JP4321676B2 - 車両衝突警告装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両衝突を防止するために衝突危険度が高い場合に警告する装置に関する。特に、通信すべき車両が多数存在する場合においても、通信信号の衝突確率を低減して確実に通信を行い、信頼度の高い衝突危険度を求めることを可能とする技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両同士の衝突を防止する技術が開発されている。例えば、特許文献1に、GPS受信機や速度センサや加速度センサや操舵角センサや方位センサ等を利用して自車両の位置と移動方位と移動速度に関する自車両動向データを取得し、取得した自車両動向データを他車両に送信し、他車両から送信されてくる他車両の位置と移動方位と移動速度に関する他車両動向データを受信し、取得した自車両動向データと受信した他車両動向データに基づいて自車両と他車両の衝突危険度を演算し、衝突危険度が高い場合に警告することによって車両衝突の発生を防止する技術が開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−276696号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
自車両の周囲を走行している他車両は不規則に変わるために、自車両動向データを送信する際には送信先を限定することができない。周囲を走行している任意の車両に自車両の動向データが受信されるようにするために送信先を限定せずに送信する。通常はおびただしい数の自動車が走行しており、それぞれの車両が送信先を限定せずに動向データを送信すると、複数の自動車から同時に送信される動向データが混信し、衝突危険度が高い他車両からの動向データが受信できない場合がある。
特許文献1の技術では、送受信距離を限定することによって混信の可能性を低めているように思われるが、例えば送受信距離を200メートルに限定したとしても、送受信距離内を数百台の自動車が走行していることがあり、送受信距離を限定することによって混信の可能性を下げるには限界がある。衝突防止のためには送受信距離を200メートル程度は確保する必要があることから、送受信距離を限定することによって混信の発生を防止しきることはできず、衝突危険度が高い他車両からの動向データが受信できない事態の発生を防止しきれない。
【0005】
本発明は、衝突の可能性がある他車両に自車両動向データを確実に伝達し、衝突の可能性がある他車両の動向データを確実に受信することができる技術を開発し、もって車両衝突の発生前に確実に警告することができる技術を提案する。
【0006】
【課題を解決するための手段と作用と効果】
本発明によって創作された車両衝突警告装置は、自車両の位置と移動方位と移動速度に関する自車両動向データを取得する自車両動向データ取得手段と、取得した自車両動向データを他車両に送信する送信手段と、他車両が送信する他車両動向データを受信する受信手段と、取得した自車両動向データと受信した他車両動向データに基づいて自車両と他車両の衝突危険度を演算する演算手段と、演算された危険度に応じて自車両に警告する警告手段を備えている。
本発明によって創作された車両衝突警告装置に特徴的なことは、送信手段が送信先を限定せずに以下の式(1)によって定義される不均一な時間間隔Tで送信する。
T=T1+T2 (1)
ここでT1は一定の送信時間間隔であり、T2は他車両動向データを他車両が送信しているか否かを確認するのに必要な時間に送信毎に選択される係数を乗じて算出される調整用時間間隔である。
また、不均一な時間間隔Tは、最小時間間隔と最大時間間隔によって定義される範囲から選択され、上述の最小時間間隔と最大時間間隔は、自車両の移動速度が遅い場合にはそれぞれ大きい値に決定され、また自車両の移動速度が速い場合にはそれぞれ小さい値に決定される。
【0007】
車両動向データ取得手段と、送信手段と、受信手段と、演算手段と、警告手段等自体は既知である。自車両動向データは、自車両に取り付けられたGPS受信機や速度センサや加速度センサや操舵角センサや方位センサ等を利用することによって、取得される。自車両動向データが取得されれば、自車両の近い将来の予測経路を算出することができる。他車両からの他車両動向データが得られれば、他車両の近い将来の予測経路を算出することができる。自車両の予測経路と他車両の予測経路を対比することによって、自車両と他車両の衝突危険度を判定することができる。判定された危険度が大であれば、警告手段が自車両に警告し、判定された危険度が小であれば、警告手段は警告しない。
【0008】
本車両衝突警告装置において特徴的なことは、送信手段が式(1)によって定義される不均一な時間間隔Tで送信することである。複数の車両が同じ周波数を使って同時にデータを送信すると、送信信号が混信して受信装置が受信できなくなることがある。複数の車両が均一な時間間隔(例えば、0.1秒毎)で送信する場合、たまたま送信開始時刻が一致した場合には、時間間隔をおいて送信を繰り返すたびに混信して結局はいずれの車両からのデータも受信できないことがある。
本車両衝突警告装置では、送信手段の送信時間間隔を一定とせず、不均一な時間間隔Tとなるように変動させる。さらに、上述の調整用時間間隔T2は以下の式(2)によって定義されるものであってもよい。
T2=±k×ΔT (2)
ここでkは整数の係数であり、ΔTは他車両動向データを他車両が送信しているか否かを確認するのに必要な時間である。また、このとき、式(1)は、調整用時間間隔T2を以下のように置き換えて表現することができる。
T=T1±k×ΔT
kは、0〜mから選択される乱数であり、mは正の整数である。
また、ΔTは、T1に対して充分に短い時間であり、他車両が送信している他車両動向データを自車両が受信しているか否かを確認するのに要する時間である。
上記時間間隔Tにおいて、他車両からの送信を受信しているか否かを確認し、他車両からの送信を受信していない場合には、自車両動向データを送信する。kの値は送信ごとに不規則に選択されるために、送信毎に異なる調整用時間間隔T2が算出される。即ち、Tは一定とされずに不均一に変動する。この場合、特定のタイミングでは複数の車両が同時に送信することになっても、次の送信タイミングでは時間的にずれて送信することになる可能性が高く、いつまでたっても動向データが受信されないという事象が生じない。
