JP2004219873A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】どのような画像比率の画像に対しても転写時の中抜けを防止しつつ、画質を維持する。
【解決手段】感光ドラム1に転写ローラ7もしくは転写ベルトを接触させて転写ニップ部を形成し、記録材を挟持搬送し、転写ローラ7を介して記録材の裏面側に電荷を付与して、あるいは転写ベルトを用いベルトの内側よりバイアスを印加し記録材の裏面側に電荷を付与して、感光ドラム上のトナー像を記録材の表面側に転写する画像形成装置において、転写時の中抜け対策を講じつつ、画質を維持する為に、画像比率に応じて、感光ドラムの外周表面移動速度と転写ローラあるいは転写ベルトの表面移動速度の速度差を、感光ドラム−転写ローラ速度差制御手段もしくは感光ドラム−転写ベルト速度差制御手段により切り替える。
【選択図】 図1
【解決手段】感光ドラム1に転写ローラ7もしくは転写ベルトを接触させて転写ニップ部を形成し、記録材を挟持搬送し、転写ローラ7を介して記録材の裏面側に電荷を付与して、あるいは転写ベルトを用いベルトの内側よりバイアスを印加し記録材の裏面側に電荷を付与して、感光ドラム上のトナー像を記録材の表面側に転写する画像形成装置において、転写時の中抜け対策を講じつつ、画質を維持する為に、画像比率に応じて、感光ドラムの外周表面移動速度と転写ローラあるいは転写ベルトの表面移動速度の速度差を、感光ドラム−転写ローラ速度差制御手段もしくは感光ドラム−転写ベルト速度差制御手段により切り替える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、レーザビームプリンタ等の画像形成装置に係り、詳しくは、像担持体上に現像剤(トナー)により形成された可視画像(トナー像)を記録材表面に転写するための転写装置として、記録材の裏面に接触して電荷を付与する接触帯電式の転写装置を用いた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば電子写真方式の画像形成装置や静電記録方式の画像形成装置においては、感光体や誘電体等の像担持体上に現像剤(トナー)により形成された可視画像(トナー像)を紙等の記録材に転写する転写手段として、コロナ放電を利用した転写装置(コロナ帯電器)が広く使用されている。
【0003】
このようなコロナ転写装置は、記録材に接触することなく非接触状態で、この記録材に対して所定の電荷を付与し、像担持体上のトナー像を記録材に転写する転写手段として有効である。しかしながら、コロナ放電を生じされるためにかなりの高電圧を印加しなければならず、このため高圧電源が必要となり、またコロナ放電時にオゾンが発生する等の問題を有している。
【0004】
このため、近年では比較的低い電圧を印加すればよい接触帯電式の転写手段を使用した画像形成装置が開発されている。この接触帯電式の転写手段は、一般に、記録材の裏面に当接する導電ローラ、導電ブラシ等の帯電部材を備え、この帯電部材に比較的低い転写用のバイアス電圧を印加することにより、像担持体上のトナー像を記録材に転写するものである。このように接触帯電式の転写手段は低電圧を印加すればよいので電源が小型、軽量、低コスト化でき、またオゾンの発生量も少ない等の長所があり、大いに注目されている。
【0005】
また更に、記録材の搬送を兼ねた無端ベルト状転写搬送部材(転写ベルト)も開発実現されてきている。その構造は、無端ベルトの内側に2つ以上の支持駆動ローラを配し、その支持駆動ローラにより無端ベルトを記録材搬送方向に駆動し、無端ベルトの任意の位置に於いて像担持体を当接させ、その当接位置の無端ベルトを挟んだ反対側(無端ベルトの内側)にバイアス印加手段を設け、転写用のバイアス電圧を印加することにより、像担持体上のトナー像を無端ベルトにより搬送してきた記録材に転写すると言うものである。この構造はローラを用いるものよりも高速化が可能であり、大いに注目されている。
【0006】
図2に、像担持体を均一に帯電するための一次帯電装置と、像担持体上のトナー像(可視画像)を記録材に転写するための転写装置とに、それぞれ接触帯電式の帯電装置及び転写装置を用いた電子写真方式の画像形成装置の一例を示す。
【0007】
この画像形成装置は、矢印R1方向に回転駆動される感光ドラム(像担持体)1を備えている。感光ドラム1の周囲には、その回転方向に沿って順に、感光ドラム1表面を均一に帯電する一次帯電装置2、感光ドラム1上に画像情報に応じた静電潜像を形成する露光手段3、この静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成する現像装置5、感光ドラム1上のトナー像を記録材Pに転写するためのローラ形式の接触帯電式の転写装置6、トナー像転写後の感光ドラム1上の残留トナーを除去するクリーナ9、感光ドラム1表面を初期化する除電器(ランプ)10等が配設されている。
【0008】
上述の感光ドラム1は、アルミニウム、鉄等からなる導電性基体層1bと、その外周面を被覆する例えば有機光導電体からなる光導電層1aとを基本構成層とするドラム型の電子写真感光体であり、その支軸1cを中心に同図矢印R1方向に所定の周速度をもって回転駆動される。なお、導電性基体層1bは接地されている。
【0009】
また、接触帯電式の一次帯電装置2は、芯金となる金属ローラ等の導電体ローラ2cと、その外周面に形成した導電層2bと、さらにその外周面に形成した抵抗層2a1、2a2とから構成されている。一次帯電装置2は、その両端部を図示しない軸受部にて回転自在に軸支されるとともに感光ドラム1と平行に配置され、図示しないスプリング等の押圧手段によって感光ドラム1方向に所定の押圧力で押圧されている。これにより、最外層の抵抗層2a1が感光ドラム1に圧接され、一次帯電装置2全体は、感光ドラム1の矢印R1方向の回転に伴って矢印R2方向に従動回転するようになっている。さらに一次帯電装置2の導電体ローラ2cには、電気接触子10aが接触されており、この電気接触子10aを介して電源10から所定の直流バイアス電圧が印加されている。一次帯電装置2は、この電圧の印加と前述の矢印R2方向の従動回転とによって、感光ドラム1表面を所定の極性、所定の電位に均一に接触帯電するようになっている。なお、接触帯電式の帯電装置2は、導電体ローラ2cにギヤを取り付け、モータ等の駆動手段により強制駆動するようにしてもよい。
【0010】
また、転写装置7は、芯金となる金属ローラ等の導電体ローラ6aと、その外周面に形成した円筒状の導電層6bとから構成されている。転写装置7は、導電体ローラ6aの両端部を図示しない軸受部材にて回転自在に軸支されるとともに、感光ドラム1と平行に配置され、不図示のスプリング等の押圧手段によって感光ドラム1方向に所定の押圧力で押圧されている。これにより、転写装置7は、外側の導電層6bが感光ドラム1に圧接されて感光ドラム1との間に、記録材Pを挟持搬送する転写ニップ部Nを形成し、記録材Pがこの転写ニップ部Nに給紙された際に、導電層6bが記録材Pの裏面に接触し、記録材Pの矢印K1方向の搬送に伴い矢印R6方向に駆動回転するようになっている。さらに転写装置7の導電体ローラ6aには電源8が接続されており、転写装置7は、この電源8によって所定のバイアス電圧が印加され、記録材Pの裏面にトナーと逆極性の電荷を直接付与することによって、感光ドラム1上のトナー像を記録材P表面に転写するようになっている。
【0011】
また最近は、はじめの1枚目のプリント画像終了までの時間を短縮する為に、記録材の移動距離を短くした短パス系の画像形成装置が多く開発、発売されてきている。そのような装置においては、図6のドラムを中心とした画像形成部分が、ドラムを中心に右回りに90度程度回転したような構成を取るものもあるが、基本的な構成は同じであり、以下に書かれている画像形成プロセスも変わりはない。
【0012】
或いは、記録材の搬送路検討の結果、様々な搬送経路を採る可能性があり、上記とは逆に装置の画像形成部分が、ドラムを中心に左回りに90度程度回転したような構成を取るものもあり得る場合もあるが、それも基本的な構成は同じである。
【0013】
