の搬送方向に観た概略構成図

【図３】図２の転写装置の転写の工程を示す斜視図

【図４】図２の転写装置のトナー像担持体の変位の状態
を示す模式図

【符号の説明】

１ トナー像担持体 １−ａ トナー像担持体１の非印字領域 ２ 帯電手段 ３ 現像手段 ３ａ トナー ３ｂ 現像ローラ ３ｂ−ａ 現像ローラ３ｂ上のトナー供給領域外 ３ｂ−ｂ 現像ローラ３ｂ上のトナー供給領域 ３ｃ トナー像 ４ クリーニング手段 ５ 除電手段 ６ 露光手段 ７ 印字用紙 ８ 転写対向ローラ ９ 転写板 １０ 変位ローラ １１ 支持ローラ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】トナー像担持体と、画像データに基づいて
   前記トナー像担持体の表面に光を照射して静電潜像を形
   成させる露光手段と、前記静電潜像をトナーによって現
   像してトナー像とする現像手段と、前記トナー像担持体
   に残留付着するトナーを除去するクリーニング手段とを
   備える画像形成装置において、前記露光手段は、前記画
   像データに基づく印字領域に対応する露光範囲とは別に
   前記現像手段によるトナー供給領域の外を露光する手段
   を備え、前記トナー供給領域の外の露光によってトナー
   を前記トナー像担持体の表面に現像した後前記クリーニ
   ング手段により現像されたトナーを除去する構成とした
   ことを特徴とする画像形成装置における転写装置。