本車両衝突警告装置によれば、衝突危険性のある他車両に自車両動向データを確実に伝達し、衝突危険性のある他車両の動向データを自車両で確実に受信することができる。車両衝突の発生前に確実に警告することができる。
【0009】
本発明の装置の送信手段は、予め設定されている複数の周波数の中から一つの周波数を選択して送信先を限定せずに送信することを特徴とし、受信手段は、予め設定されている複数の周波数の全てが受信可能であることを特徴としてもよい。
【0010】
通信すべき車両が多数存在するとき、単一周波数だけを使用する1チャネルの通信方法によると、混信確率が増大し、衝突危険性のある他車両に自車両動向データを伝達できず、衝突危険性のある他車両の動向データを受信できないことがある。
本車両衝突警告装置では、複数の周波数を利用する通信技術(マルチチャネル)を採用する。送信手段は、予め設定されている複数の周波数の中から一つの周波数を選択して送信先を限定せずに送信する。例えば、周波数a、周波数b、周波数cの3周波数を利用する通信技術を採用した場合には、周波数a、周波数b、周波数cの中から一つを選択して送信する。受信手段は、予め設定されている複数の周波数の全てが受信可能であることから、他車両Aが周波数aを選択し、他車両Bが周波数bを選択し、他車両Cが周波数cを選択してこれら3台の他車両が同時に送信しても受信することができる。
本車両衝突警告装置によれば、複数の車両から同時に送信される送信信号が混信する確率が低減し、衝突危険性のある他車両に自車両動向データを確実に伝達し、衝突危険性のある他車両の動向データを自車両で確実に受信することができる。車両衝突の発生前に確実に警告することができる。
【0011】
上記の車両衝突警告装置によれば、送信時間間隔と送信周波数の双方を不均一化することができる。
複数の所定の周波数の中から一つを選択して送信を行えば、混信の可能性を低減することができる。しかも、選択した周波数において時間間隔を一定とせずに送信することで、混信の可能性がさらに低減される。本車両衝突警告装置によると、より一層確実にデータの送受信を行うことができ、精度の高い演算結果を得ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
上記した各請求項に記載の発明は、以下に示す形態で好適に実施することができる。
(形態1)送信手段は、送信相手を特定せずに自車両動向データを送信する。
(形態2)演算手段は、緯度と経度の単位度当たりの弧長を等しくする座標系を用いて演算を行う。
(形態3)演算手段は、動向データの取得時と衝突危険度演算時との時間差を補正したデータを用いて演算を行う。
(形態4)演算手段は、自車両の予測経路と他車両の予測経路がともに直線状であり、自車両の予測経路と他車両の予測経路が同一線上に重なるとき、あるいはほぼ同一線上に重なるときは、他車両の位置を自車両の予測経路上に射影した仮位置によって演算を行う。
(形態5)警告手段は、表示装置であり、地図上において自車両と他車両の衝突予測位置を表示可能である。
(形態6)警告手段は、表示装置であり、地図上において他車両の接近方向を視覚的に強調して表示可能である。
(形態7)警告手段は、車両内に複数配置された発光装置であり、他車両の接近方向と類似な方向に配置された発光装置の点滅表示により警告する。
(形態8)警告手段は、車両内に複数配置された音声装置であり、他車両の接近方向と類似な方向に配置された音声装置からの音声により警告する。
(形態9)警告手段は、振動装置であり、他車両の接近方向と類似な方向に配置されている振動装置を振動させる。
【0014】
【実施例】
以下、本発明を具体化した車両衝突警告装置について説明する。
図1に、車両衝突警告装置のシステム構成を示す。車両突防止警報装置1は、動向データ取得部2と、情報処理部4と、通信部6と、警告出力部8から構成される。
動向データ取得部2は、自車両の緯度・経度・高度(車両位置)、移動方位、車速・加速度(移動速度)等を検出してこれらに関するデータを得る。動向データ取得部2は、GPS受信機22を備えている。GPS受信機22は、衛星電波をアンテナ20を介して受信し、一定の時間間隔で測位計算を行って、車両の緯度・経度・高度(車両位置)を算出する。移動方位、車速・加速度(移動速度)については、GPS受信機22が検出ポイントで検出した緯度・経度・高度(車両位置)と、検出ポイント間の時間間隔に基づいて解析を行い、移動するGPS受信機22の移動方位、速度・加速度(移動速度)を算出する。
しかしながら、GPS受信機22が測位計算を行う時間間隔は1秒であり、車速が時速36kmであればその間に10m移動することとなる。衝突を防止するためには、さらに短い時間間隔で検出を行う必要がある。そのため、動向データ取得部2は、センサ24とマイコン26も備えている。センサ24は、GPS受信機22の検出時間間隔よりも短い時間間隔で移動方位、移動速度等を検出する。また、センサ24は、GPS受信機22が衛星電波を上手く受信できないとき等には、GPS受信機22を補完する。マイコン26は、一旦GPS受信機22で測位された車両位置を始点として、センサ24が検出した移動速度によって始点からの走行距離を割りだし、センサ24が検出した移動方位や路面の傾斜度等を加味した上で車両位置を追いかけていく。また、センサ24が検出した移動速度、移動方位等の値のずれを原因とする車両位置のずれを、GPS受信機22が計算した車両位置によって修正する演算も行う。
【0015】
動向データ取得部2で検出された自車両の動向データは、情報処理部4に入力される。情報処理部4に入力された動向データは、通信部6を介してアンテナ60から他車両に送信される。また、他車両から送信された他車両の動向データはアンテナ60で受信されて通信部6に一時的に記憶された後、情報処理部4が演算を行なうときに情報処理部4へ入力される。
動向データは広報性のあるデータであり、送信先を限定せずに不特定方向へ送信される。しかしながら、衝突の可能性がある距離の範囲内に存在する車両に送信すれば足りるため、本実施例では通信距離の範囲が200m以内とされる。
【0016】
ここで、図2と図3を参照して、通信部6の送信方法について説明をする。