次に、上述構成の画像形成装置の画像形成プロセスについて簡単に説明する。感光ドラム1表面は、接触帯電式の一次帯電装置2によって均一に帯電された後、例えばレーザスキャナ、スリット露光手段等の露光手段3からの画像情報に応じた走査光により露光を受け、静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像装置5の現像容器5b内に収納され現像スリーブ5a表面に層状に担持されたトナーによって現像され、トナー像となる。感光ドラム1上のトナー像は、不図示の給紙機構によって感光ドラム1と転写装置7との間の転写ニップ部Nに供給された記録材Pの表面に、転写装置7の作用によって転写される。その後記録材Pは、感光ドラム1c一方、感光ドラム1は、そのまま回転を続け、表面に付着している残留トナー等の付着物がクリーナ9によって除去され、さらに除電器10によって除電されて初期化され、次の画像形成プロセスに備える。
【0014】
また不図示の多色画像形成プロセスにおいては、複数の現像装置により現像された複数の感光ドラム上のトナー像を一時的に中間転写体上に1次転写し、その後、中間転写体と2次転写装置との間の転写ニップ部に供給された記録材の表面に、2次転写装置の作用によって転写される。その後は上記と同様に、感光ドラム上および中間転写体上が、クリーナ9によって残留トナー等の付着物を除去し、さらに除電器によって除電されて初期化され、次の画像形成プロセスに備える。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の従来の技術によると、トナー像転写後の記録材P上に、中抜けと称される、トナーがほとんど転写されない部分が生ずることがあった。このような現象は、はがき等のように記録材Pの厚さdが厚い場合、記録材Pの剛性が高い(腰が強い)場合等に生起しがちとなる。これは、これらの記録材Pは転写時に感光ドラム1と転写装置7との間の転写ニップ部で強く押圧されるため、本来は転写装置7の電界の作用で記録材P側に引き寄せられるべきトナーが感光ドラム1と記録材P表面との間で機械的に押し固められ、記録材P上に転写されないで感光ドラム1上に残留してしまうために発生するものである。
【0016】
従来、この中抜けを防止するための方策の一つとして、感光ドラム1上のトナー像を記録材Pに転写する際、感光ドラム1表面の周速度と記録材Pの搬送速度とを変化させる方法が用いられている。このように両者の周速度と搬送速度との差(以下「周速差」という。)を設けることによって、感光ドラム1側に固着しがちなトナーに対し、このトナーを感光ドラム1表面から引き剥すような剪断力を付与するものである。すなわち、記録材Pに対するトナー像の転写時に、トナー像を記録材Pに垂直な方向から押し付けるだけでなく、少し横方向(水平方向)の力を与えて、トナー像を記録材P上に擦り付けるようにして、トナー像が記録材P上によく転写するようにするような対策が採られてきた。
【0017】
ところで、画像比率により、感光ドラム1上のトナー量に違いがあり、その違いが感光ドラム1と転写装置7との間の転写ニップ部での押圧力に差を生じさせていた。転写ニップ部での押圧力はそのまま記録材Pの搬送力に繋がるので、転写ニップ部での押圧力差は、記録材Pの搬送速度にも差を生じ、画像の歪みを生じさせていた。つまり、転写ニップ部における画像比率により記録材Pの搬送速度差を生じ、画像の歪みを起こす場合があった。
【0018】
先に挙げた画像の比率による記録材Pの搬送速度差は、記録材の厚みや環境湿度の違いによっても異なることが解っている。
【0019】
(本発明の目的)
そこで本出願に係る発明の目的は、上述事情に鑑みてなされたものであり、導電ローラ等の帯電部材を備えた接触帯電式の転写手段を使用した画像形成装置において、画像の比率の違いにより生じる記録材Pの搬送力差、そして、それによる画像の歪みを低下を最小限に抑えながら、しかも中抜けを防止するようにした画像形成装置を提供することを目的とするものである。また記録材の厚みや環境湿度の違いなどの状況差のある状態に於いても上記問題を抑制することが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、本発明に係る下記のような構成を特徴としている画像形成装置にて達成される。
【0021】
本出願に係る第1の発明によれば、上記目的は、像担持体と、該像担持体に形成された静電潜像を現像剤で現像する現像手段と、該像担持体に所定圧で接触させて転写ニップ部を形成し記録材を挟持搬送するとともに、該転写ニップ部にて該記録材の裏面側に転写用の電荷を付与することによって、該像担持体上に前記現像手段により形成された現像剤像を該記録材の表面側に転写を行う転写用部材と、前記像担持体の外周表面移動速度と前記転写用部材の表面移動速度の速度差(速度差0を含む)を制御することが可能な像担持体−転写用部材速度差制御手段を備えた画像形成装置において、
前記像担持体に形成された画像の該転写ニップ部における画像比率に応じて、逐次に前記像担持体の外周表面移動速度と前記転写用部材の表面移動速度の速度差を、前記像担持体−転写用部材速度差制御手段により切り替えることで達成できる。
【0022】
また、本出願に係る第2の発明によれば、上記目的は、上記第1の発明において、前記転写ニップ部における前記記録材の進行方向が、鉛直方向上向きであり、かつ、前記記録材の現像剤像が転写される側である表面側を上にした水平位置からの角度が50度以上130度以下である画像形成装置において、
前記像担持体に形成された画像の該転写ニップ部における画像比率に応じて、逐次に前記像担持体の外周表面移動速度と前記転写用部材の表面移動速度の速度差を、前記像担持体−転写用部材速度差制御手段により切り替えることで達成できる。
【0023】
また、本出願に係る第3の発明によれば、上記目的は、上記第1又は第2の発明において、制御する前記像担持体−転写用部材速度差制御手段を、前記像担持体の外周表面移動速度とすることで達成できる。
【0024】
また、本出願に係る第4の発明によれば、上記目的は、上記第1又は第2の発明において、制御する前記像担持体−転写用部材速度差制御手段を、前記転写用部材の表面移動速度とすることで達成できる。
【0025】
また、本出願に係る第5の発明によれば、上記目的は、上記第1又は第2の発明において、制御する前記像担持体−転写用部材速度差制御手段を、前記像担持体の外周表面移動速度と前記転写用部材の表面移動速度の両方の速度とすることで達成できる。
【0026】
また、本出願に係る第6の発明によれば、上記目的は、上記第1ないし第5いずれかの発明において、画像比率がより高くなる方が、前記像担持体の外周表面移動速度よりも前記転写用部材の表面移動速度の方がより早くなるように周速差制御を行うことで達成できる。
【0027】
また、本出願に係る第7の発明によれば、上記目的は、上記第1ないし第5いずれかの発明において、画像比率がより高くなる方が、前記転写用部材の表面移動速度よりも前記像担持体の外周表面移動速度の方がより早くなるように周速差制御を行うことで達成できる。
【0028】
また、本出願に係る第8の発明によれば、上記目的は、上記第1ないし第7いずれかの発明において、前記記録材の厚み情報を検知もしくは入力することが可能な手段を有する画像形成装置において、前記記録材の厚みに応じて、前記像担持体の外周表面移動速度と前記転写用部材の表面移動速度の速度差を、前記像担持体−転写用部材速度差制御手段により切り替えることで達成できる。
【0029】
また、本出願に係る第9の発明によれば、上記目的は、上記第1ないし第7いずれかの発明において、周辺環境の湿度を検知することが可能な湿度検知手段を有する画像形成装置において、前記湿度検知手段により検知された周辺環境湿度に応じて、前記像担持体の外周表面移動速度と前記転写用部材の表面移動速度の速度差を、前記像担持体−転写用部材速度差制御手段により切り替えることで達成できる。
【0030】
また、本出願に係る第10の発明によれば、上記目的は、上記第1ないし第9いずれかの発明において、前記転写用部材にローラ状回転転写部材(転写ローラ)を用いることで達成できる。
【0031】
また、本出願に係る第11の発明によれば、上記目的は、上記第1ないし第9いずれかの発明において、前記転写用部材に内側にバイアス印加手段を設けた無端ベルト状転写部材(転写ベルト)を用いることで達成できる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、図面に沿って、本発明の実施例について説明する。
【0033】
(第1の実施例)
以下に図1、図3、図4を参照してこの発明の実施の形態を説明する。
