JP4322366B2 - テープカートリッジ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は磁気記録再生装置に用いられる1リールタイプのテープカートリッジに関し、さらに詳しくはこの種のテープカートリッジにおけるテープリーダー部材の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、1リールタイプのテープカートリッジはコンピュータ用のバックアップ等のデータ記憶用に広く使用されている。1リールタイプのテープカートリッジでは、磁気テープの先端に取り付けたリーダーテープ又はリーダー部材を、磁気記録再生装置又はドライブに設けたテープ引き込み部材により引き出し、次いで装置内のテープ走行経路に沿ってテープを掛け通し、テープ端部を装置内に常駐している他のリールのハブに固定するようになっている。テープの記憶あるいは再生動作の終了時にはテープは逆の方向に駆動されてカートリッジ内に巻き込まれ、最後にリーダーテープがカートリッジの所定位置に戻る。
【0003】
従来の1リールタイプのテープカートリッジにおけるリーダー部材の代表的なものには、テープの先端に、装置側のテープ引き込み部材が掴むピン、ブロック等を取り付けたもの(特開昭58−169380号等)と、テープの先端に比較的腰の強い弾性のあるリーダーテープの先端に係止開口を設け、装置側の比較的腰の強い弾性のある引き込み部材の鈎状部材をこの係止開口に係止させて引き出すようにしたもの(特開昭62−502641号)がある。
【0004】
図4は特開昭62−502641号の技術を利用した1リールタイプのテープカートリッジ103の分解斜視図であり、上ケース101と下ケース102とからなるカートリッジ本体内に、上フランジ104及び下フランジ105を有する単一のテープリール107を収納し、圧縮ばね108によりこのテープリール107を下ケース102の側へ常時偏倚させる。テープリール107の上フランジ104に設けたハブ(図示せず)に巻回された磁気テープ106の先端部にはリーダーテープ109がスプライシングにより接続されている。テープリール107は上フランジ104の中心部に形成された円形凹部(図示せず)内に圧入固定されるリング上にベアリング(図示せず)を有し、そのベアリングにリール回転軸(図示せず)が取り付けられることによりリール回転軸を中心として回転するようになっている。テープリール107の上フランジ104の周部には歯部114が形成され、それに対応して上ケース101の内面101aにはねじりコイルばね110及び111により歯部114の方へ常時偏倚された一対のブレーキ部材112、113の係止部115、116が歯部114に係止することによりカートリッジの不使用時にテープリールの回転を阻止している。又、不使用時には磁気テープ106がテープリール107に完全に巻かれた状態にあり、リーダーテープ109の先端に形成された係止開口が、本体103の側壁近傍に設けられた係止フック117に係止されるようになっている。又、磁気テープ106をカートリッジ本体103の外部へ引き出すための開口部125は、カートリッジ本体103に対して開閉する開閉蓋118により閉鎖された状態とされている。
【0005】
使用にあたり、このカートリッジが記録再生装置に装着されると、ブレーキ部材112、113が自動的に解除され、またテープリール107が圧縮ばね108に抗して持ち上げられ回転可能状態となる。同時に開閉蓋118は装置側の手段により開放状態とされる。
装置側に設けたテープ引き出し部材が開放部から侵入してきてリーダーテープ109の開口に係合し、上述のようにリーダーテープ109と共に磁気テープを引き出し、装置の所定走行経路に掛け通す。
【0006】