図2は、通信部6が送信する信号の送信時間間隔を模式的に示している。(A)は送信パケットの送信時間間隔の具体的例、(B)は送信パケットの送信開始時間と送信終了時間を示すグラフ、(C)は最小送信時間間隔と最大送信時間間隔の一例を示している。図2において、tは通常の一定送信時間間隔T1による送信タイミングである。一定送信時間間隔T1は、(A)のボックス(1)で0.1秒と仮定されている。Tminは最小送信時間間隔であり、(A)のボックス(1)で0.05秒とされている。Tmaxは最大送信時間間隔であり、(A)のボックス(1)で0.15秒とされている。Pは送信パケットであり、(A)のボックス(1)の下に示すように、送信所要時間PTは0.01秒と仮定されている。T2は送信パケットの送信時間間隔の変動時間である。
本実施例では、送信パケットPは一定送信時間間隔T1では送信されず、送信時間間隔が変動する。以下に、本実施例による送信パケットの送信時間間隔の具体的な決定方法を示す。
送信パケットPの送信時間間隔をTとすると、Tは以下の式(1)、(2)によって決定される。
【0017】
【数1】
【数2】
ΔTは、他車両の送信信号を自車両の通信部6が検知して自車両の送信を抑制できる時間を参考に決定され、(A)のボックス(2)で0.005秒と仮定されている。
式(2)のkの値を送信ごとに選択することによりT2は変化する。T1は一定であり、T2は変化するので、結果的に送信時間間隔Tは変動する。kの値の選択方法として乱数を利用することもできる。
【0018】
ここで、最小送信時間間隔(Tmin)や最大送信時間間隔(Tmax)は、車速との関係から決定される。すなわち、車速が遅ければTminは大きい値に、車速が速ければTminは小さい値に決定される。あるいは、車速が遅ければTmaxは大きい値に、車速が速ければTmaxは小さい値に決定される。
また、TminとTmaxは、T2の最大値(T2max=±m×ΔT)との関係からも決定される。まず、TminとTmaxがT2maxとの関係でどのように決定されるかを図2(C)で説明する。1回目の送信でT2=+m・ΔTとし、2回目の送信でT2=−m・ΔTとしたときは、1回目の送信と2回目の送信との時間間隔はTminとなる。ここから、Tmin=T1−2m・ΔTとなることがわかる。3回目の送信でT2=−m・ΔTとし、4回目の送信でT2=+m・ΔTとしたときは、3回目の送信と4回目の送信との時間間隔はTmaxとなる。ここから、Tmax=T1+2m・ΔTとなることがわかる。T2maxがあまりに小さいためにTminが大きいと、送信時間間隔の変動がされにくくなり、信号衝突確率の低減という目的を達成しかねる虞がある。同様に、T2maxがあまりに小さいためにTmaxが小さいときも、送信時間間隔の変動がされにくくなる。逆に、T2maxがあまりに大きいためにTminが小さいと、前回の送信タイミングで送信した動向データと差がわずかしかない動向データを送ることとなり、前回の動向データとほぼ重複して送信の有効性が減少する。例えば、(D)に示すように、T2max=±1/2・T1としたときは、Tmin=T1−T1よりTmin=0となる。また、Tmax=T1+T1よりTmax=2・T1となる。これらのことを勘案して、図2(A)のボックス(2)では、T2max=±1/4・T1と仮定している。Tmin=T1−1/2・T1=1/2・T1となり、Tmax=T1+1/2・T1=(1+1/2)T1となる。したがって、ボックス(1)では、Tminが0.05秒、Tmaxが0.15秒とされている。
以上より、kの最大値mは、T2maxを考慮して決定される。図2(A)のボックス(2)ではT2max=±1/4・T1(0.025秒)と仮定しており、ΔTは0.005秒と仮定しているため、T2max=±1/4・T1=±k×ΔTを満たすkは5、すなわちkの最大値mは5と算出される。
また、平均送信時間間隔(Tavr)は、状況に応じて可変にすることもできる。例えば、周辺の車両が多いときには、平均送信時間間隔を長くして信号衝突の確率を一層下げることもできる。なお、kの値の選択に一様乱数を使用したときの平均送信時間間隔は、Tavr=T1+m/2・ΔTである。
【0019】
上記を踏まえた上で、図2(A)の送信パケットPの送信時間間隔の具体的例の説明をする。
P1を送信するときはk=0が選択されているため、式(2)よりT2=0、式(1)よりT=T1となる。よって、(B)に示すように、P1は、一定送信間隔T1による送信タイミングt1で送信開始、t1からPT後(t1から0.01秒後)に送信終了となる。
P2を送信するときはk=+5(すなわち、kの最大値m)が選択されているため、式(2)よりT2=+5・ΔT、式(1)よりT=T1+5・ΔTとなる。よって、(B)に示すように、P2は、P1の送信時点t1からT1+5・ΔT後(t1から0.1+0.025=0.125秒後)で送信され、さらにPT後(t1から0.125+0.01=0.135秒後)に送信終了となる。
P3を送信するときはk=−5(すなわち、kの最大値m)が選択されているため、式(2)よりT2=−5・ΔT、式(1)よりT=T1−5・ΔTとなる。よって、(B)に示すように、P3は、P1の送信時点t1から2×T1−5・ΔT後(t1から2×0.1−0.025=0.175秒後)で送信され、さらにPT後(t1から0.175+0.01=0.185秒後)に送信終了となる。なお、P2とP3の送信時間間隔はT1−2m・ΔTであるため、最小送信時間間隔Tminである。
P4を送信するときはk=+5(すなわち、kの最大値m)が選択されているため、式(2)よりT2=+5・ΔT、式(1)よりT=T1+5・ΔTとなる。よって、(B)に示すように、P4は、P1の送信時点t1から3×T1+5・ΔT後(t1から3×0.1+0.025=0.325秒後)で送信され、さらにPT後(t1から0.325+0.01=0.335秒後)に送信終了となる。なお、P3とP4の送信時間間隔はT1+2m・ΔTであるため、最大送信時間間隔Tmaxである。
このように、各車両が異なる値Tの送信時間間隔でデータを送信することにより、同じ送信周波数を使った場合にも各車両が送信した信号の衝突確率を下げることができる。