【0034】
図1は、一実施例の画像形成装置の概略図である。本例の画像形成装置は、電子写真プロセス利用の転写式のレーザビームプリンタもしくは複写機であり、本例に於いては、後述のように、像担持体を帯電するための一次帯電装置、及び像担持体上のトナー像を記録材に転写するための転写装置は、いずれも接触帯電式のものを使用している。
【0035】
1は、静電潜像担持体としてのドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラムと称す)であり、アルミニウム等の導電性基体1bと、その外周に形成された光導電層1aを基本構成としている。また、不図示の画像形成装置本体(以下単に「装置本体」という。)によって回動自在に支持され、矢印mの時計方向に所定のプロセススピードをもって回転駆動される。感光ドラム1は、その回転過程で一次帯電装置2より所定の極性、電位に均一に帯電される。本例では、感光ドラム1をマイナスに帯電処理する。
【0036】
本例の一次帯電装置は接触帯電方式で、感光ドラム1表面に接してこの表面を所定の極性、電位に一様均一に帯電するものであり、全体としてローラ状に構成されている(以下「帯電ローラ2」という)。帯電ローラ2は、中心に配置された導電体ローラ(芯金)と、その外周に形成された導電層と、さらにその外周に形成された抵抗層とからなり、芯金の両端部が不図示の軸受部材によって回転自在に支持されるとともに、感光ドラム1に対して平行に配置されている。これら両端部の軸受部材は不図示の押圧手段によって感光ドラム1向けて付勢されており、これにより、帯電ローラ2表面の抵抗層は、感光ドラム1表面に所定の押圧力を持って圧接されている。帯電ローラ2は、感光ドラム1の回転に伴い従動回転する。そして、その帯電ローラ2に、電源3から所定の交流電圧に所定の直流電圧を重畳したバイアス電圧を印加することで、感光ドラム1の外周表面を所定の極性、電位に帯電処理している。
【0037】
次いで、その帯電処理面に対して、レーザスキャナ等の像露光手段4により目的の画像情報の像露光処理がなされて、感光ドラム1表面に目的の画像情報の静電潜像が形成される。
【0038】
その静電潜像が、現像装置5の現像スリーブ5aに薄層状に担持されたトナーTによって、現像されて可視画像(トナー画像)となる。本実施例における現像スリーブ5aは、内部にトナー保持力を高める現像マグネット5bを有する。表面に所定の厚さで塗布され現像スリーブ5aは、電源6より所定のバイアス電圧(直流電圧に交流電圧を重畳。以後現像バイアスと称する。)を印加され、矢印n方向の回転によって担持され、感光ドラム1表面に対向する現像位置において、トナーが現像スリーブ5aから感光ドラム1上に転移し、感光ドラム1上の静電潜像に付着されるようになっている。トナーTが供給される。なお、トナーは所定の極性に帯電されている。本例においては、マイナスに帯電したトナーT(ネガトナー)を用い、反転現像を行う。
【0039】
そのトナー画像が、感光ドラム1とこれに接触させた転写部材7との間の接触ニップ部である転写部において、該転写部に給紙部側から所定のタイミングで給送された転写材Pに対して順次に転写されていく。
【0040】
本例の転写部材は接触帯電方式の転写ローラ7であり、感光ドラム1に圧接させてあり、付図示の駆動装置により、駆動回転する。
【0041】
転写ローラ7は、電源8に接続された導電体ローラ(芯金)と、その外周面に円筒状に形成された導電層とによって構成されている。転写ローラ7は、感光ドラム1に平行に配置されるとともに、芯金の両端部が不図示の軸受部材によって矢印R6方向に回転自在に支持されている。この軸受部材は不図示のスプリング等の押圧部材によって感光ドラム1に向けて付勢されており、これにより転写ローラ7は、感光ドラム1表面に圧接され、感光ドラム1と転写ローラ7との間には転写ニップ部が形成される。転写ニップ部には、不図示の給紙機構によって搬送された記録材Pが、感光ドラム1の回転と同期をとって供給される。
【0042】
転写ニップ部に転写材Pの先端が突入すると、記録材Pは転写ニップ部にて挟持搬送され、転写ローラ7に電源8からの所定の転写用のバイアスが印加され、転写ローラ7が接触している転写材P裏面がトナーTと逆極性に接触帯電式で帯電されて、感光ドラム1のトナー画像が転写材Pの表面に転写される。
【0043】
転写部を通ってトナー画像の転写を受けた転写材Pは、感光ドラム1の表面から分離されて不図示の像定着手段に送られ、転写トナー画像が転写材P上に永久固着画像として定着され、プリントあるいはコピーとして機外へ排出される。または多重複写、両面複写の場合には最搬送手段を介して、再度、感光ドラム1をはじめとする画像形成部に送られる。
【0044】
像転写後の感光ドラム1は、クリーナ9によって残留トナー等の付着物が除去され、さらに除電器10により除電された後、次の画像形成プロセスに供される。
【0045】
上述の構成において、転写ローラ7の導電層として、その抵抗値が105〜1015Ω・cm程度になるように、単泡性あるいは連泡性のEPDM、SBR、BR等をローラ径14mm、長さ320mm程度に加工したものを用いた。
【0046】
さらに感光ドラム1から記録材Pへトナー像を転写する際の中抜けを防止するために、感光ドラム1の駆動系とは、独立させて転写ローラ7の駆動系を設置した。そして、例えば、記録材Pとしてはがきを用い、このはがきにトナー像を転写する際、感光ドラム1の外周面移動速度v1(cm/s)が、転写ローラ7の外周面移動速度v2(cm/s)よりも遅くなるように設定し、これにより、記録材Pの搬送速度v3(cm/s)が、感光ドラム1の外周面移動速度v1(cm/s)よりも3%早くなるようにした(V3/V1=1.03)。この結果、中抜けは、防止することができたが、今度は、画像の乱れや歪みが発生した。それはつまり、トナーが多く現像される画像部分が、トナーの厚みにより押圧力が高まり、記録材Pの搬送力がアップすることで、伸びるなどの問題が発生し易くなった。
【0047】
つまり、感光ドラム1上に形成された画像の転写ニップ部における画像比率に応じて、逐次に適切な記録材搬送速度に設定する必要がある。
【0048】
そこで、画像の乱れや歪みなどの画質の低下を防止するために、画像比率に応じて最適な速度で記録材Pを搬送させなければならない。以下の表1に画像比率に対する画像の伸縮率の結果を挙げた。また、そのグラフを図3に挙げておく。グラフ上のそれぞれの曲線は、以下の結果より2次元で近似して得られた曲線であり、その近似式をグラフ内に記入してある。
【0049】
【表1】
【0050】
今回用いた系に於いては、記録材Pの搬送速度v3(cm/s)が、感光ドラム1の外周面移動速度v1(cm/s)よりも3%早くする(V3/V1=1.03)ことで、転写中抜け対策として最も効果があることが解っていた為、画像比率が変わっても上記V3/V1の値がほぼ103%になるように設定することで、画像の乱れや歪みや伸びの発生を押える事が可能となる訳である。本実施例に於いては、転写ローラの対ドラム速度の設定を切り替えは、転写ローラ7の駆動速度を変えることにより行う。
【0051】
故に、図3のグラフを画像比率毎のデータに焼き直し、記録材Pの対ドラム速度が常にほぼ103%となるよう転写ローラ7の対ドラム速度を、逐次、設定すれば良いのである。図3の焼き直しデータを図4に表す。そして、記録材Pの対ドラム速度が常にほぼ103%となるような転写ローラの対ドラム速度の設定は以下のようにすれば良い。
【0052】
【表2】
【0053】
これは1例に過ぎず、もっと細かく、或いは関係式を求めそれに基づいて速度変更をするようにしても良い。もちろん、細かく、或いは関係式に基づいて速度変更をする方が、画質の低下が少なくて済むのは言うまでもない。
【0054】
感光ドラム1上に形成された画像の転写ニップ部における画像比率は、レーザスキャナ等の像露光手段4により像露光処理がなされる以前に、計測、もしくは、算出しておかなければならないが、その手段は問わない。
【0055】
このようにすることによって、感光ドラム1上に形成された画像の転写ニップ部における画像比率か変わっても、画像比率毎に上記のように転写ローラの対ドラム速度の設定を逐次切り替える事で、中抜けがなく、しかも画像の乱れや歪みや伸びの発生を最低限に抑えることができる。
【0056】
