JP4321158B2 - プリンタ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録媒体にそれぞれ画像を記録可能とされた複数の印字手段を備え、これら複数の印字手段により複数の記録媒体に対して並列的に画像を記録可能とされた並列処理型のプリンタ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
大量の印刷物を作成する場合などにおいて、複数台の印刷ユニット(印刷ユニット)を並列的に配置し、これらの印刷ユニットに印刷ジョブを振り分け、これらの印刷ユニットを並列的に動作させることにより、高速印刷を実現する並列処理型のプリンタ装置が、例えば、特許文献1に示されている。この特許文献1に示されたプリンタ装置は、印刷ユニットと、この印刷ユニットから搬出される印刷済みの記録紙を排紙する排紙部、記録紙を収納し、この記録紙を印刷ユニットへ供給する給紙部、及び制御部により構成されるベースユニットとを有しており、このベースユニット上に印刷ユニットが少なくとも1台以上積み重ねられて構成されている。
【0003】
ここで、特許文献1の各印刷ユニットは、記録紙へ印刷を行うインクジェットヘッド等からなる印刷部と、印刷部への搬入口から搬入される記録紙を印刷部へ供給する第1給紙部(第1給紙路)と、搬入口から搬入される記録紙を他段の印刷ユニットへ供給する第2給紙部(第2給紙路)と、印刷部にて印刷された記録紙を搬出口へ排紙する第1排紙部(第1排紙路)と、他段の印刷ユニットで印刷された記録紙を搬出口へ排出する第2排紙部(第2排紙路)とを有している。
【0004】
特許文献1のプリンタ装置では、最下段の印刷ユニットの搬出口はベースユニットの排紙部に接続される共に、搬入口はベースユニットの給紙部に接続されている。また隣接する印刷ユニット間では、下段側の印刷ユニットの第2給紙路及び第2排紙路が、上段側の印刷ユニットの搬入口及び排出口にそれぞれ接続される。これにより、このプリンタ装置では、各印刷ユニットの第2給紙路が接続されて記録紙を給紙部へ案内するための1本の給紙経路が構成されると共に、各印刷ユニットの第2排紙路が接続されて記録紙を排紙部へ案内するための1本の排紙経路が構成される。従って、各第2給紙路が接続された給紙経路を通してベースユニットの給紙部から任意の印刷ユニットに給紙された記録紙が第1給紙路により印刷部へ給紙可能になり、また印刷部により印刷された記録紙が第1排紙路を通して第2排紙路へ送り出され、この記録紙が各第2排紙路が接続された排紙経路を通してベースユニットの排紙部へ搬出される。
【0005】
また、特許文献1には、ベースユニット上に積み重ねる印刷ユニットの段数(台数)を増減することにより、ユーザの求めに応じてプリンタ装置による印刷速度等の印刷能力が広い範囲で調整可能になると記載されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−103735号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1のプリンタ装置では、例えば、複数台の印刷ユニットにより並列的に記録紙に対して画像を記録する場合に、複数台の印刷ユニットでそれぞれ略同時に記録紙に対する画像記録が完了しても、一の印刷ユニットから先に排紙経路内へ送り出された記録紙がベースユニットの排紙部へ搬出されなければ、他の印刷ユニットから次の記録紙を排紙経路内へ送り出すことができず、印刷ユニットでの記録紙に対する印刷を一時中断しなければならない事態が生じる。
【0008】
従って、特許文献1のプリンタ装置では、上記のような場合には、装置を構成する印刷ユニットの台数を増加する程、記録紙を印刷ユニットから排紙部へ搬送を開始するまでの待ち時間が増加する機会が増えて、各印刷ユニットの稼働率が低下する。この結果、このようなプリンタ装置では、印刷ユニットの台数を増加することで見かけ上の印刷能力を増加できても、この印刷能力の増加分が前記待ち時間の増加により相殺され、必ずしも印刷ユニットの台数に見合うだけの印刷能力を得られない。
【0009】
本発明の目的は、上記事実を考慮して、複数の印字手段により画像が並列的に記録された複数の記録媒体を同時に媒体保管部へ搬送できると共に、印字手段の設置数の増加に応じて効率的に印刷能力を増加できるプリンタ装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に係るプリンタ装置は、 シート状の記録媒体に画像を記録する印字手段及び、前記印字手段により画像が記録された記録媒体をユニット外部へ搬出する排出搬送手段がそれぞれ複数設けられ、複数の印字手段により記録媒体に対して並列的に画像を記録可能とされた本体ユニットと、前記排出搬送手段により前記本体ユニットから排出された記録媒体を受け入れ、該記録媒体を保管するための媒体保管部と、一端部が前記排出搬送手段に接続されると共に他端部が前記媒体保管部に接続され、前記排出搬送手段により前記本体ユニットから排出された記録媒体を夫々前記媒体保管部へ案内するための複数の排出ガイド路と、前記排出搬送手段により前記排出ガイド路へ搬出された記録媒体を前記媒体保管部へ搬送する排出搬送手段と、を備え、前記媒体保管部には、前記排出ガイド路内から排出された記録媒体が積層される排出集積部が設けられると共に、前記排出ガイド路の他端部には、前記排出集積部に面して開口する集積排出口が設けられ、前記複数の排出ガイド路は、前記複数の集積排出口を通して前記排出集積部上へそれぞれ排出される記録媒体が、その厚さ方向に沿って互いに離反する方向を指向しつつ排出されるように、複数の記録媒体を案内することを特徴とする。
【0011】
上記請求項1に係るプリンタ装置では、排出搬送手段により本体ユニットから排出された記録媒体を媒体保管部へ案内するための排出ガイド路が、本体ユニットにおける複数の前記印字手段にそれぞれ1対1で対応するように複数設けられ、しかも互いに分離されたことにより、一の印字手段から一の排紙ガイド路内に送り出された記録媒体が媒体保管部へ搬送されている時でも、この記録媒体の媒体保管部への搬出完了を待つことなく、他の印字手段により画像が記録された記録媒体を他の排紙ガイド路内へ送り出し、この記録媒体を排紙ガイド路に沿って媒体保管部へ搬送できるので、複数の印字手段により画像が並列的に記録された複数の記録媒体を併行して媒体保管部へ搬送できる。
さらに、複数の排出ガイド路が、複数の集積排出口を通して排出集積部上へそれぞれ排出される記録媒体が、その厚さ方向に沿って互いに離反する方向を指向しつつ排出されるように、複数の記録媒体を案内することにより、複数の集積排出口から複数の記録媒体が同時に排紙される場合に、これらの記録媒体の間に隙間を確保しつつ記録媒体を排出集積部上に排出し易くなり、また記録媒体の先端側で他の記録媒体と接した場合でも、記録媒体間の接触圧を十分に低く抑えることができるので、一の集積排出口からそれぞれ排出される記録媒体が他の集積排出口から排出される記録媒体からの搬送抵抗(摩擦力)を受けて排出集積部上への落下位置が乱れたり、集積排出口から排出される記録媒体の排紙抵抗が増加し、集積排出口内に記録媒体が詰ったりすることを効果的に防止できる。
【0012】