また、この送信方法によれば、送信タイミングtが各車両でランダムであり非同期となるため、タイムスロットを使用して各車両の送信タイミングの同期を取る必要がない。また、送信タイミングの同期を取るために各車両が共通の時刻を持つ必要も無い。
【0020】
図3は、通信部6が送信に使用する周波数を模式的に示している。本実施例では、送信周波数がnチャネル(n=1,2,3,・・・,n;nは正の整数)あり、その中の1チャネルを選択して送信する。nの選択には、乱数を利用することができる。このときの各車両からの送信信号の衝突確率は、1チャネルのみを使用した場合と比較すると1/nに低下する。
また、各車両の通信部6は、nチャネルの送信信号を同時に受信できるように、周波数に対応したnチャネルの受信機能を有する。
このように、複数の周波数を使用した通信方法(マルチチャネル)により、各車両の通信部6から送信される信号衝突確率を低減し、許容される送信時間間隔内に通信する確率を上げることができる。
なお、図3においては、図2において説明した周波数の送信時間間隔が一定でない方式を組み合わせて併用している。これにより、各車両から送信される信号の衝突確率をさらに低減化することができる。
【0021】
車両突防止警報装置1の情報処理部4は、入力された自車両の動向データと他車両の動向データに基づいて、車両間距離、予測経路、衝突予測位置への到達所要時間等を計算し、衝突の危険度を演算する。衝突危険度演算処理の詳細な手順については、後に説明をする。
さらに、情報処理部4は、算出された衝突危険度に応じて、警告出力部8から衝突警告を出力する。
【0022】
ここで、図4を参照して、情報処理部4が衝突危険度演算を行う際に用いる座標系について説明をする。
まず、図4(A)(B)を参照して、従来から位置に関する演算に用いられているデカルト座標系について説明をしておく。
(I)GPS受信機22から出力される緯度・経度・高度は、地球をほぼ球体に近い楕円体と見なして計算された値であり、緯度は度単位、経度は度単位、高度はメートル単位で表わされる。例えば、図4(A)に示すように、領域R1(緯度方向1度:100,000m、経度方向1度:120,000mで囲まれる大きさ)内の緯度θa、経度φ、高さaメートルの点Aは(θa、φa、za)と、緯度θb、経度φb、高さbメートルの点Bは(θb、φb、zb)と表わされる。(緯度θは度単位、経度φは度単位、高度zはメートル単位である。)
(II)上記の緯度θ・経度φ・高度zで表わされた点を、長さ単位(メートル単位等)で表わされるデカルト座標系の点に変換する。これは、緯度θと経度φで表わされた2点間の距離の算出等が容易でないことから、x軸方向、y軸方向、z軸方向が同値の長さ単位で表わされるデカルト座標系を用いて計算し易くするためである。
例えば、図4(B)に示すように、上記の点Aと点Bを、メートル単位で表わされるx,y,z軸によるデカルト座標系に変換した場合、点Aは点A’(xa、ya、za)、点Bは点B’(xb、yb、zb)に変換される。(x、y、zともメートル単位である。)
この変換に用いられる典型的な変換式は、以下の式(3)、(4)、(5)である。
【0023】
【数3】
【数4】
【数5】
以上により点A’−点B’間の距離La’b’は以下の式(6)で容易に求められる。
【0024】
【数6】
(III)上記のデカルト座標系の点による演算結果を、緯度・経度・高度に戻す。これは、例えば、地図上に点を表わしたいときに、地図上では点を緯度・経度等で示す必要があるためである。デカルト座標系の点による演算結果を、緯度・経度・高度に戻すためにはさらに複雑な計算が必要となり、演算量が増大する原因となっている。
以上のように、デカルト座標系を用いると、(II)において緯度・経度等の単位から長さ単位への複雑な変換計算、(III)において長さ単位から緯度・経度等への複雑な変換計算が必要となり、演算量が大きくなる。
【0025】
次に、本実施例において用いられる座標系について説明をする。本実施例においては、緯度・経度等による座標系の欠点(2点間の距離の算出等が容易でないこと)を改良した座標系、すなわち、緯度・経度の単位度当たりの地球上での弧長を等しくする座標系を用いる。
(I)地球はほぼ球体に近い楕円体であるため、図4(A)の点A(θa、φa、za)、点B(θb、φb、zb)が属する領域R1における経度1度あたりの弧長LonLと、緯度1度当たりの弧長LatLは、以下の式(7)、(8)で求められる。
【0026】
【数7】
【数8】
ここで、経度を基準に考えると、経度と緯度の弧長比Lon−ratioは、(Lon−ratio=LatL/LonL)で定義される。例えば、図4(A)で示した領域R1のLonLが100,000mであり、LatLが120,000mであるため、Lon−ratioは1.2である。高度については、長さを度単位に変換して(Zdeg=z/LonL[度])で定義される。
(II)領域内の緯度方向の成分に全てLon−ratioを乗算する。これにより、緯度成分、経度成分、高度成分を統一的に扱うことができ、どの方向でも一定の度を進むと一定の距離を移動することになる(すなわち、緯度成分、経度成分、高度成分の弧長比を1:1:1とする座標系を用いることになる)。領域R1内の緯度方向の成分に乗算した結果、点Aは点A’’(θa×Lon−ratio、φa、za/LonL)、点Bは点B’’(θb×Lon−ratio、φb、zb/LonL)となる。これを、図4(C)に示す座標系において、それぞれ点A’’(lata、lona、Zdega)、点B’’(latb、lonb、Zdegb)としている。
この座標系では、距離を度単位で表現する必要がある。点A’’−点B’’間の距離La’’b’’を度単位の表現でLdeg−a’’b’’とすると、Ldeg−a’’b’’=La’’b’’/LonL[度]となる。すると、以下の式(9)で表わされる関係が得られる。
【0027】
【数9】
式(9)では上記の式(6)と同様の関係を得られるため、この座標系をデカルト座標系と同様に扱うことができる。したがって、予測経路の交点の算出等も通常のデカルト座標系と同様に行うことができる。
なお、この座標系で求めた距離Ldegから通常の距離Lへの変換は、(L=Ldeg×LonL)で容易に求めることができるため、演算量が増大することもない。
(III)交点等の2次的に算出された点を、地図に対応させるため、元の緯度・経度等の値に変換する。すなわち、経度成分はそのままの値を使用でき、緯度成分はLon−ratioで除算することで元の緯度の値に変換できる。