本実施例に於いては、転写ローラの対ドラム速度の設定を切り替えを、転写ローラ7の駆動速度を変えることにより行うこととしたが、もちろん、感光体ドラム1の駆動速度を変えることにより行うことでも、同様の効果を得ることが可能となる。
【0057】
(第2の実施例)
次に本発明の第2の実施例について説明する。
【0058】
基本的な構成は実施例1、図1、図3、図4と同様である。本実施例においては、記録材Pが転写ニップ部に到達するよりも前に、記録材Pの厚みを測定する記録材厚み検知装置が設置され、記録材Pの厚みを検知することが可能となっている画像形成装置、もしくは、利用者によって記録材Pの厚みを入力することが可能な画像形成装置に関する。
【0059】
なぜなら、記録材Pの厚みにより、転写ニップ部での記録材Pの搬送速度が変わるからである。先の実施例1と同様に、様々な厚みの記録材の記録材搬送速度を画像比率に対して調べ、様々な厚みの記録材の対ドラム速度が常にほぼ103%となるような転写ローラの対ドラム速度の設定は以下の表3のようになった。
【0060】
【表3】
【0061】
紙の坪量は、紙の厚みに比例するので、上記データは、記録材の厚みに対してのデータとみなすことが出来る。
【0062】
以上のことより、記録材Pが転写ニップ部に到達するよりも前に、記録材Pの厚みを測定する記録材厚み検知装置による記録材の厚み情報、もしくは、利用者によって入力された記録材Pの厚み情報によって、紙の坪量を、58g/m2以下、58〜72g/m2、72〜104g/m2、104g/m2以上、という4つのパターンの内どれに該当するのかを判断し、それにより転写ローラの対ドラム速度の設定行なうというのが、本実施例である。
【0063】
これは1例に過ぎず、もっと細かく、或いは関係式を求めそれに基づいて速度変更をするようにしても良い。
【0064】
このようにすることによって、画像比率が変わっても、記録材Pの厚みが変わっても、画像比率毎に上記のように転写ローラの対ドラム速度の設定を切り替える事で、中抜けがなく、しかも画像の乱れや歪みや伸びの発生を最低限に抑えることができる。
【0065】
(第3の実施例)
次に本発明の第3の実施例について説明する。
【0066】
基本的な構成は実施例1、図1、図3、図4と同様である。本実施例においては、画像形成装置の置かれる周辺環境の湿度を検知する湿度検知手段を有した画像形成装置に関する。
【0067】
なぜなら、画像形成装置の置かれる周辺環境の湿度より、転写ローラ7と記録材Pの摩擦係数が変わることで転写ニップ部での記録材Pの搬送速度が変わるからである。先の実施例1と同様に、様々な周辺環境湿度毎の記録材搬送速度を画像比率に対して調べ、周辺環境湿度毎の記録材の対ドラム速度が常にほぼ103%となるような転写ローラの対ドラム速度の設定は、以下の表4のようになった。
【0068】
【表4】
【0069】
以上のことより、周辺環境の湿度を検知する湿度検知手段似より検知された周辺環境湿度によって、40%以下、40〜70%、70%以上、という3つのパターンの内どれに該当するのかを判断し、それにより転写ローラの対ドラム速度の設定行なうというのが、本実施例である。
【0070】
これは1例に過ぎず、もっと細かく、或いは関係式を求めそれに基づいて速度変更をするようにしても良い。
【0071】
このようにすることによって、画像比率が変わっても、画像形成装置の置かれる湿度環境が変わっても、画像比率毎に上記のように転写ローラの対ドラム速度の設定を切り替える事で、中抜けがなく、しかも画像の乱れや歪みや伸びの発生を最低限に抑えることができる。
【0072】
以上説明した第1〜第3の実施例においては、電子写真方式の画像形成装置を説明したが、本発明に係る画像形成装置は、これに限定されるものではなく、接触帯電式の転写装置7を使用する画像形成装置であればいずれの形式の画像形成装置であっても、同様の効果を期待することができる。
【0073】
(第4の実施例)
次に本発明の第4の実施例について説明する。
【0074】
基本的な構成は実施例1、図1に近いが、記録材Pの搬送を兼ねた無端ベルト状転写搬送部材(転写ベルト)11aを用いた場合は、図5のようになる。そしてその特性においても、多少の違いはあるもののほぼ図3、図4と同様である。
【0075】
また、その構造は、無端ベルト11aの内側に2つ以上の支持駆動ローラ11bを配し、その支持駆動ローラ11bにより無端ベルト11aを記録材搬送方向に駆動し、無端ベルト11aの任意の位置に於いて感光ドラム1を当接させ、その当接位置の無端ベルト11aを挟んだ反対側(無端ベルトの内側)にバイアス印加手段として、本実施例では実施例1と同様な転写ローラ7を設け、転写用のバイアス電圧を印加することにより、感光ドラム1上のトナー像を無端ベルト11aにより搬送してきた記録材Pに転写する。以上のような構造であるが、記録材Pの搬送と転写ローラ7の両方の役割を1つのもので機能させているものであり、転写手段とその傾向に関しては、実施例1と同様であり、実施例1の構成をそのまま応用できる。つまり、設定する転写ローラ7の速度の所を、転写ベルトの駆動速度とすれば良いのである。そのようにして、記録材Pの対ドラム速度が常にほぼ103%となるような転写ベルトの対ドラム速度を設定すれば良いのである。
【0076】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、トナー像の転写に際し、画像比率に応じて、像担持体の外周面移動速度と転写ローラの外周面移動速度の差を変化させること、それはつまり、像担持体の外周面移動速度と記録材の搬送速度との速度差を制御することによって、画像の乱れや歪みや伸びの発生を最低限に抑え、中抜けを有効に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像比率に応じて、転写ローラの対ドラム速度を変更する手段を備えた実施例1の画像形成装置の概略断面図である。
【図2】一般的な画像形成装置の基本構成を示した側面断面図である。
【図3】転写ローラの対ドラム速度毎の、画像比率と記録材の対ドラム速度(画像伸縮率)との関係を示す図である。
【図4】画像比率毎の、転写ローラの対ドラム速度と記録材の対ドラム速度(画像伸縮率)との関係を示す図である。
【図5】画像比率に応じて、転写ベルトの対ドラム速度を変更する手段を備えた実施例4の画像形成装置の概略断面図である。
【符号の説明】
1 感光ドラム
2 帯電ローラ
3 帯電バイアス用電源
5 現像装置
5a 現像スリーブ
5b 現像マグネット
5c 現像容器
6 現像バイアス用電源
7 転写ローラ(転写装置)
8 転写バイアス用電源
9 クリーナ
10 除電ランプ(電源、除電器)
11a 転写ベルト
11b 転写ベルト駆動ローラ
T トナー(現像剤)
P 転写材
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、レーザビームプリンタ等の画像形成装置に係り、詳しくは、像担持体上に現像剤(トナー)により形成された可視画像(トナー像)を記録材表面に転写するための転写装置として、記録材の裏面に接触して電荷を付与する接触帯電式の転写装置を用いた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば電子写真方式の画像形成装置や静電記録方式の画像形成装置においては、感光体や誘電体等の像担持体上に現像剤(トナー)により形成された可視画像(トナー像)を紙等の記録材に転写する転写手段として、コロナ放電を利用した転写装置(コロナ帯電器)が広く使用されている。
【0003】
このようなコロナ転写装置は、記録材に接触することなく非接触状態で、この記録材に対して所定の電荷を付与し、像担持体上のトナー像を記録材に転写する転写手段として有効である。しかしながら、コロナ放電を生じされるためにかなりの高電圧を印加しなければならず、このため高圧電源が必要となり、またコロナ放電時にオゾンが発生する等の問題を有している。
【0004】
このため、近年では比較的低い電圧を印加すればよい接触帯電式の転写手段を使用した画像形成装置が開発されている。この接触帯電式の転写手段は、一般に、記録材の裏面に当接する導電ローラ、導電ブラシ等の帯電部材を備え、この帯電部材に比較的低い転写用のバイアス電圧を印加することにより、像担持体上のトナー像を記録材に転写するものである。このように接触帯電式の転写手段は低電圧を印加すればよいので電源が小型、軽量、低コスト化でき、またオゾンの発生量も少ない等の長所があり、大いに注目されている。
