JP4091162B2 - 磁気テープカートリッジ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主としてコンピュータメモリのバックアップとして用いられ磁気テープカートリッジに関し、特にカートリッジケース内に磁気テープを巻装した単一のリールが回転可能に収容され、この磁気テープの先端に該磁気テープを引き出すためのリーダピンが取り付けられてなる磁気テープカートリッジにおいて、上記カートリッジケースにおける上記リーダピンの保持構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、コンピュータ等の外部記憶装置に用いられる記録媒体として使用されている磁気テープカートリッジには、単一のリールに磁気テープを巻装し、このリールをカートリッジケース内に回転可能に収容したタイプのものが知られているこの磁気テープはコンピュータ等のデータ保存用として用いられ、重要な情報が記憶されているため、テープジャミング等のトラブルが発生しないように、また不用意に磁気テープが引き出されないように構成されている。
【0003】
また、上記磁気テープの先端部にはリーダ部材(本発明ではリーダピン)が固着され、このリーダ部材をコンピュータ側で引き出して巻き取り又は巻き戻しを行うようにドライブ装置が構成される。そして、上記リーダ部材は、カートリッジケースに着脱可能に保持されるものであり、その保持にはバネ部材を使用するのが構造上の簡素化等の点で有利である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、リーダピンを着脱可能に保持するバネ部材をカートリッジケースに取り付ける場合には、一般にプラスチック製のケースの一部を溶融させて固定することが行われているが、このようなバネ部材の固定は組付け工程が煩雑で、生産性の向上の妨げとなっている。
【0005】
本発明は上記点に鑑みなされたもので、簡単な構造でリーダピンをカートリッジケースに着脱可能に保持し得る磁気テープカートリッジを提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、磁気テープを巻装した単一のリールがカートリッジケース内に回転可能に収容され、前記磁気テープの先端に該磁気テープを引き出すためのリーダピンが取り付けられてなる磁気テープカートリッジにおいて、
前記リーダピンの上下端部に対する前記カートリッジケースの上下ケースのそれぞれの内壁面に、前記リーダピンを着脱可能に保持する板バネが独立に取り付けられ、
前記板バネが、湾曲したバネ部と、該バネ部の一端に前記カートリッジケースの上下面と平行に折り曲げられて上下方向の弾性を有し、前記リーダピンを上下両端のフランジ状ヘッドの凸球面状端面に弾接して保持する平板状のリーダピン保持部と、前記バネ部の他端に延長され前記カートリッジケースの上下内壁面に形成された係止溝に挿入される被係止端部とよりなることを特徴とするものである。
【0007】
【発明の効果】
本発明によれば、極めて簡易な構成によって、リーダピンをカートリッジケースに着脱可能に保持することができ、かつカートリッジケースの組立て時の生産性も向上する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
【0009】
図1は磁気テープカートリッジの分解斜視図である。
【0010】
磁気テープカートリッジ1は、下リール5と上リール6とを超音波溶着により結合した単一のリール4に磁気テープ20を巻装し、上ケース2と下ケース3とがビス等により締結されて形成されたカートリッジケース7内に、上記リール4を回動可能に収容して構成されている。
【0011】
下リール5は、外周に磁気テープ20が巻回される円筒状のリールハブ23と、このリールハブ23の下端外周から径方向に張り出したフランジ部24とを合成樹脂により一体成型したもので、リールハブ23の底部外面にリール4を回転駆動するマグネット式の回転駆動手段を接合させるためのリールプレート8が取り付けられる。またリールハブ23の底部内面には、ブレーキボタン9に形成された制止用ギア9Aと係合して不使用時のリール4の回転を拘束する制止用ギア23Aが刻設されている。さらにリールハブ23には、磁気テープカートリッジ1を使用する外部記憶装置等の記録再生装置に設けられたドライブ解除スピンドルが挿通されてブレーキボタン9を上方へ移動させるための開口23Bが形成されている。