以上のように、緯度・経度の単位度当たりの地球上での弧長を等しくする座標系を用いると、一旦(I)で経度1度あたりの弧長と緯度1度当たりの弧長を算出した後は、(II)(III)で比較的簡易な計算によって2点間の距離の計算等を行うことができ、演算量を節約することができる。
【0028】
なお、上記の緯度・経度の単位度当たりの地球上での弧長を等しくする座標系で求めた点、例えば、図4(C)の点A(lata、lona、Zdega)、点B(latb、lonb、Zdegb)を、以下では説明の便宜のために、点A(pa、qa、ra)、点B(pb、qb、rb)といった表現で表すこととする。
【0029】
車両突防止警報装置1の警告出力部8は、表示装置82、発光装置84、音声装置86、振動装置88のいずれか1つ以上を選択することができる。表示装置82及び音声装置86として、車両用ナビゲーションシステムを使用することも可能である。
警告出力部8として表示装置82を選択したときは、自車両と他車両の位置を電子地図画面上に重畳して表示する。また、車両の移動方位を表示することもできる。衝突の可能性があるときは、衝突予測位置や、危険度に基づいた文字やシンボル等の警告表示を画面に表示する。
警告出力部8として発光装置84を選択したときは、衝突危険度に基づき、点滅表示することもできる。発光装置は、好適には車室内のインパネ付近に配置される。発光装置が車室内に複数配置されている場合には、他車両の接近方向と類似な方向に配置された発光装置を点滅表示することもできる。
警告出力部8として音声装置86を選択したときは、衝突危険度に基づき、警報音や音声を出力する。音声装置が車室内に複数配置されている場合には、他車両の接近方向と類似な方向に配置された音声装置から警報音や音声を出力することもできる。
警告出力部8として振動装置88を選択したときは、他車両の接近方向に類似する方向の箇所を振動して運転者に振動を伝える。
【0030】
次に、図5のフローチャートに従って、前述した車両衝突警告装置を使用した他車両との衝突警告処理の手順の詳細を説明をする。
自車両では、動向データ取得部2が、自車両の緯度・経度・高度(車両位置)、移動方位、車速・加速度(移動速度)を検出している(ステップS2)。検出された車両位置、移動方向、移動速度に関するデータ(動向データ)は、情報処理部4に入力される(ステップS4)。
【0031】
情報処理部4は、入力された自車両の動向データの補正を行う(ステップS6)。この補正は、GPS受信機22が車両位置等の測位計算を開始してから情報処理部4が衝突危険度演算を開始するまでの時間差を考慮して、車両位置のデータの補正を行うものである。
図6を例にとって、車両位置のデータの補正について説明をする。図6の上側を真北とした場合、例えば、補正前の動向データで報告される自車両Aの現在位置を点A(pa、qa)、車速をva、真北からの偏角をθaとし、他車両Bの現在位置を点B(pb、qb)、車速をvb、真北からの偏角をθbとする。車速va、vbは変化しないものとする。これら補正前の点A、点Bは、GPS受信機22が測位計算を行なった時点での位置である。また、補正後の動向データによる自車両Aの現在位置は点A’(pa’、qa’)、他車両Bの現在位置は点B’(pb’、qb’)である。これらの補正後の点A’、点B’は、自車両Aが衝突危険度演算処理を行なう時点での位置である。すなわち、動向データでは点A、点Bの現在位置が報告されるにも拘わらず、実際には点A’、点B’まで進んだ現在位置おいて危険度演算処理を行うこととなってしまう。このため、以下のようにデータの補正を行なう。
点Aの時点と点A’の時点との時間差をΔTa、点Bの時点と点B’の時点との時間差をΔTbとする。時間差ΔTa、ΔTbは、以下の式(10)で求めることができる。
【0032】
【数10】
ここで、図7に示すように、Tgaは、自車両AのGPS受信機22が測位計算を開始し動向状態を検出してからデータを出力するまでの時間である。この時間は各GPS受信機22ほぼ一定である。Taa’は、自車両AのGPS受信機22からデータが出力されてから自車両Aの情報処理部4が衝突危険度演算処理を開始する時刻Ta’までの時間である。また、Tgbは、他車両BのGPS受信機22が測位計算を開始し動向状態を検出してからデータを出力するまでの時間である。Tba’は、他車両BのGPS受信機22からデータが出力されてから自車両Aの情報処理部4が衝突危険度演算処理を開始する時刻Ta’までの時間である。
以上より、車速va、vbは変化しないので、図6に示す点A’は式(11)によって、点B’は式(12)によって求めることができる。
【0033】
【数11】
【数12】
上記の式(11)によって動向データで得られた点Aが点A’に補正され、式(12)によって動向データで得られた点Bが点B’に補正される。すなわち、動向データでは点A、点Bの現在位置が報告されるにも拘わらず、点A’、点B’の現在位置に補正されたデータに基づいて予測経路等を算出することができる。また、動向データを用いると自車両Aの現在位置と他車両Bの現在位置の間の距離としてLが算出されてしまうが、補正されたデータを用いると自車両Aの現在位置と他車両Bの現在位置の間の距離としてL’を算出することができるため、以下に説明する衝突危険度演算処理のステップS110やステップS124での演算を正確に行なうことができる。
【0034】
次に、情報処理部4が、通信部6が信号を送信できる1の周波数を選択する(ステップS8)。周波数の選択方法は、上記の図3で示した通りである
続くステップS10では、その時点が送信タイミングか否かを判定する。上記の図2に示したように、送信タイミングは送信時間間隔が一定とならないように選択される。他の車両からの送信が確認されず自車両の送信タイミングであると判定すれば(YES)、ステップS10に移行する。一方、他車両の送信が確認され自車両の送信タイミングでないと判定すれば(NO)、他の車両からの送信が終了して自車両の送信タイミングになるまで待機してからステップS10に移行する。
ステップS12では、動向データを通信部6を介してアンテナ60より送信相手を特定せずに送信する。本実施例では上述したように、送信距離の範囲は200m以内に限られている。
