JP3731785B2 - 磁気テープカートリッジ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気テープカートリッジに関し、特にカートリッジケース内に磁気テープを巻装した単一のリールが回転可能に収容され、この磁気テープの先端に該磁気テープを引き出すためのリーダピンが固着されてなる磁気テープカートリッジにおいて、上記リーダピンの支持構造に関するものである。これらの磁気テープカートリッジは主としてコンピュータメモリのバックアップとして用いられ、その記憶容量も10GB程度から100GB、さらにはそれ以上のものも実用化に向けて検討が進められている。
【0002】
【従来の技術】
従来、コンピュータ等の外部記憶装置に用いられる記録媒体として使用されている磁気テープカートリッジには、単一のリールに磁気テープを巻装し、このリールをカートリッジケース内に回転可能に収容したタイプのものが知られている。この磁気テープはコンピュータ等のデータ保存用として用いられ、重要な情報が記憶されているため、テープジャミング等のトラブルが発生しないように、また不用意に磁気テープが引き出されないように構成されている。
【0003】
また、上記磁気テープの先端部にはリーダ部材(本発明ではリーダピン)が固着され、このリーダ部材をコンピュータ側で引き出して巻き取り又は巻き戻しを行うようにドライブ装置が構成される。そして、上記リーダ部材は、カートリッジケースに着脱可能に保持されるものであり、その保持にはバネ部材を使用するのが構造上の簡素化等の点で有利である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、リーダピンを着脱可能に保持するバネ部材をカートリッジケースに取り付ける場合には、一般にプラスチック製のケースの一部を溶融させて固定することが行われているが、このようなバネ部材の固定は組付け工程が煩雑で、生産性の向上の妨げとなっている。
【0005】
本発明は上記点に鑑みなされたもので、上記バネ部材をカートリッジケースに取り付けることなしにリーダピンをカートリッジケースに着脱可能に保持し得る磁気テープカートリッジを提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、磁気テープを巻装した単一のリールがカートリッジケース内に回転可能に収容され、上記磁気テープの先端にリーダピンが固着され、上記カートリッジケースに形成された上記磁気テープを引き出すための開口部の内方において上記リーダピンが上記カートリッジケースに着脱可能に保持されてなる磁気テープカートリッジにおいて、
上記カートリッジケースに、上記開口部を開閉するドアが設けられ、このドアの閉動作に伴い上記リーダピンの上下端部のうちの少なくとも一方に弾性的に当接してこのリーダピンを保持する弾性体が、上記ドアに一体成形により形成されていることを特徴とするものである。
【0007】
【発明の効果】
本発明によれば、極めて簡易な構成によって、リーダピンをカートリッジケースに着脱可能に保持することができる。また、リーダピンを保持するバネ部材がカートリッジケースには取り付けられていないから、磁気テープのたるみ等を修正するときの作業性がよい。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
【0009】
図1は本発明による磁気テープカートリッジの一実施の形態の分解斜視図である。
【0010】
磁気テープカートリッジ1は、下リール5と上リール6とを超音波溶着により結合した単一のリール4に磁気テープ20を巻装し、上ケース2と下ケース3とがビス等により締結されて形成されたカートリッジケース7内に、上記リール4を回動可能に収容して構成されている。
【0011】
下リール5は、外周に磁気テープ20が巻回される円筒状のリールハブ23と、このリールハブ23の下端外周から径方向に張り出したフランジ部24とを合成樹脂により一体成型したもので、リールハブ23の底部外面にリール4を回転駆動するマグネット式の回転駆動手段を接合させるためのリールプレート8が取り付けられる。またリールハブ23の底部内面には、ブレーキボタン9に形成された制止用ギア9Aと係合して不使用時のリール4の回転を拘束する制止用ギア23Aが刻設されている。さらにリールハブ23には、磁気テープカートリッジ1を使用する外部記憶装置等の記録再生装置に設けられたドライブ解除スピンドルが挿通されてブレーキボタン9を上方へ移動させるための開口23Bが形成されている。
【0012】
ブレーキボタン9は、リールハブ23と対向する側に上述した制止用ギア9Aが形成されており、それとは反対側に上ケース2に形成されたブレーキガイド突起が嵌合される嵌合溝9Bが形成されている。そして、ブレーキボタン9はコイルバネ10により図中下方に付勢された状態でリールハブ23内部に装着されており、ブレーキボタン9とリールハブ23との制止用ギア9A,23Aが噛み合って不使用時におけるリール4の回転が防止されるようになっている。一方、カートリッジ使用時は、磁気テープ装置のドライブ解除スピンドルがブレーキボタン9を押圧すると、ブレーキボタン9がコイルバネ10の付勢力に抗して図の上方へ移動し、これにより制止用ギア9A,23Aの係合が解除され、リール4が回転自在とされる。