【0005】
また更に、記録材の搬送を兼ねた無端ベルト状転写搬送部材(転写ベルト)も開発実現されてきている。その構造は、無端ベルトの内側に2つ以上の支持駆動ローラを配し、その支持駆動ローラにより無端ベルトを記録材搬送方向に駆動し、無端ベルトの任意の位置に於いて像担持体を当接させ、その当接位置の無端ベルトを挟んだ反対側(無端ベルトの内側)にバイアス印加手段を設け、転写用のバイアス電圧を印加することにより、像担持体上のトナー像を無端ベルトにより搬送してきた記録材に転写すると言うものである。この構造はローラを用いるものよりも高速化が可能であり、大いに注目されている。
【0006】
図2に、像担持体を均一に帯電するための一次帯電装置と、像担持体上のトナー像(可視画像)を記録材に転写するための転写装置とに、それぞれ接触帯電式の帯電装置及び転写装置を用いた電子写真方式の画像形成装置の一例を示す。
【0007】
この画像形成装置は、矢印R1方向に回転駆動される感光ドラム(像担持体)1を備えている。感光ドラム1の周囲には、その回転方向に沿って順に、感光ドラム1表面を均一に帯電する一次帯電装置2、感光ドラム1上に画像情報に応じた静電潜像を形成する露光手段3、この静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成する現像装置5、感光ドラム1上のトナー像を記録材Pに転写するためのローラ形式の接触帯電式の転写装置6、トナー像転写後の感光ドラム1上の残留トナーを除去するクリーナ9、感光ドラム1表面を初期化する除電器(ランプ)10等が配設されている。
【0008】
上述の感光ドラム1は、アルミニウム、鉄等からなる導電性基体層1bと、その外周面を被覆する例えば有機光導電体からなる光導電層1aとを基本構成層とするドラム型の電子写真感光体であり、その支軸1cを中心に同図矢印R1方向に所定の周速度をもって回転駆動される。なお、導電性基体層1bは接地されている。
【0009】
また、接触帯電式の一次帯電装置2は、芯金となる金属ローラ等の導電体ローラ2cと、その外周面に形成した導電層2bと、さらにその外周面に形成した抵抗層2a1、2a2とから構成されている。一次帯電装置2は、その両端部を図示しない軸受部にて回転自在に軸支されるとともに感光ドラム1と平行に配置され、図示しないスプリング等の押圧手段によって感光ドラム1方向に所定の押圧力で押圧されている。これにより、最外層の抵抗層2a1が感光ドラム1に圧接され、一次帯電装置2全体は、感光ドラム1の矢印R1方向の回転に伴って矢印R2方向に従動回転するようになっている。さらに一次帯電装置2の導電体ローラ2cには、電気接触子10aが接触されており、この電気接触子10aを介して電源10から所定の直流バイアス電圧が印加されている。一次帯電装置2は、この電圧の印加と前述の矢印R2方向の従動回転とによって、感光ドラム1表面を所定の極性、所定の電位に均一に接触帯電するようになっている。なお、接触帯電式の帯電装置2は、導電体ローラ2cにギヤを取り付け、モータ等の駆動手段により強制駆動するようにしてもよい。
【0010】
また、転写装置7は、芯金となる金属ローラ等の導電体ローラ6aと、その外周面に形成した円筒状の導電層6bとから構成されている。転写装置7は、導電体ローラ6aの両端部を図示しない軸受部材にて回転自在に軸支されるとともに、感光ドラム1と平行に配置され、不図示のスプリング等の押圧手段によって感光ドラム1方向に所定の押圧力で押圧されている。これにより、転写装置7は、外側の導電層6bが感光ドラム1に圧接されて感光ドラム1との間に、記録材Pを挟持搬送する転写ニップ部Nを形成し、記録材Pがこの転写ニップ部Nに給紙された際に、導電層6bが記録材Pの裏面に接触し、記録材Pの矢印K1方向の搬送に伴い矢印R6方向に駆動回転するようになっている。さらに転写装置7の導電体ローラ6aには電源8が接続されており、転写装置7は、この電源8によって所定のバイアス電圧が印加され、記録材Pの裏面にトナーと逆極性の電荷を直接付与することによって、感光ドラム1上のトナー像を記録材P表面に転写するようになっている。
【0011】
また最近は、はじめの1枚目のプリント画像終了までの時間を短縮する為に、記録材の移動距離を短くした短パス系の画像形成装置が多く開発、発売されてきている。そのような装置においては、図6のドラムを中心とした画像形成部分が、ドラムを中心に右回りに90度程度回転したような構成を取るものもあるが、基本的な構成は同じであり、以下に書かれている画像形成プロセスも変わりはない。
【0012】
或いは、記録材の搬送路検討の結果、様々な搬送経路を採る可能性があり、上記とは逆に装置の画像形成部分が、ドラムを中心に左回りに90度程度回転したような構成を取るものもあり得る場合もあるが、それも基本的な構成は同じである。
【0013】
次に、上述構成の画像形成装置の画像形成プロセスについて簡単に説明する。感光ドラム1表面は、接触帯電式の一次帯電装置2によって均一に帯電された後、例えばレーザスキャナ、スリット露光手段等の露光手段3からの画像情報に応じた走査光により露光を受け、静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像装置5の現像容器5b内に収納され現像スリーブ5a表面に層状に担持されたトナーによって現像され、トナー像となる。感光ドラム1上のトナー像は、不図示の給紙機構によって感光ドラム1と転写装置7との間の転写ニップ部Nに供給された記録材Pの表面に、転写装置7の作用によって転写される。その後記録材Pは、感光ドラム1c一方、感光ドラム1は、そのまま回転を続け、表面に付着している残留トナー等の付着物がクリーナ9によって除去され、さらに除電器10によって除電されて初期化され、次の画像形成プロセスに備える。
【0014】
また不図示の多色画像形成プロセスにおいては、複数の現像装置により現像された複数の感光ドラム上のトナー像を一時的に中間転写体上に1次転写し、その後、中間転写体と2次転写装置との間の転写ニップ部に供給された記録材の表面に、2次転写装置の作用によって転写される。その後は上記と同様に、感光ドラム上および中間転写体上が、クリーナ9によって残留トナー等の付着物を除去し、さらに除電器によって除電されて初期化され、次の画像形成プロセスに備える。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の従来の技術によると、トナー像転写後の記録材P上に、中抜けと称される、トナーがほとんど転写されない部分が生ずることがあった。このような現象は、はがき等のように記録材Pの厚さdが厚い場合、記録材Pの剛性が高い(腰が強い)場合等に生起しがちとなる。これは、これらの記録材Pは転写時に感光ドラム1と転写装置7との間の転写ニップ部で強く押圧されるため、本来は転写装置7の電界の作用で記録材P側に引き寄せられるべきトナーが感光ドラム1と記録材P表面との間で機械的に押し固められ、記録材P上に転写されないで感光ドラム1上に残留してしまうために発生するものである。
【0016】
従来、この中抜けを防止するための方策の一つとして、感光ドラム1上のトナー像を記録材Pに転写する際、感光ドラム1表面の周速度と記録材Pの搬送速度とを変化させる方法が用いられている。このように両者の周速度と搬送速度との差(以下「周速差」という。)を設けることによって、感光ドラム1側に固着しがちなトナーに対し、このトナーを感光ドラム1表面から引き剥すような剪断力を付与するものである。すなわち、記録材Pに対するトナー像の転写時に、トナー像を記録材Pに垂直な方向から押し付けるだけでなく、少し横方向(水平方向)の力を与えて、トナー像を記録材P上に擦り付けるようにして、トナー像が記録材P上によく転写するようにするような対策が採られてきた。
【0017】
ところで、画像比率により、感光ドラム1上のトナー量に違いがあり、その違いが感光ドラム1と転写装置7との間の転写ニップ部での押圧力に差を生じさせていた。転写ニップ部での押圧力はそのまま記録材Pの搬送力に繋がるので、転写ニップ部での押圧力差は、記録材Pの搬送速度にも差を生じ、画像の歪みを生じさせていた。つまり、転写ニップ部における画像比率により記録材Pの搬送速度差を生じ、画像の歪みを起こす場合があった。
【0018】