【0012】
ブレーキボタン9は、リールハブ23と対向する側に上述した制止用ギア9Aが形成されており、それとは反対側に上ケース2に形成されたブレーキガイド突起が嵌合される嵌合溝9Bが形成されている。そして、ブレーキボタン9はコイルバネ10により図中下方に付勢された状態でリールハブ23内部に装着されており、ブレーキボタン9とリールハブ23との制止用ギア9A,23Aが噛み合って不使用時におけるリール4の回転が防止されるようになっている。一方、カートリッジ使用時は、磁気テープ装置のドライブ解除スピンドルがブレーキボタン9を押圧すると、ブレーキボタン9がコイルバネ10の付勢力に抗して図の上方へ移動し、これにより制止用ギア9A,23Aの係合が解除され、リール4が回転自在とされる。
【0013】
カートリッジケース7の一側壁には、磁気テープ20を引き出すための開口部26が形成されている。開口部26にはカートリッジケース7の側壁に平行な矢印A方向に移動可能なスライドドア27が取り付けられている。スライドドア27は図示しないバネにより、開口部26を閉じる方向に付勢されている。
【0014】
また、磁気テープカートリッジ1はその不使用時に磁気テープ20が完全にリール4に巻き込まれた状態で、磁気テープ20の端部に取り付けられたリーダピン21が開口部26の近傍に設置された後述の保持構造によって着脱自在に係止される。
【0015】
そして、磁気テープカートリッジ1が対応する外部記録装置等の記録再生装置にセットされると、上述したようにブレーキボタン9とリールハブ23との制止用ギア9A,23Aの係止が解除されてリール4が回転自在とされるとともに、マグネット式の回転駆動手段はリールプレート8を介して磁力によってリール4を非接触で回転する。これとともに、スライドドア27が開かれてリーダピン21がテープ走行路の所定位置に引き込まれ、磁気テープ20へのデータの読み書きが可能となる。
【0016】
上記リーダピン21は、磁気テープカートリッジ1を使用する記録再生装置が磁気テープ20を装置内のテープ走行路に導入するために保持して引き込むものであり、このリーダピン21を着脱可能に保持するための弾性構造が上ケース2および下ケース3に設けられている。
【0017】
図2〜図6は参考例を示すものであり、バネ部材30によるリーダピン21の保持構造以外のケース構造、リーダピン構造を示し、図2は断面平面図、図3は図2の III−III 線に沿った断面図、図4は図2のIV−IV線に沿った断面図、図5は下ケース3における断面平面図、図6はリーダピン21がカートリッジケース7の開口部26から凹部28内に挿入される状態を示す断面平面図である。
【0018】
リーダピン21は、図3に示すように、磁気テープ20の先端部が固着される中央軸部21aの両側に記録再生装置側から係合保持される細軸部21b,21bを備え、その上下両端部に、リーダピン21をカートリッジケース7に係合保持するためのフランジ状ヘッド21c、21cが形成されている。各フランジ状ヘッド21cは、上述のように、開口部26近傍の上ケース2の下面および下ケース3の上面にそれぞれ形成された参考例としての凹部28にそれぞれ挿入されるとともに、各凹部28内に装着された参考例としてのバネ部材30によって両フランジ状ヘッド21c,21cが着脱可能に保持されるようになっている。
【0019】
バネ部材30は、図5から明らかなように、リーダピン21のフランジ状ヘッド21cをその開口部30c側から内部に受容して弾性的に保持するC字状の保持部30aと、保持部30aの開口部30c側とは反対側に連接された二股状の係着部30bとを備えている。開口部30cはリーダピン21のフランジ状ヘッド21の直径よりも幅狭に形成されている。
【0020】
一方、凹部28は、バネ部材30の保持部30aを変位可能に収容すべく保持部30aの外縁に対して所定のクリアランスを有する幅広部28aと、この幅広部28aの奥に連接されて、バネ部材30の二股状の係着部30bを互いに接近する方向に両側から圧縮した状態で保持する幅狭部28bとからなり、バネ部材30は、その係着部30bが上記幅狭部28bに弾性的に嵌着された状態で、凹部28に取り付けられている。
【0021】
