JP2000221798A - 画像形成装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 トナー像担持体に担持されたトナー像を印字
用紙に転写する際に、印字用紙の浮きが発生せず、印字
ずれが生じることのない画像形成装置を提供する。 【解決手段】 トナー像を担持するトナー像担持体３
と、トナー像担持体３を印字用紙２に押しつけることに
よりトナー像を印字用紙２に転写する転写手段と、を備
えた画像形成装置であって、印字用紙２を搬送する転写
搬送ベルト２１と、転写搬送ベルト２１と印字用紙２を
帯電させ静電気的に吸着させる帯電手段と、を備え、転
写手段は転写搬送ベルト２１に吸着された印字用紙２に
トナー像担持体３を押しつける押圧手段を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、トナー像を印字用
紙の搬送方向と直交、又は平行する方向に印字用紙へ転
写する転写方式の画像形成装置に関するものである。

【０００２】

【従来技術】近年、レーザプリンタに代表されるよう
に、解像度に優れ画像を形成できるトナー方式の画像形
成装置が普及してきている。

【０００３】このようなトナー方式の画像形成装置の中
でも、特開平９−２３０７１５に開示されたように、印
字用紙の搬送方向と直交する方向へトナー像担持体を移
動させ、１行程ずつ小刻みにトナー像の転写を行う直交
転写方式の画像形成装置は、その構成上、製品の小型化
及び低コスト化を推進するのに適している。

【０００４】以下、このような直交転写方式の従来の画
像形成装置について説明する。

【０００５】図２は従来の画像形成装置の要部断面図で
あり、図３は従来の画像形成装置の転写の工程を示す斜
視図であり、図４は従来の画像形成装置のトナー担持体
の変位の状態を示す模式図である。

【０００６】図２乃至図４において、１は上面に印字用
紙を載置する転写板、２は転写板１上に載置され印字用
紙搬送手段（図示せず）により転写板１上を搬送される
印字用紙、３は転写板１の上方に配設され表面が有機光
導電性材料の層でコーティングされた輪環状の感光体ベ
ルトからなるトナー像担持体、４は転写板１の一側部に
印字用紙搬送方向Ａに平行に回転自在に軸支された支持
ローラ、５は支持ローラ４と反対側の転写板１の側部上
方に支持ローラ４と平行に回転自在に軸支され支軸位置
が変位可能に配設された変位ローラ、６は支持ローラ４
及び変位ローラ５に平行に両者の間に軸設された転写対
向ローラである。トナー像担持体３は支持ローラ４と変
位ローラ５とに掛架されており、支持ローラ４及び変位
ローラ５は、トナー像担持体３の転写板１と対向する側
のベルトが支持ローラ４から変位ローラ５に移動する方
向（以下、トナー像移動方向Ｄと呼ぶ。）に回転され
る。また、転写対向ローラ６は、転写板１の上面を輪転
しながら転写板１の印字用紙搬送方向Ａに垂直な方向に
移動可能に配設されている。

【０００７】７はトナー像担持体３の上方に配設されト
ナー像担持体３の表面を帯電させる帯電手段、８は入力
される画像信号に基づきトナー像担持体３の表面にレー
ザー、ＬＥＤ、ＬＣＤ等により照射される照射光８ａを
照射しトナー像担持体３の表面に静電潜像を形成する露
光手段、９は支持ローラ４に隣接して配設されておりト
ナー像担持体３の輪外表面に形成された静電潜像にトナ
ーを付着させトナー像を形成する現像手段、９ａは現像
手段９内に貯蓄されたトナー、９ｂはトナー像担持体３
上の静電潜像にトナーを押しつけることによりトナー９
ａを付着させトナー像を形成する現像ローラ、９ｃは転
写板１の表面に形成されたトナー像である。トナー像担
持体３の表面に形成されたトナー像９ｃは、支持ローラ
４及び変位ローラ５の回転によるトナー像担持体３の循
環とともに、トナー像移動方向Ｄに搬送される。

【０００８】図４に示すように、トナー像担持体３は、
少なくとも３つのローラ（支持ローラ４、変位ローラ
５、転写対向ローラ６）により支持されている。トナー
像担持体３の印字用紙２に対向する表面にトナー像９ｃ
が形成されると、転写対向ローラ６は転写板１上を輪転
し、印字用紙２にトナー像９ｃを押しつけることにより
現像手段９を印字用紙２に転写する。このとき、変位ロ
ーラ５は、転写対向ローラ６の動きに追従して変位し、
転写対向ローラ６の移動によるトナー像担持体３の弛み
をなくすように一直線上を変位する。