【0013】
カートリッジケース7の一側壁には、磁気テープ20を引き出すための開口部26が形成されている。開口部26にはカートリッジケース7の側壁に平行な矢印A方向に移動可能なスライドドア27が取り付けられている。スライドドア27は図示しないバネにより、開口部26を閉じる方向に付勢されている。
【0014】
また、磁気テープカートリッジ1はその不使用時に磁気テープ20が完全にリール4に巻き込まれた状態で、磁気テープ20の先端に取り付けられたリーダピン21が開口部26の近傍の上ケース2の下面および下ケースの上面にそれぞれ形成された凹部28に着脱自在に係止される。
【0015】
そして、磁気テープカートリッジ1が対応する外部記録装置等の記録再生装置にセットされると、上述したようにブレーキボタン9とリールハブ23との制止用ギア9A,23Aの係止が解除されてリール4が回転自在とされるとともに、マグネット式の回転駆動手段はリールプレート8を介して磁力によってリール4を非接触で回転する。これとともに、スライドドア27が開かれてリーダピン21がテープ走行路の所定位置に引き込まれ、磁気テープ20へのデータの読み書きが可能となる。
【0016】
図2〜図4はリーダピン21の保持構造を示す図で、図2はスライドドア27が開かれている状態を示す断面平面図、図3は図2の III−III 線に沿った断面図、図4はスライドドア27が開かれている状態を示す断面平面図である。
【0017】
リーダピン21は、図3に示すように、磁気テープ20の先端部が固着される中央軸部21aの両側に記録再生装置側から係合保持される細軸部21b,21bが形成され、その両端部に、リーダピン21をカートリッジケース7に係合保持するためのフランジ21c、21cが形成されている。各フランジ21cは、上述のように、開口部26近傍の上ケース2の下面および下ケース3の上面にそれぞれ形成された凹部28にそれぞれ挿入係止される。
【0018】
上記スライドドア27の裏面27aの上下縁部の所定位置には、カートリッジケース7の内方に突出する上下一対の弾性片30,30がドア27と一体成形により形成されている。そしてこれら弾性片30,30は、図4から明らかなように、ドア27の閉動作に伴ってリーダピン21のフランジ21c、21cにそれぞれ弾性的に当接して、フランジ21c、21cを凹部28の奥面28aに押圧し、これによって、リーダピン21をカートリッジケース7に保持している。
【0019】
なお、スライドドア27が図2および図3に示すように開いているときに、リーダピン21が倒れないように、カートリッジケース7とリーダピン21の上下端面との間のクリアランスが設定されている。
【0020】
また、図2〜図4に示す実施の形態では、リーダピン21の上下フランジ21c、21cをそれぞれ支持すべく上下一対の弾性片30,30がスライドドア27に突設されているが、上下フランジ21c、21cの少なくとも一方を支持すべくドア27の内面27aの上縁部または下縁部の一方に弾性片30を設けたものでもよい。
【0021】
本実施の形態においては、リーダピン21を保持する弾性片30がスライドドア27に裏面27aにドア27と一体成形により突設されているから、部品点数が少なくなり、極めて簡易な構成によって、リーダピン21をカートリッジケース7に着脱可能に保持することができる。また、リーダピン21を保持するバネ部材等がカートリッジケース7には取り付けられていないから、磁気テープ20のたるみ等を修正するときの作業性がよい利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による磁気テープカートリッジの一実施の形態の分解斜視図
【図2】リーダピンの保持構造をスライドドアが開かれている状態で示す要部の断面平面図
【図3】図2の III−III 線に沿った断面図
【図4】リーダピンの保持構造をスライドドアが閉じられている状態で示す要部の断面平面図
【符号の説明】
1 磁気テープカートリッジ
2 上ケース
3 下ケース
4 リール
7 カートリッジケース
20 磁気テープ
21 リーダピン
21c フランジ
26 開口部
27 スライドドア
28 凹部
30 弾性片
Claims (1)
- 磁気テープを巻装した単一のリールがカートリッジケース内に回転可能に収容され、前記磁気テープの先端にリーダピンが固着され、前記カートリッジケースに形成された前記磁気テープを引き出すための開口部の内方において前記リーダピンが前記カートリッジケースに着脱可能に保持されてなる磁気テープカートリッジにおいて、
前記カートリッジケースに、前記開口部を開閉するドアが設けられ、該ドアの閉動作に伴い前記リーダピンの上下端部のうちの少なくとも一方に弾性的に当接して該リーダピンを保持する弾性体が、前記ドアに一体成形により形成されていることを特徴とする磁気テープカートリッジ。
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- 1998-01-28 JP JP01545098A patent/JP3731785B2/ja not_active Expired - Fee Related
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