以上の構成において、図6に示すように、リーダピン21がカートリッジケース7の開口部26から凹部28内に挿入されると、リーダピン21のフランジ状ヘッド21cによって、バネ部材30の保持部30aがその開口部30cが開く方向に弾性的に変形して、フランジ状ヘッド21cの開口部30cの通過が許容され、図2に示すように、フランジ状ヘッド21cが保持部30aによって弾性的に保持され、リーダピン21が所定位置に固定される。
【0022】
次に、磁気テープカートリッジ1が対応する外部記録装置等の記録再生装置にセットされ、リーダピン21の細軸部21b,21bが記録再生装置側から係合保持されてリーダピン21がカートリッジケース7内から磁気テープ20を伴って引き出される場合には、フランジ状ヘッド21cによってバネ部材30の保持部30aが弾性的に変形して、フランジ状ヘッド21cの開口部30cの通過が許容され、リーダピン21が記録再生装置内に引き込まれる。
【0023】
このように、本参考例においては、バネ部材30の二股状の係着部30bを凹部28の幅狭部28bに弾性的に嵌着するだけで、バネ部材30が上ケース2の下面および下ケース3の上面に取り付けることができるから、カートリッジケース7に対するバネ部材30の取付けが極めて容易であり、かつ極めて簡単な構成でありながら、リーダピン21をカートリッジケース7内の所定位置に確実に、かつ着脱自在に保持することができる。
【0024】
次に図7および図8(a),(b)は他の参考例を示すものであり、図7は要部断面図、図8(a)はその皿バネの平面図、図8(b)は皿バネの断面図である。
【0025】
図8(a),(b)に示す参考例の皿バネ31は、リーダピン21のフランジ状ヘッド21cの外径よりも若干大きい直径を有する円形の皿部31aと、この皿部31aの周縁を繞って一体に垂設された所定の高さを有する環状脚部31bとよりなり、皿部31aには中心孔31cと、この中心孔31cから放射状に延びる8本の溝31dとによって、溝31d,31d間の部分にバネ性が付与されている。そしてこのような構成を有する皿バネ31は、カートリッジケース7の上下ケース2,3の内壁面(図7の場合は下ケース3の内壁面)に形成された凹部32内にその環状脚部31bを圧入されてカートリッジケース7の上下にそれぞれ装着される。
【0026】
一方、リーダピン21のフランジ状ヘッド21cの端面21dは、凸球面状に形成され、リーダピン21がカートリッジケース7に装着されると、図7に示すように、皿バネ31の皿部31aがフランジ状ヘッド21cの端面21dに沿って撓まされて、端面21d上に弾接し、これによって、リーダピン21は弾性的に保持することになる。皿バネ31は、カートリッジケース7の上ケース2および下ケース3の双方に独立して設けられる。
【0027】
本参考例においても、皿バネ31をカートリッジケース7の凹部32に圧入するだけでカートリッジケース7に取り付けることができるから、カートリッジケース7に対する皿バネ31の取付けが極めて容易であり、かつ極めて簡単な構成でありながら、リーダピン21をカートリッジケース7内の所定位置に確実に、かつ着脱自在に保持することができる。
【0028】
図9および図10は、本発明のリーダピンの保持構造の実施の形態を示す一部を断面とした要部側面図および一部を断面とした平面図で、図11はここで用いられる板バネの展開図、図12は板バネの斜視図である。
【0029】
板バネ33は、U字状に湾曲したバネ部33aの一端に、このバネ部33aからほぼ直角にケース上下面と平行に折り曲げられた平板状のリーダピン保持部33bを備え、このリーダピン保持部33bの中央には、リーダピン21のフランジ状ヘッド21cの凸球面状端面21dを受ける凹部33cないし孔が形成されている。
【0030】
また、バネ部33aの他端も折り曲げられて延長され、この板バネ33をカートリッジケース7に取り付けるための被係止端部33dを構成している。
【0031】
一方、カートリッジケース7の上下ケース2,3の内壁面(図10の場合は下ケース3の内壁面)には、図10に示すように、板バネ33係止用の壁部34が例えばケース3の側壁面に近接して設けられている。そして、ケース3の側壁面に突設された係止突起3aと、壁部34のケース3に対向する面上において係止突起3aの両側位置に突設された係止突起34a,34bとによって、板バネ33の被係止端部33dを係止し得る係止溝35が上下にそれぞれ形成されている。
【0032】