【０００９】例えば、図４に示すように、転写対向ロー
ラ６が左端Ｆから右端Ｇまで矢印Ｅで示すような方向
（以下、転写方向Ｅと呼ぶ。）に移動すると、変位ロー
ラ５は右端位置Ｈから左端位置Ｉまで移動する。トナー
像担持体３上へのトナー像９ｃ形成時には、転写対向ロ
ーラ６の位置は左端Ｆの位置に固定されており、トナー
像担持体３は、実線で示したように、印字用紙２から離
れ宙に浮いた状態で保持され、支持ローラ４及び変位ロ
ーラ５の回転により、トナー像９ｃがトナー像移動方向
Ｄに搬送される。

【００１０】１０はトナー像担持体３の上方の変位ロー
ラ５付近に配設され変位ローラ５の表面の残留トナーを
クリーニングブレードやクリーニングブラシにより除去
し廃トナーとして回収することによりトナー像担持体３
の表面を物理的に清浄化するクリーニング手段、１１は
トナー像担持体３の上方のクリーニング手段１０の支持
ローラ４側に隣接して配設されクリーニング手段１０に
より残留トナーを除去した後のトナー像担持体３の表面
に残留する負の電荷を中和することによりトナー像担持
体３の表面を電気的に清浄化する除電手段である。な
お、クリーニング手段１０及び除電手段１１は必ずしも
必要なものではない。

【００１１】以上のように構成された従来の画像形成装
置において、以下その動作について説明する。

【００１２】まず、転写板１の上面に載置された印字用
紙２はトナー像担持体３の下方に搬送される。このと
き、支持ローラ４及び変位ローラ５が回転し、トナー像
担持体３がトナー像移動方向Ｄに回転する。帯電手段７
の下方を通過したトナー像担持体３の表面は帯電され
る。露光手段８は、帯電されたトナー像担持体３の表面
に、入力される画像信号に基づき照射光８ａを照射し、
トナー像担持体３の表面に静電潜像を形成する。現像手
段９は、静電潜像が形成されたトナー像担持体３の表面
に、トナー９ａを現像ローラ９ｂにより押しつけ、トナ
ー像担持体３上にトナー像９ｃを形成する。トナー像担
持体３上に形成されたトナー像９ｃは、トナー像担持体
３の回転によりトナー像移動方向Ｄに搬送される。この
ようにして、トナー像担持体３の印字用紙２に対向する
表面には、印字用紙２の幅だけトナー像９ｃが形成され
る。

【００１３】トナー像担持体３の印字用紙２に対向する
表面に印字用紙２の幅だけトナー像９ｃが形成される
と、支持ローラ４及び変位ローラ５は回転を停止しトナ
ー像担持体３は静止する。その後、転写対向ローラ６に
よりトナー像９ｃが印字用紙２上へ転写される。

【００１４】このとき、図３に示すように、印字用紙２
の搬送は一時的に中断され静止させる。そして、転写対
向ローラ６は、左端Ｆから右端Ｇまで輪転しながら移動
し、トナー像担持体３のトナー像９ｃが形成された部分
を、裏側から押圧することで印字用紙２上に擦りつけ転
写を行う。それと同時に、転写板１に正の電荷を印加
し、負に帯電したトナー像９ｃをトナー像担持体３の表
面から引き寄せ剥離させ、印字用紙２に転写させる。右
端Ｇに移動した転写対向ローラ６は、右端Ｇから左端Ｆ
の方向へ、再度輪転しながら移動する。このとき、転写
を終えたトナー像担持体３の表面は、転写対向ローラ６
の通過と共に印字用紙２から逐次剥離していく。

【００１５】以上の工程が終了すると、印字用紙２は印
字用紙搬送方向Ａにトナー像担持体３の有効転写幅（ト
ナー像担持体３により印字用紙２に転写されるトナー像
の幅）だけ搬送される。また、転写が終了すると、支持
ローラ４及び変位ローラ５は再び回転し、上記工程によ
る動作を再び繰り返す。また、転写が終了したトナー像
担持体３の表面は、支持ローラ４及び変位ローラ５によ
り清浄化される。

【００１６】以上の工程が繰り返された後、印字用紙２
は有効転写幅分ずつ断続的に定着手段（図示せず）側に
送られ、非接触定着が行われる。

【００１７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の画像形成装置では、トナー像担持体に担持されたト
ナー像を印字用紙に転写する際に、印字用紙がトナー像
担持体へ静電的に引き寄せられ、印字用紙の浮きが発生
し印字ずれが生じるという課題を有していた。

【００１８】本発明は上記従来の課題を解決するもの
で、トナー像担持体に担持されたトナー像を印字用紙に
転写する際に、印字用紙の浮きが発生せず、印字ずれが
生じることのない画像形成装置を提供することを目的と
する。