また請求項1に係るプリンタ装置では、印字手段の個数(設置数)を増減することにより、装置全体としての記録媒体に対する印刷速度(単位時間当たりに画像を記録できる記録媒体の枚数)を増減できるので、ユーザの求めに応じて印刷速度を含む印刷能力を広い範囲で調整できる。このとき、一の印字手段は、他の印字手段により画像が記録された記録媒体が一の排紙ガイド路を通って媒体保管部へ搬送中でも、記録媒体を他の排紙ガイド路内を使って媒体保管部へ搬送できる。従って、印字手段の設置数を増加しても、他の印字手段から先に搬送開始された記録媒体の媒体保管部への排紙完了を待つ必要がなく、待ち時間の増加による印刷能力の低下が殆ど生じなくなり、印字手段の設置数を増加すれば、その増加数に応じて効率的に印刷能力を増加できる。
【0013】
本発明の請求項2に係るプリンタ装置は、請求項1記載のプリンタ装置において、前記本体ユニットは、前記印字手段をそれぞれ有する複数の印刷ユニットが重ね合わされて構成されたことを特徴とする。
【0014】
上記請求項4に係るプリンタ装置では、複数の記録媒体に対して並列的に画像が記録可能とされた本体ユニットが、印字手段をそれぞれ含む複数の印刷ユニットが重ね合わせられて構成されることにより、本体ユニットを構成する印刷ユニットの台数を増減するだけで、印字手段の個数を簡単に増減できるようになり、印刷ユニットの台数に応じて印刷速度を含む印刷能力を広い範囲で調整できるようになる。
【0015】
本発明の請求項3に係るプリンタ装置は、請求項1又は2記載のプリンタ装置において、前記排出ガイド路及び前記排出搬送手段が設けられた排出搬送ユニット及び、前記媒体保管部が設けられた排紙集積ユニットとを有し、前記本体ユニットに、少なくとも前記排出搬送ユニット及び前記排紙集積ユニットが着脱可能に取り付けられて構成されることを特徴とする。
【0016】
上記請求項3に係るプリンタ装置では、本体ユニットに、少なくとも排出搬送ユニット及び排紙集積ユニットが着脱可能に取り付けられて装置が構成されることにより、本体ユニットから排出搬送ユニット及び排紙集積ユニットを取り外せば、本体ユニットを構成する複数の印刷ユニットの個数を簡単に増減して印刷速度を含む印刷能力を広い範囲で調整できるようになり、また排出ガイド路の設置数がそれぞれ異なる複数種類の排出搬送ユニットを予め用意しておけば、本体ユニットを構成する複数の印刷ユニットの個数、すなわち印字手段の個数が変更された場合でも、排出搬送ユニットを印字手段の個数と等しい排出ガイド路が設けられたものに簡単に交換できる。
【0017】
本発明の請求項4に係るプリンタ装置は、請求項1乃至3の何れか1項記載のプリンタ装置において、複数の前記印字手段により画像が記録された記録媒体をそれぞれ受け入れて一時保持する複数のバッファ手段を有し、前記排出搬送手段に、前記バッファ手段により一時保持された記録媒体を該排紙バッファから取り出し、前記排出ガイド路へ送り出す分離排出搬送手段を設けたことを特徴とする。
【0018】
上記請求項4に係るプリンタ装置では、複数の印字手段により画像が記録された記録媒体をそれぞれ受け入れて一時保持する複数のバッファ手段を有し、排出搬送手段に、バッファ手段により一時保持された記録媒体を排紙バッファから取り出し、排出経路内へ送り出す分離排出手段を設けたことにより、印字手段により画像が記録された記録媒体を排紙バッファ内に一時収納しておけば、この記録媒体を直ちに排出経路内へ搬出して媒体保管部に搬送開始しなくても、引き続き印字手段により次の記録媒体に対する画像の記録動作を開始し、画像記録を継続できるので、例えば、他の印字手段により画像が記録された記録媒体が排出経路内に記録媒体が送り出されるタイミングに応じて、一の印字手段により画像が記録された記録媒体を排出経路に送り出すタイミングを調整できる。従って、印字手段による記録媒体に対する画像記録の完了タイミングに影響されることなく、排出経路内を搬送される複数の記録媒体が重なり合う面積及び、複数枚の記録媒体の積層順を調整できるようになる。
【0021】
本発明の請求項5に係るプリンタ装置は、請求項1乃至4の何れか1項記載のプリンタ装置において、複数の前記印字手段に対して記録媒体をそれぞれ供給する複数の個別供給手段を有することを特徴とする。
【0022】
上記請求項5に係るプリンタ装置では、複数の個別供給手段が、複数の印字手段に対して記録媒体をそれぞれ供給することにより、複数の印字手段に対して記録媒体を単一の供給手段のみにより供給する場合と比較し、個別供給手段により記録媒体を印字手段に供給するために要する時間を平均的に短いものにできるので、装置の印刷能力を向上させることが可能になる。
【0023】
本発明の請求項6に係るプリンタ装置は、請求項5記載のプリンタ装置において、前記個別供給手段は、1枚以上の記録媒体を収納する媒体収納部と、前記媒体収納部に収納された記録媒体を1枚づつ分離して前記印字手段へ供給する分離供給手段と、を含むことを特徴とする。
【0024】
上記請求項6に係るプリンタ装置では、個別供給手段が、記録媒体を1枚以上収納する媒体収納部と、この媒体収納部に収納された記録媒体を1枚づつ分離して印刷部へ送り出す分離供給手段とを含むことにより、媒体収納部から印字手段に記録媒体を供給し、この記録媒体に画像を記録できるので、例えば、複数枚の記録媒体を媒体収納部内に収納しておけば、長時間に亘って外部から記録媒体を補給することなく、印字手段により複数枚の記録媒体に連続的に画像を記録することが可能になる。
【0025】
本発明の請求項7に係るプリンタ装置は、請求項6記載のプリンタ装置において、前記媒体収納部は、挿抜自在に設けられたトレイであることを特徴とする。
【0026】
上記請求項7に係るプリンタ装置では、媒体収納部が挿抜自在に設けられたトレイであることより、トレイを装置内から抜き取り、このトレイ内へ1枚以上の記録媒体を装填した後、トレイを装置内へ再び挿入すれば、媒体収納部内に記録媒体を簡単かつ迅速に補給できる。
【0027】
本発明の請求項8に係るプリンタ装置は、請求項5乃至7の何れか1項記載のプリンタ装置において、1枚以上の記録媒体を収納すると共に、収納した記録媒体を複数の前記個別供給手段の何れかに選択的に供給する共通供給手段を有することを特徴とする。
【0028】
上記請求項8に係るプリンタ装置では、共通供給手段が、1枚以上の記録媒体を収納すると共に、収納した記録媒体を複数の個別供給手段の何れかに選択的に供給することにより、共通供給手段から複数の個別供給手段に記録媒体を自動的に補給できるので、記録媒体を個別供給手段ファンへ補給するための装置の停止時間を減少でき、結果として装置による記録媒体に対する印刷能力を向上できる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態に係るプリンタ装置について図面を参照して説明する。
【0030】
(実施形態の構成)
図1及び図2には本発明に第1の実施形態に係るプリンタ装置が示され、図3及び図4には本実施形態に係るプリンタ装置に適用される印刷ユニットが示されている。
【0031】
図3に示されるように、印刷ユニット10は外殻部としてケーシング12を備えており、このケーシング12は、装置の高さ方向(矢印H方向)に沿って扁平な直方体状に形成されている。ケーシング12には、その底板部13における幅方向(矢印W方向)に沿った一端側(図3では右側、以下、印刷ユニット10では、この一端側を、便宜上「先端側」と呼称し、他端側を「後端側」と呼称する。)にスリット状の給紙口16が穿設される共に、頂板部14に給紙口16と正対するようにスリット状の排紙口18が穿設されている。またケーシング12内には、底板部13上に上面側が開口した筐体状の給紙ホッパ20が配置されている。給紙ホッパ20内には、1枚の記録紙P又は複数枚の記録紙Pが積層された記録紙の束(以下、これを、特に「記録紙P」と区別する必要がある場合には、「紙束B」という。)が収納可能とされている。