このような構成によって、板バネ33は、その被係止端部33dを係止溝35に挿入するだけでカートリッジケース7に取り付けられ、図9の上下方向にも弾性を有する。したがって、リーダピン21がカートリッジケース7に装着されると、図9に示すように、板バネ33のリーダピン保持部33bがフランジ状ヘッド21cの端面21d上に弾接し、これによって、リーダピン21は弾性的に所定位置に保持されることになる。板バネ33は、カートリッジケース7の上ケース2および下ケース3の双方に独立して取り付けられる。
【0033】
本実施の形態においては、板バネ33の被係止端部33dをカートリッジケース7の係止溝35に挿入するだけでカートリッジケース7に取り付けることができるから、カートリッジケース7に対する板バネ33の取付けが極めて容易であり、かつ極めて簡単な構成でありながら、リーダピン21をカートリッジケース7内の所定位置に確実に、かつ着脱自在に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 磁気テープカートリッジの分解斜視図
【図2】 リーダピンの保持構造の参考例を示す断面平面図
【図3】 図2の III−III 線に沿った断面図
【図4】 図2のIV−IV線に沿った断面図
【図5】 図2に示すバネ部材の組付け構造を示す断面平面図
【図6】 リーダピンがカートリッジケースの開口部から凹部内に挿入される状態を示す断面平面図
【図7】 リーダピンの保持構造の他の参考例を示す要部断面図
【図8】 図7に示す皿バネの平面図および断面図
【図9】 本発明のリーダピンの保持構造の実施の形態を示す一部を断面とした要部側面図
【図10】 図9のリーダピンの保持構造の一部を断面とした平面図
【図11】 図9,図10に示す板バネの展開図
【図12】 図9,図10に示す板バネの斜視図
【符号の説明】
1 磁気テープカートリッジ
2 上ケース
3 下ケース
4 リール
7 カートリッジケース
20 磁気テープ
21 リーダピン
21c フランジ状ヘッド
26 開口部
27 スライドドア
33 板バネ
Claims (1)
- 磁気テープを巻装した単一のリールがカートリッジケース内に回転可能に収容され、前記磁気テープの先端に該磁気テープを引き出すためのリーダピンが取り付けられてなる磁気テープカートリッジにおいて、
前記リーダピンの上下端部に対する前記カートリッジケースの上下ケースのそれぞれの内壁面に、前記リーダピンを着脱可能に保持する板バネが独立に取り付けられ、
前記板バネが、湾曲したバネ部と、該バネ部の一端に前記カートリッジケースの上下面と平行に折り曲げられて上下方向の弾性を有し、前記リーダピンを上下両端のフランジ状ヘッドの凸球面状端面に弾接して保持する平板状のリーダピン保持部と、前記バネ部の他端に延長され前記カートリッジケースの上下内壁面に形成された係止溝に挿入される被係止端部とよりなることを特徴とする磁気テープカートリッジ。
Priority Applications (1)
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JP853298 | 1998-01-20 | ||
JP10929798A JP4091162B2 (ja) | 1998-01-20 | 1998-04-20 | 磁気テープカートリッジ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11273308A JPH11273308A (ja) | 1999-10-08 |
JP4091162B2 true JP4091162B2 (ja) | 2008-05-28 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10929798A Expired - Fee Related JP4091162B2 (ja) | 1998-01-20 | 1998-04-20 | 磁気テープカートリッジ |
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JP (1) | JP4091162B2 (ja) |
-
1998
- 1998-04-20 JP JP10929798A patent/JP4091162B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH11273308A (ja) | 1999-10-08 |
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