リーダーテープ109としては厚手のポリエチレンテレフタレート(PET)のような腰の強い合成樹脂製のばね材が使用され、図5のようにその先端部には記録再生装置側のテープ引き出し部材122の先端に設けたタブ121(フックを形成する)が係止する開口部125が形成されている。開口部125にはタブ121の確実な係止を行うための切り欠き部126を有し、ここにタブ121を支持する引き出し部材のネック部が嵌合するようになっている。図5は引き出し部材がカートリッジに侵入してきたときにa、b、cの順で引き出し部材122とリーダーテープ109が係止していく様子を示す。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来のタイプのテープ引き込み機構には次のような問題点がある。装置のテープ引き出し部材122は、図5のように装置内部に設けられたリールに接続されたテープ状態であり、テープカートリッジ内のリーダーテープの開口部125に係合するタブ121を有している。装置の引き出し部材122とリーダーテープ109の先端部は共にテープ体であるため、反り(カール)が発生してしまう。両者にカールが発生すると、カートリッジを装置に装着したときに装置のテープ引き出し部材122がリーダーテープ109に係合できないことがある。
【0008】
これに対して、リーダーテープを使用しないで磁気テープの先端を直接剛性のリーダー部材に結合することにより、磁気テープの引き出し及び引き込み動作を安定化させることができるが、リーダー部材の構造はPETとは異なり、若干複雑な構造を有するので、製造工程における組立に問題がある。又、このようなリーダー部材は、図7に示したように、テープ先端を巻き付けてクランプで固定するためのピン状の中央ピン部材91と、その上下に固定される一対の係合部材92−1、92−2とからなり、係合部材92−1、92−2の対向する面には、装置側の引き出し部材のピン又はフックが係合する鏡面対称な形状の係合凹部94−1、94−2が形成される。中央ピン部材91は金属製の円柱形部材であり、樹脂製の係合部材92−1、92−2の端部に形成された嵌合孔に差し込まれて固定される。
【0009】
ところが、このような構造では中央ピン部材91には磁気テープの固定位置を規制する手段がないため、磁気テープとテープクランプとの相対位置にばらつきが生じ、磁気テープの走行特性に悪影響が生じ、テープカートリッジの動作の安定性を損なうことがある。また、中央ピン部材91の係合部材92への嵌合の程度にばらつきが生じ、係合部材92−1、92−2の間隔が一定にならないのでテープ引き出し部材との相互寸法関係が一定にならず動作不良の問題を生じる。本発明はこのような安定化した剛性のリーダー部材において、精度を高め、同時に製造工程を単純化するのに適した構造を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明のカートリッジは、ケース本体内に磁気テープを巻装した1つのテープリールが回転可能に収容され、該テープの先端がリーダー部材に固定されて、ケース本体に設けた開口から、装置の係合用先端を有するテープ引き出し部材によって引き出されるテープカートリッジにおいて、リーダー部材はテープが巻き付けられる中央ピン部材と、その上下端に取り付けられ装置のテープ引き出し部材と係合する一対の係合部材と、前記中央ピン部材にテープを固定するクランプ部材とからなり、前記中央ピン部材の両端部には磁気テープの位置決め用の径大部が形成されていることを特徴とする。これによれば、磁気テープの位置規制が可能となり、磁気テープをテープリーダー部材の所定位置に正しく固定することが可能となり、適正な動作が可能となる。
【0011】
好ましい形態では、中央ピン部材に設けられる径大部の対向した内側面は上記のように磁気テープの位置を規制するほか、さらに前記中央ピン部材の両端部には前記係合部材の嵌合孔に嵌合される係合部材取付部が形成され、前記係合部材取付部は前記係合部材の位置決め用の径大部を有し、それにより両係合部材間の距離を規制する。これによれば、径大部が磁気テープの固定位置を規制するだけでなく、係合部材間の距離が正しく規制されるのでリーダー部材の寸法精度が高くなり、テープカートリッジの適正な動作が得られる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下本発明を実施例を参照して詳しく説明する。
図1は本発明の実施例の分解斜視図、図2はリーダー部材の中央ピン部材の詳細を示す斜視図、図3はこの中央ピン部材を組み込んだリーダー部材の斜視図である。
【0013】
図1を参照するに、本発明のテープカートリッジが上下反転させて図示されている。これは実際の組立の際の向きを示すものである。完成したカートリッジは正規の上下関係で記録再生装置に装着される。このカートリッジはリーダー部材に関係した部分を除いて図4に示したカートリッジの構造と同様な構造を有している。