【0032】
図3に示されるように、給紙ホッパ20内には、その底板部21上に平板状の積載板22が配置されており、この積載板22上には給紙ホッパ20内に収納された記録紙Pが載置される。積載板22は、幅方向に沿った後端部が底板部21に揺動に可能に連結されると共に、先端側がコイルスプリング等の付勢部材24により揺動端側が上方へ付勢されている。これにより、給紙ホッパ20内に収納された記録紙Pは、その先端側が積載板22からの押圧力を受けて上方へ付勢される。
【0033】
給紙ホッパ20は、ケーシング12により奥行方向(図4に示される矢印D方向)に沿って所定の装着位置と補給位置との間でスライド可能に支持されている。ここで、給紙ホッパ20は、ケーシング12内の装着位置からケーシング12の外部へ突出する補給位置へスライドすると、上面側の開口部が開放された状態となり、この開口部を通して記録紙Pを補給し、又は取り出すことが可能になる。
【0034】
図3に示されるように、印刷ユニット10内には、給紙ホッパ20の上側に上面側が開口した筐体状の排紙バッファ26が配置されている。この排紙バッファ26内には記録紙P(紙束B)が収納可能とされている。排紙バッファ26内には、給紙ホッパ20と同様に、その底板部27上に平板状の積載板28が揺動可能に配置されている。この積載板28上には排紙バッファ26内に収納された記録紙Pが載置される。また積載板28は、幅方向に沿った後端部が底板部27に揺動に可能に連結されると共に、コイルスプリング等の付勢部材30により揺動端側が上方へ付勢されている。これにより、排紙バッファ26内に収納された記録紙Pは、その先端側が積載板28からの押圧力を受けて上方へ付勢される。なお、排紙バッファ26内では、記録紙Pの先端の向きが給紙ホッパ20内とは逆になっている。
【0035】
排紙バッファ26には、底板部27の下面側に付勢部材30に抗して積載板28を揺動方向に沿った下限位置に移動させ、拘束するためのアクチュエータ(図示省略)が配置されており、このアクチュエータは、排紙バッファ26内に画像記録済みの記録紙Pを受け入れる際に、積載板28を底板部27に近接した下限位置に揺動させて拘束し、排紙バッファ26内への記録紙Pの受入完了後に積載板28を解放する。
【0036】
図3及び図4に示されるように、印刷ユニット10内には、給紙ホッパ20の上方であって、幅方向に沿って排紙バッファ26に隣接する部位に印字部34が配置されている。この印字部34には、奥行方向と平行な主走査方向(図4に示される矢印S方向)に延在するガイドロッド36が設けられると共に、このガイドロッド36により主走査方向に沿って移動可能に支持されたブロック状のインクジェットヘッド38が設けられている。また印字部34には、記録紙Pに対する画像記録時にインクジェットヘッド38を所定の主走査速度で往復移動させるヘッド駆動機構(図示省略)が設けられている。
【0037】
図3に示されるように、印字部34には、主走査方向に直交する副走査方向(図4に示される矢印F方向)に沿ってインクジェットヘッド38を挟むようにニップローラ対40とローラ対42が配置されると共に、ニップローラ対40とローラ対42間にインクジェットヘッド38の下面部との間にスリット状の隙間を形成するガイド板44が配置されている。これらのニップローラ対40は、インクジェットヘッド38により画像が記録される記録紙Pをガイド板44の上面側に圧接させつつ、この記録紙Pを所定の副走査速度で搬送する。
【0038】
ここで、インクジェットヘッド38には、その下面部分に主走査方向に沿って記録すべき画像の画素密度に対応するピッチで配設された複数のノズル(図示省略)が設けられており、インクジェットヘッド38は、ヘッド駆動機構により主走査方向へ移動しつつ、デジタル化された画像情報に基づいて各ノズルからインクを噴射及び噴射停止することで、ニップローラ対40により副走査方向へ搬送される記録紙P上に画像情報に対応する画像を形成する。
【0039】
図3に示されるように、印刷ユニット10には、給紙ホッパ20の上方に円筒状の分離給紙ローラ46が配置されている。この分離給紙ローラ46は、給紙ホッパ20内に収納され積載板22により上方へ付勢された記録紙P(紙束B)上面の先端側に圧接する。また印刷ユニット10には、分離給紙ローラ46とニップローラ対40との間に一定の間隔を空けて互いに対向する一対の印字ガイド板48,50が配置されており、一対の印字ガイド板48,50はそれぞれU字状に湾曲しており、これら一対の印字ガイド板48,50間には、1枚の記録紙Pをニップローラ対40へ案内するための印字ガイド路52が形成されている。
【0040】
印刷ユニット10では、インクジェットヘッド38に記録紙Pを供給する際には、給紙ホッパ20内の記録紙Pに圧接した分離給紙ローラ46を所定量回転させる。これにより、給紙ホッパ20内からは1枚の記録紙Pが分離され、この1枚の記録紙Pは分離給紙ローラ46からの搬送力により印字ガイド路52に沿ってニップローラ対40へ搬送される。なお、印字ガイド路52の路長が比較的長く、分離給紙ローラ46からの搬送力だけでは記録紙Pを確実にニップローラ対40まで搬送できない場合には、印字ガイド路52にはその途中に搬送ローラ対を配置し、この搬送ローラ対により印字ガイド路52の途中まで搬送されてきた記録紙Pをニップローラ対40まで搬送するようにしても良い。
【0041】
図3に示されるように、印刷ユニット10内には、先端部に高さ方向に沿って延在する一対の給紙ガイド板54,56が配置されており、この給紙ガイド板54,56の間には、印刷ユニット10を高さ方向に沿って貫通して、ケーシング12の給紙口16と排紙口18とを繋げたスリット状の給紙ガイド路58が形成されている。この給紙ガイド路58には、少なくとも下端部及び上端部にそれぞれ搬送ローラ対60が配置されている。
【0042】
印刷ユニット10には、給紙ガイド路58から給紙ホッパ20側へ分岐する分岐ガイド路62設けられている。一方、給紙ホッパ20には、図5に示されるように、先端側の側板部に幅方向に沿って分岐ガイド路62側へ延出する筒状の受入ガイド部64が一体的に形成されており、この受入ガイド部64内には、記録紙Pが通過可能なスリット状の受入ガイド路66が形成されている。この受入ガイド路66は、一端部が給紙ホッパ20内へ開口する排紙口68とされると共に他端部が給紙口70とされており、この給紙口70は分岐ガイド路62の先端部と正対している。これにより、分岐ガイド路62の先端部から排出された記録紙Pは、給紙口70を通して受入ガイド路66内へ挿入される。この受入ガイド路66内へ挿入された記録紙Pは、搬送ローラ対60からの搬送力を受けて受入ガイド路66内から排紙口68を通して給紙ホッパ20内へ排出され収納される。
【0043】
図3(B)に示されるように、印刷ユニット10には、給紙ガイド路58と分岐ガイド路62との分岐部付近にガイドレバー72が設けられている。このガイドレバー72には、一端部に回動中心となる支軸部73が設けられており、この支軸部73は一方の給紙ガイド板56の外側に配置された軸受部(図示省略)により軸支されている。ここで、ガイドレバー72は、実線で示される給紙位置と2点鎖線で示される搬送位置との範囲で回動可能とされている。またガイドレバー72にはロータリアクチュエータ(図示省略)が連結されており、このロータリアクチュエータにより給紙位置及び搬送位置の何れかの位置に回動し保持される。