【0035】
一方、他車両においても、他車両の車両位置等が検出されデータ補正が行われた上で、動向データが送信されている。このため、自車両の通信部6において、他車両の動向データが受信されているか否かを確認する(ステップS14)。NOの場合は、自車両の周辺200m以内には他車両が存在せず動向データが受信されていないため、ステップS2の処理に戻る。YESの場合は、自車両の周辺200m以内に他車両が存在し動向データが受信されているため、他車両の動向データを通信部6から情報処理部4へ入力する(ステップS16)。
【0036】
続くステップS18においては、情報処理部4が、自車両の動向データと他車両の動向データに基づいて、他車両と自車両の衝突の危険度を演算する。
【0037】
図8を参照して、ステップS18の衝突危険度演算処理の詳細な手順を示す。
なお、図8において丸囲みされた数字は、演算された危険度を表わしている。以下に、それぞれの数字が表わす危険度の内容を示す。
危険度0:衝突の可能性がない、あるいは、衝突の可能性が極く小さい
危険度1:衝突の可能性が小
危険度2:衝突の可能性が中、注意
危険度3:衝突の可能性が大、危険
【0038】
動向データに基づいて、自車両と他車両のうち少なくとも1つが停車中であることが判定されると(ステップS102でYES)、危険度0とされる。一方、自車両も他車両もともに走行中と判定されると(ステップS102でNO)、ステップS104に移行する。
【0039】
ステップS104では、自車両の予測経路と他車両の予測経路がともに直線状であり、自車両と他車両の移動方位が同じであるか、もしくは同じ移動方位からプラスマイナス5°以内であるかを判定する。例えば、自車両も他車両もともに真北に移動していればYESとされる。もしくは、図9(A)のように自車両が真北に移動しており他車両が真北から西へ5°偏角方向に移動していたり、(B)のように自車両が真北に移動しており他車両が真北から東へ5°偏角方向に移動していれば、YESとされる。
【0040】
図9の(A)のように、両者の予測経路の交点が現在位置より前方にあるときは、衝突の可能性があると判定されることになる。一方、(B)に示すように、予測経路の交点が現在位置より後方にあるときは、衝突の可能性はないと判定されることになる。しかしながら、自車両と他車両が、同一道路上を走行中である場合は、両者の移動方位のわずかな違いや動向データの測定誤差等により、(A)と(B)の状態が相互に頻繁に入れ替わる。このため、安定した衝突判定が行えないだけでなく、衝突の可能性がないとする誤判定をもたらす虞がある。
そこで、自車両の予測経路と他車両の予測経路が同一線上に重なるとき、あるいは、ほぼ同一線上に重なるとき(ステップS104でYESのとき、あるいは、ステップS118でYESのとき)は、以下のステップS106からステップS114(あるいは、ステップS120からステップS128)の処理を行う。
【0041】
ステップS106では、自車両の現在位置と他車両の現在位置の横方向の距離h1を求める。図9(C)に横方向の距離h1が模式的に示されている。h1は、自車両の現在位置のqaと他車両の現在位置のqbとの差で求められる。h1が10mを超えると判定されると(ステップS108でYES)、危険度0とされる。一方、h1が10m以内であると判定されると(ステップS108でNO)、ステップS110に移行する。
【0042】
ステップS110では、自車両の現在位置と他車両の現在位置から車両間距離d1を求める。図9(C)に示すd1は、以下の式(13)で求められる。
【0043】
【数13】
式(13)よりd1が10mを超えると判定されると(ステップS112でYES)、危険度0とされる。一方、d1が10m以内であると判定されると(ステップS112でNO)、ステップS114に移行する。
【0044】
ステップS114では、他車両が後方から接近中か否かを判定する。この判定を行なうには、図9(D)に示すように、一方の車両の予測経路上に、他車両の現在位置を垂直に射影する。そして、自車両の現在位置と射影後の他車両の仮位置とに基づいて、他車両が後方から接近中か否かを判定する。
【0045】
まず、図10において、点A(pa、qa)に位置する自車両Aと点B(pb、qb)に位置する他車両Bを例にとって、自車両の予測経路上に他車両の現在位置を射影する方法を説明する。
以下の式(14)、(15)によって、点A(pa、qa)に位置する自車両Aの予測経路上に、他車両Bの現在位置である点B(pb、qb)を垂直に射影すると、他車両の仮位置の点B’(pb’、qb’)が得られる。
【0046】
【数14】
【数15】
【0047】
次に、他車両が後方から接近中か否かの判定は、以下のように行われる。図10において、自車両Aの単位方向ベクトルを(cosθ、sinθ)とすると、以下の式(16)、(17)が得られる。
【0048】
【数16】
【数17】
tは任意の媒介変数であるが、物理的には時間と考えてよい。
式(16)を変形した式(18)、式(17)を変形した式(19)より、時間tが求められる。
【0049】
【数18】
【数19】
式(18)ないしは式(19)によってt>0と計算されたときは他車両Bは前方を走行し(図10の状態)、t<0と計算されたときは他車両Bは後方を走行している(図9の状態)こととなる。
【0050】
他車両が前方を走行している場合は(図10の状態)、ステップS114ではNOと判定される。この場合は自車両から視覚的に認識できるため、危険度0とされる。
他車両が後方を走行している場合は(図9の状態)、自車両の車速>他車両の車速であれば(ステップS116でYES)、危険度0とされる。一方、自車両の車速<他車両の車速であれば(ステップS116でNO)、危険度2とされる。この場合は、図9(A)のように、自車両と他車両の予測経路の交点が現在の位置よりも前方にあるときも、(B)のように自車両と他車両の予測経路の交点が現在の位置よりも後方にあるときも、危険度2とされる。実際に(B)の状態であれば衝突の可能性はないが、演算時点では(A)の状態であるか(B)の状態であるかが未確定であるために、実際がいずれの場合であっても衝突の可能性があるとする。
【0051】