先に挙げた画像の比率による記録材Pの搬送速度差は、記録材の厚みや環境湿度の違いによっても異なることが解っている。
【0019】
(本発明の目的)
そこで本出願に係る発明の目的は、上述事情に鑑みてなされたものであり、導電ローラ等の帯電部材を備えた接触帯電式の転写手段を使用した画像形成装置において、画像の比率の違いにより生じる記録材Pの搬送力差、そして、それによる画像の歪みを低下を最小限に抑えながら、しかも中抜けを防止するようにした画像形成装置を提供することを目的とするものである。また記録材の厚みや環境湿度の違いなどの状況差のある状態に於いても上記問題を抑制することが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、本発明に係る下記のような構成を特徴としている画像形成装置にて達成される。
【0021】
本出願に係る第1の発明によれば、上記目的は、像担持体と、該像担持体に形成された静電潜像を現像剤で現像する現像手段と、該像担持体に所定圧で接触させて転写ニップ部を形成し記録材を挟持搬送するとともに、該転写ニップ部にて該記録材の裏面側に転写用の電荷を付与することによって、該像担持体上に前記現像手段により形成された現像剤像を該記録材の表面側に転写を行う転写用部材と、前記像担持体の外周表面移動速度と前記転写用部材の表面移動速度の速度差(速度差0を含む)を制御することが可能な像担持体−転写用部材速度差制御手段を備えた画像形成装置において、
前記像担持体に形成された画像の該転写ニップ部における画像比率に応じて、逐次に前記像担持体の外周表面移動速度と前記転写用部材の表面移動速度の速度差を、前記像担持体−転写用部材速度差制御手段により切り替えることで達成できる。
【0022】
また、本出願に係る第2の発明によれば、上記目的は、上記第1の発明において、前記転写ニップ部における前記記録材の進行方向が、鉛直方向上向きであり、かつ、前記記録材の現像剤像が転写される側である表面側を上にした水平位置からの角度が50度以上130度以下である画像形成装置において、
前記像担持体に形成された画像の該転写ニップ部における画像比率に応じて、逐次に前記像担持体の外周表面移動速度と前記転写用部材の表面移動速度の速度差を、前記像担持体−転写用部材速度差制御手段により切り替えることで達成できる。
【0023】
また、本出願に係る第3の発明によれば、上記目的は、上記第1又は第2の発明において、制御する前記像担持体−転写用部材速度差制御手段を、前記像担持体の外周表面移動速度とすることで達成できる。
【0024】
また、本出願に係る第4の発明によれば、上記目的は、上記第1又は第2の発明において、制御する前記像担持体−転写用部材速度差制御手段を、前記転写用部材の表面移動速度とすることで達成できる。
【0025】
また、本出願に係る第5の発明によれば、上記目的は、上記第1又は第2の発明において、制御する前記像担持体−転写用部材速度差制御手段を、前記像担持体の外周表面移動速度と前記転写用部材の表面移動速度の両方の速度とすることで達成できる。
【0026】
また、本出願に係る第6の発明によれば、上記目的は、上記第1ないし第5いずれかの発明において、画像比率がより高くなる方が、前記像担持体の外周表面移動速度よりも前記転写用部材の表面移動速度の方がより早くなるように周速差制御を行うことで達成できる。
【0027】
また、本出願に係る第7の発明によれば、上記目的は、上記第1ないし第5いずれかの発明において、画像比率がより高くなる方が、前記転写用部材の表面移動速度よりも前記像担持体の外周表面移動速度の方がより早くなるように周速差制御を行うことで達成できる。
【0028】
また、本出願に係る第8の発明によれば、上記目的は、上記第1ないし第7いずれかの発明において、前記記録材の厚み情報を検知もしくは入力することが可能な手段を有する画像形成装置において、前記記録材の厚みに応じて、前記像担持体の外周表面移動速度と前記転写用部材の表面移動速度の速度差を、前記像担持体−転写用部材速度差制御手段により切り替えることで達成できる。
【0029】
また、本出願に係る第9の発明によれば、上記目的は、上記第1ないし第7いずれかの発明において、周辺環境の湿度を検知することが可能な湿度検知手段を有する画像形成装置において、前記湿度検知手段により検知された周辺環境湿度に応じて、前記像担持体の外周表面移動速度と前記転写用部材の表面移動速度の速度差を、前記像担持体−転写用部材速度差制御手段により切り替えることで達成できる。
【0030】
また、本出願に係る第10の発明によれば、上記目的は、上記第1ないし第9いずれかの発明において、前記転写用部材にローラ状回転転写部材(転写ローラ)を用いることで達成できる。
【0031】
また、本出願に係る第11の発明によれば、上記目的は、上記第1ないし第9いずれかの発明において、前記転写用部材に内側にバイアス印加手段を設けた無端ベルト状転写部材(転写ベルト)を用いることで達成できる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、図面に沿って、本発明の実施例について説明する。
【0033】
(第1の実施例)
以下に図1、図3、図4を参照してこの発明の実施の形態を説明する。
【0034】
図1は、一実施例の画像形成装置の概略図である。本例の画像形成装置は、電子写真プロセス利用の転写式のレーザビームプリンタもしくは複写機であり、本例に於いては、後述のように、像担持体を帯電するための一次帯電装置、及び像担持体上のトナー像を記録材に転写するための転写装置は、いずれも接触帯電式のものを使用している。
【0035】
1は、静電潜像担持体としてのドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラムと称す)であり、アルミニウム等の導電性基体1bと、その外周に形成された光導電層1aを基本構成としている。また、不図示の画像形成装置本体(以下単に「装置本体」という。)によって回動自在に支持され、矢印mの時計方向に所定のプロセススピードをもって回転駆動される。感光ドラム1は、その回転過程で一次帯電装置2より所定の極性、電位に均一に帯電される。本例では、感光ドラム1をマイナスに帯電処理する。
【0036】
本例の一次帯電装置は接触帯電方式で、感光ドラム1表面に接してこの表面を所定の極性、電位に一様均一に帯電するものであり、全体としてローラ状に構成されている(以下「帯電ローラ2」という)。帯電ローラ2は、中心に配置された導電体ローラ(芯金)と、その外周に形成された導電層と、さらにその外周に形成された抵抗層とからなり、芯金の両端部が不図示の軸受部材によって回転自在に支持されるとともに、感光ドラム1に対して平行に配置されている。これら両端部の軸受部材は不図示の押圧手段によって感光ドラム1向けて付勢されており、これにより、帯電ローラ2表面の抵抗層は、感光ドラム1表面に所定の押圧力を持って圧接されている。帯電ローラ2は、感光ドラム1の回転に伴い従動回転する。そして、その帯電ローラ2に、電源3から所定の交流電圧に所定の直流電圧を重畳したバイアス電圧を印加することで、感光ドラム1の外周表面を所定の極性、電位に帯電処理している。
【0037】
次いで、その帯電処理面に対して、レーザスキャナ等の像露光手段4により目的の画像情報の像露光処理がなされて、感光ドラム1表面に目的の画像情報の静電潜像が形成される。
【0038】
その静電潜像が、現像装置5の現像スリーブ5aに薄層状に担持されたトナーTによって、現像されて可視画像(トナー画像)となる。本実施例における現像スリーブ5aは、内部にトナー保持力を高める現像マグネット5bを有する。表面に所定の厚さで塗布され現像スリーブ5aは、電源6より所定のバイアス電圧(直流電圧に交流電圧を重畳。以後現像バイアスと称する。)を印加され、矢印n方向の回転によって担持され、感光ドラム1表面に対向する現像位置において、トナーが現像スリーブ5aから感光ドラム1上に転移し、感光ドラム1上の静電潜像に付着されるようになっている。トナーTが供給される。なお、トナーは所定の極性に帯電されている。本例においては、マイナスに帯電したトナーT(ネガトナー)を用い、反転現像を行う。
【0039】
そのトナー画像が、感光ドラム1とこれに接触させた転写部材7との間の接触ニップ部である転写部において、該転写部に給紙部側から所定のタイミングで給送された転写材Pに対して順次に転写されていく。
【0040】