【0044】
ここで、給紙口16を通して後述する給紙ユニット94又は下側の印刷ユニット10から給紙ガイド路58に搬送されてきた記録紙Pは、ガイドレバー72が給紙位置にある場合には、ガイドレバー72により給紙ガイド路58から分岐ガイド路62内へ案内され、またガイドレバー72が搬送位置にある場合には、給紙ガイド路58に沿って上側への搬送が継続される。
【0045】
給紙ホッパ20には、排紙バッファ26と同様に、付勢部材24に抗して積載板22を揺動方向に沿って底板部21に近接した下限位置に移動させ、拘束するためのアクチュエータ(図示省略)が配置されており、このアクチュエータは、受入ガイド路66内から給紙ホッパ20内に記録紙Pを受け入れる際には、図5(A)に示されるように、積載板22を下限位置に揺動させて拘束する。このとき、積載板22上に積載された紙束Bは、受入ガイド路66の排紙口68よりも低い位置となる。またアクチュエータは、給紙ホッパ20内への記録紙Pの受入完了後に積載板22を下限位置から解放する。これにより、積載板22は、付勢部材24の付勢力により上方へ揺動し、図5(B)に示されるように、記録紙Pの先端部を分離給紙ローラ46に圧接させる。またアクチュエータは、給紙ホッパ20内へ記録紙Pを補給するため、給紙ホッパ20を装着位置から補給位置へスライドさせる際にも、積載板22を下限位置に揺動させ拘束する。
【0046】
図3に示されるように、印刷ユニット10には、排紙バッファ26の上方に円筒状の分離排紙ローラ74が配置されている。この分離排紙ローラ74は、排紙バッファ26内に収納され積載板28により上方へ付勢された記録紙P(紙束B)上面の先端側に圧接する。また印刷ユニット10には、分離給紙ローラ46から後端側へ延出する一対の接続ガイド板76,78が配置されており、接続ガイド板76,78は、一定の間隔を空けて互いに対向するように支持されている。これら一対の接続ガイド板76,78間には、1枚の記録紙Pを後述する排紙搬送ユニット96内へ案内するための接続ガイド路80が形成されている。この接続ガイド路80の先端部は、ケーシング12の後端側の側板部に開口する排紙口82に繋げられている。
【0047】
図1に示されるように、本実施形態に係るプリンタ装置90は、給紙ユニット94、複数台の印刷ユニット10及び排紙集積ユニット92が高さ方向に沿って積み重ねられたユニット集積体98と、このユニット集積体98の外側面に取り付けられる排紙搬送ユニット96とにより構成されている。ここで、給紙ユニット94は、記録紙Pを各印刷ユニット10における給紙ホッパ20内へ補給するためのものであり、ユニット集積体98における最下段に配置される。また排紙集積ユニット92は、印刷ユニット10により画像が記録された記録紙Pを受け入れて一時保管するためのものであり、ユニット集積体98における最上段に配置される。
【0048】
図1に示されるように、給紙ユニット94は外殻部としてケーシング100を備えており、このケーシング100の幅方向及び奥行方向に沿ったサイズは、印刷ユニット10のケーシング12と略一致している。ケーシング100には、その上面部における先端側にスリット状の排紙口102(図2参照)が開口しており、この排紙口102は、給紙ユニット94の上段側に隣接する印刷ユニット10の給紙口16に接続される。
【0049】
ケーシング172内部には、記録紙P(紙束B)が収納可能とされたメイン給紙ホッパ104が配置されている。このメイン給紙ホッパ104は、各印刷ユニット10の給紙ホッパ20と同様に、ケーシング100により奥行方向に沿って装着位置と補給位置との間でスライド可能に支持されている。ここで、メイン給紙ホッパ104は、ケーシング100内の装着位置から補給位置へスライドすると、上面側の開口部が開放された状態となり、この開口部を通して記録紙P(紙束B)を補給し、又は取り出すことが可能になる。
【0050】
メイン給紙ホッパ104内には、収納した紙束Bが積載される積載トレー106及び、この積載トレー106を高さ方向に沿って昇降可能に支持した昇降機構(図示省略)が配置されている。またケーシング100内には、メイン給紙ホッパ104の上方に分離給紙ローラ108が配置されており、この分離給紙ローラ108は、そのローラ面が積載トレー106上に積載された紙束B上面の後端部に対向するように支持されている。昇降機構は、メイン給紙ホッパ104の装着位置から補給位置へのスライドに連動して、積載トレー106をケーシング100の底板部に近接した下限位置に移動させ、またメイン給紙ホッパ104の補給位置から装着位置へのスライドに連動して積載トレー106を上昇させ、積載トレー106上の紙束Bを所定の圧接力で分離給紙ローラ108に圧接させる。
【0051】
図1に示されるように、ケーシング100内には、排紙口102から分離給紙ローラ180側へ延出する接続ガイド路110が設けられており、この接続ガイド路110の先端部は、分離給紙ローラ108と紙束Bとの圧接部に面して開口している。これにより、分離給紙ローラ108が所定量だけ回転すると、分離給紙ローラ108により積載トレー106上の紙束Bから1枚の記録紙Pが分離され、この記録紙Pの先端側が接続ガイド路110内へ送り込まれる。
【0052】
なお、メイン給紙ホッパ104内に配置される積載トレー106は1個に限定されず、複数個の積載トレー106をメイン給紙ホッパ104に配置し、各積載トレー106にそれぞれ異なる種類の記録紙Pを積載するようにしても良い。この場合には、例えば、昇降機構により複数の積載トレー106を上下方向に加えて、前後方向(幅方向)に移動させ、複数の積載トレー106の何れかに積載された紙束Bを選択的に分離給紙ローラ108に圧接させることで、複数種類の記録紙Pから選択された1種類の記録紙Pを接続ガイド路110内へ送り込むことが可能になる。
【0053】
図1に示されるように、排紙集積ユニット92の下段側に配置された印刷ユニット10は、下段側に他の印刷ユニット10が配置されている場合には、その給紙口16が下段側の印刷ユニット10の排紙口18に接続され、また上段側に他の排紙集積ユニット92が配置されている場合には、その排紙口18が上段側の印刷ユニット10の給紙口16に接続される。これにより、排紙集積ユニット92の下段側に複数の印刷ユニット10が配置されている場合には、互いに隣接すする印刷ユニット10の給紙ガイド路58が互いに接続され、これらの給紙ガイド路58は、各印刷ユニット10貫通するように高さ方向に延在し、最下端の給紙口16が給紙ユニット94の排紙口102に接続される。これにより、ユニット集積体98には、給紙ユニット94の接続ガイド路110及び各印刷ユニット10の給紙ガイド路58により1本の給紙経路が構成される。
【0054】