上ケース1と下ケース2とは止めねじ23により周辺で合体されてケースを構成する。上下ケースにより形成されるケースの内部空間には磁気テープを巻装したリール3が収納される。
【0014】
リール3は、上フランジ31と、これに一体に形成したハブ33と、下フランジ32とからなる。ハブ33のテープ巻回部より内側の下面側は閉鎖されており、装置の駆動部に係合する係合歯部34を備える。ハブ33の上面側は開口した凹部になっており、内部にはリールの回転を良好にするためのベアリング4と、ベアリング4に接触するボール51及びボールを受ける凹部を有する支持部材52よりなるリール回転支持体5が配置され、支持部材52の上端は上ケース1の開口に支持され、支持部材の周りに装着されるコイル状圧縮ばね6により常時ベアリング4及びリール回転支持体5をリールに向けて押しつけている。
【0015】
上フランジ31の外周には凹凸部35が形成されており、ケース内の一つの対角部に設けられるピン13、14にねじりコイルばね72及びブレーキ部材71の軸孔を嵌合した2つのブレーキ機構により、不使用時にブレーキ部材71を上フランジ31の周部の凹凸部35に係止させてリールの回転を防止する。
テープ先端部はリーダー部材9に取り付けられる。リーダー部材9は中央ピン部材91と、その上下端に取り付けた係合部材92と、テープを中央ピン部材91にクランプするためのクランプ部材93とよりなる。テープは中央ピン部材91に巻き付けられた後クランプ部材93をその上から嵌合することにより固定される。リーダー部材9はケースの側面に設けられた開口部の内面付近にある収容部11に収容されている。
【0016】
その外側には回動するドア部材81が取り付けられている。ドア部材81は上ケース1のピン15に枢着され、ピン15の周りに装着されたねじりコイルばね84により常時閉鎖方向に偏倚されており、不使用時には圧縮ばね83により下方に押されているドアロック部材82によりロックされている。なお、ケース側部の一部には誤消去防止部材12がケース側面に沿って摺動できるように収容されている。
【0017】
図3を参照するに、リーダー部材9は上下の係合部材92−1、92−2は両端が弧状に形成された同一の構造の合成樹脂製細長部材よりなり、磁気テープを巻き付けてクランプするための円柱状ピンよりなる中央ピン部材91の両端に一体に固定されている。中央ピン部材91の両端部近くにはクランプにより固定される磁気テープの上下エッジの位置を規制する鍔部91−1、91−2が形成されている。また係合部材92−1と92−2の対向する面には片側から切り込まれたほぼ直角三角形状の係合凹部94−1、94−2が鏡面対称となるように形成されている。これらの係合凹部には図6に示したような装置側の引き出し部材の先端ピン又は鈎状部に係合するようになっている。
【0018】
図6は引き出し部材122の例を示し、図6(a)ではPETのような合成樹脂製ばね材から形成された板状部の先端に係止ピン123を設けたものであり、図6(b)はPETのような合成樹脂製ばね材から形成された板状部の先端を折り曲げて永久変形させた係止鈎部124を有する。従って、係合凹部94の形状は、装置側の引き出し部材の形状に適合したものとし、相互係合を円滑にするために凹部の壁はテーパしている。
【0019】
中央ピン部材91の詳細は図2に示されている。中央ピン部材91は、中央部に円柱状のテープ装着部91−5と、その両端に設けた磁気テープ位置規制用の鍔部91−1、91−2と、それらの両端に、係合部材92−1、92−2に設けた嵌合孔に嵌合する係合部材取付部91−3、91−4をそれぞれ有する。鍔部91−1、91−2の対向面の間隔は磁気テープの幅にほぼ等しく定めてある。
【0020】
図8ないし図11はそれぞれ本発明の中央ピン部材の他の実施例を示す斜視図である。
図8においては、係合部材取付部91−3、91−4よりもテープ装着部91−5の方が小径であり、磁気テープの位置決め用の肩部91−6、91−7が形成される。肩部は磁気テープの位置決めを助けるためにテーパ面をなしている。
【0021】