本例の転写部材は接触帯電方式の転写ローラ7であり、感光ドラム1に圧接させてあり、付図示の駆動装置により、駆動回転する。
【0041】
転写ローラ7は、電源8に接続された導電体ローラ(芯金)と、その外周面に円筒状に形成された導電層とによって構成されている。転写ローラ7は、感光ドラム1に平行に配置されるとともに、芯金の両端部が不図示の軸受部材によって矢印R6方向に回転自在に支持されている。この軸受部材は不図示のスプリング等の押圧部材によって感光ドラム1に向けて付勢されており、これにより転写ローラ7は、感光ドラム1表面に圧接され、感光ドラム1と転写ローラ7との間には転写ニップ部が形成される。転写ニップ部には、不図示の給紙機構によって搬送された記録材Pが、感光ドラム1の回転と同期をとって供給される。
【0042】
転写ニップ部に転写材Pの先端が突入すると、記録材Pは転写ニップ部にて挟持搬送され、転写ローラ7に電源8からの所定の転写用のバイアスが印加され、転写ローラ7が接触している転写材P裏面がトナーTと逆極性に接触帯電式で帯電されて、感光ドラム1のトナー画像が転写材Pの表面に転写される。
【0043】
転写部を通ってトナー画像の転写を受けた転写材Pは、感光ドラム1の表面から分離されて不図示の像定着手段に送られ、転写トナー画像が転写材P上に永久固着画像として定着され、プリントあるいはコピーとして機外へ排出される。または多重複写、両面複写の場合には最搬送手段を介して、再度、感光ドラム1をはじめとする画像形成部に送られる。
【0044】
像転写後の感光ドラム1は、クリーナ9によって残留トナー等の付着物が除去され、さらに除電器10により除電された後、次の画像形成プロセスに供される。
【0045】
上述の構成において、転写ローラ7の導電層として、その抵抗値が105〜1015Ω・cm程度になるように、単泡性あるいは連泡性のEPDM、SBR、BR等をローラ径14mm、長さ320mm程度に加工したものを用いた。
【0046】
さらに感光ドラム1から記録材Pへトナー像を転写する際の中抜けを防止するために、感光ドラム1の駆動系とは、独立させて転写ローラ7の駆動系を設置した。そして、例えば、記録材Pとしてはがきを用い、このはがきにトナー像を転写する際、感光ドラム1の外周面移動速度v1(cm/s)が、転写ローラ7の外周面移動速度v2(cm/s)よりも遅くなるように設定し、これにより、記録材Pの搬送速度v3(cm/s)が、感光ドラム1の外周面移動速度v1(cm/s)よりも3%早くなるようにした(V3/V1=1.03)。この結果、中抜けは、防止することができたが、今度は、画像の乱れや歪みが発生した。それはつまり、トナーが多く現像される画像部分が、トナーの厚みにより押圧力が高まり、記録材Pの搬送力がアップすることで、伸びるなどの問題が発生し易くなった。
【0047】
つまり、感光ドラム1上に形成された画像の転写ニップ部における画像比率に応じて、逐次に適切な記録材搬送速度に設定する必要がある。
【0048】
そこで、画像の乱れや歪みなどの画質の低下を防止するために、画像比率に応じて最適な速度で記録材Pを搬送させなければならない。以下の表1に画像比率に対する画像の伸縮率の結果を挙げた。また、そのグラフを図3に挙げておく。グラフ上のそれぞれの曲線は、以下の結果より2次元で近似して得られた曲線であり、その近似式をグラフ内に記入してある。
【0049】
【表1】
【0050】
今回用いた系に於いては、記録材Pの搬送速度v3(cm/s)が、感光ドラム1の外周面移動速度v1(cm/s)よりも3%早くする(V3/V1=1.03)ことで、転写中抜け対策として最も効果があることが解っていた為、画像比率が変わっても上記V3/V1の値がほぼ103%になるように設定することで、画像の乱れや歪みや伸びの発生を押える事が可能となる訳である。本実施例に於いては、転写ローラの対ドラム速度の設定を切り替えは、転写ローラ7の駆動速度を変えることにより行う。
【0051】
故に、図3のグラフを画像比率毎のデータに焼き直し、記録材Pの対ドラム速度が常にほぼ103%となるよう転写ローラ7の対ドラム速度を、逐次、設定すれば良いのである。図3の焼き直しデータを図4に表す。そして、記録材Pの対ドラム速度が常にほぼ103%となるような転写ローラの対ドラム速度の設定は以下のようにすれば良い。
【0052】
【表2】
【0053】
これは1例に過ぎず、もっと細かく、或いは関係式を求めそれに基づいて速度変更をするようにしても良い。もちろん、細かく、或いは関係式に基づいて速度変更をする方が、画質の低下が少なくて済むのは言うまでもない。
【0054】
感光ドラム1上に形成された画像の転写ニップ部における画像比率は、レーザスキャナ等の像露光手段4により像露光処理がなされる以前に、計測、もしくは、算出しておかなければならないが、その手段は問わない。
【0055】
このようにすることによって、感光ドラム1上に形成された画像の転写ニップ部における画像比率か変わっても、画像比率毎に上記のように転写ローラの対ドラム速度の設定を逐次切り替える事で、中抜けがなく、しかも画像の乱れや歪みや伸びの発生を最低限に抑えることができる。
【0056】
本実施例に於いては、転写ローラの対ドラム速度の設定を切り替えを、転写ローラ7の駆動速度を変えることにより行うこととしたが、もちろん、感光体ドラム1の駆動速度を変えることにより行うことでも、同様の効果を得ることが可能となる。
【0057】
(第2の実施例)
次に本発明の第2の実施例について説明する。
【0058】
基本的な構成は実施例1、図1、図3、図4と同様である。本実施例においては、記録材Pが転写ニップ部に到達するよりも前に、記録材Pの厚みを測定する記録材厚み検知装置が設置され、記録材Pの厚みを検知することが可能となっている画像形成装置、もしくは、利用者によって記録材Pの厚みを入力することが可能な画像形成装置に関する。
【0059】
なぜなら、記録材Pの厚みにより、転写ニップ部での記録材Pの搬送速度が変わるからである。先の実施例1と同様に、様々な厚みの記録材の記録材搬送速度を画像比率に対して調べ、様々な厚みの記録材の対ドラム速度が常にほぼ103%となるような転写ローラの対ドラム速度の設定は以下の表3のようになった。
【0060】
【表3】
【0061】
紙の坪量は、紙の厚みに比例するので、上記データは、記録材の厚みに対してのデータとみなすことが出来る。
【0062】
以上のことより、記録材Pが転写ニップ部に到達するよりも前に、記録材Pの厚みを測定する記録材厚み検知装置による記録材の厚み情報、もしくは、利用者によって入力された記録材Pの厚み情報によって、紙の坪量を、58g/m2以下、58〜72g/m2、72〜104g/m2、104g/m2以上、という4つのパターンの内どれに該当するのかを判断し、それにより転写ローラの対ドラム速度の設定行なうというのが、本実施例である。
【0063】
これは1例に過ぎず、もっと細かく、或いは関係式を求めそれに基づいて速度変更をするようにしても良い。
【0064】
このようにすることによって、画像比率が変わっても、記録材Pの厚みが変わっても、画像比率毎に上記のように転写ローラの対ドラム速度の設定を切り替える事で、中抜けがなく、しかも画像の乱れや歪みや伸びの発生を最低限に抑えることができる。
【0065】
(第3の実施例)
次に本発明の第3の実施例について説明する。
【0066】
基本的な構成は実施例1、図1、図3、図4と同様である。本実施例においては、画像形成装置の置かれる周辺環境の湿度を検知する湿度検知手段を有した画像形成装置に関する。
【0067】
なぜなら、画像形成装置の置かれる周辺環境の湿度より、転写ローラ7と記録材Pの摩擦係数が変わることで転写ニップ部での記録材Pの搬送速度が変わるからである。先の実施例1と同様に、様々な周辺環境湿度毎の記録材搬送速度を画像比率に対して調べ、周辺環境湿度毎の記録材の対ドラム速度が常にほぼ103%となるような転写ローラの対ドラム速度の設定は、以下の表4のようになった。
【0068】
【表4】
【0069】
以上のことより、周辺環境の湿度を検知する湿度検知手段似より検知された周辺環境湿度によって、40%以下、40〜70%、70%以上、という3つのパターンの内どれに該当するのかを判断し、それにより転写ローラの対ドラム速度の設定行なうというのが、本実施例である。
【0070】
これは1例に過ぎず、もっと細かく、或いは関係式を求めそれに基づいて速度変更をするようにしても良い。