また、印刷ユニット10のケーシング12には、その頂板部14に上方へ突出するガイド突起(図示省略)が設けられると共に、底板部13にガイド突起に対応する凹状のガイド受部(図示省略)が設けられている。排紙集積ユニット92の底板部には、印刷ユニット10のガイド突起に対応する凹状のガイド受部が設けられ、給紙ユニット94の頂板部には、印刷ユニット10のガイド受部に対応するガイド突起が設けられている。これらのガイド突起及びガイド受部は1台の印刷ユニット10に少なくとも2個ずつ設けられている。ここで、給紙ユニット94上に複数台の印刷ユニット10及び排紙集積ユニット92が積み重ねられてユニット集積体98を構成している状態では、何れかの印刷ユニット10に設けられたガイド突起は、上段側の印刷ユニット10又は排紙集積ユニット92のガイド受部に嵌挿し、ガイド受部内には下段側の印刷ユニット10又は給紙ユニット94に設けられたガイド突起が挿入される。これにより、給紙ユニット94、印刷ユニット10及び排紙集積ユニット92は、幅方向及び奥行方向に沿って互いに一致するように位置決めされると共に、各ユニット10,92,94間での移動が拘束されて一体化される。
【0055】
なお、ユニット集積体98を構成する複数台の印刷ユニット10及び給紙ユニット94は、それぞれ制御部112,114を備えており、各印刷ユニット10及び給紙ユニット94の制御部112,114の間は電気的に接続されている。各印刷ユニット10及び給紙ユニット94の制御部112,114の間を電気的に接続するためには、例えば、各印刷ユニット10及び給紙ユニット94にケーブル及びソケットを設けて、ケーブル先端に配置されたコネクタを他の印刷ユニット10又は給紙ユニット94のソケットに差し込むことにより電気的に接続しても良く、またガイド突起及びガイド受部の少なくと1個ずつをそれぞれ互いに適合するコネクタ及びソケットとして構成し、給紙ユニット94又は印刷ユニット10上に他の印刷ユニット10を積み重ねると共に、コネクタとしてのガイド突起をソケットとしてのガイド受部に差し込むことにより電気的に接続しても良い。
【0056】
図1に示されるように、排紙搬送ユニット96は外殻部としてケーシング116を備えており、このケーシング116の高さ方向及び奥行方向に沿ったサイズは、ユニット集積体98の側面部のサイズと略一致している。ケーシング116には、図2に示されるように、そのユニット集積体98側の側面部の上端側に複数個(本実施形態では、3個)のスリット状の搬出口118,120,122が開口しており、これらの搬出口118,120,122間の高さ方向に沿った間隔は互いに等しくなっている。またケーシング116には、そのユニット集積体98側の側面部における搬出口118,120,122の下側に複数個(本実施形態では、3個)のスリット状の搬入口124,126,128が開口しており、これらの搬入口124,126,128の高さ方向に沿った位置は、それぞれユニット集積体98における各印刷ユニット10の側面部に開口する排紙口82に一致している。
【0057】
排紙搬送ユニット96のケーシング116の内部には、高さ方向に沿って最上部の搬出口118と最下部の搬入口128とを繋いだ排紙ガイド路130と、中間部の搬出口120と中間部の搬入口126とを繋いだ排紙ガイド路132と、最下部部の搬出口122と最上部の搬入口124とを繋いだ排紙ガイド路134とが設けられている。これらの排紙ガイド路130,132,134には、所定の間隔を空けて搬送ローラ対136が配置されており、これらの搬送ローラ対136により搬入口124,126,128から排紙ガイド路130,132,134内へ挿入された記録紙Pが搬出口118,120,122側へ搬送可能とされている。ここで、搬送ローラ対136の間隔は、印刷ユニット10により画像が記録される記録紙Pの最小長よりも短くなっている。
【0058】
排紙搬送ユニット96及びユニット集積体98には、例えば、互いの接続部にロック機構(図示省略)が設けられており、このロック機構は、排紙搬送ユニット96をユニット集積体98の側面部に密着させることに連動し、排紙搬送ユニット96をユニット集積体98へ連結固定し、また所定のロック解除操作が行われることにより、排紙搬送ユニット96とユニット集積体98との連結状態を解除し、ユニット集積体98から排紙搬送ユニット96を離脱可能とする。このようなロック機構以外にも、排紙搬送ユニット96をユニット集積体98にねじ止め等により締結固定するようにしても良い。
【0059】
また排紙搬送ユニット96は、3本の排紙ガイド路130,132,134を有するもの以外にも、排紙ガイド路の本数が異なる(例えば、2本又は5本)のものが予め用意されており、ユニット集積体98を構成する印刷ユニット10の台数と等しい本数の排紙ガイド路を有する排紙搬送ユニット96がユニット集積体98に取り付けられる。
【0060】
図1に示されるように、ユニット集積体98の最上段に配置される排紙集積ユニット92は外殻部としてケーシング138を備えており、このケーシング138の幅方向及び奥行方向に沿ったサイズは、印刷ユニット10のケーシング12と略一致している。ケーシング138には、その後端側の側板部に複数個のスリット状の受入口140,142,144(図2参照)が開口しており、これらの受入口140,142,144は、ユニット集積体98に取り付けられた排紙搬送ユニット96の搬出口118,120,122にそれぞれに接続される。
【0061】
またケーシング138の上面部には、複数枚の記録紙Pが積載可能とされた排紙トレー部146が設けられている。排紙トレー部146には、後端側から先端側へ向って上方へ傾斜する積載面148が形成されると共に、この積載面148の後端部から略垂直に立ちあがる位置決め面150が形成されている。この位置決め面150には、3個のスリット状の排紙口152,154,156が開口しており、ケーシング138内には、排紙口152,154,156と受入口140,142,144とをそれぞれ繋いだ3本の受入ガイド路158,160,162が設けられている。また排紙集積ユニット92には、受入ガイド路158,160,162の排紙口152,154,156側の端部にそれぞれ搬出ローラ対164が配置されている。
【0062】
ここで、受入ガイド路158,160,162の排紙口152,154,156側の部分には、高さ方向に沿ってそれぞれ異なる方向を向くように形成されている。具体的には、最上部の受入ガイド路158は、記録紙Pの排紙方向へ向って上方へ傾斜し、中間の受入ガイド路160は略水平とされており、最下部の受入ガイド路162は、記録紙Pの排紙方向へ向って下方へ傾斜している。これにより、各排紙口152,154,156からそれぞれ排紙トレー部146上へ排紙される記録紙Pが、その厚さ方向(=高さ方向)に沿って互いに離反する方向を指向しつつ排紙されるように、受入ガイド路158,160,162により案内される。
【0063】
上記のように、各排紙口152,154,156からそれぞれ排紙される記録紙Pが互いに離反する方向を指向しつつ排紙されることにより、各排紙口152,154,156から複数枚の記録紙Pが同時に排紙される場合に、記録紙Pを他の記録紙Pとの間に隙間を確保しつつ排紙トレー部146上に排紙し易くなり、また記録紙Pの先端側で他の記録紙Pと接した場合でも、記録紙P間の接触圧を十分に低く抑えることができる。従って、排紙口152,154,156から排紙される記録紙Pが他の記録紙Pからの摩擦力を受けて排紙トレー部146上への落下位置が乱れたり、排紙口152,154,156からの記録紙Pの排紙抵抗が増加し、排紙口152,154,156で記録紙Pが詰ったりすることを防止できる。
【0064】
なお、排紙集積ユニット92における複数の受入ガイド路については、高さ方向に沿って隣接する受入ガイド路との間隔を十分に広くできれば、必ずしも記録紙Pを互いに離反させるように傾斜させる必要はない。