一方、ステップS104でNOとされた場合は、ステップS118に移行する。ステップS118では、自車両の予測経路と他車両の予測経路がともに直線状であり、自車両と他車両の移動方位が逆であるか、もしくは逆の移動方位からプラスマイナス5°以内であるかを判定する。例えば、自車両が真北に移動しており他車両が真南に移動していればYESとされる。もしくは、図11(A)のように自車両が真北に移動しており他車両が真南から東へ5°偏角方向に移動していたり、(B)のように自車両が真北に移動しており他車両が真南から西へ5°偏角方向に移動していればYESとされる。
この場合も、上記のステップS106からステップS114と同様の方法によって、ステップS120からステップS128までの処理を行う。
【0052】
まず、図11(C)に示すように、自車両の現在位置のqaと他車両の現在位置のqbの差から距離h2を求め(ステップS120)、h2が10mを超えるか否かを判定する(ステップS122)。h2が10mを超える場合(判定でYES)は、危険度0とされる。h2が10m以内の場合(判定でNO)は、図11(C)に示す自車両の現在位置と他車両の現在位置から、式(13)によって車両間距離d2を求め(ステップS124)、d2が20mを超えるか否かを判定する(ステップS126)。d2が20mを超える場合(判定でYES)は、危険度0とされる。
d2が20m以内の場合(判定でNO)は、式(14)、(15)によって、図11(D)に示すように、自車両の予測経路上に他車両の現在位置を垂直に射影する。そして、自車両の現在位置と射影後の他車両の仮位置とに基づいて、式(18)ないしは式(19)によって、他車両が後方から接近中か否かを判定する。式(18)ないしは式(19)によって、t>0と計算されたときは他車両は前方を走行し(図11(A)から(D)の状態)、t<0と計算されたときは他車両は後方を走行している(図11(E)の状態)こととなる。
他車両が後方を走行している場合は(図11(E)の状態)、ステップS128ではNOと判定され、危険度0とされる。一方、他車両が前方を走行している場合は(図11(A)から(D)の状態)、危険度1とされる。この場合は、図11(A)のように、自車両と他車両の予測経路の交点が自車両の現在位置よりも後方にあるときも、(B)のように自車両と他車両の予測経路の交点が自車両の現在位置よりも前方にあるときも、危険度1とされる。実際に(A)の状態であれば衝突の可能性はないが、演算時点では(A)の状態であるか(B)の状態であるかが未確定であるために、実際がいずれの場合であっても衝突の可能性があるとする。なお、(B)の状態であっても視覚的に認識できる可能性があるため、比較的低い危険度とされる。
【0053】
ステップS118でもNOとされた場合は、自車両の予測経路と他車両の予測経路は5°を超える角度をなして交差する。この場合は、自車両から他車両を視覚で認識することができない可能性が高く、他車両からも自車両を視覚で認識することができない可能性が高い。したがって、以下のステップS130以降の処理を行う。
まず、自車両と他車両が交差すると予測される交点を求め、交点までの自車両と他車両の到達所要時間を求める(ステップS130)。
【0054】
図12に、自車両の現在位置と他車両の現在位置と、自車両の予測経路と他車両の予測経路が交差すると予測される交点の位置の関係が例示されている。図12の上側を真北とする。点A(pa、qa)にいる自車両Aが、真北からの偏角θa、速度vaで移動しており、点B(pb、qb)にいる他車両Bが真北からの偏角θb、速度vbで移動しているとき、両者の予測経路は点C(pc、qc)で交差すると予測されている。
自車両Aの予測経路は式(20)、他車両Bの予測経路は式(21)で求められる。
【0055】
【数20】
【数21】
したがって、この2つの予測経路の交点C(pc、qc)は、以下の式(22)、(22)で求められる。
【0056】
【数22】
【数23】
また、自車両Aが速度vaで等速度運動をしているとき、p方向の速度成分はva・cos(θa)であるから、自車両Aの点Cへの到達所要時間tcaは式(24)で求められる。同様に、他車両Bの点Cへの到達所要時間tcbは式(25)で求められる。
【0057】
【数24】
【数25】
【0058】
続くステップS132では、上記で求められた自車両と他車両の交点への到達所要時間から、自車両または他車両のいずれかが既に交点を通過した後か否かを判定する。自車両の交点Cへの到達所要時間tcaか、他車両の交点Cへの到達所要時間tcbのいずれかが負であれば、負である車両は既に交点Cを通過した後なのでYESとなり、危険度0とされる。一方、tcaもtcbも正であれば、自車両も他車両も交点を通過する前(図12の状態)なのでNOとなり、ステップS134に移行する。
【0059】
ステップS134では、早く交点Cに到達する車両が交点Cに到達する時の、自車両と他車両の間の距離d3を求める。例えば、図12において早く交点Cに到達するのが他車両Bと予測された場合(tca>tcbの場合)は、他車両Bが交点Cに到達する時の自車両Aの予測位置との距離d3を求める。d3は、自車両Aの予測位置である点A’(pa’、qb’)と他車両の予測位置である点C(pc、qc)の距離であり、以下の式(26)で求められる。
【0060】
【数26】
【0061】
式(26)より、d3が20mを超える場合は(ステップS136でYES)、危険度0とされる。一方、d3が20m以内の場合であり10mを超える場合は(ステップS138でYES)、危険度1とされる。d3が10m以内の場合であり、自車両または他車両の車速が10km/hを超える場合は(ステップS140でYES)、危険度3とされる。自車両または他車両の車速が10km/h以下の場合は(ステップS140でNO)、危険度2とされる。
【0062】
このように衝突の危険度が算出されたら、図5のステップS20において、警告出力部8によって、衝突の危険度に応じた衝突警告が出力される。
【0063】
警告出力部8として表示装置82を選択したときは、図13(A)に示すように、車両用ナビゲーションシステム30を使用することが可能である。この場合、(B)に示すように、電子地図画面31上に、自車両32と他車両33の位置と移動方位を重畳して表示する。衝突の可能性があるときは、衝突予測位置34や、危険度に基づいた文字やシンボル等の警告表示35を画面に表示して、運転者に危険を知らせる。