図9は図8の実施例の変形例を示し、図8の実施例において、さらに係合部材取付部91−3、91−4の位置決め用の鍔部91−8、91−9を設けたものである。このようにすると、肩91−6、91−7による磁気テープの位置決めのみならず鍔部91−8、91−9による係合部材の位置決めも行う。この例ではまた鍔部の拡大した面積により両係合部材の平行性が向上し、外力による両係合部材間の機械的なねじれが抑制され、リーダー部材の作用が安定する。
【0022】
図10は図2に示した実施例の改良を示し、磁気テープの位置決めを行う第1の鍔部91−1、91−2の他に、上下係合部材の位置決めを行う第2の鍔部91−8、91−9を設けたものである。
【0023】
図11は本発明のさらに他の中央ピン部材の実施例を示し、磁気テープの位置決め用の肩部91−6、91−7の他に、さらに上下係合部材の位置決めを行う肩部91−10、91−11を設けたものである。なお、この例では2種の肩の径は同一であるが、両者間の径大部に傾斜を付けて両者を異ならせても良い。
【0024】
【発明の効果】
本発明によると、リーダー部材の中央ピン部材の両端部には磁気テープの位置を規制するための径大部が形成されているので、磁気テープの位置規制が可能となり、磁気テープをテープリーダー部材の所定位置に正しく固定することが可能となり、適正な動作が可能となる。さらにこれらの径大部の外側に、係合部材に形成された嵌合孔に嵌合する際の位置決めを行うための径大部を設けることにより、磁気テープの位置決めに加えて、さらに両係合部材間の距離を正しく規制してリーダー部材の寸法精度を高め、テープカートリッジの適正な動作を保証する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例によるテープカートリッジの分解斜視図である。
【図2】本発明のリーダー部材の中央ピン部材の詳細を示す拡大斜視図である。
【図3】本発明の実施例によるリーダー部材を示す斜視図である。
【図4】従来のテープカートリッジの分解斜視図である。
【図5】従来のリーダー部材とテープ引き出し部材との関係を示す図である。
【図6】本発明で組み合わせて使用するテープ引き出し部材の部分斜視図である。
【図7】従来のリーダー部材の分解斜視図である。
【図8】本発明の中央ピン部材の他の実施例を示す斜視図である。
【図9】本発明の中央ピン部材の他の実施例を示す斜視図である。
【図10】本発明の中央ピン部材の他の実施例を示す斜視図である。
【図11】本発明の中央ピン部材の他の実施例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 上ケース
2 下ケース
3 リール
4 ベアリング
5 リール回転支持体
6 圧縮ばね
9 リーダー部材
31 上フランジ
32 下フランジ
33 ハブ
34 係合歯部
35 凹凸部
51 ボール
52 ボール支持部材
71 ブレーキ部材
72 ねじりコイルばね
81 ドア部材
82 ドアロック部材
83 圧縮ばね
84 ねじりコイルばね
91 中央ピン部材
91−1、91−2 鍔部
91−3、91−4 係合部材取付部
91−5 中央部
91−6、91−7 肩部
91−8、91−9 鍔部
91−10、91−11 肩部
92−1、92−2 係合部材
94−1、94−2 係合凹部
Claims (3)
- ケース本体内に磁気テープを巻装した1つのテープリールが回転可能に収容され、該テープの先端がリーダー部材に固定されて、ケース本体に設けた開口から、装置の係合用先端を有するテープ引き出し部材によって引き出されるテープカートリッジにおいて、リーダー部材はテープが巻き付けられる中央ピン部材と、その上下端に取り付けられ装置のテープ引き出し部材と係合する一対の係合部材と、前記中央ピン部材にテープを固定するクランプ部材とからなり、前記中央ピン部材の両端部には磁気テープの位置決め用の径大部が形成されており、さらに、前記一対の係合部材の対向する面のそれぞれには、係合凹部が互いに鏡面対称となるように形成されている、テープカートリッジ。
- 前記中央ピン部材の両端部には前記係合部材の嵌合孔に嵌合される係合部材取付部が形成され、前記係合部材取付部は前記係合部材の位置決め用の径大部を有する請求項1のテープカートリッジ。
- 磁気テープの位置決め用、係合部材の位置決め用の両径大部は同一の部材により兼用されている請求項2のテープカートリッジ。
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