【0065】
本実施形態に係るプリンタ装置90は、前述したように、給紙ユニット94上に複数台の印刷ユニット10及び排紙集積ユニット92が積み重ねられたユニット集積体98に排紙搬送ユニット96が取り付けられて構成されている。これにより、図2に示されるように、ユニット集積体98から排紙搬送ユニット96を取り外した後、給紙ユニット94上から印刷ユニット10又は排紙集積ユニット92を上方へ持ち上げるだけで、簡単に下段側の給紙ユニット94又は印刷ユニット10から分離できる。従って、プリンタ装置90では、印刷ユニット10を他の印刷ユニット10から分離し、又は排紙集積ユニット92を下段側の印刷ユニット10から分離した状態とすれば、1台乃至複数台の印刷ユニット10を他の印刷ユニット10の間又は印刷ユニット10と排紙集積ユニット92との間に挿入し、あるいは印刷ユニット10の間又は印刷ユニット10と排紙集積ユニット92との間から1台乃至複数台の印刷ユニット10を抜き取ることが可能になっている。この結果、プリンタ装置90では、装置を構成する印刷ユニット10の台数を簡単に増減でき、印刷ユニット10の台数を増減することにより、装置全体としての記録紙Pに対する印刷速度を含む印刷能力を広い範囲で調整できる。
【0066】
(実施形態の作用)
次に、上記のように構成された本実施形態に係るプリンタ装置90による動作について説明する。
【0067】
プリンタ装置90では、印刷ユニット10の制御部112がパーソナルコンピュータ、サーバ等の外部の情報処理装置(図示省略)と接続されており、この情報処理装置からプリント命令及び画像情報が入力すると、印刷ユニット10が記録紙Pに対する画像の記録動作を開始する。
【0068】
ここで、プリンタ装置90における複数台の印刷ユニット10の制御部112を並列的に情報報処理装置に接続しても良く、また複数台の印刷ユニット10の何れか1台をメインの印刷ユニット10として構成し、このメインの印刷ユニット10の制御部112のみを情報処理装置に接続し、このメインの印刷ユニットの制御部112を通して他の印刷ユニット10の制御部112から各種の情報を出力するようにしても良い。またメインの印刷ユニット10の制御部112については、他の印刷ユニット10とは情報の処理速度、記憶容量等の性能及び機能が異なるものであっても良い。
【0069】
また、本実施形態のプリンタ装置90では、印字命令及び画像情報が入力すると、各印刷ユニット10による記録紙Pに対する記録回数が可能なかぎり平準化するように、各印刷ユニット10を所定の順番で巡回的に作動させる。またプリンタ装置90では、複数枚数分の記録紙Pに対する印字命令及び画像情報が一度に入力した場合には、可能な限り多数台の印刷ユニット10を同時に作動させ、同時に作動する複数台の印刷ユニット10によりそれぞれ記録紙Pに画像を形成させる。このとき、各印刷ユニット10が画像情報に基づいて記録紙Pに記録する画像は、印刷ユニット10毎に異なったものでも、同一のものでも良い。
【0070】
先ず、各印刷ユニット10における記録紙Pに対する画像の記録動作について説明する。
【0071】
プリンタ装置90では、情報処理装置からの印字命令及び画像情報が入力すると、少なくとも1台の印刷ユニット10が作動して記録紙Pに対する画像形成を開始する。このとき、作動状態となる印刷ユニット10では、先ず、分離給紙ローラ46が回転して給紙ホッパ20内に収納された紙束Bから1枚の記録紙Pを分離し、この記録紙Pを印字ガイド路52に沿って印字部34のニップローラ対40へ搬送する。ニップローラ対40は、記録紙Pを挟持しつつ回転して記録紙Pをインクジェットヘッド38とガイド板44との間に送り込み、ガイド板44に沿って記録紙Pを搬送し、記録紙Pの先端部をローラ対42の間に挿入する。これにより、記録紙Pは、ニップローラ対40及びローラ対42により挟持されつつ、副走査方向へ副走査速度で搬送される。
【0072】
インクジェットヘッド38は、ヘッド駆動機構により主走査方向へ移動しつつ、主走査方向に沿って配列された複数のノズルから画像情報に基づいて選択的にインクを噴射又は噴射停止し、副走査方向へ移動する記録紙P上にインクにより画像を形成して行く。このインクジェットヘッド38の画像の記録動作に併行し、ローラ対42は、画像が記録された記録紙Pの先端側の部分を排紙バッファ26内へ送り込む。このとき、排紙バッファ26内の積載板28は、アクチュエータにより下限位置に拘束されている。これにより、記録紙Pは、その先端部が分離排紙ローラ74に衝突することなく、ローラ対42からの搬送力により排紙バッファ26内へ送り込まれ、その後端部がローラ対42から離脱すると共に排紙バッファ26へ収納される。
【0073】
印刷ユニット10の制御部112は、画像が記録された記録紙Pが排紙バッファ26内に収納される時点までに、この記録紙Pを直ちに排紙バッファ26内から排紙ガイド路130,132,134内へ搬出するか否かを判断する。この判断は、例えば、各印刷ユニット10により記録紙Pに対してそれぞれ異なる頁(画像情報)の印刷が行われており、頁数が小さい頁の画像が記録された記録紙Pを先行して他の印刷ユニット10から排紙集積ユニット92へ搬送するために、排紙バッファ26からの記録紙Pの搬出タイミングを調整する必要があるか否か等の各種の状況に基づいて判断される。
【0074】
印刷ユニット10の制御部112は、記録紙Pを直ちに排紙バッファ26内から排紙ガイド路130,132,134内へ搬出すると判断した場合には、記録紙Pが排紙バッファ26内へ収納されると同時に、アクチュエータにより積載板28を下限位置から解放する。これにより、積載板28は、付勢部材30の付勢力により上方へ揺動し記録紙Pの先端側を分離排紙ローラ74へ圧接させる。これに同期して、制御部112は、分離排紙ローラ74を回転開始させて排紙バッファ26内に収納された記録紙Pを接続ガイド路80内へ送り出す。このとき、排紙バッファ26内に複数枚の記録紙Pが収納されて紙束Bが構成されている場合には、分離排紙ローラ74は、最上部に積載された1枚の記録紙Pのみを紙束Bから分離し、この記録紙Pを接続ガイド路80内へ送り出す。接続ガイド路80内へ送り出された記録紙Pは、その先端側が分離排紙ローラ74からの搬送力により排紙搬送ユニット96の対応する1本の排紙ガイド路130,132,134内へ送り込まれる。この記録紙Pは、排紙ガイド路130,132,134で先端側が搬送ローラ対136により挟持され、この搬送ローラ対136により排紙集積ユニット92側へ搬送される。
【0075】
また印刷ユニット10の制御部112は、画像が記録された記録紙Pを直ちに排紙バッファ26内から排紙ガイド路130,132,134内へ搬出しないと判断した場合には、記録紙Pが排紙バッファ26内へ収納されても、アクチュエータにより積載板28を下限位置に拘束し続ける。これにより、引き続き、インクジェットヘッド38により画像が記録された記録紙Pを排紙バッファ26内へ送り込み、この記録紙Pを既に排紙バッファ26内に収納された記録紙P上に積載可能になる。
【0076】