【００１９】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明の画像形成装置は、トナー像を担持するトナー
像担持体と、トナー像担持体を印字用紙に押しつけるこ
とによりトナー像を印字用紙に転写する転写手段と、を
備えた画像形成装置であって、印字用紙を搬送する転写
搬送ベルトと、転写搬送ベルトと印字用紙を帯電させ静
電気的に吸着させる帯電手段と、を備え、転写手段は転
写搬送ベルトに吸着された印字用紙にトナー像担持体を
押しつける押圧手段を備えた構成より成る。

【００２０】この構成により、トナー像担持体に担持さ
れたトナー像を印字用紙に転写する際に、印字用紙の浮
きが発生せず、印字ずれが生じることのない画像形成装
置を提供することができる。

【００２１】

【発明の実施の形態】本発明の請求項１に記載の画像形
成装置は、トナー像を担持するトナー像担持体と、トナ
ー像担持体を印字用紙に押しつけることによりトナー像
を印字用紙に転写する転写手段と、を備えた画像形成装
置であって、印字用紙を搬送する転写搬送ベルトと、転
写搬送ベルトと印字用紙を帯電させ静電気的に吸着させ
る帯電手段と、を備え、転写手段は転写搬送ベルトに吸
着された印字用紙にトナー像担持体を押しつける押圧手
段を備えた構成としたものであり、この構成により、ト
ナー像担持体に担持されたトナー像を印字用紙に転写す
る際に、印字用紙の浮きが発生せず、印字ずれが防止さ
れるという作用が得られる。

【００２２】ここで、トナー像担持体としては、画像情
報に従ってトナーを一定の位置に担持しておくことの可
能なものであればよく、感光体ベルトや中間転写体ベル
ト等が使用される。また、転写手段は、トナー像担持体
に担持されたトナー像を印字用紙の搬送方向に対して直
交する方向又は平行する方向に向かって転写してゆく。

【００２３】押圧手段としては、トナー像担持ベルトの
輪環内側からトナー像担持ベルトを印字用紙に回転しな
がら押圧する転写対向ローラ等が用いられる。

【００２４】請求項２に記載の発明は、請求項１に記載
の画像形成装置であって、押圧手段に対向して転写搬送
ベルトを挟んで配設された転写板を備えた構成としたも
のであり、この構成により、転写板により印字用紙の撓
みが防止されるため、トナー像担持体に担持されたトナ
ー像を印字用紙に転写する際に、印字用紙の浮きが発生
せず、印字ずれが防止されるという作用が得られる。

【００２５】請求項３に記載の発明は、請求項１又は２
に記載の画像形成装置であって、転写搬送ベルトは絶縁
性の合成樹脂性ベルトであることを特徴とする構成とし
たものであり、この構成により、転写搬送ベルトが帯電
しやすいため、印字用紙を静電気的に強く吸着させるこ
とができ、トナー像担持体に担持されたトナー像を印字
用紙に転写する際に、印字用紙の浮きが発生せず、印字
ずれが防止されるという作用が得られる。

【００２６】以下に本発明の一実施の形態について、図
面を参照しながら説明する。

【００２７】（実施の形態１）図１は本発明の実施の形
態１における画像形成装置の要部側面図である。

【００２８】図１において、１は転写板、２は印字用
紙、３はトナー像担持体、Ａは印字用紙搬送方向であ
り、これらは従来のものと同様であるので同一の符号を
付して説明を省略する。

【００２９】２１は上面に印字用紙２を載置し転写板１
の上部を搬送する輪環状のベルトからなる転写搬送ベル
ト、２２は転写板１の給紙側に回転自在に軸支された給
紙ローラ、２３は転写板１の排紙側に回転自在に軸支さ
れた排紙ローラ、２４は給紙ローラ２２の上部に回転自
在に軸支された帯電ローラである。転写搬送ベルト２１
は、給紙ローラ２２と排紙ローラ２３との間に掛架され
ており、給紙ローラ２２及び排紙ローラ２３の回転によ
り回転される。また、給紙ローラ２２と排紙ローラ２３
との中間の転写搬送ベルト２１の輪環内に、転写搬送ベ
ルト２１の上部のベルト内側に当接するように転写板１
が配設されており、転写搬送ベルト２１は転写板１の上
面を摺動する。転写搬送ベルト２１は、絶縁性の合成樹
脂、合成ゴム、合成樹脂や合成ゴムで積層された布帛や
不織布等が使用される。帯電ローラ２４は、給紙ローラ
２２に巻架された転写搬送ベルト２１の上面に当接又は
近設して配設され、転写搬送ベルト２１との間に印字用
紙２を挟み、印字用紙２の上面に当接して回転する。ま
た、帯電ローラ２４は電気的に接地されており、転写板
１及び給紙ローラ２２は常に一定のトナーとは逆特性の
電圧（ここではトナーはマイナス極性のため正の電圧。
樹脂材料により値は変化する。）がかけられている。