【0071】
このようにすることによって、画像比率が変わっても、画像形成装置の置かれる湿度環境が変わっても、画像比率毎に上記のように転写ローラの対ドラム速度の設定を切り替える事で、中抜けがなく、しかも画像の乱れや歪みや伸びの発生を最低限に抑えることができる。
【0072】
以上説明した第1〜第3の実施例においては、電子写真方式の画像形成装置を説明したが、本発明に係る画像形成装置は、これに限定されるものではなく、接触帯電式の転写装置7を使用する画像形成装置であればいずれの形式の画像形成装置であっても、同様の効果を期待することができる。
【0073】
(第4の実施例)
次に本発明の第4の実施例について説明する。
【0074】
基本的な構成は実施例1、図1に近いが、記録材Pの搬送を兼ねた無端ベルト状転写搬送部材(転写ベルト)11aを用いた場合は、図5のようになる。そしてその特性においても、多少の違いはあるもののほぼ図3、図4と同様である。
【0075】
また、その構造は、無端ベルト11aの内側に2つ以上の支持駆動ローラ11bを配し、その支持駆動ローラ11bにより無端ベルト11aを記録材搬送方向に駆動し、無端ベルト11aの任意の位置に於いて感光ドラム1を当接させ、その当接位置の無端ベルト11aを挟んだ反対側(無端ベルトの内側)にバイアス印加手段として、本実施例では実施例1と同様な転写ローラ7を設け、転写用のバイアス電圧を印加することにより、感光ドラム1上のトナー像を無端ベルト11aにより搬送してきた記録材Pに転写する。以上のような構造であるが、記録材Pの搬送と転写ローラ7の両方の役割を1つのもので機能させているものであり、転写手段とその傾向に関しては、実施例1と同様であり、実施例1の構成をそのまま応用できる。つまり、設定する転写ローラ7の速度の所を、転写ベルトの駆動速度とすれば良いのである。そのようにして、記録材Pの対ドラム速度が常にほぼ103%となるような転写ベルトの対ドラム速度を設定すれば良いのである。
【0076】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、トナー像の転写に際し、画像比率に応じて、像担持体の外周面移動速度と転写ローラの外周面移動速度の差を変化させること、それはつまり、像担持体の外周面移動速度と記録材の搬送速度との速度差を制御することによって、画像の乱れや歪みや伸びの発生を最低限に抑え、中抜けを有効に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像比率に応じて、転写ローラの対ドラム速度を変更する手段を備えた実施例1の画像形成装置の概略断面図である。
【図2】一般的な画像形成装置の基本構成を示した側面断面図である。
【図3】転写ローラの対ドラム速度毎の、画像比率と記録材の対ドラム速度(画像伸縮率)との関係を示す図である。
【図4】画像比率毎の、転写ローラの対ドラム速度と記録材の対ドラム速度(画像伸縮率)との関係を示す図である。
【図5】画像比率に応じて、転写ベルトの対ドラム速度を変更する手段を備えた実施例4の画像形成装置の概略断面図である。
【符号の説明】
1 感光ドラム
2 帯電ローラ
3 帯電バイアス用電源
5 現像装置
5a 現像スリーブ
5b 現像マグネット
5c 現像容器
6 現像バイアス用電源
7 転写ローラ(転写装置)
8 転写バイアス用電源
9 クリーナ
10 除電ランプ(電源、除電器)
11a 転写ベルト
11b 転写ベルト駆動ローラ
T トナー(現像剤)
P 転写材
Claims (11)
- 像担持体と、該像担持体に形成された静電潜像を現像剤で現像する現像手段と、該像担持体に所定圧で接触させて転写ニップ部を形成し記録材を挟持搬送するとともに、該転写ニップ部にて該記録材の裏面側に転写用の電荷を付与することによって、該像担持体上に前記現像手段により形成された現像剤像を該記録材の表面側に転写を行う転写用部材と、前記像担持体の外周表面移動速度と前記転写用部材の表面移動速度の速度差(速度差0を含む)を制御することが可能な像担持体−転写用部材速度差制御手段を備えた画像形成装置において、
前記像担持体に形成された画像の該転写ニップ部における画像比率に応じて、逐次に前記像担持体の外周表面移動速度と前記転写用部材の表面移動速度の速度差を、前記像担持体−転写用部材速度差制御手段により切り替えることを特徴とする画像形成装置。 - 前記転写ニップ部における前記記録材の進行方向が、鉛直方向上向きであり、かつ、前記記録材の現像剤像が転写される側である表面側を上にした水平位置からの角度が50度以上130度以下である画像形成装置において、
前記像担持体に形成された画像の該転写ニップ部における画像比率に応じて、逐次に前記像担持体の外周表面移動速度と前記転写用部材の表面移動速度の速度差を、前記像担持体−転写用部材速度差制御手段により切り替えることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。 - 前記像担持体−転写用部材速度差制御手段により制御されるのが、前記像担持体の外周表面移動速度であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の画像形成装置。
- 前記像担持体−転写用部材速度差制御手段により制御されるのが、前記転写用部材の表面移動速度であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の画像形成装置。
- 前記像担持体−転写用部材速度差制御手段により制御されるのが、前記像担持体の外周表面移動速度と前記転写用部材の表面移動速度の両方の速度であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の画像形成装置。
- 画像比率がより高くなる方が、前記像担持体の外周表面移動速度よりも前記転写用部材の表面移動速度の方がより早くなるように周速差制御を行うことを特徴とする請求項1ないし請求項5いずれか記載の画像形成装置。
- 画像比率がより高くなる方が、前記転写用部材の表面移動速度よりも前記像担持体の外周表面移動速度の方がより早くなるように周速差制御を行うことを特徴とする請求項1ないし請求項5いずれか記載の画像形成装置。
- 前記記録材の厚み情報を検知もしくは入力することが可能な手段を有する画像形成装置において、前記記録材の厚みに応じて、前記像担持体の外周表面移動速度と前記転写用部材の表面移動速度の速度差を、前記像担持体−転写用部材速度差制御手段により切り替えることを特徴とする請求項1ないし請求項7いずれか記載の画像形成装置。
- 周辺環境の湿度を検知することが可能な湿度検知手段を有する画像形成装置において、前記湿度検知手段により検知された周辺環境湿度に応じて、前記像担持体の外周表面移動速度と前記転写用部材の表面移動速度の速度差を、前記像担持体−転写用部材速度差制御手段により切り替えることを特徴とする請求項1ないし請求項7いずれか記載の画像形成装置。
- 前記転写用部材がローラ状回転転写部材(転写ローラ)であることを特徴とする請求項1ないし請求項9いずれか記載の画像形成装置。
- 前記転写用部材が内側にバイアス印加手段を設けた無端ベルト状転写搬送部材(転写ベルト)であることを特徴とする請求項1ないし請求項9いずれか記載の画像形成装置。
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CN100527013C (zh) * | 2005-11-03 | 2009-08-12 | 三星电子株式会社 | 图像转印单元、电子照相成像装置以及电子照相成像方法 |
JP2011257637A (ja) * | 2010-06-10 | 2011-12-22 | Canon Inc | 画像形成装置 |
US8295736B2 (en) | 2009-01-19 | 2012-10-23 | Ricoh Company, Limited | Image forming apparatus |
-
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- 2003-01-17 JP JP2003009228A patent/JP2004219873A/ja not_active Withdrawn
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