一方、プリンタ装置90では、作動状態にある印刷ユニット10で記録紙Pの先端側が接続ガイド路80内から1本の排紙ガイド路130,132,134内へ送り込まれ、搬送ローラ対136により排紙集積ユニット92側へ搬送開始されると、排紙集積ユニット92の搬出ローラ対164を回転させる。これにより、1本の排紙ガイド路130,132,134内へ送り込まれた記録紙Pは、この排紙ガイド路130,132,134に接続された1本の受入ガイド路158,160,162を通って排紙口152,154,156から排紙トレー部146上へ排紙される。この記録紙Pは、その後端部が搬出ローラ対164から離脱すると、排紙トレー部146の積載面148上に落下し載置される。このとき、積載面148には位置決め面150側へ下がるような傾斜が付けられているので、積載面148上に落下した記録紙Pは、積載面148上を滑って後端が位置決め面150に当接し、積載面148上で所定の積載位置に位置決めされる。
【0077】
またプリンタ装置90では、複数台の印刷ユニット10から同時に画像記録済みの記録紙Pが複数本の排紙ガイド路130,132,134へ送り出された場合でも、これらの記録紙Pを排紙トレー部146上へ搬送するための排紙ガイド路130,132,134及び受入ガイド路158,160,162が互いに分離されていることから、複数枚の記録紙Pを同時に排紙集積ユニット92の排紙トレー部146上へ搬送できる。
【0078】
また一の印刷ユニット10から送り込まれた1枚の記録紙Pが1本の排紙ガイド路130,132,134内を搬送されている時でも、この排紙ガイド路130,132,134には他の印刷ユニット10から記録紙Pが送り込まれないので、一の印刷ユニット10から次の1枚の記録紙Pを排紙ガイド路130,132,134に送り込んでも問題が発生せず、2枚以上の記録紙Pを1本の排紙ガイド路130,132,134内に送り込み、これらの記録紙Pを同時に排紙集積ユニット92へ搬送することもできる。
【0079】
また、本実施形態のプリンタ装置90では、給紙ユニット94から各印刷ユニット10の給紙ホッパ20内へ記録紙Pを補給することが可能になっている。次に、この給紙ユニット94から給紙ホッパ20への給紙動作について説明する。
【0080】
印刷ユニット10の制御部112は、情報処理装置からの印字命令の内容、給紙ホッパ20内の記録紙Pの残量等に応じて、給紙ユニット94からの記録紙Pの給紙が必要と判断し、かつ給紙ユニット170から給紙が可能と判断した場合に、給紙ユニット94から印刷ユニット10への記録紙Pの受入を準備すると共に、給紙ユニット94に対して記録紙Pの給紙を要求する。このとき、制御部112が、給紙ユニット94からの記録紙Pの給紙が必要と判断する場合としては、給紙ホッパ20内の記録紙Pの残量が少ない場合、及び、印字命令により給紙ユニット94内に収納された記録紙Pに画像を記録する必要がある場合等がある。
【0081】
また制御部112は、印字部34により記録紙Pに対する画像記録が行われておらず、かつ記録紙Pの補給先となる印刷ユニット10と給紙ユニット94との間の給紙ガイド路58(給紙経路)が記録紙Pにより塞がれていない時、すなわち他の印刷ユニット10に対して記録紙Pが補給中ではない時に、給紙ユニット94から給紙ホッパ20へ記録紙Pの給紙が可能と判断する。
【0082】
制御部112は、給紙ユニット94からの記録紙Pの給紙が必要と判断し、かつ給紙ユニット94からの給紙が可能と判断すると、先ず、給紙ホッパ20の積載板22をアクチュエータにより下限位置に揺動させ拘束すると共に、補給先の印刷ユニット10のガイドレバー72のみをロータリアクチュエータにより搬送位置から給紙位置(図3(B)参照)へ回動させる。
【0083】
次いで、制御部112は、補給先の印刷ユニット10と給紙ユニット94との間の給紙ガイド路58に配置された各搬送ローラ対60をそれぞれ所定の搬送方向へ回転開始させると共に、給紙ユニット94の制御部114に給紙信号を出力する。この給紙信号を受けた給紙ユニット94の制御部114は、分離給紙ローラ108を所定量回転させる。これにより、積載トレー106上に積載された紙束Bから1枚の記録紙Pが分離され、接続ガイド路110内へ送り込まれる。この記録紙Pは、その先端側が接続ガイド路110を通って給紙ガイド路58内へ送り込まれ、搬送ローラ対60により挟持されて搬送され、給紙ガイド路58と分岐ガイド路62との分岐部まで搬送されると、ガイドレバー72により給紙ガイド路58から分岐ガイド路62内へ案内される。この記録紙Pは、搬送ローラ対60からの搬送力により分岐ガイド路62及び受入ガイド路66を通って給紙ホッパ20内へ搬出され、積載板22上に収納される。
【0084】
給紙ユニット94の制御部114は、制御部112からの給紙信号により複数枚の記録紙Pを要求されている場合は、先行して給紙された記録紙Pが給紙ホッパ20内へ収納されたタイミングに同期して、分離給紙ローラ108を回転させて後続する記録紙Pを接続ガイド路110へ送り込む分離給紙動作を要求された記録紙Pの枚数分だけ繰り返す。
【0085】
一方、印刷ユニット10の制御部112は、給紙信号により要求した枚数の記録紙Pが給紙ホッパ20内へ収納されると、積載板22をアクチュエータにより下限位置から解放すると共に、ガイドレバー72をロータリアクチュエータにより給紙位置から搬送位置へ復帰させる。これにより、補給先の印刷ユニット10では、給紙ユニット94から給紙された記録紙Pが給紙ホッパ20内から優先的に印字部34へ給紙可能になる。
【0086】
次に、以上説明した本実施形態に係るプリンタ装置90の作用について説明する。
【0087】
本実施形態に係る印刷ユニット10では、印字部34による画像記録開始時に、分離給紙ローラ46が給紙ホッパ20に収納された紙束Bから1枚の記録紙Pを分離して印字部34に給紙することにより、印刷ユニット10内の給紙ホッパ20に予め収納されていた記録紙Pを印字部34による画像の記録開始に同期して印字部34に供給できる。このとき、記録紙Pを印刷ユニット10の外部から印字部まで供給するプリンタ装置と比較して、記録紙Pを収納する給紙ホッパ等の記録紙の収納部から印字部34までの距離(搬送距離)を短縮できるので、記録紙Pを搬送開始してから印字部34に達するまでの時間(給紙時間)を短縮し、結果として、情報処理装置からの印字命令の入力から記録紙Pにインクジェットヘッド38により画像の記録が開始されるまでの時間を短縮できる。
【0088】
また印刷ユニット10では、印字部34により画像が記録された記録紙Pが排紙バッファ26内に一時収納され、この排紙バッファ26内に一時収納された記録紙Pが所定のタイミングで分離排紙ローラ74により分離されると、この記録紙Pが搬送ローラ対136により排紙ガイド路130,132,134に沿って搬送されて排紙集積ユニット92の排紙トレー部146上へ排出されることにより、画像が記録された記録紙Pを排紙バッファ26内に一時収納しておけば、排紙バッファ26内から排紙ガイド路130,132,134へ送り出すタイミングを調整することが可能になるので、例えば、排紙バッファ26内から記録紙Pを排紙ガイド路130,132,134へ送り出すタイミングを適宜調整すれば、排紙トレー部146上での画像記録済みを頁順に積載するソート処理が実行可能になる。
【0089】