【００３０】以上のように構成された本実施の形態の画
像形成装置について、以下その動作について説明する。

【００３１】まず、印字用紙２は給紙ローラ２２と帯電
ローラ２４との間を通り、転写搬送ベルト２１上に載置
された状態で転写板１の上まで搬送される。このとき、
給紙ローラ２２には正の電圧が印加されており、帯電ロ
ーラ２４は接地されているため、印字用紙２は転写搬送
ベルト２１に静電気的に吸着する。給紙ローラ２２と帯
電ローラ２４とは同一の速さで回転し、印字用紙２は転
写搬送ベルト２１と同一の速さで搬送される。

【００３２】この印字用紙２の搬送動作が終了した後、
転写動作に入る。以下、トナー像の印字用紙２への転写
動作については、従来のものと同様のため、説明は省略
する。なお、このとき、印字用紙２は転写搬送ベルト２
１上に静電気的に吸着されているため、従来のように、
転写動作の際に印字用紙２がトナー像担持体３に吸着し
て浮き上がることが防止され、印字ずれが生じることが
防止される。

【００３３】尚、本実施の形態において、トナー像担持
体３は表面が有機光導電性材料の層でコーティングされ
た輪環状の感光体ベルトとしたが、トナー像担持体３は
感光体ベルトに限られたものではなく、また、トナー像
の形成手段も露光によるものに限られるものではない。

【００３４】例えば、熱源によりトナー像担持体３上に
静電潜像を形成し現像することによりトナー像を形成す
るようにしてもよく、更に、トナー像担持体３にトナー
をベタ塗りにして、画像信号に従ってトナー像担持体３
上のトナーをエアジェットで吹き飛ばし、あたかも版画
を彫るようにしてトナー像を形成するようにしてもよ
い。

【００３５】

【発明の効果】以上のように、本発明の画像形成装置に
よれば、以下のような有利な効果が得られる。

【００３６】請求項１に記載の発明によれば、トナー像
担持体に担持されたトナー像を印字用紙に転写する際
に、印字用紙の浮きが発生せず、印字ずれが防止された
画像形成装置を提供することができる。

【００３７】請求項２に記載の発明によれば、転写板に
より印字用紙の撓みが防止されるため、トナー像担持体
に担持されたトナー像を印字用紙に転写する際に、印字
用紙の浮きが発生せず、印字ずれを防止することが可能
な画像形成装置を提供することができる。

【００３８】請求項３に記載の発明によれば、転写搬送
ベルトが帯電しやすいため、印字用紙を静電気的に強く
吸着させることができ、トナー像担持体に担持されたト
ナー像を印字用紙に転写する際に、印字用紙の浮きが発
生せず、印字ずれを防止することが可能な画像形成装置
を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態１における画像形成装置の
要部側面図

【図２】従来の画像形成装置の要部断面図

【図３】従来の画像形成装置の転写の工程を示す斜視図

【図４】従来の画像形成装置のトナー担持体の変位の状
態を示す模式図

【符号の説明】

１ 転写板 ２ 印字用紙 ３ トナー像担持体 ４ 支持ローラ ５ 変位ローラ ６ 転写対向ローラ ７ 帯電手段 ８ 露光手段 ８ａ 照射光 ９ 現像手段 ９ａ トナー ９ｂ 現像ローラ ９ｃ トナー像 １０ クリーニング手段 １１ 除電手段 ２１ 転写搬送ベルト ２２ 給紙ローラ ２３ 排紙ローラ ２４ 帯電ローラ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松添 久宣 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 木場 英治 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 川路 幸吉 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Ｆターム(参考） 2H032 AA05 AA14 BA18 BA23 BA28 CA04

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】トナー像を担持するトナー像担持体と、前
   記トナー像担持体を印字用紙に接触させることにより前
   記トナー像を前記印字用紙に転写する転写手段と、を備
   えた画像形成装置であって、前記印字用紙を搬送する転
   写搬送ベルトと、前記転写搬送ベルトと前記印字用紙を
   帯電させ静電気的に吸着させる帯電手段と、を備え、前
   記転写手段は前記転写搬送ベルトに吸着された前記印字
   用紙に前記トナー像担持体を押しつける押圧手段を備え
   たことを特徴とした画像形成装置。
2. 【請求項２】前記押圧手段に対向して前記転写搬送ベル
   トを挟んで配設された転写板を備えたことを特徴とする
   請求項１に記載の画像形成装置。
3. 【請求項３】前記転写搬送ベルトは絶縁性の合成樹脂性
   ベルトであることを特徴とする請求項１又は２に記載の
   画像形成装置。