他車両33や衝突予測位置34は、運転者の選択により非表示にすることができる。例えば、自車両32から半径50m以内の他車両33のみを表示したり、複数の衝突予測位置34がある場合には危険度が最大であるものだけを表示するというような利用方法も可能である。また、自車両32、他車両33、衝突予測位置34は、衝突の危険度に応じて表示色を変えることもできる。更に、電子地図画面31上の他車両33の接近方向を周囲と異なる色にする等の強調表示をして、運転者に接近方向を分かりやすくする構成としてもよい。なお、衝突予測位置34が交差点内と計算された場合には、算出された危険度が低くても特に衝突の可能性が大きいとして、高い危険度の表示を行うことも可能である。
【0064】
表示装置82として発光装置84を選択したときは、車室内に発光装置を複数配置して、他車両の接近方向と類似な方向の発光装置を点滅表示することもできる。例えば、図13(A)では2つの発光装置40と42が配置されており、左方向から他車両が接近しているときは40が点滅し、右方向から他車両が接近しているときは42が点滅する。
【0065】
警告出力部8として音声装置86を選択したときは、図13(A)の車両用ナビゲーションシステム30を使用することが可能である。あるいは、フロントスピーカー50、52やリアスピーカー54、56を使用することが可能である。これらの音声装置は、衝突危険度に基づき、警報音や音声により運転者に危険を知らせる。音声によって出力されるときは、他車両の接近状況(左右の方向の区別など)を知らせることもできる。
音声装置が車室内に複数配置されている場合には、他車両の接近方向と類似な方向に配置された音声装置から警報音や音声が出力される。例えば、他車両が右前方から接近しているときには、フロントスピーカー52から出力され、左後方から接近しているときには、リアスピーカー54から出力されるようにする。
【0066】
警告出力部8として振動装置88を選択したときは、他車両の接近方向に類似する方向の箇所を振動することで、運転手に他車両の接近方向を分りやすく警告する。例えば、図13(C)に示すように、運転手の座席60を振動可能な構成とし、他車両が左方向から接近する場合には座席の左肩部分62を振動し、他車両が右方向から接近する場合には座席の右肩部分64を振動して警告する。
【0067】
最後に図5のステップS22において、衝突警告処理を終了するか否かを判定し、NOの場合はステップS2に戻って一連の処理を繰り返す。一方、YESの場合は衝突警告処理を終了する。
【0068】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
・本実施例では、通信距離の範囲を200m以内としていたが、これに限られるものではなく、任意の距離の範囲を選択することができる。この場合、通信距離の範囲内に存在すると予測される車両の数によって、通信距離の範囲を限定することが好適である。
・本実施例では、車速が変化しないものとして車両位置のデータの補正を行なう方法を採用していたが、これに限られるものではない。車速の変化も加味したさらに高次の補正方法を採用することも可能である。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 車両衝突警告装置のシステム構成を示す図である。
【図2】 通信部の送信方法を示す図である。
【図3】 通信部の送信方法を示す図である。
【図4】 演算を行う際に用いられる座標系の例を示す図である。
【図5】 車両衝突警告処理の手順を示す図である。
【図6】 車両位置のデータの補正を説明する図である。
【図7】 GPS受信機の測位計算開始から情報処理部の衝突危険度演算開始までの経過時間の例を示す図である。
【図8】 衝突危険度演算処理の詳細な手順を説明する図である。
【図9】 自車両と他車両の予測経路がともに直線状であり、自車両と他車両の移動方位がほぼ同じである例を示す図である。
【図10】自車両の予測経路上に他車両の現在位置を射影する例を示す図である。
【図11】自車両の予測経路と他車両の予測経路がともに直線状であり、自車両と他車両の移動方位がほぼ逆である例を示す図である。
【図12】自車両と他車両の現在位置と、自車両と他車両の予測経路の交点の例を示す図である。
【図13】警告出力部の例を示す図である。
【符号の説明】
2 :動向データ取得部、
4 :情報処理部、
6 :通信部、
8 :警告出力部
Claims (3)
- 自車両の位置と移動方位と移動速度に関する自車両動向データを取得する自車両動向データ取得手段と、
取得した自車両動向データを他車両に送信する送信手段と、
他車両が送信する他車両動向データを受信する受信手段と、
取得した自車両動向データと受信した他車両動向データに基づいて自車両と他車両の衝突危険度を演算する演算手段と、
演算された危険度に応じて自車両に警告する警告手段を備え、
前記送信手段は、送信先を限定せずに、以下の式(1)によって定義される不均一な時間間隔Tで送信するものであり、
T=T1+T2 (1)
ここでT1は一定の送信時間間隔であり、T2は他車両動向データを他車両が送信しているか否かを確認するのに必要な時間に送信毎に選択される係数を乗じて算出される調整用時間間隔であり、
前記不均一な時間間隔Tは、最小時間間隔と最大時間間隔によって定義される範囲から選択され、前記最小時間間隔と前記最大時間間隔は、自車両の移動速度が遅い場合にはそれぞれ大きい値に決定され、自車両の移動速度が速い場合にはそれぞれ小さい値に決定される
ことを特徴とする車両衝突警告装置。 - 前記調整用時間間隔T2は以下の式(2)によって定義されるものであり、
T2=±k×ΔT (2)
ここでkは整数の係数であり、ΔTは他車両動向データを他車両が送信しているか否かを確認するのに必要な時間である
ことを特徴とする請求項1に記載の車両衝突警告装置。 - 前記送信手段は、予め設定されている複数の周波数の中から一つの周波数を選択して送信先を限定せずに送信し、
前記受信手段は、予め設定されている複数の周波数の全てが受信可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両衝突警告装置。
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