また、本実施形態に係るプリンタ装置90では、一端部が印刷ユニット10の排紙口82に接続され且つ他端部が排紙集積ユニット92に接続された排紙ガイド路130,132,134を、ユニット集積体98を構成する複数台の印刷ユニット10にそれぞれ1対1で対応するように複数本設け、これら複数本の排紙ガイド路130,132,134を互いに分離したことにより、一の印刷ユニット10から一の排紙ガイド路130,132,134内に送り出された記録紙Pが排紙集積ユニット92へ搬送されている時でも、この記録紙Pの排紙集積ユニット92の排紙トレー部146上への搬出完了を待つことなく、他の印刷ユニット10から記録紙Pを他の排紙ガイド路130,132,134内へ送り出し、この記録紙Pを排紙ガイド路130,132,134に沿って排紙集積ユニット92の排紙トレー部146上へ搬出できるので、複数台の印刷ユニット10により画像がそれぞれ記録された複数枚の記録紙Pを同時に排紙集積ユニット92の排紙トレー部146上へ搬送できる。
【0090】
またプリンタ装置90では、排紙集積ユニット92と共に積み重ねられてユニット集積体98を構成する印刷ユニット10の台数を増減することにより、装置全体としての記録紙Pに対する印刷速度(単位時間当たりに画像を記録できる記録紙の枚数)を増減できるので、ユーザの求めに応じて印刷速度を含む印刷能力を広い範囲で調整できる。このとき、一の印刷ユニット10は、他の印刷ユニット10により画像記録済みの記録紙が一の排紙ガイド路130,132,134を通って排紙集積ユニット92へ搬送中でも、記録紙Pを他の排紙ガイド路130,132,134内を使って排紙集積ユニット92へ搬送できる。
【0091】
従って、本実施形態に係るプリンタ装置90によれば、印刷ユニット10の台数を増加しても、先に他の印刷ユニット10から搬送開始された記録紙Pの排紙集積ユニット92への排紙完了を待つ必要がなく、待ち時間の増加による印刷能力の低下が殆ど生じなくなり、印刷ユニット10の台数を増加すれば、その増加台数に応じて効率的に印刷能力を増加できる。
【0092】
また本実施形態に係るプリンタ装置90では、各印刷ユニット10に給紙ホッパ20が設けられているので、例えば、メイン給紙ホッパ104と各印刷ユニット10における給紙ホッパとにそれぞれ異なる種類の記録紙Pを収納しておけば、この種類が異なる記録紙Pに画像を記録する必要がある場合には、メイン給紙ホッパ104から給紙ホッパ20へ種類が異なる記録紙Pを供給し、この種類が異なる記録紙Pに印字部34により優先的に画像を記録できるようになる。
【0093】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るプリンタ装置によれば、複数台の印刷ユニットにより画像がそれぞれ記録された複数枚の記録紙を同時に排紙集積ユニットへ搬送できると共に、印刷ユニットの台数増加に応じて効率的に印刷能力を増加できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係るプリンタ装置の構成を示す側面図である。
【図2】 図1に示されるプリンタ装置をユニット単位で分解した状態を示す側面図である。
【図3】 (A)は本発明の実施形態に係るプリンタ装置における印刷ユニットの構成を示す側面断面図、(B)は印刷ユニットにおけるガイドレバーの動作を示す側面図である。
【図4】 図3に示される印刷ユニットの構成を示す平面面図である。
【図5】 図2に示される印刷ユニットにおける給紙ホッパの構成を示す側面図であり、(A)は積載板が下限位置に拘束されている状態を示し、(B)は積載板が下限位置から解放されている状態を示している。
【符号の説明】
10 印刷ユニット
20 給紙ホッパ(個別供給手段、媒体収納部、トレイ)
26 排紙バッファ(バッファ手段)
34 印字部(印字手段)
38 インクジェットヘッド(印字手段)
46 分離給紙ローラ(個別供給手段、分離供給手段)
58 給紙ガイド路(共通供給手段)
60 搬送ローラ対(給紙搬送手段)
62 分岐ガイド路
72 ガイドレバー
74 分離排紙ローラ(分離排出手段)
80 接続ガイド路
82 排紙口
90 プリンタ装置
92 排紙集積ユニット
94 給紙ユニット(共通供給手段)
96 排紙搬送ユニット(排出搬送ユニット)
98 ユニット集積体
100
104 メイン給紙ホッパ
130、132、134 排紙ガイド路(排出ガイド路)
136 搬送ローラ対(排出搬送手段)
138 排紙ユニット(排出ユニット)
146 排紙トレー部(排出集積部)
152 排紙口(集積排紙口)
164 搬出ローラ対(排出搬送手段)
P 記録紙(記録媒体)

Claims (8)

  1. シート状の記録媒体に画像を記録する印字手段及び、前記印字手段により画像が記録された記録媒体をユニット外部へ搬出する排出搬送手段がそれぞれ複数設けられ、複数の印字手段により記録媒体に対して並列的に画像を記録可能とされた本体ユニットと、
    前記排出搬送手段により前記本体ユニットから排出された記録媒体を受け入れ、該記録媒体を保管するための媒体保管部と、
    一端部が前記排出搬送手段に接続されると共に他端部が前記媒体保管部に接続され、前記排出搬送手段により前記本体ユニットから排出された記録媒体を夫々前記媒体保管部へ案内するための複数の排出ガイド路と、
    前記排出搬送手段により前記排出ガイド路へ搬出された記録媒体を前記媒体保管部へ搬送する排出搬送手段と、を備え、
    前記媒体保管部には、前記排出ガイド路内から排出された記録媒体が積層される排出集積部が設けられると共に、前記排出ガイド路の他端部には、前記排出集積部に面して開口する集積排出口が設けられ、
    前記複数の排出ガイド路は、前記複数の集積排出口を通して前記排出集積部上へそれぞれ排出される記録媒体が、その厚さ方向に沿って互いに離反する方向を指向しつつ排出されるように、複数の記録媒体を案内することを特徴とするプリンタ装置。
  2. 前記本体ユニットは、前記印字手段をそれぞれ有する複数の印刷ユニットが重ね合わされて構成されたことを特徴とする請求項1記載のプリンタ装置。
  3. 前記排出ガイド路及び前記排出搬送手段が設けられた排出搬送ユニット及び、前記媒体保管部が設けられた排紙集積ユニットと、を有し、
    前記本体ユニットに、少なくとも前記排出搬送ユニット及び前記排紙集積ユニットが着脱可能に取り付けられて構成されることを特徴とする請求項1又は2記載のプリンタ装置。
  4. 複数の前記印字手段により画像が記録された記録媒体をそれぞれ受け入れて一時保持する複数のバッファ手段を有し、
    前記排出搬送手段に、前記バッファ手段により一時保持された記録媒体を該排紙バッファから取り出し、前記排出ガイド路へ送り出す分離排出搬送手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載のプリンタ装置。
  5. 複数の前記印字手段に対して記録媒体をそれぞれ供給する複数の個別供給手段を有することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項記載のプリンタ装置。
  6. 前記個別供給手段は、1枚以上の記録媒体を収納する媒体収納部と、前記媒体収納部に収納された記録媒体を1枚づつ分離して前記印字手段へ供給する分離供給手段と、を含むことを特徴とする請求項5記載のプリンタ装置。
  7. 前記媒体収納部は、挿抜自在に設けられたトレイであることを特徴とする請求項6項記載のプリンタ装置。
  8. 1枚以上の記録媒体を収納すると共に、収納した記録媒体を複数の前記個別供給手段の何れかに選択的に供給する共通供給手段を有することを特徴とする請求項5乃至7の何れか1項記載のプリンタ装置。
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